JP2009285986A - カラープリンタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク切れを起こしていないインクだけで行った原稿の印刷結果において、元の原稿の内容を把握できやすくすることができるカラープリンタ装置を提供すること。
【解決手段】クライアント端末14から入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータ中の属性データや印刷環境データにおいて、高精細又は高品質(高画質)での印刷が要求されるカラーの写真や図形を含む原稿画像の印刷ジョブであるか否かを、制御ユニット10において判断し、高精細又は高品質(高画質)での印刷が要求される原稿画像の印刷ジョブである場合に、入力された印刷ジョブを実行せずにキャンセルする。また、キャンセルした旨のエラーメッセージをクライアント端末14の出力部20に表示させるためのエラーデータを制御ユニット10からクライアント端末14に出力する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数色のうち一部の色がインク切れであるときに、カラー原稿の印刷モードを、フルカラーの通常印刷モードから、インク切れのインクを用いないインク切れ印刷モードに移行させるカラープリンタ装置に関する。
複数色のインク(インクトナーを含む)を用いてフルカラー印刷を行うカラープリンタ装置の多くは、カラー系の色のインクがインク切れを起こすと、それを理由に印刷ジョブが実行できなくなってしまう。
そこで、一部の色のインクがインク切れを起こしている場合であっても、他のインク切れを起こしていないインクだけを用いて印刷ジョブを実行できるようにしたプリンタ装置が提案されている。このプリンタ装置では、特に、インク切れを起こしているインクを使用する原稿の印刷ジョブについては、インク切れを起こしているインクを使用しない印刷データを新たに生成し、この印刷データを用いて印刷ジョブを実行することを提案している(例えば、特許文献1)。
特開2004−230862号公報
しかし、上述した提案のプリンタ装置では、インク切れを起こしているインクを使用する原稿の印刷ジョブが、インク切れを起こしているインクを使用しない印刷データに無条件に置き換えて実行されてしまうので、実行された印刷ジョブによって、元のカラー原稿の内容を把握できる印刷結果が得られるかどうかは、定かでない。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、インク切れを起こしていないインクだけで行った原稿の印刷結果において、元の原稿の内容を把握できやすくすることができるカラープリンタ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した本発明のカラープリンタ装置は、複数色のうち一部の色がインク切れであるときに、ホストから入力された印刷ジョブの実行により印刷する原稿の印刷モードを、フルカラーの通常印刷モードから、インク切れのインクを用いないインク切れ印刷モードに移行させるカラープリンタ装置において、前記インク切れ印刷モードにおいて前記ホストから印刷ジョブが入力された際に、該入力された印刷ジョブの内容に基づいて、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行の可否を判定する判定手段と、前記インク切れ印刷モードによる実行が否であると前記判定手段が判定した、前記入力された印刷ジョブを、実行せずにキャンセルするキャンセル手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載した本発明のカラープリンタ装置によれば、インク切れ印刷モードにおいて原稿の印刷ジョブがホストから入力されると、その印刷ジョブの内容に基づいて判定手段がインク切れ印刷モードによる印刷ジョブの実行の可否を判定し、判定手段が否と判定した印刷ジョブについては、キャンセル手段が実行させずにキャンセルする。
このため、印刷ジョブの内容からして、インク切れのインクを用いずにその印刷ジョブを実行した場合に、元の原稿の内容を把握できない印刷結果が得られると考えられる印刷ジョブを、インク切れ印刷モードによる印刷の対象から意識的に除外して、インク切れ印刷モードで実行された印刷ジョブの印刷結果が元の原稿の内容を把握できるものとなる確度を高めることができる。これにより、結果的に、インク切れを起こしていないインクだけで行った原稿の印刷結果において、元の原稿の内容を把握できやすくすることができる。
なお、請求項1に記載した本発明のカラープリンタ装置におけるインク切れ印刷モードは、印刷する原稿を色分解した各色成分についての原稿データのうち、インク切れしたインクに対応する色成分の原稿データを用いた印刷を、単に行わないものであってもよく、インク切れしていない他の1又は複数の色成分の原稿データを加工して行うものであってもよい。
また、請求項2に記載した本発明のカラープリンタ装置は、請求項1に記載した本発明のカラープリンタ装置において、前記判定手段が、前記入力された印刷ジョブがカラー写真のデータを含まない場合に、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行が可であると判定することを特徴とする。
請求項2に記載した本発明のカラープリンタ装置によれば、請求項1に記載した本発明のカラープリンタ装置において、入力された印刷ジョブにカラー写真のデータが含まれていない場合には、その印刷ジョブがインク切れ印刷モードによって実行される。
このため、一部の色が欠けても内容を把握できる可能性が高い、カラー写真を含まない原稿を、積極的にインク切れ印刷モードによる印刷ジョブの実行対象として、インク切れ印刷モードで実行された印刷ジョブの印刷結果が元の原稿の内容を把握できるものとなる確度を高めることができる。
さらに、請求項3に記載した本発明のカラープリンタ装置は、請求項1又は2に記載した本発明のカラープリンタ装置において、前記判定手段が、前記入力された印刷ジョブが、通常の解像度よりも高い解像度で読み取られた高精細のカラー写真のデータを含まない場合に、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行が可であると判定することを特徴とする。
請求項3に記載した本発明のカラープリンタ装置によれば、請求項1又は2に記載した本発明のカラープリンタ装置において、通常の解像度よりも高い解像度で読み取られた高精細のカラー写真のデータが、入力された印刷ジョブに含まれていない場合には、その印刷ジョブがインク切れ印刷モードによって実行される。
このため、一部の色が欠けても内容を把握できる可能性が高い、高精細のカラー写真を含まない原稿を、積極的にインク切れ印刷モードによる印刷ジョブの実行対象として、インク切れ印刷モードで実行された印刷ジョブの印刷結果が元の原稿の内容を把握できるものとなる確度を高めることができる。
また、請求項4に記載した本発明のカラープリンタ装置は、請求項3に記載した本発明のカラープリンタ装置において、前記入力された印刷ジョブ中の前記原稿画像のデータから生成したビットマップ画像中の所定領域内に複数存在する、画素値が近似又は一致する複数の画素を内部にそれぞれ有する画素領域どうしの類比を、該各画像領域が内部にそれぞれ有する前記画素の画像値に基づいて判断し、該類比の判断結果に基づいて、前記入力された印刷ジョブが前記高精細のカラー写真のデータを含むか否かを判断する精細度判断手段をさらに備えており、前記判定手段は、前記精細度判断手段の判断結果に基づいて、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行の可否を判定することを特徴とする。
請求項4に記載した本発明のカラープリンタ装置によれば、請求項3に記載した本発明のカラープリンタ装置において、入力された印刷ジョブ中の原稿画像のデータからビットマップ画像を生成した場合、一般に、そのビットマップ画像中には、画素値が近似又は一致する複数の画素が連続して配列される。そのため、ビットマップ画像中には、画素値が近似又は一致する複数の画素を1つのまとまりとした画像領域が複数存在することになる。
