JP2009286075A - 流体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体を噴射する流体噴射装置において、ミストの発生による流体噴射装置の汚損を抑制する技術を提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタ100は、インクを噴射するためのノズル15を有する印刷ヘッド部10と、ノズル15を封止可能な蓋体41を備えるキャップ部40と、環境温度を検出する温度検出部90と、ノズル15からのインクの吐出を制御する制御部50とを備える。制御部50は、ノズル15が蓋体41から開放された状態でノズル15からインク滴を噴射させる第1の噴射処理を実行し、蓋体41がノズル15の封止を終了したときから最初に第1の噴射処理を開始するまでの待機時間を、温度検出部90の検出温度に応じて調整する。
【選択図】図6

Description

この発明は、ノズルから流体を噴射する流体噴射装置に関する。
インクジェットプリンタは、ノズルから紙面に向かってインク滴を吐出(噴射)することによって印刷を行う。こうしたインクジェットプリンタでは、自然蒸発によるノズル開口部におけるインクの増粘固着や、インクが充填されるインク室内への気泡の混入によりインク室内の圧力変化が気泡に吸収されることなどによって、インク滴の吐出不良が発生する場合がある。
これまで、インク滴の吐出を良好に継続して行うために、種々のメンテナンス処理に関する技術が提案されてきた(特許文献1等)。例えば、特許文献1では、ノズルをキャップで一時的に封止してポンプによって負圧を発生させるとともに、インク室内に圧力発生素子によって圧力を付与してインク滴の空吐出を行い、増粘インクや気泡の除去を実行する。
特開2007−136989号公報 特開昭59−131464号公報
ところで、ノズルからのインク滴の吐出において、インク滴のごく一部がミスト化して空気中に飛散する場合があることが知られている。そうしたミストがインク滴の行路に存在する状態で、上述したメンテナンス処理における空吐出を実行すると、空吐出されたインク滴の飛行安定性が当該ミストによって悪化し、かえってインクジェットプリンタの汚損の原因となることを本発明の発明者が見出した。
こうしたミストの発生による汚損は、インクジェットプリンタのメンテナンス処理に限らず、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体を含む)を噴射する流体噴射装置の流体の噴射処理において発生し得る問題である。これまで、こうした問題に対して十分な工夫がなされてこなかったのが実情であった。
本発明は、流体を噴射する流体噴射装置において、ミストの発生による流体噴射装置の汚損を抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
流体を噴射するための流体噴射装置であって、
前記流体を噴射するためのノズルを有する流体噴射ヘッドと、
前記ノズルを封止可能なキャップ部と、
環境温度または前記流体噴射ヘッドの少なくとも一方の温度を検出する温度検出部と、
前記ノズルからの前記流体の噴射を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ノズルが前記キャップ部から開放された状態で前記ノズルから前記流体を噴射させる第1の噴射処理を実行し、前記キャップ部が前記ノズルの封止を終了したときから最初に前記第1の噴射処理を開始するまでの待機時間を、前記温度検出部の検出温度に応じて調整する、流体噴射装置。
この流体噴射装置によれば、第1の噴射処理の前にミストが発生してしまったている場合であっても、温度検出部の検出温度に応じて適切に調整されたインターバルをおいてミストが低減・消失した後に、第1の噴射処理を実行する。従って、第1の噴射処理で吐出されるインク滴の飛行安定性が、第1の噴射処理の前において発生したミストにより悪化してしまうことが抑制され、第1の噴射処理において、流体噴射装置の汚損してしまうことを抑制できる。
[適用例2]
適用例1に記載の流体噴射装置であって、
前記制御部は、前記前記検出温度が高いほど、前記待機時間を長く調整する、流体噴射装置。
この流体噴射装置によれば、検出温度に応じてより効果的に第1の噴射処理における流体噴射装置の汚損を抑制できる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の流体噴射装置であって、
前記制御部は、前記ノズルが前記キャップ部に封止された状態で前記ノズルから前記流体を噴射させる第2の噴射処理を実行し、
前記第2の噴射処理と前記ノズルの封止の終了と前記第1の噴射処理とは、前記ノズルの性能回復のためのメンテナンス処理として順番に実行される、流体噴射装置。
この流体噴射装置によれば、流体噴射装置のメンテナンス処理において流体噴射装置が汚損してしまうことを抑制できる。
[適用例4]
適用例3に記載の流体噴射装置であって、さらに、
前記流体噴射ヘッドは、前記流体が充填される圧力室と、前記圧力室の壁面を変形させることによって前記圧力室内の容積を変化させる圧力発生素子とを備え、
前記キャップ部は、前記ノズルを封止した状態で前記ノズルに負圧をかけることができる吸引ポンプを備え、
前記第2の噴射処理は、前記吸引ポンプにより前記ノズルから前記流体を噴射させる噴射処理を含み、
