JP2009132354A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リザーバタンク内のブレーキフルードの量が十分でない場合に、マスタシリンダにおけるブレーキフルードの減少を抑制する。
【解決手段】液面レベル検出手段は、ブレーキフルードの液面レベルを検出する。ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードがマニュアル液圧源に戻れなくなる液面レベルまで低下しており、かつ、通常行われている第1制御モードとは異なる第2制御モードに変更される液面レベルまでは低下していないと検出された場合、制動が開始される前に第1制御弁を閉弁するとともに制動が開始された後は第1制御モードで各制御弁を制御する。制御手段は、第1制御モードから第2制御モードへ変更する液面レベルまで低下していると検出された場合、第2制御モードで各制御弁を制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両に設けられた車輪に付与する制動力を制御するブレーキ制御装置に関する。
近年、車両における制動装置として、車両の走行状況に応じて最適な制動力を車両に与えるよう各車輪の制動力を制御する電子制御ブレーキシステムが多く採用されている。このような電子制御ブレーキシステムでは、圧力センサによって各車輪のホイールシリンダ圧を監視し、ホイールシリンダ圧が運転者のブレーキペダル操作量に基づいて演算される目標油圧になるように、電磁流量制御弁を制御している(例えば特許文献1参照)。
また、このような電子制御ブレーキシステムを含め一般的なブレーキシステムは、液圧を発生するために用いるブレーキフルードを収容するリザーバタンクを備えている。特許文献2には、リザーバタンク内のフルードの液面レベルが予め定められた設定液面レベルより低くなったことを検出する液面レベル検出装置付きリザーバタンクが開示されている。
特開2004−322843号公報 実開平7−35228号公報
ところで、特許文献1に記載の電子制御ブレーキシステムでは、システムが正常な場合に運転者のブレーキペダル操作をストロークセンサ等で検出すると、マスタカット弁が閉じてからアキュムレータに蓄圧された液圧を各ホイールシリンダに供給することで制動を行っている。その後、制動が終了すると、ホイールシリンダに供給されたブレーキフルードは、下流側に設けられている減圧弁が開弁することでポンプ側に戻され、再度アキュムレータの蓄圧に利用されることになる。
しかしながら、運転者のブレーキペダル操作を検出してからマスタカット弁が閉じられるまでの間には、運転者のブレーキペダルの踏み込みによりマスタシリンダ側からホイールシリンダ側へブレーキフルードが送り込まれてしまう。そのため、リザーバタンクに十分なブレーキフルードが蓄えられている場合には特に問題とはならないが、リザーバタンク内のブレーキフルードが不足してきた場合、ホイールシリンダからポンプ側に戻されたブレーキフルードがリザーバタンクを介してマスタシリンダまで十分に戻らない状況が考えられる。
特に、マスタシリンダ側とポンプ側とにリザーバタンク内を部分的に隔てる隔壁が設けられている、いわゆる分離型リザーバタンクを採用している場合、ブレーキフルードの液面が隔壁の上端より低いと、ポンプ側に戻されたブレーキフルードはマスタシリンダまで戻らなくなる。そのため、マスタカット弁上流側のブレーキフルードは徐々に減少することになる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リザーバタンク内のブレーキフルードの量が十分でない場合に、マスタシリンダにおけるブレーキフルードの減少を抑制するための技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御装置は、ブレーキフルードを収容するリザーバと、収容されたブレーキフルードを運転者によるブレーキ操作部材の操作量に応じて加圧するマニュアル液圧源と、運転者のブレーキ操作から独立した動力を用いてブレーキフルードによる蓄圧が可能な動力液圧源と、前記マニュアル液圧源および前記動力液圧源の少なくとも一方からのブレーキフルードの供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、前記マニュアル液圧源と前記ホイールシリンダとを接続し、前記マニュアル液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給が可能なように構成されているマニュアル液圧伝達経路と、前記動力液圧源と前記ホイールシリンダとを接続し、前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給が可能なように構成されている動力液圧伝達経路と、前記ホイールシリンダと前記リザーバと前記動力液圧源とを接続し、前記ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードを前記リザーバで回収できるように構成された回収経路と、前記マニュアル液圧伝達経路に設けられ、前記マニュアル液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給を制御する第1制御弁と、前記動力液圧伝達経路に設けられ、前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給を制御する第2制御弁と、前記ホイールシリンダの下流側に設けられ、前記ホイールシリンダから前記回収経路へのブレーキフルードの排出を制御する第3制御弁と、ブレーキフルードの液面レベルを検出する液面レベル検出手段と、前記ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードがマニュアル液圧源に戻れなくなる液面レベルまで低下しており、かつ、通常行われている第1制御モードとは異なる第2制御モードに変更される液面レベルまでは低下していないと検出された場合、制動が開始される前に前記第1制御弁を閉弁するとともに制動が開始された後は前記第1制御モードで各制御弁を制御し、前記第1制御モードから前記第2制御モードへ変更する液面レベルまで低下していると検出された場合、前記第2制御モードで各制御弁を制御する、制御手段と、を備える。
この態様によると、ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードがマニュアル液圧源に戻れなくなる液面レベルまで低下しており、かつ、通常行われている第1制御モードとは異なる第2制御モードに変更される液面レベルまでは低下していない場合、マニュアル液圧源におけるブレーキフルードの補充が十分に行われなくなる。そこで、制動が開始される前に第1制御弁を閉弁することで、運転者によるブレーキ操作部材の操作により制動開始直後のマニュアル液圧源からホイールシリンダ側へのブレーキフルードの流れ込みを抑制することができる。なお、通常行われている第1制御モードとは、例えば、ブレーキフルードの液面レベルが正常範囲となっている場合に行われる制御モードとしてとらえることができる。あるいは、車両状態が正常な場合に最も高い確率で選択される制御モードとしてとらえることもできる。
本発明の別の態様もまた、ブレーキ制御装置である。この装置は、ブレーキフルードを収容するリザーバと、収容されたブレーキフルードを運転者によるブレーキ操作部材の操作量に応じて加圧するマニュアル液圧源と、運転者のブレーキ操作から独立した動力を用いてブレーキフルードによる蓄圧が可能な動力液圧源と、前記マニュアル液圧源および前記動力液圧源の少なくとも一方からのブレーキフルードの供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、前記マニュアル液圧源と前記ホイールシリンダとを接続し、前記マニュアル液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給が可能なように構成されているマニュアル液圧伝達経路と、前記動力液圧源と前記ホイールシリンダとを接続し、前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給が可能なように構成されている動力液圧伝達経路と、前記ホイールシリンダと前記リザーバと前記動力液圧源とを接続し、前記ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードを前記リザーバで回収できるように構成された回収経路と、前記マニュアル液圧伝達経路に設けられ、前記マニュアル液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給を制御する第1制御弁と、前記動力液圧伝達経路に設けられ、前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給を制御する第2制御弁と、前記ホイールシリンダの下流側に設けられ、前記ホイールシリンダから前記回収経路へのブレーキフルードの排出を制御する第3制御弁と、ブレーキフルードの液面レベルが所定の第1液面レベルより低下したこと、および、ブレーキフルードの液面レベルが該第1液面レベルよりも低い所定の第2液面レベルより低下したこと、を検出することができる液面レベル検出手段と、ブレーキフルードの液面レベルが前記第1液面レベルより低下したことが検出され前記第2液面レベルより低下したことが検出されない場合、制動が開始される前に前記第1制御弁を閉弁するとともに制動が開始された後はブレーキフルードの液面レベルが前記第1液面レベルより高いときと同じ第1制御モードで各制御弁を制御し、ブレーキフルードの液面レベルが前記第2液面レベルより低下したことが検出された場合、前記第1制御モードとは異なる第2制御モードで各制御弁を制御する、制御手段と、を備える。
この態様によると、ブレーキフルードの液面が低下し続けると、ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードがマニュアル液圧源に戻りにくくなるような状況が発生する。そこで、例えば、ブレーキフルードがマニュアル液圧源に戻りにくくなる、あるいは、戻れなくなるような液面レベルを実験やシミュレーションで検証し、そのような液面レベルを第1液面レベルとして設定しておく。そして、第1液面レベルよりも低下したことが検出され第2液面レベルより低下したことが検出されない場合、制動が開始される前に第1制御弁を閉弁することで、運転者によるブレーキ操作部材の操作により制動開始直後のマニュアル液圧源からホイールシリンダ側へのブレーキフルードの流れ込みを抑制することができる。
前記液面レベル検出手段は、前記第1液面レベルとして、前記ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードが前記リザーバの内部でマニュアル液圧源に戻れなくなる液面レベルが設定されていてもよい。これにより、ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードがリザーバの内部でマニュアル液圧源に戻れるような液面レベルにおいて、不必要な第1制御弁の閉弁動作が抑制される。
前記リザーバは、前記マニュアル液圧伝達経路と接続される第1接続部と、前記回収経路と接続される第2接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部との間に、該第1接続部の上方の空間と該第2接続部の上方の空間とを隔てるように設けられた隔壁と、を備えてもよい。これにより、リザーバ内の液面レベルが低下してもマニュアル液圧伝達経路と回収経路におけるブレーキフルードが同時に減少することを防止することができる。
