JP2009274862A - クレーンの干渉防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高さの異なる複数の軌条上をクレーンが走行する場合を含めて、クレーンの接触やワイヤの絡まり等といったクレーンの干渉を防止する装置を提供する。
【解決手段】 一つの建家1内にある複数のクレーン11〜31のうち、走行方向に隣接した位置にある二台のクレーンについて、走行方向に沿った相互間の距離を検出するとともに、一方のクレーンの下端部の位置を検出する。検出した上記距離から両者間が接近中であると判断され、かつ、検出した上記下端部の位置から両者が接触する可能性があると判断されるとき、指令を出して警報を発する。
【選択図】 図1

Description

請求項に係る発明は、一つの建家内に複数のクレーン(天井クレーン)がある場合に、クレーン同士が接触したり、クレーンに取り付けたワイヤが他のクレーンに絡まったりする等のクレーンの干渉を防止する装置に関するものである。
一つの建家内に複数のクレーンがあってその走行範囲が重なる場合、クレーン同士が接触等しないよう注意して操作する必要がある。
下記の特許文献1には、同一の軌条上を走行する複数のクレーンについて、クレーン同士の衝突等を回避するための手段が記載されている。すなわち、他のクレーンとの間隔を測る距離計や制御装置を各クレーンに設け、当該距離計によって検出される隣接クレーンとの間の距離データに基づいて、クレーンの走行および停止を制御する。
特開2001−192103号公報
上記の特許文献1に記載された技術は、クレーン同士の衝突等を防止するものではあるが、各クレーンが同一の軌条上にある例についてのものである。そのため、走行方向に沿って隣接クレーンとの間の距離を把握しているだけで、衝突等を防止することが可能である。
しかし、一つの建家内で、高さの異なる複数の軌条上をそれぞれクレーンが走行する場合には、特許文献1とは異なる技術的事情がある。すなわち、一つのクレーンが隣接クレーンの位置を越えて走行することがあり得るほか、そのように隣接クレーンの位置を越えるときクレーン同士の干渉を防止するには、走行方向に沿った相互間の距離を把握するだけでなく、クレーンのフックやそれに掛けたワイヤまたは吊り荷が他のクレーンと接触しないかをも把握する必要がある。つまり、特許文献1の技術のみではクレーン間の接触等を適切に防止できるとはいえない。
請求項に係る発明は、高さの異なる複数の軌条上をクレーンが走行する場合を含めて、クレーンの接触やワイヤの絡まり等といったクレーンの干渉を防止する装置を提供するものである。
クレーンの干渉を防止する方法としては、
・ 一つの建家内にある複数のクレーンのうち、走行方向に隣接した位置にある二台のクレーン(定まった二台を指すのではなく、各時点で走行方向に沿った間隔が最も小さい二台をいう)について、
・ 走行方向への相互間の距離を検出するとともに、一方の(たとえば上部軌条上にある)クレーンの下端部(通常はフックの下端)の位置を検出し、
・ 検出した上記距離から両者間が接近中であると判断され、かつ、検出した上記下端部の位置から両者が(走行方向の位置が重なった際に)接触する可能性があると判断されるとき、指令を出して警報を発するのがよい。
そのようにすれば、一つの建屋内にある高さの異なる複数の軌条上をそれぞれクレーンが走行する場合にも、クレーン同士の干渉を適切に防止することができる。走行方向に隣接した位置にある二台のクレーンについて、走行方向への相互間の距離を検出するだけでなく、一方のクレーンの下端部の位置を検出するからである。一方のクレーンの下端部の位置を検出すると、そのクレーンの下を他方のクレーンが走行し、または逆にそのクレーンが他方のクレーンの上を走行して、走行方向への両クレーンの位置関係が入れ替わるとき、両者が接触する(たとえばフックやフック用のワイヤが他方のクレーンに当たる)可能性があるか否かが明らかになる。そのため、検出した上記距離から両者間が接近中であると判断され、かつ、検出した上記下端部の位置から両者が接触する可能性があると判断されるとき上記のように警報を発することとすれば、クレーン同士が干渉することを適切かつ容易に回避することができるのである。
