JP2009274728A - フレキシブルコンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】内容物を充填した状態での全体形状をできるだけ四角柱状に保ち、運搬や保管する際に空間を効率的に使用することのできるフレキシブルコンテナを提供する。
【解決手段】フレキシブルコンテナをコンテナ本体10と吊りベルト20で構成する。コンテナ本体10は、底壁W0と側壁W1〜W4とを有する四角柱状に形成し、吊りベルト20は、側壁W1の中心よりも向かって左側の領域で側壁W1の外面に沿って略鉛直方向に配された左側吊りベルトB1と、側壁W1の中心よりも向かって右側の領域で側壁W1の外面に沿って略鉛直方向に配された右側吊りベルトB1’とで構成する。左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’は、底壁W0の底面と側壁W1の外面上部とでコンテナ本体10に固定し、側壁W1の中心付近で互いに連結する。側壁W2〜W4についても、側壁W1と同様とする。
【選択図】図1
【解決手段】フレキシブルコンテナをコンテナ本体10と吊りベルト20で構成する。コンテナ本体10は、底壁W0と側壁W1〜W4とを有する四角柱状に形成し、吊りベルト20は、側壁W1の中心よりも向かって左側の領域で側壁W1の外面に沿って略鉛直方向に配された左側吊りベルトB1と、側壁W1の中心よりも向かって右側の領域で側壁W1の外面に沿って略鉛直方向に配された右側吊りベルトB1’とで構成する。左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’は、底壁W0の底面と側壁W1の外面上部とでコンテナ本体10に固定し、側壁W1の中心付近で互いに連結する。側壁W2〜W4についても、側壁W1と同様とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、粉末や粒体を運搬や保管する際に用いられるフレキシブルコンテナに関する。
従来より、粉末や粒体を充填して運搬又は保管するためのものとして、フレキシブルコンテナと呼ばれる袋状の容器が知られている。フレキシブルコンテナの素材は、それに充填する内容物の種類によっても異なるが、ポリエチレンやポリプロピレンのオレフィン系樹脂からなるフラットヤーンを織製した基布を袋状に形成したものが一般的となっている。
フレキシブルコンテナの形状も特に限定されず、その全体形状が円柱状とされることもあるが、その全体形状が四角柱状とされることが多い。これにより、複数のフレキシブルコンテナを隙間無く敷き詰めたり積み重ねたりすることが可能になり、空間を効率的に使用することができるようになるからである。
ところが、フレキシブルコンテナは、その基布が撓みやすい素材で形成されているので、内容物が充填されていない空の状態では、その全体形状が四角柱状に保たれていたとしても、内容物を充填したり吊り下げたりした際に、フレキシブルコンテナの側面における中心付近が内容物から外向きの圧力を受けて、その全体形状が円柱状となってしまうことが多かった。したがって、四角柱状のフレキシブルコンテナであっても、必ずしも空間を効率的に使用できるものとはなっていなかった。このような実状に鑑みてか、これまでには、その全体形状を四角柱状に保つための工夫を施した種々のフレキシブルコンテナが提案されている。
例えば、側面に沿って補強板を配したフレキシブルコンテナ(例えば、特許文献1,2)や、隅角部に沿って補強芯を配したフレキシブルコンテナバッグ(例えば、特許文献3)が提案されている。このように、剛性の高い補強板や補強芯をフレキシブルコンテナに組み込むことによって、内容物を充填した際のフレキシブルコンテナの保形性を高めることが可能になる。
また、各側面の上辺と下辺の中点付近を通るように複数本の吊りベルトを配し、各側面と各吊りベルトを側面上部と底面縁部で縫着し、その間の部分は縫着しないようにしたフレキシブルコンテナ(特許文献4)も提案されている。これにより、内容物をフレキシブルコンテナの隅角部に流れ込みやすくすることができるので、内容物を充填した際のフレキシブルコンテナの保形性を高めることが可能になる。
しかし、補強板や補強芯を組み込んだフレキシブルコンテナは、「フレキシブル」と謳ってはいるものの、予め決まった形にしか折り畳むことができず、取り扱いやすさに難のあるものとなっていた。また、この種のフレキシブルコンテナは製造工程が複雑になりやすく、その製造コストが増大するおそれもあった。さらに、剛性の高い補強板や補強芯と、可撓性を有する基布とが異種の素材となることが多いために、フレキシブルコンテナの廃棄コストやリサイクルコストが増大するおそれもあった。
一方、各側面の上辺と下辺の中点付近を通るように複数本の吊りベルトを配することにより、隅角部に内容物が案内されるようにしたフレキシブルコンテナは、内容物を充填した際の保形性の向上について一定の効果は期待できるものの、その効果は十分ではないと考えられ、内容物の量や種類などによっては、その全体形状が円柱状となることも予想される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高い剛性を有する補強板や補強芯などを組み込むことなく、内容物を充填した状態での全体形状をできるだけ四角柱状に保ち、運搬や保管する際に空間を効率的に使用することのできるフレキシブルコンテナを提供するものである。また、フレキシブルコンテナの製造コストや廃棄コストやリサイクルコストを抑えることも本発明の目的である。
