JP2009281254A - ハイブリッド車両の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド車両のエンジン始動時におけるエミッションの悪化を効果的に抑制する。
【解決手段】エンジン200の排気経路に、三元触媒900と、蓄熱体440を備えた蓄熱EHC400とを備えたプラグインハイブリッド車両たるハイブリッド車両10において、ECU100は、バッテリ充電制御を実行する。当該制御においては、充電プラグ700を介した外部電源20からの電力供給が存在する場合に、バッテリ600の充電がなされ、また当該充電の終了後に蓄熱EHC400への通電が開始される。この通電によりヒータ430は発熱するが、この発熱により生じた熱は、蓄熱体440に蓄積され、三元触媒420への熱付与に供される。ECU100は、蓄熱体温度Tc1が三元触媒420への熱付与を十分に行い得るものとして規定された基準値Tc1th以上である場合に、蓄熱EHC400への通電を終了する。
【選択図】図4

Description

本発明は、動力源として電動機及び内燃機関を備えたハイブリッド車両の排気浄化装置の技術分野に関する。
ハイブリッド車両として、内燃機関の排気経路にEHC(Electric Heating Catalyst:電気加熱式触媒)を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたハイブリッド車の排気ガス低減装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、モータ起動中且つエンジン停止中に予め触媒を加熱しておき、制御ユニットにより触媒が活性化十分温度に達したことを判断してからエンジン駆動を許可することによって、始動時に発生する排気ガスの効率良い浄化が可能となるとされている。
尚、電気加熱可能な蓄熱材を備えた触媒コンバータも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、断熱構造を有する触媒と電気加熱式のヒータを備えた燃料改質装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平8−338235号公報 特表2003−521627号公報 特開2006−125313号公報
ハイブリッド車両は、始動時、軽負荷時或いは低速走行時等において、電動機の動力のみで所謂EV(Electric Vehicle)走行を行うことが可能であり、そのようなEV走行がなされる期間においてEHC等に通電を行って触媒の暖機を図ることが可能である。ところが、ハイブリッド車両の駆動条件は多種多様であり、ハイブリッド車両の始動後に間を置かずして内燃機関の始動が要求される可能性は必ずしも低くない。そのような場合、従来の技術では、触媒温度が不十分であれば内燃機関の始動が許可されないため、電動機が、理論上の又は制御上の出力範囲を超えた動作を要求されたとしても、内燃機関の動力を車両の走行に供することができずに動力性能が著しく低下してしまう。実践的にみれば、この種の動力性能の低下は回避せざるを得ず、このような場合には結局、触媒温度が不十分なまま内燃機関の始動を許可せざるを得なくなってエミッションの悪化が回避され難い。
また、この種の通電が、バッテリ等蓄電手段から持ち出した電力により行われる場合、蓄電手段に蓄電された蓄電電力は、その通電の度合いに応じて減少することとなり、例えばEV走行が可能となる距離の減少や、EV走行が可能となる負荷条件の縮小等、ハイブリッド車両の走行性能の低下を招き易い。即ち、従来の技術には、内燃機関の始動時におけるエミッションの悪化を回避することが、少なくとも実践的にみて著しく困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ハイブリッド車両の走行性能の低下を抑制しつつ内燃機関の始動時におけるエミッションの悪化を回避し得るハイブリッド車両の排気浄化装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置は、内燃機関と、前記内燃機関と共に動力源として機能する少なくとも一つの電動機と、前記電動機の電源として機能し、外部電源から供給される外部電力を使用した充電が可能な蓄電手段とを備えたハイブリッド車両の排気浄化装置であって、前記内燃機関の排気経路に設置され、前記内燃機関の排気を浄化可能な第1の触媒と前記外部電力を使用した通電により該第1の触媒を加熱可能な加熱手段とを含む電気加熱式触媒を少なくとも含んでなる触媒システムと、前記充電及び前記通電を行うための通電手段と、前記排気経路に設置され、前記通電により生じた熱を蓄積可能であると共に該蓄積された熱たる蓄積熱を前記触媒システムに付与可能な蓄熱手段と、前記外部電力が供給される外部電力供給期間において、前記通電がなされるように前記通電手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明における「内燃機関」とは、例えば複数の気筒を有し、当該複数の気筒の各々における燃焼室においてガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料が燃焼した際に発生する爆発力たる動力の少なくとも一部を、例えばピストン及びコネクティングロッド等の機械的な伝達経路を経て、例えばクランク軸等の出力軸を介してハイブリッド車両の車軸に出力可能な機関を包括する概念であり、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。
また、本発明に係るハイブリッド車両には、内燃機関とは異なる動力源としての、例えば、モータ或いはモータジェネレータ等の形態を採り得る電動機が備わり、例えばインバータや各種のPCU(Power Control Unit)等を介した、電流制御、電圧制御又は電力制御等各種の動力制御により、車軸に対し、バッテリ等からの放電電力に応じた動力を出力可能に構成される。尚、この内燃機関における、例えばクランクシャフト等の機関出力軸には、例えば直接的に又は間接的に、ジェネレータ或いはモータジェネレータ等の形態を採り得る発電機が接続され、内燃機関の動力により適宜発電可能に構成されていてもよい。
本発明に係るハイブリッド車両には、この電動機の電源として機能し得るように構成された、例えばハイブリッドバッテリ等の蓄電手段が備わる。この蓄電手段は、好適な一形態として、例えば本発明に係る電動機が電力回生手段として機能する場合等にはその回生電力により、また例えばハイブリッド車両が発電機を備える場合にはその発電電力により適宜に充電され得ると共に、本発明では特に、外部電源から供給される外部電力(即ち、ハイブリッド車両内部で生成される電力とは異なる)を使用した充電が可能に構成される。
ここで、「外部電源」とは、例えば家庭に設置された設置型の又は可搬性を有する各種電源(好適な一形態として、例えば家庭用コンセント及び専用又は汎用の充電プラグ等を適宜含む)、或いは市街地又は郊外地に、専用又は汎用のインフラ設備等として設置された(好適な一形態として、例えばガソリンスタンドやそれに類するインフラ施設等に付設されていてもよい)各種電源等を指す。即ち、本発明に係るハイブリッド車両は、蓄電手段の充電状態をドライバの意思等に基づいて比較的自由に制御することが可能に構成された、所謂プラグインハイブリッド車両である。
