JP2009277912A - 剥離方法及び剥離装置 - Google Patents

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Kazuo Teshirogi
和雄 手代木
Mika Sakamoto
美加 坂本
Yuzo Shimobeppu
祐三 下別府
Hironori Fukaya
浩則 深谷
Kazuhiro Yoshimoto
和浩 吉本
Kazuyuki Urasato
和幸 浦郷
Kana Sakauchi
加奈 阪内
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Abstract

【課題】チップ型電子部品を有した電子部品の製造の高生産性、高信頼性、低コスト化、作業効率の向上を実現させる。
【解決手段】剥離装置1を用いて、半導体素子10a,10b,10c等のチップ型電子部品の主面に接触しているダイシングシート20内に、突き上げピン30の先端を貫通させ、前記先端をチップ型電子部品の主面に接触させ、前記先端を接触させた後、前記先端に設けられた排出口から剥離液60lqを排出し、ダイシングシート20とチップ型電子部品との界面に、剥離液60lqを流出させる。剥離液60lqを流出後、チップ型電子部品を吸着ツール40に保持しつつ、チップ型電子部品をダイシングシート20から離反させる。これにより、上記課題が解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は剥離方法及び剥離装置に関し、特に下地に載置された電子部品を、当該下地から剥離する剥離方法及び剥離装置に関する。
チップ型電子部品の代表的なものとして、半導体集積回路素子などの半導体素子(半導体チップ)がある。当該半導体素子を、回路基板等の支持部材上に搭載して半導体装置を形成する際、当該半導体素子の実装手段の一つとして、当該半導体素子の半導体基板(電子回路非形成面)を回路基板に対向させて搭載する、所謂フェイスアップ方式のダイボンディング工程がとられている(例えば、特許文献1参照)。
かかるダイボンディング工程の手順について、図15、並びに図16を用いて説明する。
図15に示す如く、複数個の半導体素子が縦横に形成された半導体基板100は、その主面(電子回路形成面)を上面とし、他方の主面(電子回路非形成面)がダイシングシート(ダイシングテープ)110に接する状態をもって、当該ダイシングシート110上に固定された後、ダイシングブレード120により半導体素子100aに個片化される。
次に、図16(a)に示す如く、個片化されて、ダイシングシート110上に保持された半導体素子100aは、ダイボンダー装置の半導体素子摘出部に装着される。
当該ダイボンダー装置の半導体素子摘出部に於いて、被摘出対象の半導体素子100aの下方には、突き上げピン130が、また当該半導体素子100aの上方には、吸着ツール(吸着コレット)140が配置される。
そして、図16(b)に示す如く、突き上げピン130を上昇せしめ、ダイシングシート110の他方の主面に突き上げピン130を接触させ、半導体素子100aを押し上げた後、当該半導体素子100aのダイシングシート110との接触を解除する。
即ち、突き上げピン130による押し上げにより、当該ダイシングシート110を伸長せしめ、当該ダイシングシート110と半導体素子100aとの接触面積を減じることにより、ダイシングシート110から半導体素子100aを剥離する。
そして、この後は吸着ツール140により半導体素子100aをハンドリングし、当該半導体素子100aを配線基板に搭載する(図示しない)。
更に、この後に於いては、当該半導体素子100aと配線基板の電極間をワイヤボンディング等によって接合し、半導体素子100a等を樹脂により封止し、配線基板の裏面側に、例えば、突起電極を配設する。そして、ダイシングによって樹脂、配線基板等を個片化し、パッケージされた半導体装置が形成される。
特開2003−264203号公報
しかしながら、パッケージされた上記半導体装置は、近年、軽くて薄く、且つ小型なものが要求されている。それに伴い、封止される半導体素子100aの薄型化が進行している。これにより、半導体素子100aの絶対強度の低下も進行し、割れ易くなっている。即ち、半導体素子100a自体の破損障害が起き易い状況にある。
この様な状況の中、上記の製造工程では、突き上げピン130の押圧を機会に、半導体素子100aとダイシングシート110との剥離が進行するので、その時の応力は、突き上げピン130の先端部近傍に集中してしまう。例えば、図16(b)に応力集中箇所を矢印で示す。この様な局所的な応力が発生すると、突き上げピン130の先端部近傍で半導体素子100aが損傷を受け易くなってしまう。
ところで、突き上げピン130の本数を増加させることにより、応力を分散させ、上記損傷を抑制する方法も考えられる。しかし、応力を分散させると、突き上げピン130の押圧がダイシングシート110の粘着力より弱くなってしまい、半導体素子100aがダイシングシート110から剥離し難い状況に陥る。
この様に、突き上げピン130を用いてダイシングシート110から半導体素子100aを除去させる際、半導体素子100aを剥離し易くすることと、半導体素子100aを安全にダイシングシート110から剥離させることとは、トレードオフの関係にある。従って、従前の剥離方法では、これらの両方を具備する条件で、突き上げピン130の本数を決定しなければならない。
そして、上述した如く、半導体素子100aの薄型化が進み、半導体素子100aの強度が低下すると、その条件の範囲(マージン)は益々狭くなり、安全にダイシングシート110から半導体素子100aを剥離させることができないという問題があった。