ここで、ビットマップ画像中の複数の画像領域が存在する所定領域について見ると、原稿画像の精細度が高いほど、各画像領域の画素値どうしが類似しない傾向が高くなるので、所定領域内には、互いの画素値が類似しない画像領域が多く存在することになる。反対に、原稿画像の精細度が低いほど、各画像領域の画素値どうしが類似する傾向が高くなるので、所定領域内には、互いの画素値が類似しない画像領域はさほど存在しなくなる。
このため、入力された印刷ジョブ中の原稿画像のデータから生成したビットマップ画像中の所定領域内に存在する、画素値が近似又は一致する複数の画素を内部にそれぞれ有する画素領域どうしの、画素値の類比に基づいて、一部の色が欠けると内容を把握できなくなる可能性が高い高精細度のカラー写真のデータが、入力された印刷ジョブ中に含まれているか否かを判断し、その判断結果に基づいて、入力された印刷ジョブのインク切れ印刷モードによる実行の可否を、精度良く判定することができる。
さらに、請求項5に記載した本発明のカラープリンタ装置は、請求項1、2、3又は4に記載した本発明のカラープリンタ装置において、前記印刷ジョブが原稿の印刷解像度を指定するモードの設定データを含んでおり、前記モードが、前記印刷解像度を通常の解像度とする通常品質モードと、前記印刷解像度を前記通常の解像度よりも高い解像度とする高品質モードとを含んでおり、前記判定手段が、前記入力された印刷ジョブが、前記モードを前記高品質モードとする前記設定データを含む場合に、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行が否であると判定することを特徴とする。
請求項5に記載した本発明のカラープリンタ装置によれば、請求項1、2、3又は4に記載した本発明のカラープリンタ装置において、原稿の印刷解像度を高品質モードとする設定データを含んだ印刷ジョブが入力されると、高精細度のカラー写真が原稿に含まれている可能性が高くなる。
したがって、入力された印刷ジョブ中の設定データが、原稿の印刷解像度を高品質モードとするものであるか否かによって、一部の色が欠けると内容を把握できなくなる可能性が高い高精細度のカラー写真のデータが、入力された印刷ジョブ中に含まれているか否かを、高い精度で判断することができる。
このため、入力された印刷ジョブ中の設定データが、原稿の印刷解像度を高品質モードとするものであるか否かに基づいて、入力された印刷ジョブのインク切れ印刷モードによる実行の可否を、精度良く判定することができる。
また、請求項6に記載した本発明のカラープリンタ装置は、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明のカラープリンタ装置において、前記印刷ジョブが、原稿を印刷する際の印刷環境を指定する印刷環境データを含んでおり、前記判定手段が、前記入力された印刷ジョブ中の前記印刷環境データの内容に基づいて、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行の可否を判定することを特徴とする。
請求項6に記載した本発明のカラープリンタ装置によれば、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明のカラープリンタ装置において、入力された印刷ジョブ中の印刷環境データにおいて指定された、原稿を印刷する際の印刷環境の内容次第で、原稿の内容を把握しやすい印刷結果が得られるか否かが左右されることがある。
したがって、入力された印刷ジョブ中の印刷環境データにおいてどのような内容の印刷環境が指定されているかによって、その印刷ジョブを実行した場合に得られる印刷結果が原稿の内容を把握しやすいものとなるか否かを判定することができる。
このため、入力された印刷ジョブ中の印刷環境データにおいて指定された印刷環境の内容に基づいて、入力された印刷ジョブのインク切れ印刷モードによる実行の可否を、精度良く判定することができる。
さらに、請求項7に記載した本発明のカラープリンタ装置は、請求項6に記載した本発明のカラープリンタ装置において、前記印刷環境データ中の特定の項目に関する内容とこの内容に対応する前記判定の結論との対応付けを規定した判定テーブルを記憶するテーブル記憶手段をさらに備えており、前記判定手段が、前記入力された印刷ジョブ中の前記特定の項目に関する内容に対応付けて前記テーブル記憶手段の前記判定テーブルにおいて規定されている前記結論の判定を行うことを特徴とする。
請求項7に記載した本発明のカラープリンタ装置によれば、請求項6に記載した本発明のカラープリンタ装置において、入力された印刷ジョブ中の印刷環境データにおける特定の項目について、どのような内容の印刷環境が指定されているかによって、入力された印刷ジョブのインク切れ印刷モードによる実行の可否の結論が定まることになる。
このため、判定テーブルの規定内容を参照することで、入力された印刷ジョブのインク切れ印刷モードによる実行の可否を容易に判定することができる。
本発明によれば、インク切れを起こしていないインクだけで行った原稿の印刷結果において、元の原稿の内容を把握できやすくすることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明によるカラープリンタ装置の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置1は、原稿上の原稿画像を読み取って画像信号を出力するスキャナ部101と、スキャナ部101から出力された画像信号に基づいて記録紙S(片面又は両面)に原稿画像を印刷(記録)するプリンタ部102とを備えている。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1は、図2に示すように、給紙部105からプリンタ部102を介して排紙部109に記録紙Sを搬送するためのベルト搬送部106、両面用ベルト搬送部107、両面用スタックトレー108、及び、搬送路112と、各種の入力設定及び情報表示を行うディスプレイ110とを備えている。
なお、本実施形態のインクジェット記録装置1は、後述する制御ユニット10を内蔵している。この制御ユニット10は、後述するクライアント端末14(図3参照)から受け取った原稿画像の印刷ジョブを受け取る。この印刷ジョブは、ポストスクリプトデータと印刷環境データとを含んでいる。制御ユニット10は、受け取った印刷ジョブのポストスクリプトデータにより原稿画像のラスタデータを生成し、プリンタ部102に設けた後述の制御基板103に出力する。
スキャナ部101は、原稿上の原稿画像を光電的に読み取り、原稿画像を構成する各画素のR成分、G成分、及び、B成分の8ビットのデジタル信号を出力するものである。このスキャナ部101は、原稿読取部101aと自動原稿供給装置(以下ADFまたはADFユニットとする)101bとを有している。
原稿読取部101aでは、ADFユニット101bの原稿セットトレーにセットされた1又は複数枚の原稿や、原稿載置ガラス台(図示せず)に載せた原稿からの、原稿画像の光学的な読み取りを行うことができる。スキャナ部101において原稿から読み取った原稿画像は、インクジェットヘッドユニット104によって、記録紙Sに印刷することができる。
図2に示すように、プリンタ部102は、制御基板103とインクジェットヘッドユニット104とを備えている。このプリンタ部102では、コントローラとしてインクジェット記録装置1に内蔵した制御ユニット10(図3参照)から原稿画像のラスタデータが入力されると、原稿画像の印刷動作が行われる。原稿画像の印刷動作は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを用いて、フルカラーで行うことができる。原稿画像のラスタデータは、例えば、図3に示すように、制御ユニット10に接続された外部インターフェイス部11を介してクライアント端末14からの印刷ジョブを制御ユニット10が受け取ると、制御ユニット10からプリンタ部102に入力される。
クライアント端末14(請求項中のホストに相当)は、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成されるものであり、外部インターフェイス部15を介して制御ユニット10の外部インターフェイス部11に接続されている。そして、クライアント端末14は、ROM17に格納された制御プログラムに基づいて各種の処理を実行するCPU16と、CPU16のワーキングエリアとして機能するRAM18と、キーボードやマウス等から構成される入力部19と、液晶ディスプレイ等から構成される出力部20とを備えている。