本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置は、内燃機関の排気経路に、例えばEHC等の電気加熱式触媒排気を含む、排気を浄化可能な排気浄化システムを備える。この電気加熱式触媒は、例えば、三元触媒、NSR触媒(NOx吸蔵還元触媒)又は酸化触媒の各種形態を採り得る、或いはその設置場所によりS/C(Start Converter)触媒又は床下触媒等各種の形態を採り得る第1の触媒と、外部電源から供給される外部電力による通電を受けて発熱し、この第1の触媒を直接的に又は間接的に加熱することが可能に構成された、例えば熱線、ヒータコイル、電気抵抗体、又はセラミックヒータ等の形態を採り得る加熱手段とを少なくとも含んで構成される。
加熱手段の構成(とりわけ物理的、機械的及び電気的な構成)は、加熱手段が、通電がなされた際に第1の触媒に対し熱供与を行うことにより第1の触媒を加熱可能(言い換えれば、暖機可能)である限りにおいて何ら限定されず、例えば第1の触媒の一部又は全体を熱線或いはそれに類する手段が取り囲み、直接的な熱伝達により触媒を暖機せしめる構成であってもよいし、例えば触媒の排気上流側にヒータ等として設置され、例えば輻射熱により触媒を間接的に暖機せしめる構成であってもよい。また、視覚的に必ずしもこれらが一体に構成されている必要も無い。
本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置には、上述した充電及び通電を行うための、例えば電流制御回路、電圧制御回路、電力制御回路、スイッチング回路又は整流回路等の各種電気回路及び各種電気配線等の各種要素を適宜に含む通電手段が備わる。通電手段の構成は、外部電源、蓄電手段及び電気加熱式触媒(とりわけ加熱手段)相互間の物理的、機械的又は電気的接続態様に応じて各種の態様を採り、例えば、外部電力の供給経路が蓄電手段側と電気加熱式触媒側との少なくとも二系統存在する場合には、好適な一形態として、これらを少なくとも選択的に切り替え可能な切り替え手段等を備えていてもよいし、例えば、外部電力が直接加熱手段に供給されない場合等には、外部電力を蓄電手段に導く電気系統と、蓄電手段から加熱手段へ電力供給を行う電気系統とに分割されていてもよい。如何なる形態を採るにせよ、本発明に係る「通電手段」とは、通電及び充電のうち少なくとも一方の実行状態を二値的に、段階的に又は連続的に可変に構成された物理的、機械的、機構的、電気的、磁気的又は化学的な手段を包括する概念である。
本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置は、内燃機関の排気経路に、加熱手段に対する通電により生じた熱を蓄積可能な、即ち蓄熱可能な蓄熱手段を備える。ここで、「蓄熱」とは、直接的にせよ間接的にせよ供与された熱の少なくとも一部を、少なくとも実践的見地から定義される有意な期間にわたって保持し得る(無論経時的に保持量の低下が生じてもよい)手段を包括する概念であって、係る蓄熱の作用が、材料又は材質等に由来するものであってもよいし、形状、配置又は物理構造等に由来するものであってもよい趣旨である。蓄熱手段は、通電により加熱手段を介して生じた熱を蓄積可能であると共に、蓄積熱を触媒システムに直接的及び間接的の別を問わず付与可能である限りにおいて、如何なる構成(例えば形状及び触媒システムとの間の位置関係等を含む)及び構造(例えば材料及び材質等を含む)を有していてもよい。
一方、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る制御手段が、外部電源から外部電力が供給される外部電力供給期間において加熱手段に対する通電がなされるように通電手段を制御する。
ここで、ハイブリッド車両が外部電源と電気的に接続され、外部電力の供給がなされている状況において、ハイブリッド車両は、高い確率で内燃機関及び電動機が共に停止した所謂ソーク状態にある。ソーク状態においては、内燃機関の冷却(尚、ここで言う「冷却」とは、好適には、燃焼室における熱生成が停止することにより経時的に進行する冷却を意味する)が進行し、同時に第1の触媒の冷却も進行する。一方で、第1の触媒は、例えば触媒活性温度未満の低温度領域等において、予め期待される排気浄化作用が得られ難い性質を有する。従って、内燃機関の始動時におけるエミッションの悪化を回避する観点からは、内燃機関の始動時に既に第1の触媒が活性温度に達している、或いは少なくとも何らの対策も講じられぬまま放置されている場合と較べて幾らかなり第1の触媒の温度上昇又は温度維持が図られるのが望ましい。
このような観点からみれば、外部電力の供給が存在する状況においては、係る外部電力の少なくとも一部を使用して、或いは蓄電手段に蓄電された蓄電電力の一部を使用して、その実行の度合いはさておき通電を実行し、第1の触媒の温度低下を幾らかなり抑制しておくことが望ましい形態の一となり得る。この場合、ハイブリッド車両がソーク状態から脱した際(例えば、イグニッション操作がなされた場合等を指し、必ずしも外部電力の供給が停止した時期と符合しない)に、例え即座に内燃機関の始動が要求されたとしても、排気が全く浄化されぬまま車外に排出されるといった事態は防止される。
補足すれば、家庭内やインフラ施設等に設置された充電装置を介した充電経路を有さぬハイブリッド車両(即ち、好適な一形態として、ハイブリッド車両の走行中や一時停止中に、内燃機関又は電動機或いは発電機等を利用して適宜充電を行う以外に充電をなし得ない構成を有するハイブリッド車両)では、ソーク中に蓄電電力を使用することは、理論的には可能であれ実質的には不可能であり(ソーク時間は、一時的なソークから長期間のソークまで存在するため、蓄電手段が完全放電する可能性を排除できない)、ソーク状態における触媒冷却の進行を食い止めることが実践上不可能に近い。それに対し、外部電力により充電可能な蓄電手段を有することに着目し、外部電力の供給中に加熱手段に対し通電が行われた場合には、蓄電手段の蓄電量の減少を招くことなく、第1の触媒を内燃機関の始動以前に暖機することが可能となるのである。即ち、本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置によれば、ハイブリッド車両の走行性能の低下を抑制しつつ内燃機関の始動時におけるエミッションの悪化を回避することが可能となるのである。
ここで特に、本発明においては、排気経路に蓄熱手段が設置されており、このような外部電力供給期間においてなされる通電に際し生じた熱が蓄積され、且つ即座に、然るべき時間経過を経た後に、或いは然るべき制御がなされた際に、蓄積熱が触媒システム、例えば第1の触媒或いはその他の触媒に付与され得る。この蓄積熱は、蓄熱手段を有さぬ構成においては、結局外界に放出され大部分が無駄に廃棄される熱であり、蓄熱に際して別途余分な電気エネルギを消費することがない。一方で、蓄積熱が触媒システムに幾らかなり付与されれば、触媒システムの暖機は、その付与の度合いに応じて幾らかなり促進される。即ち、蓄熱手段が備わることにより、外部電力をより有効に利用することが可能となる。
外部電力の供給は、日常的な作業として行われる(例えば、自宅ガレージに待機中に蓄電手段の蓄電量によらず言わばルーチンワークとしてなされる場合等)場合も、幾らかなり必要にせまられてなされる(例えば、蓄電手段の蓄電量が不足している等の理由で、充電をなすべく、例えば上述した各種インフラ施設においてなされる場合等)場合もあるから、外部電力供給期間の長さは、その都度変化し得る。また、内燃機関の始動がいつ要求されるかもまたその都度変化し得る(即ち、通常、ハイブリッド車両の始動時や軽負荷走行時等においては、内燃機関の始動は要求されない場合が多いが、ハイブリッド車両の始動後即座に高負荷走行が要求されれば、内燃機関はハイブリッド車両の始動後間を置かずして始動を要求される可能性もある)。従って、内燃機関の始動時に触媒を可及的に暖機しようとした場合には、加熱手段への通電時間が総じて長くなり易く、外部電力の消費量が大きくなり易い。