本発明はこの様な点に鑑みてなされたものであり、ダイシングシート等の下地から、例えば、半導体素子の様な、薄いチップ型電子部品を除去する際に於いて、チップ型電子部品の剥離と割れの上記トレードオフの関係を解消することができる、剥離方法及び剥離装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、電子部品の主面に接触しているシート内に、突き上げピンの先端を貫通させ、前記先端を前記電子部品の前記主面に接触させる工程と、前記先端を接触後、前記先端に設けられた排出口から液体を排出し、前記シートと前記電子部品との界面に、前記液体を流出させる工程と、前記液体を流出後、前記電子部品を吸着ツールに保持しつつ、前記電子部品を前記シートから離反させる工程と、を有することを特徴とする電子部品の剥離方法が提供される。
また、電子部品の主面に接触しているシート内に、突き上げピンの先端を貫通させ、前記先端を前記電子部品の前記主面に接触させる接触手段と、前記先端に設けられた排出口から液体を排出し、前記シートと前記電子部品との界面に、前記液体を流出させる流出手段と、前記電子部品を吸着ツールに保持しつつ、前記電子部品を前記シートから離反させる離反手段と、を備えることを特徴とする電子部品の剥離装置が提供される。
上記手段によれば、上記トレードオフの関係を解消することができる。これにより、チップ型電子部品を有した電子部品の製造において、高生産性、高信頼性、低コスト化、並びに作業効率の向上が実現する。
以下、本実施の形態に係る剥離装置、並びに当該剥離装置を使用したチップ型電子部品の剥離方法を、図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、本実施の形態に係るチップ型電子部品の剥離方法を実施する際に適用される、剥離装置1の要部全体図を、図1に示す。かかる図1にあっては、当該剥離装置1を用いてのチップ型電子部品の剥離処理の際の一段階が例示されている。尚、本実施の形態では、チップ型電子部品として個片化された半導体素子(半導体チップ)を例に説明するが、特に、半導体素子に限定されるものではない。
また、図1にあっては、ダイシング処理により、個片化された複数個の半導体素子10a,10b,10cが電子回路形成面(図示しない)を配設している主面を上面として、前記上面とは他方の主面(電子回路非形成面、裏面)をダイシングシート(ダイシングテープ)20に接する状態をもって、当該ダイシングシート20の主面に固定されている。そして、当該図1にあっては、複数(例えば、5〜13本)の突き上げピン30により、一つの半導体素子10bに於けるダイシングシート20との接触が解除されようとする状態が示されている。
かかる半導体素子10bのダイシングシート20からの摘出に於いて、本実施の形態にあっては、次の様な構造の突き上げピン30を備えた剥離装置1が用いられる。
即ち、剥離装置1にあっては、上記ダイシングシート20との接触が解除された半導体素子10bを吸着・保持して、半導体素子10bをダイシングシート20からの離反させる吸着ツール40と、上述した突き上げピン30と、当該突き上げピン30を支持する支持台31と、ダイシングシート20の半導体素子10a,10b,10cが接していない側の主面に於いて、当該ダイシングシート20を支持し、突き上げピン30及び支持台31を覆い囲んだキャップ部50と、当該キャップ部50を支持する支持台51と、を具備している。
また、剥離装置1にあっては、支持台31の下面にスライドシャフト32が接続され、当該スライドシャフト32が支持台51の貫通孔51hに挿通している。尚、当該スライドシャフト32と貫通孔51hとの間隙には、ベアリング52が介設されている。
そして、スライドシャフト32の下端は、カムフォロア33を介して、楕円状のカム34に接触している。この様な構造をもって、当該カム34を回転させることにより、カムフォロア33を介して、貫通孔51hに挿通されたスライドシャフト32は、上下に駆動する。この駆動の際、スライドシャフト32と貫通孔51hとの間隙には、ベアリング52が介設されていることから、小さい摩擦抵抗をもって、スライドシャフト32が上下に駆動する。これにより、スライドシャフト32に連結する突き上げピン30を円滑に、上下に駆動させることができる。
また、剥離装置1にあっては、突き上げピン30の上方に位置する、キャップ部50の上面50cに、貫通孔50hを設けている。この様な貫通孔50hを設けることにより、突き上げピン30を上方に移動させた場合、当該突き上げピン30の先端部を当該上面50cを貫通させ、当該上面50cから突き上げピン30の先端部を突出させることができる。
尚、キャップ部50の上面50cから突出した突き上げピン30の先端部は、当該上面50c上に配設されたダイシングシート20を貫通し、半導体素子10a,10b,10cの裏面にまで接近、或いは接することができる。
また、上述したスライドシャフト32の中途には、例えば、ロードセル等の荷重計32wtが設けられ、突き上げピン30の先端部が半導体素子10a,10b,10cの裏面を押圧する荷重をリアルタイムで計測することができる。
尚、カム34を回転させる駆動源は、例えば、モーター、ネジ等が該当する(図示しない)。
また、剥離装置1にあっては、突き上げピン30の支持台31に、例えば、樹脂等の可撓性を有する材料を主成分とするパイプ60を接続し、当該パイプ60を、キャップ部50の側面50swに取り付けられた継手60uを介して、キャップ部50外に延出させている。そして、延出した当該パイプ60の端を剥離液供給機(図示しない)に接続している。また、当該パイプ60の中途には、バルブ60b、レギュレータ60rが備えられている。これにより、バルブ60b、レギュレータ60rにより、剥離液供給機から支持台31への剥離液(媒体)の供給、供給の停止、並びに供給量が制御される。尚、支持台31に供給された剥離液60lqは、支持台31及び突き上げピン30の内部を経由して、突き上げピン30の先端部から排出される。これについては、別の図面を用いて詳細に後述する。
