JP4415398B2 - インクジェット式記録装置の制御方法およびインクジェット式記録装置 - Google Patents
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を形成させるインクジェット記録ヘッドを有したインクジェット式記録装置において、上
記ノズル開口から印刷と無関係のインク滴を吐出させることにより、ノズル開口のインク
滴吐出能力を回復させるインクジェット式記録装置に関するものである。
示すように、複数のノズル開口40(図ではひとつしか示していない)と、各ノズル開口
40に連通する圧力発生室41と、この圧力発生室の一部を構成する弾性壁43に当接す
る圧電振動子42とを備えている。そして、印刷信号に対応させて上記圧電振動子42を
伸縮させることにより圧力発生室41内の圧力を変動させ、この圧力変動により圧力発生
室41内のインク44をノズル開口40からインク滴として吐出させるように構成されて
いる。
出して印刷の解像度を向上させるため、最近では、いわゆる「引き打ち」と呼ばれる吐出
法が行われるのが主流になっている。この「引き打ち」では、図14(b)(c)に示す
ように、まず、圧電振動子42に電圧を印加して収縮させ、ノズル開口40のメニスカス
46がある程度引き込まれた状態で、上記圧電振動子42を元に戻して圧力発生室41内
を加圧し、インク滴45を吐出させることが行われる。
かれた場合に、ノズル開口40付近のインク44が乾燥して目詰まりが生じてしまう。こ
のため、印刷動作を行わない間は記録ヘッドをキャップで封止することが行われるが、封
止されたまま長期間放置されると、ノズル開口40近傍のインク44の溶媒がすこしずつ
揮散して粘度が上昇し、すぐには印刷できなかったり、印刷品質が低下する等のトラブル
が発生しやすくなる。さらに、印刷動作により連続的にインク滴45を吐出しているノズ
ル開口40は、新しいインク44が順次供給されて目詰まりはほとんど生じないが、上端
や下端等に位置しインク滴45を吐出する機会が極めて低いノズル開口40では、印刷中
にノズル開口40付近のインク44が乾燥して増粘し、目詰まりを生じやすい。
が投入された時点や、最初に印刷信号が入力された時点で、印刷とは無関係に各ノズル開
口40から強制的にインク滴45を吐出させることにより、ノズル開口40の目詰まりを
解消し、インク滴吐出能力を回復させる「フラッシング動作」や「クリーニング動作」を
実行させることが行われている。
印加することにより、ノズル開口40周辺の増粘したインク44をあらかじめ吐出させる
ものである。また、「クリーニング動作」は、上記「フラッシング動作」だけでは完全に
ノズル開口40が回復されない場合に行われるもので、各ノズル開口40に吸引ポンプで
負圧を与えることにより、圧力発生室41内等の増粘したインク44をあらかじめ強制的
に吸引するものである。
は、記録ヘッドがキャップで封止された状態で放置されていた時間(キャッピング放置時
間)やキャップで封止されるまでの総印刷時間が長くなるほど状態が悪化する。したがっ
て、上記「フラッシング動作」と「クリーニング動作」のいずれを実行するかは、例えば
、図15に示すように、キャッピング放置時間と総印刷時間との兼ね合いによって決定さ
れ、キャッピング放置時間あるいは総印刷時間が短い間はフラッシング動作が実行され(
図のフラッシング領域)、キャッピング放置時間あるいは印刷時間が長くなるとクリーニ
ング動作を実行させるようになっている(図のクリーニング領域)。
せるため、圧電振動子42に駆動電圧を印加する際、印刷時の電圧よりも高い電圧を最も
高い周波数で印加することが行われるのが通常である。また、上記クリーニング動作の条
件としては、ノズル開口40付近の増粘したインクを吸引して完全に目詰まり等を解消さ