前記液面レベル検出手段は、前記第1液面レベルとして、前記隔壁の上端より下方の液面レベルが設定されていてもよい。これにより、ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードがリザーバの内部でマニュアル液圧源に戻れるような液面レベルにおいて、不必要な第1制御弁の閉弁動作が抑制される。
前記制御手段は、前記第2制御モードにおいて、前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給を禁止し、前記マニュアル液圧源から供給されるブレーキフルードにより前記ホイールシリンダに制動力を付与できるように、前記第1制御弁を開弁するとともに前記第3制御弁を閉弁してもよい。これにより、ブレーキフルードの液面レベルが第2液面レベルよりも低下した場合には、通常の、例えば動力液圧源を主とする、制御モードに必要なブレーキフルードの量が不足している可能性が高いため、通常よりも少量のブレーキフルードで可能なマニュアル液圧源による制動制御を実行することができる。
前記液面レベル検出手段は、前記リザーバに固定された固定部材と、液面レベルに応じて前記固定部材に対して上下に移動する第1フロートおよび第2フロートを備えてもよい。前記固定部材と前記第1フロートとが所定の第1位置関係となったことにより、液面レベルが前記第1液面レベルとなったことを検出し、前記固定部材と前記第2フロートとが所定の第2位置関係となったことにより、液面レベルが前記第2液面レベルとなったことを検出してもよい。これにより、固定部材を共通として2段階の液面レベルを検出できるので、装置を安価に構成することができる。
前記制御手段は、前記第3制御弁の作動状況を推定し、該作動状況が所定の条件を満たす場合、前記ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードがマニュアル液圧源に戻れなくなる液面レベルまで低下しており、かつ、通常行われている第1制御モードとは異なる第2制御モードに変更される液面レベルまでは低下していないと検出されたときであっても、前記第1制御弁を開弁してもよい。これにより、例えば、非制動時にホイールシリンダの液圧が所定の圧力より上昇しないように第3制御弁が頻繁に作動しているような状況では、第1制御弁を開弁することでホイールシリンダの液圧が低下し、第3制御弁の作動頻度を低減することができる。
前記制御手段は、前記第3制御弁の作動状況を推定し、該作動状況が所定の条件を満たす場合、ブレーキフルードの液面レベルが前記第1液面レベルより低下したことが検出され前記第2液面レベルより低下したことが検出されないときであっても、前記第1制御弁を開弁してもよい。これにより、例えば、非制動時にホイールシリンダの液圧が所定の圧力より上昇しないように第3制御弁が頻繁に作動しているような状況では、第1制御弁を開弁することでホイールシリンダの液圧が低下し、第3制御弁の作動頻度を低減することができる。
前記制御手段は、前記作動状況として前記第3制御弁の作動時間に基づいた作動頻度を算出する作動頻度算出部と、前記作動頻度が所定値をこえる場合に前記所定の条件を満たすと判定する条件判定部と、を備えてもよい。これにより、例えば、第3制御弁への通電の有無を検出することで算出される作動時間により容易に作動状況を把握することができる。
前記制御手段は、前記作動状況として前記第3制御弁の通電量に基づいて該第3の制御弁の作動温度を推定する作動温度推定部と、推定された前記作動温度が所定値をこえる場合に前記所定の条件を満たすと判定する条件判定部と、を備えてもよい。これにより、例えば、第3制御弁への通電量を積算することで算出される発熱量により作動温度を推定することが可能となる。より好ましくは、単位時間あたりの通電量に基づいて作動温度を推定するとよい。これにより、発熱量と放熱量とを考慮した精度の高い作動温度の推定が可能となる。
本発明によれば、リザーバタンク内のブレーキフルードの量が十分でない場合に、マスタシリンダにおけるブレーキフルードの減少を抑制することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
[ブレーキ制御装置の概略構成]
図1は、本実施の形態に係るブレーキ制御装置10を示す系統図である。図1に示されるブレーキ制御装置10は、車両用の電子制御式ブレーキシステムを構成しており、運転者によるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12の操作に応じて車両の4輪のブレーキを最適に設定する。つまり、ブレーキ制御装置10は、車両に設けられた車輪に付与させる制動力を制御することができる。
ブレーキペダル12は、運転者による踏み込み操作に応じて作動流体(作動液)としてのブレーキフルードを送り出すマスタシリンダ14に接続されている。ブレーキペダル12には、その踏み込みストロークを検出するためのストロークセンサ46が設けられている。
マスタシリンダ14の一方の出力ポート14aには、運転者によるブレーキペダル12の操作力に応じた反力を創出するストロークシミュレータ24が接続されている。マスタシリンダ14とストロークシミュレータ24とを接続する流路の中途には、シミュレータカット弁23が設けられている。シミュレータカット弁23は、非通電時に閉状態にあり、運転者によるブレーキペダル12の操作が検出された際に開状態に切り換えられる常閉型の電磁開閉弁である。
また、マスタシリンダ14には、ブレーキフルードを収容するためのリザーバタンク26が接続されている。リザーバタンク26の詳細な構成については後述するが、リザーバタンク26には、リザーバタンク26内のブレーキフルードの液面レベルを検出する液面レベル検出装置が設けられている。マスタシリンダ14は、収容されたブレーキフルードを運転者によるブレーキペダル12の操作量に応じて加圧することができるマニュアル液圧源として機能する。
マスタシリンダ14の一方の出力ポート14aには、右前輪用のブレーキ油圧制御管16が接続されている。ブレーキ油圧制御管16は、図示されない右前輪に対して制動力を付与する右前輪用のホイールシリンダ20FRに接続されている。また、マスタシリンダ14の他方の出力ポート14bには、左前輪用のブレーキ油圧制御管18が接続されており、ブレーキ油圧制御管18は、図示されない左前輪に対して制動力を付与する左前輪用のホイールシリンダ20FLに接続されている。右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、マスタカット弁としての右電磁開閉弁22FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の中途には、同じくマスタカット弁としての左電磁開閉弁22FLが設けられている。これらの右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLは、いずれも、非通電時に開状態にあり、通電時に閉状態に切り換えられる常開型電磁弁である。また、これらの右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLは、通常は運転者によるブレーキペダル12の操作が検出された際に閉状態に切り換えられる。
また、右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する右マスタ圧力センサ48FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の途中には、左前輪側のマスタシリンダ圧を計測する左マスタ圧力センサ48FLが設けられている。ブレーキ制御装置10では、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれた際、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量が検出されるが、これらの右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLによって検出されるマスタシリンダ圧からもブレーキペダル12の踏み込み操作力(踏力)を求めることができる。このように、ストロークセンサ46の故障を想定して、マスタシリンダ圧を2つの圧力センサ48FRおよび48FLによって監視することは、フェイルセーフの観点からみて好ましい。なお、以下では適宜、右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLを総称して、マスタシリンダ圧センサ48という。
一方、リザーバタンク26には、油圧給排管28の一端が接続されており、この油圧給排管28の他端には、モータ32により駆動されるオイルポンプ34の吸込口が接続されている。オイルポンプ34の吐出口は、高圧管30に接続されており、この高圧管30には、アキュムレータ50とリリーフバルブ53とが接続されている。本実施の形態では、オイルポンプ34として、モータ32によってそれぞれ往復移動させられる2体以上のピストン(図示せず)を備えた往復動ポンプが採用される。また、アキュムレータ50としては、ブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギに変換して蓄えるものが採用される。
アキュムレータ50は、オイルポンプ34によって例えば14〜22MPa程度にまで昇圧されたブレーキフルードを蓄える。また、リリーフバルブ53の弁出口は、油圧給排管28に接続されており、アキュムレータ50におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ53が開弁し、高圧のブレーキフルードは油圧給排管28へと戻される。さらに、高圧管30には、アキュムレータ50の出口圧力、すなわち、アキュムレータ50におけるブレーキフルードの圧力を検出するアキュムレータ圧センサ51が設けられている。
そして、高圧管30は、増圧弁40FR,40FL,40RR,40RLを介して右前輪用のホイールシリンダ20FR、左前輪用のホイールシリンダ20FL、右後輪用のホイールシリンダ20RRおよび左後輪用のホイールシリンダ20RLに接続されている。以下、適宜、ホイールシリンダ20FR〜20RLを総称して「ホイールシリンダ20」といい、適宜、増圧弁40FR〜40RLを総称して「増圧弁40」という。増圧弁40は、いずれも、非通電時は閉じた状態にあり、必要に応じてホイールシリンダ20の増圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。なお、図示されない車両の各車輪に対しては、ディスクブレーキユニットが設けられており、各ディスクブレーキユニットは、ホイールシリンダ20の作用によってブレーキパッドをディスクに押し付けることで制動力を発生する。
また、右前輪用のホイールシリンダ20FRと左前輪用のホイールシリンダ20FLとは、それぞれ減圧弁42FRまたは42FLを介して油圧給排管28に接続されている。減圧弁42FRおよび42FLは、必要に応じてホイールシリンダ20FR,20FLの減圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。一方、右後輪用のホイールシリンダ20RRと左後輪用のホイールシリンダ20RLとは、常開型の電磁流量制御弁である減圧弁42RRまたは42RLを介して油圧給排管28に接続されている。以下、適宜、減圧弁42FR〜42RLを総称して「減圧弁42」という。
また、本実施の形態に係るブレーキ制御装置10は、図1に示すように、右前輪用、左前輪用、右後輪用および左後輪用のホイールシリンダ20FR〜20RL付近に、それぞれ対応するホイールシリンダ20に作用するブレーキフルードの圧力であるホイールシリンダ圧を検出するホイールシリンダ圧センサ44FR,44FL,44RRおよび44RLが設けられている。以下、適宜、ホイールシリンダ圧センサ44FR〜44RLを総称して「ホイールシリンダ圧センサ44」という。ホイールシリンダ圧センサ44は、ホイールシリンダ20に作用するブレーキフルードの圧力を検出する圧力検出手段として機能する。