CPU16には、上述した外部インターフェイス部15の他に、外部記憶装置21が接続されている。外部記憶装置21には、原稿画像のデータを生成するためのアプリケーションプログラムの格納領域や、インクジェット記録装置1のプリンタドライバプログラムの格納領域、アプリケーションプログラムを用いて生成された原稿画像のデータのデータベース領域、及び、プリンタドライバプログラムにおける印刷環境情報の、標準的な内容やユーザによってカスタマイズされた内容等のデータベース領域が確保されている。印刷環境情報は、印刷ジョブ中の印刷情報データとして制御ユニット10に出力される。
CPU16は、入力部19から入力される起動要求にしたがって外部記憶装置21のアプリケーションプログラムを起動させ、また、入力部19からのパラメータ入力等により指示された内容の原稿画像のデータを、起動されたアプリケーションプログラム上において生成する。生成された原稿画像のデータは出力部20において表示出力され、また、入力部19から保存要求が入力された場合には、外部記憶装置21の原稿画像のデータのデータベース領域に記憶される。なお、原稿画像は、写真、画像、文字の少なくとも1つを含んでいる。
外部記憶装置21のデータベース領域に記憶された原稿画像のデータは、アプリケーションプログラムの起動中に入力部19からの読み出し要求が入力された場合に、外部記憶装置21から読み出される。読み出された原稿画像のデータは、出力部20に表示出力することができ、また、アプリケーションプログラム上において加工して新たな原稿画像のデータに生成し直すこともできる。
また、CPU16は、アプリケーションプログラム上においてデータを生成した原稿画像の印刷要求が入力部19から入力された場合に、外部記憶装置21のプリンタドライバプログラムを起動させる。また、CPU16は、起動されたプリンタドライバプログラムにおいて、原稿画像の印刷に必要な印刷環境情報として、外部記憶装置21の印刷環境情報のデータベース領域に格納されている、標準的な内容の印刷環境情報やユーザによってカスタマイズされた印刷環境情報の内容を読み出させる。
そして、CPU16は、アプリケーションプログラムの起動中に入力部19から印刷指令が入力された場合に、印刷対象の原稿画像の印刷ジョブを生成して、生成した印刷ジョブを外部インターフェイス部15から制御ユニット10の外部インターフェイス部11に出力する。制御ユニット10に出力する印刷ジョブは、上述したように、ポストスクリプトデータと印刷環境データとを含んでいる。
ポストスクリプトデータは、記録紙Sに印刷する原稿画像を構成する写真、図形、文字(記号を含む、以下同じ)のうち少なくとも一つのデータと、その属性のデータと、ページ内でのレイアウトのデータとを含んでいる。ポストスクリプトデータ中において、図形及び文字は、ベジェ曲線を利用したベクターデータ形式で表現される。属性データは、写真の解像度を示すモード(高精細モード、標準モード)のデータや、文字の印刷に用いるフォント、文字の大きさ、文字飾り等の設定内容を示すデータを含む。
印刷環境データは、原稿画像の原稿サイズ、印刷サイズ(印刷倍率)、ページ数、印刷に使用する記録紙Sの種類、印刷する際の解像度を示すモード(高品質モード、通常品質モード)といった、原稿画像の印刷環境に関する設定内容を含む。
図7乃至図9は、クライアント端末14によって生成されて制御ユニット10に出力される印刷ジョブによる原稿画像の一例を示す説明図である。これらの原稿画像の印刷ジョブは、クライアント端末14において起動されたプリンタドライバプログラムの制御によって、制御ユニット10に出力される。
まず、図7に示す原稿画像は、通常の解像度よりも高い解像度で撮影された高精細モードのカラー写真P1と、文字T1とによって構成されている。次に、図8に示す原稿画像は、通常の解像度で撮影された通常印刷モードのカラー写真P2と、通常の解像度で作成されたカラー図形I2と、文字T2とによって構成されている。続いて、図9に示す原稿画像は、通常の解像度で作成されたカラー図形I3と文字T3とによって構成されている。
図10乃至図14は、クライアント端末14の出力部20において表示される原稿画像のプロパティ画面の一例を示す説明図である。これらのプロパティ画面には、プリンタドライバプログラムを実行するクライアント端末14のCPU16の制御によって制御ユニット10に出力される印刷ジョブ中の、ポストスクリプトデータにおける属性データの設定状態や印刷環境データの設定状態が表示される。
まず、図10に示すプロパティ画面は、原稿画像に関する写真処理と文字処理、文字ボリューム調整の各設定状態を示すものである。
写真処理においては、原稿画像中に写真や図形(カラー/白黒)がある場合に、その写真部分や図形部分を印刷する際の解像度に影響する網点線数と網点角度の数値が、写真や図形の属性データとして設定される。これらの網点線数と網点角度は、原稿画像を作成するアプリケーションプログラムの起動中にデジタルカメラや可搬型メモリからクライアント端末14に取り込まれた写真や図形の解像度のデータによって、自動的に決定される。したがって、網点線数と網点角度は、写真の撮影解像度や図形の作成解像度に応じた数値に設定される。
文字処理及び文字ボリューム調整においては、文字処理(誤差拡散/網点処理/強制ベタ)や、文字ボリューム調整(強調/シェイプアップ/しない:無)が、文字の属性データとして設定される。これらの文字処理及び文字ボリューム調整の設定内容は、起動中のアプリケーションプログラムにおいて原稿画像が作成される際に、その原稿画像中の文字についてユーザが設定した内容が反映される。
次に、図11に示すプロパティ画面は、原稿画像に関するイメージ処理(ガンマ調整、スクリーニング、特殊画像設定)の各設定状態を示すものである。
ガンマ調整においては、原稿画像中のカラー写真や図形の明度、彩度、及び、コントラストが、それらの属性データとして設定される。明度、彩度、コントラストはいずれも、デフォルトで±0に設定される。これらのパラメータは、図11に示すプロパティ画面中のカーソルを操作することで、任意の値に調整することができる。
スクリーニングにおいては、原稿画像中の写真や図形(カラー/白黒)のスクリーニング処理の内容(誤差拡散処理/網点処理)を、原稿画像中の写真や図形の属性データとして設定することができる。スクリーニング処理の内容は、デフォルトでは誤差拡散処理に設定される。
特殊画像設定においては、原稿画像の画像品質(印刷解像度)を、原稿画像中の写真や図形(カラー/白黒)、文字の属性データとして設定することができる。画像品質のデフォルトの設定状態は、基本的には通常の印刷解像度に相当する通常品質モードとなり、原稿画像中の写真や図形が通常の解像度よりも高い高精細モードである場合は、通常よりも高い印刷解像度に相当する高品質モードに、自動的に設定される。
なお、デフォルトで通常品質モードに設定された原稿画像の画像品質は、ユーザの設定操作によって高品質モードに変更することができる。通常品質モードから高品質モードへの設定変更は、図11のプロパティ画面における特殊画像設定のボタンを出力部20の画面上でクリック操作して、図12の特殊画像設定の詳細プロパティ画面を出力部20にポップアップ表示させ、ドロップダウンボックスをクリック操作することで、実行することができる。
図13及び図14に示すプロパティ画面は、原稿画像の印刷環境データとしての、印刷モードの基本項目に関する設定状態を示すものである。この基本項目には、例えば、カラーモード(カラー/白黒)、原稿モード(写真優先/文字優先)、給紙トレイ選択(オートトレイ選択/トレイ1/トレイ2/給紙台)、用紙種類(HC用紙(インクジェット記録装置1の純正普通紙)/HC用紙マット(インクジェット記録装置1の純正高品位紙)/普通紙(市販の汎用普通紙)/ハガキ(IJ)/ハガキ)、プリント単位(ページ単位でプリント/部単位でプリント)、印刷部数等がある。
そして、図7の原稿画像に関しては、カラー写真P1が高精細モードであることから、図10のプロパティ画面における写真処理の部分に表示される網点線数と網点角度とが、クライアント端末14のCPU16によって、高精細モードに応じた値に設定される。
また、図8の原稿画像に関しては、カラー写真P2やカラー図形I2が通常の解像度であることから、クライアント端末14のCPU16がデフォルトで設定する図12の特殊画像設定の詳細プロパティ画面における画像品質(印刷解像度)の状態は、通常品質モードとなる。しかし、本実施形態では、ユーザによる図12の詳細プロパティ画面の操作によって、カラー写真P2の画像品質の設定が通常品質モードから高品質モードに変更されている。