せるため、圧力発生室41内のインク44をすべて吸引する(約0.2〜0.5cc程度
)ことが行われるのが通常である。
近でフラッシング動作を行うと、インク44の増粘がより進行しているため、フラッシン
グで強制的にインク44を吐出させる際、図16に示すように、メニスカス46が斜めに
深く入り込む等、メニスカスの挙動が極めて不安定となり、ノズル開口40内に気泡が取
り込まれてしまうおそれがある。また、増粘したインク44をより強力に吐出させるため
、圧電振動子42に印刷時の電圧よりも高電圧の駆動電圧が印加されることから、ノズル
開口40のインク44が急激に引き込まれるため、同様にメニスカス45の挙動が不安定
となり、メニスカスが斜めに深く入り込んでノズル開口40内に気泡が取り込まれるおそ
れがある。
45を吐出できなくなってしまい、インクジェット式記録装置として致命的なトラブルと
なる。
るインク量がフラッシング動作に比べて多い。したがって、目詰まり解消に消費されるイ
ンク量を減少させて印刷に使用できる有効インク量を増やすとともに、廃液容積を少なく
抑えるため、フラッシング領域をできるだけ広くし、できる限り増粘の程度が高い領域ま
でフラッシングで目詰まり等を解消させることが望ましい。
なトラブルが大幅に減少し、かつ、フラッシング領域を広げ、目詰まり解消に要するイン
ク量を減少させることができるインクジェット式記録装置の提供をその目的とする。
する圧力室内の圧力を駆動信号に応じて変動させ、この圧力変動により上記ノズル開口か
らインク滴を吐出させる記録ヘッドと、この記録ヘッドを封止するキャッピング手段とを
備えたインクジェット式記録装置であって、フラッシングのタイミングが到来した時点で
、フラッシングの事前に、ノズル開口部の微量のインクを除去するように構成したことを
要旨とする。
た時点で、フラッシングの事前に、ノズル開口部の微量のインクを除去するように構成さ
れている。このため、印刷動作が行われず記録ヘッドがキャップで封止されたまま長期間
放置されたり、インク滴を吐出する機会が極めて低いノズル開口でインクが増粘し目詰ま
りを生じたりしたような場合でも、あらかじめフラッシングに先立って、ノズル開口付近
の最も増粘した部分のインクを除去してからフラッシング動作を行うことから、フラッシ
ング動作の際のメニスカスが安定する。したがって、従来のようにフラッシング時にノズ
ル開口内に気泡が取り込まれてしまうようなことがほとんどなくなる。
たような場合でも、もっとも粘度が高くなったノズル開口部のインクをあらかじめ除去す
ることから、フラッシングだけで十分に機能を回復させることができる範囲を広げること
ができる。すなわち、フラッシング領域を従来に比べて大幅に拡大することができるよう
になり、目詰まり解消に消費するインク量が減少して印刷に使用できる有効インク量が増
えるとともに、廃液容積も少なく抑えることができる。
段を有し、この吸引手段によりノズル開口部の微量のインクを吸引除去するようになって
いる場合には、最も増粘したノズル開口部のインクが吸引によって効果的に除去され、フ
ラッシング時のトラブルが有効に防止される。
微量のインクを吐出させて除去するようになっている場合には、ノズル開口のインクが急
激に引き込まれて気泡として残るようなことがほとんどないうえ、最も増粘したノズル開
口部のインクが簡易な動作で除去され、フラッシング時のトラブルが有効に防止される。
動によって変動されるものであり、ノズル開口のメニスカスが引き込まれない状態で圧力
室内を減圧させたのち加圧させることにより、ノズル開口部の微量のインクを吐出させ除
去するようになっている場合には、ノズル開口のインクが急激に引き込まれて気泡として
残るようなことがほとんどないうえ、フラッシング時に圧電振動子に印加する駆動電圧を
特に高くする必要もない。
