JP2009283693A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲート酸化膜のフラットバンド電圧のマイナス側へのシフトを抑制した半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第1導電型のシリコンカーバイド基板20を準備する工程と、シリコンカーバイド基板に、成膜温度を第1温度として水蒸気及び酸素を含有する雰囲気下で成膜して第1酸化膜32を形成する工程と、第1酸化膜上に、乾燥酸素を含有する雰囲気下で第1温度よりも低温である第2温度で熱処理を行って第2酸化膜34を形成して、第1酸化膜及び第2酸化膜により構成されるゲート酸化膜30を完成させる工程と、ゲート酸化膜上に、ポリシリコンのゲート電極40を形成する工程とを具える。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体装置の製造方法、特にシリコンカーバイド(以下、単にSiCと記す。)基板にゲート酸化膜を形成し、かつポリシリコンを材料とするゲート電極を形成する、金属−酸化膜−半導体(MOS)構造を有する電界効果型トランジスタといった半導体装置の製造方法に関する。
SiC基板は、いわゆるシリコン基板と比較して大きな熱伝導率及び電子移動度を有している。このため、SiC基板は、スイッチング素子といった高耐圧でありかつ高周波動作するいわゆるパワー半導体素子のような、より優れた電気的特性が求められる素子の製造に用いられている。
このSiC基板には、シリコン基板と同様にして、例えばゲート酸化膜として用いられるシリコン酸化膜を熱酸化により形成することができる。
しかしながら、このようにSiC基板に熱酸化膜を形成した場合には、SiC基板とこの熱酸化膜との界面に生じる界面準位、熱酸化膜中に形成される固定電荷等の原因により、理論的に得られるであろうと予測されている電気的特性が得られていないのが現実である。
このような界面準位の原因として、熱酸化膜形成時にSiC基板と熱酸化膜との界面に残留する 炭素の影響が指摘されている。
このような炭素を除去することにより、デバイスの電気的特性を向上させることを目的として、SiC基板を熱酸化して酸化膜を形成する際に、酸素(O2)及び水蒸気(H2O)を含有する雰囲気下で熱酸化膜を形成する第1ステップと、NO、N2O又はNO2を含有する雰囲気下で熱処理を行う第2ステップとを複数回繰り返して実施するゲート酸化膜の形成工程が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−201343号公報
上記特許文献1に開示の技術によれば、熱酸化膜の形成工程と、かかる工程に引き続いて行われる熱処理工程とを複数セット繰り返して実施する必要があるため、デバイスの製造工程が複雑になってしまい、完成品のスループット及び歩留まりが低下してしまうおそれがある。
また、SiC基板を用い、このSiC基板にゲート酸化膜を形成し、かつこのゲート酸化膜上に特にポリシリコンのゲート電極を形成した場合には、いわゆるフラットバンド電圧がマイナス側にシフトしてしまうため、閾値電圧がマイナスの値になってしまう、すなわちノーマリーオフの動作ができなくなるおそれがある。
上述した問題の解決を図り、かつゲート酸化膜の膜質にも起因することが知られている閾値特性の良好さを表わすS値などの電気的特性に優れたデバイスを実現することを目的として、この発明の発明者は鋭意研究を進めたところ、いわゆるウエット条件での熱酸化膜形成後の熱処理工程において、温度及びガスを含む熱処理条件を工夫することにより、容量−電圧特性(以下、単にCV特性とも称する。)におけるフラットバンド電圧のシフトといった電気的特性の悪化を防止しつつ、極めて簡易な工程でかかる問題を解決できることを見出し、この発明を完成するに至った。
すなわち、この発明の半導体装置の製造方法によれば、下記の工程を有している。
まず、上面及び当該上面と対向する下面を有している第1導電型のシリコンカーバイド基板を準備する。
シリコンカーバイド基板の上面側に、成膜温度を第1温度として水蒸気及び酸素を含有する雰囲気下で熱酸化して第1酸化膜を形成する。