また、キャップ部50には、例えば、別のパイプ61を、継手61uを介して接続し、当該パイプ61を真空ポンプ(図示しない)に接続している。これにより、キャップ部50内部を減圧状態にすることができる。この様な減圧状態が維持すると、キャップ部50の上面50cに接するダイシングシート20と、キャップ部50の上面50cとの間隙が貫通孔50hを通じて、減圧状態になり、ダイシングシート20がキャップ部50の上面50cに真空吸着される。この様に、上記真空ポンプを用いてキャップ部50内部を減圧状態にすることにより、ダイシングシート20をキャップ部50の上面50cに固定・保持することができる。
また、剥離装置1にあっては、吸着ツール40が被摘出対象の半導体素子10bの上方に配置されている。当該吸着ツール40は、例えば、シリコンゴムを主成分とするゴム部材40gと、当該ゴム部材40g内に設けられた貫通孔40ghに連通して配設された貫通孔40phを内部に備えた、棒状の支柱40pと、を有している。そして、吸着ツール40は、ダイシングシート20から剥離された半導体素子10bを、貫通孔40gh,40phを通じて、真空吸引により吸着できるようになっている。更に、支柱40pの中途には、例えば、ロードセル等の荷重計40wtが設けられ、当該吸着ツール40が半導体素子10bを上方に引き上げる際の荷重をリアルタイムで計測することができる。即ち、ダイシングシート20に付着している半導体素子10a,10b,10cの付着力を、荷重計40wtにより、リアルタイムで計測することができる。
尚、突き上げピン30の材質は、例えば、超硬合金等が適用される。
また、ダイシングシート20の材質は、ポリオレフィン、或いはポリ塩化ビニル等を主成分とする樹脂基材と、当該樹脂基材に、アクリル系樹脂を主成分とする粘着層の2層を有する構成としている。そして、当該粘着層が半導体素子10a,10b,10cに接し、当該樹脂基材がキャップ部50の上面50cの主面に接している。
また、支持台31、スライドシャフト32、支柱40p、キャップ部50、支持台51の材質は、例えば、アルミニウム(Al)或いはステンレス(SUS)鋼材等が適用される。
また、剥離液60lqとしては、少なくとも純水(H2O)、またはメタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールを含有する液体を用いる。
次に、剥離装置1に配置された突き上げピン30の周辺の拡大図を、図2に示す。ここで、図2(a)にあっては、突き上げピン30、支持台31、並びにパイプ60等の要部断面が例示され、突き上げピン30内部に、上記剥離液60lqが供給されている状態が示されている。また、図2(b)にあっては、上記剥離液60lqが供給されていない状態での突き上げピン30の先端部の拡大図が例示されている。尚、図2(b)では、突き上げピン30の先端部の断面と、上面と、側面の夫々が例示されている。
まず、図2(a)に示す如く、突き上げピン30は、三角錐状の先端部30tと当該先端部30tに連結する、円柱状の支柱30pを有し、当該先端部30tの内部に設けられた貫通孔30thと、支柱30pの内部に設けられた貫通孔30phとが連通して配設されている。
また、突き上げピン30を支持する支持台31の内部には、空間部31spが設けられ、当該空間部31spと上記貫通孔30phとが連通している。また、上述したパイプ60は、継手31uを介して、支持台31に接続され、パイプ60の内部と支持台31の空間部31spとが連通している。
また、図2(b)に示す如く、突き上げピン30の先端部30tの側面には、先端部30t内の貫通孔30thに連通する排出口30dが複数個、配設されている。例えば、先端部30tの中心を点対称として、先端部30tの側面に4個の排出口30dが配設されている。そして、パイプ60を通じて、支持台31の空間部31spに剥離液60lqが供給されると、排出口30dから剥離液60lqが排出する。
尚、突き上げピン30の各部の寸法は、支柱30pの外径がφ0.8〜φ1mmであり、貫通孔30th,30phの内径は、φ0.1〜φ0.2mmである。また、突き上げピン30の最先端は、例えば、R30μm程度に加工されている。また、排出口30dの内径は、例えば、20μm程度である。また、突き上げピン30の最先端から排出口30dの内径の中心までの距離は、例えば、40μmである。但し、これらの寸法値は、一例であり、これらの値に限定されるものではない。
この様な構成を具備する剥離装置1を用いることにより、半導体素子をダイシングシートから剥離し易くすることと、半導体素子を安全にダイシングシートから剥離させることのトレードオフの関係を解消できる。即ち、突き上げピン30の本数を増設することなく、ダイシングシート20から半導体素子10a,10b,10cを容易に剥離させることができる。
次に、かかる剥離装置1を用いての剥離方法について、図3〜図11を用いて説明する。図3〜図11には、剥離方法の夫々の工程の要部図が例示されている。尚、以下に例示する図面においては、図1並びに図2に示した部材と対応する部材には、同一の符号を付している。また、図3〜図11の中には、本実施の形態の特徴的な剥離装置1の細部、または剥離装置1を用いての剥離方法のフローを詳細に説明するために、必要に応じて、剥離装置1の特定部材の拡大図が例示される。
尚、当該剥離方法は、ダイシング(個片化)処理後の半導体素子10a,10b,10cのダイシングシート20からの摘出処理が対象とされる。従って、以下では、ダイシング処理後からの工程を説明する。
図3に、剥離方法の一工程の要部図を例示する。
