JP2009284822A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行装置3の前方に刈取部4を、走行装置3の上方に脱穀装置2を夫々設け、前記刈取部4で刈り取った穀稈の株元側を挟持して脱穀装置2の脱穀室に供給しながら搬送する穀稈供給搬送装置12の始端側に、シンクロ用前側供給搬送装置13を設け、前記穀稈供給搬送装置12には脱穀装置2の扱胴34と共にエンジン22からの一定回転を伝達し、前記シンクロ用前側供給搬送装置13および前記刈取部4は走行速度に同調して回転数を増減させる専用の刈取搬送用無段変速装置21により変速駆動する構成とし、該刈取搬送用無段変速装置21は、前記エンジン22の回転を前記扱胴34および穀稈供給搬送装置12に分岐して伝達するギヤケース50の機体内側の部位取り付けたことを特徴とするコンバイン。
【選択図】図3
Description
また、公知例の刈取用変速装置はギヤケースの機体外側に設けているため、刈取部への回転出力軸をギヤケースの内側に設けなければならず、頻繁に行われるベルトの装着およびメンテナンス作業が面倒であるという課題がある。
本願は、穀稈搬送構成を工夫し、搬送を円滑にすると共に、脱穀作業を円滑にし、扱胴等への回転伝達用のベルトの装着を容易にしたものである。
本発明では、前記ギヤケース50の機体外面側に前記刈取部4に回転を出力する刈取用中間出力軸39および前記穀稈供給搬送装置12に回転を出力する穀稈供給搬送中間出力軸41を設け、前記ギヤケース50の内面側には前記刈取搬送用無段変速装置21を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、エンジン22の回転が扱胴34の伝動下手側のギヤケース50の中間伝動軸31に伝達され、中間伝動軸31の回転がギヤケース50の外面側に突出する穀稈供給搬送中間出力軸41を介して穀稈供給搬送装置12に伝達されて穀稈供給搬送装置12を一定回転駆動させる。
穀稈供給搬送中間出力軸41の伝動下手側の刈取HST入力軸37から刈取搬送用無段変速装置21に回転入力され、刈取搬送用無段変速装置21により走行速度に同調させた変速回転がギヤケース50の刈取用中間出力軸39と搬送シンクロ用出力軸40から出力され、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13を駆動する。
請求項2の発明では、ギヤケース50の外面側に刈取部4および穀稈供給搬送装置12に回転を出力する出力部を集中させることができ、出力部のメンテナンス作業を容易にでき、ギヤケース50の内面側の刈取搬送用無段変速装置21を設けているので、機体重量バランスやギヤケース50および刈取搬送用無段変速装置21の取付バランスを良好にできる。
前記刈取部4の一例を示すと、分草体10、引起装置(図示省略)、刈刃11および搬送装置を有して構成する。
12は、搬送装置により搬送され穀稈を脱穀装置2の脱穀室(図示省略)に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置、13は穀稈供給搬送装置12の始端側に設けたシンクロ用前側供給搬送装置である。
しかして、前記穀稈供給搬送装置12は、前記刈取部4で刈り取られた穀稈を脱穀装置2の脱穀室(図示省略)の穀稈供給口14(図6)から供給し、脱穀されて脱穀室の穀稈排出口(図示省略)より排出するまで搬送するものであり、刈取部4で刈り取った穀稈を穀稈供給搬送装置12まで搬送する構成は任意であるが、穀稈供給搬送装置12に引き継ぐシンクロ用前側供給搬送装置13は、刈取部4と同調して変速されるように構成する。
シンクロ用前側供給搬送装置13は刈取部4からの搬送穀稈を穀稈供給搬送装置12に引継ぐのを良好にする。
即ち、走行装置3は走行用無段変速装置(静油圧式無段変速装置)20により走行速度変更可能に構成し、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13へ伝達する回転も走行装置3の走行速度に同調して変速するようにし、刈取部4からの搬送穀稈を穀稈供給搬送装置12へ直接引継ぐのではなく、刈取部4からシンクロ用前側供給搬送装置13まで同じ搬送速度状態とし、刈取部4で植立状態の搬送穀稈を穀稈供給搬送装置12の搬送姿勢に合わせた横向きとし、穀稈供給搬送装置12にはシンクロ用前側供給搬送装置13から同じ搬送姿勢で搬送速度のみを変えてることで引継を良好にする。