さらに、図9の原稿画像に関しては、写真(カラー/白黒)が原稿画像中に存在しないことから、図13のプロパティ画面に示すように、クライアント端末14のCPU16によって原稿モードが文字優先モードに設定されている。また、図9の原稿画像に関しては、印刷に使用する用紙の種類が、クライアント端末14のCPU16によって設定されるデフォルトの「HC用紙(インクジェット記録装置1の純正普通紙)」から、ユーザの設定操作によって、図14のプロパティ画面に示すように、「HC用紙マット(インクジェット記録装置1の純正高品位紙)」に設定変更されている。
以上の設定内容を、ポストスクリプトデータ中の属性データとして含み、あるいは、印刷環境データとして含む原稿画像の印刷ジョブが、外部インターフェイス部11を介してクライアント端末14から入力される図3の制御ユニット10は、入力された印刷ジョブによる原稿画像の印刷を、プリンタ部102において実行させる。
すなわち、プリンタ部102は、図2に示すように、制御ユニット10に入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータにしたがって制御基板103で生成した原稿画像のデジタル画像信号を用いて、給紙部105からベルト搬送部106により矢印b方向に搬送された記録紙Sに対して、インクジェットヘッドユニット104によって原稿画像を印刷する。
なお、記録紙Sに片面印刷する場合は、記録紙Sがベルト搬送部106により排紙部109に搬送されて排紙される。一方、記録紙Sに両面印刷する場合は、ベルト搬送部106と搬送路112と両面用ベルト搬送部107との連係によって、片面(例えば、おもて面)への印刷済みの記録紙Sが反転状態で矢印b方向から矢印c方向に連続して搬送され、両面用スタックトレー108に一旦排紙される。そして、再びベルト搬送部106によりインクジェットヘッドユニット104に記録紙Sが搬送されて、残る片面(例えば、うら面)にも画像が印刷される。両面印刷済みの記録紙Sは、片面印刷の場合と同様に、ベルト搬送部106により排紙部109に搬送されて排紙される。
インクジェットヘッドユニット104は、図4に示すように、Y(イエロー)成分、M(マゼンダ)成分、C(シアン)成分、及び、K(ブラック)成分のデジタル画像信号の各成分に対応した記録ヘッド40〜43と、記録ヘッド40〜43を駆動するヘッドドライバー44とを備えている。
図2に示す制御基板103においては、制御ユニット10から入力された原稿画像1枚分のラスタデータがデジタル画像信号の形で記憶され、そのデジタル画像信号に所定の画像処理が施される。処理済デジタル画像信号は、インクジェットヘッドユニット104に対して出力される。そのために、制御基板103は、図5に示すように、記憶手段113、カラー画像処理部133、信号変換部123、及び、インク量を設定するインク量設定手段143を備えている。
記憶手段113は、原稿画像1枚分のラスタデータに関する、R(レッド)成分、G(グリーン)成分、及び、B(ブルー)成分のデジタル画像信号と、所定の信号処理の施されたデジタル画像信号とを記憶する。
カラー画像処理部133は、記憶手段113に記憶されたR成分、G成分、及び、B成分のデジタル画像信号を、Y成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号に変換する。
信号変換部123は、カラー画像処理部133によりY成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号における各画素データを、3ビットのデータに変換する。
インク量設定手段143は、信号変換部123において変換された3ビットの画素データに基づいてインクを吐出する際のインク量を設定する。インク量設定手段143が設定するインク量は、操作者がディスプレイ110(図2参照)の操作画面により指定する濃度によっても変わる。
記憶手段113は、原稿画像1枚分のラスタデータに関するR成分、G成分、及び、B成分のデジタル画像信号を、各成分毎に記憶するフレームメモリ30と、カラー画像処理部133により変換されたY成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号などを記憶するワーキングメモリ31と、インク量設定手段143によりインク量の設定されたY成分、M成分、C成分、及び、K成分のデジタル画像信号を記憶する駆動メモリ32とを備えている。
具体的には、入力された印刷ジョブによる原稿画像に関する、R成分、G成分、及び、B成分に変換されたデジタル画像信号は、1枚分ずつ各成分毎にフレームメモリ30に記憶される。
そして、この印刷指示に応じてフレームメモリ30に記憶された1枚分の原稿画像に関するデジタル画像信号の画素データが、カラー画像処理部133において、R成分、G成分、及び、B成分からY成分、M成分、C成分、及び、K成分に変換され、二値化処理された後、ワーキングメモリ31に記憶される。
上記のように二値化されたY成分、M成分、C成分、及び、K成分の画素データは、それぞれの成分について信号変換部123により3ビットのデータに変換され、再びワーキングメモリ31に各成分毎に記憶される。
上記の処理によって、1枚分の原稿画像に関するデジタル画像信号の処理済デジタル画像データが生成されて、各成分毎にワーキングメモリ31に記憶される。そして、ワーキングメモリ31に記憶された各成分毎の処理済デジタル画像信号は駆動メモリ32に記憶される。駆動メモリ32に記憶された処理済デジタル画像信号は、所定のタイミングでインクジェットヘッドユニット104に出力される。
そして、各成分毎の処理済デジタル画像信号が、図4に示すヘッドドライバー44に入力され、ヘッドドライバー44は、処理済デジタル画像信号を各成分に対応した記録ヘッド40〜43に出力し、各記録ヘッド40〜43に、処理済デジタル画像データに基づいて記録紙の搬送速度に同期させた所定のタイミングでインクを吐出させる。
上記のような処理が、先に説明した、図2の給紙部105からインクジェットヘッドユニット104への記録紙Sの搬送に同期して行われ、記録ヘッド40〜43から吐出されたインクが記録紙Sに転写されて、原稿画像が記録紙Sに印刷される。
なお、本実施形態のインクジェット記録装置1では、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクにインク切れが発生すると、プリンタ部102が、上記のような処理とは異なるインク切れ印刷モードの処理によって原稿画像の印刷を実行する場合がある。
このインク切れ印刷モードの具体的な処理内容には複数の方式があるが、その方式次第で本発明の実施の可否が左右されることはない。そのことの理解を容易にするために、本実施形態では、以下の2通りの方式を、制御基板103がインク切れ印刷モードにおいて行うことのできる処理の具体的な内容の例として説明する。
1つ目の処理は、カラー画像処理部133において二値化されてワーキングメモリ31に記憶されたY、M、Cの各成分のデジタル画像データを、信号変換部123によって3ビットデータに変換して、ワーキングメモリ31から駆動メモリ32に記憶させるまでの間に、インク切れしたインクに対応する成分のデジタル画像データを消去すると言う処理である。
この処理を制御基板103が行う場合、プリンタ部102が行うインク切れ印刷モードとは、CMYKの各色成分についてのデジタル画像データのうち、インク切れしたインクに対応する色成分のデジタル画像データを用いた、インク切れしたインクによる印刷を、単に行わないものとなる。
2つ目の処理は、例えば、C(シアン)のインクがインク切れした場合には、フレームメモリ30に記憶された1枚分の原稿画像に関するデジタル画像信号の画素データを、カラー画像処理部133において、R成分、G成分、及び、B成分から、インク切れしていないM(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の3つの成分に変換し、二値化処理した後ワーキングメモリ31に記憶すると言う処理である。
この処理を制御基板103が行う場合、プリンタ部102が行うインク切れ印刷モードとは、CMYKの各色成分についてのデジタル画像データのうち、インク切れしたインクに対応する色成分のデジタル画像データを補うように、インク切れしていない他のインクに対応する色成分のデジタル画像データを加工して、インク切れしていないインクのみによる原稿画像の印刷を行うものとなる。