前記第1の噴射処理は、前記圧力室の容積を連続的に変化させることによって前記ノズルから前記流体を連続的に噴射させるフラッシング処理を含む、流体噴射装置。
ポンプにより負圧を発生させてインク滴の吐出を実行した場合、その吐出に伴い発生したミストは、キャップ部の開放とともにノズルに戻る方向に力が働き、ノズルとキャップ部との間に残留する可能性が高くなる。しかし、この適用例の流体噴射装置によれば、そのミストがノズルに戻るなどして消失する時間を考慮したタイミングで第1の噴射処理を開始することができる。従って、第1の噴射処理におけるフラッシングによる流体噴射装置の汚損を抑制できる。
[適用例5]
適用例4記載の流体噴射装置であって、
前記第1の噴射処理及び前記第2の噴射処理は、前記流体を収容するカートリッジが前記流体噴射ヘッドに装填された後に実行される、流体噴射装置。
この流体噴射装置によれば、第2の噴射処理において、装填されたカートリッジから流体を圧力室に充填するとともに、第1の噴射処理において圧力室の流体に混入している気泡をフラッシングにより除去できる。この際に、第2の噴射処理におけるフラッシングにより流体噴射装置が汚損してしまうことを抑制できる。
[適用例6]
適用例4または適用例5記載の流体噴射装置であって、
前記第1の噴射処理及び前記第2の噴射処理は、所定のタイミングまたはユーザから指示されたタイミングで実行される、流体噴射装置。
この流体噴射装置によれば、ユーザの指示によるノズルのメンテナンス処理または定期的に制御部が実行するメンテナンス処理において流体噴射装置が汚損してしまうことを抑制できる。
[適用例7]
適用例1または適用例2に記載の流体噴射装置であって、
前記第1の噴射処理は、所定位置に配置された処理対象物に向けて前記流体を噴射する有効噴射を含む、流体噴射装置。
この流体噴射装置によれば、第1の噴射処理の前において発生したミストにより、有効噴射におけるインク滴の飛行安定性が低下することを抑制できる。従って、流体噴射装置の本来の目的を達成するための機能の低下を抑制できるとともに、流体噴射装置の汚損を抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、流体噴射装置におけるノズルの目詰まりに対するメンテナンス方法およびその方法を実行する流体噴射装置、それらの方法または装置を備えるインクジェットプリンタ等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
A.第1実施例:
図1は本発明の一実施例としてのインクジェットプリンタの構成を示す概略図である。このインクジェットプリンタ100は、外部から送信された印刷データに応じて、紙面に複数の色ごとのインク滴を吐出して画像を形成するインクジェット方式の印刷装置である。このインクジェットプリンタ100は、印刷ヘッド部10と、ヘッド駆動部20と、用紙搬送部30と、キャップ部40と、制御部50と、ワイパ部60と、温度検出部90とを備えている。
印刷ヘッド部10は、シアン、イエロー、マゼンダ、ブラックからなる4色のインクカートリッジ11C,11M,11Y,11Kが着脱可能に装着されている。印刷ヘッド部10は、インクジェットプリンタ100の印刷実行時に、印刷用紙200の搬送方向PDに対して垂直な方向(図中の矢印X方向)に沿って往復移動を繰り返しつつ、各色のインク滴を紙面に向かって吐出する。なお、印刷ヘッド部10に装着されるインクカートリッジの色数は、4色に限られず、1色や6色など任意の数とすることが可能である。
ヘッド駆動部20は、第1と第2のプーリー21,22と、ヘッド駆動ベルト23とを備えている。2つのプーリー21,22はそれぞれ、用紙搬送部30を挟んで対向する位置に設けられており、ヘッド駆動ベルト23は、2つのプーリー21,22の間に張り渡されている。第1のプーリー21は、制御部50によって制御されるモータ(図示せず)によって回転駆動し、第2のプーリー22は、ヘッド駆動ベルト23を介して第1のプーリーに追従して回転する。ヘッド駆動ベルト23には、印刷ヘッド部10が固定されており、これによって印刷ヘッド部10は、第1のプーリー21の回転駆動に従って、印刷用紙200の印刷面上を往復移動する。
用紙搬送部30は、第1と第2の用紙搬送ローラ31,32と、2つの用紙搬送ローラ31,32に張り渡された用紙搬送ベルト33とを備える。第1の用紙搬送ローラ31は、制御部50によって制御されるモータ(図示せず)によって回転駆動し、第2の用紙搬送ローラ32は、用紙搬送ベルト33を介して第1の用紙搬送ローラ31に追従して回転する。これによって、印刷用紙200は印刷時に、用紙搬送ベルト33の上を搬送方向PDへと搬送される。
キャップ部40は、印刷ヘッド部10の移動可能領域内に、用紙搬送部30と並列に配置されている。印刷ヘッド部10は、後述するメンテナンス処理を実行する際に、印刷ヘッド部10の底面(用紙200と相対する面)に設けられたノズル15がキャップ部40によって密封され得るようにキャップ部40の配置領域まで移動する。このときの印刷ヘッド部10の位置を「メンテナンスポジションMP」と呼ぶ。
キャップ部40と用紙搬送部30との間には、キャップ部40に近接してワイパ部60が設けられている。ワイパ部60は、印刷ヘッド部10の底面を摺擦して印刷ヘッド部10の底面の汚損を抑制するためのものである。なお、キャップ部40及びワイパ部60についての詳細は後述する。