上記課題は、内容物を収容するためのコンテナ本体と、コンテナ本体を吊り下げるための吊りベルトとが、可撓性を有する素材で形成されたフレキシブルコンテナであって、コンテナ本体が、少なくとも底壁W0と側壁W1〜W4とを有する四角柱状に形成され、吊りベルトが、それぞれ側壁W1〜W4の中心よりも向かって左側の領域で側壁W1〜W4の外面に沿って略鉛直方向に配された左側吊りベルトB1〜B4と、それぞれ側壁W1〜W4の中心よりも向かって右側の領域で側壁W1〜W4の外面に沿って略鉛直方向に配された右側吊りベルトB1’〜 B4’とで構成され、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’が、底壁W0の底面と側壁W1〜W4の外面上部とでコンテナ本体に固定され、左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’、左側吊りベルトB2と右側吊りベルトB2’、左側吊りベルトB3と右側吊りベルトB3’、及び左側吊りベルトB4と右側吊りベルトB4’が、それぞれ側壁W1〜W4の縁部よりも内側に入った領域で互いに連結されていることを特徴とするフレキシブルコンテナを提供することによって解決される。
これにより、コンテナ本体における側壁W1〜W4の縁部よりも内側に入った領域(具体的には、側壁W1〜W4の中心や、中心よりもやや下側の部分。以下においては、単に「側壁W1〜W4の中心付近」と表記することがある。)を外側から効果的に押さえることができるようになる。したがって、内容物が充填された際の側壁W1〜W4の中心付近の外側への膨らみを抑えて、コンテナ本体の全体形状をより四角柱状に近づけることが可能になる。ここで、「四角柱状」など、フレキシブルコンテナの形状を表す語は、特に断りの無い限り、フレキシブルコンテナが理想状態(フレキシブルコンテナに何ら外力が加えられていないと仮定した場合における、コンテナ本体の底壁W0及び側壁W1〜W4が直平面状をなしているときの状態)にあるときの形状を意味している。
左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’、左側吊りベルトB2と右側吊りベルトB2’、左側吊りベルトB3と右側吊りベルトB3’、及び左側吊りベルトB4と右側吊りベルトB4’は、それぞれ直接的に連結してもよいが、それぞれ連結材を介して連結すると好ましい。これにより、左側吊りベルトB1〜B4における連結部と、右側吊りベルトB1’〜 B4’における連結部とを、それぞれ所定距離を隔てて配することができるようになる。したがって、コンテナ本体に内容物を充填した際に、側壁W1〜W4の中心周辺の広い範囲に亘って略均一な力が加えられるようになるので、コンテナ本体の全体形状を四角柱状により近づけることが可能になる。これに対し、側壁W1〜W4の中心付近の狭い範囲のみが局所的に押さえられると、コンテナ本体は、その水平断面が四葉のクローバーのような形状になってしまうために好ましくない。
左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’の間隔、左側吊りベルトB2と右側吊りベルトB2’の間隔、左側吊りベルトB3と右側吊りベルトB3’の間隔、及び左側吊りベルトB4と右側吊りベルトB4’の間隔は、それぞれ一定であってもよいが、それぞれが連結された部分(連結部)で狭くなっていると好ましい。コンテナ本体に内容物を充填すると、内容物からの圧力によって左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’〜B4’の真ん中辺りがそれぞれ左右に移動してその間隔が広がり、側壁W1〜W4の中心付近が外側に膨張しやすくなるおそれがある。しかし、これらの間隔を前記連結部で予め狭くしておくことによって、コンテナ本体に内容物を充填した際に、前記連結部が緊張しやすくなるので、内容物からの圧力を前記連結部でしっかりと受け止めることが可能になり、フレキシブルコンテナをより綺麗な四角柱状に保つこともできるようになる。
側壁W1〜W4における左側吊りベルトB1〜B4を固定する場所(以下においては、それぞれ「上側固定部P1〜P4」と表記することがある。これに対し、底壁W0における左側吊りベルトB1〜B4を固定する場所をそれぞれ「下側固定部Q1〜Q4」と表記することがある。)や、右側吊りベルトB1’〜B4’を固定する場所(以下においては、それぞれ「上側固定部P1’〜P4’)と表記することがある。これに対し、底壁W0における右側吊りベルトB1’〜B4’を固定する場所をそれぞれ「下側固定部Q1’〜Q4’」と表記することがある。)は、側壁W1〜W4の外面上部であれば特に限定されない。上側固定部P1〜P4や上側固定部P1’〜P4’の場所は、内容物を充填する高さなどによって適宜決定される。しかし、上側固定部P1〜P4の最下点や上側固定部P1’〜P4’の最下点が低い位置にあると、内容物を充填した際におけるフレキシブルコンテナの保形性が悪くなるおそれがある。このため、側壁W1〜W4の外面上部における左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’〜 B4’が固定された部分の最下点(上側固定部P1〜P4の最下点及び上側固定部P1’〜P4’の最下点)をいずれも、側壁W1〜W4の上部5分の2の領域に配すると好ましい。