半導体素子10a,10b,10cは、所謂、半導体素子製造用ウェハプロセスが適用されて、その一方の主面にトランジスタ等の能動素子、容量素子などの受動素子並びに配線層をもって形成された電子回路層(図示しない)が形成され、半導体素子10a,10b,10cは、当該電子回路層を表出して、ダイシングシート20上に固着されている。そして、ダイシング処理が施され、夫々の半導体素子10a,10b,10cに個片化がなされている。
半導体素子10a,10b,10cは、ダイシングシート20の表面に配設された粘着層(図示せず)により、当該ダイシングシート20上に固着されている。また、半導体素子10a,10b,10cは、シリコン(Si)あるいはガリウム砒素(GaAs)などの半導体材料を主成分としている。
また、ダイシングシート20は、キャップ部50の内部を減圧状態にすることにより、キャップ部50の上面50cの主面に固定・保持されている。
そして、剥離装置1に於いて、被摘出対象の半導体素子10bの下方には、突き上げピン30が配設され、また当該被摘出対象の半導体素子10bの上方には、吸着ツール40が配設されている。尚、図3に例示された段階では、上記剥離液60lqは、突き上げピン30内に供給されていない。
図4に、剥離方法の一工程の要部図を例示する。
次に、突き上げピン30を、カム34を回転させることにより上昇せしめ、キャップ部50の上面50cに設けられた貫通孔50hに、当該突き上げピン30の先端部を貫通させる。更に、当該上面50cから突出する突き上げピン30の先端部を、ダイシングシート20に貫通させて、当該先端部を半導体素子10bの裏面に接近させる。そして、突き上げピン30の先端部が半導体素子10bの裏面に接触する位置で、突き上げピン30の上昇を停止させる。
ここで、突き上げピン30の先端部が半導体素子10bの裏面に接触した状態の拡大図を、図5に示す。図5(a)には、突き上げピン30の先端部が半導体素子10bの裏面に接触した状態での半導体素子10bの上面と、当該上面から、夫々の突き上げピン30を透視した要部図が示され、図5(b)には、突き上げピン30の先端部が半導体素子10bの裏面に接触した状態での半導体素子10b、ダイシングシート20、並びに突き上げピン30の要部断面図が示されている。尚、図5(b)には、図5(a)の破線X−Yに沿った位置での断面が示されている。
ダイシングシート20は、上述したように、ポリオレフィン、或いはポリ塩化ビニル等を主成分とした材料を用いた樹脂基材20bと、アクリル系樹脂を主成分とした粘着層20adの2層を含む構成をなしている(図5(b)参照)。
また、支持台31上には、例えば13本の突き上げピン30が格子状に配設され、夫々の突き上げピン30が等間隔に配設されている(図5(a)参照)。
そして、突き上げピン30は、円錐状であり、突き上げピン30の先端部が鋭利な構造を有していることから、突き上げピン30の上昇により、突き上げピン30の先端部が樹脂基材20b並びに粘着層20adを貫通し、半導体素子10bの裏面に接触する。
尚、突き上げピン30の先端部を樹脂基材20b並びに粘着層20adを貫通させる前に、ダイシングシート20の主面に形成された、当該粘着層20adに、UV(Ultra Violet)光を照射させ、粘着層20adを光硬化させることにより、粘着層20adの粘着力を低下させている。
ここで、上記図1並びに図3では、例示されていないが、剥離装置1は、ダイシングシート20の主面に、UV光を照射させる光照射手段として、例えば、水銀(Hg)等のランプが備えられている。
そして、当該光照射手段をもって、ダイシングシート20の主面に、UV光を照射させた後に於いては、半導体素子10a,10b,10cは、粘着層20adの粘着力よりも、半導体素子10a,10b,10cと粘着層20adとの界面に、空気等の媒体が存在しない密接力にて、粘着層20ad上に固定・保持されている。
尚、突き上げピン30を半導体素子10bの裏面に接触した後に於いては、上記吸着ツール40により、半導体素子10bを吸着・保持してもよい(図示しない)。
次に、ダイシングシート20を貫通した、突き上げピン30の半導体素子10bの裏面に対する接触の程度について説明する。
本実施の形態に於いては、図6に示す如く、突き上げピン30の先端部30tに設けられた排出口30dが粘着層20adの上面から突出する程度にする。
上述した如く、排出口30dは、円錐状の突き上げピン30の先端部30tの側面に配設されているため、突き上げピン30の先端部30tを樹脂基材20b並びに粘着層20adに貫通させると、当該排出口30dを粘着層20adの上面から表出させることができる。
より具体的には、突き上げピン30の先端部30tを、粘着層20adの上面から、例えば50μm程度表出させる。即ち、突き上げピン30の先端部30t付近に於いて、半導体素子10bの裏面と粘着層20adの上面とが、例えば50μm程度離反する程度に、当該先端部30tで半導体素子10bの裏面を押圧する。
これにより、先端部30tに設けられた排出口30dが粘着層20adの上面から完全に表出し、上記剥離液60lqを当該排出口30dから排出させることができる。
尚、突き上げピン30の先端部30t付近に於いては、半導体素子10bの裏面と粘着層20adの上面とが剥離した状態にあるが、粘着層20adの大部分に於いては、ダイシングシート20の弾性により、半導体素子10bの裏面と粘着層20adの上面とが接触した状態にある。その結果、突き上げピン30が半導体素子10bの裏面と接触する付近に於いては、半導体素子10bに若干の応力が印加される。
しかし、この程度の突き上げ量(50μm程度)に於いては、半導体素子10bが損傷(割れ、欠け)を受ける程度ではない。発明者の検討では、半導体素子10bが実際に損傷する突き上げ量は、突き上げピン30の押圧により、半導体素子10bの裏面と粘着層20adの上面とを、例えば0.1〜0.2mm以上離反させた場合であることが判明している。
