JP2009280037A - ハイブリッド車およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機用インバータ回路にオフ異常が生じたときに車両の振動を抑制する。
【解決手段】第2モータを駆動するインバータのトランジスタのうち1つのトランジスタがオフの状態で作動しなくなるオフ故障が生じているときに、第2モータの電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるときには駆動軸に要求トルクTr*を出力するためのトルク指令Tm2*で第2モータが駆動されるようインバータを制御すると共に電気角θe2が正常電気角範囲θepにないときにはインバータをゲート遮断し(S170〜S190)、車速Vが所定車速Vref未満では第2モータから駆動軸に作用するトルクの変動を抑制する抑制トルクTvと要求トルクTr*を出力するための仮トルクTm1tmpとの和のトルクを第1モータから出力する(S200〜S230)。これにより、駆動軸のトルクが変動するのが抑制され、車両の振動を抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハイブリッド車およびその制御方法に関し、詳しくは、内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、発電機を駆動する発電機用インバータ回路と、駆動軸に動力を入出力可能で多相交流電力により駆動する電動機と、電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、発電機および電動機と発電機用インバータ回路および電動機用インバータ回路を介して電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車およびその制御方法に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、動力分割機構を介して駆動軸に動力を出力するエンジンおよび第1モータジェネレータと、駆動軸に動力を出力する第2モータジェネレータとを備え、三相交流モータとしての第2モータジェネレータを駆動するインバータのスイッチング素子が短絡故障したときに、これに対処して退避走行するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、インバータのフェールセーフ装置として、同期モータを駆動するインバータのスイッチング素子がオフし続けるオフ故障が生じたときに、オフ故障した素子をオンする組み合わせのPWM信号の出力を停止し、それ以外のPWM信号の出力を継続するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−11683号公報 特開平8−186984号公報
上述のハイブリッド車では、第2モータジェネレータを駆動するインバータの一部のスイッチング素子にオフ故障が生じたときには、退避走行に際して、エンジンおよび第1モータジェネレータからのトルクと、オフ故障したスイッチング素子を用いない範囲内でのインバータの制御による第2モータジェネレータからのトルクとを、駆動軸に出力して走行することが考えられるが、第2モータジェネレータからのトルクの変動が駆動軸に作用し、車両の振動が生じて運転者に違和感を与える場合が生じる。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、電動機用インバータ回路にオフ異常が生じたときに車両の振動を抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、少なくとも上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能で多相交流電力により駆動する電動機と、前記発電機を駆動する発電機用インバータ回路と、前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、前記発電機および前記電動機と前記発電機用インバータ回路および前記電動機用インバータ回路を介して電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
走行に要求される要求駆動力により走行するよう前記内燃機関の目標運転ポイントと前記発電機のトルク指令と前記電動機のトルク指令とを設定する目標指令値設定手段と、
前記電動機用インバータ回路の一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じている最中に前記内燃機関を運転して走行する際、前記電動機の電気角が前記電動機を正常に駆動できる電気角の範囲である正常電気角範囲にないときには前記設定された電動機のトルク指令での前記電動機の駆動が停止されると共に前記電動機の電気角が前記正常電気角範囲にあるときには前記設定された電動機のトルク指令で前記電動機が駆動されるよう前記電動機用インバータ回路を制御し、前記電動機用インバータ回路の制御により前記電動機から前記駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制する抑制トルクと前記設定された発電機のトルク指令に対応するトルクとの和のトルクが前記発電機から出力されるよう前記発電機用インバータ回路を制御し、前記内燃機関が前記設定された目標運転ポイントで運転されるよう前記内燃機関を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、走行に要求される要求駆動力により走行するよう内燃機関の目標運転ポイントと発電機のトルク指令と電動機のトルク指令とを設定し、電動機用インバータ回路の一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じている最中に内燃機関を運転して走行する際に、電動機の電気角が電動機を正常に駆動できる電気角の範囲である正常電気角範囲にないときには設定された電動機のトルク指令での電動機の駆動が停止されると共に電動機の電気角が正常電気角範囲にあるときには設定された電動機のトルク指令で電動機が駆動されるよう電動機用インバータ回路を制御し、電動機用インバータ回路の制御により電動機から駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制する抑制トルクと設定された発電機のトルク指令に対応するトルクとの和のトルクが発電機から出力されるよう発電機用インバータ回路を制御し、内燃機関が設定された目標運転ポイントで運転されるよう内燃機関を制御する。これにより、正常電気角範囲にあるか否かによる電動機の異なる駆動状態によって駆動軸に出力されるトルクが変動するのが抑制されるから、車両の振動を抑制することができる。ここで、「3軸式動力入出力手段」は、シングルピニオン式やダブルピニオン式の遊星歯車機構であるものとすることもできるし、デファレンシャルギヤであるものとすることもできる。また、「電動機のトルク指令での電動機の駆動が停止される」ことには、電動機用インバータ回路をゲート遮断することなどが含まれる。