第1酸化膜上に、乾燥酸素を含有する雰囲気下で第1温度よりも低温である第2温度で熱処理を行って第2酸化膜を形成して、第1酸化膜及び第2酸化膜により構成されるゲート酸化膜を完成させる。
ゲート酸化膜上に、ポリシリコンのゲート電極を形成する。
この発明の半導体装置の製造方法によれば、第1酸化膜及び第2酸化膜を、それぞれ、温度及び雰囲気を含む形成条件の最適化によって形成してこれら両方の膜により構成されたゲート酸化膜を形成する。従って、この発明の製造方法によれば、
(1)簡易な工程で、極めて 高品質かつ電気的特性に優れたゲート酸化膜を形成し得ることができ、
(2)簡易な工程で電気的特性に優れた半導体装置を歩留まりよく、より効率的に製造することができ、
(3)さらに、SiC基板とゲート酸化膜との界面での界面準位の発生、及びゲート酸化膜中の固定電荷の発生を、特に乾燥酸素雰囲気下での第2酸化膜の成膜ステップにより効果的に抑制するか、又は発生した界面準位及び固定電荷を減少させることができる。
このように、この発明の半導体装置の製造方法によれば、特にSiC基板を用い、かつポリシリコンのゲート電極を採用した場合に問題となる、フラットバンド電圧がマイナス側へ大きくシフトすることによる電気特性、特に閾値電圧の変化を簡易な工程でより効果的に防止することができる。
以下、図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、製造方法を説明する各図において、各構成要素の大きさ、形状及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示してあるに過ぎず、この発明はこれらに限定されるものではない。また、各図において、同一の構成成分については同一の番号を付して示し、その重複する説明を省略することもある。
なお、この発明の製造方法により製造されるゲート酸化膜は、SiC基板と、ポリシリコンのゲート電極とを具えており、かついわゆるMOS構造を有している電界効果型トランジスタといった従来公知の任意好適な半導体装置に適用することができる。
よって、ここでは、半導体装置の構成要素の一部であるSiC基板、ゲート酸化膜及びゲート電極にのみ着目して、図示及び説明を行う。
1.構成例
図1を参照して、この発明の製造方法により製造される半導体装置の構成例につき説明する。
図1は、この発明の半導体装置の構成を説明するための断面の切り口を示す模式図である。
半導体装置10は、上面20a及びこの上面20aと対向する下面20bを有している第1導電型、すなわちこの例ではN型であるSiC基板20を有している。
SiC基板20の導電型は、所望のデバイスの電気特性により決定されるが、N型とする場合には、N型ドーパントとして例えば窒素(N)イオンが1×1016cm-3程度ドープされているものを用いるのがよい。
このSiC基板20の一部領域には、PN接合を形成してトランジスタ動作を目的としたデバイス構造を作製するために、第2導電型である領域、この例ではP型の領域が形成されている(図示しない。)場合がある。
このような領域は、常法に従うイオン注入法により任意好適なイオン種、例えばP型の場合にはボロン(B)を注入することによって形成される 。
ここでいう、第1導電型及び第2導電型は、互いに異なる導電型であって、それぞれP型又はN型のいずれの導電型でもあり得る。
このSiC基板20の上面20a側には熱酸化膜30が設けられている。詳細は後述するが、この熱酸化膜30は、上面20a上に設けられた第1酸化膜32と、この第1酸化膜32上に設けられた第2酸化膜34とにより構成されている。
熱酸化膜30はいわゆるゲート酸化膜である。よって、熱酸化膜30の膜厚はデバイスの構造、及び所望の電気的特性を考慮して決定される任意好適な膜厚とすることができる。
熱酸化膜をゲート酸化膜として用いるSiC基板を具えるデバイス構造の一般的な技術的水準でいうと、第1酸化膜32の膜厚は好ましくは例えば5nm(ナノメートル)から500nm程度とするのがよい。