また、突き上げピン30の本数は、上述したように、5本〜13本程度が好ましい。本数が多すぎると、複数の突き上げピン30のダイシングシート20に対する押圧が分散してしまい、夫々の突き上げピン30がダイシングシート20を貫通し難くなる。また、少なすぎると、半導体素子10bに局所的な応力が印加され、半導体素子10bに損傷が発生し易くなり、好ましくない。従って、突き上げピン30の本数は、チップサイズによって5本〜13本程度の範囲で選定することが望ましい。
また、上記剥離装置1にあっては、上記突き上げ量を、上記荷重計32wtを用いて制御している。
例えば、図1等に例示する、剥離装置1にあっては、突き上げピン30がダイシングシート20に接触し、更に、ダイシングシート20を貫通する場合の突き上げピン30の荷重(突き上げ荷重)の変化、或いは、突き上げピン30が半導体素子10bの裏面に接触し、半導体素子10bの裏面を押圧する場合の突き上げピン30の荷重の変化等が、データプロファイルとして予め剥離装置1に入力されている。
また、剥離装置1にあっては、上記スライドシャフト32の中途に備えられた荷重計32wtにより、リアルタイムで、突き上げピン30の荷重がモニタリングされている。
そして、上記データプロファイルと、荷重計32wtからモニタリングしている荷重とを自動的に比較することにより、突き上げピン30の先端がどの場所に位置しているかを自動的に判別することができる。
そして、荷重計32wtのモニタリングにより、突き上げピン30が上記突き上げ量(50μm程度)に達したと判断したら、突き上げピン30の上昇を停止させる。これにより、剥離装置1にあっては、半導体素子10bが損傷しない程度に、上記排出口30dが粘着層20adの上面から完全に表出する。
次に、図7に示す如く、突き上げピン30の内部に、上記剥離液60lqを注入する。ここで、図7(a)に於いては、突き上げピン30の先端部が半導体素子10bの裏面に接触した状態での半導体素子10bの上面と、当該上面から突き上げピン30を透視した要部図が示され、図7(b)には、突き上げピン30の先端部が半導体素子10bの裏面に接触した状態での半導体素子10b、ダイシングシート20、並びに突き上げピン30の先端部30tの要部断面図が示されている。尚、図7(b)には、図7(a)の破線X−Yに沿った位置での断面が示されている。
突き上げピン30の上記突き上げ量(50μm程度)を維持させた状態で、上記バルブ60bを開状態にし、剥離液供給機から、上記パイプ60を通じて、突き上げピン30の内部に剥離液60lqを注入する。
かかる状態では、上述した如く、突き上げピン30の排出口30dは、粘着層20adの上面から完全に表出しているので、剥離液60lqの更なる注入をもって、剥離液60lqを当該排出口30dから半導体素子10bの裏面と粘着層20adとの界面に流出・浸透させることができる。
尚、剥離液60lqを突き上げピン30の内部に注入する圧力は、上記レギュレータ60rにより調整する。例えば、当該圧力として、約0.2MPa程度が好ましい。
次に、図8に示す如く、突き上げピン30の内部への剥離液60lqを継続させ、排出口30dから剥離液60lqを半導体素子10bの裏面と粘着層20adとの界面に流出・浸透させる。ここで、図8(a)に於いては、突き上げピン30の先端部30tが半導体素子10bの裏面に接触した状態での半導体素子10bの上面と、当該上面から突き上げピン30、並びに剥離液60lqを透視した要部図が示され、図8(b)には、突き上げピン30の先端部30tが半導体素子10bの裏面に接触した状態での半導体素子10b、ダイシングシート20、並びに突き上げピン30の先端部30tの要部断面図が示されている。尚、図8(b)には、図8(a)の破線X−Yに沿った位置での断面が示されている。
剥離液60lqの半導体素子10bの裏面と粘着層20adとの界面への流出・浸透を進行させると、当該剥離液60lqは、夫々の突き上げピン30の先端部30tを支点として、当該界面において濡れ拡がる。
ここで、ダイシングシート20の粘着層20adに於いては、剥離液60lqを上記界面へ放出する前に、UV光が照射されて硬化状態にある。当該状態では、粘着層20adの粘着力が無い状態にあり、粘着層20adと半導体素子10bの裏面とが密接した状態にある。換言すれば、半導体素子10bの裏面と粘着層20adの主面との間の界面には、空気等の媒体が存在しない状態にある。
かかる状態に於いて、突き上げピン30で半導体素子10bの裏面を抗するように押圧すると、半導体素子10bが当該突き上げピン30によって損傷を受けてしまう。
しかしながら、本実施の形態に於いては、半導体素子10bの裏面と粘着層20adの主面との間の界面に、媒体である剥離液60lqを流出・浸透させる。
これにより、夫々の突き上げピン30の先端部30tを支点として、半導体素子10bとダイシングシート20との接触面積が徐々に減少して、半導体素子10bの裏面と粘着層20adの主面との剥離が徐々に進行し始める。この際、剥離液60lqは、無形の液体であることから、当該界面に、剥離液60lqを流出・浸透させても、応力が特定の突き上げピン30付近に集中することがない。
そして、剥離液60lqの流出・浸透を進行させると、夫々の突き上げピン30の先端部30tを支点として、放射状に拡散した個々の剥離液60lqは、連通し合い、一体となる。
かかる状態を、図9に示す。
ここで、図9(a)に於いては、突き上げピン30の先端部が半導体素子10bの裏面に接触した状態での半導体素子10bの上面と、当該上面から突き上げピン30を透視した要部図が示され、図9(b)には、突き上げピン30の先端部が半導体素子10bの裏面に接触した状態での半導体素子10b、ダイシングシート20、並びに突き上げピン30の先端部30tの要部断面図が示されている。尚、図9(b)には、図9(a)の破線X−Yに沿った位置での断面が示されている。