こうした本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、前記オフ異常が生じている最中に前記内燃機関を運転して走行する際、前記オフ異常における前記電動機用インバータ回路のスイッチング素子の状態と前記電動機の電気角と前記電動機のトルク指令と前記抑制トルクとの関係として実験または解析により予め定められたマップに対して前記オフ異常における前記電動機用インバータ回路のスイッチング素子の状態と前記電動機の回転子の回転位置に基づいて算出される前記電動機の電気角と前記設定された電動機のトルク指令とを与えることにより前記抑制トルクを設定し、該設定した抑制トルクを用いて前記発電機用インバータ回路を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機から駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制する抑制トルクをより適正に設定することができる。
また、本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、前記オフ異常が生じている最中に前記内燃機関を運転して走行する際、車速が所定車速以上のときには、前記設定された発電機のトルク指令に対応するトルクのみが前記発電機から出力されるよう前記発電機用インバータ回路を制御する手段であるものとすることもできる。これは、車速が高くなると、電動機から駆動軸に出力されるトルクの変動により運転者に与える違和感が小さくなる傾向にあると考えられることに基づく。
本発明のハイブリッド車の制御方法は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能で多相交流電力により駆動する電動機と、前記発電機を駆動する発電機用インバータ回路と、前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、前記発電機および前記電動機と前記発電機用インバータ回路および前記電動機用インバータ回路を介して電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車の制御方法であって、
走行に要求される要求駆動力により走行するよう前記内燃機関の目標運転ポイントと前記発電機のトルク指令と前記電動機のトルク指令とを設定し、
前記電動機用インバータ回路の一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じている最中に前記内燃機関を運転して走行する際、前記電動機の電気角が前記電動機を正常に駆動できる電気角の範囲である正常電気角範囲にないときには前記設定された電動機のトルク指令での前記電動機の駆動が停止されると共に前記電動機の電気角が前記正常電気角範囲にあるときには前記設定された電動機のトルク指令で前記電動機が駆動されるよう前記電動機用インバータ回路を制御し、前記電動機用インバータ回路の制御により前記電動機から前記駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制する抑制トルクと前記設定された発電機のトルク指令に対応するトルクとの和のトルクが前記発電機から出力されるよう前記発電機用インバータ回路を制御し、前記内燃機関が前記設定された目標運転ポイントで運転されるよう前記内燃機関を制御する、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド車の制御方法では、走行に要求される要求駆動力により走行するよう内燃機関の目標運転ポイントと発電機のトルク指令と電動機のトルク指令とを設定し、電動機用インバータ回路の一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じている最中に内燃機関を運転して走行する際に、電動機の電気角が電動機を正常に駆動できる電気角の範囲である正常電気角範囲にないときには設定された電動機のトルク指令での電動機の駆動が停止されると共に電動機の電気角が正常電気角範囲にあるときには設定された電動機のトルク指令で電動機が駆動されるよう電動機用インバータ回路を制御し、電動機用インバータ回路の制御により電動機から駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制する抑制トルクと設定された発電機のトルク指令に対応するトルクとの和のトルクが発電機から出力されるよう発電機用インバータ回路を制御し、内燃機関が設定された目標運転ポイントで運転されるよう内燃機関を制御する。これにより、正常電気角範囲にあるか否かによる電動機の異なる駆動状態によって駆動軸に出力されるトルクが変動するのが抑制されるから、車両の振動を抑制することができる。ここで、「3軸式動力入出力手段」は、シングルピニオン式やダブルピニオン式の遊星歯車機構であるものとすることもできるし、デファレンシャルギヤであるものとすることもできる。また、「電動機のトルク指令での電動機の駆動が停止される」ことには、電動機用インバータ回路をゲート遮断することなどが含まれる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内
燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
