JP2009278136A - 微細構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光波長よりも短いオーダでの微細加工を低コストに実現することを可能とする技術を提供すること。
【解決手段】被加工体(100)の上側に感光性膜を形成する感光性膜形成工程と、可視光波長よりも小さい波長の2本のレーザービーム(B1,B2)を交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって上記感光性膜を露光する露光工程と、露光後の上記感光性膜を現像して、上記干渉光のパターンに対応する形状を上記感光性膜に発現させる現像工程と、現像後の上記感光性膜をエッチングマスクとしてエッチングを行い、上記被加工体を加工するエッチング工程と、を含む、微細構造体の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、可視光域の波長よりも小さなオーダの微細凹凸パターンをガラス等の基板上に実現するための方法及び装置に関する。
近年、例えば、偏光素子や反射防止素子等の光学素子或いはトランジスタ等の半導体素子などの各種デバイスにおいて微細化の要望が高まっており、可視光波長よりも小さなオーダ(例えば100nm又はそれ以下)での微細加工を実現すべく技術開発が進められている。かかるサブ波長オーダの微細パターンを作製する手段として、例えば、ステッパや電子ビーム描画による露光方法が知られている。また最近では、紫外線よりも更に波長の短いX線を利用したリソグラフィ技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
「応用物理」,応用物理学会,2004年,第73巻,第4号,p.455−461
上記した従来技術は、微細加工を達成し得るもののプロセスマージン及びスループットがともに低く、量産に適さないという不都合がある。そして、これらの不都合を回避するために製造設備などの製造コストが多大となっていた。
そこで、本発明は、可視光波長よりも短いオーダでの微細加工を低コストに実現することを可能とする技術を提供することを目的とする。
第1の態様の本発明は、被加工体の上側に感光性膜を形成する感光性膜形成工程と、可視光波長よりも短い波長の2本のレーザービームを所定角度で交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって上記感光性膜を露光する露光工程と、露光後の上記感光性膜を現像して、上記干渉光のパターンに対応する形状を上記感光性膜に発現させる現像工程と、現像後の上記感光性膜をエッチングマスクとしてエッチングを行い、上記被加工体を加工するエッチング工程と、を含んでなる微細構造体の製造方法である。
ここで、本明細書において「可視光波長よりも短い波長」とは、概ね300nm以下の波長をいう。また「被加工体」とは、エッチングによって加工可能な如何なるものも該当する。例えば各種材料(金属、ガラス、樹脂等)からなる薄膜や基板(基体)などが被加工体に該当し得る。
2本のレーザービームをある程度の角度で交叉させることにより、当該レーザービームの波長と同程度のピッチ或いはそれ以下のピッチの明暗(光強度分布)を有する干渉光(干渉縞)が得られる。より詳細には、当該干渉光のピッチは、理論的には各レーザービームの波長の1/2程度まで達成可能である。このような干渉光を露光に利用することにより、製造装置を大幅に簡便化することが可能となる。よって、可視光波長よりも短いオーダでの微細加工を低コストに実現することが可能となる。
好ましくは、上記第1の露光工程において、上記2本のレーザービームの強度比を調節することによって上記干渉光の光強度分布を可変に設定して露光を行う。
干渉光の光強度分布を可変に設定して露光を行うことにより、干渉光(干渉縞)のコントラストを可変に設定し、形状ならびにアスペクト比が異なるさまざまな潜像パターンを実現可能となる。よって、当該潜像パターンを現像した後に転写して得られる微細構造体の形状やアスペクト比のバリエーションを広げることができる。
好ましくは、上記第1の露光工程は、上記感光性膜の露光を複数回行い、当該複数回の露光のそれぞれ毎に上記干渉光と上記感光性膜との相対的配置を変更して設定する。
これにより、微細な2次元パターンからなる微細構造体が得られる。
好ましくは、上記第1の露光工程は、上記感光性膜の露光を複数回行い、当該複数回の露光のそれぞれ毎に上記2本のレーザービームの強度比を異なる値に設定する。
これにより、各露光時における干渉光のコントラストを可変に設定し、形状ならびにアスペクト比が異なるさまざまな潜像パターンを実現可能となり、これを転写して得られる微細構造体のバリエーションを広げることができる。干渉光と感光性膜との相対的位置を変更せずにレーザービームの強度比のみを変化させて複数回の露光を行った場合であっても、コントラストの異なる干渉光を重畳して照射することによりさまざまな潜像パターンが実現される。
また、上記感光性膜としては、従来型のフォトレジスト(感光性樹脂)など種々のものを採用し得るが、特に化学増幅型レジストを用いることが好ましい。
これにより、干渉縞のピッチに精度よく対応した高精細な露光パターンが得られる。
また、感光性膜として化学増幅型レジストを採用する場合には、上記感光性膜形成工程、上記露光工程及び上記現像工程を行うときの雰囲気をアルカリ系不純物の濃度が1ppb以下となるようにすることが好ましい。ここで「アルカリ系不純物」とは、化学増幅型レジストの特性に影響を与える不純物をいい、主にアンモニアが該当する。
アルカリ系不純物を低濃度に管理することにより、干渉縞の明暗パターンをより高精度に反映した露光パターンが得られる。
また、上記感光性膜として自己組織化単分子膜を用いることも好ましい。
自己組織化単分子膜は極めて薄い膜であるため材料消費量が少なくなり、また、多様な機能を持たせることも可能となるので、形成される微細構造体のバリエーションを増やすことができる。
また、上記第1の露光工程の以後であって上記現像工程より以前に、上記2本のレーザービームの相互間に上記第1の露光工程の際とは異なる位相差を与えながら当該2本のレーザービームを交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって上記感光性膜を露光する第2の露光工程を更に含むことも好ましい。
2本のレーザービームの相互間の位相差を可変に設定し、干渉光を所定量(例えば、1/2周期分)だけ変位させて多重露光を行うことにより、更に微細な潜像パターンを形成することが可能となる。
好ましくは、上記第2の露光工程は、上記2本のレーザービームの少なくとも一方に対して位相変調手段によって位相変調を加えることにより上記位相差を生じさせる。ここで「位相変調手段」とは、例えば位相差板(1/2波長板等)や液晶素子などが挙げられる。
これにより、2本のレーザービームの間の位相差を容易に制御することが可能となる。特に、液晶素子等を用いる場合には、当該液晶素子の配向状態を印加電圧に応じて変化させることにより、2本のレーザービーム間の位相差を連続的に制御できるため好ましい。
また、上記感光性膜としては、多光子吸収を呈するものを用いることが好ましい。
このような非線形な反応特性を有する感光性膜を用いることにより、照射光強度がある程度以上(例えば、最大値近傍)となる箇所にのみ潜像が生じるようにできる。したがって、干渉光の縞のピッチに精度よく対応した鮮鋭な潜像パターンが得られる。
好ましくは、上記感光性膜形成工程に先立って、上記被加工体と上記感光性膜との間に介在する反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程を更に含む。ここで「反射防止膜」としては、干渉光を吸収する等によって当該干渉光の反射を抑制し得るものであれば、無機材料、有機材料(例えば、日産化学工業株式会社製のDUV44)など如何なるものも採用し得る。特に有機材料であれば後工程での剥離(除去)が容易となる。
これにより、干渉光の裏面反射により感光性膜が不要部分まで露光されてしまうのを抑制し、良好な露光パターンを得ることが可能となる。
好ましくは、上記感光性膜形成工程の後に、上記感光性膜の上面に保護膜を形成する保護膜形成工程を更に含む。ここで「保護膜」としては、所要の機能を果たし得る限り、無機材料、有機材料など如何なるものも採用し得る。
これにより、感光性膜と大気とを隔離して外界の影響を抑制することが可能となる。特に、当該感光性膜として化学増幅型レジスト等、外界の影響を受けやすいものを採用した場合に好適である。
好ましくは、上記2本のレーザービームの一方と他方とを上記感光性膜の露光面と直交する軸に対して対称に入射させる。
これにより、露光される領域の露光深さ、幅、或いは露光パターン(潜像)のピッチなどをより均質に揃えることが可能となる。従って、等間隔で配列される線パターン等が容易に得られる。
好ましくは、上記2本のレーザービームのそれぞれは直線偏光であり、その偏光方位がビーム入射面と直交する。
これにより、2本のレーザービームの交叉角度の大小に関わりなく、より鮮明な干渉縞を得ることが可能となる。
また、上記2本のレーザービームは、同一のレーザー光源から出力される1本のレーザービームを分岐手段により分岐させて得られるものであることが好ましい。ここで「分岐手段」とは、例えば振幅分割型ビームスプリッタ、偏光分離型ビームスプリッタ、回折型ビームスプリッタなどの光学素子が挙げられる。
これにより、露光にかかる2本のレーザービームが簡素な構成によって得られ、更なる製造コストの削減が可能となる。
更に好ましくは、上記分岐手段は±n次回折ビーム(nは1以上の自然数)を発生させるものであり、当該±n次回折ビームを上記2本のレーザービームとして用いる。
回折ビームを利用することにより、エネルギーがほぼ等しく進行方向が対称であり、本発明に好適な2本のレーザービームが容易に得られる。
更に好ましくは、上記分岐手段は上記±n次回折ビームよりもエネルギーの低い0次ビームを更に生じさせるものであり、当該0次ビームを参照して上記感光性膜と上記干渉光との相対位置を設定する。
0次ビームを利用することにより、感光性膜と干渉光との相対位置の設定が容易となる。
また、上記分岐手段は、1本の透過ビームと当該透過ビームとは異なる方向へ進行する1本の回折ビームとを発生させるものであってもよく、その場合には、上記透過ビームと上記回折ビームとを上記2本のビームとして用いる。