温度検出部90は、温度センサによって構成されており、インクジェットプリンタ100の動作環境温度を検出する。温度検出部90は、その検出信号を制御部50へと送信する。
制御部50は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成されており、中央処理装置(図示せず)や記憶装置(図示せず)などを備える。制御部50は、上述した印刷ヘッド部10等と信号線を介して接続されており、インクジェットプリンタ100の動作を制御する。
図2は、印刷ヘッド部10のインク滴の吐出機構の内部構造を示す概略断面図である。図2は、図1に示す矢印Yの方向に沿って見たときの印刷ヘッド部10の任意のノズル15の近傍を図示している。印刷ヘッド部10は、各インク色ごとに、インクが充填される内部空間である共通インク室12及び圧力室13を有している。
共通インク室12の上部には、インクカートリッジ11C,11M,11Y,11Kのいずれかが装着されて当該インクカートリッジからインクが流入する。共通インク室12は、インク流路14によって圧力室13と連通している。共通インク室12に充填されたインクはインク流路14を介して圧力室13に入出する。即ち、共通インク室12は、圧力室13に対してインクのバッファ領域として機能する。
圧力室13の底面には、インクを吐出するための複数のノズル15が、用紙の搬送方向(矢印Y方向)に沿って並列に設けられている。以後、印刷ヘッド部10の底面を「ノズル面15p」と呼ぶ。各ノズル15は、圧力室13からノズル面15pに向かって次第に径が小さくなるテーパ形状を有する微小な貫通孔として設けられている。
圧力室13には、各ノズル15に対向して振動板16及び圧電素子17が設けられている。振動板16は、圧電素子17が当接する厚肉部と、その外周に弾性を有する薄肉部とを備えた板状部材であり、厚肉部が圧電素子17の伸縮に応じて振動する。なお、図では、振動板16の厚肉部及び薄肉部の区分けは省略されている。
圧電素子17は、圧電体と内部電極とを交互に積層して構成された積層型の圧電振動子であって、印加される電圧に応じて積層方向に直交する縦方向(矢印で図示)に伸縮可能な縦振動モードの圧電振動子である。圧電素子17は、固定基材18に固定されている。固定基材18は、圧電素子17の振動を効率よく振動板16に伝えるのに十分な剛性を有する部材によって構成されている。このような構成により、圧電素子17は、振動板16を介して圧力室13に充填されたインクに印加電圧に応じた圧力を付与してインクをノズル15から吐出させる。
ところで、インクカートリッジからのインクの初期充填時や、印刷処理の継続時に、圧力室13のインク内に気泡が混入する場合がある。また、この気泡が、圧電素子17によって付与された圧力室13内の圧力変化を吸収してしまうために、一部のノズル15からインク滴の吐出が適当になされない、いわゆるドット抜けが発生する場合がある。
そこで、インクジェットプリンタ100では、ドット抜けの発生を抑制するために、印刷ヘッド部10に装填されたインクカートリッジ11C,11M,11Y,11Kの少なくともいずれか1つの交換が行われたときに、以下に説明する初期充填処理を実行する。なお、インクカートリッジの交換及び初期充填処理は、印刷ヘッド部10がメンテナンスポジションMP(図1)に移動された状態で行われる。
図3は、初期充填処理の処理工程を示すフローチャートである。ステップS100では、制御部50は、温度検出部90により環境温度を検出する。環境温度を検出する理由については後述する。ステップS110〜S130では、交換されたインクカートリッジが接続する共通インク室12及び圧力室13へインクを充填するための「インク充填処理」が実行される。
図4(A),(B)は、ステップS110〜S130において実行されるインク吸引処理を説明するための模式図である。図4(A)は、印刷ヘッド部10がメンテナンスポジションMPに移動したときのインクジェットプリンタ100を、図1の矢印Yの方向に沿って見たときの図である。なお、図4(A)には、印刷ヘッド部10とキャップ部40とワイパ部60以外のインクジェットプリンタ100の構成要素は便宜上図示が省略されている。
キャップ部40は、蓋体41と、インク排出配管42と、ポンプ43とを備えている。蓋体41は、ノズル面15pを被覆するように配置された受け皿状の部材である。蓋体41の底面中央部には貫通孔41hが設けられており、貫通孔41hには、ポンプ43が設けられたインク排出配管42が接続されている。
キャップ部40は、さらに、駆動機構45を備えている。蓋体41は、この駆動機構45によって、紙面の上下方向に往復移動することが可能である。ステップS110(図3)では、駆動機構45によって蓋体41の端部41eを印刷ヘッド部10のノズル面15pと接触させて、ノズル15を封止された状態とする。
図4(B)は、蓋体41によってノズル15が封止された状態を示している。制御部50は、この状態でポンプ43を稼働させて、蓋体41によって覆われた空間(以後、「キャップ閉塞空間CS」と呼ぶ。)内を負圧とする。これによって、各ノズル15からインクが吸引されて蓋体41に吐出されるとともに、圧力室13にインクが充填される。その後、制御部50は、ポンプ43を停止させ、キャップ閉塞空間CS内の負圧状態が低減されると、駆動機構45によって蓋体41を紙面下方向へと移動させ、各ノズル15を開放する(図3:ステップS130)。なお、このとき、蓋体41にはノズル15から吸引されたインクが付着したままの状態である。