この場合、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13は、刈取搬送専用の刈取搬送用無段変速装置(静油圧式無段変速装置)21により走行速度に同調させて変速する。
そのため、脱穀装置2と穀稈供給搬送装置12をエンジン22からの一定駆動回転で駆動して脱穀作業を安定させつつ、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13の回転を刈取搬送用無段変速装置21により走行速度に同調させて変速して、穀稈供給搬送装置12への引継を円滑・確実にする。
また、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13への伝動回転は、刈取搬送用無段変速装置21により変速するので、通常は走行速度に同調させて変速するが、所定条件のときは、刈取搬送用無段変速装置21単独で刈取部4および/またはシンクロ用前側供給搬送装置13を駆動するように構成する。
また、走行用無段変速装置20から走行装置3への回転を停止させたとき、刈取搬送用無段変速装置21単独でシンクロ用前側供給搬送装置13を駆動すると、機体走行停止状態でシンクロ用前側供給搬送装置13を駆動し、シンクロ用前側供給搬送装置13および穀稈供給搬送装置12へ手刈り穀稈を供給でき、刈取作業および脱穀作業の作業性および操作性を向上させられる。
ギヤケース50の穀稈供給搬送装置12側の刈取用中間出力軸39と搬送シンクロ用出力軸40と穀稈供給搬送中間出力軸41には、刈取中間出力プーリー45に掛け回したベルト47等の張力が作用するが、この張力の作用する反対側のギヤケース50に刈取搬送用無段変速装置21を設けているので、バランスが良好になる。
また、エンジン22の回転を扱胴34および穀稈供給搬送装置12に分岐して伝動するギヤケース50の機体内側の部位に刈取搬送用無段変速装置21を取り付けることにより、エンジン22を冷却後の排風を刈取搬送用無段変速装置21に当たやすく配置でき、刈取搬送用無段変速装置21の冷却効果によって刈取搬送用無段変速装置21の十分な性能発揮状態を維持する。
刈取搬送用無段変速装置21を横置きとしているので、機体の重心を低重心として、走行を安定させる。また、脱穀装置2の前面側から刈取部4に回転を伝達するうえで、ギヤケース50の前方に刈取部4の刈取用中間出力軸39を配置して入力位置と出力位置とが前後に交差させず伝動機構を構成でき、効率的な配置となる。
刈取HST出力軸38からの出力を上方の搬送シンクロ用出力軸40と下方の刈取用中間出力軸39とに上下に分岐しているので、上下に交差させずに伝動機構を構成できる。
しかして、刈取用中間出力軸39から回転が伝達される前記刈取中間入力プーリー46は刈取用中間伝動軸51に設け、刈取用中間伝動軸51には刈取用出力プーリー52を設ける。また、刈取用中間伝動軸51には、前記刈取中間入力プーリー46とは別に、刈取用補助入力プーリー53を設け、刈取用補助入力プーリー53には走行用無段変速装置20により変速されてミッションケース27から出力する刈取用補助出力プーリー54との間にベルト55を掛け回す。
刈取用補助入力プーリー53と刈取用補助出力プーリー54とベルト55は、補助刈取シンクロ機構56を構成し、補助刈取シンクロ機構56は走行用無段変速装置20により変速された回転がミッションケース27から出力して刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13を駆動するように構成する。
そのため、機体を急発進させた刈取作業時に、車速に伴って、刈取搬送用無段変速装置21が回転を上昇させるが、何らかの原因で刈取搬送用無段変速装置21の変速が補助伝動ラインの回転を下回るようなとき、補助刈取シンクロ機構56から刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13に伝達して駆動させる。
また、刈取搬送用無段変速装置21が破損等に起因して制御できないときも、刈取搬送用無段変速装置21の変速が補助伝動ラインの回転を下回ることになるので、補助刈取シンクロ機構56から刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13に伝達して駆動させる。
なお、補助刈取シンクロ機構56による補助伝動ラインの傾斜は、刈取搬送用無段変速装置21の標準作業ラインよりも低い回転上昇率の傾斜とし、通常、刈取搬送用無段変速装置21によって刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13を刈取シンクロさせる制御を優先させる。