透過ビームと回折ビームとを利用することによっても、本発明に好適な2本のレーザービームが容易に得られる。
第2の態様の本発明は、可視光波長よりも波長の短い2本のレーザービームを交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって感光性を有する被加工体を露光する第1の露光工程と、上記被加工体の露光された部位を現像することにより、上記干渉縞のパターンに対応する凹凸形状を上記感光性膜に発現させる現像工程と、を含んでなる微細構造体の製造方法である。
ここで「感光性を有する被加工体」とは、干渉光の照射により露光可能な光反応性を有し、当該被照射部分(又はそれ以外の部分)を現像によって除去することが可能なものであれば如何なるものも該当する。例えば、感光性を有するポリイミドやアクリル等の樹脂からなる膜や基板(基体)などがこれに該当し得る。
かかる方法によれば、2本のレーザービームを交叉させて得られる干渉光によって被加工体を直接的に露光するので、製造装置を大幅に簡便化することが可能となる。よって、可視光波長よりも短いオーダでの微細加工を低コストに実現することが可能となる。
好ましくは、上記第1の露光工程の以後であって上記現像工程より以前に、上記2本のレーザービームの相互間に上記第1の露光工程の際とは異なる位相差を与えながら当該2本のレーザービームを交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって上記被加工体を露光する第2の露光工程を更に含むことが好ましい。
2本のレーザービームの相互間の位相差を可変に設定し、干渉光を所定量(例えば、1/2周期分)だけ変位させて多重露光を行うことにより、更に微細な潜像パターンを形成することが可能となる。
また、上記第1の露光工程において、上記2本のレーザービームの強度比を調節することによって上記干渉光の光強度分布を可変に設定して露光を行うことも好ましい。
干渉光の光強度分布を可変に設定して露光を行うことにより、干渉光(干渉縞)のコントラストを可変に設定し、形状ならびにアスペクト比が異なるさまざまな潜像パターンを実現可能となる。よって、当該潜像パターンを現像した後に転写して得られる微細構造体の形状やアスペクト比のバリエーションを広げることができる。
なお、第2の態様の本発明に対して、上記した第1の態様の本発明についての更なる有利な態様(例えば、2本のレーザービームの生成方法等)を適宜採用し得る。
第3の態様の本発明は、感光性膜又は感光性を有する被加工体を露光するための装置(露光装置)であって、可視光波長よりも短い波長の2本のレーザービームを発生するビーム発生手段と、上記2本のレーザービームが所定角度で交叉して干渉光を発生するように当該各レーザービームの進路を設定する光学的手段と、を含み、上記干渉光を用いて上記感光性膜又は上記被加工体を露光するように構成されたものである。
かかる構成では、2本のレーザービームのある程度の角度で交叉させることにより、当該レーザービームの波長と同程度のピッチ或いはそれ以下のピッチの明暗を有する干渉光を生成し、これを露光に利用している。これにより、微細加工に必要な露光装置(製造装置)を大幅に簡便化することが可能となる。よって、可視光波長よりも短いオーダでの微細加工を低コストに実現することが可能となる。
好ましくは、上記2本のレーザービームのうち少なくとも一方のレーザービームの進路上に配置されて当該レーザービームに位相変調を与える位相変調手段を更に含み、上記干渉光を用いて上記感光性膜又は上記被加工体を多重露光し、その際、各露光ごとに上記位相変調手段によって上記2本のレーザービームの相互間に異なる位相差を与えながら露光を行う。
2本のレーザービームの相互間の位相差を可変に設定し、干渉光を所定量(例えば、1/2周期分)だけ変位させて多重露光を行うことにより、更に微細な潜像パターンを形成可能としている。これにより、微細加工に必要な露光装置(製造装置)を大幅に簡便化することが可能となる。
また、この場合における上記感光性膜又は上記被加工体は、多光子吸収を呈するものであることが好ましい。
これにより、干渉光の縞のピッチに精度よく対応した鮮鋭な潜像パターンが得られる。
また、この場合における上記位相変調手段は、位相差板又は液晶空間光変調素子であることが好ましい。
これにより、2本のレーザービームの間の位相差を容易に制御することが可能となる。特に、位相差板を採用する場合には、本発明にかかる位相変調手段をより低コストに実現できる。また、液晶空間光変調素子を採用する場合には、液晶分子の配向状態を印加電圧に応じて変化させることにより、2本のレーザービーム間の位相差を連続的に制御できるため好ましい。
また、上記2本のレーザービームのうち少なくとも一方のレーザービームの進路上に配置され、当該レーザービームの強度を増減させることにより上記2本のレーザービームの強度比を調節するビーム強度比制御手段を更に含むように露光装置を構成し、上記2本のレーザービームの強度比を調節することによって上記干渉光の光強度分布を可変に設定し、当該干渉光を用いて上記感光性膜又は上記被加工体を露光することも好ましい。
干渉光の光強度分布を可変に設定して露光を行うことにより、干渉光(干渉縞)のコントラストを可変に設定し、形状ならびにアスペクト比が異なるさまざまな潜像パターンを実現可能となる。よって、当該潜像パターンを転写して得られる微細構造体の形状やアスペクト比のバリエーションを広げることができる。
また、この場合における上記強度比制御手段は、回折型ビームスプリッタであることが好ましい。
これにより、露光装置の構成の簡素化を図ることが可能となる。
好ましくは、上記感光性膜又は上記被加工体と上記干渉光の発生位置との相対的な位置を設定する位置設定手段を更に含む。
これにより、感光性膜等に対する干渉光の照射状態を自由に可変し、種々の露光パターンを得ることが可能となる。
好ましくは、上記ビーム発生手段は、1本のレーザービームを出力するレーザー光源と、当該1本のレーザービームを分岐して2本のレーザービームを生成する分岐手段とを含んで構成される。
これにより、他の代替手段(例えば、2つのレーザー光源を同期させて用いる等)に比べて露光装置の構成をより簡素化することが可能となる。
更に好ましくは、上記分岐手段は、回折型ビームスプリッタであり、当該回折型ビームスプリッタによって得られる±n次回折ビーム(nは1以上の自然数)を上記2本のレーザービームとして用いる。
これにより、本発明に好適な2本のレーザービームを容易に得ることができる。
(31)
また、上記回折型ビームスプリッタは、上記±n次回折ビームに加えて、当該±n次回折ビームよりもエネルギーの低い0次ビームを生じさせるものであることが更に好ましい。
0次ビームを参照することにより、上記感光性膜又は上記被加工体と上記干渉光の発生位置との相対的な位置の設定がより容易となる。
より好ましくは、当該0次ビームを受光して電気信号に変換するモニタを更に含む。
0次ビームの強度を電気信号に変換することにより、0次ビームの位置等の参照が容易となる。
また、上記分岐手段は、回折素子であり、当該回折素子によって得られる1本の透過ビームと当該透過ビームとは異なる方向へ進行する1本の回折ビームとを上記2本のレーザービームとして用いることも好ましい。
これによっても、本発明に好適な2本のレーザービームを容易に得ることができる。
また、上記2本のレーザービームのそれぞれの進路上に配置され、当該各レーザービームのビーム径を拡げるビームエクスパンダを更に備えることが好ましい。
これにより、広い露光範囲を確保することが可能となる。
第4の態様の本発明は、上述した第1又は第2の態様の本発明にかかる製造方法によって製造され、或いは第3の態様の本発明にかかる露光装置を用いて製造される微細構造体を備える電子機器である。
ここで「微細構造体」としては、例えば、偏光分離、位相遅延、反射防止、複屈折解消などの機能を有する光学素子(光学薄膜デバイス)などが挙げられる。そして、このような光学素子を含む電子機器としては、典型的には、当該光学素子を偏光素子として用いた液晶表示装置を含んでなる液晶プロジェクターなどが挙げられる。
第1の実施形態の露光装置の構成を説明する図である。 基板の上面に形成される感光性膜等の構造について説明する断面図である。 2本のレーザービームを交叉させることにより発生する干渉光について説明する図である。 干渉光と感光性膜に形成される潜像との関係を説明する図である。 (1)式の関係を示す図(グラフ)である。 (3)式の関係を示した図(グラフ)である。 微細構造体の製造方法について説明する工程断面図である。 微細構造体(金属格子型偏光素子)の概略斜視図である。 金属格子型偏光素子の光学特性を説明する図である。 電子機器の具体例を説明する図である。 感光性を有する膜自体を被加工体とする場合の工程断面図である。 感光性を有する基板自体を被加工体とする場合の工程断面図である。 回折素子を用いたレーザービーム発生方法の一例について説明する模式図である。 回折素子を用いたレーザービーム発生方法の他の例について説明する模式図である。 第2の実施形態の露光装置の構成を説明する図である。 位相変調手段の具体例を説明する図である。 多重露光の原理について説明する図である。 微細構造体の製造方法について説明する工程断面図である。 微細構造体(金属格子型偏光素子)の概略斜視図である。 感光性を有する膜自体を被加工体とする場合の工程断面図である。 感光性を有する基板自体を被加工体とする場合の工程断面図である。 第3の実施形態の露光装置の構成を説明する図である。 基板の上面に形成される感光性膜等の構造について説明する断面図である。 (6)式の関係を説明する図である。 微細構造体の製造方法について説明する工程断面図である。 露光工程について詳細に説明するための図である。 微細構造体(反射防止素子)の概略斜視図である。 電子機器の具体例を説明する図である。 感光性を有する膜自体を被加工体とする場合の工程断面図である。 光学系の他の構成例を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明を適用した第1の実施形態の露光装置の構成を説明する図である。図1に示す露光装置1は、感光性膜を露光するために用いられるものであり、レーザー光源10、ミラー11、12、シャッター13、回折型ビームスプリッタ14、モニタ15、レンズ16a、16b、空間フィルタ17a、17b、ミラー18a、18b、ステージ19を含んで構成されている。
