JP2009277375A - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固体酸化物形燃料電池は,酸素イオン伝導性固体電解質体を有する複数の燃料電池セルが積層され,燃料ガスと酸化剤ガス中の酸素との反応により電力を発生する発電スタックと,前記発電スタックを加熱するための燃焼プレートと,前記燃焼プレートが固定されるフレームと,を有する起動用バーナと,前記発電スタックと前記フレームとを保持し,前記発電スタックと前記燃焼プレートとを間隔を有して対向配置させる保持部材と,を具備する。
【選択図】図1
Description
特許文献2記載の技術では,発電スタックの加熱を直接行っておらず,ガスだけによる加熱のため,加熱効率が悪く,起動性についての問題が懸念される。
特許文献3記載の技術では,起動用バーナを設置した箇所が,発電スタックからの残ガスを燃焼させる箇所と同位置であるため,高温雰囲気に燃焼プレートが晒され,破損する問題が懸念される。また,スタックの側面に起動用バーナを配置すると起動用バーナからの排気ガスがスタックに当たりにくいので熱ロスが大きくなる問題があった。
上記に鑑み,本発明は,発電スタックと起動用バーナが間隔を有して保持された固体酸化物形燃料電池を提供することを目的とする。
(第1の実施の形態)
図1は,本発明の第1実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100を表す斜視図である。固体酸化物形燃料電池100は,発電スタック110,気化器120,改質器130,熱交換器140,燃焼器150(150a,150b),起動用バーナ160,断熱容器170を有する。なお,見やすさのために,発電スタック110,改質器130,燃焼器150と,起動用バーナ160とを離間した状態で表している。
本発明の第2の実施形態を説明する。図4は,本発明の第2の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池200での発電スタック110,燃焼器150,起動用バーナ160の接続状態を表す断面図である。ボルトヘッド183aの下部はねじ加工されていない。ブラケット185aは,外径が略円筒形状で,穴186aを有する。ボルトヘッド183aは,ブラケット185aの穴186aに挿入される。即ち,穴186aはボルトヘッド183aのガイド溝である。ブラケット185aは,フレーム161に溶接等で固定される。ボルトヘッド183の長さおよびブラケット185aの底部の厚さを適宜にすることで,起動用バーナ160の上部に適宜の空間が確保される。
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張,変更可能であり,拡張,変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では,改質器130,燃焼器150aを発電スタック110と一体的に構成していた。この結果,改質器130,燃焼器150aを介して,発電スタック110が起動用バーナ160に保持されている。これに対して,改質器130,燃焼器150aを発電スタック110と別体としても良い。この場合,発電スタック110と起動用バーナ160が直接対向することになる。
(実施例1)
実施例1は,第1の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。但し,改質器130,燃焼器150aを発電スタック110と別体とした。別体とする点は,他の実施例2〜8,比較例1,2でも同様とする。起動用バーナ160と発電スタック110の間に,30mmの間隔を確保した。起動用バーナ160に,空燃比1.37である都市ガス3L/min,Air45L/minの混合ガスを投入し,発電スタック110を750℃まで加熱した。
実施例2は,第2の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。起動用バーナ160と発電スタック110の間に,30mmの間隔を確保した。空燃比1.37である都市ガス3L/min,Air45L/minの混合ガスを投入し,発電スタック110を750℃まで加熱した。
実施例3は,第1の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。フレーム161を厚いSUS板とした以外は,実施例1と同様とした。
実施例4は,第1の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。起動用バーナ160と発電スタック110の間隔を15mmとした以外は,実施例1と同様とした。
実施例4は,第1の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。起動用バーナ160と発電スタック110の間隔を50mmとした以外は,実施例1と同様とした。
実施例6は,第1の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。空燃比1.10である都市ガス3L/min,Air36L/minの混合ガスを用いた以外は,実施例1と同様とした。
実施例7は,第1の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。空燃比0.73である都市ガス3L/min,Air24L/minの混合ガスを用いた以外は,実施例1と同様とした。
実施例8は,第1の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。空燃比1.37である都市ガス1L/min,Air15L/minの混合ガスを用いた以外は,実施例1と同様とした。実施例8では,起動用バーナ160での燃焼量を低減している。
比較例1は,第1の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。起動用バーナ160と発電スタック110の間隔を10mmとした以外は,実施例1と同様とした。
比較例2は,第1の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。空燃比0.54である都市ガス3L/min,Air18L/minの混合ガスを用いた以外は,実施例1と同様とした。
比較例3は,第1の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池100に対応する構成を有する。空燃比1.58である都市ガス3L/min,Air52L/minの混合ガスを用いた以外は,実施例1と同様とした。
図5に,実施例1〜8,比較例1〜3の実験結果を示す。
実施例1,4,5,比較例1から,燃焼プレート162の上部に15mm程度以上の間隔を確保することが好ましいことが判る。燃焼プレート162の上部に十分な空間が確保されないと,失火し易くなり,また燃焼プレート162が割れ易い。
また,実施例1,6,比較例2,3から,空燃比0.7〜1.5程度の範囲が好ましいことが判る。燃料ガスと空気の比率が訂正範囲からずれると,失火し易くなる。この都市ガスの理論空燃比が1.29であることから,この空燃比0.7〜1.5は,理論空燃比に対して,0.54〜1.16となる(燃料ガスの理論空燃比R0に対する混合ガスの空燃比R1の比率(R1/R0))。
110 発電スタック
111 燃料電池セル
112,113 エンドプレート
120 気化器
130 改質器
140 熱交換器
150 燃焼器
160 起動用バーナ
161 フレーム
162 燃焼プレート
163 プレート保持部
170 断熱容器
181 ボルト
182 ナット
183 ボルトヘッド
185 ボルト
185a ブラケット
Claims (4)
- 酸素イオン伝導性固体電解質体を有する複数の燃料電池セルが積層され,燃料ガスと酸化剤ガス中の酸素との反応により電力を発生する発電スタックと,
前記発電スタックを加熱するための燃焼プレートと,前記燃焼プレートが固定されるフレームと,を有する起動用バーナと,
前記発電スタックを前記フレームに保持し,かつ前記発電スタックと前記燃焼プレートとを間隔を有して対向配置させる保持部材と,
を具備することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 前記発電スタックが,前記複数の燃料電池セルを接続する棒状の接続部材を有し,
前記保持部材が,前記接続部材の端部に配置される
ことを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池。 - 発電開始時,発電終了時に対応して,前記燃料ガスと空気との混合気と,空気と,を切り替えて起動用バーナに供給する供給手段,
をさらに具備することを特徴とする請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池。 - 前記起動用バーナに前記燃料ガスと空気との混合気が供給され,この燃料ガスの理論空燃比に対する混合気の空燃比の比率が0.54以上,1.16以下である,
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
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