上記した走行方向への相互間の距離の検出は、各クレーンにおける走行用モータ(またはそれとともに回転する任意の回転軸)の回転数(回転量)をカウントすることにより行い、上記した下端部の位置の検出は、当該クレーンにおける巻取りドラム(巻上げ・巻下げを行うドラム。またはそれとともに回転する任意の回転軸)の回転数(回転量)をカウントすることにより行うのがよい。
各クレーンの走行用モータの回転数は、モータや減速機、ブレーキ等の軸に光学的または磁気的なセンサ等を付設することによって容易にカウントすることができる。また、巻取りドラムの回転数も、同様の手段によって容易にカウントできる。そのため、上記のようにすれば、走行方向へのクレーン相互間の距離の検出もクレーンの下端部の位置の検出も、コスト上の負担を抑えながら十分な精度で実施することが可能である。既存の複数のクレーンに対して上記方法を採用することも容易である。
上記した下端部の位置の検出は、当該クレーンの下部に設けられて当該下部の高さにある物体を検出する光学式エリアセンサをさらに使用して行うのがとくに好ましい。光学的エリアセンサとしては、たとえば、一定以上の幅を有する赤外線の投光器と受光器とを、フックの横行範囲を含む間隔をおいて対向配置したものを使用できる。
走行するクレーンのフックには、ワイヤが掛けられていることがあり、そのワイヤに吊り荷が掛け下げられていることもある。ワイヤや吊り荷の寸法は一定でないので、前記のように巻取りドラムの回転数をカウントするだけではそれらの位置を正確に知ることはできない。しかし、上記のとおりクレーンの下部に光学的エリアセンサを使用するなら、そのようなワイヤや吊り荷が所定の高さ(他方のクレーンと接触する可能性のある高さ)にないかどうかを知ることが可能になる。そのため、上記のようにすれば、クレーン同士の干渉を一層確実に防止することができる。
上記の干渉防止方法は、とくに、
1) 上記の各検出のためのデータ(上記各カウントのデータ、またはさらにエリアセンサの出力データ等)を、各クレーンに設けたセンサ(および発信用機器)が取得して単一の制御用コンピュータに送信し、
2) 当該制御用コンピュータが、送信されたデータに基づいて上記の各検出と各判断を行ったうえ、警報を発するための信号を各クレーン(の受信用機器)にあてて送信し、
3) 当該警報を発するための信号を受けて各クレーンの警報機器が警報を発する
ようにすると好ましい。なお、上記の送信・受信は、無線LANによって行うのもよいが、電源線を介して送受信するHD−PLCにより行うのもよい。
上記1)〜3)のようにする場合は、各クレーンについてのデータが単一の制御用コンピュータに集められるため、それらデータに基づいて行う検出ないし判断を一律に行うことが可能になり、判断等のための条件を変更または調整することも容易になる。また、クレーンの台数にかかわらず同様に信号処理をして適切に警報を発することができるので、クレーンの台数が増減した場合への対応が容易である。
上記の制御用コンピュータが、警報を発するための信号を各クレーンにあてて送信するとき(またはさらに特定の条件に当てはまるとき)、接近中であると判断される上記クレーンのうち走行中のもの(の受信用機器)に対し、走行速度を低下させる信号を送信し、または走行速度を低下させたのち停止させる信号を送信するようにすると、さらに好ましい。
警報が発せられたとき、それを知った操作担当者が走行中のクレーンを停止させることとすればクレーン同士の干渉は防止される。しかし、減速ないし停止の操作が遅れたり、加速度(の絶対値)が高い急停止の操作がされた場合には、それぞれ、クレーン同士が接触したり吊り荷が大きく揺れたりする事態が生じがちである。その点、上記の制御用コンピュータが走行速度を低下させる等の信号を送信するようにすると、減速・停止が遅れたり急停止によって吊り荷が大きく揺れたりすることが防止され、確実かつスムーズにクレーン同士の干渉が回避される。
請求項に係る発明であるクレーンの干渉防止装置は、
・ 一つの建家内にある複数のクレーンについて、各クレーンに設けられたセンサおよびそれらと(有線または無線で)結ばれた制御用コンピュータが、走行方向への相互間の距離を検出するとともに、最下段以外のクレーンについて下端部の位置を検出し、
・ 当該制御用コンピュータが、検出した上記距離から両者が接近中であると判断し、かつ、検出した上記下端部の位置から両者が接触する可能性があると判断するとき、上記建屋内の(任意の箇所にある)警報機器に警報指令を出すことを特徴の一部とする。