上述の右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FL、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL、オイルポンプ34、アキュムレータ50等は、ブレーキ制御装置10の油圧アクチュエータ80を構成する。そして、かかる油圧アクチュエータ80は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)200によって制御される。
ECU200は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、エンジン停止時にも記憶内容を保持できるバックアップRAM等の不揮発性メモリ、入出力インターフェース、各種センサ等から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して取り込むためのA/Dコンバータ、計時用のタイマ等を備えるものである。
ECU200には、上述の電磁開閉弁22FR,22FL、シミュレータカット弁23、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL等の油圧アクチュエータ80を含む各種アクチュエータ類が電気的に接続されている。
また、ECU200には、制御に用いるための信号を出力する各種センサ・スイッチ類が電気的に接続されている。すなわち、ECU200には、ホイールシリンダ圧センサ44FR〜44RLから、ホイールシリンダ20FR〜20RLにおけるホイールシリンダ圧を示す信号が入力される。
また、ECU200には、ストロークセンサ46からブレーキペダル12のペダルストロークを示す信号が入力され、右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLからマスタシリンダ圧を示す信号が入力され、アキュムレータ圧センサ51からアキュムレータ圧を示す信号が入力される。
また、ECU200には、リザーバタンク26に設けられた液面レベル検出装置から、ブレーキフルードの液面レベルを示す信号が入力される。また、ECU200には、リザーバタンク26の液面レベルの低下を運転者に知らせるための警告ランプ54が接続されている。
さらに、図示しないが、ECU200には、各車輪ごとに設置された車輪速センサから各車輪の車輪速度を示す信号が入力され、ヨーレートセンサからヨーレートを示す信号が入力され、操舵角センサからステアリングホイールの操舵角を示す信号が入力されたりしている。
このように構成されるブレーキ制御装置10では、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれると、ECU200により、ブレーキペダル12の踏み込み量を表すペダルストロークとマスタシリンダ圧とから車両の目標減速度が算出され、算出された目標減速度に応じて各車輪のホイールシリンダ圧の目標値である目標油圧が求められる。そして、ECU200により増圧弁40、減圧弁42が制御され、各車輪のホイールシリンダ圧が目標油圧になるよう制御される。
一方、このとき電磁開閉弁22FRおよび22FLは閉状態とされ、シミュレータカット弁23は開状態とされる。よって、運転者によるブレーキペダル12の踏込によりマスタシリンダ14から送出されたブレーキフルードは、シミュレータカット弁23を通ってストロークシミュレータ24に流入する。
また、アキュムレータ圧が予め設定された制御範囲の下限値未満であるときには、ECU200によりオイルポンプ34が駆動されてアキュムレータ圧が昇圧され、アキュムレータ圧がその制御範囲に入ればオイルポンプ34の駆動が停止される。
上述のようにブレーキ制御装置10は、ブレーキフルードを収容するリザーバタンク26と、収容されたブレーキフルードを運転者によるブレーキペダル12の操作量に応じて加圧するマスタシリンダ14と、運転者のブレーキ操作から独立したオイルポンプ34を用いてブレーキフルードによる蓄圧が可能なアキュムレータ50を含む動力液圧源と、マスタシリンダ14および動力液圧源の少なくとも一方からのブレーキフルードの供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダ20と、マスタシリンダ14とホイールシリンダ20とを接続し、マスタシリンダ14からホイールシリンダ20へのブレーキフルードの供給が可能なように構成されているブレーキ油圧制御管16,18と、動力液圧源とホイールシリンダ20とを接続し、動力液圧源からホイールシリンダ20へのブレーキフルードの供給が可能なように構成されている高圧管30と、ホイールシリンダ20とリザーバタンク26と動力液圧源とを接続し、ホイールシリンダ20から排出されたブレーキフルードをリザーバタンク26で回収できるように構成された油圧給排管28と、ブレーキ油圧制御管16,18に設けられ、マスタシリンダ14からホイールシリンダ20へのブレーキフルードの供給を制御する右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLと、高圧管30に設けられ、動力液圧源からホイールシリンダ20へのブレーキフルードの供給を制御する増圧弁40と、ホイールシリンダ20の下流側に設けられ、ホイールシリンダ20から油圧給排管28へのブレーキフルードの排出を制御する減圧弁42と、を備えている。
[分離型リザーバタンク]
図2は、リザーバタンク26の構成を説明するための図である。リザーバタンク26の本体部140は、合成樹脂で形成され、内部にブレーキフルードを貯留可能な有底円筒状に形成されている。本体部140の上部には、ブレーキフルードを注入するための開口部144が形成されている。この開口部144には、開口部144を塞ぐためのキャップ142が嵌合固定されている。
図2に示すように、本体部140には、基準となる液面レベルとして、最高液面レベルMAX、最低液面レベルMINおよびフェイルセーフモード作動液面レベルFLが設定されている。最高液面レベルMAXは、ブレーキ制御装置10の油圧管から戻るブレーキフルードを考慮して、本体部140の上面より低い値に設定される。最低液面レベルMINは、4輪のホイールシリンダ20に安定して適切な制動力を作用させることができるブレーキフルード量が確保されるように設定される。フェイルセーフモード作動液面レベルFLは、最低液面レベルMINよりも低く設定され、ブレーキ制御装置10が後述するフェイルセーフモードで制御されるべき液面レベルを表す。これらの最高液面レベルMAX、最低液面レベルMINおよびフェイルセーフモード作動液面レベルFLは、リザーバタンク26や、キャリパ消費液量等のブレーキスペックによって異なる。
本体部140の底面からは、上方に向かって第1隔壁128と第2隔壁130が形成されている。第1隔壁128および第2隔壁130は、上端部の高さが最低液面レベルMINよりも低くなるように形成される。
第1隔壁128と第2隔壁130とによって、本体部140の最低液面レベルMINより下方の内部空間が、3つの空間に分けられる。すなわち、第1隔壁128と本体部140の側壁とによって、第1フルード貯蔵室116が形成され、第1隔壁128と第2隔壁130とによって、第2フルード貯蔵室118が形成され、第2隔壁130と本体部140の側壁とによって通常制御室120が形成される。
第1フルード貯蔵室116の底面には、第1フルード貯蔵室116をマニュアル液圧源であるマスタシリンダ14の一方の出力ポート14aに連通させるためのマスタシリンダ側接続部122が形成されている。第2フルード貯蔵室118の底面には、第2フルード貯蔵室118をマスタシリンダ14の他方の出力ポート14bに連通させるためのマスタシリンダ側接続部124が形成されている。通常制御室120の底面には、通常制御室120をオイルポンプ34の吸込口に連通させるためのポンプ側接続部126が形成されている。これにより、リザーバタンク26内の液面レベルが低下してもブレーキ油圧制御管16,18と油圧給排管28におけるブレーキフルードが同時に減少することを防止することができる。
本体部140の内部には、リザーバタンク26内のブレーキフルードの液面レベルを検出する液面レベル検出装置100が設けられている。液面レベル検出装置100は、リザーバタンク26に固定された固定部材106と、固定部材106の上方に設けられた第1フロート102と、固定部材106の下方に設けられた第2フロート104を備える。
第1フロート102および第2フロート104は、ブレーキフルードに対して浮力を有するフロートであり、ブレーキフルードの増減に応じて固定部材106に対して上下に移動するように設けられている。第1フロート102の側方には、第1フロート102の側方への移動を規制する図示しないガイド部が設けられている。第2フロート104は、通常制御室120の下方に設けられたフロート室146の内部を上下動するように構成されている。
第1フロート102の下部には、第1磁石108が設けられており、第2フロート104の上部には、第2磁石110が設けられている。また、固定部材106の上部には第1リードスイッチ112が設けられ、固定部材106の下部には第2リードスイッチ114が設けられている。第1リードスイッチ112および第2リードスイッチ114は、磁力を作用させることによりオフ状態からオン状態に切り替わるスイッチである。第1リードスイッチ112は、最低液面レベルMINと略同一の高さとなる位置に設けられ、警報発出用スイッチとして機能する。第2リードスイッチ114は、フェイルセーフモード作動液面レベルFLと略同一の高さとなる位置に設けられ、フェイルセールモード作動用スイッチとして機能する。
液面レベル検出装置100は、固定部材106と第1フロート102とが所定の第1位置関係となったことにより、液面レベルが最低液面レベルMINとなったことを検出する。本実施の形態において、固定部材106と第1フロート102の所定の第1位置関係とは、第1フロート102に設けられた第1磁石108が固定部材106に設けられた第1リードスイッチ112に作用して、第1リードスイッチ112をオフ状態からオン状態に切り換えせしめる位置関係である。
液面レベルが最低液面レベルMINより十分に高い場合には、第1磁石108は第1リードスイッチ112に作用せず、第1リードスイッチ112はオフ状態である。液面レベルが低下して、第1フロート102の下面が最低液面レベルMINまで低下すると、第1磁石108が第1リードスイッチ112に作用して、第1リードスイッチ112がオフ状態からオン状態に切り替わる。
また、液面レベル検出装置100は、固定部材106と第2フロート104とが所定の第2位置関係となったことにより、液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLとなったことを検出する。本実施の形態において、固定部材106と第2フロート104の所定の第2位置関係とは、第2フロート104に設けられた第2磁石110が固定部材106に設けられた第2リードスイッチ114に作用しなくなり、第2リードスイッチ114をオン状態からオフ状態に切り換えせしめる位置関係である。
液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLより高い場合は、浮力により第2フロート104の上面は固定部材106の下面に当接しているので、第2磁石110が第2リードスイッチ114に作用して、第2リードスイッチ114はオン状態となっている。液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLより低下すると、第2磁石110が第2リードスイッチ114に作用しなくなり、第2リードスイッチ114はオン状態からオフ状態に切り替わる。