図2は、モータMG1,MG2やバッテリ50を中心とした電気駆動系の構成の概略を示す構成図である。モータMG1,MG2は、図1および図2に示すように、いずれも永久磁石が埋め込まれたロータ45,46と三相コイルが巻回されたステータ47,48とを有し、発電機として駆動できると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42は、いずれも6個のトランジスタT1〜T6,T7〜T12とトランジスタT1〜T6,T7〜T12に逆並列接続された6個のダイオードD1〜D6,D7〜D12とにより構成されている。各6個のトランジスタT1〜T6,T7〜T12は、バッテリ50の正極が接続された正極母線とバッテリ50の負極が接続された負極母線とに対してソース側とシンク側とになるよう2個ずつペアで配置され、その接続点にモータMG1,MG2の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、対をなすトランジスタT1〜T6,T7〜T12のオン時間の割合を調節することにより三相コイルが巻回されたステータ47,48に回転磁界を形成でき、モータMG1,MG2を回転駆動することができる。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線から構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2のロータ45,46の回転位置を検出するレゾルバなどにより構成される回転位置検出センサ43,44からのロータ45,46の回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の三相コイルのU相,V相に流れる相電流を検出する電流センサ45U,45V,46U,46Vからの相電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42のトランジスタT1〜T6,T7〜T12へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのロータ45,46の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にモータMG2を駆動するインバータ42の異常時の動作について説明する。図3はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される異常時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、インバータ42のトランジスタT7〜T12のうち1つのトランジスタがオフの状態で作動しなくなるオフ故障が生じているときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。以下、オフ故障時にオフの状態で作動しなくなったトランジスタを「オフ故障したトランジスタ」ともいう。
異常時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG2のロータ46の回転位置θm2,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、回転位置θm2は、回転位置検出センサ44により検出されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。
続いて、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS120)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図5に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm1tmpを計算し(ステップS130)、要求トルクTr*に計算した仮トルクTm1tmpを動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2のトルク指令Tm2*を式(3)により計算する(ステップS140)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図6に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。式(3)も、図6の共線図から容易に導くことができる。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/Gr/ρ (1)
Tm1tmp=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
Tm2*=(Tr*+Tm1tmp/ρ)/Gr (3)
こうしてモータMG1から出力すべき仮トルクTm1tmpとモータMG2のトルク指令Tm2*とを計算すると、入力したモータMG2のロータ46の回転位置θm2に極対数pを乗じることによりモータMG2の電気角θe2を計算し(ステップS150)、インバータ42のトランジスタT7〜T12のうちオフ故障したトランジスタに基づいてモータMG2を正常に駆動できる電気角の範囲である正常電気角範囲θepを設定し(ステップS160)、計算した電気角θe2と設定した正常電気角範囲θepとを比較する(ステップS170)。ここで、正常電気角範囲θepは、実施例では、インバータ42のトランジスタT7〜T12のうちオフ故障したトランジスタと正常電気角範囲θepとの関係を予め定めて正常電気角範囲設定用テーブルとしてROM74に記憶しておき、オフ故障したトランジスタが与えられると記憶したテーブルから対応する正常電気角範囲θepを導出して設定するものとした。図7に正常電気角範囲設定用テーブルの一例(モータMG2から正トルクを出力する場合の例)を示す。このテーブルは、オフ故障したトランジスタをオンすることなくPWM信号を出力してインバータ42のスイッチング制御が可能な電気角の範囲としてインバータ42の特性等により定めることができる。図8に、モータMG2の電気角に対し、オフ故障したトランジスタT7をオンすることなくPWM信号を出力可能な範囲における三相の電圧指令値を実線で示し、オフ故障したトランジスタT7をオンすることができないためにPWM信号を出力できない範囲におけるU相の電圧指令値を破線で示す。図8に示すトランジスタT7が故障した例では、正常電気角範囲θepが値π〜値2πの範囲となることが示されている。
モータMG2の電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるときには、モータMG2を正常に駆動できると判断して、モータMG2のトルク指令Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS180)、電気角θe2が正常電気角範囲θepにないときには、モータMG2を正常に駆動できないと判断して、インバータ42をゲート遮断する制御信号をモータECU40に送信する(ステップS190)。トルク指令Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ42のトランジスタT7〜T12のスイッチング制御を行なう。また、インバータ42をゲート遮断する制御信号を受信したモータECU40は、インバータ42をゲート遮断する。このように、電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるときにはトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ42を制御するのに対し、電気角θe2が正常電気角範囲θepにないときにはインバータ42をゲート遮断するため、電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるか否かによるモータMG2の異なる駆動状態が繰り返され、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用するトルクが変動し、車両の振動が生じ得る。