上述したインク切れ印刷モードとは別に、本実施形態のインクジェット記録装置1では、K(ブラック)のインクにインク切れが発生すると、制御ユニット10の制御によって、クライアント端末14から制御ユニット10に入力された印刷ジョブによる原稿画像の印刷をプリンタ部102に実行させない場合がある。C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクにインク切れが発生した場合にも、クライアント端末14から制御ユニット10に入力された印刷ジョブの内容次第では、同様に、入力された印刷ジョブによる原稿画像の印刷をプリンタ部102に実行させない場合がある。そのような場合の詳細については、後にフローチャートを参照して説明する。
ディスプレイ110は、スキャナ部101と共にプリンタ部102の上部に配置されている。ディスプレイ110の画面にはタッチセンサ(図示せず)が貼着されている。このタッチセンサにより、ディスプレイ110に表示される各ボタンの押圧操作を検出することができる。
上述したプリンタ部102に印刷動作を行わせるインクジェット記録装置1の制御ユニット10は、図3に示すように、CPU90を備える。このCPU90は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ110から入力設定される内容に応じたスキャナ部101やプリンタ部102の動作を制御する。
なお、制御ユニット10にはRAM92が設けられており、RAM92にはディスプレイ110から入力された印刷枚数や各種の設定内容が随時記憶される。また、RAM92にはフレームメモリ領域が設けられている。このフレームメモリ領域には、クライアント端末14から制御ユニット10に入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータからCPU90が生成する、原稿画像のラスタデータが、プリンタ部102に出力されるまでの間、一時的に記憶される。
また、CPU90には外部記憶装置93が接続されている。この外部記憶装置93には、インク切れ印刷モードの設定テーブル(請求項中の判定テーブルに相当)が記憶されている。この設定テーブルは、Y(イエロー)M(マゼンダ)及びC(シアン)のいずれかのインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に印刷ジョブが入力された場合に、インク切れしていないインクのみを用いるインク切れ印刷モードで原稿画像の印刷を行うか否かを決定するために参照される。
設定テーブルの設定内容は、外部記憶装置93から制御ユニット10のCPU90を介してクライアント端末14に呼び出して、図15に示す設定テーブルのプロパティ画面として出力部20に表示させることができる。また、このプロパティ画面上でカーソルのクリック操作等を行うことにより、設定テーブルの設定内容をクライアント端末14から遠隔操作で変更することができる。
図15のプロパティ画面に示すように、設定テーブルは、Y、M、Cのいずれかのインクにインク切れが発生した場合に、制御ユニット10に入力された印刷ジョブの原稿画像の印刷をインク切れ印刷モードによって行うか否か(インク切れ印刷モードON/OFF)を、印刷ジョブ中の印刷環境データの項目別に設定するものである。
本実施形態では、上述した設定テーブルにおいて、Y、M、Cのいずれかのインクにインク切れが発生した場合に、原稿モードを「写真優先」モードとする印刷環境データを含む印刷ジョブと、用紙種類を「HC用紙マット(インクジェット記録装置1の純正高品位紙)」に指定する印刷環境データを含む印刷ジョブでは、インク切れ印刷モードがOFFに設定されている。これは、いずれの場合も高い画質での原稿画像の印刷が要求される印刷環境であるためである。
本実施形態の設定テーブルでは、図15のプロパティ画面に示されていない、原稿モードを「文字優先」モードとする印刷環境データを含む印刷ジョブや、「HC用紙マット(インクジェット記録装置1の純正高品位紙)」以外を用紙種類に指定する印刷ジョブについては、インク切れ印刷モードがONに設定されているものとする。但し、設定テーブルの内容は実際の運用に応じて任意に設定することができるのは勿論のことである。
次に、制御ユニット10のCPU90が行う処理の手順について、図6のフローチャートを参照して説明する。
図6に示すように、まず、CPU90は、印刷ジョブが入力されたか否かを判断し(ステップS1)、入力されていない場合は(ステップS1でNO)、後述するステップS23に処理を移行する。一方、印刷ジョブが入力された場合は(ステップS1でYES)、CPU90は、K(ブラック)のインクにインク切れが発生しているか否かを確認する(ステップS3)。
K(ブラック)のインクにインク切れが発生している場合は(ステップS3でYES)、後述するステップS19に処理を移行し、K(ブラック)のインクにインク切れが発生していない場合は(ステップS3でNO)、CPU90は、入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータ中に、カラーの写真、図形、又は、文字のデータが含まれているか否かを確認する(ステップS5)。
ポストスクリプトデータ中にカラーの写真、図形、又は、文字のデータが含まれていない場合は(ステップS5でNO)、後述するステップS21に処理を移行し、ポストスクリプトデータ中にカラーの写真、図形、又は、文字のデータが含まれている場合は(ステップS5でYES)、CPU90は、ポストスクリプトデータに含まれるカラーの写真や図形の属性データ中に、高精細モードに相当する数値の網点線数と網点角度が設定されているか否かを確認する(ステップS7)。
高精細モードに相当する数値の網点線数と網点角度が属性データとして設定されている場合は(ステップS7でYES)、CPU90は、後述するステップS13に処理を移行する。一方、高精細モードに相当する数値の網点線数と網点角度が属性データとして設定されていない場合は(ステップS7でNO)、CPU90は、入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータに含まれるカラー写真やカラー図形の属性データ中に、高品質モードが設定されているか否かを確認する(ステップS9)。
高品質モードが属性データとして設定されている場合は(ステップS9でYES)、CPU90は、ステップS13に処理を移行する。一方、高品質モードが属性データとして設定されていない場合は(ステップS9でNO)、CPU90は、入力された印刷ジョブの印刷環境データ中に、外部記憶装置93の設定テーブルにおいてインク切れ印刷モードOFFと設定された項目が含まれているか否かを確認する(ステップS11)。
設定テーブルにおいてインク切れ印刷モードOFFと設定された項目が含まれている場合は(ステップS11でYES)、ステップS13に処理を移行する。一方、設定テーブルにおいてインク切れ印刷モードOFFと設定された項目が含まれていない場合は(ステップS11でNO)、CPU90は、後述するステップS15に処理を移行する。
ステップS13では、CPU90は、RAM92のエラーフラグFを「1」に設定し、その後、ステップS15に処理を移行する。
ステップS15では、CPU90は、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、及び、C(シアン)のいずれかのインクにインク切れが発生しているか否かを確認する。インク切れが発生していない場合は(ステップS15でNO)、ステップS21に処理を移行する。
一方、インク切れが発生している場合は(ステップS15でYES)、CPU90は、RAM92のエラーフラグFが「1」であるか否かを確認する(ステップS17)。エラーフラグFが「1」でない場合は(ステップS17でNO)、CPU90は、ステップS21に処理を移行する。
また、エラーフラグFが「1」である場合は(ステップS17でYES)、CPU90は、ステップS19に処理を移行する。
ステップS19では、CPU90は、クライアント端末14の出力部20に印刷ジョブエラーのメッセージを表示させるためのエラーデータを、外部インターフェイス部11からクライアント端末14のCPU16に向けて出力する。その後、CPU90は、ステップS23に処理を移行する。