ところで、インク充填処理の際に、蓋体41の端部41eと接触することによって、ノズル面15pにインク汚れが付着する場合がある。ノズル面15pの汚れが蓄積すると、印刷ヘッド部10の性能が劣化する。そこで、ワイパ部60のによるノズル面15pの拭き取り処理(ワイピング処理)によって、ノズル面15pのクリーニングを行う。
図5(A),(B)は、ワイピング処理を説明するための模式図であり、図4と同様にインクジェットプリンタ100の一部を模式的に示している。ワイパ部60は、ゴム等の軟質樹脂によって構成されたワイパブレード61を備えており、ワイパブレード61は、駆動機構65によって上下方向に移動可能である。
図5(A)は、ワイパブレード61の先端部61eがノズル面15pと同程度の高さにまで上方向(矢印で図示)に移動した状態を示している。なお、このとき、キャップ部40の蓋体41は、ノズル面15pとは接触していない。図5(B)は、ワイパブレード61の先端部61eとノズル面15pとが接触したまま、印刷ヘッド部10が矢印X方向に移動している状態を示している。このように、ワイパブレード61の先端部61eがノズル面15p上を摺擦することによって、ノズル面15pの汚れが拭き取られる。ノズル面15pを摺擦した後に、ワイパブレード61は初期位置へと戻り、印刷ヘッド部10も再びメンテナンスポジションMPへと戻る。
ステップS150(図3)では、制御部50は、蓋体41が開放された状態でポンプ43を作動させて、蓋体41に存在する排インクを貫通孔41h及びインク排出配管42を介して、排インクを処理するための排インク処理部(図示せず)へと誘導される。以後、ステップS110〜ステップS150の一連の工程によって実行される処理を「第1の充填処理」と呼ぶ。
ステップS160〜ステップS200では、第1の充填処理と同様の処理を繰り返す。ステップS160〜ステップS200の処理を「第2の充填処理」と呼ぶ。さらに、続くステップS210〜ステップS240でも、第1と第2の充填処理と同様の処理を実行するが、この時のポンプ43による吸引量は、前工程における吸引量に比較して微量で良い。このステップS210〜ステップS240の充填処理を特に「微量充填処理」と呼ぶ。
このように、複数回にわたりポンプ吸引によるインク充填処理を繰り返す理由は、共通インク室12から圧力室13までのインク充填領域に混入する気泡を減少させてインクの充填をより確実に実行するためである。しかし、それでも圧力室13には、気泡が混入してしまう場合がある。そこで、本実施例の初期充填処理では、さらに、ステップS260,S270においてフラッシングを実行する。
ここで、「フラッシング」とは、ノズルからのインクの空吐出を実行して、インク滴とともに圧力室内の気泡やノズル開口部に存在する増粘インクをノズルから噴射する処理をいう。また、「空吐出」とは、流体の本来の用途(本実施例では印刷)以外の目的のために行われる吐出(噴射)を意味する。なお、本明細書では、「空吐出」に対して、印刷用紙200(図1)などの所定の処理対象物に向けての流体の吐出、即ち、本実施例ではインクジェットプリンタ本来の目的である印字目的のための噴射を「有効噴射」と呼ぶ。しかし、こうしたフラッシングをステップS110からS240までのインク充填処理の後に直ちに実行すると以下のような問題がある。
図6(A)は、初期充填処理実行時のノズル面15pと蓋体41との間の空間における圧力の時間変化を示すグラフである。また、図6(B)は、キャップ部40によるノズル15の封止処理の動作タイミングと、ワイパ部60によるワイピング処理の動作タイミングと、後述するフラッシング処理の実行タイミングとを示すタイミングチャートである。図6(A),(B)はそれぞれ、時間軸が対応している。
なお、図6(B)のノズル15の封止タイミングを示すグラフは、上に凸のときにノズル15が蓋体41により封止されていることを示し、下に凹のときにノズル15が開放されていることを示す。ワイパ部60の動作タイミングを示すグラフは、上に凸のときに、ワイパブレード61がワイピング処理実行位置に移動するとともに印刷ヘッド部10がワイピングのための往復移動をすることを示す。フラッシング処理の実行タイミングを示すグラフは、上に凸のときに後述するフラッシング用の駆動パルスが圧電素子17に供給されて、インク滴を吐出していることを示す。
上述したように、ステップS120、S170、S220においてポンプ吸引により、ノズル15から蓋体41にインクが吸引・吐出されるが、吐出されたインクの一部がミスト化してキャップ閉塞空間CSに存在する。ポンプ吸引により発生するミストは、キャップ閉塞空間CSが負圧状態から大気圧付近まで圧力が回復する時間帯Cftにおいて、ノズル面15p方向へと逆戻りする方向へと力が働く。その結果、ステップS140,S190,S240の各ワイピング処理の後にも、当該ミストは、蓋体41等に付着することなく、蓋体41と印刷ヘッド部10との間の空気中に浮遊し続けている場合がある。
このような状態でフラッシングを実行すると、フラッシングによって吐出されるインク滴の行路上にミストが存在することとなり、当該インク滴の飛行安定性が悪化してしまう可能性がある。ここで、「インク滴の飛行安定性」とは、吐出されたインク滴の弾道の直進性、または、吐出されたインク滴の目標着弾位置への着弾性をいう。インク滴の飛行安定性が悪化すると、インク滴が目標着弾位置へと着弾せず、さらにミストの発生を誘発するなど、印刷ヘッド部10の汚損の原因となる。