そこで、車速Vを所定車速Vrefと比較し(ステップS200)、車速Vが所定車速Vref未満のときには、インバータ42においてオフ故障したトランジスタとモータMG2の電気角θe2とトルク指令Tm2*とに基づいて車両の振動が抑制されるようモータMG1から出力する抑制トルクTvを設定し(ステップS210)、車速Vが所定車速Vref以上のときには、抑制トルクTvに値0を設定する(ステップS220)。ここで、所定車速Vrefは、これ以上の車速域ではモータMG2からのトルクの変動により車両の振動が生じても運転者に違和感を与えないと判断される車速として実験等により予め定めたものを用いることができる。また、車速Vが所定車速Vref未満のときの抑制トルクTvは、実施例では、オフ故障したトランジスタと電気角θe2とトルク指令Tm2*と抑制トルクTvとの関係を実験や解析などにより予め定めて抑制トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、オフ故障したトランジスタと電気角θe2とトルク指令Tm2*とが与えられると記憶したマップから対応する抑制トルクTvを導出して設定するものとした。図9に抑制トルク設定用マップの一例(トルク指令Tm2*が正トルクでトランジスタT7が故障した場合の例)を示す。図示するように、電気角θe2が値0〜値πの範囲、即ち正常電気角範囲θepでない範囲では、トルク指令Tm2*が大きいほど小さくなる(負側の絶対値が大きくなる)抑制トルクTvが設定されると共に電気角θe2が値π/2近傍で振動波形における負側のピーク値が抑制トルクTvに設定され、電気角θe2が値π〜値2πの範囲、即ち正常電気角範囲θepでは、トルク指令Tm2*が大きいほど正側に大きくなる抑制トルクTvが設定されると共に電気角θe2が値3π/2近傍で振動波形における正側のピーク値が抑制トルクTvに設定される。
こうしてモータMG1から出力する抑制トルクTvを設定すると、仮トルクTm1tmpに抑制トルクTvを加えたものをモータMG1のトルク指令Tm1*に設定し(ステップS230)、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1のトルク指令Tm1*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS240)、異常時駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイント、即ち目標運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されるようインバータ41のトランジスタT1〜T6のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、モータMG2の電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるか否かによるモータMG2の異なる駆動状態によって駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクが変動するのが抑制されるから、車両の振動を抑制することができる。この結果、車両の振動により運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2を駆動するインバータ42のトランジスタT7〜T12のうち1つのトランジスタがオフの状態で作動しなくなるオフ故障が生じているときに、モータMG2の電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるときには駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力するためのトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ42をスイッチング制御すると共に電気角θe2が正常電気角範囲θepにないときにはインバータ42をゲート遮断し、車速Vが所定車速Vref未満ではモータMG2からリングギヤ軸32aに作用するトルクの変動を抑制する抑制トルクTvと要求トルクTr*を出力するための仮トルクTm1tmpとの和のトルクがモータMG1から出力されるようインバータ41をスイッチング制御し、要求トルクTr*を出力するための目標運転ポイントでエンジン22を制御するから、モータMG2の電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるか否かによるモータMG2の異なる駆動状態の繰り返しによってリングギヤ軸32aに出力されるトルクが変動するのが抑制され、車両の振動を抑制することができる。この結果、車両の振動により運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、インバータ42のトランジスタT7〜T12のうち、1つのトランジスタがオフの状態で作動しなくなるオフ故障が生じているときの処理として説明したが、2つのトランジスタがオフの状態で作動しなくなる故障が生じているときに適用するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、車速Vが所定車速Vref未満のときにはインバータ42においてオフ故障したトランジスタと電気角θe2とトルク指令Tm2*とに基づいて抑制トルクTvを設定すると共に車速Vが所定車速Vref以上のときには抑制トルクTvに値0を設定するものとしたが、車速Vにかかわらずにオフ故障したトランジスタと電気角θe2とトルク指令Tm2*とに基づいて抑制トルクTvを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、インバータ42においてオフ故障したトランジスタと電気角θe2とトルク指令Tm2*と抑制トルクTvとの関係を実験や解析などにより予め定めた抑制トルク設定用マップに対してオフ故障したトランジスタと電気角θe2とトルク指令Tm2*とを与えることにより抑制トルクTvを導出して設定するものとしたが、トルク指令Tm2*を用いて抑制トルクTvを計算するものとしてもよい。