しかして、前記扱胴34に回転伝達する脱穀用傘歯車32を内蔵した扱胴駆動ギヤケース60は前記機体フレ−ム1に設けた支持台61上に取付け(図4,図7)、この扱胴駆動ギヤケース60の上方で脱穀装置2の脱穀室の穀稈供給口14に穀稈を誘導する入り口漏斗(じょうご)62の下方に、扱胴駆動ベルト63と前記ギヤケース50を配置する(図4、図7)。
正面視、前記扱胴駆動ベルト63とギヤケース50の間に前記刈取搬送用無段変速装置21を配置する。
また、ギヤケース50の走行方向の左側に設けたシンクロ用前側供給搬送装置13や穀稈供給搬送装置12へ回転を伝達するベルトに影響されないで、刈取搬送用無段変速装置21を設けられる。
また、前記刈取部4は刈取フレーム65の刈取下側フレーム66を前記機体フレーム1側に対して回動自在に構成し、刈取部4を回動中心S中心に外方回動させてオープンさせると、刈取搬送用無段変速装置21の周辺を開放するように構成すると(図5)、刈取搬送用無段変速装置21等のメンテナンスを容易にできて好適である。
刈取部4をオープンさせる構成は任意であり、実施例では、刈取部4の刈取フレーム65の刈取下側フレーム66をリンク機構68により外方回動するようにしている。
なお、ギヤケース50の支持構成は任意であるが、本願では扱胴駆動ギヤケース60に取付固定している。
しかして、前記刈取搬送用無段変速装置21内には油圧ポンプ75と油圧モータ76が設けられ、油圧ポンプ75と油圧モータ76の油圧回路にはチェックバルブ77を設けて、油圧ポンプ75の回転が逆転域になったとき、逆回転を油圧モータ76へ伝達させないようにしている。
そのため、刈取部4を逆転駆動させることを防止して、刈取部4の破損を防止する。
刈取搬送用無段変速装置21から刈取部4への伝動回路中にワンウエイクラッチを設ける必要が無く、コストダウンしうるコストメリットを大きくする。
また、刈取搬送用無段変速装置21のバック回路を廃止するので、刈取搬送用無段変速装置21自体のコストメリットを大きくする。
78は走行用無段変速装置20の油圧ポンプ、79は走行用無段変速装置20の油圧モータである。
しかして、前記刈取搬送用無段変速装置21には、前記走行用無段変速装置20のチャージポンプ80からのオイルを分流して供給するように構成する。
したがって、走行用無段変速装置20と刈取搬送用無段変速装置21とチャージポンプ80を共用するので、コストメリットを高くする。
また、チャージポンプ80によるオイルの供給は、ラインフィルタ81を出たあとに分流させる回路に構成する。
したがって、ラインフィルタ81を共用できるので、夫々専用のラインフィルタ81を設置する設置スペースや配管を不要にでき、コストメリットを高くし、また、オイル管理も容易になる。
脱穀装置2の前側のギヤケース50の下方空間に、バッテリー82を設けているので、バッテリー82のメンテナンス作業を容易に行える。
ギヤケース50の左側の上方のシンクロ用前側供給搬送装置13と上下中間のギヤケース50と下方のバッテリー82とをそれぞれ配置しているので、ギヤケース50の左側の上下方向の空間を有効利用できる。
ギヤケース50の外面にベルト47や前側供給チエン19等を設けているので、ベルト47や前側供給チエン19等のメンテナンスが容易になる。
ギヤケース50の出力部の反対側に刈取搬送用無段変速装置21が設けられるので、前側供給チエン19やベルト47に影響されずに刈取搬送用無段変速装置21を適正に配置できる。
したがって、刈取搬送用無段変速装置21が扱胴34の下流側に設けられているので、刈取部4が駆動するときは必ず脱穀装置2が駆動される。
また、刈取部4の駆動条件に、穀稈供給搬送装置12の駆動を条件としているので、刈取部4で刈り取られた穀稈は駆動している穀稈供給搬送装置12に引き継がれ、穀稈供給搬送装置12により扱胴34が駆動している脱穀装置2に供給され、詰まり等のトラブル発生を防止する。
なお、クラッチ83の入切の検出は、クラッチ83を入切させるモータ84への出力の有無を検知して行っているが、検出スイッチを設けてもよく、その構成は任意である。
また、前記走行用無段変速装置20と刈取搬送用無段変速装置21は、主変速レバー(図示省略)の傾倒角度に応じて、同期させて作動させるが、同期および作動させるための構成は任意であり、例えば、主変速レバーと走行用無段変速装置20および刈取搬送用無段変速装置21をリンク等の機械的構成により連結したり、主変速レバーの傾倒角度を電気的に検出し、この信号により走行用無段変速装置20と刈取搬送用無段変速装置21を電気的に制御するようにしてもよい。