量が、0.01cc以上0.1cc以下に設定されている場合には、十分にインク吐出能
力を回復できるとともに、消費するインク量が必要限度に抑えられる。
受けてノズル開口部の微量のインクを除去するようになっている場合には、印刷開始直前
の、ノズル開口付近で最も増粘したインクをあらかじめ除去してからフラッシング動作を
行い、インク滴吐出能力を回復させるため、極めて効果的である。
れていた時間を計測するキャッピング時間計測手段を有し、キャッピング時間が設定値を
超えたときにノズル開口部の微量のインクを除去するように構成されている場合には、ノ
ズル開口部の微量のインクの除去を行わなくても、フラッシング動作だけで目詰まりを回
復できる程度の増粘であれば、フラッシング動作だけを行うことから、インク滴吐出能力
の回復に要する時間を不用意に長くすることがなく、インクの無駄も少ない。
刷時間を計測する印刷時間計測手段を有し、印刷時間が設定値を超えたときにノズル開口
部の微量のインクを除去するように構成されている場合には、ノズル開口部の微量のイン
クの除去を行わなくても、フラッシング動作だけで目詰まりを回復できる程度の増粘であ
れば、フラッシング動作だけを行うことから、インク滴吐出能力の回復に要する時間を不
用意に長くすることがなく、インクの無駄も少ない。
る。この装置は、上部にインクカートリッジ7が搭載され、下面に記録ヘッド6が取り付
けられたキャリッジ1と、上記記録ヘッド6を封止等するキャッピング装置8とを備えて
いる。
バー4に案内されて記録用紙5の紙幅方向に往復移動するようになっている。また、上記
キャリッジ1には、記録用紙5と対向する面(この例では下面)に、記録ヘッド6が取り
付けられている。そして、この記録ヘッド6にインクカートリッジ7からインクが供給さ
れ、キャリッジ1を移動させながら記録用紙5上面にインク滴を吐出させて記録用紙5に
画像や文字をドットマトリックスにより印刷するようになっている。
休止中に記録ヘッド6のノズル開口を封止することによりノズル開口の乾燥をできるだけ
防ぐようになっている。また、このキャッピング装置8は、フラッシング動作によって記
録ヘッド6から吐出されたインク滴を受ける容器としても作用する。さらに、上記キャッ
ピング装置8は、吸引ポンプ9に接続され、クリーニング動作時には記録ヘッド6のノズ
ル開口に負圧を与えてノズル開口からインクを吸引するようになっている。
この基台11の収容室12に振動可能に収容される圧電振動子13と、上記基台11の下
面に固定される流路ユニット14とを備えている。
形する薄板の振動板21と、上記ノズルプレート16および振動板21に挟まれて液密状
に固定された流路形成板20とから構成されている。上記流路形成板20には、上記ノズ
ル開口15に連通する圧力発生室17,インクカートリッジ7からインクの供給を受ける
インク室18,このインク室18から上記圧力発生室17にインクを供給するインク供給
路19に相当する空間が形成されている。
収容室12内に固定されることにより、上記収容室12内に振動可能に収容されている。
そして、この圧電振動子13の下端が、流路ユニット14の振動板21のアイランド部2
1aに当接されている。図において、23は圧電振動子13に駆動信号を送る信号ケーブ
ルである。
圧電振動子13が充電を受けて収縮すると、圧力発生室17が膨張し、内部の圧力が低下
する。これにより、ノズル開口15に形成されているメニスカスが若干圧力発生室17の
方に引き込まれるとともに、インク室18内のインクがインク供給路19を通って圧力発
生室17に供給される。
状態に復帰すると、圧力発生室17が収縮して内部圧力が高くなる。これにより、圧力発
生室17内のインクが圧縮され、ノズル開口15からインク滴が吐出され、このインク滴
が記録用紙5の上面に吐出されて画像や文字が印刷される。