この発明の装置によれば、前記したクレーンの干渉防止方法を円滑に実施することができる。すなわち、たとえば走行方向に隣接した位置にある二台のクレーンについて、上記制御用コンピュータが、相互間の距離を検出するだけでなく一方のクレーンの下端部の位置を検出するため、一つのクレーンが隣接クレーンの位置を越えて走行するとき、フック等が他方のクレーンに当たる可能性があるか否かを的確に判断し、その判断に応じて警報指令を出すからである。
この発明の装置については、さらに、
・ 最下段の軌条上にある各クレーンに、各クレーンにおける走行用モータ(またはそれとともに回転する任意の回転軸)の回転数をカウントするセンサを配置し、
・ 最下段以外の軌条上にある各クレーンに、当該クレーンにおける走行用モータ(同上)の回転数をカウントするセンサと、当該クレーンにおける巻取りドラム(またはそれとともに回転する任意の回転軸)の回転数をカウントするセンサと、当該クレーンの下部に設けられてその高さにある物体を検出する光学式エリアセンサとを配置する。
そのようにすると、1)各クレーンにおける走行用モータの回転数をカウントするセンサおよび制御用コンピュータによって走行方向への相互間の距離を検出するとともに、2)最下段以外の軌条上にある各クレーンの巻取りドラムの回転数をカウントするセンサと上記光学式エリアセンサおよび制御用コンピュータによって、最下段以外のクレーンについて下端部の位置を検出する。回転数をカウントする上記それぞれのセンサは、低コストながら十分な精度での上記各検出を可能にする。そうした検出情報に基づいて、上記の制御用コンピュータがクレーン同士の接触の可能性等を判断するので、この装置は、的確な警報指令を発してクレーンの干渉を適切に回避する。既存の複数のクレーンに対してこの装置構成を採用することも容易である。
発明の装置においては、上記走行用モータまたは上記巻取りドラムに連動するブレーキドラムに環状のスケールを貼り付けるとともに、当該スケールに対して非接触に光スケールセンサを配置し、その光スケールセンサを、上記した走行用モータの回転数をカウントするセンサまたは巻取りドラムの回転数をカウントするセンサとする。
そのような構成は、既設のクレーンにも低コストで容易に付加することができ、それによって、走行方向へのクレーン相互間の距離、またはクレーン下端部の位置が適切に検出できるようになる。なお、巻取りドラムにおけるワイヤの巻取り径は一定ではなく、その変化に連れてクレーン下端部の昇降速度は変化するが、基準状態からの積算回転数とクレーン下端部の高さとは対応づけられるため、上記構成によって当該下端部の位置は適切に検出される。
発明の装置には、あるいは、走行用の遊転車輪(駆動力を受けずに回転する車輪)にドグ(突起物)を取り付けるとともに、当該ドグの回転軌道に近い位置に近接センサを配置し、その近接センサを、上記した走行用モータの回転数をカウントするセンサに代えて、走行方向へのクレーン相互間の距離を検出するために使用するのも好ましい。
こうすることも、既設のクレーン等に低コストで容易に採用することができ、それによって走行方向へのクレーン相互間の距離が適切に検出できるようになる。上記ドグも近接センサも小型のもので足りるため、遊転車輪における限られたスペースに設置することが可能である。なお、仮に、走行用モータから駆動力を受ける駆動車輪に上記のドグ等を配置したなら、当該車輪とレールとの間に滑りが生じやすいため多少の誤差が発生しがちであるが、遊転車輪の場合は滑りの発生が少なく、したがって誤差解消のための技術的負担が軽微である。
上記装置についてはさらに、
・ 各クレーンに、上記の各センサ(モータまたはドラムの回転数をカウントする各センサと上記の光学的エリアセンサ)およびその信号の発信用機器、ならびに警報機器およびそれへの警報指令の受信用機器を搭載し、
・ 上記の制御用コンピュータを単一のものとし、そのコンピュータに、上記各センサの信号の受信手段と、受信した各センサの信号から、上記二台のクレーンが接近中であって両者が接触する可能性があるか否かを判断する演算手段と、判断の結果に応じて上記警報機器に警報指令信号を送る送信手段とを具備させるのが好ましい。