そこで、本実施例では、ステップS250においてインターバルをおいた後に、ステップS260のフラッシング処理を実行する。このインターバルを図6において時間twとして示してある。このようにインターバルをおくことによって、印刷ヘッド部10と蓋体41との間に存在するミストがノズル15へと戻るなどして低減されるため、フラッシングにおけるインク滴の飛行安定性が悪化することを抑制できる。
ここで、環境温度が高いほど、このミストが低減するのに要する時間が長くなることを本発明の発明者は見出した。そこで、制御部50は、ステップS250のインターバル時間(待機時間)twをステップS100で検出した環境温度が高いほど長く設定する。具体的には、制御部50は、予め実験等で得たマップに基づいて検出環境温度に対する適切なインターバル時間twを設定するものとしても良い。これによって、より確実にフラッシング処理の際のインクジェットプリンタ100の汚損を抑制できる。
図7は、ステップS260で制御部が実行するフラッシング処理の工程を示すフローチャートである。このフラッシング処理は、フラッシングのうちでも特に気泡を除去することを目的としたフラッシングでり、以後、「気泡除去フラッシング」と呼ぶ。
ステップS300では、制御部50は、各ノズル15に対して、連続して2000回のインク滴の空吐出を実行させる。以後、この連続したインク滴の空吐出工程を「連続フラッシングセット」と呼ぶ。制御部50は、ステップS310において、所定のインターバル(例えば1秒程度)をおいた後、続くステップS320において、再び連続フラッシングセットを実行する。ここで、ステップS330においてインターバルをおく理由は、前工程の連続フラッシングセットによる圧力室13及びインクの振動を収束させるためである。
なお、このインクジェットプリンタ100では、このインターバルの間に圧電素子17をインク滴が吐出されない程度に微振動させてインク及び圧力室13の振動を収束させるものとしても良い。これによって、続く連続フラッシングセットを効果的に実行することが可能となる。以下、気泡除去フラッシングでは、連続フラッシングセットとインターバルとからなる一連の工程を任意の所定回数繰り返す。
図8は、気泡除去フラッシングの実行時に制御部50が出力する駆動信号を示すグラフである。このグラフは、縦軸が電圧を示し、横軸が時間を示している。この気泡除去フラッシング用の駆動信号は、略台形形状のパルス信号である駆動パルス300を含む。駆動パルス300は、気泡除去フラッシングの連続フラッシングセット(図8:ステップS310,S330)におけるインク滴の空吐出を各ノズル15に実行させるための駆動信号である。
気泡除去駆動パルス300は、第1のパルス部分Pwcと、第2のパルス部分Pwdと、第1と第2のパルス部分Pwc,pwdの間にある中間パルス部分Pwhとを有している。第1のパルス部分Pwcでは、時刻t0から時刻t1の間に、圧電素子17の電圧値が基底状態(電圧値0)からVhまで一定比率で増加する。中間パルス部分Pwhでは、時刻t1から時刻t2の間、圧電素子17の電圧値はVhのまま一定に保持される。第2のパルス部分Pwdでは、時刻t2から時刻t3の間に、圧電素子17の電圧値は、一定比率でVhから基底状態へと戻る。
図9(A)〜(C)は、駆動パルス300による印刷ヘッド部10の動作を模式的に示す模式図である。図9(A)〜(C)は、図2(A)に示す印刷ヘッド部10のうち、圧力室13を拡大して示しており、圧電素子17及び共通インク室12の図示は省略されている。
図9(A)は、気泡除去駆動パルス300を受信する前(時刻t0以前)の圧力室13の状態を示している。圧力室13には、インク400が充填されており、インク400には気泡500が混入している。なお、気泡500は、圧力室13の重力方向上側であって、インク流路14と対向する領域に滞留する傾向にある。
図9(B)は、図8の時刻t0〜時刻t2における圧力室13の状態を示している。圧電素子17は、時刻t0〜時刻t1の間の第1のパルス部分Pwcを受信すると、印加電圧の増加に伴って収縮する。すると、図9(B)に示すように、振動板16が圧力室13の外側(矢印方向)に向かって湾曲し、圧力室13内のインク400には負圧が生じる。なお、このときノズル15に生じるメニスカス401は、振動板16と同様の方向に湾曲の度合いを増大する。そして時刻t1から時刻t2までの間、振動板16の湾曲は保持される。この時刻t0〜時刻t2の間に、圧力室13内の圧力低下に伴って、気泡500の径が増大する。
図9(C)は、時刻t2〜時刻t3における圧力室13の状態を示している。気泡除去駆動パルス300の第2のパルス部分Pwdによって、圧電素子17の印加電圧値は基底値へと戻り(図8)、圧電素子17も伸張して基底状態へと戻る。即ち、振動板16は湾曲した状態から平坦な状態へと戻る。これによって、圧力室13内のインク400は、振動板16から圧力を付与されてノズル15から吐出される。この際、気泡500もインクの吐出に伴ってノズル15に次第に近付いてゆき、最終的にはノズル15から外部に排出される。図9(C)には、多数の気泡除去駆動パルス300の発生に応じて気泡500がノズル15へと移動してゆく軌跡が図示されている。
ここで、図9(B)で説明したように、この気泡除去駆動パルス300によれば、時刻t0〜時刻t1の間に気泡500の径を増大させることが可能であり、径の増大に伴って、気泡500に対して振動板16から、より大きな力を付与することが可能となる。従って、この気泡除去駆動パルス300によれば、例え微小径の気泡であっても容易に吐出させることが出来る。
