JP2009277999A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】オフ角が10度以上のGaAs基板を用いても、発光出力の低下を起こさずに、低順方向電圧の半導体発光素子を提供する。
【解決手段】オフ角が10度以上である第一導電型のGaAs基板10上に、少なくとも、高Al組成のAlGaAsを含む複数層からなる第一導電型光反射層12と、第一導電型クラッド層13、アンドープ活性層14および第二導電型クラッド層15を有する発光層と、第二導電型電流分散層17と、が順次積層された構造の半導体発光素子において、前記GaAs基板10上の第一導電型層の第一導電型決定ドーパントとして、Seを用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は半導体発光素子に関し、更に詳しくは、GaAs基板と発光層との間に光反射層を備えた半導体発光素子に関するものである。
近年、AlGaInP系エピタキシャルウェハを用いて製造する、赤色から緑色の発光ダイオード(LED)の需要が大幅に伸びている。その主な需要は、携帯電話の液晶用バックライト、表示灯、交通用信号灯、自動車のブレーキランプ等である。
AlGaInPは窒化物を除くIII−V族化合物半導体の中で最大のバンドギャップを
有する直接遷移型半導体であり、従来のGaPやAlGaAsなどの間接遷移型半導体を用いた発光ダイオードと比較して、赤色から緑色に相当する可視波長域において高輝度の発光が可能である。
直接遷移型半導体のAlGaInP系エピタキシャルウェハの基板としてはGaAsが用いられることが多いが、GaAsは、発光層から出た光を吸収してしまうため、外部への光取り出し効率が悪い。そのため、従来、光取り出し効率を向上させるために基板と発光層の間に光反射層を設け、発光層から出た光を素子外部へ取り出す手法が用いられていた。この光反射層は、発光層からGaAs基板に向かう光を光取出層である電流分散層の方向に反射させる役割を担っており、これにより、活性層から出た光を第一導電型GaAs基板に吸収されること無く外部に取り出すことを可能にしている。
図7に、光反射層を設けたAlGaInP系化合物半導体エピタキシャルウェハの構造を示す。この化合物半導体エピタキシャルウェハは、n型GaAs基板101上に、n型バッファ層102、n型光反射層103、n型クラッド層104、アンドープ活性層105、p型クラッド層106、p型電流分散層107が順次積層された構造となっている。
従来技術においては、n型ドーパントとしてはSiやTeが用いられ、特にAlGaInP系の発光ダイオードにおいてはTeを用いることが多い。また、GaAs基板101はオフ角が2〜15度のものを用いる。オフ角の範囲が2〜15度のものを使用するのは、オフ角が大きいとTeのドーピング効率が悪く、オフ角が小さいとオーダリングが生じるためである。
また、光反射層に関する従来技術としては、屈折率の異なる2種類の材料からなる複数対の光反射層を、その対の厚みを活性層に近いものほど厚くすることにより、結晶性の良い部分を活性層の近くに配置したLED(特許文献1)、広反射鏡帯域特性をもつ吸収損失を有する第一ブラッグ型反射鏡と、高反射率で透明な第二ブラッグ型反射鏡とからなるハイブリッド型の光反射層を用いたLED(特許文献2)がある。
特開平11−87767号公報 特開平7−86638号公報
上記特許文献1、2にも示されているように、一般に、光反射層は異なる組成の2種類の材料層を1対としてこれを適切な厚みで交互に積層した多層膜(交互積層膜)が用いられる。特許文献1、2では、AlGaInPとAlInPを1対とし交互に積層した光反
射層と、AlInPとGaAsを1対とし交互に積層した光反射層と、AlInPとGaInPを1対とし交互に積層した光反射層とが用いられている。
光反射層の光反射率を良くするためには、対をなしている半導体材料の屈折率の差が大きい方が光反射の効果が大きいため、上記光反射層の中では、AlInPとGaAsの組み合わせが優れている。しかし、GaAs層を光反射層に用いると、発光波長に対して不透明な材料であることからGaAs層で光吸収してしまい、光出力の向上が少ない。そこで、光反射層は発光波長に対して透明で、かつGaAs基板に格子整合する材料にする必要がある。
このような状況下で、例えば、発光波長630nm帯の発光ダイオードの光反射層としては、屈折率差が大きく取れ、発光波長に対して透明であり、GaAs基板と格子整合するという条件を考慮すると、AlAsとAlGaAsの組み合わせが最適であると言える。