このようにすると、1)上記の各検出のためのデータを各クレーンに搭載したセンサが取得して制御用コンピュータに送信し、2)当該コンピュータが、そのデータに基づいて上記の各検出と各判断を行ったうえ、警報を発するための信号を各クレーンの受信用機器にあてて送信し、3)その信号を受けて各クレーンの警報機器が警報を発する――といった制御が可能である。そのような制御を行う場合、各クレーンについてのデータが単一の制御用コンピュータに集められるため、上記の検出ないし判断を一律に行うことが可能になり、判断等のための条件を変更または調整することが容易になる。また、クレーンの台数にかかわらず同様に信号処理をして適切に警報を発することができるので、クレーンの台数が増減した場合への対応も容易である。
各クレーンの発信用機器および受信用機器が、他のクレーンの発信用機器とも受信用機器とも送受信することなく、上記の制御用コンピュータに接続された単一のアクセスポイントに対してのみ送受信を行うようにするのがとくに好ましい。
そのようにすると、各クレーンについてのデータが単一のアクセスポイントを経由して単一の制御用コンピュータに集められるため、上記の検出ないし判断を当該コンピュータで一律に行うことが可能になり、判断等のための条件を変更または調整することが容易になる。また、クレーンの台数にかかわらず同様に信号処理をして適切に警報を発することができるので、クレーンの台数が増減した場合への対応も容易である。このような作用的メリットは、各クレーン(の発信用機器および受信用機器)同士でセンサの信号の送受信を行う場合には得られないもので、通信の速度や条件設定の容易さ等において格段に有利となる。
警報指令信号を送る上記の送信手段には、上記判断の結果に応じて、走行中のクレーンに走行速度を低下させる信号、または走行速度を低下させたのち停止させる信号をも送信させるのが好ましい。
クレーン同士が接触等する可能性があるとき、上記制御用コンピュータの判断にしたがって警報を発するだけでなく走行速度を低下させる等の制御をも行うようにすると、不注意等により減速・停止が遅れたり急停止によって吊り荷が大きく揺れたりすることが防止され、確実かつスムーズにクレーン同士の干渉が回避される。
請求項に係る発明であるクレーンの干渉防止装置によれば、一つの建屋内にある高さの異なる複数の軌条上をそれぞれクレーンが走行する場合にも、クレーン同士の干渉を適切に防止することができる。クレーンのフックにワイヤが掛けられていたり、そのワイヤに吊り荷が掛け下げられていたりする場合にも、クレーンの干渉を防止できる。各クレーンについてのデータを単一の制御用コンピュータに集めることとし、それによってクレーン同士の接触可能性に関する判断等の条件を適宜に変更・調整等できるようにすることも可能である。クレーン同士が接触する可能性があると判断されるとき、走行中のクレーンを適切に減速等させてスムーズにクレーンの干渉防止を図ることもできる。
発明の実施形態を図1〜図4に示す。図1は、複数の天井走行クレーン11・12・13・21・22・31が配置された工場の建屋1を模式的に示す図である。図2は、1台のクレーン22に代表させて上記各クレーンの構造を示すもので、図1中のII−II矢視図である。図3は、制御用コンピュータと各クレーンとの間のLANの接続を示す模式図である。図4(a)〜(c)のそれぞれは、上段のクレーン31、中段のクレーン21・22、下段のクレーン11・12・13とそれらの付属機器を示す概念図である。
図1に示すように、建屋1内には合計6台のクレーン11〜31が配置されている。各クレーン11〜31の構造を、図2に示す中段のクレーン22を例に説明するとつぎのとおりである。建屋1の幅方向に桁(ガーダ)Aが架け渡され、その上に横行可能にトロリBが設けられている。トロリBには、横行のための車輪やモータ等とともに、巻上げ・巻下げのための機器、すなわち巻取りドラムB1・B4と、それに巻かれたワイヤによって昇降させられるフックB2・B5が二組ずつ搭載されている。トロリBにはさらに走行のため機器として、走行用モータCと減速機C1、伝動軸C2、ギヤC3、走行車輪C4などが設けられている。モータCおよび減速機C1による伝動軸C2の回転をギヤC3によって走行車輪C4に伝達し、車輪C4によってクレーン22の全体が軌条20上を走行する。なお、図2のクレーン22には二つのフックB2・B5が設けられているが、クレーンによってはフックは一つのみである(図1においてたとえば「15/5」と書かれたクレーンには15トン用のフックと5トン用のフックとが設けられており、たとえば「5」とのみ書かれたクレーンには5トン用のフックが一つだけ設けられている)。