第1酸化膜32と第2酸化膜34との膜厚の比率は、製造されるデバイスに求められる電気的特性により、任意好適な比率に設定することができる。
第2酸化膜34の膜厚は、好ましくは例えば0(ゼロ)よりも厚く第1酸化膜32の膜厚の1/2程度までの範囲とするのがよく、より好ましくは例えば第1酸化膜32の膜厚の1/5程度とするのがよい。
熱酸化膜30の総膜厚は、好ましくは例えば60nm程度とするのがよい。この場合には、第1酸化膜32の膜厚を50nm程度とし、第2酸化膜34の膜厚は10nm程度とするのがよい。
この熱酸化膜30上、すなわち第2酸化膜34上には電極40が設けられている。この電極40は、いわゆる多結晶シリコン、すなわちポリシリコンを用いるポリシリコンゲート電極である。
電極40の平面的な形状及び厚みは、所望の電気的特性を考慮して任意好適なものとすることができる。電極40の厚みは、好ましくは例えば500nm程度とするのがよい。
電極40は、より低抵抗とするために、高い導電性を持つようにある特定の不純物をドープするのがよい。好ましくは例えばリン(P)、ボロン(B)といったドーパントを、所望のデバイス構造に導電型を適合させて添加して形成するのがよい。
ドーパントとしては、好ましくは例えば第1導電型、すなわちこの例ではN型のリンイオンを1×1020cm-3程度ドープするのがよい。
2.製造方法
図2を参照して、上述した構成を具える半導体装置の製造方法例につき説明する。
図2(A)、(B)及び(C)は、半導体装置の製造工程を説明するために製造途中のデバイスの断面を模式的に示した製造工程図である。
図2(A)に示されるように、SiC基板20を準備する。SiC基板20は、既に説明したように上面20a及びこの上面20aと対向する下面20bを有している。
SiC基板20は、第1導電型、すなわちこの例ではN型導電性を示し、好ましくは例えばドーパントとして窒素(N)イオンを1×1016cm-3程度含むのがよい。
次いで、SiC基板20の洗浄を行う。この工程は、後述する熱酸化膜30の形成工程の前工程として行われる工程である。
まず、SiC基板20の上面20aを、常法に従って洗浄する。この洗浄工程は、例えば硫酸及び過酸化水素水といった成分を任意好適な組成で含有する従来公知の洗浄液を用いて行うのがよい。
ここで、不可避的に形成されるいわゆる自然酸化膜を、常法に従って除去する。この除去工程は、好ましくは例えば5%程度の体積濃度の希フッ酸溶液を用いて実施するのがよい。
次に、図2(B)に示されるように、SiC基板20の上面20a側に、熱酸化膜30を形成する。
この熱酸化膜30を形成する工程は、SiC基板20の上面20a上に、第1酸化膜32を形成する第1ステップと、この第1酸化膜32を乾燥酸素雰囲気下で熱処理することにより、副産物として第1酸化膜32上に現れる、第2酸化膜34を形成する第2ステップとを含んでいる。
これら第1ステップと第2ステップとは、例えば同一処理室で連続的に実施することができる。また、第1ステップ終了後に、例えば時間をおいて異なる処理室で、第2ステップを行うこともできる。
まず、第1ステップを実施する。SiC基板20の上面20a側に、成膜温度を第1温度として成膜を行う。この第1温度による成膜工程は、気体状の水(H2O)、すなわち水蒸気及び酸素(O2)を含有する雰囲気下で行われるいわゆるウエット酸化工程である。
具体的には、好ましくは例えば温度を90℃程度とした純水を満たした水槽を用いて、O2ガスを流量を5SLM(標準リッター毎分)程度として純水にくぐらせることによりバブリングすればよい。
こうして水分(水蒸気)を含有するO2ガスを成膜室内に供給しつつ、第1温度で、25分間成膜工程を行うのがよい。なお、Oガス中に含まれる水蒸気濃度により酸化膜の成長速度が変化するため、純水の加熱温度、Oガス流量などを変更することにより水蒸気濃度を適宜調整する。
この第1温度は、好ましくは例えば1000℃程度から1300℃程度、より好ましくは例えば1100℃程度から1170℃程度までの範囲として実施するのがよい。
拡散炉、すなわち成膜室の昇温は、窒素(N)ガス等の不活性ガス中で行うこととし、酸化膜を成長させる熱酸化後、降温中もSiC基板20がほとんど酸化されなくなる温度まで、例えば500℃程度まで、既に説明した水蒸気(HO)を含む酸素(O)雰囲気を維持し続けることが肝要である。