レーザー光源10は、可視光波長よりも短い波長の1本のレーザービームを出力する。このようなレーザー光源10としては、各種のレーザ発振器が好適に用いられる。一例として本実施形態では、固体UVレーザーのNd:YVO4(第四高調波:波長266nm、最大出力200mW程度、CW発振)をレーザー光源10として用いる。図示のように、レーザー光源10から出射されるレーザービームB0(例えば、ビーム径約1mm)は、各ミラー11、12により進路(光路)を変更され、シャッター13を通過した後に回折型ビームスプリッタ14へ入射する。
シャッター13は、上述したようにレーザービームB0の進路中に配置され、当該レーザービームB0を通過させ、又は遮断する機能を担う。
回折型ビームスプリッタ14は、1本のレーザービームB0を分岐して2本のレーザービームB1、B2を生成する分岐手段である。この回折型ビームスプリッタ14は、石英等の表面に施した微細な凹凸形状による形状効果を用いてその機能を実現する凹凸型回折素子である。当該スプリッタはその全体が石英等のみからなり耐久性が高いため、高出力のUVレーザーを照射した場合でも損傷を被ることがなく、ほぼ永久に使用できる。回折型ビームスプリッタ14の形状ならびに深さは最適設計されており、入射するビームをTE偏光とした場合に、等しい強度の2本の回折ビーム(±1次)を発生させる。本実施形態では、これらの±1次回折ビームを各レーザービームB1、B2として用いている。また、本実施形態では、0次ビームに僅かにエネルギーを残すように回折型ビームスプリッタ14を設計している。光学系を組上げる際に、当該0次ビームB3を参照することにより、各レーザービームB1、B2の基板100上での交叉角度の設定や、基板100の位置合わせを容易に行うことが可能となる。さらに、分岐された2本のレーザービームB1、B2が左右反転せずに干渉するため、コントラストの高い干渉縞を得ることができ、アスペクト比が高いパターンを形成するためには有利である。
なお、回折型ビームスプリッタ14によって±2次又はそれより高次の回折ビームを生成し、当該回折ビームを上記レーザービームB1、B2として用いてもよい。また、分岐手段として、回折型ビームスプリッタの代わりに、簡便な振幅分割型ビームスプリッタや耐久性に優れた偏光分離型ビームスプリッタを用いることも可能である。偏向分離型ビームスプリッタを用いた場合には、分離されたビームの一方の偏光方位を波長板を用いてTEへ変換する必要がある。
モニタ(観察手段)15は、0次ビームB3を受光して電気信号に変換する。このモニタ15からの出力に基づいてステージ19の位置制御を行うことにより、各レーザービームB1、B2の基板100上での交叉角度の設定や、基板100の位置合わせが容易となる。ここで、図1では説明の便宜上、モニタ15が基板100よりも回折型ビームスプリッタ14に近い側に配置されているが、モニタ15の位置はこれに限定されるものではなく任意に設定可能であり、例えば位置決め時には基板100と略同位置に配置され、露光時には他の位置へ移動するような可動型にしてもよい。なお、より簡便な観察手段として、0次ビームB3の照射を受けて蛍光を発する紙媒体などを用いて0次ビームB3を参照してもよい。
レンズ16aは、回折型ビームスプリッタ14により生成された一方のレーザービームB1が入射するように配置されており、当該レーザービームB1を集光する。空間フィルタ17aは、ピンホールを有しており、レンズ16aによる集光後のレーザービームB1が当該ピンホールに入射するように配置されている。すなわち、レンズ16aと空間フィルタ17aによってビームエキスパンダが構成されており、これらによってレーザービームB1のビーム径が拡大される。同様に、レンズ16bは、回折型ビームスプリッタ14により生成された他方のレーザービームB2が入射するように配置されており、当該レーザービームB2を集光する。空間フィルタ17bは、ピンホールを有しており、レンズ16bによる集光後のレーザービームB2が当該ピンホールに入射するように配置されている。すなわち、レンズ16bと空間フィルタ17bによってビームエキスパンダが構成されており、これらによってレーザービームB2のビーム径が拡大される。例えば本実施形態では、各レーザービームB1、B2は、各ビームエクスパンダによってそれぞれビーム径が200mm程度に拡げられる。各空間フィルタ17a、17bの作用により、不要散乱光が除かれた後のビーム波面を露光へ用いることができるので、欠陥やノイズのない、きれいな露光パターンを形成でき、したがって、きれいな潜像を形成できる。
ミラー18aは、空間フィルタ17aを通過後のレーザービームB1が入射するように配置されており、当該レーザービームB1を反射して基板100の方向へ導く。同様に、ミラー18bは、空間フィルタ17bを通過後のレーザービームB2が入射するように配置されており、当該レーザービームB2を反射して基板100の方向へ導く。これらのミラー18a、18bは、2本のレーザービームB1、B2が所定角度で交叉して干渉光を発生するように当該各レーザービームの進路を設定する光学的手段としての機能を担う。
ステージ19は、基板100を支持し、当該基板100上の感光性膜が各レーザービームB1、B2の交叉により発生した干渉光(干渉縞)によって露光され得るようにその相対的な位置を設定する。すなわち、ステージ19は、感光性膜と干渉光の発生位置との相対的な位置を設定する位置設定手段としての機能を担う。
図2は、基板100とその上面に形成される感光性膜等の構造について説明する断面図である。図2に示すように、基板100の一面には、被加工体としての金属薄膜101と、反射防止膜102と、感光性膜103とが形成されている。
基板100は、被加工体としての金属薄膜101を支持するものである。例えば本実施形態では、金属薄膜101を格子状に加工することによって金属格子型偏光素子を形成する場合を考えるので、基板100としては、ガラス基板、樹脂基板など透光性のものを用いる。
金属薄膜101は、アルミニウム等の金属材料からなる膜である。なお、ここでは金属格子型偏光素子を得るために必要な被加工体として金属薄膜を例示しているが、被加工体はこれに限定されず、最終的に得たい微細構造体の内容に応じて適宜選択されるものである。例えば、誘電体多層膜を用いることもできる。
反射防止膜102は、上述した干渉光により感光性膜103を露光する際における干渉光の裏面反射を抑制する機能を担う。反射防止膜102としては、干渉光を吸収する等によって当該干渉光の反射を抑制し得るものであれば、無機材料、有機材料のいずれも採用し得る。特に、日産化学工業株式会社製のDUV44などの有機材料であれば後工程での剥離(除去)が容易となる。これにより、干渉定在波のない良好なパターンを形成できる。
感光性膜103は、光照射を受けた部分に変質を生じ、後の所定処理によって当該光照射部分又は非光照射部分のいずれかを選択的に除去し得る性質を備える材料を用いて成膜される。例えば本実施形態では、UV波長(λ〜250nm)用に調整された化学増幅型レジストを用いて感光性膜103が形成される。
図3は、2本のレーザービームB1、B2を交叉させることにより発生する干渉光について説明する図である。上述したように本実施形態では、ビーム径が拡大された後の各レーザービームB1、B2を所定の交叉角度で干渉させることにより干渉光(干渉縞)を発生させる。そして、この干渉縞を感光性膜103へ照射することにより露光が行われる。
このとき、レーザー波長をλ、交叉角度をθとすると、干渉縞Fの周期P(図3参照)は以下の式で与えられる。
P=λ/(2sinθ)・・・(1)
このとき、図示のように、2本のレーザービームB1、B2を感光性膜103の露光面と直交する軸(仮想軸)に対して対称に入射させる。これにより、露光される領域の露光深さ、幅、或いは露光パターン(潜像)のピッチなどをより均質に揃えることが可能となる。従って、等間隔で配列される線パターン等が容易に得られる。なお、2本のレーザービームB1、B2を感光性膜103の露光面と直交する軸に対して非対称に入射させてもよい。
図4は、干渉光と感光性膜103に形成される潜像との関係を説明する図である。図4(A)に示すように、干渉光は周期的な光強度分布(周期P)を有する。そして図4(B)に示すように、照射光の強度に対応して感光性膜103に潜像パターン104が形成される。
図5は、上記(1)式の関係を示す図(グラフ)であり、横軸が交叉角度θ、縦軸が干渉縞の周期(ピッチ)Pにそれぞれ対応している。図5に示すように、例えば波長λが266nmであるとすると、交叉角度θ=62度のときに、干渉縞の周期はP=150nmとなる。当該干渉光の周期は、理論的には各レーザービームの波長の1/2程度まで達成可能である。
他方、干渉縞が形成される領域の深さΔzは、入射ビームの直径をWとすると、およそ次式により与えられる。
Δz<W/sinθ・・・(2)
干渉にあずかる2本のレーザービームB1、B2のいずれも直線偏光であり、その方位はビーム入射面と直交(TE偏光)している。TE偏光を用いることにより、交叉角度の大小に関わりなく、鮮明な干渉縞をつくることが可能である。
形状が良好な(アスペクトが高く、矩形状の)レジストパターンを形成するためには、干渉縞のコントラストを充分に高めることが必須となる。干渉縞のコントラストCは、干渉縞の変位をΔxとすると、以下の式で与えられる。図6はこの式の関係を示した図(グラフ)である。
C=sin(Δx)/(Δx)・・・(3)
なお、干渉縞のコントラストを高めるには、露光中の干渉縞の変位を極力小さく抑えなければならない。このことを実現するには、外乱(振動、空気ゆらぎ)を排除する必要がある。例えば、図1に示した露光系を防振ベンチの上に置き、さらに、露光系をカバーで覆う等の対策を施すことにより、大きな効果が得られる。
次に、微細構造体の一例として金属格子型偏光素子を採り上げ、本実施形態にかかる製造方法を詳細に説明する。
図7は、一実施形態の微細構造体の製造方法について説明する工程断面図である。
(被加工体形成工程、反射防止膜形成工程)
まず、図7(A)に示すように、基板100の一面に金属薄膜101と反射防止膜102とを形成する。本例では、基板100として板厚1mmのガラス基板を用いる。また、金属薄膜101として、スパッタや真空蒸着等の成膜方法によってアルミニウム膜を膜厚160nm程度に形成する。また、反射防止膜102は、スピンコート法などの成膜方法により膜厚75nm程度に形成する。