図1に示す6台のクレーン11〜31のうち、クレーン11・12・13は最も下段の軌条10上を走行するもので、クレーン21・22は中段の軌条20上を、クレーン31は最上段の軌条30上を走行するよう配置されている。各軌条10〜30は相互間に数メートルの高さの差をおいて配置され、いずれも東西の向きに平行に延びている。
各クレーン11〜31の走行範囲は重なっているため、同一の軌条上にあるクレーン同士が衝突等する可能性があるほか、中段または上段のクレーン21・22・30がフック(図2中の符号B2・B5)を下へ下げたり物を吊ったりした状態で走行する場合、その下方のクレーンの位置を越えるときにフックやワイヤ、吊り荷等が下方の他のクレーンに接触したり絡まったりする可能性がある。
そこで、そのようなクレーン同士の干渉を防止すべく、建屋1内の各クレーン11〜31には、下記のとおり干渉防止策を施した。
まず、クレーン11〜31のそれぞれにおいて、走行用モータ(図2では符号C)の回転数(回転した量)をカウントし、それによって各クレーンの位置関係を把握し、またクレーン相互間の距離を検出することとした。具体的には、走行用モータに連動する伝動軸(走行軸。図2では符号C2)の回転数をカウントすべく、伝動軸付近に光学的カウントセンサ(図2では符号C5)を取り付けた。図1に示すように、上段のクレーン31が建屋1内の最も西にあるときの位置をゼロとし、それより東の位置の座標をプラス、それより西の位置の座標をマイナスとする。ゼロ位置にきたときカウントをリセットすることにすれば、誤差が蓄積する恐れがない。
中段(の軌条20上)のクレーン21・22および上段(の軌条30上)のクレーン31についてはさらに、巻取りドラム(図2では符号B1・B4)の回転数(回転した量)をカウントし、それによって各クレーン21・22・31の下端部(フックの下端)の位置を検出することとした。上記回転数のカウントのためには、巻取りドラムに連結されたブレーキシャフトの付近に光学的カウントセンサ(図2では符号B3・B6)を取り付けている。
中段または上段のクレーン21・22・31のフックにワイヤや吊り荷が下げられているときは、フックの位置が高くともクレーン間の干渉が発生し得るため、それら各クレーンの下部には、赤外線の投光器と受光器とを含む光学式エリアセンサをさらに配置している。すなわち、たとえば図2のように、クレーンの下部には、支持部材D1を介して当該エリアセンサを取り付け、その投光器D2・受光器D3間で赤外線D4を投光・受光させる。エリアセンサは、すぐ下を走行するクレーンに接触しない限界の高さ位置に設けており、投光器D2・受光器D3の間隔は約20m、それらの幅(図2の紙面と直角な方向への寸法)は約700mmである。そのエリア内にワイヤ等の物体が存在すると、それを受光器D3によって検知することができ、他のクレーンとの接触の可能性を予測させることができる。
また、クレーン11〜31のそれぞれには、ホーンと警告灯(パトライト)とが一体になった警報器(図2では符号E)を取り付けている。建屋の床面上から操作員が各クレーンを操作することが多いので、警報器は桁の下部に下向きに設けている。そしてこれらの警報器には、警報指令の受信用機器(図示省略)を付設している。
そのほか、図4のとおり、各クレーン11〜31には、上記した各センサからの信号を後述の制御用コンピュータに送受信するための受発信用機器Fを搭載し、当該機器Fとしてシーケンサと無線LANのクライアントとを含めている。
制御用コンピュータは、図1に示す演算用シーケンサ43として建屋1の中央に1台のみ設け、LANケーブル42によって無線LANアクセスポイント41と接続している。クレーン11〜31のそれぞれが有する上記のセンサ(図2に示すカウントセンサB3・B6、カウントセンサC5、エリアセンサD2・D3)の信号は、各クレーン11〜31上の受発信用機器Fが送信し、受信手段としてのアクセスポイント41およびLANケーブル42を介して、演算用シーケンサ(制御用コンピュータ)43が収集する。演算手段であるそのシーケンサ43は、1)そうした信号を各クレーンごとに割り付け、かつ演算処理することによって、走行方向へのクレーン相互間の距離を検出するとともに、上段および中段のクレーンの下端部の位置を検出し、2)検出結果に基づいて、いずれか二台のクレーンが接近中であって両者が接触する可能性があるか否か、を判断する。