以上のように、本発明によって、高い剛性を有する補強板や補強芯などを組み込むことなく、内容物を充填した状態での全体形状をできるだけ四角柱状に保ち、運搬や保管する際に空間を効率的に使用することのできるフレキシブルコンテナを提供することが可能になる。また、フレキシブルコンテナの製造コストや廃棄コストやリサイクルコストを抑えることも可能になる。
本発明のフレキシブルコンテナの具体的な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、3種類のフレキシブルコンテナ(第一実施態様から第三実施態様までのフレキシブルコンテナ)について説明するが、本発明のフレキシブルコンテナの技術的範囲は、これらの実施態様に限定されることなく、対象とする内容物の種類などに応じてその構成を適宜変更することができる。
1.第一実施態様のフレキシブルコンテナ
まず、第一実施態様のフレキシブルコンテナについて説明する。図1は、内容物が充填されていない空の状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナを示した斜視図である。図2は、第一実施態様のフレキシブルコンテナの展開図である。図3は、内容物が充填されていない空の状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナの正面図である。図4は、内容物が充填されていない空の状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナの平面図である。図5は、内容物が充填されていない空の状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナを図3におけるY1−Y1面で切断した状態を示した断面図である。図6は、内容物が充填されていない空の状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナを図3におけるY2−Y2面で切断した状態を示した断面図である。図7は、内容物が充填されて一杯になった状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナを図3におけるY1−Y1面に相当する面で切断した状態を示した断面図である。図8は、内容物が充填されて一杯になった状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナを図3におけるY2−Y2面に相当する面で切断した状態を示した断面図である。
まず、第一実施態様のフレキシブルコンテナについて説明する。図1は、内容物が充填されていない空の状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナを示した斜視図である。図2は、第一実施態様のフレキシブルコンテナの展開図である。図3は、内容物が充填されていない空の状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナの正面図である。図4は、内容物が充填されていない空の状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナの平面図である。図5は、内容物が充填されていない空の状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナを図3におけるY1−Y1面で切断した状態を示した断面図である。図6は、内容物が充填されていない空の状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナを図3におけるY2−Y2面で切断した状態を示した断面図である。図7は、内容物が充填されて一杯になった状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナを図3におけるY1−Y1面に相当する面で切断した状態を示した断面図である。図8は、内容物が充填されて一杯になった状態の第一実施態様のフレキシブルコンテナを図3におけるY2−Y2面に相当する面で切断した状態を示した断面図である。
第一実施態様のフレキシブルコンテナは、図1〜8に示すように、内容物40を収容するためのコンテナ本体10と、コンテナ本体10を吊り下げるための吊りベルト20とを備えたものとなっており、コンテナ本体10と吊りベルト20とが可撓性を有する素材で形成されたものとなっている。第一実施態様のフレキシブルコンテナにおいては、図5と図6に示すように、コンテナ本体10の内部に内袋30が入れられており、内容物40を確実に収容できるようになっている。
コンテナ本体10は、図1に示すように、底壁W0と側壁W1〜W4と天井壁W5を有する四角柱状に形成されている。天井壁W5には、フレキシブルコンテナの内部に内容物を入れるための取入口11が設けられており、底壁W0には、フレキシブルコンテナの外部に内容物を取り出すための取出口12が設けられている。取入口11と取出口12の周囲には、それぞれ絞り紐11a,12aが設けられている。このため、絞り紐11a,12aを絞ることにより、取入口11と取出口12を閉じることができるようになっている。