このように本実施の形態では、第1フロート102と第2フロート104の2つのフロートを用いて、最低液面レベルMINとフェイルセーフモード作動液面レベルFLの2段階の液面レベルを検出することができる。液面レベル検出装置100では、固定部材106を第1フロート102と第2フロート104とで共通としているので、装置を安価に構成することができる。また、第1フロート102と第2フロート104とを縦置きの状態に構成しているので、リザーバタンク26を小型化することができる。
図2に示すように、第1フロート102と第2フロート104は、同軸となるように配置することが好ましい。この場合、第1フロート102の軸と第2フロート104の軸をオフセットして配置した場合と比較して、液面レベル検出装置100を小さく構成できるので、リザーバタンク26を小型化することができる。
また、第2フロート104は、リザーバタンク26の通常制御室120に配置することが好ましい。リザーバタンク26内において比較的スペースに余裕のある通常制御室120に第2フロート104を配置することにより、リザーバタンク26を小型化することができる。
次に、図3、図4を用いて、液面レベル検出装置100の動作について説明する。図3は、液面レベル検出装置100とECU200の回路構成を示す図である。図3に示す液面レベル検出装置100とECU200とで、液面レベルを検出する液面検出手段を構成している。図4は、制御モードの切換えについて説明するための図である。
図3に示すように、液面レベル検出装置100において、第1リードスイッチ112と第2リードスイッチ114は、直列に接続されている。第2リードスイッチ114の他端は、接地されており、第1リードスイッチ112の他端は、出力端子72に接続されている。また、第1リードスイッチ112と並列に、抵抗68が接続されている。液面レベル検出装置100の出力端子72は、信号線70を介して、ECU200の入力端子74に接続されている。
ECU200は、ダイオード60と、抵抗62、64と、コンデンサ66とを備える。図3に示すECU200の回路は、ECU200の回路のうち、液面レベル検出装置100に関係する回路を示している。ECU200の電源電圧Vccには、ダイオード60のアノードが接続されており、ダイオード60のカソードは、抵抗62の一端に接続されている。抵抗62の他端は、コンデンサ66の一端に接続されており、コンデンサ66の他端は接地されている。また、抵抗62の他端には、抵抗64の一端と、ECU200の入力端子74が接続されている。抵抗64の他端は、液面レベル検出装置100からの信号を検出する検出端子76となっている。
図3に示す第1リードスイッチ112と第2リードスイッチ114の状態は、リザーバタンク26内の液面レベルが最低液面レベルMINよりも十分高い場合の状態を示しており、第1リードスイッチ112はオフ状態と、第2リードスイッチ114はオン状態となっている。このとき、検出端子76の電圧は、電源電圧Vccからダイオード60のオフセット電圧を引いた電圧を、抵抗62と抵抗68で分圧した電圧(図4の電圧V1〜V2の間の電圧)となる。
検出端子76の電圧が電圧V1〜V2の範囲にある場合、油圧制御手段としてのECU200は、通常制御モードで制動制御を行う。通常制御モードでは、ブレーキペダル12が踏み込まれると、ブレーキペダル12の操作量に応じて目標油圧が決定される。そして、オイルポンプ34が作動させられ、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLが閉状態とされる。その後、ホイールシリンダ圧が目標油圧となるように、4輪について増圧弁40、減圧弁42への供給電流が制御される。
液面レベルが低下して、最低液面レベルMINとなった場合、第1リードスイッチ112は、オフ状態からオン状態に切り替わる。これにより、検出端子76は接地電位に短絡されるので、検出端子76の電圧は、図4の接地電位(GND)〜電圧V1の間の電圧となる。検出端子76の電圧がGND〜電圧V1の範囲にある場合、ECU200は、警告ランプ54を点灯させることにより、運転者に警報を発出する。警報はブザーなどの音によるものであってもよい。
ECU200は、液面レベルが最低液面レベルMINとなったことが検出された後、所定時間経過後に警報を発出してもよい。これにより、車両の振動により一時的に液面レベルが低下した場合であっても、警報が誤って発出される事態を抑制することができる。この所定時間は、実験によって最適な一定時間に定めてもよいし、オイルポンプ34の積算作動時間としてもよい。
警報が発出された後、液面レベルが更に低下して、フェイルセーフモード作動液面レベルFLとなった場合、第2リードスイッチ114は、オン状態からオフ状態に切り替わる。これにより、検出端子76の電圧は、電源電圧Vccからダイオード60のオフセット電圧を引いた電圧(図4の電圧V2〜Vccの間の電圧)となる。検出端子76の電圧がこの電圧V2〜Vccの範囲にある場合、ECU200は、それ以前とは異なる制御モードで制動制御を行う。本実施の形態では、制御モードをフェイルセーフモードに切り換える。
フェイルセーフモードでは、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLが開状態とされ、マスタシリンダのブレーキフルードがホイールシリンダ20FR、ホイールシリンダ20FLに供給される。また、増圧弁40FR、40FL、減圧弁42FR、42FLは閉状態とされ、増圧弁40RL、40RR、減圧弁42RL、42RRへの供給電流が制御されることにより、左後輪用のホイールシリンダ20RL、右後輪用のホイールシリンダ20RRの油圧が制御されるため、制動力は低下する。
このように、本実施の形態に係るブレーキ制御装置10では、液面レベルが最低液面レベルMINとなったときに警報を発出し、警報が発出された後に液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLとなった場合に、制御モードがフェイルセーフモードに変更されるように構成した。これにより、フェイルセーフモードへの変更前には必ず警報が発出されるので、突然に制御モードが切り替わる事態を抑制することができる。ユーザは、制御モードが変更される前に液面レベルを上昇させる措置をとることができるので、液漏れの誤判定により制御モードが変更される事態を抑制することができる。
ECU200は、液面レベル検出装置100により液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLとなったことが検出された後、オイルポンプ34の積算作動時間が所定時間以上経過した場合に、それ以前とは異なる制御モードで油圧制御を行ってもよい。
リザーバタンク26内のブレーキフルードが減少した場合でも、オイルポンプ34付近にはブレーキフルードが残っている場合がある。したがって、オイルポンプ34の積算作動時間が所定時間以上経過するまで制御モードの変更を抑制することで、通常制御モードでの制動制御をできるだけ長く行うことができる。この所定時間は、適宜実験によって定めればよい。
また、ECU200は、液面レベル検出装置100により液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLとなったことが検出された後、ブレーキ操作回数が所定回数以上あった場合に、それ以前とは異なる制御モードで油圧制御を行ってもよい。このような制御を行うことによっても、通常の制御モードでの制動制御をできるだけ長く行うことができる。この所定回数は、実験によって適宜定めればよい。
図5は、本実施の形態に係るブレーキ制御装置10の制御を示すフローチャートである。この制動制御フローは、所定の時間間隔で継続的に実行される。通常状態において、ブレーキ制御装置10は通常制御モードで制御されている。
まず、ECU200は、レベル低下異常フラグがONになっているか否かを判定する(S10)。レベル低下異常フラグがONの場合(S10のYes)、ブレーキ系統におけるブレーキフルードの量が正常な範囲を逸脱していると考えられるため、フェイルセーフ制御モードに移行する(S12)。ここで、レベル低下異常とは、例えば、リザーバタンク26内のブレーキフルードの液面が前述のフェイルセーフモード作動液面レベルFLを下回っているような状態をいう。
レベル低下異常フラグがONでない場合(S10のNo)、ECU200は、リザーバ内のブレーキフルードの量が第1液面レベルより低下しているか否かを判定する(S14)。具体的には、ECU200は、液面レベル検出装置100からの信号に基づいて、第1リードスイッチ112がオフ状態からオン状態になったか否かを検出する。
第1リードスイッチ112がオフ状態のままの場合(S14のNo)、ECU200は、液面レベルが第1液面レベルであるとして設定してある最低液面レベルMINより高いと判断して、通常制御モードで制動制御を行う(S16)。第1リードスイッチ112がオン状態となっている場合、ECU200は、液面レベルが最低液面レベルMINより低下していると判断して(S14のYes)、次の液漏れ判定処理(S18)にすすむ。この際、警告ランプ54を点灯させることにより、運転者に警報を発出するようにしてもよい。
液漏れ判定処理は、ブレーキ系統のブレーキフルードが通常のブレーキフルードの減少(例えば、ブレーキパッドの摩耗によるホイールシリンダの前進に起因するリザーバタンク内のブレーキフルードの減少)と比較して看過し得ないほど漏れているか否かを判定する処理である。判定方法としては、例えば、全ての増圧弁40FR,40FL,40RR,40RLが閉弁している状態でモータ32を駆動させてもアキュムレータ50の圧力が上昇しないことをアキュムレータ圧センサ51で検出することで、液漏れと判定してもよい。
本実施の形態の液漏れ判定処理は、液面レベル検出装置100によって、ブレーキフルードの液面が第2液面レベルとしてのフェイルセーフモード作動液面レベルFLより低下したか否かが検出され、その結果に基づいて実行されている。
具体的には、警報を発出した後、ECU200は、液面レベル検出装置100からの信号に基づいて、第2リードスイッチ114がオン状態からオフ状態になったか否かを検出する。第2リードスイッチ114がオン状態のままの場合、ECU200は、液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLまでは低下しておらず液漏れは発生していないと判断する(S20のNo)。
一方、第2リードスイッチ114がオフ状態になった場合、ECU200は、液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLまで低下しており何らかの液漏れが発生していると推定する(S20のYes)。この場合、ECU200は、レベル低下異常フラグをONにし(S22)、第2リードスイッチ114がオフ状態になったことが検出される前とは異なる制御モードに切り換える。すなわち、制御モードを通常制御モードからフェイルセーフ制御モードに切り換えて制御を行う(S12)。なお、制御モードが既にフェイルセーフ制御モードとなっている場合は、制御モードの切換えは行わない。
液漏れが発生していないと判定された場合(S20のNo)、ブレーキ制御装置10の制動制御においてシステム制御が許可されているか否かが判定される(S24)。ここで、システム制御とは、ブレーキペダル12の操作量をストロークセンサ46等のセンサで検出し、最適な油圧ブレーキ制動力を算出し、それを実現するために各電磁制御弁を制御することである。しかしながら、このようなシステム制御は、例えば、電気系統が所定の電圧より低電圧になっている場合や、マスタシリンダ圧センサ48やストロークセンサ46等の各種センサが有効に機能していない場合には、精度良く実行することが困難となる。