(感光性膜形成工程)
次に図7(B)に示すように、被加工体としての金属薄膜101の上側(本例では反射防止膜102の上面)に感光性膜103を形成する。本実施形態では、化学増幅型レジストを用い、これをスピンコート法などの成膜方法によって成膜することにより、膜厚450nm程度の感光性膜103を形成する。ここで、化学増幅型レジストは、樹脂、酸発生剤、溶媒からなる混合液であり、光化学反応で発生する酸を利用するため、アンモニアなどの微量のアルカリ系不純物にも敏感に影響を受け、特性が変動する。よって、本実施形態では、本工程及びその後の露光工程及び現像工程を行うときの雰囲気をアルカリ系不純物の濃度が1ppb以下となるようにする。
なお、上記の感光性膜形成工程の後に、感光性膜103の上面に保護膜を形成する保護膜形成工程を追加することも好ましい。例えば、東京応化工業製のTSP−5Aを用い、これをスピンコート法等によって成膜することにより、好適な保護膜を形成し得る。また、この保護膜に反射防止の機能を持たせることも可能である。これにより、化学増幅型レジストからなる感光性膜103を大気と隔離して外界の影響を抑制することが可能となる。
(第1の露光工程)
次に図7(C)に示すように、可視光波長よりも小さい波長(本例では266nm)の2本のレーザービームB1、B2を所定角度で交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって感光性膜103を露光する。例えば、2本のレーザービームB1、B2の交叉角度(図3参照)を62度とすることにより、周期150nmの干渉縞が得られ、当該干渉縞(干渉光)に対応した潜像パターン104が感光性膜103に形成される。本例では、ビームエキスパンダによりビーム径が200mm程度まで拡大されたレーザービームB1、B2を用いているので、4インチ程度の領域を一括露光できる。露光に要する時間は30秒程度である。また、さらに大きな領域(例えば、8インチ程度)を露光する場合には、基板100をステップ&リピートで移動すればよい。
(現像工程)
次に図7(D)に示すように、露光後の感光性膜103を焼成(ベーキング)し、その後に現像することにより、干渉光のパターンに対応する形状を感光性膜103に発現させる。これにより、金属薄膜101上に周期150nmのレジストパターンが得られる。
(エッチング工程)
次に図7(E)に示すように、現像後の感光性膜103をエッチングマスクとして用いてエッチングを行い、被加工体としての金属薄膜101を加工する。これにより、金属薄膜101へレジストパターンが転写される。エッチング方法としては、原理的にはウェットエッチング、ドライエッチングのいずれも採用することが可能である。特に、ICP(誘導結合プラズマ)やECR(電子サイクロトロン共鳴)等の方法でドライエッチングすることが好適である。なお、エッチング以前に反射防止膜102を除去しておくことにより、エッチングの再現性や均一性をさらに向上させることも可能である。
(感光性膜除去工程)
次に図7(F)に示すように、反射防止膜102及び感光性膜103を除去する。これにより、微細なアルミパターンからなる金属格子型偏光素子が得られる。
図8は、本実施形態の製造方法によって製造される微細構造体(金属格子型偏光素子)の概略斜視図である。上記の条件により、図示のように、周期150nm、パターン深さ250nm、デューティ1:1のストライプ状の微細アルミパターンがガラス基板上に形成されてなる金属格子型偏光素子が得られる。
図9は、上述した金属格子型偏光素子の光学特性を説明する図である。より具体的には、図9(A)は金属格子型偏光素子と入射光及び出射光の関係を説明する図であり、図9(B)は波長λを固定値とし、周期Pを変化させたときの透過光強度を示す図であり、図9(C)は周期Pを固定値とし、波長λを変化させたときの透過光強度を示す図である。図9(B)及び図9(C)にそれぞれ矢印で示した範囲において、TE成分とTM成分(図9(A)参照)の間に、顕著な偏光分離特性が現れる。このような金属格子型偏光素子は、偏光特性に加えて耐光性にも優れるので、例えば液晶プロジェクタなどの電子機器へ適用することができる。これまでの高分子を用いた偏光素子では高輝度ランプを長時間照射することによる特性の劣化が著しく、液晶プロジェクタの長寿命化の妨げとなっていたが、本実施形態の偏光素子を用いることにより、液晶プロジェクタの長寿命化を図ることが可能となる。
図10は、電子機器の具体例を説明する図である。図10(A)はリア型プロジェクターへの適用例であり、当該プロジェクター270は筐体271に、光源272、合成光学系273、ミラー274、275、スクリーン276、および本実施形態の金属格子型偏光素子を含んでなる液晶パネル200を備えている。図10(B)はフロント型プロジェクターへの適用例であり、当該プロジェクター280は筐体282に光学系281および本実施形態の金属格子型偏光素子を含んでなる液晶パネル200を備え、画像をスクリーン283に表示可能になっている。また、電子機器はこれらに限定されるものではなく、例えばこれらの他に、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイなども含まれる。
このように第1の実施形態では、2本のレーザービームB1、B2をある程度の角度で交叉させることにより、当該レーザービームの波長と同程度のピッチ或いはそれ以下のピッチの明暗(光強度分布)を有する干渉光(干渉縞)が得られる。このような干渉光を露光に利用することにより、製造装置を大幅に簡便化することが可能となる。よって、可視光波長よりも短いオーダでの微細加工を低コストに実現することが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、露光工程について広いプロセスマージンと高いスループットを確保できるので、量産ラインへの適用が容易である。
また、第1の実施形態によれば、比較的に大面積の露光領域に対しても容易に対応可能であり、例えば8インチ程度の領域であっても短時間で処理可能である。
なお、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した第1の実施形態では、金属薄膜を被加工体としていたが、その他の基板(例えば、石英やシリコン)なども被加工体とすることが可能である。この場合には、当該基板の上側に感光性膜を形成し、露光、現像、エッチングを行えばよい。更には、感光性を有する膜自体や基板自体を被加工体としてもよい。
図11は、感光性を有する膜自体を被加工体とする場合の工程断面図であり、該当する工程のみが部分的に示されている。ここでは、感光性膜112としてポリイミド樹脂等からなる膜を採用することが好ましい。そして、図11(A)に示すように、基板100上に設けられた被加工体としての感光性膜112に対して、上述した実施形態と同様にして2本のレーザービームを交叉させて得られる干渉光を照射して露光する。これにより、潜像パターン114が形成される。その後、この露光された部位を現像して、干渉光のパターンに対応する凹凸形状を発現させる。これにより、図11(B)に示すように、感光性膜112が微細な凹凸パターンが成形される。このような凹凸パターンは、例えば、いわゆるモスアイなどの反射防止構造として用いることができる。
図12は、感光性を有する基板自体を被加工体とする場合の工程断面図であり、該当する工程のみが部分的に示されている。ここでは、感光性を有するアクリル樹脂等からなる基板100aそれ自体を被加工体とする。そして、図12(A)に示すように、被加工体としての基板100aに対して上述した実施形態と同様にして2本のレーザービームを交叉させて得られる干渉光を照射して露光する。これにより、基板100aの表面近傍に潜像パターン124が形成される。その後、この露光された部位を現像して、干渉光のパターンに対応する凹凸形状を発現させる。これにより、図12(B)に示すように、基板100aの表面に微細な凹凸パターンが成形される。このような凹凸パターンは、例えば、いわゆるモスアイなどの反射防止構造として用いることができる。
また、上述した実施形態では、レーザー光源と分岐手段(回折型ビームスプリッタ)との組み合わせによって2本のレーザービームを発生するビーム発生手段が構成されていたが、ビーム発生手段はこれに限定されるものではない。例えば、それぞれ1本のレーザービームを出力するレーザー光源を2つ用いて本発明にかかるビーム発生手段としてもよい。また、以下に説明するような回折素子を用いて2本のレーザービームを発生させることもできる。
図13は、回折素子を用いたレーザービーム発生方法の一例について説明する模式図である。図13に示す回折素子50は、レーザービームB0の入射する面と反対側の面がストライプ状の凹凸形状(1次元格子)に加工されている。この凹凸形状の深さ及び周期はベクトル解析により最適設計されており、図示のように略垂直に入射されるレーザービームB0に基づいて、主に+1次回折ビームと−1次回折ビームとを発生させるようになっている。これらの±1次回折ビームを2本のレーザービームB1、B2として用いることにより、ピッチPの干渉光を発生させて露光を行うことができる。
図14は、回折素子を用いたレーザービーム発生方法の他の例について説明する模式図である。図14に示す回折素子51は、レーザービームB0の入射する面と反対側の面がストライプ状の凹凸形状(1次元格子)に加工されている。この凹凸形状の深さ及び周期はベクトル解析により最適設計されており、図示のように所定の角度をつけて入射されるレーザービームB0に基づいて、主に1本の透過ビームと、当該透過ビームとは異なる方向へ進行する1本の回折ビームと、を発生させるようになっている。これらの透過ビームと回折ビームとを2本のレーザービームB1、B2として用いることにより、ピッチPの干渉光を発生させて露光を行うことができる。
上記のような回折素子50又は回折素子51を用いる場合には、上述した図1に示す光学系において、シャッター13を通過したレーザービームB0を回折素子50又は回折素子51に入射し、かつ当該回折素子50又は回折素子51に近接させて基板100等を配置すればよい。回折素子50又は回折素子51と基板100とは例えば1mm程度の間隔で近接させるとよい。また、入射させるレーザービームB0はその偏向方向が回折素子50又は回折素子51の凹凸形状の溝と平行な直線偏光とすることが好ましい。それにより、干渉光をより効率よく発生させることができる。また、入射させるレーザービームB0は、予めビームエクスパンダ等を用いてビーム径を大きくしておくこととよい。例えば、ビーム径を200mm程度にすることにより、直径8インチ程度の領域を一括露光することができる。なお、ビーム径を大きくするのが難しい場合には、レーザービームB0を光学素子50上で走査するようにしてもよい。このような回折素子50又は回折素子51を用いることにより、露光装置の更なる簡素化と製造コストの削減を図ることができる。