て、25はホスト(図示せず)からの印刷データを受信する受信バッファであり、26は
上記印刷データをビットマップデータに変換するビットマップ生成手段、27は上記ビッ
トマップデータを一時格納する印刷バッファである。
振動子13に駆動電圧を印加して記録ヘッド6からインク滴を吐出させる印刷動作を実行
する。また、フラッシングのタイミングが到来した時点で、圧電振動子13に印刷信号と
は無関係の駆動電圧を印加し、記録ヘッド6の全ノズル開口15からインク滴を吐出させ
るフラッシング動作を実行する。
態の記録ヘッド6に負圧を与え、全ノズル開口15からインクを強制的に吸引するクリー
ニング動作を実行する。また、上記フラッシング動作に先立って、同じくキャッピング装
置8に封止された状態の記録ヘッド6に負圧を与え、ノズル開口15部の微量なインクを
吸引する予備吸引動作を実行する。
させて記録ヘッド6を走査させるとともに、フラッシング動作時や印刷終了時に、キャッ
ピング装置8と記録ヘッド6が対向する位置にキャリッジ1を移動させるように制御する
。
がキャッピング装置8に封止されたことを検知して起動され、記録ヘッド6がキャッピン
グ手段8に封止された状態で放置されたキャッピング放置時間(以下「放置時間」という
)を計測する。また、35は印刷タイマであり、ヘッド駆動手段29ならびにキャリッジ
制御手段28からの信号等により印刷開始を検知して起動され、記録ヘッド6がキャッピ
ング装置8から開放されてから再びキャッピング装置8に封止されるまでの間の総印刷時
間を計測する。上記封止タイマ34および印刷タイマ35は、いずれも信号を出力した時
点でリセットされる。
た放置時間ならびに総印刷時間の信号を受け、放置時間と総印刷時間との兼ね合いから、
フラッシング動作を実行するフラッシングモードかクリーニング動作を実行するクリーニ
ングモードかを選択し(図15参照)、選択したモードの信号を出力する。
動手段29により圧電振動子13に駆動電圧を印加して圧電振動子13を繰り返し伸縮さ
せ振動させる。そして、ノズル開口15からインク滴を強制的に吐出させるフラッシング
動作を制御する。また、31は吸引制御手段であり、モード選択手段33からの信号を受
け、ポンプ駆動手段32によるクリーニング動作ならびに予備吸引動作を制御する。
たがって説明する。なお、図において「S」は、ステップを意味する。
ともに、印刷タイマ35により総印刷時間を検知する(S1およびS2)。ついで、モー
ド選択手段33により、放置時間と総印刷時間との兼ね合いにより(図15参照)、基準
時間を経過しているか否かを判定する(S3)。基準時間を経過していればクリーニング
モード(図15におけるクリーニング領域)を選択し(S4)、基準時間を経過していな
ければフラッシングモード(図15におけるフラッシング領域)を選択する(S7)。
に先立って、予備吸引動作を実行する。すなわち、図6に示すように、吸引制御手段31
により、ポンプ駆動手段32ならびに吸引ポンプ9を稼動させ、ノズル開口15から、ノ
ズル開口15近傍の微量のインク(図6において斜線で示す部分)を吸引する。この予備
吸引動作により、ノズル開口15付近の最も増粘したインクが除去される。そののち、フ
ラッシング動作を実行してノズル開口15付近のインクを吐出させたのち(S9)、印刷
動作を実行する(S6)。
消費するインク量を必要限度に抑えるため、0.01cc以上0.1cc以下に設定する
のが好ましい。上記インク量の下限値としてさらに好ましいのは、0.02ccである。
上限値としてさらに好ましいのは0.07ccであり、最も好ましいのは0.05ccで
ある。
手段32および吸引ポンプ9が稼動され、クリーニング動作が実行され、記録ヘッド6の
全ノズル開口15に負圧が与えられて圧力発生室17内の増粘したインクが強制的に吸引
され(S5)、そののち印刷動作が実行される(S6)。