そこで、システム制御が許可されていない場合(S24のNo)、マスタカット弁である右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを開弁し(S26)、運転者によるブレーキペダル12の操作により直接ホイールシリンダに制動力を付与できる状態としておく。
システム制御が許可されている場合(S24のYes)、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを閉弁する(S32)。次に、ECU200は、ストロークセンサ46から検出した信号に基づいてブレーキペダル12の踏み込みが有るか否かを判定する(S34)。ブレーキペダルの踏み込みが無い場合(S34のNo)、そのまま処理が終了する。一方、ECU200は、ブレーキペダル12の踏み込みが有ると判定した場合(S34のYes)、4輪のシステム制御を開始する(S36)。本実施の形態に係るブレーキ制御装置10は、運転者のブレーキ操作から独立した動力を用いてブレーキフルードによる蓄圧が可能な動力液圧源に含まれるアキュムレータ50を備えており、マスタシリンダ14で発生している圧力を用いなくてもアキュムレータ50に蓄圧されている圧力を接続されている高圧管30を経由して、各ホイールシリンダ20に伝達することで4輪の制動制御が可能である。
本実施の形態では、リザーバタンク26内のブレーキフルードの液面レベルが最低液面レベルMINより低下していると判定された場合、第1隔壁128や第2隔壁130の上端と最低液面レベルMINの間、あるいは、第1隔壁128や第2隔壁130の上端より下方にブレーキフルードの液面があることが推定される。例えブレーキフルードの液面が、第1隔壁128や第2隔壁130の上端と最低液面レベルMINとの間にあるとしても、今後ブレーキフルードの液面が徐々に低下し続けた場合、第1隔壁128や第2隔壁130の上端よりも液面レベルが下回る状況が発生することが考えられる。
第1隔壁128や第2隔壁130の上端よりも液面レベルが更に低くなると、ポンプ側接続部126から戻ってきてブレーキフルードが第1フルード貯蔵室116や第2フルード貯蔵室118に移動することができなくなる。つまり、ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードがマスタシリンダ14に戻りにくくなるような状況が発生する。このような状況で、通常の制動時と同様にブレーキペダル12の踏み込みを検知してから右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLを閉じると、応答性の遅れなどの時間差によってブレーキ油圧制御管16,18内のブレーキフルードが右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLの下流に流れ込んでしまう。
そのため、第1フルード貯蔵室116および第2フルード貯蔵室118のブレーキフルードは通常制御室120側からブレーキフルードの補充がないまま徐々に減少することになる。そして、このような状況が続くとマスタシリンダ14による制動が困難となる。そこで、本実施の形態に係るブレーキ制御装置10は、液面レベルが最低液面レベルMINより低下したことが検出され、第2液面レベルとしてのフェイルセーフモード作動液面レベルFLより低下したことは検出されていない場合、制動が開始される前に右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLを閉弁することで、運転者によるブレーキペダル12の操作により制動開始直後のマスタシリンダ14からホイールシリンダ22側へのブレーキフルードの流れ込みを抑制することができる。
これにより、ブレーキ制御装置10は、リザーバタンク26の液面レベルが最低液面レベルMINより低下した状態であっても、システム制御による4輪制御を可能としつつマスタシリンダ14から右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLまでのブレーキ油圧制御管16,18内にブレーキフルードが満たされた状態を従来より長く維持することができる。
次に、リザーバタンク26の液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLよりも更に低下している場合の制御について説明する。図6は、本実施の形態に係るフェイルセーフ制御モードにおける制御を示すフローチャートである。
フェイルセーフ制御モードに移行すると、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLが開弁される(S40)。その後、ブレーキ制御装置10の制動制御においてシステム制御が許可されているか否かが判定される(S42)。システム制御が許可されている場合(S42のYes)、ブレーキペダル12の踏み込みが有るか否かが判定される(S44)。ブレーキペダルの踏み込みが有る場合(S44のYes)、前輪のホイールシリンダ20FR,20FLには運転者の踏力に応じた液圧が発生し、後輪のホイールシリンダ20RR,RLには対応する増圧弁40と減圧弁42とを制御することで部分的にシステム制御による制動力が発生する(S46)。ブレーキペダルの踏み込みが無い場合(S44のNo)、ステップS46の処理をスキップする。
システム制御が許可されていない場合(S42のNo)、前輪のホイールシリンダ20FR,20FLには運転者の踏力に応じた液圧が発生する。
以上のように、ECU200は、S10やS20の処理によりフェイルセーフ制御モードへの移行が判断されると、例えば、S40の処理では、各増圧弁40を閉じてアキュムレータ50から各ホイールシリンダ20へのブレーキフルードの供給を禁止し、マスタシリンダ14から供給されるブレーキフルードによりホイールシリンダ20に制動力を付与できるように、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLを開弁し減圧弁42を閉弁する。これにより、ブレーキフルードの液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLよりも低下した場合には、通常の、例えばアキュムレータ50の蓄圧を主とする制御モードに必要なブレーキフルードの量が不足している可能性が高いため、通常よりも少量のブレーキフルードで可能なマスタシリンダ14による制動制御を実行することができる。
次に、S16の通常制御モードについて説明する。図7は、本実施の形態に係る通常制御モードにおける制御を示すフローチャートである。
通常制御モードに移行すると、システム制御が許可されているか否かが判定される(S50)。システム制御が許可されている場合(S50のYes)、ブレーキペダル12の踏み込みが有るか否かが判定される(S52)。ブレーキペダルの踏み込みが無い場合(S52のNo)、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLは開弁された状態となる(S60)。一方、ブレーキペダルの踏み込みが有る場合(S52のYes)、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLが閉弁され(S54)、4輪のシステム制御が開始される(S56)。この際、ブレーキペダルの踏み込みがあってから右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLが閉弁されるまで時間差が発生する場合がある。
しかしながら、S16の処理に代表される通常制御モードは、リザーバタンク26内のブレーキフルードの液面レベルが最低液面レベルMINより高い状況で行われている。そのため、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLの下流にブレーキフルードが送り込まれても、減圧弁42から排出され油圧給排管28を経由してリザーバタンク26に戻ったブレーキフルードが通常制御室120から第1隔壁128や第2隔壁130に遮断されることなく第1フルード貯蔵室116や第2フルード貯蔵室118に戻ることができる。そのため、前述のようにブレーキフルードの液面レベルが最低液面レベルMINより低い場合のような問題は生じない。
システム制御が許可されていない場合(S50のNo)、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLは開弁され(S60)、前輪のホイールシリンダ20FR,20FLには運転者の踏力に応じた液圧が発生する。
以上のように、リザーバタンク内のブレーキフルードの量が十分でない場合、本実施の形態ではブレーキフルードの液面レベルが最低液面レベルMINとフェイルセーフモード作動液面レベルFLとの間の場合、マスタシリンダ14におけるブレーキフルードの減少を抑制することができる。
図2に示す液面レベル検出装置100では、第1フロート102と第2フロート104とが同軸となるように配置したが、第1フロート102の軸と第2フロート104の軸がオフセットするように配置してもよい。例えば、第1フロート102をリザーバタンク26中央に配置し、第2フロート104を図2のように通常制御室120の周縁部に配置することも可能である。第1フロート102をリザーバタンク26中央に配置することにより、液面が傾斜した場合の液面レベルの検出精度を高めることができる。
また、図3に示した液面レベル検出装置100の回路では、第1リードスイッチ112と第2リードスイッチ114とを直列に接続したが、並列につないでもよい。この場合、ECU200と接続する信号線70を追加する必要があるが、ECU200の回路構成を簡略化することができる。
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態に係る液面レベル検出装置の構成例を説明するための図である。図2と同一または対応する構成要素には同様の符号を付すとともに、重複する説明は適宜省略する。
液面レベル検出装置300は、リザーバタンク26の通常制御室120に設けられており、本体部140の底面から上方に向かって突出形成された棒状の固定部材306と、中央の孔部に固定部材306が挿入されたドーナツ状のフロート302と、を備える。フロート302は、液面レベルに応じて、棒状の固定部材306に沿って上下に移動する。フロート302の下部には、ドーナツ状の磁石308が設けられている。
また、固定部材306には、第1リードスイッチ312および第2リードスイッチ314が設けられている。第1リードスイッチ312は、最低液面レベルMINと略同一の高さとなる位置に設けられ、警報発出用スイッチとして機能する。第2リードスイッチ314は、フェイルセーフモード作動液面レベルFLと略同一の高さとなる位置に設けられ、フェイルセーフモード作動用スイッチとして機能する。
液面レベル検出装置300は、固定部材306の第1リードスイッチ312とフロート302とが所定の第3位置関係となったことにより、液面レベルが最低液面レベルMINとなったことを検出する。図8に示す液面レベル検出装置300において、固定部材306の第1リードスイッチ312とフロート302の所定の第3位置関係とは、磁石308が固定部材306に設けられた第1リードスイッチ312に作用して、第1リードスイッチ312をオフ状態からオン状態に切り換えせしめる位置関係である。
液面レベルが最低液面レベルMINより十分に高い場合は、磁石308は第1リードスイッチ312に作用せず、第1リードスイッチ312はオフ状態である。液面レベルが低下して、フロート302の下面が最低液面レベルMINまで低下すると、磁石308が第1リードスイッチ312に作用して、第1リードスイッチ312がオフ状態からオン状態に切り替わる。