しかし、オーダリングが生じないようにオフ角が10度以上のGaAs基板を用いた場合、前述した光反射の効果が大きいAlAsとAlGaAsの組み合わせを光反射層に用いることは困難であった。
これは、AlAsはTeのドーピング効率が悪く、GaAs基板のオフ角を大きくすると更にTeのドーピング効率が低下し、順方向電圧(Vf)の上昇を招いてしまうためである。Teのドーピング効率の低下を解決するために、Teのドーピング量を多くするという方法が考えられるが、Teのドーピング量を多くすると結晶性が悪化し、発光出力が低下してしまうという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、オフ角が10度以上のGaAs基板を用いても、発光出力の低下を起こさずに、低順方向電圧の半導体発光素子を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成されている。
本発明の第1の態様は、オフ角が10度以上である第一導電型のGaAs基板上に、少なくとも、高Al組成のAlGaAsを含む複数層からなる第一導電型光反射層と、第一導電型クラッド層、アンドープ活性層および第二導電型クラッド層を有する発光層と、第二導電型電流分散層と、が順次積層された構造の半導体発光素子において、前記GaAs基板上の第一導電型層の第一導電型決定ドーパントとして、Seが用いられていることを特徴とする半導体発光素子である。
本発明の第2の態様は、第1の態様の半導体発光素子において、前記GaAs基板上の第二導電型層の第二導電型決定ドーパントとして、Mgが用いられていることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の半導体発光素子において、前記第一導電型光反射層にAlAs層が含まれていることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれかの半導体発光素子おいて、前記第一導電型光反射層が、前記発光層で発光した光に対して透明な材料で構成されていることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれかの半導体発光素子において、前記
第一導電型光反射層が、前記第一導電型のGaAs基板と略格子整合する材料で構成されていることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第1〜第5の態様のいずれかの半導体発光素子において、前記発光層で発光した光のピーク波長をλpとし前記第一導電型光反射層に用いた材料の屈折率をnとしたとき、前記複数層からなる第一導電型光反射層の各層の膜厚が、d=λp/(4×n)の計算式により求まるdの±30%の範囲内にあることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の態様のいずれかの半導体発光素子において、前記第一導電型光反射層のキャリア濃度が5×1017〜5×1018cm−3の範囲にあることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第1〜第7の態様のいずれかの半導体発光素子において、前記第二導電型クラッド層と前記第二導電型電流分散層の間に、第二導電型のGaIn1−XP(0.6≦X)介在層が設けられていることを特徴とする。
本発明の第9の態様は、第1〜第8の態様のいずれかの半導体発光素子において、前記アンドープ活性層と前記第一導電型クラッド層との間に、及び/又は前記アンドープ活性層と前記第二導電型クラッド層との間に、前記第一導電型クラッド層、前記第二導電型クラッド層よりもドーパントの添加量が少ない層が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、高出力であり且つ低順方向電圧の半導体発光素子が得られる。
以下、本発明に係る半導体発光素子の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態の半導体発光素子の作製に用いられるエピタキシャルウェハの構造を示す断面図である。
エピタキシャルウェハの成長には、自公転炉を用いMOVPE法により作製するのが好ましい。原料ガスとしては、例えばトリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMIn)等の有機金属ガスと、アルシン(AsH)、ホスフイン(PH)等の水素化物ガスを用いる。