ステップS270(図3)では、さらに、ステップS260の気泡除去フラッシングとは異なる混色防止フラッシングを実行する。ここで、「混色防止フラッシング」について説明する。上述したように、インク充填処理において、ミストがノズル面15p方向へと逆戻りする場合があり、これによって、吐出されるインクとは異なる色のインクがノズル15へと混入してしまう場合がある。また、ワイピング処理においても、ノズル面15pがワイパブレード61によって拭き取られる際に、ノズル15に異なる色のインクが混入してしまう場合がある。混色防止フラッシングは、このようにノズル15に混入した異なる色のインクを印字処理の実行前に予め吐出してしまうことを目的として行われるフラッシング処理である。
なお、この初期充填処理では、混色防止フラッシングの前に気泡除去フラッシングが実行されている。この理由は、前工程の気泡除去フラッシングによってドット抜けの発生を抑制して、混色防止フラッシングにおいて、全てのノズル15からインク滴が吐出されるようにするためである。即ち、気泡除去フラッシングを先に実行することにより、より効果的に混色防止フラッシングが実行可能となる。
図10は、混色防止フラッシングの際に制御部50が圧電素子17に対して発生させる駆動パルスを示している。この駆動パルス310は、気泡除去フラッシングにおける駆動パルス300(図8)と異なり、一度のインク吐出で大量のインクを吐出することを目的とする。
駆動パルス310は、基底電圧から略一定比率で電圧を上昇させる第1のパルス部分(時刻t20〜時刻t21)と、所定の時間一定電圧を保持する第2のパルス部分(時刻t21〜時刻t22)とを有している。また、駆動パルス310は、さらに、略一定比率で負電圧まで電圧を低下させる第3のパルス部分(時刻t22〜時刻t23)と、所定の時間一定負電圧を保持する第4のパルス部分(時刻t23〜時刻t24)と、基底電圧まで略一定比率で電圧を増加させる第5のパルス部分(時刻t24〜時刻t25)とを有している。即ち、この駆動パルス310は、正電圧を発生する第1の略台形パルス311と、負電圧を発生する第2の略台形パルス312とを有している。
この駆動パルス310は、第2の略台形パルス312を有することにより、ノズル15のインク面に振動が過度に生じることを抑制し、短時間で連続してインク吐出を実行することを可能としている。例えば、この混色防止フラッシングでは、制御部50は、約50Khz程度の周波数(時刻t20〜時刻t26の周期に相当する周波数)で、この駆動パルス310を複数回連続して発生させることが可能である。
このように、本実施例の初期充填処理では、蓋体41が開放された後、フラッシング処理が実行されるまでの時間が環境温度に応じて調整されるため、ポンプ43の吸引動作により発生したミストの量がより低減された状態でフラッシングを実行することができる。従って、フラッシングにおいて空吐出されたインク滴の飛行安定性がミストにより悪化することを抑制でき、印刷ヘッド部10などの各プリンタ構成部が汚損されることを抑制できる。
B.第2実施例:
図11は、本発明の一実施例として、インクジェットプリンタにおいて実行されるメンテナンス処理のうち、タイマクリーニング処理の手順を示すフローチャートである。ここで、「タイマクリーニング処理」とは、インクジェットプリンタの非印刷処理実行時に制御部が定期的に実行するノズルの性能回復のためのノズルのクリーニング処理である。なお、この第2実施例のインクジェットプリンタの構成は、第1実施例のインクジェットプリンタ100(図1)と同様である。
図11のステップS500〜ステップS550の各工程は、図3で説明した環境温度検出工程(ステップS100)及び第1の充填処理(ステップS110〜S150)と同様に実行される。また、続くステップS560〜S590の各工程は、図3の微量充填処理(ステップS210〜S240)と同様に実行される。ただし、図3の初期充填処理とは、ポンプ43による吸引時間及び吸引量は異なる。
図12(A)は、図6(A)と同様なグラフであり、このタイマクリーニング処理実行時のノズル面15pと蓋体41との間の空間における圧力の時間変化を示すグラフである。図12(B)は、図6(B)と同様なグラフであり、各処理工程の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
このタイマクリーニング処理でも、制御部50は、ノズル面15pが開放されてワイピング処理が実行された後、フラッシング処理の実行開始までの間に、環境温度に応じたインターバルをおく(ステップS595)。制御部50は、このインターバル時間twを、第1実施例のステップS250(図3)と同様に調整する。このインターバル工程によって、第1実施例と同様に、フラッシング処理におけるインクジェットプリンタの汚損が抑制される。
このように、第2実施例の構成によれば、定期的に実行されるタイマクリーニング処理のフラッシング処理において、インクジェットプリンタが汚損してしまうことを抑制できる。
C.第3実施例:
図13は、本実施例の第3実施例としてのインクジェットプリンタ100Cの構成を示す概略図である。図13は、ユーザ操作部80を備えている点以外は、図1とほぼ同じである。