以上の工程により、第1ステップが終了し、SiC基板20上に第1酸化膜32が形成される。
次いで、第1酸化膜32が形成されたSiC基板を乾燥酸素雰囲気下で熱処理することにより第2酸化膜34が形成される第2ステップを実施する。この第2ステップは、第1温度よりも低温である第2温度で熱処理を行う工程である。
この第2温度は、第1温度との温度差を好適な温度差に設定するのがよい。この第2温度を、好ましくは例えば第1温度より50℃から350℃程度低い温度、より好ましくは第1温度より最低でも150℃程度低い温度とするのがよい。
また、第2ステップにおける熱処理工程の場合にも、第1ステップと同様にして、すなわち昇温時には不活性ガス雰囲気とし、降温時には熱処理雰囲気と同じ乾燥酸素雰囲気を維持して熱処理工程を実施するのが肝要である。
一般的な技術水準でいうと、上述した第1温度を1170℃程度として実施し、第2酸化膜34を形成する第2ステップの第2温度を1000℃程度として1時間程度の加熱処理を実施するものとするのがよい。すなわち、この場合には、第1温度は最小でも150℃程度の温度差分だけ高い温度とするのがよい。
このように、酸素雰囲気下、第2温度を第1温度よりも150℃以上低い温度とすれば、第2ステップを行うことによる第2酸化膜34における界面準位、固定電荷等の発生を防止することができる。
この第2ステップは、既に説明した第1ステップと異なり、好ましくは例えば常圧で、乾燥したO2ガス、すなわち乾燥酸素ガスを供給しつつ行われる、いわゆるドライ酸化工程である。このとき、O2ガスは、好ましくは例えば流量を5SLM程度として供給するのがよい。
以上の工程により、第2ステップが終了し、第2酸化膜34が形成され、ゲート酸化膜に相当する熱酸化膜30が完成する。
この第2ステップにより形成される第2酸化膜34の膜厚は、第1酸化膜32の膜厚の最大でも1/5程度とするのがよい。
上述した第1ステップ及び第2ステップにおいて、成膜ガスとして酸素ガスを用いる例を説明したが、代わりにオゾン(O3)ガスを用いてもよい。
次に、形成された熱酸化膜30上、すなわち第2酸化膜34上に、ゲート電極に相当する電極40を形成する。
図2(C)に示されるように、まず、リン(P)がドープされたポリシリコン膜、すなわち前駆電極膜40Xを成膜する。この成膜は、好ましくは例えば常法に従うCVD(Chemical Vaper Deposition、化学気相堆積法)法により成膜するのがよい。
このとき、ドーパントであるリンの濃度は、設計に応じた任意好適なものとすることができるが、好ましくは例えば1×1020cm-3程度とするのがよい。また、前駆電極膜40Xの膜厚は、500nm程度とすればよい。
前駆電極膜40Xの具体的な成膜条件は、好ましくは例えば基板温度を500℃程度とし、成膜ガスとして、モノシラン(SH4)ガスを流量1000sccm程度、フォスフィン(PH3)ガスを流量150sccm(標準CC(シーシー)毎分)程度、及びキャリアガスである窒素(N2)ガスを流量5SLM程度として反応室内に供給し、反応室内の圧力を減圧状態である1333Pa(パスカル)(10Torr)程度とするのがよい。このような条件とすれば、200nm/時間程度の成長レートで成膜することができる。
次いで、フォスフィンに由来するドーパントであるリン(P)を電気的に活性化するために、熱処理(アニール処理)を行う。この熱処理は、好ましくは例えば常圧の窒素雰囲気下、850℃程度の温度で20分間程度行うのがよい。
次に、ポリシリコン膜、すなわち前駆電極膜40Xを、常法に従って、任意好適な所望の平面形状にパターニングする。このパターニング工程により、図1を参照して説明した電極40が形成される。
このパターニング工程は、常法に従う任意好適な条件でフォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行えばよい。