上述した如く、夫々の突き上げピン30は等間隔に配設されていることから、半導体素子10bの裏面と粘着層20adの主面との界面に於いて、特定の場所のみに、剥離液60lqが片寄ることはなく、当該界面に於いて、当該剥離液60lqが満遍なく均一に拡散する。
そして、剥離液60lqの流出・浸透を、更に進行させると、図10に示す如く、半導体素子10bの裏面と粘着層20adの主面との界面に、完全に剥離液60lqが充填する。そして、上記界面に、媒体である剥離液60lqが均一の厚みで配設されることから、半導体素子10bがダイシングシート20から容易に剥離する。
尚、剥離液60lqは、無形の液体であることから、当該界面に剥離液60lqを充填させても、局所的な応力が特定の突き上げピン30付近に集中することがない。即ち、本実施の形態によれば、半導体素子10bの突き上げピン30による損傷を招来せずに、半導体素子10bをダイシングシート20から剥離することができる。
尚、本実施の形態に於いては、半導体素子10bがダイシングシート20から剥離が開始する前、並びに当該剥離が進行している間に於いて、吸着ツール40が半導体素子10bを吸着・保持している。
また、剥離装置1にあっては、吸着ツール40がダイシングシート20上に載置された半導体素子10bを引き上げる際の引き上げ荷重(ダイシングシート20の半導体素子10bに対する付着力)の変化が、データプロファイルとして予め入力されている。
更に、剥離装置1にあっては、上記吸着ツール40の中途に、荷重計40wtが備えられているので、上記荷重計40wtにより、リアルタイムで、半導体素子10bを引き上げ荷重をモニタリングすることができる。
そして、上記データプロファイルと上記荷重計40wtからモニタリングしている荷重とを自動的に比較することにより、半導体素子10bがダイシングシート20から剥離する時点(タイミング)を自動的に判別することができる。
即ち、剥離装置1は、荷重計40wtのモニタリングにより、半導体素子10bがダイシングシート20から剥離する時点を自動的に判別することができる。また、剥離装置1にあっては、半導体素子10bのダイシングシート20から剥離が判断されると、上記バルブ60bが自動的に閉状態となり、剥離液60lqの供給が停止される。
次に、吸着ツール40を、駆動源(図示しない)によって上方に引き上げ、半導体素子10bをダイシングシート20から、完全に離反させる。これにより、半導体素子10bとダイシングシート20との接触が解除される。
かかる状態を図11に示す。
この際、半導体素子10bの裏面には、剥離液60lqが残渣として付着・残存する場合がある。然るに、図12に示す様に、吸着ツール40、並びに半導体素子10bを処理容器70内に配設させた後、当該処理容器70内に設けられたノズル71の先端からエア71arを噴射させ、半導体素子10bの裏面に向かい、当該エア71arを照射する。
かかるエア71arの噴射により、半導体素子10bの裏面に付着・残存する剥離液60lqは、半導体素子10bの裏面から完全に除去される。
尚、処理容器70には、ダクト70dが配設され、当該ダクト70dから処理容器70内の雰囲気が吸引されている。そして、半導体素子10bの裏面から離反した剥離液60lqは、上記、或いは、微小なミストになって、当該ダクト70dを通じて処理容器70外に排出される。尚、剥離液60lqとして、例えば揮発性の高い、上記アルコールを用いた場合は、半導体素子10bをダイシングシート20から離反させた直後に、常温あるいは加圧にて迅速に当該半導体素子10bの裏面から蒸発するので、上記エア71arにより噴射を省略してもよい。また、エア71arに於いては、半導体素子10bの裏面の乾燥を促進するために、加温されたエア71arであってもよい。
次に、図13に示す如く、吸着ツール40に吸着・保持された半導体素子10bを、回路基板80に、接着部材(図示しない)を介して、ダイボンディングする。
即ち、前記吸着ツール40を降下せしめ、当該吸着ツール40に保持された半導体素子10bを、回路基板80の所定位置に押圧する。かかる荷重の印加により、半導体素子10bは接着部材のタック性によって、回路基板80上に固着される。尚、接着部材のタック性は、必要に応じて、回路基板80を通しての加熱によって発現させてもよい。
また、回路基板80は、例えばガラス−エポキシ樹脂、ガラス−BT(ビスマレイミドトリアジン)、あるいはポリイミド等の有機材絶縁性樹脂、あるいはセラミック、ガラス等の無機絶縁材料から形成された絶縁性基材から形成され、その表面及び/あるいは裏面、更には必要に応じて内部(内層)に導電層が配設されている。当該回路基板80は、支持基板、配線基板あるいはインターポーザとも称される。
そして、当該回路基板80は、ダイボンディングの際には、ボンディングステージ(図示せず)上に吸着・保持され、必要に応じて所定の温度に加熱されている。
また、接着部材は、ポリイミド系の熱可塑性樹脂、あるいはエポキシ系の熱硬化性樹脂を主体とする樹脂系材料からなる。
そして、この後に於いては、吸着ツール40による半導体素子10bの吸引を解除し、当該吸着ツール40を半導体素子10bの上方に移動せしめる。
かかる状態を図14に示す。
この後に於いては、半導体素子10bに隣接する、半導体素子10a或いは半導体素子10c、並びにそれ以外の半導体素子に対しても、上記の剥離を遂行する。そして、半導体基板から個片化された全ての半導体素子を回路基板80上にダイボンディングする。更に、複数の半導体素子が搭載・固着された回路基板80は、ワイヤーボンダに装着される。そして、複数の半導体素子の外部接続用電極端子と回路基板80上の電極端子(図示しない)との間が、例えば、ボンディングワイヤにより接続される。次いで、少なくとも回路基板80の半導体素子搭載部が樹脂封止される。