ステップS21では、CPU90は、入力された印刷ジョブによる原稿画像の印刷をプリンタ部102において実行させる。具体的には、CPU90は、入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータから原稿画像のラスタデータを生成し、印刷環境データの設定内容と共にプリンタ部102に出力する。その後、CPU90は、ステップS23に処理を移行する。
ステップS23では、インクジェット記録装置1の電源が切断されたか否かを判断し、切断されていない場合は(ステップS23でNO)、ステップS1に処理を移行し、切断された場合は(ステップS23でYES)、一連の処理を終了する。
なお、ステップS7〜ステップS11の各処理の順番は、任意の順番に入れ替えることができる。
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のインクジェット記録装置1においては、図6のフローチャートにおけるステップS7〜ステップS13が、請求項中の判定手段に対応する処理となっている。また、本実施形態のインクジェット記録装置1においては、図6中のステップS17が、請求項中のキャンセル手段に対応する処理となっている。
上述した手順による処理をCPU90が実行する制御ユニット10の動作(作用)について説明する。
まず、インクジェット記録装置1においてK(ブラック)のインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に原稿画像の印刷ジョブが入力された場合について説明する。
原稿画像の印刷に当たってK(ブラック)のインクが欠けると、写真や図形の輪郭がぼやけてしまい、また、K(ブラック)のインク以外のインクを全く又はほとんど用いない黒色の文字もハッキリしなくなってしまう。すると、記録紙S上の原稿画像を元の原稿画像と同じレベルでハッキリと認識できなくなる恐れが高くなる。
そのため、インクジェット記録装置1においてK(ブラック)のインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に原稿画像の印刷ジョブが入力されると、制御ユニット10は、その印刷ジョブを、印刷ジョブの内容に関係なく全て実行せずキャンセルする。
次に、インクジェット記録装置1においてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に、図7に示す原稿画像の印刷ジョブが入力された場合について説明する。
図7に示す原稿画像の印刷ジョブには、印刷ジョブのポストスクリプトデータにおけるカラー写真P1の属性データとして、高精細モードに相当する数値の網点線数と網点角度が設定されている。高精細モードのカラー写真P1のような撮影解像度の高い画像をインク切れ印刷モードで記録紙Sに印刷すると、元の原稿画像のカラー写真P1と同じ精細度レベルで記録紙S上にカラー写真P1を再現できなくなる恐れが高くなる。
そのため、インクジェット記録装置1においてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に図7に示す原稿画像の印刷ジョブが入力されると、制御ユニット10は、その印刷ジョブを実行せずキャンセルする。
続いて、インクジェット記録装置1においてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に、図8に示す原稿画像の印刷ジョブが入力された場合について説明する。
図8の原稿画像の印刷ジョブには、印刷ジョブのポストスクリプトデータにおけるカラー図形I2の属性データとして、通常品質モードが設定されている。また、カラー写真P2の属性データとして、高品質モードが設定されている。高品質モードのカラー写真P2のような印刷解像度の高い画像をインク切れ印刷モードで記録紙Sに印刷すると、希望した高品質モード(高い印刷解像度)の画質レベルで記録紙S上にカラー写真P2を再現できなくなる恐れが高くなる。
そのため、インクジェット記録装置1においてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に図8に示す原稿画像の印刷ジョブが入力されると、制御ユニット10は、その印刷ジョブを実行せずキャンセルする。
次に、インクジェット記録装置1においてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に、図9に示す原稿画像の印刷ジョブが入力された場合について説明する。
図9に示す原稿画像の印刷ジョブには、印刷ジョブのポストスクリプトデータにおけるカラー図形I3の属性データとして、通常品質モードが設定されている。通常品質モードのカラー図形I3のような通常の印刷解像度の画像は、インク切れ印刷モードで記録紙Sに印刷しても、希望した高品質モード(高い印刷解像度)の画質レベルで記録紙S上にカラー図形I3を再現できる可能性が高い。したがって、入力された印刷ジョブは、インク切れ印刷モードで記録紙Sに印刷したとしても、画質の面で印刷された原稿画像に何か問題が発生することが懸念されるようなものではない。
一方、図9に示す原稿画像の印刷ジョブには、印刷環境データとして、用紙種類を「HC用紙マット(インクジェット記録装置1の純正高品位紙)」とする設定が含まれている。この「HC用紙マット(インクジェット記録装置1の純正高品位紙)」を用紙として用いる原稿画像の印刷には、高い画質が要求される場合が多い。そして、「HC用紙マット(インクジェット記録装置1の純正高品位紙)」を用紙種類に指定する印刷環境データを含む印刷ジョブに対しては、制御ユニット10の外部記憶装置93の設定テーブルにおいて、インク切れ印刷モードがOFFに設定されている。
そのため、インクジェット記録装置1においてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に図9に示す原稿画像の印刷ジョブが入力されると、制御ユニット10は、その印刷ジョブを実行せずキャンセルする。
以上のようにして、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のいずれかのインクがインク切れした状態でクライアント端末14から入力された印刷ジョブを実行せずにキャンセルした場合に、制御ユニット10は、インク切れにより印刷ジョブがキャンセルされた旨のエラーメッセージを、クライアント端末14の出力部20に表示させる。
なお、インクジェット記録装置1においてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のいずれのインクにもインク切れが発生していない場合は、図7乃至図9のいずれの原稿画像に関する印刷ジョブが入力されても、制御ユニット10はその印刷ジョブを実行し、プリンタ部102において図7乃至図9の各原稿画像を記録紙Sに印刷させる。
このとき、図7の原稿画像中のカラー写真P1は、その属性データに設定された高精細モードに応じた網点線数と網点角度によって、高い解像度で印刷される。また、図8の原稿画像中のカラー写真P2は、その属性データに設定された高品位モードによって、高い解像度で印刷される。さらに、図9の原稿画像は、その印刷環境データにおいて指定されたHC用紙マット(インクジェット記録装置1の純正高品位紙)を記録紙Sに用いて印刷される。
続いて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクがインク切れしている状態で、カラーの写真や図形の属性データに高精細モードや高品質モードの設定を含まず、また、制御ユニット10の設定テーブルにおいてインク切れ印刷モードがOFFに設定された項目を印刷環境データ中に含まない印刷ジョブが、クライアント端末14から入力された場合について説明する。
属性データに高精細モードや高品質モードの設定を含まないカラーの写真や図形は、元の解像度や印刷解像度が高くなく、画像をインク切れ印刷モードで記録紙Sに印刷しても、元の画像と同じ精細度や希望した画質のレベルで記録紙S上に画像を再現することが期待できる。
また、制御ユニット10の設定テーブルにおいてインク切れ印刷モードがOFFに設定された項目を印刷環境データ中に含んでいないということは、高い画質での原稿画像の印刷が要求されていないと考えることができる。