その点、本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置によれば、触媒システムへの熱付与が可能に設置された蓄熱手段に熱を蓄積することが可能であり、例えば好適な一形態として、蓄電手段に触媒システムへの熱付与を十分に行い得る程度に熱が蓄積された状況においては通電を一時的に停止する等の措置を講じることによって、外部電力の消費量を抑制することができる。また、触媒システムの暖機を、加熱手段に加えてこの蓄熱手段によっても行うことが可能である点に鑑みれば、触媒システムの暖機に要する時間の短縮によるエミッションの抑制も可能となる。即ち、ハイブリッド車両の走行性能の低下を抑制しつつ内燃機関の始動時におけるエミッションの悪化を回避する旨の利益が、外部電力の消費量抑制による高い経済性と共により好適に享受されるのである。
本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置の一の態様では、前記制御手段は、前記充電が終了した後に前記通電が開始されるように前記通電手段を制御する。
この態様によれば、外部電力供給期間において、蓄電手段の充電が優先されるので、EV走行可能な距離又は時間或いは負荷を可及的に担保することが可能となる。外部電力の供給は、本来蓄電手段の充電を主目的としてなされる場合が多いから、このように充電終了後に加熱手段への通電が開始された場合には、ドライバの意思を可及的に尊重することが可能となる。
本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置の他の態様では、前記蓄熱手段の蓄熱状態を特定する特定手段を更に具備し、前記制御手段は、前記特定された蓄熱状態に基づいて前記通電手段を制御する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る特定手段により、蓄熱手段の蓄熱状態が特定される。ここで、蓄熱手段に十分な蓄積熱が存在すれば、この蓄積熱を使用して触媒システムの暖機を図ることが可能となり、加熱手段への通電の必要性は低下する。即ち、この態様によれば、制御手段が、係る特定された蓄熱状態に基づいて通電手段を制御するため、外部電力の無駄な消費を可及的に抑制することが可能となる。
尚、本発明に係る「特定」とは、特定対象又は特定対象と相関する物理量を所定の検出手段を介して直接的に又は間接的に検出すること、当該検出手段を介して直接的に又は間接的に検出された特定対象と相関する物理量に基づいて予め然るべき記憶手段等に記憶されたマップ等から該当する値を選択すること、この種の特定対象と相関する物理量又は選択された値等から、予め設定されたアルゴリズムや計算式に従って導出すること、或いはこのように検出、選択又は導出された値等を、例えば電気信号等の形で単に取得すること等を包括する広い概念である。係る概念の範囲において、特定手段は、例えば蓄熱手段において蓄積熱の量に応じて変化する部位に設置された温度センサ等の検出手段から検出結果としての温度を取得することにより係る特定を行ってもよい。
また、制御手段が蓄熱状態に基づいて通電手段を制御する際の制御態様は、この種の制御がなされない場合と比較して幾らかなり外部電力を高効率に使用し得る限りにおいて何ら限定されず、例えば、蓄熱手段の温度が予め触媒システムへ十分な熱付与を行うことが可能であるものとして実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて設定されてなる基準値未満である場合に通電が行われてもよいし、通電量が段階的に又は連続的に可変である場合等には、蓄熱状態を規定する各種の指標値に応じて通電量が段階的にまたは連続的に可変に制御されてもよい。
本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置の他の態様では、前記制御手段は、予め前記外部電力の取得に要する費用が基準となる費用に対し低いものとして設定された期間において前記通電がなされるように前記通電手段を制御する。
この態様によれば、外部電力供給期間における、例えば夜間等、外部電力の取得に要する費用が、基準となる費用、例えば夜間以外のそれと比較して低い期間(このような期間の設定の有無及び態様は、外部電力を供給する、例えば電力会社等が、例えば個別具体的に設定し得る性質のものである)において通電がなされるため、経済的に有利である。
本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置の他の態様では、前記蓄熱手段は、前記電気加熱式触媒と共に、蓄熱電気加熱式触媒の一部として設置される。
この態様によれば、加熱手段への通電により生じる熱が、効率的に蓄熱手段へ供与されるため、蓄熱手段に効率的に熱を蓄積することが可能となる。従って、電力消費を抑制することが可能となる。
尚、この態様では、前記触媒システムは、前記蓄熱電気加熱式触媒の上流側に設置された、前記内燃機関の排気を浄化可能な第2の触媒を含んでもよい。
蓄熱手段は、一旦蓄熱された状態となれば、その状態を維持可能である反面、蓄熱するまでには相応の時間を要する場合が多い。このため、通電に割ける時間が十分でない場合、蓄熱電気加熱式触媒は十分に暖機されない可能性がある。この態様によれば、触媒システムが、蓄熱電気加熱式触媒の上流側に、例えば、三元触媒、NSR触媒(NOx吸蔵還元触媒)又は酸化触媒の各種形態を採り得る第2の触媒を備えるため、例えば蓄熱電気加熱式触媒の通電時間が十分でない場合等に内燃機関が始動を要求された場合には、第2の触媒の暖機を優先した燃焼形態を選択する等の措置を講じることによって、エミッションの悪化を可及的に抑制することが可能となる。
本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置の他の態様では、前記触媒システムは、前記電気加熱式触媒の下流側に設置された、前記内燃機関の排気を浄化可能な第3の触媒を更に含み、前記蓄熱手段は、該第3の触媒と共に蓄熱触媒の一部として設置される。
この態様によれば、触媒システムが、電気加熱式触媒の下流側に、例えば、三元触媒、NSR触媒(NOx吸蔵還元触媒)又は酸化触媒の各種形態を採り得る第3の触媒を備えており、蓄熱手段が、この第3の触媒と共に、蓄熱触媒を構成する。この場合、蓄熱手段と電気加熱式触媒とを一体に構成する必要はなく、排気浄化装置の構成の複雑化による耐久性やメンテナンス性の低下或いはコストの増加が抑制される。
本発明に係るハイブリッド車両の排気浄化装置の他の態様では、前記制御手段は、前記ハイブリッド車両の始動時に前記通電がなされるように前記通電手段を制御する。
この態様によれば、ハイブリッド車両の始動時(必ずしも内燃機関の始動時と一致せず、好適には、内燃機関の始動タイミングよりも時系列上十分に前である)に通電がなされる。ハイブリッド車両が始動すれば、内燃機関は、所謂モータリング状態となり、燃焼は行われずとも機械的に吸排気動作が行われる。このため、吸入された外気がほぼそのまま排気として排出されるが、この排気は、通電されて加熱された触媒を通過する過程で電気加熱式触媒からの熱供与を受けて昇温し、蓄熱触媒を構成する蓄熱手段に熱を付与することが可能である。
このように蓄熱触媒で蓄熱が行われ得る点に鑑みれば、外部電力供給期間のみならず、ハイブリッド車両の始動時における通電量を抑制することが可能となり、蓄電手段からの電力の持ち出し量を抑制することが可能となって、ハイブリッド車両の走行性能への寄与が大となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両10の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両10の構成を概念的に表してなる模式的なブロック図である。