また、液面レベル検出装置300は、固定部材306の第2リードスイッチ314とフロート302とが所定の第4位置関係となったことにより、液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLとなったことを検出する。図8に示す液面レベル検出装置300において、固定部材306の第2リードスイッチ314とフロート302の所定の第4位置関係とは、第2リードスイッチ314が固定部材306に設けられた第2リードスイッチ314に作用して、第2リードスイッチ314をオフ状態からオン状態に切り換えせしめる位置関係である。
液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLより高い場合は、磁石308は第2リードスイッチ314に作用せず、第2リードスイッチ314はオフ状態である。液面レベルが低下して、フロート302の下面がフェイルセーフモード作動液面レベルFLまで低下すると、磁石308がオフ状態からオン状態に切り替わる。なお、液面レベル検出装置300では、第1リードスイッチ312の感度を高く設定し、フロート302の下面がフェイルセーフモード作動液面レベルFLまで低下しても第1リードスイッチ312がオン状態を維持するように構成する。
図9は、図8に示す液面レベル検出装置300の回路を示す図である。図9に示すように、液面レベル検出装置300において、第1リードスイッチ312と第2リードスイッチ314は、直列に接続されている。第2リードスイッチ314の他端は、接地されており、第1リードスイッチ312の他端は、出力端子72に接続されている。また、第1リードスイッチ312と並列に、抵抗68が接続されており、第2リードスイッチ314と並列に、抵抗69が接続されている。なお、ECU200の回路構成は、図3と同様である。
図9に示す第1リードスイッチ312と第2リードスイッチ314の状態は、リザーバタンク26内の液面レベルが最低液面レベルMINよりも十分高い場合の状態を示しており、第1リードスイッチ312、第2リードスイッチ314ともにオフ状態となっている。このとき、ECU200の検出端子76の電圧は、電源電圧Vccからダイオード60のオフセット電圧を引いた電圧を、抵抗62と、抵抗68および抵抗69とで分圧した電圧となる。このとき、ECU200は、通常制御モードで制動制御を行う。
液面レベルが低下して、最低液面レベルMINとなった場合、第1リードスイッチ312はオフ状態からオン状態に切り替わる。これにより、検出端子76の電圧は、電源電圧Vccからダイオード60のオフセット電圧を引いた電圧を、抵抗62と抵抗69とで分圧した電圧となる。このとき、ECU200は、警告ランプを点灯させることにより、運転者に警報を発出する。
液面レベルが更に低下して、フェイルセーフモード作動液面レベルFLとなった場合、第2リードスイッチ314はオフ状態からオン状態に切り替わる。これにより、第1リードスイッチ312および第2リードスイッチ314が共にオン状態となるので、検出端子76は接地電位に短絡される。このとき、ECU200は、制御モードをそれ以前とは異なる制御モード、すなわち、フェイルセーフモードに切り換える。
このように、液面レベル検出装置300では、1つのフロートを用いて最低液面レベルMINとフェイルセーフモード作動液面レベルFLの2段階の液面レベルを検出することができる。これにより、装置構成が簡易化されるので、液面レベル検出装置を安価に構成することができる。また、フロートが1つとなり、フロート室が不要となるので、リザーバタンク26の小型化にも有効である。
図8に示す液面レベル検出装置300では、第1リードスイッチ312と第2リードスイッチ314の2つのリードスイッチを設けたが、最低液面レベルMINの高さに第1リードスイッチ312のみを設けた構成とし、ECU200は、液面レベルが最低液面レベルMINとなったことが検出されてから、オイルポンプ34の積算作動時間が第1所定時間経過した場合に、液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLになったと推定してもよい。この場合、ECU200は、フェイルセーフモード作動液面レベルFLの推定手段として機能する。ブレーキフルードの液漏れがあった場合は、時間の経過とともに液面レベルが低下するため、時間をモニタすることでフェイルセーフモード作動液面レベルFLを検出することができる。
また、ECU200は、液面レベルが最低液面レベルMINとなったことが検出されてからのブレーキ操作回数をカウントし、ブレーキ操作回数が第1所定回数以上となった場合に、液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLになったと推定してもよい。リザーバタンク26の液面レベルは、ブレーキが作動するほど低下するため、ブレーキ操作回数に基づいて液面レベルを推定することができる。
このように、液面レベルが最低液面レベルMINとなってからの時間や、ブレーキ操作回数に基づいて液面レベルを推定することにより、車両振動等により実際の液面レベルが検出困難な場合であっても、フェイルセーフモード作動液面レベルFLを検出できる。また、フェイルセーフモード作動液面レベルFLを機械的に検出する手段が不要となるので、ブレーキ制御装置10を安価に構成できる。また、リザーバタンク26の小型化にも有効である。第1所定時間や第1所定回数は、実験によって適宜定めればよい。
ECU200は、最低液面レベルMINとフェイルセーフモード作動液面レベルFLとの間の中間液面レベルMLが検出された場合に、最低液面レベルMINのときの警報(以下、第1警報と呼ぶ)とは異なる警報(以下、第2警報と呼ぶ)を発出してもよい。例えば、第1警報をランプによる警報とし、第2警報を音による警報とするといったように、警報手法を変えることが望ましい。これにより、車内が明るくランプが見えにくい場合であっても、音による警報が行われるため、警報の冗長性を確保することができる。さらに、第1警報の時点で液面レベルを上昇させる措置をとることで、煩わしい音による警報を抑制することができる。
ECU200は、液面レベルが最低液面レベルMINとなったことが検出されてから、オイルポンプ34の積算作動時間が第2所定時間経過した場合に、液面レベルが中間液面レベルMLになったと推定してもよい。第2所定時間は、上述の第1所定時間よりも短い時間である。この場合、ECU200は、中間液面レベルMLの推定手段として機能する。
また、ECU200は、液面レベルが最低液面レベルMINとなったことが検出されてからのブレーキ操作回数をカウントし、ブレーキ操作回数が第2所定回数以上となった場合に、液面レベルが中間液面レベルMLになったと推定してもよい。第2所定回数は、上述の第1所定回数よりも少ない回数である。
これらのように構成することにより、フロートの数を増やさずとも中間液面レベルMLを検出できるので、構成が簡易化され、ブレーキ制御装置10を安価に構成できる。また、リザーバタンク26の小型化にも有効である。第2所定時間や第2所定回数は、実験によって適宜定めればよい。
(第3の実施の形態)
図2に示すリザーバタンクでは、第1隔壁128や第2隔壁130より上方の最低液面レベルMINに液面レベル検出装置がある。第1の実施の形態に係るブレーキ制御装置10は、ブレーキフルードが通常制御室120から第1フルード貯蔵室116や第2フルード貯蔵室118に移動できるような状況であっても、制動が開始される前からマスタカット弁である右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLを閉弁する処理が行われる場合がある。右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLは常開弁であるため、閉弁するためには電流を流し続ける必要があり、ブレーキフルードが通常制御室120から第1フルード貯蔵室116や第2フルード貯蔵室118に移動できるような状況における閉弁状態の維持は省電力や部品寿命の観点から好ましくない。
そこで、本実施の形態では、液面レベル検出装置100は、最低液面レベルMINでフルード低下を警報する通常のレベル検出装置とは別個に、第1隔壁128や第2隔壁130の上端より下方の液面レベルが設定されている。つまり、第1液面レベルとして、ホイールシリンダ20から排出されたブレーキフルードがリザーバタンク26の内部でマスタシリンダ14側に戻れなくなる液面レベルが設定されている。これにより、ホイールシリンダ20から排出されたブレーキフルードがリザーバタンク26の内部でマスタシリンダ14側に戻れるような液面レベルにおいて、右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLの不必要な閉弁動作が抑制され、省電力および部品の長寿命化を図ることができる。
(第4の実施の形態)
上述のブレーキ制御装置10は、非制動時で増圧弁40が閉弁されている状態であっても、増圧弁40の可動部の姿勢や上下流の差圧等によってはブレーキフルードが下流側に漏れることがある。そのため、増圧弁40から漏れ出たブレーキフルードをいずれかの流路を介してリザーバに戻す必要がある。ブレーキ制御装置10は、ブレーキフルードの量が十分ある場合、非制動時において右電磁開閉弁22FRと左電磁開閉弁22FLは開弁されている。そのため、ホイールシリンダ20FR,20FLの上流側のブレーキフルードは、ブレーキ油圧制御管16,18を介してリザーバタンク26側へ戻されるので、ホイールシリンダ圧が増圧することはない。
しかしながら、上述の実施の形態に係るブレーキ制御装置10は、運転者によるブレーキペダル12の操作により制動開始直後のマスタシリンダ14からホイールシリンダ22側へのブレーキフルードの流れ込みを抑制するために、液面レベルが最低液面レベルMINより低下したことが検出され、第2液面レベルとしてのフェイルセーフモード作動液面レベルFLより低下したことは検出されていない場合、制動が開始される前に右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLを閉弁している。
つまり、ブレーキ制御装置10においては制動が開始される前に右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLが閉弁されることになる。そのため、その後制動要求がないような場合、前輪側の増圧弁40および減圧弁42は閉弁されているため、前輪側のホイールシリンダ20FR,20FLと連通している流路のブレーキフルードは封じ込められた状態となる。このような状態で増圧弁40からブレーキフルードが漏れると、ホイールシリンダ圧が必要以上に上昇してしまうことになる。
そこで、ホイールシリンダ圧センサ44の検出圧力が所定圧力を上回った場合に減圧弁42を開弁することで、ホイールシリンダ圧が所定圧力より上昇することを防止することができる。しかしながら、このような方法では、例えば、非常に長い間非制動状態となり得る高速道路を走行中のような状況で増圧弁40からブレーキフルードが漏れ続けると、減圧弁が頻繁に作動してしまうことになる。その結果、ソレノイドへの通電により減圧弁の温度が高くなるという問題がある。
そこで、第4の実施の形態に係るブレーキ制御装置10において、ECU200は、減圧弁42の作動状況を推定し、その作動状況が所定の条件を満たす場合、ホイールシリンダ20から排出されたブレーキフルードがマスタシリンダ14に戻れなくなる液面レベルまで低下しており、かつ、通常行われている通常制御モードとは異なるフェイルセーフモードに変更される液面レベルまでは低下していないと検出されたときであっても、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを開弁するように制御する。より詳述すれば、ECU200は、減圧弁42の作動状況を推定し、その作動状況が所定の条件を満たす場合、ブレーキフルードの液面レベルが最低液面レベルMINより低下したことが検出されフェイルセーフモード作動液面レベルFLより低下したことが検出されないときであっても、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを開弁するように制御する。