そのため、インクジェット記録装置1においてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に、カラーの写真や図形の属性データに高精細モードや高品質モードの設定を含まず、また、制御ユニット10の設定テーブルにおいてインク切れ印刷モードがOFFに設定された項目を印刷環境データ中に含まない原稿画像の印刷ジョブが入力されると、制御ユニット10はその印刷ジョブを実行する。
入力されたその印刷ジョブを制御ユニット10が実行することで、その印刷ジョブによる原稿画像は、プリンタ部102において、インク切れしていないインクのみを用いたインク切れ印刷モードによって印刷される。
例えば、制御ユニット10に入力された印刷ジョブが、印刷環境データ中の用紙種類の設定内容を「HC用紙(インクジェット記録装置1の純正普通紙)」に変えた図9の原稿画像の印刷ジョブであるとすると、制御ユニット10がその印刷ジョブを実行することで、プリンタ部102において、図9の原稿画像が「HC用紙(インクジェット記録装置1の純正普通紙)」を記録紙Sに用いて、インク切れ印刷モードによって印刷される。
このように、本実施形態のインクジェット記録装置1によれば、インクジェット記録装置1においてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のいずれかのインクにインク切れが発生している状態で、クライアント端末14から制御ユニット10に、カラーの写真や図形の属性データに高精細モードや高品質モードの設定を含む原稿画像の印刷ジョブや、制御ユニット10の設定テーブルにおいてインク切れ印刷モードがOFFに設定された項目を印刷環境データ中に含む原稿画像の印刷ジョブが入力されると、制御ユニット10がその印刷ジョブを実行せずキャンセルする構成とした。
このため、高精細モードのカラー写真P1や高品質モードのカラー写真P2のような、インク切れ印刷モードで記録紙Sに印刷すると元のカラー写真P1,P2と同じ精細度や画質のレベルで記録紙S上にカラー写真P1,P2を再現できなくなる恐れが高い原稿画像や、高い画質が要求される環境での印刷に関する原稿画像の印刷ジョブが、インク切れ印刷モードによる印刷の対象から意識的に除外される。
これにより、インク切れ印刷モードで実行された印刷ジョブの印刷結果が元の原稿の内容を把握できるものとなる確度を高めることができる。これにより、結果的に、インク切れを起こしていないインクだけで行った原稿画像の印刷結果において、元の原稿画像の内容を把握できやすくすることができる。
なお、インク切れ印刷モードによる印刷の対象から除外する印刷ジョブであるか否かの判定は、上述した実施形態のような方式とは異なる方式で行うこともできる。
例えば、本実施形態では、クライアント端末14から出力される印刷ジョブの原稿画像が高精細モードのカラーの写真や図形を含むか否かの判定を、印刷ジョブのポストスクリプトデータにおける属性データの設定内容から制御ユニット10のCPU90が判定するものとした。
しかし、制御ユニット10がクライアント端末14から入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータを用いて原稿画像のラスタデータ(RGBによるビットマップ画像のデータ)を生成して、RAM92のフレームメモリ領域に一時記憶させた時点で、そのラスタデータの画素情報(RGB値)の類否に基づいて、原稿画像が高精細モードのカラーの写真や図形を含むか否かの判定をCPU90が行う構成とすることもできる。
つまり、ラスタデータをビットマップ画像に展開した場合、一般に、そのビットマップ画像中には、画素値が近似又は一致する複数の画素が連続して配列される。そのため、ビットマップ画像中には、画素値が近似又は一致する複数の画素を1つのまとまりとした画像領域が複数存在することになる。
ここで、ビットマップ画像中の複数の画像領域が存在する所定領域について見ると、原稿画像の精細度が高いほど、各画像領域の画素値どうしが類似しない傾向が高くなるので、所定領域内には、互いの画素値が類似しない画像領域が多く存在することになる。反対に、原稿画像の精細度が低いほど、各画像領域の画素値どうしが類似する傾向が高くなるので、所定領域内には、互いの画素値が類似しない画像領域はさほど存在しなくなる。
そのため、入力された印刷ジョブから生成した原稿画像のラスタデータによるビットマップ画像において、そのビットマップ画像中の所定領域内に存在する、画素値が近似又は一致する複数の画素を内部にそれぞれ有する画素領域どうしの、画素値の類比に基づいて、入力された印刷ジョブの原稿画像が高精細モードのカラーの写真や図形を含むか否かを判定することができる。
つまり、ビットマップ画像中の所定領域内に、互いの画素値が類似しない画像領域が所定数以上存在した場合には、入力された印刷ジョブの原稿画像が高精細モードのカラーの写真や図形を含み、反対に、所定領域内に、互いの画素値が類似しない画像領域が所定数以上存在しない場合には、入力された印刷ジョブの原稿画像が高精細モードのカラーの写真や図形を含まないものと、制御ユニット10のCPU90が判定する構成とすることもできる。この判定は、図示しないが、ROM91に記憶されたプログラムをCPU90が実行することによって行われる。したがって、CPU90は、請求項中の精細度判定手段に相当することになる。
また、図15のプロパティ画面に示す設定テーブルに代えて、これを簡略化した原稿画像のサンプルパターンのサムネイル画像を用いた設定テーブルに基づいて、インク切れ印刷モードのON/OFFをユーザが設定操作できる構成とすることもできる。
この設定テーブルは、上述した実施形態の設定テーブルと同様に、制御ユニット10の外部記憶装置93に記憶され、外部記憶装置93からCPU90を介してクライアント端末14に呼び出して、図16の説明図に示すような、設定テーブルのプロパティ画面として出力部20に表示させることができる。
この設定テーブルにおいては、例えば、カラーの写真や図形(高精細)のみの原稿画像、カラーの写真や図形(低精細)のみの原稿画像、カラーの写真や図形(高精細)と文字を含む原稿画像、カラーの写真や図形(低精細)と文字を含む原稿画像、文字のみの原稿画像というように、原稿画像を構成する写真、図形、文字の組み合わせのバリエーションに応じて、原稿画像を分類する(上記の例では5つのパターンのいずれかに分類する)。
そして、上記の例のように5つのパターンのいずれかに原稿画像を分類した場合には、分類したパターンに応じて、以下に説明するようなサムネイル画像をプロパティ画面上で表示させる。
具体的には、通常印刷モードで印刷した場合の原稿画像のサムネイル画像(CMYK)、C(シアン)のインク切れによるインク切れ印刷モードで印刷した場合の原稿画像のサムネイル画像(MYK)、M(マゼンタ)のインク切れによるインク切れ印刷モードで印刷した場合の原稿画像のサムネイル画像(CYK)、及び、Y(イエロー)のインク切れによるインク切れ印刷モードで印刷した場合の原稿画像のサムネイル画像(CMK)を、プロパティ画面上で表示させる。
プロパティ画面上で表示させる原稿画像の分類は、例えば、プロパティ画面上においてユーザがタブの選択操作を行うことで、切り換えることができる。図16では、カラーの写真や図形(高精細)と文字を含む原稿画像の分類に関する、設定テーブルのプロパティ画像を、一例として示している。このプロパティ画面上で、ユーザは、インク切れ印刷モードのON/OFFを、それぞれのボタンのクリック操作によって選択設定することができる。
このような設定テーブルを用いて制御ユニット10のCPU90が行う処理の手順は、上述した実施形態において制御ユニット10のCPU90が行う図6のフローチャートの手順と、一部異なっている。
具体的には、図17のフローチャートに示すように、CPU90は、ステップS5において、入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータ中にカラーの写真、図形、又は、文字のデータが含まれている場合(YES)に、それらのデータに基づいて、入力された印刷ジョブによる原稿画像の(図16のプロパティ画面に示す内容の)設定テーブルにおける分類を特定する(ステップS7a)。
そして、CPU90は、特定した分類の原稿画像が、(図16のプロパティ画面に示す内容の)設定テーブル上で、インク切れ印刷モードONと設定されているか否かを確認し(ステップS9a)、インク切れ印刷モードONと設定されていない場合は(ステップS9aでNO)、ステップS13に処理を移行し、インク切れ印刷モードONと設定されている場合は(ステップS9aでYES)、ステップS15に処理を移行する。