増粘して目詰まりを生じても、フラッシング動作に先立って予備吸引動作を実行すること
により、ノズル開口15付近の最も増粘したインクを除去し、その状態でフラッシング動
作を行うことから、フラッシング動作の際のメニスカスの挙動が安定し、フラッシング時
にノズル開口15内に気泡が取り込まれてしまうようなトラブルがほとんど発生しない。
さらに、フラッシングのショット数を減少させ、インクの消費量を節減することも可能と
なる。
じめ予備吸引により最も増粘した部分を除去することから、フラッシングだけで機能を回
復させることができる範囲が広がる。また、フラッシング時に圧電振動子13に印加する
駆動電圧も高くする必要がなく、ノズル開口15のインクが急激に引き込まれて気泡が残
るようなトラブルがほとんど生じない。
装置では、ヘッド駆動手段29は、印刷動作,フラッシング動作だけでなく、フラッシン
グに先立って、ノズル開口15近傍の微量のインクを吐出する予備吐出動作を実行する。
制御手段では、フラッシング動作だけでなく、フラッシングに先立って、ヘッド駆動手段
29により圧電振動子13に駆動電圧を印加して圧力発生室17内の圧力を変動させ、ノ
ズル開口15近傍のインクを強制的に吐出させる予備吐出動作を制御する。さらに、吸引
制御手段31に替えて、クリーニング動作だけを制御するクリーニング制御手段37を備
えている。それ以外は、図3に示す装置と同様であり、同様の部分には同じ符号を付して
いる。
択された場合、フラッシング動作に先立って、予備吐出動作が実行される。すなわち、図
9に示すように、振動制御手段36によりヘッド駆動手段29を稼動し、圧電振動子13
に駆動電圧を印加して圧電振動子13を伸長させる。これにより、圧力発生室17内を加
圧してノズル開口15近傍の微量なインクをインク滴24として吐出させる(いわゆる「
押し打ち」と呼ばれる吐出方法である)。この予備吐出動作により、ノズル開口15付近
の最も増粘したインクが除去される。そののち、フラッシング動作を実行してノズル開口
15付近のインクを吐出させたのち(S9)、印刷動作を実行する(S6)。
除去され、フラッシング時のトラブルが有効に防止される。それ以外は、図3に示す装置
と同様の作用効果を奏する。
の装置では、フラッシング動作に先立って行われる予備吐出動作が、「押し打ち」ではな
く「引き打ち」で行われる。すなわち、まず、圧電振動子13に駆動電圧を印加して圧電
振動子13を収縮させる。このときの駆動電圧は、図11に示すように、徐々に上昇させ
、圧電振動子13を徐々に収縮させて圧力発生室17内をゆっくりと減圧する。これによ
り、ノズル開口15のメニスカス38をほとんど引き込まないよう圧力発生室17を広げ
、そののち、圧電振動子13を元に戻すことによりノズル開口15近傍の微量のインクを
インク滴24として吐出させる。
とがほとんどなくなる。また、フラッシング時に圧電振動子13に印加する駆動電圧を特
に高くする必要もない。それ以外は、図7に示す装置と同様の作用効果を奏する。
図である。この装置では、放置時間と総印刷時間との兼ね合いにより、クリーニング動作
を実行するクリーニングモード(図におけるクリーニング領域)と、フラッシング動作だ
けを実行するフラッシングモード(図におけるフラッシング領域)と、予備吸引動作を実
行したのちフラッシング動作を実行する予備吸引モード(図における予備吸引+フラッシ
ング領域)とが選択されるようになっている。この装置では、予備吸引を行わなくても目
詰まりを回復できる程度の増粘であれば、予備吸引動作を実行しないことから、インク滴
吐出能力の回復に要する時間を不用意に長くすることがなく、インクの無駄も少なくなる
。それ以外は、図3に示す装置と同様であり、同様の作用効果を奏する。なお、予備吸引
動作の替わりに予備吐出動作を実行させるようにしてもよい。