図10は、第4の実施の形態に係るブレーキ制御装置の制御を示すフローチャートである。なお、ステップS10〜S24における処理は図5に示すフローチャートと同じ処理のため説明を省略する。
ECU200は、液面レベルが最低液面レベルMINより低下していると判断し(S14のYes)、液面レベルがフェイルセーフモード作動液面レベルFLまでは低下しておらず液漏れは発生していないと判断した場合(S20のNo)、ブレーキ制御装置10の制動制御においてシステム制御が許可されているか否かを判定する(S24)。
そこで、システム制御が許可されていない場合(S24のNo)、マスタカット弁である右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを開弁し(S26)、運転者によるブレーキペダル12の操作により直接ホイールシリンダに制動力を付与できる状態としておく。この状態において増圧弁40から漏れ出るブレーキフルードの量が多量となり、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを介してマスタシリンダ14に戻されるブレーキフルードの量を上回る場合、そのままではホイールシリンダ圧が徐々に上昇してしまう。そこで、ホイールシリンダ圧が所定の液圧を上回った場合に減圧弁42を開いて液圧を低下させる減圧弁リリーフ制御を行う(S70)。
システム制御が許可されている場合(S24のYes)、減圧弁Duty判定処理が行われる(S72)。この処理によって、減圧弁42の作動状況として、非制動時間に対する減圧弁42の作動時間に基づいた作動頻度が求められる。図11は、第4の実施の形態に係る減圧弁Duty判定処理を示すフローチャートである。図11の処理は、ECU200が有する作動頻度算出部によって一定の周期ΔTごとに実行される。
はじめに、ECU200は、ストロークセンサ46から検出した信号に基づいてブレーキペダル12の踏み込みが有るか否かを判定する(S74)。ブレーキペダル12の踏み込みがある場合(S74のYes)、それまでに積算されていた非制動時間を示す制動OFF時間のカウンタを0にリセットし(S76)、同様に積算されていた減圧弁の開弁時間を示す減圧ON時間を0にリセットする(S78)。この場合、ブレーキペダル12の踏み込みによる制動操作が終了すると、ホイールシリンダ圧はリザーバとほぼ同じ圧力となるため、しばらくは非制動時に減圧弁42が開弁する作動頻度は低くなることが予想される。そこで、減圧弁の作動頻度が所定値をこえて大きいことを示す減圧弁Duty大フラグをOFFとする(S80)。
ブレーキペダル12の踏み込みがない場合(S74のNo)、制動OFF時間のカウンタをΔTだけカウントアップする(S82)。次に、減圧弁42に通電されて開弁されているか否かが判定される(S84)。減圧弁42に通電されて開弁されている場合(S84のYes)、減圧弁ON時間のカウンタをΔTだけカウントアップする(S86)。減圧弁42に通電されておらず閉弁されている場合(S84のNo)、ステップS86の処理をスキップする。
次に、この時点での制動OFF時間のカウントが所定値T1より大きいか否かが判定される(S88)。制動OFF時間のカウントが所定値T1以下の場合(S88のNo)、例え減圧弁の作動頻度が大きくても作動時間はそれほど長くないため、そのまま処理が終了する。一方、制動OFF時間のカウントが所定値T1より大きい場合(S88のYes)、制動OFF時間に対する減圧弁の作動頻度を示す、減圧弁ON時間/制動OFF時間が、所定値R1より大きいか否かを判定する(S90)。
減圧弁ON時間/制動OFF時間が所定値R1以下の場合(S90のNo)、そのまま処理が終了する。減圧弁ON時間/制動OFF時間が所定値R1より大きい場合(S90のYes)、減圧弁の作動頻度が所定値をこえて大きいことを示す減圧弁Duty大フラグをONとする(S92)。このように、上述の処理により決定された減圧弁Duty大フラグによって減圧弁の作動頻度が示されることになる。
次に、ECU200が有する条件判定部によって、減圧弁Duty大フラグがONになっているか否かが判定される(図10に示すS94)。条件判定部は、減圧弁Duty大フラグがONの場合、作動状況が所定の条件を満たしたと判定する(S94のYes)。そして、ECU200は、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを開弁することで、増圧弁40から漏れ出したブレーキフルードをマスタシリンダ14側へ戻すことができる。
このように、ブレーキ制御装置10においては、例えば、非制動時にホイールシリンダ20FR,FLの液圧が所定の圧力より上昇しないように減圧弁42FR,FLが頻繁に作動するような状況では、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを開弁することでホイールシリンダ20FR,FLの液圧が低下し、減圧弁42の作動頻度が低減される。その結果、減圧弁42の作動寿命が延び、部品自体のコストや交換コストが低減される。また、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLからマスタシリンダ14に向かってブレーキフルードが戻されるので、ブレーキ制御装置10は十分な制動性能を確保することが可能となる。また、減圧弁42への通電の有無を検出することで算出される作動時間により容易に作動状況を把握することができる。
一方、条件判定部は、減圧弁Duty大フラグがOFFの場合、作動状況が所定の条件を満たしていないと判定する(S94のNo)。この場合、第1の実施の形態と同様に、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLが閉弁される(S96)。次に、ECU200は、ストロークセンサ46から検出した信号に基づいてブレーキペダル12の踏み込みが有るか否かを判定する(S98)。ブレーキペダルの踏み込みが無い場合(S98のNo)、必要に応じて前述の減圧弁リリーフ制御が行われ(S70)、処理が終了する。一方、ECU200は、ブレーキペダル12の踏み込みが有ると判定した場合(S98のYes)、4輪のシステム制御を開始する(S100)。
(第5の実施の形態)
第4の実施の形態に係るブレーキ制御装置は、減圧弁の作動状況を減圧弁の作動時間に基づいて把握していたが、第5の実施の形態に係るブレーキ制御装置は、減圧弁の作動状況を減圧弁の推定作動温度に基づいて把握する点が異なる。図12は、第5の実施の形態に係るブレーキ制御装置の制御を示すフローチャートである。なお、ステップS10〜S26、S70、S96〜S100における処理は図5に示すフローチャートと同じ処理のため説明を省略する。
本実施の形態に係るECU200は、作動状況として減圧弁42の通電量に基づいて減圧弁42の作動温度を推定する作動温度推定部と、推定された作動温度が所定値をこえる場合に右電磁開閉弁22FRと左電磁開閉弁22FLとを開く所定の条件を満たすと判定する条件判定部と、を有する。
図5に示すフローチャートに示すように、図4と同様の4輪のシステム制御(S100)やフェイルセーフ制御モード(S12)の制動制御、減圧弁リリーフ制御(S70)が行われた後、減圧弁リリーフ制御において減圧弁42への通電がONされ減圧弁42が開弁作動したか否かが判定される(S106)。減圧弁42への通電がONされていた場合(S106のYes)、通常の減圧弁42の開弁制御とは異なる作動であることを示す制御外減圧弁作動フラグをONにする(S108)。減圧弁42への通電がONされていない場合(S106のNo)、S108の処理をスキップする。その後、作動温度推定部によってその時点での減圧弁42の温度が推定される(S102)。具体的には、減圧弁42のソレノイドは通電量に応じて発熱し減圧弁42自体が昇温するため、作動温度推定部は、減圧弁42への通電量を積算することで算出される発熱量により作動温度を推定することが可能となる。また、減圧弁42に通電されていない場合、通電されていない時間に応じて減圧弁42の作動温度は周囲の環境温度に近付くように徐々に低下する。そこで、作動温度推定部は、放熱時にはこのような温度低下特性を参照することで減圧弁42の作動温度をより精度よく推定することができる。より好ましくは、単位時間あたりの通電量に基づいて作動温度が推定されていてもよい。これにより、発熱量と放熱量とを考慮した作動温度の精度の高い推定が可能となる。
減圧弁42の作動温度が推定されると、次回の処理において、ECU200が有する条件判定部によって、減圧弁42の推定温度Sが所定値S1より大きいか否かが判定される(S104)。条件判定部は、減圧弁42の推定温度Sが所定値S1より大きい場合、作動状況が所定の条件を満たしたと判定する(S104のYes)。次に、制御外減圧弁作動フラグがONになっているか否かを判定する(S110)。制御外減圧弁作動フラグがONの場合(S110のYes)、前回の処理において増圧弁40からブレーキフルードが漏れ出していたことが推定されるため、ECU200は、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを開弁することで(S26)、増圧弁から漏れ出したブレーキフルードをマスタシリンダ14側へ戻すことができる。一方、制御外減圧弁作動フラグがONでない場合(S110のNo)、減圧弁42の推定温度Sが所定値S1より高くても、増圧弁40からブレーキフルードが許容量以上漏れ出しているわけではなく減圧弁42が頻繁に作動しているわけでもないので、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを閉弁しておく(S96)。なお、4輪のシステム制御(S100)が行われた場合、増圧弁40および減圧弁42は所定の制御により正常に開弁・閉弁されるため、前述の制御外減圧弁作動フラグをOFFとする(S112)。
このように、ブレーキ制御装置10においては、例えば、非制動時にホイールシリンダ20FR,FLの液圧が所定の圧力より上昇しないように減圧弁42FR,FLが頻繁に作動するような状況では、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLを開弁することでホイールシリンダ20FR,FLの液圧が低下し、減圧弁42の作動温度の上昇が抑制される。その結果、減圧弁42の作動寿命が延び、部品自体のコストや交換コストが低減される。また、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLからマスタシリンダ14に向かってブレーキフルードが戻されるので、ブレーキ制御装置10は十分な制動性能を確保することが可能となる。また、減圧弁42への通電量を検出することで推定される作動温度により容易に作動状況を把握することができる。
一方、条件判定部は、減圧弁42の推定温度が所定値S1以下の場合、作動状況が所定の条件を満たしていないと判定する(S104のNo)。この場合、第1の実施の形態と同様に、右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FLが閉弁される(S96)。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における処理の組合せや順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
上述の各実施の形態においては、制動の有無をブレーキペダルの踏み込みの有無によって検出しているが、制動時や非制動時の判断は、必ずしも運転者によるブレーキペダルの踏み込みによる制動のみを考慮している場合だけに限られない。例えば、駆動力制御やステアリング制御等において運転者の操作とは独立した液圧源による制御によって制動が行われている場合についても制動制御に含まれる。