その他、ステップS1〜ステップS5とステップS13〜ステップS23の各処理の手順は、図6のフローチャートの手順と同じである。
このような構成とした場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、図16のプロパティ画面に示す内容の設定テーブルを用いる構成とすれば、インク切れ印刷モードで印刷された場合の原稿画像を視覚的なイメージで表現するサムネイル画像によって、原稿画像の分類毎に、インク切れ印刷モードのON/OFFをユーザが容易に設定操作できるようになる。そのため、細かい属性データや印刷環境データの内容でインク切れ印刷モードをONとするかOFFとするかをユーザが判断して設定操作する必要を無くすことができる。
なお、上述した実施形態やその変形例では、K(ブラック)のインクにインク切れが発生した場合に、印刷ジョブの内容に関係なくその印刷ジョブを制御ユニット10が実行せずキャンセルする場合の構成を例に取って説明したが、印刷ジョブの内容次第ではその印刷ジョブを実行し、K(ブラック)のインクを用いないインク切れ印刷モードによってその印刷ジョブの原稿画像をプリンタ部102において印刷させる構成としてもよい。
また、上述した実施形態やその変形例では、インクジェットヘッドユニット104によるインクジェット方式で原稿画像の印刷を行うカラープリンタ装置(インクジェット記録装置1)を例に取って説明した。しかし、本発明は、複数色のうち一部の色がインク切れであるときに、ホストから入力された印刷ジョブの実行により印刷する原稿の印刷モードを、フルカラーの通常印刷モードから、インク切れのインクを用いないインク切れ印刷モードに移行させるものであれば、原稿画像の印刷を電子写真方式等、インクジェット方式以外の方式によって印刷するカラープリンタ装置についても適用可能である。
本発明によるカラープリンタ装置の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す説明図である。 図1のインクジェット記録装置のうちプリンタ部の概略構成を示す説明図である。 図1のインクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。 図1のインクジェット記録装置のインクジェットヘッドユニットのブロック図である。 図2のプリンタ部の画像処理部のブロック図である。 図3のインクジェット記録装置に内蔵した制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって実行する処理の手順を示すフローチャートである。 (a)は図1のプリンタ部において記録紙に印刷される原稿画像を示す説明図、(b)は図1のプリンタ部において原稿画像が印刷される記録紙を示す説明図である。 (a)は図1のプリンタ部において記録紙に印刷される原稿画像を示す説明図、(b)は図1のプリンタ部において原稿画像が印刷される記録紙を示す説明図である。 (a)は図1のプリンタ部において記録紙に印刷される原稿画像を示す説明図、(b)は図1のプリンタ部において原稿画像が印刷される記録紙を示す説明図である。 図3のクライアント端末の出力部において表示される原稿画像のプロパティ画面を示す説明図である。 図3のクライアント端末の出力部において表示される原稿画像のプロパティ画面を示す説明図である。 図3のクライアント端末の出力部において表示される特殊画像設定の詳細プロパティ画面を示す説明図である。 図3のクライアント端末の出力部において表示される原稿画像のプロパティ画面を示す説明図である。 図3のクライアント端末の出力部において表示される原稿画像のプロパティ画面を示す説明図である。 図3のクライアント端末の出力部において表示されるインク切れ印刷モードの設定テーブルのプロパティ画面の一例を示す説明図である。 図3のクライアント端末の出力部において表示されるインク切れ印刷モードの設定テーブルのプロパティ画面の他の例を示す説明図である。 図3のインクジェット記録装置に内蔵した制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって実行する処理の手順の変形例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 インクジェット記録装置(カラープリンタ装置)
10 制御ユニット
14 クライアント端末(ホスト)
90 CPU(判定手段、キャンセル手段、精細度判断手段)

Claims (7)

  1. 複数色のうち一部の色がインク切れであるときに、ホストから入力された印刷ジョブの実行により印刷する原稿の印刷モードを、フルカラーの通常印刷モードから、インク切れのインクを用いないインク切れ印刷モードに移行させるカラープリンタ装置において、
    前記インク切れ印刷モードにおいて前記ホストから印刷ジョブが入力された際に、該入力された印刷ジョブの内容に基づいて、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行の可否を判定する判定手段と、
    前記インク切れ印刷モードによる実行が否であると前記判定手段が判定した、前記入力された印刷ジョブを、実行せずにキャンセルするキャンセル手段と、
    を備えることを特徴とするカラープリンタ装置。
  2. 前記判定手段は、前記入力された印刷ジョブがカラー写真のデータを含まない場合に、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行が可であると判定することを特徴とする請求項1記載のカラープリンタ装置。
  3. 前記判定手段は、前記入力された印刷ジョブが、通常の解像度よりも高い解像度で読み取られた高精細のカラー写真のデータを含まない場合に、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行が可であると判定することを特徴とする請求項1又は2記載のカラープリンタ装置。
  4. 前記入力された印刷ジョブ中の前記原稿画像のデータから生成したビットマップ画像中の所定領域内に複数存在する、画素値が近似又は一致する複数の画素を内部にそれぞれ有する画素領域どうしの類比を、該各画像領域が内部にそれぞれ有する前記画素の画像値に基づいて判断し、該類比の判断結果に基づいて、前記入力された印刷ジョブが前記高精細のカラー写真のデータを含むか否かを判断する精細度判断手段をさらに備えており、前記判定手段は、前記精細度判断手段の判断結果に基づいて、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行の可否を判定することを特徴とする請求項3記載のカラープリンタ装置。
  5. 前記印刷ジョブは、原稿の印刷解像度を指定するモードの設定データを含んでおり、前記モードは、前記印刷解像度を通常の解像度とする通常品質モードと、前記印刷解像度を前記通常の解像度よりも高い解像度とする高品質モードとを含んでおり、前記判定手段は、前記入力された印刷ジョブが、前記モードを前記高品質モードとする前記設定データを含む場合に、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行が否であると判定することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のカラープリンタ装置。
  6. 前記印刷ジョブは、原稿を印刷する際の印刷環境を指定する印刷環境データを含んでおり、前記判定手段は、前記入力された印刷ジョブ中の前記印刷環境データの内容に基づいて、前記インク切れ印刷モードによる前記入力された印刷ジョブの実行の可否を判定することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のカラープリンタ装置。
  7. 前記印刷環境データ中の特定の項目に関する内容とこの内容に対応する前記判定の結論との対応付けを規定した判定テーブルを記憶するテーブル記憶手段をさらに備えており、前記判定手段は、前記入力された印刷ジョブ中の前記特定の項目に関する内容に対応付けて前記テーブル記憶手段の前記判定テーブルにおいて規定されている前記結論の判定を行うことを特徴とする請求項6記載のカラープリンタ装置。
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