ヘッド6を有するインクジェット式記録装置に適用した例を示したが、これに限定するも
のではなく、たわみ振動によって圧力発生室17を膨張・収縮させる記録ヘッドや、バブ
ルジェット(登録商標)式記録ヘッド等を有するインクジェット式記録装置に適用しても
よい。この場合も、同様の作用効果を奏する。
動作を実行させるようにしたが、クリーニング動作に先立って、予備吸引動作や予備吐出
動作を実行させるようにしてもよい。この場合にも、同様の作用効果を奏する。
ヘッドがキャップで封止されたまま長期間放置されたり、インク滴を吐出する機会が極め
て低いノズル開口でインクが増粘し目詰まりを生じたりしたような場合でも、あらかじめ
フラッシングに先立って、ノズル開口付近の最も増粘した部分のインクを除去してからフ
ラッシング動作を行うことから、フラッシング動作の際のメニスカスが安定する。したが
って、従来のようにフラッシング時にノズル開口内に気泡が取り込まれてしまうようなこ
とがほとんどなくなる。
たような場合でも、もっとも粘度が高くなったノズル開口部のインクをあらかじめ除去す
ることから、フラッシングだけで十分に機能を回復させることができる範囲を広げること
ができる。すなわち、フラッシング領域を従来に比べて大幅に拡大することができるよう
になり、目詰まり解消に消費するインク量が減少して印刷に使用できる有効インク量が増
えるとともに、廃液容積も少なく抑えることができる。
段を有し、この吸引手段によりノズル開口部の微量のインクを吸引除去するようになって
いる場合には、最も増粘したノズル開口部のインクが吸引によって効果的に除去され、フ
ラッシング時のトラブルが有効に防止される。
微量のインクを吐出させて除去するようになっている場合には、ノズル開口のインクが急
激に引き込まれて気泡として残るようなことがほとんどないうえ、最も増粘したノズル開
口部のインクが簡易な動作で除去され、フラッシング時のトラブルが有効に防止される。
動によって変動されるものであり、ノズル開口のメニスカスが引き込まれない状態で圧力
室内を減圧させたのち加圧させることにより、ノズル開口部の微量のインクを吐出させ除
去するようになっている場合には、ノズル開口のインクが急激に引き込まれて気泡として
残るようなことがほとんどないうえ、フラッシング時に圧電振動子に印加する駆動電圧を
特に高くする必要もない。
量が、0.01cc以上0.1cc以下に設定されている場合には、十分にインク吐出能
力を回復できるとともに、消費するインク量が必要限度に抑えられる。
受けてノズル開口部の微量のインクを除去するようになっている場合には、印刷開始直前
の、ノズル開口付近で最も増粘したインクをあらかじめ除去してからフラッシング動作を
行い、インク滴吐出能力を回復させるため、極めて効果的である。
れていた時間を計測するキャッピング時間計測手段を有し、キャッピング時間が設定値を
超えたときにノズル開口部の微量のインクを除去するように構成されている場合には、ノ
ズル開口部の微量のインクの除去を行わなくても、フラッシング動作だけで目詰まりを回
復できる程度の増粘であれば、フラッシング動作だけを行うことから、インク滴吐出能力
の回復に要する時間を不用意に長くすることがなく、インクの無駄も少ない。
刷時間を計測する印刷時間計測手段を有し、印刷時間が設定値を超えたときにノズル開口
部の微量のインクを除去するように構成されている場合には、ノズル開口部の微量のイン
クの除去を行わなくても、フラッシング動作だけで目詰まりを回復できる程度の増粘であ
れば、フラッシング動作だけを行うことから、インク滴吐出能力の回復に要する時間を不
用意に長くすることがなく、インクの無駄も少ない。
録用紙、6…記録ヘッド、7…インクカートリッジ、8…キャッピング装置、9…吸引ポ
ンプ、11…基台、12…収容室、13…圧電振動子、14…流路ユニット、15…ノズ