例えば、電気角θe2が正常電気角範囲θepにないときにはトルク指令Tm2*に減速ギヤ35のギヤ比Grと動力分配統合機構30のギヤ比ρとを乗じたものに値−1と値1以下の正の所定係数k(例えば、値0.5など)とを乗じたトルク(−Tm2*・Gr・ρ・k)を抑制トルクTvとして計算し、電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるときには抑制トルクTvを値0とするなどとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるときには、リングギヤ軸32aに要求トルクTr*が出力されるよう設定されたトルク指令Tm2*でモータMG2を制御するものとしたが、電気角θe2が正常電気角範囲θepにないときにインバータ42がゲート遮断されるためにリングギヤ軸32aに要求トルクTr*が十分に出力されなくなる場合を考慮して、設定されたトルク指令Tm2*より大きなトルク指令値(例えば、1.5倍や2倍の値など)でモータMG2を制御するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の電気角θe2が正常電気角範囲θepにないときに設定される抑制トルクTvとして、図9に例示したように、値0のトルクを中心に正側と負側とに同じ大きさの振幅の抑制トルクTvを設定するものとしたが、電気角θe2が正常電気角範囲θepにないときにインバータ42がゲート遮断されるためにリングギヤ軸32aに要求トルクTr*が十分に出力されなくなる場合を考慮して、所定トルクを中心にこの所定トルクより大きい側と小さい側とに同じ大きさの振幅の抑制トルクTvを設定するものとしてもよい。所定トルクとしては、トルク(−Tm2*・Gr・ρ)の1/3倍や1/2倍のトルクなどを用いることができる。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の列車などのハイブリッド車の形態やハイブリッド車の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、インバータ41が「発電機用インバータ回路」に相当し、インバータ42が「電動機用インバータ回路」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*とモータMG1から出力すべき仮トルクTm1tmpとモータMG2のトルク指令Tm2*とを設定する図3の異常時駆動制御ルーチンのステップS110〜S140の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「目標指令値設定手段」に相当し、インバータ42の異常時にモータMG2の電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるか否かによりトルク指令Tm2*またはインバータ42をゲート遮断する制御信号をモータECU40に送信し仮トルクTm1tmpに抑制トルクTvを加えてトルク指令Tm1*を設定してモータECU40に送信し目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に送信する図3の異常時駆動制御ルーチンのステップS170〜S240の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とトルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2が駆動されるようインバータ41,42をスイッチング制御したりインバータ42をゲート遮断するモータECU40と目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24とが「制御手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、車軸に連結された駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能で多相交流電力により駆動するものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「発電機用インバータ回路」としては、インバータ41に限定されるものではなく、発電機を駆動するインバータ回路であれば如何なるものとしても構わない。「電動機用インバータ回路」としては、インバータ42に限定されるものではなく、電動機を駆動するインバータ回路であれば如何なるものとしても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機および電動機と発電機用インバータ回路および電動機用インバータ回路を介して電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「目標指令値設定手段」としては、要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*とモータMG1から出力すべき仮トルクTm1tmpとモータMG2のトルク指令Tm2*とを設定するハイブリッド用電子制御ユニット70に限定されるものではなく、走行に要求される要求駆動力により走行するよう内燃機関の目標運転ポイントと発電機のトルク指令と電動機のトルク指令とを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、インバータ42の異常時にモータMG2の電気角θe2が正常電気角範囲θepにあるか否かによりトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようにまたはインバータ42をゲート遮断する制御信号でインバータ42を制御し仮トルクTm1tmpに抑制トルクTvを加えて得られるトルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されるようインバータ41を制御し目標回転数Ne*および目標トルクTe*でエンジン22を制御するものに限定されるものではなく、電動機用インバータ回路の一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じている最中に内燃機関を運転して走行する際、電動機の電気角が電動機を正常に駆動できる電気角の範囲である正常電気角範囲にないときには設定された電動機のトルク指令での電動機の駆動が停止されると共に電動機の電気角が正常電気角範囲にあるときには設定された電動機のトルク指令で電動機が駆動されるよう電動機用インバータ回路を制御し、電動機用インバータ回路の制御により電動機から駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制する抑制トルクと設定された発電機のトルク指令に対応するトルクとの和のトルクが発電機から出力されるよう発電機用インバータ回路を制御し、内燃機関が設定された目標運転ポイントで運転されるよう内燃機関を制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 