これらの原料ガスを使用し、オフ角が10〜20度のn型GaAs基板1上に、n型バッファ層2、AlAs層とAlGaAs層からなるn型光反射層3、n型クラッド層4、アンドープ活性層5、p型クラッド層6、p型GaInP介在層7、p型電流分散層8を順次成長させる。このとき、p型ドーパントとしてMgを用い、n型GaAs基板以外のn型ドーパントとしてはSeを用いる。
n型GaAs基板1のオフ角を10度以上にするのは、オフ角が10度以下の場合、オーダリングが生じてしまうためである。また、図6に示すように、オフ角が小さいとき(図6(a))よりもオフ角が大きくなるほど(図6(b))、粗面化後の表面の凹凸形状Sが良くなり、発光出力が向上するという利点もある。また、オフ角が20度を超えると、ドーピング効率が低下してくる。よって、オフ角は10度以上が望ましく、より望ましくは10〜20度の範囲である。また、基板のオフ方向に関してはどの方向であってもオーダリング防止等、同様の効果が期待できる。
n型ドーパントとしてSeを用いるのは、次の理由からである。従来、n型ドーパント
として用いられてきたTeは、基板のオフ角が大きいほどドーピング効率が下がり、また図5(b)に示すように、n型光反射層3にAlAs層(Al組成1.00)を用いることによってさらにドーピング効率が下がってしまう。これに対し、Seの場合は、図5(a)に示すように、AlGaAsに対するドーピング効率はAl組成にかかわらずTeよりも大きく、しかもAlGaAsのAl組成が高いほどドーピング効率が良くなり、AlAs層を用いるのに好適なドーパントである。また、ドーピング効率が良く、発光層(発光部)成長前にSeを大量に流さないことで、n型光反射層3と、n型クラッド層4、アンドープ活性層5及びp型クラッド層6からなる発光層の結晶品質を向上させることもできる。
また、p型ドーパントとしてMgが望ましい理由は、ドーパントの活性層5への拡散が少ないためである。拡散抑止対策を行えば、Znを用いても良い。
さらに、n型光反射層のキャリア濃度については、5×1017〜5×1018cm−3が望ましく、より望ましくは、5×1017〜2×1018cm−3の濃度である。これは、キャリア濃度が高すぎると結晶品質が劣化し、上部にある発光層の品質の低下を招き、逆に低すぎるとキャリア不足になり、発光出力が低下するためである。
また、n型光反射層3は、AlAs層とAlGaAs層を1対として、これを適切な厚みで交互に積層した多層膜(交互積層膜)からなる。このn型光反射層3の各層の膜厚に関しては、膜厚d(単位:nm)=波長λp(発光層で発光した光のピーク波長、単位:nm)/(4×屈折率n)の計算式により求まる膜厚dの±30%の範囲、即ち、(1±0.3)dに設定することが望ましい。これは、十分な光反射効果を得るためであり、より望ましくはdの±5%の範囲に設定することが好ましい。
また、n型光反射層3の材料については、発光部から出た光に対して透明である必要がある。上述したようにAlGaAsはAl組成が高いほどドーピング効率が良くなり、また、Al組成が高くても発光層の光に対して透明であるので、n型光反射層3には、高Al組成のAlGaAs層を用いるのが好ましい。しかし、Al組成が高すぎると、AlAsとの屈折率差が小さくなって光反射効果が小さくなるので、n型光反射層3のAlGaAs層のAl組成は、発光層の発光波長などにもよるが、0.10〜0.99の範囲とし、必ず発光波長に対して透明になるAl組成とするのが好ましい。
例えば、発光ピーク波長が630nmであれば、n型光反射層3の材料はAl0.4GaAsとAlAsとすることが望ましい。AlGaAsのAl組成をより大きくしても、発光層の光に対しては透明であるが、AlAsとの屈折率差が小さくなって光反射効果が小さくなるので、光反射層のAlGaAsとAlAsのペア数を増加させなければならず、コストが高くなってしまうため、Al0.4GaAsを用いるのが最適である。
また、p型GaInP介在層16を、p型クラッド層15とp型電流分散層17の間に設けたのは、p型GaInP介在層16を設けることで、より順方向電圧を低くできるためである。p型GaInP介在層16は、発光層から出た光に対して透明であるのがよく、GaInPとしては、GaIn1−XP(0.6≦X)を用いるのがより望ましい。介在層は、GaInPに限らず、順方向電圧を低くできればよく、しかも発光層から出た光に対して透明な材料が好ましい。