この発明の半導体装置の製造方法によれば、特にSiC基板を用い、かつポリシリコンのゲート電極を採用した場合に問題となる、フラットバンド電圧のマイナス側への大きなシフトによる電気的特性の悪化をより効果的に防止することができる。
ここで、この発明の半導体装置及びその製造方法とフラットバンド電圧のシフトとの関係について、図3、図4及び図5を参照して説明する。
図3(A)及び(B)は、容量−電圧特性の説明図であって、縦軸に規格化された容量をとって示してあり、横軸に印加電圧(V:ボルト)をとって示してある。図3は、上述した第1酸化膜の成膜工程と同様のいわゆるウエット条件で成膜後、降温時の雰囲気をアルゴンガスに置換して熱酸化膜を形成した例である。
なお、(A)図は対照データであって、ゲート電極に相当する電極としてアルミニウム電極を用いた構成のデータである。(B)図は、既に説明したように形成されたポリシリコン電極を用いた構成のデータである。なお、図3(A)及び図3(B)の測定に用いた評価用デバイスは、電極材料を除き、同一の構成を有している。
この評価用のデバイスは、上述したようなSiC基板と、SiC基板に形成された熱酸化膜と、この熱酸化膜上に形成されている電極とを具えるいわゆるMOS構造を有しているキャパシタである。
各電極の厚みは、この例では400nm程度とし、その平面形状をこの例では100μm×200μm程度の長方形とした。
また、アルミニウム電極は、従来公知の抵抗加熱蒸着法により形成したものを用いた。
抵抗加熱蒸着法によってアルミニウム電極を形成すれば、特に熱酸化膜に対して熱及びイオンによる衝突ダメージを与えないことが知られている。よって、熱酸化膜のCV特性の評価に際しては、かかる製法により形成されたアルミニウム電極が従来から一般的に使用されている。
図3(A)と図3(B)との比較から理解されるように、ウエット条件で形成された熱酸化膜上にポリシリコン電極を形成した場合には、アルミニウム電極を形成した場合と比較して5V程度のフラットバンド電圧のマイナス側へのシフトがみられる。すなわち、ウエット条件で形成された熱酸化膜上にポリシリコン電極を形成した場合には、この形成プロセスが熱酸化膜に電気的な悪影響を及ぼすことがわかる。
図4は、容量−電圧特性の説明図であって、縦軸に規格化された容量をとって示してあり、横軸に印加電圧(V)をとって示してある。図4は、上述した第1酸化膜の成膜工程と同様のいわゆるウエット条件で成膜後、成膜雰囲気を維持しつつ降温して形成された熱酸化膜上にアルミニウム電極を設けた例である。
なお、図4の測定に用いた評価用デバイスは、熱酸化膜を除き、既に説明した図3(A)にかかる評価用デバイスと同一の構成、すなわちアルミニウム電極を具えている。
この例の界面準位密度は、4×1011cm-2程度であり、固定電荷密度は9×1011cm-2eV-1程度であった。また、フラットバンド電圧は−2V程度とシフト量が極めて小さいことがわかる。
すなわち、図3(A)及び図4の結果から、熱酸化により形成された酸化膜は、降温時の雰囲気により界面準位および固定電荷密度が変化することがわかる。
降温時の雰囲気に酸化を引き起こす成分があることで、酸化膜中に取り残されていた炭素(C)が降温の余熱により酸化されて、より均一なシリコン(Si)と酸素(O)から成る酸化膜が形成されるものと考えられる。
さらに、図3(A)及び(B)から、通常のシリコン基板に形成されるMOSデバイス等で用いられているような、ポリシリコン膜をCVD法により形成後、活性化アニール工程を実施しても、SiC基板の場合には、フラットバンドがマイナス側に大きくシフトしてしまい、所要の電気特性を得られないことがわかる。
酸化膜の製法により、膜中に残る極微量の炭素(C)、水酸基(OH基)、あるいはこれらの複合体の含まれる量が、シリコン基板をドライ酸化してできるシリコン基板上のシリコン酸化膜とは違うために、ポリシリコンのようなN型あるいはP型導電性電極との接合により電気的なバランスが崩れて、フラットバンド電圧がシフトすると考えられる。
図5(A)及び(B)は、既に説明した図3及び図4と同様の容量−電圧特性の説明図であって、縦軸に規格化された容量をとって示してあり、横軸に印加電圧(V)をとって示してある。図5は、上述した第2酸化膜と同様のいわゆるドライ条件でゲート酸化膜を形成した例である。