図1において、ハイブリッド車両10は、減速機構11及び車輪12、並びにECU100、エンジン200、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)、動力分割機構300、蓄熱EHC400、PCU500、バッテリ600、充電プラグ700、切り替えスイッチ800及び三元触媒900を備えた、本発明に係る「ハイブリッド車両」の一例である。
減速機構11は、エンジン200及びモータジェネレータMG2から出力された動力に応じて回転可能に構成された、デファレンシャルギア(不図示)等を含んでなるギア機構であり、これら動力源の回転速度を所定の減速比に従って減速可能に構成されている。減速機構11の出力軸は、ハイブリッド車両10の車軸(符号省略)に連結されており、これら動力源の動力は、回転速度が減速された状態で当該車軸及び当該車軸に連結された、駆動輪としての車輪12に伝達されるように構成されている。
尚、減速機構11の構成は、エンジン200及びモータジェネレータMG2から供給される動力を、その動力に基づいた軸体の回転速度を減速しつつ車軸に伝達可能である限りにおいて何ら限定されず、単にデファレンシャルギア等を含んでなる構成を有していてもよいし、複数のクラッチ及びブレーキ並びに遊星歯車機構により構成される所謂リダクション機構として複数の変速比を得ることが可能に構成されていてもよい。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ハイブリッド車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「ハイブリッド車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するバッテリ充電制御を実行することが可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「制御手段」及び「特定手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、ハイブリッド車両10の主たる動力源として機能するように構成された、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンである。ここで、図2を参照し、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、エンジン200の一断面構成を概念的に且つ模式的に例示する模式断面図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、エンジン200は、気筒201内において燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。また、クランクシャフト205の近傍には、クランクシャフト205の回転位置(即ち、クランク角)を検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。尚、エンジン200は、紙面と垂直な方向に4本の気筒201が直列に配されてなる直列4気筒エンジンであるが、個々の気筒201の構成は相互に等しいため、図2においては一の気筒201についてのみ説明を行うこととする。
尚、本発明に係る「内燃機関」は、ガソリンエンジンに限らず、軽油を燃料とするディーゼルエンジン又はアルコールとガソリンとの混合燃料を使用可能なバイフューエルエンジン等の形態を有していてもよい。また、ガソリンエンジンであるにせよ、その気筒配列は、直列に限定されない。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート210において、インジェクタ212から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。燃料は、図示せぬ燃料タンクに貯留されており、図示せぬフィードポンプの作用により、図示せぬデリバリパイプを介してインジェクタ212に圧送供給されている。尚、燃料を噴射する噴射手段の形態は、図示するような所謂吸気ポート噴射型インジェクタの構成を採らずともよく、例えば、フィードポンプ或いは他の低圧ポンプにより圧送される燃料の圧力を更に高圧ポンプによって昇圧せしめ、高温高圧の気筒201内部へ燃料を直接噴射することが可能に構成された、所謂直噴インジェクタ等の形態を有していてもよい。
気筒201内部と吸気管207とは、吸気バルブ211の開閉によってその連通状態が制御されている。気筒201内部で燃焼した混合気は排気となり吸気バルブ211の開閉に連動して開閉する排気バルブ213の開弁時に排気ポート214を介して排気管215に導かれる。排気管215は、本発明に係る「排気経路」の一例である。
一方、吸気管207における、吸気ポート210の上流側には、図示せぬクリーナを経て導かれた吸入空気に係る吸入空気量を調節するスロットルバルブ208が配設されている。このスロットルバルブ208は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ209によってその駆動状態が制御される構成となっている。尚、スロットルバルブモータ209は、基本的には不図示のアクセルポジションセンサにより検出されるアクセル開度に応じたスロットル開度が得られるように、ECU100により駆動制御されるが、その駆動制御に際してドライバの意思が介在する必要はなく(無論、ドライバの意思に反することのない範囲である)、言わば自動的にスロットル開度を調整することも可能である。即ち、スロットルバルブ209は、一種の電子制御式スロットルバルブとして構成されている。
排気管215には、三元触媒900が設置されている。三元触媒900は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能に構成された、本発明に係る「第2の触媒」の一例たる触媒コンバータである。
一方、排気管215における三元触媒900の下流側には、蓄熱EHC400が設置されており、三元触媒900と共に、本発明に係る「触媒システム」の一例を構成している。蓄熱EHC400は、本発明に係る「蓄熱電気加熱式触媒」の一例である。ここで、図3を参照し、蓄熱EHC400について説明する。ここに、図3は、排気管215の伸長方向に沿った蓄熱EHC400の一断面構成を概念的に表してなる模式断面図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図3において、蓄熱EHC400は、ケース410、三元触媒420、ヒータ430及び蓄熱体440を備える。
ケース410は、その内部に三元触媒420、ヒータ430及び蓄熱体440を収容する、蓄熱EHC400の筐体である。ケース410は、排気の流れと直交する方向(即ち、紙面と垂直な方向である)の断面が円環状をなす電気絶縁性を有する円筒状部材である。
三元触媒420は、三元触媒900と同様に、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能に構成された、本発明に係る「第1の触媒」の一例たる触媒コンバータである。
ヒータ430は、外周部がケース410の内周部と接するようにケース410に収容され、ケース410と同様に排気の流れと直交する方向の断面が円環状をなす電気抵抗体であり、本発明に係る「加熱手段」の一例である。ヒータ430は、少なくとも電気的な絶縁特性は有しておらず、後述するように通電されることにより印加電圧に応じた電流が生じるように構成されている。