なお、上記した回折素子50又は51は、本発明における「分岐手段」に相当するとともに、2本のレーザービームを所定角度で交叉させるための「光学的手段」としての機能も兼ねる。
また、上述した実施形態では、レンズと空間フィルタによって構成されるビームエキスパンダで発生させた球面波を干渉露光に用いていたが、当該ビームエクスパンダの後にコリメータレンズを配置することにより、平面波を干渉露光へ用いることも可能である。更には、各種光学素子(レンズ、位相板、計算機ホログラム等)を使い、少なくとも一方の波面へ位相変調を加えることにより、さまざまな微細パターンを実現できる。
また、上述した実施形態では感光性膜として化学増幅型レジストを用いていたが、感光性膜はこれに限定されるものではない。例えば、感光性膜として自己組織化単分子膜を用いることもできる。自己組織化単分子膜は極めて薄い膜であるため材料消費量が少なくなり、また、多様な機能を持たせることも可能となるので、形成される微細構造体のバリエーションを増やすことができる。例えば、フッ化アルキルシランの様に表面自由エネルギーの小さい材料を用いると、基板上に親液/撥液パターンが形成され、その上に選択的な膜形成が可能となる。また、アミノプロピルトリエトキシシラン、メルカプトトリエトキシシラン等を用いると、露光後に残った自己組織化単分子膜上に選択的に無電解メッキを行うこともできる。このように自己組織化単分子膜を用いた場合には、エッチング工程が含まれなくても微細構造体として機能することもあり得る。
<第2の実施形態>
図15は、第2の実施形態の露光装置の構成を説明する図である。図15に示す露光装置1aは、基板100の一面に形成された感光性膜を露光するために用いられるものであり、レーザー光源10、ミラー11、12、シャッター13、回折型ビームスプリッタ14、モニタ15、レンズ16a、16b、空間フィルタ17a、17b、ミラー18a、18b、ステージ19、位相変調手段20を含んで構成されている。この露光装置1aは、基本的には上述した第1の実施形態における露光装置1と同様の構成を有しており、位相変調手段20が追加された点が異なっている。以下では、第1の実施形態と重複する内容については説明を省略する。
位相変調手段20は、一方のレーザービームB2の進路上に配置されて当該レーザービームB2に位相変調を与えるものである。この位相変調手段20により、2本のレーザービームB1、B2の相互間の位相差を制御することが可能となる。なお、本例では一方のレーザービームB2の進路上にのみ位相変調手段20を配置するが、各レーザービームの進路上にそれぞれ位相変調手段を配置してもよい。
ここで、干渉にあずかる2本のビーム波面の複素振幅をI1、I2と表すと、干渉光の光強度分布(干渉縞)Iは以下の式で与えられる。
I=I1+I2+2√(I12cos(φ))・・・(4)
ここで、上記(4)式中のφはレーザービームの相互間の位相差である。この位相差φを位相変調手段20により制御する。この位相変調手段としては、図16(A)に示すような1/2波長板20aや、図16(B)に示すような液晶空間光変調器20bなどが好適に用いられる。図16(A)に示すように、1/2波長板は、進相軸(図中のF)と遅相軸(図中のS)を有する。一方の軸からもう一方の軸へ入射偏光方位に合わせることにより、1/2波長板を通過するビーム波面の位相φをちょうどπだけずらすことができる。これにより、干渉縞を1/2周期だけ変位させることができる。他方、液晶空間光変調器20bは、例えば液晶分子をホモジニアス配向させてなる液晶層と、当該液晶分子の長軸方向と平行な方向に主軸を有し、光出射側に配置された偏光板とを含んで構成される。
この液晶空間光変調素子20bは、初期配向状態(電圧無印加時)における液晶分子の配向方向(ダイレクタ)Dと平行な直線偏光ビームを入射するように配置されている。そして、印可電圧に応じてダイレクタ変形を生じさせ、液晶層の複屈折を変化させることにより、当該液晶層を通過するビーム波面の位相φを連続的に変化させることができる。すなわち、液晶空間光変調素子20bへの印加電圧を制御することにより、干渉縞を連続的に変位させることができる。なお、液晶層は、印加電圧に応じて複屈折を変化させ得る限り、上記のホモジニアス配向以外の配向状態のものも採用可能である。
図17は、多重露光の原理について説明する図である。第2の実施形態では、上記した第1の実施形態における図4で説明した干渉光による露光原理を利用し、感光性膜103として多光子吸収性を有するレジストを採用することにより潜像パターンの更なる鮮鋭化を図り、更に各露光時における干渉光の発生位置を変位させて多重露光を行うことにより、露光に用いるレーザービームの波長よりも大幅に小さい解像度での露光を可能としている。
具体的には、図17(A)に示すような光強度分布を有する干渉光によって1回の露光を行うことにより、図17(B)に示すように、干渉光の光強度分布に対応したピッチPの潜像パターンが得られる。このとき、感光性膜103として多光子吸収レジストを採用することにより、露光後に形成される潜像は、当該レジストが有する非線形性により、図17(B)に示すように照射光強度が最大となる個所の近傍にのみ形成される。したがって、ピッチPの干渉光(図17(C))によって多光子吸収レジストを一度露光し、その後、位相変調手段20によって干渉縞を1/2周期だけ変位させた干渉光(図17(D))を用いて二度目の露光を行うことにより、図17(E)に示すように、干渉縞の半分の周期(P/2)を有する潜像パターンを多光子吸収レジストの内部に形成することができる。この潜像パターンを現像すれば、周期P/2の微細な凹凸パターンを形成することができる。
次に、微細構造体の一例として金属格子型偏光素子を採り上げ、本実施形態にかかる製造方法を詳細に説明する。
図18は、第2の実施形態の微細構造体の製造方法について説明する工程断面図である。
(被加工体形成工程、反射防止膜形成工程)
まず、図18(A)に示すように、基板100の一面に金属薄膜101と反射防止膜102とを形成する。本例では、基板100として板厚1mmのガラス基板を用いる。また、金属薄膜101として、スパッタや真空蒸着等の成膜方法によってアルミニウム膜を膜厚160nm程度に形成する。また、反射防止膜102は、スピンコート法などの成膜方法により膜厚75nm程度に形成する。
(感光性膜形成工程)
次に図18(B)に示すように、被加工体としての金属薄膜101の上側(本例では反射防止膜102の上面)に感光性膜103を形成する。本実施形態では、多光子吸収レジストを用い、これをスピンコート法などの成膜方法によって成膜することにより、膜厚450nm程度の感光性膜103を形成する。
(第1の露光工程)
次に図18(C)に示すように、可視光波長よりも短い波長(本例では266nm)の2本のレーザービームB1、B2を所定角度で交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって感光性膜103を露光する。例えば、2本のレーザービームB1、B2の交叉角度(図3、図5参照)を62度とすることにより、周期150nmの干渉縞が得られ、当該干渉縞に対応した潜像パターン104が感光性膜103に形成される。なお、本実施形態では、本工程における2本のレーザービームB1、B2の相互間の位相差が0の場合を考えるが、当該位相差はこれに限られない。
(第2の露光工程)
次に図18(D)に示すように、2本のレーザービームB1、B2の相互間に上記第1の露光工程の際とは異なる位相差を与えながら当該各レーザービームB1、B2を所定角度で交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって感光性膜103を露光する。例えば、2本のレーザービームB1、B2の交叉角度(図3参照)を62度とすることにより、上記のように周期150nmの干渉縞が得られ、当該干渉縞に対応した潜像パターン104が感光性膜103に形成される。このとき、例えば各レーザービームB1、B2の位相φをπだけずらす、すなわち1/2波長分の位相差を与えることで、第1の露光工程における潜像パターンのピッチPを半ピッチ(P/2)だけずらした位置に新たな潜像パターンが形成される(図17参照)。このような多重露光により、周期75nm程度の微細な潜像パターン104が得られる。また、上記した液晶空間光変調器20b(図16(B)参照)のように連続的な位相変調を与えうる素子を用いた場合には、位相φをπよりも細かいステップにして干渉縞を移動させ、多重露光を繰り返すことができる。したがって、75nmよりも更に短い周期を有するパターンの製作も可能となる。
なお、本例ではビームエキスパンダによりビーム径が200mm程度まで拡大されたレーザービームB1、B2を用いているので、上記の第1及び第2の露光工程においては、4インチ程度の領域を一括露光できる。露光に要する時間は30秒程度である。また、さらに大きな領域(例えば、8インチ程度)を露光する場合には、基板100をステップ&リピートで移動すればよい。また、各レーザービーム間の位相差を変えながら、3回またはそれ以上の多重露光を繰り返してもよい。
(現像工程)
次に図18(E)に示すように、露光後の感光性膜103を焼成(ベーキング)し、その後に現像することにより、干渉光のパターンに対応する形状を感光性膜103に発現させる。これにより、金属薄膜101上に周期75nmのレジストパターンが得られる。
(エッチング工程)
次に図18(F)に示すように、現像後の感光性膜103をエッチングマスクとして用いてエッチングを行い、被加工体としての金属薄膜101を加工する。これにより、金属薄膜101へレジストパターンが転写される。エッチング方法としては、原理的にはウェットエッチング、ドライエッチングのいずれも採用することが可能である。特に、ICP(誘導結合プラズマ)やECR(電子サイクロトロン共鳴)等の方法でドライエッチングすることが好適である。
(感光性膜除去工程)