こうしたLANの接続を模式的に示すと図3のようになる。すなわち、クレーン11・12・13等における各発信用機器および受信用機器が、他のいずれのクレーンの発信用機器とも受信用機器とも送受信することなく、制御盤46および制御用のコンピュータ47(シーケンサ43)に接続された単一のアクセスポイント41に対してのみ送受信を行い、そこで上記1)・2)の検出・判断等が行われる。
シーケンサ43が行う上記の判断のためのロジックは、
a) 中段・上段の各クレーン21・22・31において、
a-1) 巻取りドラムのカウントセンサのデータをもとに検出されるクレーンの下端部の位置が、他のクレーンに干渉しない限界位置(しきい値)よりも下にあるか、
a-2) または、エリアセンサが何らかの物体を検知しているかするとき、
b) かつ、走行用モータのカウントセンサのデータをもとに検出される走行方向に沿った距離が、上記各クレーンとそれよりも下のクレーンとについて一定値以下に短くなっている(接近している)
――なら、二台のクレーンが接触する可能性があるとするものである。ただし、このようなロジックは、上記の演算用シーケンサ43によって適宜に変更・調整でき、たとえばいずれかのクレーンを優先的に走行させるようにすることも可能である。
演算用シーケンサ43は、二台のクレーンが接触する可能性があると判断した場合、送信手段であるアクセスポイント41を通して、当該二台のクレーンのうち走行中のものに警報指令を送る。警報指令は、該当するクレーンにおいて上記の受発信用機器Fが受信したうえ、警報器Eに警報を出させ、操作員に注意を喚起する。当該二台がさらに接近する場合には、走行中のクレーンだけでなく停止している相手方のクレーンでも警報を出させたり、または警報器Eのホーンの音色を変えさせたりするのもよい。さらに、走行中のクレーンに対して走行速度を徐々に低下させ、接触を起こす前に停止させるようにするのも好ましい。たとえば、走行方向の間隔が5mになるまで接近すると何割か減速させ、2mにまで接近するとさらに何割か減速させ、1mにまで接近すると停止させる、といった自動制御を行うのである。走行速度を徐々に低下させると、吊り荷の揺れを避けることができる。
同一の軌条上を走行するクレーン同士が衝突等することを避けるためには、
c) 走行用モータのカウントセンサのデータをもとに検出される走行方向に沿った距離が、同一の軌条上の二台のクレーン間について一定値以下に短くなっている
――なら、演算用シーケンサ43は当該二台のクレーンが接触する可能性があると判断し、上記と同様に警報指令を送って警報器Eに警報を出させ、またはさらに該当するクレーンの走行速度を徐々に低下させる。なお、走行用モータのカウントセンサのデータを利用すれば、建屋1内の東西の走行端にいずれかのクレーンが衝突するのを避けることも可能である。
走行方向に沿ったクレーンの位置検出またはクレーン下端部の位置検出は、図5に示す実施形態によって行うのもよい。すなわち、走行用モータ(図2の符号C)または上記巻取りドラム(図2の符号B1・B4)に連動するブレーキドラムB7に環状のスケールB8を貼り付けるとともに、当該スケールB8に対して非接触に光スケールセンサB9を配置するのである。その光スケールセンサB9の出力によって、走行用モータの回転数または巻取りドラムの回転数をカウントすることができ、したがって、走行方向に沿ったクレーンの位置検出またはクレーン下端部の位置検出が行える。
走行方向に沿ったクレーンの位置検出は、図6(a)・(b)の実施形態、すなわち走行用モータと接続されてはいない遊転車輪C4’の回転を検出する手段にて実施することも可能である。遊転車輪C4’の端面における複数箇所に等間隔でドクC6を取り付けるとともに、車輪回転時のそのドグC6の軌道に近づけて近接センサC7を配置する。2個の近接センサC7を一組として使用することにより車輪C4’の回転向きをも検出しながら、ドグC6の通過回数を当該センサC7でカウントすると、特定向きへの車輪C4’の回転数、すなわちクレーンの走行方向位置を知ることができる。