ル開口、16…ノズルプレート、17…圧力発生室、18…インク室、19…インク供給
路、20…流路形成板、21…振動板、22…支持基板、23…信号ケーブル、25…受
信バッファ、26…ビットマップ生成手段、27…印刷バッファ、28…キャリッジ制御
手段、29…ヘッド駆動手段、30…振動制御手段、31…吸引制御手段、32…ポンプ
駆動手段、33…モード選択手段、34…放置タイマ、35…印刷タイマ、36…振動制
御手段、37…クリーニング制御手段。
Claims (3)
- ノズル開口部に連通する圧力室内の圧力を圧電振動体の圧電振動によって変動させることにより当該ノズル開口部からインク滴を吐出させる記録ヘッドと、
当該記録ヘッドの前記圧電振動体に駆動電圧を印加させることにより、前記ノズル開口部周辺に増粘したインクを吐出させるフラッシング動作を行うフラッシング手段と、
吸引ポンプに接続されたキャッピング装置で前記ノズル開口部を封止して負圧を与えることにより、前記圧力室内の増粘したインクを強制的に吸引するクリーニング動作を行うクリーニング手段と、
を備えたインクジェット式記録装置の制御方法において、
当該インクジェット式記録装置の制御方法に用いる時間計測手段として、
前記キャッピング手段に前記記録ヘッドが封止されていた時間を計測するキャッピング時間計測手段と、
前記キャッピング手段に封止されるまでの印刷時間を計測する印刷時間計測手段と、
を備え、
当該インクジェット式記録装置の制御方法に用いるモードとして、
前記フラッシング動作だけを実行するフラッシングモードと、
前記圧電振動体に印加する駆動電圧を徐々に上昇させることで前記圧電振動体を徐々に収縮させ、前記圧力発生室内をゆっくりと減圧する引き打ちにより、前記圧力室を加圧して前記ノズル開口部のインクを吐出させる予備吐出を行った後に、前記記録ヘッドの前記圧電振動体に、印字データとは無関係で、印刷時の電圧よりも高く、前記フラッシングモードにおける電圧よりも低く、最も高い周波数により駆動電圧を印加させることにより、前記ノズル開口部周辺のインクを吐出させるフラッシング動作を行う予備吐出モードと、
前記クリーニング動作のみを行うクリーニングモードと、
を備え、
キャッピング放置時間と総印刷時間で表される2次元領域において、
当該キャッピング放置時間を0(時間)から最長キャッピング放置時間までを順に、
第1キャッピング放置時間帯、
第2キャッピング放置時間帯、
第3キャッピング放置時間帯、
第4キャッピング放置時間帯、
第5キャッピング放置時間帯、
第6キャッピング放置時間帯、
第7キャッピング放置時間帯、
と分割し、
当該総印刷時間を0(時間)から最長総印刷時間であってより長くなる順に、
第1総印刷時間、
第2総印刷時間、
第3総印刷時間、
第4総印刷時間、
第5総印刷時間、
を設定し、
前記キャッピング放置時間が第7キャッピング放置時間帯の場合、
および、前記キャッピング放置時間が第6キャッピング放置時間帯、または、第5キャッピング放置時間帯であって、前記総印刷時間が第2総印刷時間を経過した場合、
および、前記キャッピング放置時間が第4キャッピング放置時間帯、または、第3キャッピング放置時間帯であって、前記総印刷時間が第4総印刷時間を経過した場合、
前記クリーニングモードを選択し、
前記キャッピング放置時間が第5キャッピング放置時間帯、または、第4キャッピング放置時間帯であって、前記総印刷時間が第1総印刷時間を経過しない場合、
前記キャッピング放置時間が第3キャッピング放置時間帯、または、第2キャッピング放置時間帯であって、前記総印刷時間が第3総印刷時間を経過しない場合、
前記キャッピング放置時間が第1キャッピング放置時間帯であって、前記総印刷時間が第5総印刷時間を経過しない場合、
前記フラッシングモードを選択し、