次に図18(G)に示すように、反射防止膜102及び感光性膜103を除去する。これにより、微細なアルミパターンからなる金属格子型偏光素子が得られる。
図19は、第2の実施形態の製造方法によって製造される微細構造体(金属格子型偏光素子)の概略斜視図である。上記の条件により、図示のように、周期75nm、パターン深さ250nm、デューティ1:1のストライプ状の微細アルミパターンがガラス基板上に形成されてなる金属格子型偏光素子が得られる。この金属格子型偏光素子の光学特性は上述した第1の実施形態におけるものと同様である(図9参照)。このような金属格子型偏光素子は、偏光特性に加えて耐光性にも優れるので、例えば液晶プロジェクタなどの電子機器へ適用することができる(図10参照)。これまでの高分子を用いた偏光素子では高輝度ランプを長時間照射することによる特性の劣化が著しく、液晶プロジェクタの長寿命化の妨げとなっていたが、本実施形態の偏光素子を用いることにより、液晶プロジェクタの長寿命化を図ることが可能となる。
このように第2の実施形態では、2本のレーザービームB1、B2をある程度の角度で交叉させることにより、当該レーザービームの波長と同程度のピッチ或いはそれ以下のピッチの光強度分布を有する干渉光が得られる。このような干渉光を利用して露光を行うことにより、簡便な装置構成によって微細な潜像パターンを形成することが可能となる。そして、2本のレーザービームの相互間の位相差を可変に設定し、干渉光を所定量だけ変位させて多重露光を行うことにより、更に微細な潜像パターンを形成することが可能となる。よって、可視光波長よりも短いオーダでの微細加工を低コストに実現することが可能となる。
また、本実施形態によれば、露光工程について広いプロセスマージンと高いスループットを確保できるので、量産ラインへの適用が容易である。
また、本実施形態によれば、比較的に大面積の露光領域に対しても容易に対応可能であり、例えば8インチ程度の領域であっても短時間で処理可能である。
なお、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、金属薄膜を被加工体としていたが、その他の基板(例えば、石英やシリコン)なども被加工体とすることが可能である。この場合には、当該基板の上側に感光性膜を形成し、露光、現像、エッチングを行えばよい。更には、感光性を有する膜自体や基板自体を被加工体としてもよい。
図20は、感光性を有する膜自体を被加工体とする場合の工程断面図であり、該当する工程のみが部分的に示されている。ここでは、感光性膜132としてポリイミド樹脂等からなる膜を採用することが好ましい。そして、基板100上に設けられた被加工体としての感光性膜132に対して、上述した実施形態と同様にして2本のレーザービームを交叉させて得られる干渉光を照射して露光する(図20(A)、図20(B))。これにより、潜像パターン134が形成される。その後、この露光された部位を現像して、干渉光のパターンに対応する凹凸形状を発現させる。これにより、図20(C)に示すように、感光性膜132が微細な凹凸パターンが成形される。このような凹凸パターンは、例えば、いわゆるモスアイなどの反射防止構造として用いることができる。
図21は、感光性を有する基板自体を被加工体とする場合の工程断面図であり、該当する工程のみが部分的に示されている。ここでは、感光性を有するアクリル樹脂等からなる基板100aそれ自体を被加工体とする。そして、被加工体としての基板100aに対して上述した実施形態と同様にして2本のレーザービームを交叉させて得られる干渉光を照射して露光する(図21(A)、図21(B))。これにより、基板100aの表面近傍に潜像パターン144が形成される。その後、この露光された部位を現像して、干渉光のパターンに対応する凹凸形状を発現させる。これにより、図21(C)に示すように、基板100aの表面に微細な凹凸パターンが成形される。このような凹凸パターンは、例えば、いわゆるモスアイなどの反射防止構造として用いることができる。
また、上述した第2の実施形態では、レーザー光源と分岐手段(回折型ビームスプリッタ)との組み合わせによって2本のレーザービームを発生するビーム発生手段が構成されていたが、ビーム発生手段はこれに限定されるものではない。例えば、それぞれ1本のレーザービームを出力するレーザー光源を2つ用い、これらを同期動作させる等の手法によって本発明にかかるビーム発生手段を構成してもよい。
また、上述した第2の実施形態では、レンズと空間フィルタによって構成されるビームエキスパンダで発生させた球面波を干渉露光に用いていたが、当該ビームエクスパンダの後にコリメータレンズを配置することにより、平面波を干渉露光へ用いることも可能である。更には、各種光学素子(レンズ、位相板、計算機ホログラム等)を使い、少なくとも一方の波面へ位相変調を加えることにより、さまざまな微細パターンを実現できる。
<第3の実施形態>
図22は、第3の実施形態の露光装置の構成を説明する図である。図22に示す露光装置1bは、基板100の一面に形成された感光性膜を露光するために用いられるものであり、レーザー光源10、ミラー11、12、シャッター13、回折型ビームスプリッタ14b、モニタ15、レンズ16a、16b、空間フィルタ17a、17b、ミラー18a、18b、ステージ19を含んで構成されている。この露光装置1bは、基本的には上述した第1の実施形態における露光装置1と同様の構成を有しており、回折型ビームスプリッタ14bの果たす機能が第1の実施形態の場合と若干異なっている。以下では、第1の実施形態と重複する内容については説明を省略する。
図23は、基板100とその上面に形成される感光性膜等の構造について説明する断面図である。図23に示すように、第3の実施形態では、被加工体としての基板100の一面上に反射防止膜102と感光性膜103とが形成されている。
基板100は、第3の実施形態における被加工体としてのものであり、例えばガラス基板や樹脂基板などが用いられる。すなわち、本実施形態ではこの基板100の表面に形状加工を施して微細構造体を形成する場合を例示する。なお、被加工体はこれに限定されず、最終的に得たい微細構造体の内容に応じて適宜選択されるものである。
反射防止膜102は、上述した干渉光により感光性膜103を露光する際における干渉光の裏面反射を抑制する機能を担う。反射防止膜102としては、干渉光を吸収する等によって当該干渉光の反射を抑制し得るものであれば、無機材料、有機材料のいずれも採用し得る。特に、日産化学工業株式会社製のDUV44などの有機材料であれば後工程での剥離(除去)が容易となる。これにより、干渉定在波のない良好なパターンを形成できる。
感光性膜103は、光照射を受けた部分に潜像を生じ、後の所定処理によって当該光照射部分又は非光照射部分のいずれかを選択的に除去し得る性質を備える材料を用いて成膜される。例えば本実施形態では、UV波長(λ〜250nm)用に調整された化学増幅型レジストを用いて感光性膜103が形成される。
第3の実施形態においても、ビーム径が拡大された後の各レーザービームB1、B2を所定の交叉角度で干渉させることにより干渉光(干渉縞)を発生させ、この干渉縞を感光性膜103へ照射することにより露光が行われる(図3〜図5参照)。
ここで、干渉にあずかる2本のレーザービームB1、B2の強度をそれぞれI(1)、I (2)とすると、干渉縞の光強度分布I(x)は次式で与えられる(ただし、xは位置座標)。
I(x)=I(1)+I(2)+2((I(1)+I(2))1/2 cos(2πx/P) ・・・(5)
また、干渉縞のコントラストCは、(Imax−Imin)/(Imax+Imin)で定義される。(2)式より、干渉縞のコントラストCは以下のように表現される。ただし、干渉にあずかる2本のレーザービームの強度比I(1)/I(2)をαと表すものとする。
C=2(I(1)・I(2))1/2 /(I(1)+I(2))=2√α/(1+α) ・・・(6)
図24は、上記(6)式の関係を説明する図である。具体的には、図24(A)は上記(6)式の関係を示すグラフであり、図24(B)は干渉縞の光強度分布を説明する図である。図24(A)に示すように、ビーム強度が等しい場合(ビーム強度比I(1)/I(2)=1の場合)にはコントラストCは1.0となる。このときには、図24(B)に示すように明暗の差が大きく鮮明な干渉縞が得られる。一方、図24(A)から分かるように、ビーム強度が等しくない場合には、その差が大きくなるとともにコントラストは低下する。例として、コントラストCが0.5の場合における干渉縞の光強度分布を図24(B)に示す。
なお、干渉縞のコントラストを高めるには、露光中の干渉縞の変位を極力小さく抑えなければならない。このことを実現するには、外乱(振動、空気ゆらぎ)を排除する必要がある。例えば、図22に示した露光系を防振ベンチの上に置き、さらに、露光系をカバーで覆う等の対策を施すことにより、大きな効果が得られる。
このように、2本のレーザービームの強度比を調節することによって、干渉光の光強度分布を可変に設定して露光を行うことが可能となる。本実施形態では、上述した回折型ビームスプリッタ14bによって2本のレーザービームの強度比を調節している。すなわち、回折型ビームスプリッタ14bがビーム強度比制御手段としての機能も兼ねる構成としている。上記のように±1次回折ビームを各レーザービームB1、B2として用いるので、これらの+1次回折ビームと−1次回折ビームとのビーム強度比が所望値となるように回折型ビームスプリッタ14bを設計している。
次に、本実施形態にかかる微細構造体の製造方法を詳細に説明する。
図25は、第3の実施形態の微細構造体の製造方法について説明する工程断面図である。
(反射防止膜形成工程)
まず、図25(A)に示すように、被加工体としての基板100の一面に反射防止膜102を形成する。本例では、基板100として板厚1mmのガラス基板を用いる。また、反射防止膜102は、スピンコート法などの成膜方法により膜厚75nm程度に形成する。
(感光性膜形成工程)
次に図25(B)に示すように、被加工体としての基板100の上側(本例では反射防止膜102の上面)に感光性膜103を形成する。本実施形態では、化学増幅型レジストを用い、これをスピンコート法などの成膜方法によって成膜することにより、膜厚200nm程度の感光性膜103を形成する。ここで、化学増幅型レジストは、樹脂、酸発生剤、溶媒からなる混合液であり、光化学反応で発生する酸を利用するため、アンモニアなどの微量のアルカリ系不純物にも敏感に影響を受け、特性が変動する。よって、本実施形態では、本工程及びその後の露光工程及び現像工程を行うときの雰囲気をアルカリ系不純物の濃度が1ppb以下となるようにする。