しかる後、当該回路基板80の他方の主面(半導体素子の非搭載面)に、外部接続端子が配設されて、半導体素子がパッケージされた半導体装置が形成される(図示せず)。
この様に、剥離装置1は、半導体素子10a,10b,10c等のチップ型電子部品の主面に接触しているダイシングシート20内に、突き上げピン30の先端を貫通させ、前記先端をチップ型電子部品の主面に接触させる接触手段と、前記先端を接触させた後、前記先端に設けられた排出口30dから剥離液60lqを排出し、ダイシングシート20とチップ型電子部品との界面に、剥離液60lqを流出させる流出手段と、剥離液60lqを流出後、チップ型電子部品を吸着ツール40に保持しつつ、チップ型電子部品をダイシングシート20から離反させる離反手段と、を備えている。
また、剥離装置1は、突き上げピン30の先端の接触前後によって変化する突き上げピン30のチップ型電子部品に対する荷重を、突き上げピン30のスライドシャフト32に取り付けた荷重計32wtによって計測する計測手段を備えている。そして、当該荷重の変化から、突き上げピン30の先端とチップ型電子部品の主面とが接触しているか否かを判断する判断手段を備えている。
また、剥離装置1は、剥離液60lqの流出前後によって変化する、ダイシングシート20のチップ型電子部品に対する付着力を、吸着ツール40に取り付けた荷重計40wtによって計測する計測手段を備えている。そして、当該付着力の変化から、チップ型電子部品の主面とダイシングシート20とが接触しているか否かを判断する判断手段を備えている。
そして、チップ型電子部品の主面に接触しているダイシングシート20内に、突き上げピン30の先端を貫通させ、当該先端をチップ型電子部品の主面に接触させ、当該先端を接触させた後、前記先端に設けられた排出口30dから剥離液60lqを排出し、ダイシングシート20とチップ型電子部品との界面に、剥離液60lqを流出させる。そして、剥離液60lqを流出後、チップ型電子部品を吸着ツールに保持しつつ、チップ型電子部品をダイシングシート20から離反させている。
この様な剥離装置1及び剥離装置1を用いた剥離方法によれば、次の様な具体的な効果がもたらされる。
上述した如く、チップ型電子部品である半導体素子10a,10b,10c等がパッケージされた電子部品(半導体装置)は、近年、軽くて薄く、且つ小型である。それに伴い、樹脂封止されるチップ型電子部品の薄型化が進行している。これにより、チップ型電子部品の絶対強度の低下も進行し、割れ易い状況にある。
然るに、上記の剥離方法では、ダイシングシート20に接触するチップ型電子部品の裏面と当該ダイシングシート20の主面との界面に、突き上げピン30の排出口30dから剥離液60lqを流出・浸透させてから、当該チップ型電子部品をダイシングシート20から剥離させている。
即ち、突き上げピン30により、チップ型電子部品を押圧して、強制的に前記チップ型電子部品をダイシングシート20から剥離させるのではなく、チップ型電子部品の裏面とダイシングシート20の主面との界面に、媒体である剥離液60lqを予め注入させてから、当該チップ型電子部品をダイシングシート20から剥離させている。
従って、チップ型電子部品とダイシングシート20との剥離に於いて、突き上げピン30の先端部付近に局所的な応力が集中することがなく、チップ型電子部品は損傷が生じ難くなる。従って、チップ型電子部品を高い製造歩留りをもって製造することができ、チップ型電子部品の製造に於ける高生産性、高信頼性、低コスト化が実現する。
また、上記注入により、突き上げピン30の本数に依存することなく、チップ型電子部品をダイシングシート20から容易に剥離させることができる。
これにより、突き上げピン30を用いてダイシングシート20からチップ型電子部品を除去させる際、半導体素子を剥離し易くすることと、半導体素子を安全にダイシングシートから剥離させることとのトレードオフの関係を解消することができる。従って、上述したように、突き上げピン30の本数が制約を受けるということもなく、設計マージンが大きく拡大する。これにより、作業効率が大きく向上する。
このように、上記剥離装置1及び当該剥離装置1を用いた剥離方法によれば、上記トレードオフの関係が解消され、チップ型電子部品を有した電子部品の製造に於いて、高生産性、高信頼性、低コスト化、作業効率の向上が実現する。
(付記1) 電子部品の主面に接触しているシート内に、突き上げピンの先端を貫通させ、前記先端を前記電子部品の前記主面に接触させる工程と、
前記先端を接触後、前記先端に設けられた排出口から液体を排出し、前記シートと前記電子部品との界面に、前記液体を流出させる工程と、
前記液体を流出後、前記電子部品を吸着ツールに保持しつつ、前記電子部品を前記シートから離反させる工程と、
を有することを特徴とする電子部品の剥離方法。
(付記2) 前記先端の接触前後によって変化する、前記突き上げピンの前記電子部品に対する荷重を計測する工程と、
前記荷重の変化から、前記突き上げピンの前記先端と前記電子部品の前記主面とが接触しているか否かを判断する工程と、
を有することを特徴とする付記1記載の電子部品の剥離方法。
(付記3) 前記液体の流出前後によって変化する、前記シートの前記電子部品に対する付着力を計測する工程と、
前記付着力の変化から、前記電子部品の前記主面と前記シートとが接触しているか否かを判断する工程と、
を有することを特徴とする付記1記載の電子部品の剥離方法。
(付記4) 少なくとも水(H2O)またはアルコールを含有する前記液体を用いることを特徴とする付記1または3記載の電子部品の剥離方法。
(付記5) 前記排出口から前記液体を排出する前に、前記シートの主面に光を照射させ、前記シートの一部を硬化させることを特徴とする付記1、3、4記載の電子部品の剥離方法。
(付記6) 前記液体は揮発性を有することを特徴とする付記1、3、4、5記載の電子部品の剥離方法。