(A)図は対照データであって、ゲート電極に相当する電極としてアルミニウム電極を用いた構成のデータである。(B)図は、既に説明したように形成されたポリシリコン電極を用いた構成のデータである。なお、図5(A)及び図5(B)の測定に用いた評価用デバイスは、電極材料を除き、同一の構成を有している。
図5(A)と図5(B)との比較から、ドライ条件で形成された熱酸化膜上にポリシリコン電極を形成した場合と、アルミニウム電極を形成した場合とを比較すると、ドライ条件で電極形成を行った場合にはフラットバンド電圧のシフトがほとんど起きないことがわかる。
すなわち、ドライ条件下で熱酸化により形成されたゲート酸化膜を有するMOSキャパシタのC−V特性は、確かに、図5(A)及び(B)のいずれもフラットバンド電圧が、−10V程度とマイナス側に大きくシフトしている。
しかしながら、図3(A)及び(B)のウエット条件で示したようなアルミニウム、ポリシリコンといった電極材料による差異はほとんどないと言える。
以上から、図4に示したようなフラットバンド電圧の0(ゼロ)に近い良質のゲート酸化膜の膜質を維持しつつ、しかもポリシリコンのゲート電極を形成してもそのフラットバンド電圧はアルミニウム電極で測った値とほとんど変化しない、良好なC−V特性を実現できることが推察される。
なお、図5(A)にかかるデバイスの界面準位密度は5×1012cm-2程度であり、固定電荷密度は8×1012cm-2eV-1程度であった。
この発明の製造方法によれば、ゲート酸化膜、すなわち熱酸化膜を形成するにあたり、ウエット条件による第1酸化膜の形成後、ドライ条件で第2酸化膜を形成、すなわちアニール処理するため、特に図4を参照して説明したデバイスのようなウエット条件により形成された第1酸化膜の優れたCV特性を、ポリシリコンの電極を用いた場合でも、第2酸化膜の形成工程により最大限維持することができる。
半導体装置の構成を説明するための断面を示す模式図である。 半導体装置の製造工程を説明するために製造途中のデバイスの切断面を模式的に示した製造工程図である。 容量−電圧特性の説明図(1)である。 容量−電圧特性の説明図(2)である。 容量−電圧特性の説明図(3)である。
符号の説明
10:半導体装置
20:第1導電型基板(SiC基板)
20a:上面
20b:下面
30:熱酸化膜(ゲート酸化膜)
32:第1酸化膜
34:第2酸化膜
40:電極(ゲート電極)
40X:前駆電極膜

Claims (3)

  1. 上面及び当該上面と対向する下面を有している第1導電型のシリコンカーバイド基板を準備する工程と、
    前記シリコンカーバイド基板の前記上面側に、成膜温度を第1温度として水蒸気及び酸素を含有する雰囲気下で熱酸化して成膜して第1酸化膜を形成する工程と、
    前記第1酸化膜上に、乾燥酸素を含有する雰囲気下で前記第1温度よりも低温である第2温度で熱処理を行って第2酸化膜を形成して、前記第1酸化膜及び当該第2酸化膜により構成されるゲート酸化膜を完成させる工程と、
    前記ゲート酸化膜上に、ポリシリコンのゲート電極を形成する工程と
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記ゲート酸化膜を完成させる工程は、前記第2温度を、前記第1温度と当該第2温度との温度差を最小でも150℃とする温度に設定して、前記第2酸化膜を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記ゲート酸化膜を完成させる工程は、前記第2酸化膜の膜厚を、0(ゼロ)よりも厚く、かつ前記第1酸化膜の膜厚の1/2までの範囲として形成する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011176158A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置の製造方法

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