なお、上記の感光性膜形成工程の後に、感光性膜103の上面に保護膜を形成する保護膜形成工程を追加することも好ましい。例えば、東京応化工業製のTSP−5Aを用い、これをスピンコート法等によって成膜することにより、好適な保護膜を形成し得る。また、この保護膜に反射防止の機能を持たせることも可能である。これにより、化学増幅型レジストからなる感光性膜103を大気と隔離して外界の影響を抑制することが可能となる。
(第1の露光工程)
次に図25(C)に示すように、可視光波長よりも短い波長(本例では266nm)の2本のレーザービームB1、B2を所定角度で交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって感光性膜103を露光する。例えば、2本のレーザービームB1、B2の交叉角度(図3参照)を62度とすることにより、周期150nmの干渉縞が得られ、当該干渉縞(干渉光)に対応した潜像パターン104が感光性膜103に形成される。本例では、ビームエキスパンダによりビーム径が200mm程度まで拡大されたレーザービームB1、B2を用いているので、4インチ程度の領域を一括露光できる。露光に要する時間は30秒程度である。また、さらに大きな領域(例えば、8インチ程度)を露光する場合には、基板100をステップ&リピートで移動すればよい。
ここで、本実施形態の露光工程について更に詳細に説明する。図26は、露光工程について詳細に説明するための図であり、基板100を上面側から見た平面図が示されている。なお、上記図25は図26に示すXXV−XXV線方向の断面に対応している。
図26(A)に示すように、1回の露光によってストライプ状の潜像パターン104(すなわち1次元パターン)が形成される。この段階で露光工程を終了し、後述する現像工程、エッチング工程等を行った場合には、この感光性膜103の潜像パターン104が転写され、基板100の一面に微細な1次元パターンが形成されることになる。
また、干渉光と感光性膜103との相対的配置を変更して設定し、複数回の露光を行うことにより、2次元パターンを形成することができる。例えば、1回目の露光時に対して、干渉光と感光性膜103との相対的位置を90度回転させて2回目の露光を行うことにより、図26(B)に示すように、非露光領域(図中、白抜きとなっている部分)がマトリクス状に形成された感光性膜103が得られる。その後、後述する現像工程、エッチング工程等を行った場合には、この感光性膜103の潜像パターン104が転写され、基板100の一面に微細な2次元パターンが形成されることになる。なお、2回の露光のそれぞれ毎における干渉光と感光性膜との相対的配置の変更方法については、図示の90度回転の場合に限らず任意に設定し得る。
また、複数回の露光のそれぞれ毎に2本のレーザービームB1、B2の強度比を異なる値に設定するのも好適である。この場合には、例えば、所望の強度比に対応して設計された複数の回折型ビームスプリッタを用意しておき、露光のそれぞれ毎に当該回折型ビームスプリッタを交換して用いればよい。これにより、各露光時における干渉光のコントラストを可変に設定し、形状ならびにアスペクト比が異なるさまざまな潜像パターンを実現可能となり、これを転写して得られる微細構造体のバリエーションを広げることができる。なお、干渉光と感光性膜との相対的位置を変更せずに、ビームの強度比のみを変化させて複数回の露光を行ってもよい。その場合でも、コントラストの異なる干渉光を重畳して照射することによりさまざまな潜像パターンが実現される。
(現像工程)
次に図25(D)に示すように、露光後の感光性膜103を焼成(ベーキング)し、その後に現像することにより、干渉光のパターンに対応する形状を感光性膜103に発現させる。これにより、150nm程度の解像度のレジストパターンが得られる。
(エッチング工程)
次に図25(E)に示すように、現像後の感光性膜103をエッチングマスクとして用いてエッチングを行い、被加工体としての基板100を加工する。これにより、基板100へレジストパターンが転写される。エッチング方法としては、原理的にはウェットエッチング、ドライエッチングのいずれも採用することが可能である。特に、ICP(誘導結合プラズマ)やECR(電子サイクロトロン共鳴)等の方法でドライエッチングすることが好適である。なお、エッチング以前に反射防止膜102を除去しておくことにより、エッチングの再現性や均一性をさらに向上させることも可能である。
(感光性膜除去工程)
次に図25(F)に示すように、反射防止膜102及び感光性膜103を除去する。これにより、微細な凹凸形状が表面に施された基板100が得られる。
図27は、本実施形態の製造方法によって製造される微細構造体の概略斜視図である。図27(A)は、比較的にコントラストが高い干渉光(例えばC=1.0)によって上記のように2回の露光を行った場合に得られる微細構造体の例である。この場合には、図示のように、基板100の一面に微細な角柱状の突起がアレイ状に配列されてなる微細構造体が得られる。図27(B)は、比較的にコントラストが低い干渉光(例えばC=0.5)によって上記のように2回の露光を行った場合に得られる微細構造体の例である。この場合には、図示のように、基板100の一面に微細な角錐状の突起がアレイ状に配列されてなる微細構造体が得られる。これらの微細構造体は、反射防止素子(いわゆるモスアイ)として機能する。
なお、上記のように露光を1回とした場合には、例えば基板100の一面に微細な溝が多数形成されてなる微細構造体が得られる。このような微細構造体は構造性複屈折を有し、例えば位相差板として機能する。
図28は、電子機器の具体例を説明する図である。図28(A)は携帯電話への適用例であり、当該携帯電話530はアンテナ部531、音声出力部532、音声入力部533、操作部534、及び本実施形態にかかる反射防止素子が組み込まれた液晶表示装置500を備えている。図28(B)はビデオカメラへの適用例であり、当該ビデオカメラ540は受像部541、操作部542、音声入力部543、及び本実施形態にかかる反射防止素子が組み込まれた液晶表示装置500を備えている。また、電子機器はこれらに限定されるものではなく、例えばこれらの他に、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、電子手帳なども含まれる。
このように第3の実施形態では、2本のレーザービームB1、B2をある程度の角度で交叉させることにより、当該レーザービームの波長と同程度のピッチ或いはそれ以下のピッチの明暗(光強度分布)を有する干渉光(干渉縞)が得られる。このような干渉光を露光に利用することにより、製造装置を大幅に簡便化することが可能となる。よって、可視光波長よりも短いオーダでの微細加工を低コストに実現することが可能となる。特に、干渉光の光強度分布を可変に設定して露光を行うことにより、干渉光(干渉縞)のコントラストを可変に設定し、形状ならびにアスペクト比が異なるさまざまな潜像パターンを実現可能となる。よって、当該潜像パターンを転写して得られる微細構造体の形状やアスペクト比のバリエーションを広げることができる。
また、本実施形態によれば、露光工程について広いプロセスマージンと高いスループットを確保できるので、量産ラインへの適用が容易である。
また、本実施形態によれば、比較的に大面積の露光領域に対しても容易に対応可能であり、例えば8インチ程度の領域であっても短時間で処理可能である。
なお、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、ガラス基板を被加工体としていたが、その他の基板(例えば、シリコン基板)などを被加工体とすることも可能である。また、感光性膜自体を被加工体としてもよい。
図29は、感光性を有する膜自体を被加工体とする場合の工程断面図であり、該当する工程のみが部分的に示されている。ここでは、感光性膜152としてポリイミド樹脂等からなる膜を採用することが好ましい。そして、図29(A)に示すように、基板100上に設けられた被加工体としての感光性膜152に対して、上述した実施形態と同様にして2本のレーザービームを交叉させて得られる干渉光を照射して露光する。これにより、潜像パターン154が形成される。その後、この露光された部位を現像して、干渉光のパターンに対応する凹凸形状を発現させる。これにより、図29(B)に示すように、感光性膜152からなる微細な凹凸パターンが成形される。
また、上述した実施形態における露光装置1bでは、2本のレーザービームを発生させるための分岐手段として回折型ビームスプリッタを採用し、更にこの回折型ビームスプリッタをビーム強度比制御手段としても兼用して光学系を構成していたが、これ以外にも種々の光学系を採用し得る。
図30は、光学系の他の構成例を説明する図である。なお、図示の各光学系は、上記図1に示した露光装置1bの光学系の一部(回折型ビームスプリッタ14b以降)と代替されるべきものである。各図では説明の便宜上、レンズや空間フィルタを省略するなど、構成が簡略化して示されている。
図30(A)に示す光学系は、分岐手段としてハーフミラー30を採用し、ビーム強度比制御手段としてアッテネータ31を採用した場合の一例である。ハーフミラー30は、例えば石英ガラス等からなる透明基板に金属薄膜などの半透過膜がコーティングされてなるものであり、入射されるレーザービームB0を強度分割して、2本のレーザービームB1、B2を発生させる。アッテネータ31は、レーザービームB1の光路上に配置され、当該レーザービームB1の強度を減衰させるものである。なお、他方のレーザービームB2の光路上にもアッテネータを配置するようにしてもよい。また、アッテネータのようにレーザービームの強度を減衰させるものに限らず、レーザービームの強度を増幅する機能を備える素子等を用いてビーム強度比を調節してもよい。
図30(B)に示す光学系は、分岐手段として偏光分離素子40を採用し、ビーム強度比制御手段として1/2波長板41を採用した場合の一例である。本例では、偏光分離素子40の前に配置した1/2波長板41の方位を変えることにより、偏光分離素子40で分離される常光線と異常光線の強度比を調節する。その結果、偏光方位が直交する2本のレーザービームB1、B2が得られる。もう1つの1/2波長板42は、偏光分離素子40によって得られた一方のレーザービームB1の偏光方位をTM偏光からTE偏光へ変換する機能を担う。