ユーザ操作部80は、例えば、タッチパネルや操作ボタンとしてインクジェットプリンタ100Cの本体に設けられている。ユーザは、このユーザ操作部80を介してインクジェットプリンタ100Cの制御部50に処理の実行命令を出すことができる。
図14は、インクジェットプリンタ100Cにおいて実行されるメンテナンス処理のうち、マニュアルクリーニング処理の手順を示すフローチャートである。「マニュアルクリーニング処理」とは、インクジェットプリンタ100Cの非印刷処理実行時に、ユーザ操作部80を介したユーザの指示によって、制御部50が実行するノズルの性能回復のためのクリーニング処理である。
ステップS700〜S750では、図3の環境温度検出工程(ステップS100)及び第1の充填処理(ステップS110〜S150)の各工程と同様な処理を実行する。続くステップS760〜S800では、ステップS710〜S750と同様な処理を繰り返して実行する。ステップS810〜S840では、ステップS710〜S740と同様な処理を実行する。即ち、このマニュアルクリーニング処理では、連続して3回のポンプ43によるインク吸引処理が実行される。
図15(A)は、図12(A)と同様なグラフであり、マニュアルクリーニング処理実行時のノズル面15pと蓋体41との間の空間における圧力の時間変化を示すグラフである。また、 図15(B)は、図12(B)と同様なグラフであり、マニュアルクリーニング処理における各処理工程の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
このマニュアルクリーニング処理では、3度のインク吸引処理ごとにインクの吸引量を徐々に減少させて実行する。このように、インク吸引量を減少させつつ複数回のインク吸引処理を実行することによって、クリーニング処理において消費されるインク量を抑制しつつ、効果的にノズルのクリーニング処理を実行することができる。
3度のインク吸引処理を実行した後、制御部50は、フラッシング処理(ステップS850,S860)の開始前に、インターバルをおく(ステップS845)。このインターバル時間twは、第2実施例と同様に、制御部50によって環境温度に応じて調整される。従って、このマニュアルクリーニング処理でも、第2実施例のタイマクリーニング処理と同様に、フラッシング処理における空吐出により、インクジェットプリンタが汚損されることを抑制できる。
このように、第3実施例の構成によれば、ユーザの指示により実行されるマニュアルクリーニング処理のフラッシング処理において、インクジェットプリンタが汚損されることを抑制できる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施例では、圧力室13へのインク充填を目的としてポンプ43の吸引動作によって蓋体41によって封止されたノズル15からインク滴を吐出させて、請求項における「第2の噴射処理」に相当する処理を実行していた。しかし、第2の吐出処理は、ポンプ43の吸引動作によるインク滴の吐出でなくとも良く、例えば、圧電素子17の振動による吐出であるものとしても良い。
また、上記実施例では、請求項における「第1の噴射処理」に相当する処理として、気泡除去フラッシング及び混色防止フラッシングを実行していた。しかし、第1の噴射処理は、フラッシングなどのノズル15のメンテナンスのための空吐出でなくとも良く、例えば、印刷用紙200に向かって吐出される有効噴射が実行されるものとしても良い。
D2.変形例2:
上記実施例において、温度検出部90は、インクジェットプリンタ100における環境温度を検出していた。しかし、温度検出部90は、印刷ヘッド部10の温度(「ヘッド温度」と呼ぶ)を検出するものとしても良い。
D3.変形例3:
上記実施例において、制御部50は、インターバル時間twを温度検出部の検出温度がが高いほど長く設定していた。しかし、インターバル時間twは、環境温度に応じて調整されればよく、例えば、検出温度が所定の値より高いときに、所定の検出温度が所定の値のときよりもインターバル時間が長くなるように設定しても良い。インターバル時間twは、予め実験によって得たインターバル時間twと検出温度との関係に応じて調整されることが好ましい。
D4.変形例4:
上記実施例では、各メンテナンス処理において、気泡除去フラッシング及び混色防止フラッシングが実行されていたが、いずれか一方のフラッシングのみが実行されるものとしても良い。また、気泡除去フラッシングや混色防止フラッシング以外の、他の駆動パルスによって実行されるフラッシングが実行されるものとしても良い。
D5.変形例5:
上記実施例では、本発明を初期充填処理、タイマクリーニング処理、マニュアルクリーニング処理のそれぞれについて適用していが、他のメンテナンス処理にも適用することが可能である。なお、「メンテナンス処理」とは、ノズルのインク滴の吐出性能を回復するための処理を意味する。
D6.変形例6:
上記実施例では、インクジェットプリンタについて説明したが、本発明は、他の流体(液体)を吐出する流体噴射装置にも適用可能である。