発明の実施形態を示す図で、合計6台の天井走行クレーン11・12・13・21・22・31が配置された工場の建屋1を模式的に示す図である。 図1中のII−II矢視図であり、1台のクレーン22に代表させて上記各クレーンの構造を示す正面図である。 制御用コンピュータと各クレーンとの間のLANの接続を示す模式図である。 図4(a)〜(c)のそれぞれは、上段のクレーン31、中段のクレーン21・22、下段のクレーン11・12・13とその付属機器を示す概念図である。 走行方向に沿ったクレーンの位置検出またはクレーン下端部の位置検出を行うための、他の実施形態を示す概要図である。 図6は、走行方向に沿ったクレーンの位置検出を行うためのさらに他の実施形態を示す概要図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
符号の説明
1 建屋
10・20・30 軌条
11・12・13・21・22・31 クレーン
43 演算用シーケンサ(制御用コンピュータ)
B1・B4 巻取りドラム
B2・B5 フック
B3・B6 カウントセンサ
B9 光スケールセンサ
C7 近接センサ
C 走行用モータ
C5 カウントセンサ
D2・D3 投光器・受光器(光学的エリアセンサ)
E 警報器
F 受発信用機器

Claims (5)

  1. 一つの建家内にある複数のクレーンについて、各クレーンに設けられたセンサおよびそれらと結ばれた制御用コンピュータが、走行方向へのクレーン相互間の距離を検出するとともに、最下段以外のクレーンについて下端部の位置を検出し、
    当該制御用コンピュータが、検出された上記距離から二台のクレーンが接近中であると判断し、かつ、検出された上記下端部の位置から当該二台のクレーンが接触する可能性があると判断するとき、上記建屋内の警報機器に警報指令を出すクレーンの干渉防止装置であって、
    最下段の軌条上にある各クレーンに、各クレーンにおける走行用モータの回転数をカウントするセンサを配置し、最下段以外の軌条上にある各クレーンに、各クレーンにおける走行用モータの回転数をカウントするセンサと、各クレーンにおける巻取りドラムの回転数をカウントするセンサと、各クレーンの下部に設けられてその高さにある物体を検出する光学式エリアセンサとを配置し、
    前記走行用モータまたは前記巻取りドラムに連動するブレーキドラムに環状のスケールを貼り付けるとともに、当該スケールに対して非接触に光スケールセンサを配置し、その光スケールセンサを、前記した走行用モータの回転数をカウントするセンサまたは巻取りドラムの回転数をカウントするセンサとするクレーンの干渉防止装置。
  2. 走行用の遊転車輪にドグを取り付けるとともに、当該ドグの回転軌道に近い位置に近接センサを配置し、その近接センサを、上記した走行用モータの回転数をカウントするセンサに代えて、走行方向へのクレーン相互間の距離を検出するために使用することを特徴とする請求項1に記載したクレーンの干渉防止装置。
  3. 各クレーンに、上記の各センサおよびその信号の発信用機器、ならびに警報機器およびそれへの警報指令の受信用機器を搭載し、
    上記の制御用コンピュータを単一のものとし、そのコンピュータに、上記各センサの信号の受信手段と、受信した各センサの信号から、上記二台のクレーンが接近中であって両者が接触する可能性があるか否かを判断する演算手段と、判断の結果に応じて上記警報機器に警報指令信号を送る送信手段とを具備させた
    ことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載したクレーンの干渉防止装置。
  4. 各クレーンの発信用機器および受信用機器が、他のクレーンの発信用機器とも受信用機器とも送受信することなく、上記の制御用コンピュータに接続された単一のアクセスポイントに対してのみ送受信を行うことを特徴とする請求項3に記載したクレーンの干渉防止装置。
  5. 上記送信手段が、上記判断の結果に応じて、走行中のクレーンに走行速度を低下させる信号、または走行速度を低下させたのち停止させる信号をも送ることを特徴とする請求項3〜4のいずれかに記載したクレーンの干渉防止装置。
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