ヒータ430の外周部及び内周部には図示せぬ一対の電極が形成されており、一方の電極は電位的に接地されている(尚、ケース410が係る接地電位を有する構成であってもよい)。他方の電極は、図示せぬ電気配線(これもまた、本発明に係る「通電手段」の一例である)を介してPCU500及び切り替えスイッチ800の出力端子Bと選択的に接続される構成となっている。係る構成の下、ヒータ430には、PCU500又は切り替えスイッチ800を介して通電がなされる構成となっている。
この際、ヒータ430を構成する材料は、通電により発熱を伴い得る限りにおいて、例えば電気抵抗値或いは導電率といった導電性を規定する物性値によって限定されるものではなく、例えば相対的に高い導電特性(即ち、相対的に低い電気抵抗値により規定される導電特性)を有する例えば金属材料や、相対的に低い導電特性(即ち、相対的に高い電気抵抗値により規定される導電特性)を有する、一般的には抵抗体と称されるような材料であってもよい。三元触媒420とヒータ430とにより、本発明に係る「電気加熱式触媒」の一例が構成されている。
蓄熱体440は、外周部がヒータ430の内周部と接し、内周部が三元触媒420の外周部と接するように円環状に配置されてなる、本発明に係る「蓄熱手段」の一例である。蓄熱体440は、セラミック素材で構成され、排気管215と交わる方向の断面がハニカム状をなすハニカム構造体である。蓄熱体440は、ヒータ430が通電により発熱すると、その熱を蓄積すると共に、三元触媒420との温度差に応じて、蓄積熱を三元触媒420に伝達することが可能に構成されている。
尚、ヒータ及び蓄熱体の構成、構造、及び材料は、夫々通電による加熱及び蓄熱が可能である限りにおいてヒータ430及び蓄熱体440のものに限定されない。例えば、ヒータは、排気管215と交わる方向の断面が渦状をなすように形成され、三元触媒の上流側に配置されていてもよい。この場合、当該ヒータと三元触媒との間に、蓄熱体が設置されていてもよい。この場合、蓄熱体は、例えば、排気管215の伸長方向に延びる複数の排気流路を備え、これら個々の排気流路が、上述したハニカム構造をなしていてもよい。即ち、この場合、通電によりヒータから発せられ、蓄熱体に蓄熱された熱は、三元触媒の上流側から順に三元触媒に伝達され、三元触媒を加熱してもよい。また、蓄熱体は、ステンレス等からなる薄いメッシュを微小間隔で配列したものであってもよいし、ステンレス等の金属製繊維を集合させた不織布等により構成されていてもよい。
図2に戻り、蓄熱EHC400には、蓄熱体440の温度たる蓄熱体温度Tc1を検出可能に構成された、温度センサ216が設置されている。温度センサ216は、ECU100と電気的に接続されており、検出された蓄熱体温度Tc1は、ECU100により、本発明に係る「蓄熱状態」を規定する物理量の一例として一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
また、排気管215には、エンジン200の排気空燃比を検出することが可能に構成された空燃比センサ217が設置されている。また、気筒201を収容するシリンダブロックに設置されたウォータジャケットには、エンジン200を冷却するために循環供給される冷却水(LLC)に係る冷却水温を検出するための水温センサ218が配設されている。
図1に戻り、モータジェネレータMG1は、バッテリ600を充電するための或いはモータジェネレータMG2に電力を供給するための発電機として、更にはエンジン200の動力をアシストする電動機として機能するように構成されている。
モータジェネレータMG2は、本発明に係る「電動機」の一例たる電動発電機であり、エンジン200の動力をアシストする電動機として、或いはバッテリ500を充電するための発電機として機能するように構成されている。
尚、これらモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える。但し、他の形式のモータジェネレータであっても構わない。
動力分割機構300は、エンジン200の動力をMG1及び車軸へ分配することが可能に構成された遊星歯車機構である。尚、動力分割機構300の構成は公知の各種態様を採り得るため、ここではその詳細な説明を省略するが、簡略的に説明すると、動力分割機構300は、中心部に設けられたサンギアと、サンギアの外周に同心円状に設けられたリングギアと、サンギアとリングギアとの間に配置されてサンギアの外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギアと、クランクシャフト205の端部に結合され、各ピニオンギアの回転軸を軸支するプラネタリキャリアとを備える。
このサンギアは、サンギア軸を介してMG1のロータ(符合は省略)に結合され、リングギアは、リングギア軸を介してMG2の不図示のロータに結合されている。リングギア軸は、車軸と連結されており、MG2が発する動力は、リングギア軸を介して車軸へと伝達され、同様に車軸を介して伝達される車輪12からの駆動力は、リングギア軸を介してMG2に入力される。係る構成の下、動力分割機構300により、エンジン200が発する動力は、プラネタリキャリアとピニオンギアとによってサンギア及びリングギアに伝達され、エンジン200の動力が2系統に分割される。
PCU500は、バッテリ600から取り出した直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ600に供給することが可能に構成された不図示のインバータ等を含み、バッテリ600と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ600を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御することが可能に構成された電力制御ユニットである。PCU500は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
一方、PCU500は、先に述べたように蓄熱EHC400とも電気的に接続されており、蓄熱EHC400に対して、直流駆動電圧Vdを供給可能に構成されている。蓄熱EHC400のヒータ430には、この直流駆動電圧Vdに応じた駆動電流Idが生じ、この駆動電流Idによりヒータ430が発熱する構成となっている。即ち、PCU500は、本発明に係る「通電手段」の一例である。補足すると、PCU500は、例えばDC−DCコンバータ等の昇圧回路を内蔵しており、ヒータ430に供給される駆動電圧Vdは、少なくとも二値的に可変制御可能である。
尚、本実施形態では、PCU500が本発明における「通電手段」の一例とされるが、通電手段の態様は、蓄熱EHC400への通電(本実施形態では、ヒータ430への通電)を可能とする限りにおいて何ら限定されない趣旨である。例えば、ハイブリッド車両10には、本発明に係る「通電手段」の一例として、バッテリ600或いは他の蓄電手段等から供給される1次電圧を、例えば数百ボルトの高電圧に昇圧させることが可能な、2次電圧供給装置が備わっていてもよい。
バッテリ600は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池であり、本発明に係る「蓄電手段」の一例である。ここで、バッテリ600は、ハイブリッド車両10の車外に設置される外部電源20(即ち、本発明に係る「外部電源」の一例)により、適宜充電可能に構成されている。即ち、バッテリ600は、各モータジェネレータの発電作用により生じる電力の他に、外部電源20からの電力供給によっても充電される構成となっている。
バッテリ600にはSOCセンサ610が付設されている。SOCセンサ610は、バッテリ600のSOC(バッテリの充電状態の指標値であり、ここでは完全放電を0%、且つ満充電を100%等として規格化されてなる蓄電残量値であるとする)を検出可能なセンサである。SOCセンサ610は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたSOCは、ECU100により、本発明に係る「蓄電状態」の一例として、一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