また、上述の第4の実施の形態による処理と第5の実施の形態による処理とを並列に行い、少なくともいずれか一方が成立する場合に右電磁開閉弁22FRと左電磁開閉弁22FLとを開弁するようにしてもよい。
本実施の形態に係るブレーキ制御装置を示す系統図である。 リザーバタンクの構成を説明するための図である。 液面レベル検出装置とECUの回路構成を示す図である。 制御モードの切換えについて説明するための図である。 本実施の形態に係るブレーキ制御装置の制御を示すフローチャートである。 本実施の形態に係るフェイルセーフ制御モードにおける制御を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る通常制御モードにおける制御を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る液面レベル検出装置の構成例を説明するための図である。 図8に示す液面レベル検出装置の回路を示す図である。 第4の実施の形態に係るブレーキ制御装置の制御を示すフローチャートである。 第4の実施の形態に係る減圧弁Duty判定処理を示すフローチャートである。 第5の実施の形態に係るブレーキ制御装置の制御を示すフローチャートである。
符号の説明
10 ブレーキ制御装置、 12 ブレーキペダル、 14 マスタシリンダ、 16 ブレーキ油圧制御管、 20 ホイールシリンダ、 22FL 左電磁開閉弁、 22FR 右電磁開閉弁、 26 リザーバタンク、 28 油圧給排管、 30 高圧管、 32 モータ、 34 オイルポンプ、 40 増圧弁、 42 減圧弁、 44 ホイールシリンダ圧センサ、 46 ストロークセンサ、 48 マスタシリンダ圧センサ、 50 アキュムレータ、 51 アキュムレータ圧センサ、 80 油圧アクチュエータ、 100 液面レベル検出装置、 102 第1フロート、 104 第2フロート、 106 固定部材、 108 第1磁石、 110 第2磁石、 112 第1リードスイッチ、 114 第2リードスイッチ、 116 第1フルード貯蔵室、 118 第2フルード貯蔵室、 120 通常制御室、 122 マスタシリンダ側接続部、 124 マスタシリンダ側接続部、 126 ポンプ側接続部、 128 第1隔壁、 130 第2隔壁。

Claims (11)

  1. ブレーキフルードを収容するリザーバと、
    収容されたブレーキフルードを運転者によるブレーキ操作部材の操作量に応じて加圧するマニュアル液圧源と、
    運転者のブレーキ操作から独立した動力を用いてブレーキフルードによる蓄圧が可能な動力液圧源と、
    前記マニュアル液圧源および前記動力液圧源の少なくとも一方からのブレーキフルードの供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、
    前記マニュアル液圧源と前記ホイールシリンダとを接続し、前記マニュアル液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給が可能なように構成されているマニュアル液圧伝達経路と、
    前記動力液圧源と前記ホイールシリンダとを接続し、前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給が可能なように構成されている動力液圧伝達経路と、
    前記ホイールシリンダと前記リザーバと前記動力液圧源とを接続し、前記ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードを前記リザーバで回収できるように構成された回収経路と、
    前記マニュアル液圧伝達経路に設けられ、前記マニュアル液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給を制御する第1制御弁と、
    前記動力液圧伝達経路に設けられ、前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給を制御する第2制御弁と、
    前記ホイールシリンダの下流側に設けられ、前記ホイールシリンダから前記回収経路へのブレーキフルードの排出を制御する第3制御弁と、
    ブレーキフルードの液面レベルを検出する液面レベル検出手段と、
    前記ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードがマニュアル液圧源に戻れなくなる液面レベルまで低下しており、かつ、通常行われている第1制御モードとは異なる第2制御モードに変更される液面レベルまでは低下していないと検出された場合、制動が開始される前に前記第1制御弁を閉弁するとともに制動が開始された後は前記第1制御モードで各制御弁を制御し、
    前記第1制御モードから前記第2制御モードへ変更する液面レベルまで低下していると検出された場合、前記第2制御モードで各制御弁を制御する、制御手段と、
    を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. ブレーキフルードを収容するリザーバと、
    収容されたブレーキフルードを運転者によるブレーキ操作部材の操作量に応じて加圧するマニュアル液圧源と、
    運転者のブレーキ操作から独立した動力を用いてブレーキフルードによる蓄圧が可能な動力液圧源と、
    前記マニュアル液圧源および前記動力液圧源の少なくとも一方からのブレーキフルードの供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、
    前記マニュアル液圧源と前記ホイールシリンダとを接続し、前記マニュアル液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給が可能なように構成されているマニュアル液圧伝達経路と、
    前記動力液圧源と前記ホイールシリンダとを接続し、前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給が可能なように構成されている動力液圧伝達経路と、
    前記ホイールシリンダと前記リザーバと前記動力液圧源とを接続し、前記ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードを前記リザーバで回収できるように構成された回収経路と、
    前記マニュアル液圧伝達経路に設けられ、前記マニュアル液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給を制御する第1制御弁と、
    前記動力液圧伝達経路に設けられ、前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給を制御する第2制御弁と、
    前記ホイールシリンダの下流側に設けられ、前記ホイールシリンダから前記回収経路へのブレーキフルードの排出を制御する第3制御弁と、
    ブレーキフルードの液面レベルが所定の第1液面レベルより低下したこと、および、ブレーキフルードの液面レベルが該第1液面レベルよりも低い所定の第2液面レベルより低下したこと、を検出することができる液面レベル検出手段と、
    ブレーキフルードの液面レベルが前記第1液面レベルより低下したことが検出され前記第2液面レベルより低下したことが検出されない場合、制動が開始される前に前記第1制御弁を閉弁するとともに制動が開始された後はブレーキフルードの液面レベルが前記第1液面レベルより高いときと同じ第1制御モードで各制御弁を制御し、
    ブレーキフルードの液面レベルが前記第2液面レベルより低下したことが検出された場合、前記第1制御モードとは異なる第2制御モードで各制御弁を制御する、制御手段と、
    を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 前記液面レベル検出手段は、前記第1液面レベルとして、前記ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードが前記リザーバの内部でマニュアル液圧源に戻れなくなる液面レベルが設定されていることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記リザーバは、
    前記マニュアル液圧伝達経路と接続される第1接続部と、
    前記回収経路と接続される第2接続部と
    前記第1接続部と前記第2接続部との間に、該第1接続部の上方の空間と該第2接続部の上方の空間とを隔てるように設けられた隔壁と、
    を備えることを特徴とする請求項2または3に記載のブレーキ制御装置。
  5. 前記液面レベル検出手段は、前記第1液面レベルとして、前記隔壁の上端より下方の液面レベルが設定されていることを特徴とする請求項4に記載のブレーキ制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記第2制御モードにおいて、前記動力液圧源から前記ホイールシリンダへのブレーキフルードの供給を禁止し、前記マニュアル液圧源から供給されるブレーキフルードにより前記ホイールシリンダに制動力を付与できるように、前記第1制御弁を開弁するとともに前記第3制御弁を閉弁することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
  7. 前記液面レベル検出手段は、
    前記リザーバに固定された固定部材と、
    液面レベルに応じて前記固定部材に対して上下に移動する第1フロートおよび第2フロートを備え、
    前記固定部材と前記第1フロートとが所定の第1位置関係となったことにより、液面レベルが前記第1液面レベルとなったことを検出し、
    前記固定部材と前記第2フロートとが所定の第2位置関係となったことにより、液面レベルが前記第2液面レベルとなったことを検出することを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記第3制御弁の作動状況を推定し、該作動状況が所定の条件を満たす場合、前記ホイールシリンダから排出されたブレーキフルードがマニュアル液圧源に戻れなくなる液面レベルまで低下しており、かつ、通常行われている第1制御モードとは異なる第2制御モードに変更される液面レベルまでは低下していないと検出されたときであっても、前記第1制御弁を開弁することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記第3制御弁の作動状況を推定し、該作動状況が所定の条件を満たす場合、ブレーキフルードの液面レベルが前記第1液面レベルより低下したことが検出され前記第2液面レベルより低下したことが検出されないときであっても、前記第1制御弁を開弁することを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記作動状況として前記第3制御弁の作動時間に基づいた作動頻度を算出する作動頻度算出部と、
    前記作動頻度が所定値をこえる場合に前記所定の条件を満たすと判定する条件判定部と、
    を備えることを特徴とする請求項8または9に記載のブレーキ制御装置。
  11. 前記制御手段は、
    前記作動状況として前記第3制御弁の通電量に基づいて該第3の制御弁の作動温度を推定する作動温度推定部と、
    推定された前記作動温度が所定値をこえる場合に前記所定の条件を満たすと判定する条件判定部と、
    を備えることを特徴とする請求項8または9に記載のブレーキ制御装置。
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CN113302099A (zh) * 2019-01-23 2021-08-24 大陆-特韦斯贸易合伙股份公司及两合公司 用于操作制动系统的方法及制动系统

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