これらの条件で作製したエピタキシャルウェハは表面欠陥が少なく、順方向電圧vfを十分低い値にすることができる。また、このエピタキシャルウェハに素子化プロセスを施してLED素子を作製したが、従来よりも発光出力を向上することができた。
以下に、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1では、図2に示す構造の発光波長630nm付近の赤色LEDを作製した。本実施例1で作製したLED用のエピタキシャルウェハの成長には自公転炉を用い、原料ガスとしてトリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMIn)等の有機金属ガスと、アルシン(AsH)、ホスフィン(PH)等の水素化物ガスを用い、添加物原料としてジエチルセレン(DESe)を用いた。
これらの原料ガスを使用し、オフ角が15度のn型GaAs基板10上に、n型GaAsバッファ層(膜厚200nm、キャリア濃度1×1018/cm)11と、AlAs層とAl0.4Ga0.6As層を交互に10対重ねた構成のn型光反射層{膜厚=発光ピーク波長(λp)/4n(n:屈折率)、キャリア濃度1×1018/cm}12と、n型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(膜厚400nm、キャリア濃度4×1017/cm)13と、アンドープ(Al0.1Ga0.90.5In0.5P活性層(膜厚600nm)14と、p型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(膜厚600nm、キャリア濃度6×1018/cm)15と、p型Ga0.7In0.3P介在層(膜厚30nm、キャリア濃度6×1018/cm)16と、p型GaP電流分散層(膜厚10000nm、キャリア濃度4×1018/cm)17とを順次成長させた。このとき、p型ドーパントとしてMgを用い、n型ドーパントとしてはSeを用いた。
また、MOVPE炉での成長温度は、n型GaAsバッファ層11からp型介在層16までを650℃とし、p型電流分散層17を675℃とした。また、成長圧力は約6666Pa(50Torr)、各層の成長速度は0.3〜1.5nm/sec、(V族原料のモル数)/(III族原料のモル数)を約150として成長させた。
その後、このLED用エピタキシャルウェハの表面(上面)にレジストやマスクアイライナといったフォトリソグラフィプロセスを施し、直径110μmの円形の表面電極18を、マトリックス状に真空蒸着法で形成した。蒸着後の電極形成はリフトオフ法を用い、AuBe(金・ベリリウム合金)、Ni(ニッケル)、Au(金)をそれぞれ400nm、10nm、500nmの順に蒸着した。また、エピタキシャルウェハの底面全面には、AuGe(金・ゲルマニウム合金)を60nm、Ni(ニッケル)を10nm、Au(金)を500nmそれぞれ真空蒸着して裏面電極19を形成した。その後、窒化ガス雰囲気中にて400℃に加熱し、5分間熱処理をすることで、電極の合金化であるアロイ工程を施した。
その後、上記のようにして作製された電極付LED用エピタキシャルウェハに対して、マトリックス状に配置された各円形の表面電極18が中心になるようにダイシング装置をもって切断し、チップサイズ300μm角のLEDベアチップを作製した。更に、このLEDベアチップをTO−18ステム上にマウント(ダイボンディング)し、その後マウントされた前記LEDベアチップにワイヤボンディングを行い、LED素子を作製した。
本実施例で作製したLED素子の初期特性を評価した結果、エピタキシャルウェハ中心付近から作製したLED素子と、エピタキシャルウェハの周辺部から作製したLED素子との、20mA通電時の発光出力は、それぞれ1.9mW、1.95mWであった。また、順方向電圧vfに関してはそれぞれ1.90Vと1.94Vであり、本実施例では、発光出力が高く、低順方向電圧のLED素子を作製することができた。
本実施例では、発光波長630nmの赤色LEDを作製したが、同じAlGaInP系
の材料を用いて作製される発光波長630nm以外のLED素子、例えば発光波長560〜660nmのLED素子においても、同様の効果が得られる。また、本実施例では表面電極18の形状を円形のものとしたが、円形の外周に放射状部を形成したり、円形と異なる形状(例えば四角、ひし形、多角形、その他これらを変形した形状など)であっても本発明の効果は期待できる。
(実施例2)