充電プラグ700は、切り替えスイッチ800の入力端子と電気的に接続されており、且つ外部電源20との電気的な接続を可能とする金属製のプラグである。尚、外部電源20は、例えば家庭用の100V電源であってもよいし、市街地や郊外の然るべきインフラ施設(例えば、ガソリンスタンドやサービスステーション)等にインフラ設備として設置されるものであってもよく、その物理的、機械的、機構的、電気的又は化学的態様は何ら限定されない趣旨である。
切り替えスイッチ800は、上述した一の入力端子と、バッテリ600と電気的に接続された出力端子A、蓄熱EHC400のヒータ430と電気的に接続された出力端子B及び開放端子(即ち、電気的に中立な端子)である出力端子Cの三種類の出力端子を備えたスイッチング回路である。切り替えスイッチ800は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100により入力端子と各出力端子との接続状態が切り替えられる構成となっている。
補足すると、切り替えスイッチ800は、充電プラグ700が外部電源20と接続された状態において、(1)入力端子と出力端子Aとが接続された場合に外部電源20から供給される外部電力によりバッテリ600に通電を行うことによりバッテリ600の充電がなされ、(2)入力端子と出力端子Bとが接続された場合に外部電力により蓄熱EHC400に通電(即ち、本発明に係る「通電」の一例)を行うことによりヒータ430の加熱がなされ、(3)入力端子と出力端子Cとが接続された場合に外部電力が消費されない構成となっている。即ち、切り替えスイッチ800は、入力端子の接続状態により、外部電源20から供給される外部電力を蓄熱EHC400に直接的に供給することが可能であり、PCU500と共に、本発明に係る「通電手段」の一例を構成している。
<実施形態の動作>
次に、図4を参照し、本実施形態の動作として、ECU100により実行されるバッテリ充電制御の詳細について説明する。ここに、図4は、バッテリ充電制御のフローチャートである。
図4において、ECU100は、ハイブリッド車両10がソーク状態にあるか否かを判別する(ステップS101)。ここで、本実施形態に係る「ソーク状態」とは、モータジェネレータMG2、モータジェネレータMG1及びエンジン200のいずれもが停止した状態を指す。ECU100は、エンジン200及び各モータジェネレータの動作を制御する制御ユニットであり、ハイブリッド車両10がソーク状態にあるか否かについて、ECU100は簡便にその判別を行うことが可能である。例えば、ECU100は、エンジン200及び各モータジェネレータの回転速度がゼロであるか否か等に基づいて当該判別を行う。或いは、エンジン200の始動を促すイグニッションスイッチの動作状態及びPCU500における電力の供給状態に基づいて係る判別を行ってもよい。
ハイブリッド車両10がソーク状態にない場合(ステップS101:NO)、ECU100は、切り替えスイッチ800の入力端子を出力端子Cに接続し、切り替えスイッチ800を中立位置に保持する(ステップS107)。切り替えスイッチ800が中立位置に保持されると、処理はステップS101に戻される。即ち、ハイブリッド車両10が稼動している状態(必ずしもエンジン200が始動している必要はない)では、切り替えスイッチ800は絶えず中立位置に保持される。
ステップS101において、ハイブリッド車両10がソーク状態にある旨が判別された場合(ステップS101:YES)、ECU100は、充電プラグ700が外部電源20と接続されているか否かを判別する(ステップS102)。充電プラグ700が外部電源20と接続されているか否かは、切り替えスイッチ800の入力端子の端子電圧に基づいて判別可能である。例えば、外部電源20が家庭用100V電源であれば、当該端子電圧は100Vである。外部電源20の種類によらない汎用的な表現をすれば、充電プラグ700が外部電源20と接続されていない状態では入力端子の端子電圧は略0Vであるから、端子電圧が0Vより大きい値として設定された閾値以上である場合に、充電プラグ700が外部電源20と接続されている旨の判別が下されてもよい。
充電プラグ700が外部電源20と接続されていない場合(ステップS102:NO)、処理はステップS101に戻されると共に、充電プラグ700が外部電源20と接続されている場合(ステップS102:YES)、ECU100は、バッテリ600のSOCが、予め設定された制御上の最大値SOCmax未満であるか否かを判別する(ステップS103)。尚、外部電源20と充電プラグ700とが接続されている期間は、即ち、本発明に係る「外部電力供給期間」の一例である。
ここで、制御上の最大値とは、バッテリ600の物理的な蓄電限界を規定する値ではなく、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、ハイブリッド車両10の走行中に発電される電力による充電を可能としつつ、且つハイブリッド車両10の走行に支障をきたさないように定められている。例えば、SOCmaxは、80(%)〜90(%)程度の値に設定されている。
バッテリ600のSOCがSOCmax未満である場合(ステップS103:YES)、ECU100は、切り替えスイッチ800の入力端子を出力端子Aに接続し、外部電源20とバッテリ600とを電気的に接続する(ステップS104)。バッテリ600が外部電源20と接続されると、処理はステップS101に戻される。ここで、入力端子が出力端子Aに接続されると、外部電源20から供給される電力を使用したバッテリ600の充電が開始される。ここで、切り替えスイッチ800の物理構成に鑑みれば、入力端子が出力端子Aに接続されることにより、自動的に入力端子が出力端子Bと非接続状態となり、外部電源20から供給される電力を使用した蓄熱EHC400への通電は停止される。
一方、バッテリ600のSOCが、制御上の最大値SOCmax以上である場合(ステップS103:NO)、ECU100は、更に蓄熱体温度Tc1が基準値Tc1th未満であるか否かを判別する(ステップS105)。尚、基準値Tc1thは、蓄熱体440が三元触媒420を十分に暖機可能な蓄熱量を有する旨に相当する値に設定されている。蓄熱体温度Tc1が基準値Tc1th未満である場合(ステップS105:YES)、ECU100は、切り替えスイッチ800の入力端子を出力端子Bに接続し、外部電源20と蓄熱EHC400とを電気的に接続する(ステップS106)。この段階で、外部電源20からの外部電力による蓄熱EHC400への通電が開始される。蓄熱EHC400が外部電源20と接続されると、処理はステップS101に戻される。尚、このようなECU100の動作は、本発明に係る「充電が終了した後に通電が開始されるように通電手段を制御する」旨の動作の一例であり、また、「特定された蓄熱状態に基づいて通電手段を制御する」旨の動作の一例である。
一方、蓄熱体温度Tc1が基準値Tc1th以上である場合(ステップS105:NO)、ECU100は、切り替えスイッチ800の入力端子を出力端子Cに接続する(ステップS107)。即ち、従前の状態として外部電力を使用した蓄熱EHC400への通電がなされている場合には、当該通電が終了する。即ち、バッテリ600のSOCが満充電状態に相当するSOCmax以上である場合には、蓄熱EHC400への通電が開始或いは継続され、蓄熱体温度Tcは、基準値Tc1th以上に維持される。