シンクロ用前側供給搬送装置13とベルト47を上下方向に配置しているので、左右方向のスペースをコンパクトにする。
即ち、刈取用中間出力軸39の上方にシンクロ用前側供給搬送装置13の駆動歯車17を配置しているので、刈取用中間出力軸39と駆動歯車17の部分で平面視シンクロ用前側供給搬送装置13の前側供給チエン19とベルト47が重なるので、左右方向の設置スペースをコンパクトにする。
また、ベルト47は常時張りにしているので、刈取搬送用無段変速装置21の回転を刈取部4に遅れることなく伝達できる。
シンクロ用前側供給搬送装置13の前側供給チエン19とベルト47を上下方向に配置しているので、シンクロ用前側供給搬送装置13の前側供給チエン19とベルト47の夫々のメンテナンスを容易にする。
機体を走行させると、刈取部4が圃場の穀稈を刈り取って搬送し、刈取部4により搬送された穀稈はシンクロ用前側供給搬送装置13に引き継がれ、シンクロ用前側供給搬送装置13は穀稈を穀稈供給搬送装置12に受け渡し、穀稈供給搬送装置12は穀稈を一定速度で搬送して脱穀装置2の脱穀室に供給して脱穀する。
走行装置3は走行用無段変速装置20により主変速レバー(図示省略)を傾倒させると、走行用無段変速装置20がエンジン22の一定回転を無段階に変速して伝達し、走行速度変更可能に構成し、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13へ伝達する回転も走行装置3の走行速度に同調して変速するようにしているので、刈取部4からシンクロ用前側供給搬送装置13への引継は、回転数が同調しているので円滑に行われる。
即ち、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13は、刈取搬送専用の刈取搬送用無段変速装置21により走行速度に同調させて変速しているので、脱穀装置2と穀稈供給搬送装置12をエンジン22からの一定駆動回転で駆動して脱穀効率を向上させつつ、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13の回転を走行速度に同調させて刈取搬送用無段変速装置21により変速して、穀稈供給搬送装置12への引継を円滑・確実にする。
即ち、機体停止状態から所定走行速度の間でも、刈取搬送用無段変速装置21により刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13を十分な回転数で駆動させることができるので、機体走行開始直後から安定して刈取部4および脱穀装置2を駆動させられ、刈取作業および脱穀作業を安定・確実に行える。
しかして、エンジン22の回転が中間プーリー28に伝達され、中間プーリー28は中間軸29と中間歯車30を介してケースの中間伝動軸31に回転を伝達し、中間伝動軸31で扱胴34側と穀稈供給搬送中間出力軸41および刈取搬送用無段変速装置21とに伝動を分岐する。
中間伝動軸31の回転は穀稈供給搬送中間出力軸41に伝達されて、穀稈供給搬送中間出力軸41の回転は穀稈供給搬送装置12の終端側から入力させて、穀稈供給搬送装置12を駆動する。
したがって、穀稈供給搬送中間出力軸41は走行用無段変速装置20および刈取搬送用無段変速装置21とは無関係にエンジン22からの一定に設定された回転を、穀稈供給搬送装置12に伝達し、穀稈供給搬送装置12と扱胴34とは常時同じ関係で回転する。
刈取搬送用無段変速装置21は、穀稈供給搬送中間出力軸41を軸装したギヤケース50の操縦部6側(内側)に設けているので、機体重量バランスやギヤケース50の取付バランスを良好にする。
また、刈取搬送用無段変速装置21は刈取HST入力軸37を後側に、刈取HST出力軸38を前側に夫々配置して横置きとし、刈取HST出力軸38の上方に搬送シンクロ用出力軸40を、刈取HST出力軸38の下方に刈取用中間出力軸39を夫々配置して、刈取HST出力軸38からの出力を上下に分岐させているので、ベルト47および前側供給チエン19の配置が合理的になる。
刈取HST出力軸38からの出力を上方の搬送シンクロ用出力軸40と下方の刈取用中間出力軸39とに上下に分岐しているので、上下に交差させずに伝動機構を構成できる。
また、シンクロ用前側供給搬送装置13への伝動はギヤケース50内のギヤ伝動なので、スリップがなく、刈取部4からシンクロ用前側供給搬送装置13への引継が良好に行われ、伝動トラブルを防止できる。