前記クリーニングモードおよび前記フラッシングモードのいずれも選択しない場合は、前記予備吐出モードを選択し、
いずれか1つのモードを実行した後に印刷を実行すること、
を特徴とするインクジェット式記録装置の制御方法。
- ノズル開口部に連通する圧力室内の圧力を圧電振動体の圧電振動によって変動させることにより当該ノズル開口部からインク滴を吐出させる記録ヘッドと、
当該記録ヘッドの前記圧電振動体に駆動電圧を印加させることにより、前記ノズル開口部周辺に増粘したインクを吐出させるフラッシング動作を行うフラッシング手段と、
吸引ポンプに接続されたキャッピング装置で前記ノズル開口部を封止して負圧を与えることにより、前記圧力室内の増粘したインクを強制的に吸引するクリーニング動作を行うクリーニング手段と、
を備えたインクジェット式記録装置の制御方法において、
当該インクジェット式記録装置の制御方法に用いる時間計測手段として、
前記キャッピング手段に前記記録ヘッドが封止されていた時間を計測するキャッピング時間計測手段と、
前記キャッピング手段に封止されるまでの印刷時間を計測する印刷時間計測手段と、
を備え、
当該インクジェット式記録装置の制御方法に用いるモードとして、
前記フラッシング動作だけを実行するフラッシングモードと、
前記吸引ポンプに接続された前記キャッピング装置で前記ノズル開口部を封止して負圧を与えることにより前記ノズル開口部付近の最も増粘したインクを吸引する予備吸引を行った後に、前記記録ヘッドの前記圧電振動体に、印字データとは無関係で、印刷時の電圧よりも高く、前記フラッシングモードにおける電圧よりも低く、最も高い周波数により駆動電圧を印加させることにより、前記ノズル開口部周辺のインクを吐出させるフラッシング動作を行う予備吸引モードと、
前記クリーニング動作のみを行うクリーニングモードと、
を備え、
キャッピング放置時間と総印刷時間で表される2次元領域において、
当該キャッピング放置時間を0(時間)から最長キャッピング放置時間までを順に、
第1キャッピング放置時間帯、
第2キャッピング放置時間帯、
第3キャッピング放置時間帯、
第4キャッピング放置時間帯、
第5キャッピング放置時間帯、
第6キャッピング放置時間帯、
第7キャッピング放置時間帯、
と分割し、
当該総印刷時間を0(時間)から最長総印刷時間であってより長くなる順に、
第1総印刷時間、
第2総印刷時間、
第3総印刷時間、
第4総印刷時間、
第5総印刷時間、
を設定し、
前記キャッピング放置時間が第7キャッピング放置時間帯の場合、
および、前記キャッピング放置時間が第6キャッピング放置時間帯、または、第5キャッピング放置時間帯であって、前記総印刷時間が第2総印刷時間を経過した場合、
および、前記キャッピング放置時間が第4キャッピング放置時間帯、または、第3キャッピング放置時間帯であって、前記総印刷時間が第4総印刷時間を経過した場合、
前記クリーニングモードを選択し、
前記キャッピング放置時間が第5キャッピング放置時間帯、または、第4キャッピング放置時間帯であって、前記総印刷時間が第1総印刷時間を経過しない場合、
前記キャッピング放置時間が第3キャッピング放置時間帯、または、第2キャッピング放置時間帯であって、前記総印刷時間が第3総印刷時間を経過しない場合、
前記キャッピング放置時間が第1キャッピング放置時間帯であって、前記総印刷時間が第5総印刷時間を経過しない場合、
前記フラッシングモードを選択し、
前記クリーニングモードおよび前記フラッシングモードのいずれも選択しない場合は、前記予備吐出モードを選択し、
いずれか1つのモードを実行した後に印刷を実行すること、
を特徴とするインクジェット式記録装置の制御方法。
- 請求項1または請求項2記載の制御方法を備えたインクジェット式記録装置。
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