このように、本実施形態では、外部電力供給期間において、バッテリ600への充電が終了すると、蓄熱EHC400への通電が開始され、ヒータ430の発熱により蓄熱体440が加熱される。ここで、蓄熱体440は、ヒータ430から発される熱を蓄積すると共に蓄積熱を三元触媒420に伝達し、三元触媒420を暖機することが可能である。即ち、外部電力供給期間において、三元触媒420は暖機状態を維持することが可能であり、ハイブリッド車両10の始動に際し間を置かずしてエンジン200が始動を要求されたとしても、エンジン200の排気を好適に浄化することが可能であり、エミッションの悪化が好適に抑制される。また、三元触媒420の暖機は、基本的に外部電源20から供給される外部電力を使用してなされる(即ち、バッテリ600及びPCU500を経由することなくなされる)ため、バッテリ600からの電力の持ち出しは可及的に抑制される。即ち、エンジン始動時のエミッションの悪化抑制に係る利益は、ハイブリッド車両の10の走行性能を阻害することなく享受される。また、バッテリ600の充電が優先的に実行されるため、外部電力の供給期間が限られている場合等に、バッテリ600の蓄電量が不足してハイブリッド車両10の走行性能が低下する事態が防止されている。
ここで特に、蓄熱体440の蓄熱作用に鑑みれば、蓄熱体440の温度が基準値Tc1thに到達した段階で、蓄熱体440は、三元触媒420を比較的長期(例えば、数十時間)にわたって(尚、この場合の「長期」とは、この種の蓄熱がなされない場合(言い換えれば、三元触媒420が、加熱されると同時に外界への熱放射により冷却される場合)と較べて幾らかなり長い期間を指す)暖機された状態に維持することが可能である(尚、そのように基準値Tc1thが設定されている)。このため、この種の状態において蓄熱EHC400への通電は不要となり、外部電力を通電に利用する期間が短縮され、外部電力の消費量を顕著に低減することが可能となる。また、ハイブリッド車両10がエンジン200を稼動させて通常走行を行った後にこの種の外部電力供給期間を迎えた場合には、蓄熱体440により排気熱が十分に蓄熱され、三元触媒420の温度低下が抑制されるため、蓄熱EHC400への通電自体が必要なくなる可能性がある。このように、蓄熱EHC400への通電機会が減少するといった点でも、外部電力の消費量が低減される旨の利益が明らかである。
尚、蓄熱体440が、好適には一種の断熱構造を有する点に鑑みれば、蓄熱体温度Tc1が基準値Tc1th以上であれば(無論、触媒暖機の効果が得られる点でみれば、必ずしも基準値以上である必要はない)、定常的には三元触媒420の温度はこの蓄熱体440の温度と等しくなり且つ長時間維持されるため上述した顕著な利益が享受される反面、蓄熱体440を、蓄熱体温度Tc1が基準値Tc1th以上となるまで加熱するのに要する時間は、ヒータ430により三元触媒420を加熱する場合と較べて長くなり易い。従って、蓄熱EHC400への通電期間中にエンジン200の始動が要求されると、かえってエミッションの悪化が顕在化しかねない。
そこで、そのような特異な状況においては、ECU100は、蓄熱EHC400の上流に設置された三元触媒900を、エンジン200の噴射制御等により(より具体的には、排気温が相対的に高くなるような噴射量或いは噴射時期の制御)早期に昇温させる。このような触媒早期暖機制御により、蓄熱EHC400の三元触媒420が暖機されるまでの期間において、排気を三元触媒900により浄化して、エミッションの悪化を好適に抑制することが可能である。但し、本発明に係る実践上の利益は、三元触媒900を有さぬ構成においても十分に担保される。
また、本実施形態では、外部電源20からの外部電力が、切り替えスイッチ800を経由してバッテリ600或いは蓄熱EHC400に選択的に供給される構成となっているが、バッテリ600及び蓄熱EHC400への外部電力の供給態様は、これに限定されることなく各種の態様を採ってよい。例えば、外部電力を然るべき分配手段により分配して、所定の分配比率でバッテリ600及びEHC400の両方に供給する構成が採られてもよい。
<第2実施形態>
次に、図5を参照し、本発明の第2実施形態に係るバッテリ充電制御の詳細について説明する。ここに、図5は、本発明の第2実施形態に係るバッテリ充電制御のフローチャートである。尚、同図において、図4と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図5において、蓄熱体温度Tc1が基準値Tc1th未満である場合(ステップS105:NO)、ECU100は、現在時刻が、夜間に該当するか否かを判別する(ステップS201)。ここで、「夜間」とは、この場合、外部電源20を介した外部電力の供給元(例えば、電力会社)によって設定された、電力の使用料金が相対的に低い期間を指し、本発明に係る「予め外部電力の取得に要する費用が基準となる費用に対し低いものとして設定された期間」の一例である。尚、このような期間が昼間であれば、ここで言う夜間とは容易に昼間と置換し得る趣旨である。
ECU100は、予め内蔵されたタイマ等により、現時刻が係る夜間に該当するか否かを判別し、夜間でない場合(ステップS201:NO)、処理をステップS107に移行すると共に、夜間であれば(ステップS201:YES)、蓄熱EHC400への通電を開始する(ステップS106)。このように、本実施形態によれば、蓄熱EHC400への通電は、電力の使用料金が低い夜間に限定して行われるため、より経済的である。
<第3実施形態>
次に、図6を参照し、本発明の第3実施形態に係るハイブリッド車両30の構成について説明する。ここに、図6は、ハイブリッド車両30の構成を概念的に表してなる模式的なブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には、同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、ハイブリッド車両30は、蓄熱EHC400及び三元触媒900に替えて、排気管215にEHC1000と蓄熱触媒1100とを備える点において、ハイブリッド車両10と相違する構成となっている。
EHC1000は、蓄熱EHC400と比較して、蓄熱体440を有さぬ点以外は同一の構成を有し、ヒータ430が通電された際に、ヒータ430により三元触媒430を加熱することが可能に構成されている。
一方、蓄熱触媒1100は、EHC1000の下流側に設置された、本発明に係る「第3の触媒」の一例たる三元触媒(不図示)と、蓄熱体(不図示)とを備える。蓄熱触媒1100の構成は、蓄熱EHC400からヒータ430を除外した構成と同等であり、ここでは、その詳細を省略する。尚、蓄熱触媒1100には、蓄熱体440の温度たる蓄熱体温度Tc2を検出可能な温度センサが付設されている。この温度センサは、ECU100と電気的に接続されており、検出された蓄熱体温度Tc2は、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
このような構成においても、先の第1及び第2実施形態の如くにバッテリ充電制御を行うことにより、EHC1000のヒータ430への通電により生じた熱を、蓄熱触媒1100に蓄積することが可能であり、ヒータ430への通電を停止しても、生じた熱の一部を有効に再利用することができる。特に、本実施形態では、EHCと蓄熱体とを一体形成する必要がないため、装置構成の複雑化、耐久性の低下及びコストの増加を抑制し得る点において顕著に効果的である。
一方、EHC1000が蓄熱機能を有さぬことに鑑みれば、ヒータ430への通電に要した電力の有効利用といった点においては、ハイブリッド車両30よりもハイブリッド車両10が優れ得る。そこで、本実施形態では、エンジン始動時のエミッションの抑制を図るべく、ECU100により、始動制御が実行される。ここで、図7を参照し、始動制御の詳細について説明する。ここに、図7は、始動制御のフローチャートである。