また、上述した実施形態では、レーザー光源と分岐手段(回折型ビームスプリッタ等)との組み合わせによって2本のレーザービームを発生するビーム発生手段が構成されていたが、ビーム発生手段はこれに限定されるものではない。例えば、それぞれ1本のレーザービームを出力するレーザー光源を2つ用いて本発明にかかるビーム発生手段としてもよい。更には、上述した第1の実施形態で説明した回折素子50又は51と同様な回折素子を「分岐手段」及び「光学的手段」として用いてもよい。その場合には、素子設計を行う際に、+1次回折ビームと−1次回折ビームとの強度比、又は透過ビームと回折ビームとの強度比が所定値となるようにしておけばよい。
また、上述した実施形態では、レンズと空間フィルタによって構成されるビームエキスパンダで発生させた球面波を干渉露光に用いていたが、当該ビームエクスパンダの後にコリメータレンズを配置することにより、平面波を干渉露光へ用いることも可能である。更には、各種光学素子(レンズ、位相板、計算機ホログラム等)を使い、少なくとも一方の波面へ位相変調を加えることにより、さまざまな微細パターンを実現できる。
1…露光装置、 10…レーザー光源、 11、12…ミラー、 13…シャッター、 14…回折型ビームスプリッタ、 15…モニタ、 16a、16b…レンズ、17a、17b…空間フィルタ、 18a、18b…ミラー、 19…ステージ、 100…基板、 101…金属薄膜(被加工体)、 102…反射防止膜、 103…感光性膜、104…潜像パターン、 B0、B1、B2…レーザービーム。

Claims (35)

  1. 被加工体の上側に感光性膜を形成する感光性膜形成工程と、
    可視光波長よりも短い波長の2本のレーザービームを交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって前記感光性膜を露光する第1の露光工程と、
    露光後の前記感光性膜を現像して、前記干渉光のパターンに対応する形状を前記感光性膜に発現させる現像工程と、
    現像後の前記感光性膜をエッチングマスクとしてエッチングを行い、前記被加工体を加工するエッチング工程と、
    を含む、微細構造体の製造方法。
  2. 前記第1の露光工程において、前記2本のレーザービームの強度比を調節することによって前記干渉光の光強度分布を可変に設定して露光を行う、請求項1に記載の微細構造体の製造方法。
  3. 前記第1の露光工程は、前記感光性膜の露光を複数回行い、当該複数回の露光のそれぞれ毎に前記干渉光と前記感光性膜との相対的配置を変更して設定する、請求項2に記載の微細構造体の製造方法。
  4. 前記第1の露光工程は、前記感光性膜の露光を複数回行い、当該複数回の露光のそれぞれ毎に前記2本のレーザービームの強度比を異なる値に設定する、請求項2又は3に記載の微細構造体の製造方法。
  5. 前記感光性膜として化学増幅型レジストを用いる、請求項1又は2に記載の微細構造体の製造方法。
  6. 前記感光性膜形成工程、前記第1の露光工程及び前記現像工程を行うときの雰囲気をアルカリ系不純物の濃度が1ppb以下となるようにする、請求項5に記載の微細構造体の製造方法。
  7. 前記感光性膜として自己組織化単分子膜を用いる、請求項1又は2に記載の微細構造体の製造方法。
  8. 前記第1の露光工程の以後であって前記現像工程より以前に、前記2本のレーザービームの相互間に前記第1の露光工程の際とは異なる位相差を与えながら当該2本のレーザービームを交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって前記感光性膜を露光する第2の露光工程を更に含む、請求項1に記載の微細構造体の製造方法。
  9. 前記第2の露光工程は、前記2本のレーザービームの少なくとも一方に対して位相変調手段によって位相変調を加えることにより前記位相差を生じさせる、請求項8に記載の微細構造体の製造方法。
  10. 前記感光性膜として多光子吸収を呈するものを用いる、請求項8に記載の微細構造体の製造方法。
  11. 前記感光性膜形成工程に先立って、前記被加工体と前記感光性膜との間に介在する反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程を更に含む、請求項1、2又は8のいずれかに記載の微細構造体の製造方法。
  12. 前記感光性膜形成工程の後に、前記感光性膜の上面に保護膜を形成する保護膜形成工程を更に含む、請求項1、2又は8のいずれかに記載の微細構造体の製造方法。
  13. 前記2本のレーザービームの一方と他方とを前記感光性膜の露光面と直交する軸に対して対称に入射させる、請求項1、2又は8のいずれかに記載の微細構造体の製造方法。
  14. 前記2本のレーザービームのそれぞれは直線偏光であり、その偏光方位がビーム入射面と直交する、請求項1、2又は8のいずれかに記載の微細構造体の製造方法。
  15. 前記2本のレーザービームは、同一のレーザー光源から出力される1本のレーザービームを分岐手段により分岐させて得られるものである、請求項1、2又は8のいずれかに記載の微細構造体の製造方法。
  16. 前記分岐手段は±n次回折ビーム(nは1以上の自然数)を発生させるものであり、当該±n次回折ビームを前記2本のレーザービームとして用いる、請求項15に記載の微細構造体の製造方法。
  17. 前記分岐手段は前記±n次回折ビームよりもエネルギーの低い0次ビームを更に生じさせるものであり、当該0次ビームを参照して前記感光性膜と前記干渉光との相対位置を設定する、請求項16に記載の微細構造体の製造方法。
  18. 前記分岐手段は、1本の透過ビームと当該透過ビームとは異なる方向へ進行する1本の回折ビームとを発生させるものであり、前記透過ビームと前記回折ビームとを前記2本のレーザービームとして用いる、請求項15に記載の微細構造体の製造方法。
  19. 可視光波長よりも波長の短い2本のレーザービームを交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって感光性を有する被加工体を露光する第1の露光工程と、
    前記被加工体の露光された部位を現像することにより、前記干渉縞のパターンに対応する凹凸形状を前記感光性膜に発現させる現像工程と、
    を含む、微細構造体の製造方法。
  20. 前記第1の露光工程の以後であって前記現像工程より以前に、前記2本のレーザービームの相互間に前記第1の露光工程の際とは異なる位相差を与えながら当該2本のレーザービームを交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって前記被加工体を露光する第2の露光工程を更に含む、請求項19に記載の微細構造体の製造方法。
  21. 前記第1の露光工程において、前記2本のレーザービームの強度比を調節することによって前記干渉光の光強度分布を可変に設定して露光を行う、請求項19に記載の微細構造体の製造方法。
  22. 感光性膜又は感光性を有する被加工体を露光するための装置であって、
    可視光波長よりも短い波長の2本のレーザービームを発生するビーム発生手段と、
    前記2本のレーザービームが所定角度で交叉して干渉光を発生するように当該各レーザービームの進路を設定する光学的手段と、
    を含み、前記干渉光を用いて前記感光性膜又は前記被加工体を露光する、露光装置。
  23. 前記2本のレーザービームのうち少なくとも一方のレーザービームの進路上に配置されて当該レーザービームに位相変調を与える位相変調手段を更に含み、
    前記干渉光を用いて前記感光性膜又は前記被加工体を多重露光し、その際、各露光ごとに前記位相変調手段によって前記2本のレーザービームの相互間に異なる位相差を与えながら露光を行う、請求項22に記載の露光装置。
  24. 前記感光性膜又は前記被加工体は、多光子吸収を呈するものである、請求項23に記載の露光装置。
  25. 前記位相変調手段は、位相差板又は液晶空間光変調素子である、請求項23に記載の露光装置。
  26. 前記2本のレーザービームのうち少なくとも一方のレーザービームの進路上に配置され、当該レーザービームの強度を増減させることにより前記2本のレーザービームの強度比を調節するビーム強度比制御手段を更に含み、
    前記2本のレーザービームの強度比を調節することによって前記干渉光の光強度分布を可変に設定し、当該干渉光を用いて前記感光性膜又は前記被加工体を露光する、請求項22に記載の露光装置。
  27. 前記強度比制御手段は、回折型ビームスプリッタである、請求項26に記載の露光装置。
  28. 前記感光性膜又は前記被加工体と前記干渉光の発生位置との相対的な位置を設定する位置設定手段を更に含む、請求項22、23又は26のいずれかに記載の露光装置。
  29. 前記ビーム発生手段は、1本のレーザービームを出力するレーザー光源と、当該1本のレーザービームを分岐して2本のレーザービームを生成する分岐手段とを含む、請求項22、23又は26のいずれかに記載の露光装置。
  30. 前記分岐手段は、回折型ビームスプリッタであり、
    前記2本のレーザービームは、前記回折型ビームスプリッタによって得られる±n次回折ビーム(nは1以上の自然数)である、請求項29に記載の露光装置。
  31. 前記回折型ビームスプリッタは、前記±n次回折ビームに加えて、当該±n次回折ビームよりもエネルギーの低い0次ビームを生じさせるものである、請求項30に記載の露光装置。
  32. 前記0次ビームを受光して電気信号に変換するモニタを更に含む、請求項31に記載の露光装置。
  33. 前記分岐手段は、回折素子であり、
    前記2本のレーザービームは、前記回折素子によって得られる1本の透過ビームと当該透過ビームとは異なる方向へ進行する1本の回折ビームである、請求項29に記載の微細構造体の製造方法。
  34. 前記2本のレーザービームのそれぞれの進路上に配置され、当該各レーザービームのビーム径を拡げるビームエクスパンダを更に備える、請求項22、23又は26のいずれかに記載の露光装置。
  35. 請求項1乃至21のいずれかに記載の製造方法によって製造される微細構造体を備える電子機器。
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