実施例2として、図3に示す構造の発光波長630nm付近の赤色LEDを作製した。この実施例2では、上記実施例1において、アンドープ(Al0.1Ga0.90.5In0.5P活性層14とp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層15との間に、アンドープ層(200nm)20を設けている点が相違する。その他の成長条件などは、全て実施例1と同様にして作製した。
アンドープ層20を設けるのは、活性層14にドーパントが拡散することを抑止するためである。本実施例では膜厚を200nmとしたが、膜厚が200nm以上であれば、200nm以外の膜厚でも活性層へのドーパント拡散を防ぐことができる。またアンドープ層の他にも、p型クラッド層15よりもドーパントの添加量が少ない低濃度の層であれば、拡散防止層としての役割を期待できる。
また、n型クラッド層13と活性層14との間に、アンドープ層、或いはn型クラッド層13よりも低濃度の層を設けるようにしても良い。更に、活性層14とp型クラッド層15との間、およびn型クラッド層13と活性層14との間に、アンドープ層、或いは低濃度の層を設けるようにしても良い。
(実施例3)
実施例3として、図4に示す構造の発光波長630nm付近の赤色LEDを作製した。この実施例3では、上記実施例1におけるp型介在層16を省略したものである。その他の成長条件などは、全て実施例1と同様にして作製した。
(実施例4)
実施例4では、実施例1における活性層14を単層ではなく、多重量子井戸(MQW)構造にして赤色LED用エピタキシャルウェハを作製した。その他の成長条件などは、全て実施例1と同様にした。
その後、上記実施例2、3、4で作製したエピタキシャルウェハを、実施例1と同じ条件で素子化し、初期特性を評価したところ、実施例1と同様に、発光出力が高く、低VfのLED素子を作製することができた。
(比較例1)
比較例1として、n型ドーパントとしてTeを用いて赤色LED用エピタキシャルウェハを作製した。添加物原料としてはジエチルテルル(DETe)を使用し、その他の条件は実施例1と同一としてエピタキシャルウェハを作製した。その後、実施例1と同じ条件で、このエピタキシャルウェハからLED素子を作製し、初期特性を評価した。
その結果、エピタキシャルウェハの中心部から作製した素子に関しては、20mA通電時の発光出力が1.5mW、vfは1.95Vという結果を得ることができたが、エピタキシャルウェハの周辺部から作製した素子に関しては、発光出力が1.2mW、vfが2.5V以上という結果になった。
また、エピタキシャルウェハの周囲から作製したLED素子の順方向電圧vfが高いのは、光反射層のTe量不足が原因であるとも考えられるため、再度、光反射層のTe量を
増加させてLED用エピタキシャルウェハを作製した。その結果、エピタキシャルウェハの中心付近に欠陥が生じ、表面状態が悪化した。その後、このエピタキシャルウェハを用いてLED素子を作製し、評価を行ったところ、エピタキシャルウェハ中心部から作製した素子の発光出力は1.2mW、vfが1.92Vであった。また、エピタキシャルウェハ周辺部から作製した素子に関しては、発光出力が1.4mW、vfが2.1Vであった。
このように、Te量増加によりエピタキシャルウェハ周辺部での低vf化には成功したものの、中心部から作製したLED素子の発光出力は約80%低下してしまった。
(比較例2)
また、比較例2として、n型ドーパントとしてSiを用いて赤色LED用エピタキシャルウェハを作成した。添加物原料としてはジシラン(Si)を使用し、その他の条件は実施例1と同一としてエピタキシャルウェハを作製した。その後、実施例lと同じ条件で、このエピタキシャルウェハからLED素子を作製し、初期特性を評価した。
その結果、20mA通電時、発光出力が0.3mWと非常に低かった。また、この他にもモノシラン(SiH)など様々なSi原料を用いてLED素子を作製し評価を行ったが、結果は同等に悪かった。
以上から、n型ドーパントとしてSeを使用し、かつAlAs層とAlGaAs層の組み合わせからなる光反射層を用いれば、オフ角が10度以上の基板を用いたときでも、順方向電圧Vfがウェハの周辺部においても2.0V以下を達成し、十分に低い値にできることが判った。また発光出力も、従来のTeドープのものよりも30%向上させることができたと言える。つまり、発光出力の低下を起こさずに低vfの半導体発光素子を提供できることが判った。