(付記7) 電子部品の主面に接触しているシート内に、突き上げピンの先端を貫通させ、前記先端を前記電子部品の前記主面に接触させる接触手段と、
前記先端に設けられた排出口から液体を排出し、前記シートと前記電子部品との界面に、前記液体を流出させる流出手段と、
前記電子部品を吸着ツールに保持しつつ、前記電子部品を前記シートから離反させる離反手段と、
を備えることを特徴とする電子部品の剥離装置。
(付記8) 前記先端の接触前後によって変化する、前記突き上げピンの前記電子部品に対する荷重を、前記突き上げピンの支柱に取り付けた第1の計測器によって計測する計測手段と、
前記荷重の変化から、前記突き上げピンの前記先端と前記電子部品の前記主面とが接触しているか否かを判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする付記7記載の電子部品の剥離装置。
(付記9) 前記液体の流出前後によって変化する、前記シートの前記電子部品に対する付着力を、前記吸着ツールに取り付けた第2の計測器によって計測する計測手段と、
前記付着力の変化から、前記電子部品の前記主面と前記シートとが接触しているか否かを判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする付記7記載の電子部品の剥離装置。
剥離装置の要部全体図である。 剥離装置に配置された突き上げピンの周辺の拡大図である。 剥離方法の一工程を例示する要部図である(その1)。 剥離方法の一工程を例示する要部図である(その2)。 剥離方法の一工程を例示する要部図である(その3)。 剥離方法の一工程を例示する要部図である(その4)。 剥離方法の一工程を例示する要部図である(その5)。 剥離方法の一工程を例示する要部図である(その6)。 剥離方法の一工程を例示する要部図である(その7)。 剥離方法の一工程を例示する要部図である(その8)。 剥離方法の一工程を例示する要部図である(その9)。 エア噴射を説明する要部図である。 ダイボンディングの一工程を例示する要部図である(その1)。 ダイボンディングの一工程を例示する要部図である(その2)。 ダイボンディング工程の手順を説明する要部図である(その1)。 ダイボンディング工程の手順を説明する要部図である(その2)。
符号の説明
1 剥離装置
10a,10b,10c 半導体素子
20 ダイシングシート
20ad 粘着層
20b 樹脂基材
30 突き上げピン
30d 排出口
30p 支柱
30t 先端部
30th,30ph,40gh,40ph,50h,51h 貫通孔
31,51 支持台
31sp 空間部
31u 継手
32 スライドシャフト
32wt,40wt 荷重計
33 カムフォロア
34 カム
40 吸着ツール
40g ゴム部材
40p 支柱
50 キャップ部
50c 上面
50sw 側面
52 ベアリング
60,61 パイプ
60b バルブ
60lq 剥離液
60r レギュレータ
60u,61u 継手
70 処理容器
70d ダクト
71 ノズル
71ar エア
80 回路基板

Claims (6)

  1. 電子部品の主面に接触しているシート内に、突き上げピンの先端を貫通させ、前記先端を前記電子部品の前記主面に接触させる工程と、
    前記先端を接触後、前記先端に設けられた排出口から液体を排出し、前記シートと前記電子部品との界面に、前記液体を流出させる工程と、
    前記液体を流出後、前記電子部品を吸着ツールに保持しつつ、前記電子部品を前記シートから離反させる工程と、
    を有することを特徴とする電子部品の剥離方法。
  2. 前記先端の接触前後によって変化する、前記突き上げピンの前記電子部品に対する荷重を計測する工程と、
    前記荷重の変化から、前記突き上げピンの前記先端と前記電子部品の前記主面とが接触しているか否かを判断する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の電子部品の剥離方法。
  3. 前記液体の流出前後によって変化する、前記シートの前記電子部品に対する付着力を計測する工程と、
    前記付着力の変化から、前記電子部品の前記主面と前記シートとが接触しているか否かを判断する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の電子部品の剥離方法。
  4. 電子部品の主面に接触しているシート内に、突き上げピンの先端を貫通させ、前記先端を前記電子部品の前記主面に接触させる接触手段と、
    前記先端に設けられた排出口から液体を排出し、前記シートと前記電子部品との界面に、前記液体を流出させる流出手段と、
    前記電子部品を吸着ツールに保持しつつ、前記電子部品を前記シートから離反させる離反手段と、
    を備えることを特徴とする電子部品の剥離装置。
  5. 前記先端の接触前後によって変化する、前記突き上げピンの前記電子部品に対する荷重を、前記突き上げピンの支柱に取り付けた第1の計測器によって計測する計測手段と、
    前記荷重の変化から、前記突き上げピンの前記先端と前記電子部品の前記主面とが接触しているか否かを判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項4記載の電子部品の剥離装置。
  6. 前記液体の流出前後によって変化する、前記シートの前記電子部品に対する付着力を、前記吸着ツールに取り付けた第2の計測器によって計測する計測手段と、
    前記付着力の変化から、前記電子部品の前記主面と前記シートとが接触しているか否かを判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項4記載の電子部品の剥離装置。
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