図9の実施例では、刈取用中間出力軸39から回転が伝達される刈取用中間伝動軸51には、刈取用出力プーリー刈取用出力プーリー52とは別に、刈取用補助出力プーリー53を設け、刈取用補助入力プーリー53には走行用無段変速装置20により変速された回転がミッションケース27の補助刈取シンクロ機構56の刈取用補助出力プーリー54を介して伝動されるように構成しているので、刈取搬送用無段変速装置21の出力回転が標準作業ラインに満たない場合には、走行用無段変速装置20による回転を補助刈取シンクロ機構56が刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13に伝達して駆動するので、刈取作業を続行させられる。
また、微速走行している場合、車速センサの車速検出が曖昧で、刈取搬送用無段変速装置21の回転上昇の反応が鈍くて、刈取搬送用無段変速装置21の変速が補助伝動ラインの回転を下回るようなとき、補助刈取シンクロ機構56から刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13に伝達して駆動させるので、刈取作業を続行させられる。
また、補助刈取シンクロ機構56による補助伝動ラインの回転寸の変化の傾斜は、刈取搬送用無段変速装置21の標準作業ラインよりも低い回転上昇率の傾斜としているので、通常、刈取搬送用無段変速装置21によって刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置13を刈取シンクロさせる制御を優先させることがでる。
また、ギヤケース50の走行方向の左側に設けたシンクロ用前側供給搬送装置13や穀稈供給搬送装置12へ回転を伝達するベルトに影響されないで、刈取搬送用無段変速装置21を設けられる。
しかして、刈取搬送用無段変速装置21内には油圧ポンプ75と油圧モータ76が設けられ、油圧ポンプ75と油圧モータ76の油圧回路にはチェックバルブ77を設けて、油圧ポンプ75の回転が逆転域になったとき、逆回転を油圧モータ76へ伝達させないようにしているので、刈取部4を逆転駆動させることを防止して、刈取部4の破損を防止する。
この点、刈取搬送用無段変速装置21はギヤケース50の内側に設けているので、配管等とが容易となって合理的な構成になる。
同様に、チャージポンプ80によるオイルの供給は、ラインフィルタ81を通過後のオイル流路を分流させる回路に構成としているので、一層、チャージポンプ80を共用することによる設置スペースや配管を不要にでき、コストメリットを高くし、また、オイル管理も容易になる。
また、ギヤケース50の左側の上方のシンクロ用前側供給搬送装置13と上下中間のギヤケース50と下方のバッテリー82とをそれぞれ配置しているので、ギヤケース50の左側の上下方向の空間を有効利用できる。
ギヤケース50の外面に前側供給チエン19やベルト47を設けているので、前側供給チエン19やベルト47のメンテナンスが容易になる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
Claims (2)
- 走行装置(3)の前方に刈取部(4)を、走行装置(3)の上方に脱穀装置(2)を夫々設け、前記刈取部(4)で刈り取った穀稈の株元側を挟持して脱穀装置(2)の脱穀室に供給しながら搬送する穀稈供給搬送装置(12)の始端側に、シンクロ用前側供給搬送装置(13)を設け、前記穀稈供給搬送装置(12)には脱穀装置(2)の扱胴(34)と共にエンジン(22)からの一定回転を伝達し、前記シンクロ用前側供給搬送装置(13)および前記刈取部(4)は走行速度に同調して回転数を増減させる専用の刈取搬送用無段変速装置(21)により変速駆動する構成とし、該刈取搬送用無段変速装置(21)は、前記エンジン(22)の回転を前記扱胴(34)および穀稈供給搬送装置(12)に分岐して伝達するギヤケース(50)の機体内側の部位取り付けたことを特徴とするコンバイン。
- 請求項1において、前記ギヤケース(50)の機体外面側に前記刈取部(4)に回転を出力する刈取用中間出力軸(39)および前記穀稈供給搬送装置(12)に回転を出力する穀稈供給搬送中間出力軸(41)を設け、前記ギヤケース(50)の内面側には前記刈取搬送用無段変速装置(21)を設けたことを特徴とするコンバイン。
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