モータMG1,MG2やバッテリ50を中心とした電気駆動系の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される異常時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 正常電気角範囲設定用テーブルの一例を示す説明図である。 モータMG2の電気角に対し、インバータ42においてオフ故障したトランジスタT7をオンすることなくPWM信号を出力可能な範囲における三相の電圧指令値と、オフ故障したトランジスタT7をオンすることができないためにPWM信号を出力できない範囲におけるU相の電圧指令値との一例を示す説明図である。 抑制トルク設定用マップの一例を示す説明図である。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45,46 ロータ、47,48 ステータ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、78 タイマ、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (4)

  1. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能で多相交流電力により駆動する電動機と、前記発電機を駆動する発電機用インバータ回路と、前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、前記発電機および前記電動機と前記発電機用インバータ回路および前記電動機用インバータ回路を介して電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
    走行に要求される要求駆動力により走行するよう前記内燃機関の目標運転ポイントと前記発電機のトルク指令と前記電動機のトルク指令とを設定する目標指令値設定手段と、
    前記電動機用インバータ回路の一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じている最中に前記内燃機関を運転して走行する際、前記電動機の電気角が前記電動機を正常に駆動できる電気角の範囲である正常電気角範囲にないときには前記設定された電動機のトルク指令での前記電動機の駆動が停止されると共に前記電動機の電気角が前記正常電気角範囲にあるときには前記設定された電動機のトルク指令で前記電動機が駆動されるよう前記電動機用インバータ回路を制御し、前記電動機用インバータ回路の制御により前記電動機から前記駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制する抑制トルクと前記設定された発電機のトルク指令に対応するトルクとの和のトルクが前記発電機から出力されるよう前記発電機用インバータ回路を制御し、前記内燃機関が前記設定された目標運転ポイントで運転されるよう前記内燃機関を制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド車。
  2. 前記制御手段は、前記オフ異常が生じている最中に前記内燃機関を運転して走行する際、前記オフ異常における前記電動機用インバータ回路のスイッチング素子の状態と前記電動機の電気角と前記電動機のトルク指令と前記抑制トルクとの関係として実験または解析により予め定められたマップに対して前記オフ異常における前記電動機用インバータ回路のスイッチング素子の状態と前記電動機の回転子の回転位置に基づいて算出される前記電動機の電気角と前記設定された電動機のトルク指令とを与えることにより前記抑制トルクを設定し、該設定した抑制トルクを用いて前記発電機用インバータ回路を制御する手段である請求項1記載のハイブリッド車。
  3. 前記制御手段は、前記オフ異常が生じている最中に前記内燃機関を運転して走行する際、車速が所定車速以上のときには、前記設定された発電機のトルク指令に対応するトルクのみが前記発電機から出力されるよう前記発電機用インバータ回路を制御する手段である請求項1または2記載のハイブリッド車。
  4. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能で多相交流電力により駆動する電動機と、前記発電機を駆動する発電機用インバータ回路と、前記電動機を駆動する電動機用インバータ回路と、前記発電機および前記電動機と前記発電機用インバータ回路および前記電動機用インバータ回路を介して電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車の制御方法であって、
    走行に要求される要求駆動力により走行するよう前記内燃機関の目標運転ポイントと前記発電機のトルク指令と前記電動機のトルク指令とを設定し、
    前記電動機用インバータ回路の一部のスイッチング素子がオフの状態で作動しなくなるオフ異常が生じている最中に前記内燃機関を運転して走行する際、前記電動機の電気角が前記電動機を正常に駆動できる電気角の範囲である正常電気角範囲にないときには前記設定された電動機のトルク指令での前記電動機の駆動が停止されると共に前記電動機の電気角が前記正常電気角範囲にあるときには前記設定された電動機のトルク指令で前記電動機が駆動されるよう前記電動機用インバータ回路を制御し、前記電動機用インバータ回路の制御により前記電動機から前記駆動軸に出力されるトルクの変動を抑制する抑制トルクと前記設定された発電機のトルク指令に対応するトルクとの和のトルクが前記発電機から出力されるよう前記発電機用インバータ回路を制御し、前記内燃機関が前記設定された目標運転ポイントで運転されるよう前記内燃機関を制御する、
    ハイブリッド車の制御方法。
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