なお、上記実施例では、n型クラッド層13、アンドープ活性層14、p型クラッド層15にAlGaInPを用いたが、発光波長に対して透明な材料であれば、実施例以外の組み合わせでも本発明の効果は得られる。
本発明の実施形態で作製した化合物半導体エピタキシャルウェハの構造を模式的に示す断面図である。 実施例1で作製した赤色LEDを模式的に示す断面図である。 実施例2で作製した赤色LEDを模式的に示す断面図である。 実施例3で作製した赤色LEDを模式的に示す断面図である。 基板のオフ角と表面粗面化後の凹凸形状との関係を示す模式図である。 AlGaAsのAl組成とSeドーピング効率との関係(図6(a))、及びAlGaAsのAl組成とTeドーピング効率との関係を示すグラフである。 従来の化合物半導体エピタキシャルウェハの構造を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 n型GaAs基板
2 n型バッファ層
3 n型光反射層
4 n型クラッド層
5 アンドープ活性層
6 p型クラッド層
7 p型GaInP介在層
8 p型電流分散層
10 n型GaAs基板(オフ角15度)
11 n型GaAsバッファ層
12 n型光反射層(AlAs層とAlGaAs層を交互に積層)
13 n型AlGaInPクラッド層
14 アンドープAlGaInP活性層
15 p型AlGaInPクラッド層
16 p型GaInP介在層
17 p型GaP電流分散層
18 表面電極
19 裏面電極
20 アンドープ層

Claims (9)

  1. オフ角が10度以上である第一導電型のGaAs基板上に、少なくとも、高Al組成のAlGaAsを含む複数層からなる第一導電型光反射層と、第一導電型クラッド層、アンドープ活性層および第二導電型クラッド層を有する発光層と、第二導電型電流分散層と、が順次積層された構造の半導体発光素子において、
    前記GaAs基板上の第一導電型層の第一導電型決定ドーパントとして、Seが用いられていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子において、前記GaAs基板上の第二導電型層の第二導電型決定ドーパントとして、Mgが用いられていることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 請求項1または2に記載の半導体発光素子において、前記第一導電型光反射層にAlAs層が含まれていることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項1乃至3に記載の半導体発光素子において、前記第一導電型光反射層が、前記発光層で発光した光に対して透明な材料で構成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  5. 請求項1乃至4に記載の半導体発光素子において、前記第一導電型光反射層が、前記第一導電型のGaAs基板と略格子整合する材料で構成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  6. 請求項1乃至5に記載の半導体発光素子において、前記発光層で発光した光のピーク波長をλpとし前記第一導電型光反射層に用いた材料の屈折率をnとしたとき、前記複数層からなる第一導電型光反射層の各層の膜厚が、d=λp/(4×n)の計算式により求まるdの±30%の範囲内にあることを特徴とする半導体発光素子。
  7. 請求項1乃至6に記載の半導体発光素子において、前記第一導電型光反射層のキャリア濃度が5×1017〜5×1018cm−3の範囲にあることを特徴とする半導体発光素子。
  8. 請求項1乃至7に記載の半導体発光素子において、前記第二導電型クラッド層と前記第二導電型電流分散層の間に、第二導電型のGaIn1−XP(0.6≦X)介在層が設けられていることを特徴とする半導体発光素子。
  9. 請求項1乃至8に記載の半導体発光素子において、前記アンドープ活性層と前記第一導電型クラッド層との間に、及び/又は前記アンドープ活性層と前記第二導電型クラッド層との間に、前記第一導電型クラッド層、前記第二導電型クラッド層よりもドーパントの添加量が少ない層が設けられていることを特徴とする半導体発光素子。
JP2008129807A 2008-05-16 2008-05-16 半導体発光素子 Pending JP2009277999A (ja)

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