図7において、ECU100は、イグニッションキーの操作やスタートボタンの操作等、ハイブリッド車両30の始動入力が生じたか否かを判別する(ステップS301)。始動入力が存在しない場合(ステップS301:NO)、ECU100は、ステップS301に係る処理を繰り返し実行して、処理を実質的に待機状態に制御する。
始動入力が存在する場合(ステップS301:YES)、ECU100は、ハイブリッド車両30を始動させる(即ち、走行が要求されれば、モータジェネレータMG2の動力によりEV走行を行い、走行要求がなければ、基本的に各モータジェネレータへの通電準備のみがなされる)と共に、蓄熱体温度Tc2が、基準値Tc2th未満であるか否かを判別する(ステップS302)。尚、基準値Tc2thは、先の基準値Tc1thと同等の値であってよい。
蓄熱体温度Tc2が基準値Tc2th以上である場合(ステップS302:NO)、ECU100は、処理をステップS301に移行して、処理を実質的に待機状態に制御する一方、蓄熱体温度Tc2が基準値Tc2th未満である場合(ステップS302:YES)、EHC1000へ通電がなされるようにPCU500を制御する(ステップS303)。
EHC1000への通電が開始されると、ECU100は、エンジン始動タイミングであるか否かを判別する(ステップS304)。係る判別は、ハイブリッド車両30の走行条件(例えば、車速やアクセル開度等)に基づいて行われる。基本的に、EV走行が許可されない運転領域において、エンジン200の始動が要求される。
エンジン始動タイミングでない場合(ステップS304:NO)、ECU100は、処理をステップS301に戻し、一連の処理を繰り返すと共に、エンジン始動タイミングであれば(ステップS304:YES)、ECU100は、エンジン200を始動させる(ステップS305)。エンジン200の始動がなされると、処理はステップS301に戻される。
ここで、動力分割機構300における遊星歯車機構の差動作用に鑑みれば、ハイブリッド車両30がEV走行を行っている期間においては、モータジェネレータMG1の回転速度を制御することにより、エンジン200を所定の回転速度でモータリングすることが可能である。
モータリングがなされると、吸排気バルブが機械的に駆動されるため、エンジン未始動であれば燃焼は生じないものの、吸排気の流れが発生する。排気は、適宜通電により発熱するEHC1000を通過する過程で、ヒータ430からの熱付与により昇温し、温風或いは熱風となって蓄熱触媒1100に到達する。
蓄熱触媒1100では、蓄熱体440の作用によりこの温風或いは熱風から熱が奪われ、蓄熱が開始される。従って、EHC1000下流側に蓄熱触媒1100を備えることにより、ハイブリッド車両30では、エンジン始動以前に、バッテリ600からの電力の持ち出しを可及的に抑えつつ、蓄熱触媒1100の暖機を図ることが可能となる。本実施形態によれば、電力消費を抑制しつつ、エンジン始動時のエミッションを低減することが可能となるのである。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド車両の排気浄化装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の構成を概念的に表してなる模式的なブロック図である。 図1のハイブリッド車両に備わるエンジンの一断面構成を概念的に且つ模式的に例示する模式断面図である。 図2のエンジンにおいて排気管の伸長方向に沿った蓄熱EHCの一断面構成を概念的に表してなる模式断面図である。 ECUにより実行されるバッテリ充電制御のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るバッテリ充電制御のフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係るハイブリッド車両の構成を概念的に表してなる模式的なブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る始動制御のフローチャートである。
符号の説明
10…ハイブリッド車両、100…ECU、200…エンジン、201…気筒、203…ピストン、205…クランクシャフト、300…動力分割機構、400…蓄熱EHC、420…三元触媒、430…ヒータ、440…蓄熱体、500…PCU、600…バッテリ、700…充電プラグ、800…切り替えスイッチ、900…三元触媒、1000…EHC、1100…蓄熱触媒。

Claims (8)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関と共に動力源として機能する少なくとも一つの電動機と、
    前記電動機の電源として機能し、外部電源から供給される外部電力を使用した充電が可能な蓄電手段と
    を備えたハイブリッド車両の排気浄化装置であって、
    前記内燃機関の排気経路に設置され、前記内燃機関の排気を浄化可能な第1の触媒と前記外部電力を使用した通電により該第1の触媒を加熱可能な加熱手段とを含む電気加熱式触媒を少なくとも含んでなる触媒システムと、
    前記充電及び前記通電を行うための通電手段と、
    前記排気経路に設置され、前記通電により生じた熱を蓄積可能であると共に該蓄積された熱たる蓄積熱を前記触媒システムに付与可能な蓄熱手段と、
    前記外部電力が供給される外部電力供給期間において、前記通電がなされるように前記通電手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とするハイブリッド車両の排気浄化装置。
  2. 前記制御手段は、前記充電が終了した後に前記通電が開始されるように前記通電手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置。
  3. 前記蓄熱手段の蓄熱状態を特定する特定手段を更に具備し、
    前記制御手段は、前記特定された蓄熱状態に基づいて前記通電手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置。
  4. 前記制御手段は、予め前記外部電力の取得に要する費用が基準となる費用に対し低いものとして設定された期間において前記通電がなされるように前記通電手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置。
  5. 前記蓄熱手段は、前記電気加熱式触媒と共に、蓄熱電気加熱式触媒の一部として設置される
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置。
  6. 前記触媒システムは、前記蓄熱電気加熱式触媒の上流側に設置された、前記内燃機関の排気を浄化可能な第2の触媒を含む
    ことを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置。
  7. 前記触媒システムは、前記電気加熱式触媒の下流側に設置された、前記内燃機関の排気を浄化可能な第3の触媒を更に含み、
    前記蓄熱手段は、該第3の触媒と共に蓄熱触媒の一部として設置される
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置。
  8. 前記制御手段は、前記ハイブリッド車両の始動時に前記通電がなされるように前記通電手段を制御する
    ことを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド車両の排気浄化装置。
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