第1実施例のインクジェットプリンタの構成を示す概略図。 印刷ヘッド部の構成を示す概略断面図。 初期充填処理の処理手順を示すフローチャート。 インク充填処理実行時の印刷ヘッド部とキャップ部の構成を示す概略断面図。 ワイパ部によるノズル面のクリーニング処理を説明するための模式図。 初期充填処理実行中におけるキャップ閉塞空間内の気圧変化を示すグラフと各構成部の駆動タイミングを示すタイミングチャート。 気泡除去フラッシングの処理手順を示すフローチャート。 気泡除去フラッシングにおいて制御部が発生させる駆動パルスを示すグラフ。 気泡除去フラッシングにおける気泡除去のメカニズムを説明するための模式図。 混色防止フラッシングの際に制御部が発生させる駆動パルスを示すグラフ。 第2実施例のタイマクリーニング処理の処理手順を示すフローチャート。 タイマクリーニング処理実行中におけるキャップ閉塞空間内の気圧変化を示すグラフ。 第3実施例のインクジェットプリンタの構成を示す概略図。 マニュアルクリーニング処理の処理手順を示すフローチャート。 マニュアルクリーニング処理実行中におけるキャップ閉塞空間内の気圧変化を示すグラフ。
符号の説明
10…印刷ヘッド部
11C,11M,11Y,11K…インクカートリッジ
12…共通インク室
13…圧力室
14…インク流路
15…ノズル
15p…ノズル面
16…振動板
17…圧電素子
18…固定基材
20…ヘッド駆動部
21,22…プーリー
23…ヘッド駆動ベルト
30…用紙搬送部
31,32…用紙搬送ローラ
33…用紙搬送ベルト
40…キャップ部
41…蓋体
41e…端部
41h…貫通孔
42…インク排出配管
43…ポンプ
45…駆動機構
50…制御部
60…ワイパ部
61…ワイパブレード
61e…先端部
65…駆動機構
80…ユーザ操作部
90…温度検出部
100,100C…インクジェットプリンタ
200…印刷用紙
300…気泡除去駆動パルス
310…駆動パルス
311…第1の略台形パルス
312…第2の略台形パルス
400…インク
401…メニスカス
500…気泡
CS…キャップ閉塞空間
MP…メンテナンスポジション
Pwc…第1のパルス部分
Pwd…第2のパルス部分
Pwh…中間パルス部分
tw…インターバル時間

Claims (8)

  1. 流体を噴射するための流体噴射装置であって、
    前記流体を噴射するためのノズルを有する流体噴射ヘッドと、
    前記ノズルを封止可能なキャップ部と、
    環境温度または前記流体噴射ヘッドの少なくとも一方の温度を検出する温度検出部と、
    前記ノズルからの前記流体の噴射を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記ノズルが前記キャップ部から開放された状態で前記ノズルから前記流体を噴射させる第1の噴射処理を実行し、前記キャップ部が前記ノズルの封止を終了したときから最初に前記第1の噴射処理を開始するまでの待機時間を、前記温度検出部の検出温度に応じて調整する、流体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の流体噴射装置であって、
    前記制御部は、前記前記検出温度が高いほど、前記待機時間を長く調整する、流体噴射装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流体噴射装置であって、
    前記制御部は、前記ノズルが前記キャップ部に封止された状態で前記ノズルから前記流体を噴射させる第2の噴射処理を実行し、
    前記第2の噴射処理と前記ノズルの封止の終了と前記第1の噴射処理とは、前記ノズルの性能回復のためのメンテナンス処理として順番に実行される、流体噴射装置。
  4. 請求項3に記載の流体噴射装置であって、さらに、
    前記流体噴射ヘッドは、前記流体が充填される圧力室と、前記圧力室の壁面を変形させることによって前記圧力室内の容積を変化させる圧力発生素子とを備え、
    前記キャップ部は、前記ノズルを封止した状態で前記ノズルに負圧をかけることができる吸引ポンプを備え、
    前記第2の噴射処理は、前記吸引ポンプにより前記ノズルから前記流体を噴射させる噴射処理を含み、
    前記第1の噴射処理は、前記圧力室の容積を連続的に変化させることによって前記ノズルから前記流体を連続的に噴射させるフラッシング処理を含む、流体噴射装置。
  5. 請求項4記載の流体噴射装置であって、
    前記第1の噴射処理及び前記第2の噴射処理は、前記流体を収容するカートリッジが前記流体噴射ヘッドに装填された後に実行される、流体噴射装置。
  6. 請求項4または請求項5記載の流体噴射装置であって、
    前記第1の噴射処理及び前記第2の噴射処理は、所定のタイミングまたはユーザから指示されたタイミングで実行される、流体噴射装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載の流体噴射装置であって、
    前記第1の噴射処理は、所定位置に配置された処理対象物に向けて前記流体を噴射する有効噴射を含む、流体噴射装置。
  8. 流体を噴射するためのノズルを有する流体噴射ヘッドと、
    前記ノズルを封止可能なキャップ部と、
    環境温度または前記流体噴射ヘッドの少なくとも一方の温度を検出する温度検出部とを備える噴射装置において実行される流体噴射方法であって、
    (a)前記キャップ部により前記ノズルを封止する工程と、
    (b)前記ノズルが前記キャップ部から開放された状態で前記ノズルから前記流体を噴射させる工程と、
    を備え、
    前記キャップ部が前記ノズルの封止を終了したときから最初に前記第1の噴射処理を開始するまでの待機時間を、前記温度検出部の検出温度に応じて調整する、流体噴射方法。
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