吊りベルト20は、図2に示すように、それぞれ側壁W1〜W4の中心よりも向かって左側(図1に示すように、コンテナ本体10を四角柱状に形成したときの向かって左側)の領域で側壁W1〜W4の外面に沿って略鉛直方向に配された左側吊りベルトB1〜B4と、それぞれ側壁W1〜W4の中心よりも向かって右側(図1に示すように、コンテナ本体10を四角柱状に形成したときの向かって右側)の領域で側壁W1〜W4の外面に沿って略鉛直方向に配された右側吊りベルトB1’〜 B4’とで構成されている。左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’は、底壁W0の底面の周縁部と、側壁W1〜W4の外面上部とでコンテナ本体10に縫い付けることにより固定されている。
このとき、その他の部分(底壁W0の底面の周縁部でも、側壁W1〜W4の外面上部でもない部分)では、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’をコンテナ本体10に固定せず、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’が側壁W1〜W4の外面に対して相対的に移動することが可能な構造としておくと好ましい。これにより、コンテナ本体10を破れにくくして、その全体形状がさらに四角柱状に保たれやすくなる。
というのも、この構造を採用しておくと、コンテナ本体10に充填された内容物からの圧力によって側壁W1〜W4が左右に引っ張られ、コンテナ本体10に固定されている左側吊りベルトB1〜B4の上端部と下端部が側壁W1〜W4の伸びに追従して左側に移動し、右側吊りベルトB1’〜B4’の上端部と下端部が右側に移動し、左側吊りベルトB1〜B4と右側吊りベルトB1’〜 B4’とがX字状になりながら緊張する際であっても、左側吊りベルトB1〜B4や右側吊りベルトB1’ 〜B4’から側壁W1〜W4の中心付近へ無理な引張力が加えられないようにして、側壁W1〜W4の全体が略均一に引っ張られるようにすることが可能になるからである。
これに対して、仮に、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’がそれぞれ側壁W1〜W4の中心付近でコンテナ本体10に固定されていたとすると、コンテナ本体10に内容物を充填して側壁W1〜W4が左右に引っ張られる際に、連結材J1〜J4で覆われていない側壁W1〜W4の左右両縁部付近のみが大きく伸びるようになり、コンテナ本体10は、側壁W1〜W4の中心付近が破れやすくなると考えられる。
また、左側吊りベルトB1〜B4のそれぞれにおける側壁W1〜W4に固定されていない部分(上側固定部P1〜P4(図2)と下側固定部Q1〜Q4(図2)との間の部分)の緊張時の長さをL1、右側吊りベルトB1’〜B4’のそれぞれにおける側壁W1〜W4に固定されていない部分(上側固定部P1’〜P4’ (図2)と下側固定部Q1’〜Q4’ (図2)との間の部分)の緊張時の長さをL1’、側壁W1〜W4のそれぞれにおける左側吊りベルトB1〜B4が固定されていない部分(上側固定部P1〜P4と下側固定部Q1〜Q4との間の部分)の緊張時の長さをL2、側壁W1〜W4のそれぞれにおける右側吊りベルトB1’〜B4’が固定されていない部分(上側固定部P1’〜P4’と下側固定部Q1’〜Q4’との間の部分)の緊張時の長さをL2’とした場合に、L1≦L2とL1’≦L2’の関係が成り立つことも好ましい。これにより、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’〜B4’をさらに緊張させやすくすることが可能になり、フレキシブルコンテナをより綺麗な四角柱状に保つことができるようになる。
左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’は、それぞれ分離した形態のものであってもよいが、第一実施態様のフレキシブルコンテナにおいては、図1と図2に示すように、左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB4’、左側吊りベルトB2と右側吊りベルトB1’、左側吊りベルトB3と右側吊りベルトB2’、及び左側吊りベルトB4と右側吊りベルトB3’が、それぞれの上端部側で連続した形態のものとなっている。天井壁W5の上面における四隅部には、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’の余りを利用してループを形成している。このループは、フレキシブルコンテナを吊り下げる際などに利用することができる。
左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’、左側吊りベルトB2と右側吊りベルトB2’、左側吊りベルトB3と右側吊りベルトB3’、及び左側吊りベルトB4と右側吊りベルトB4’は、図1と図2に示すように、それぞれ側壁W1〜W4の中心付近(側壁W1〜W4の縁部よりも内側に入った領域)で互いに連結されている。第一実施態様のフレキシブルコンテナにおいては、正面視略長方形状の連結材J1〜J4を介して連結されている。
連結材J1〜J4を設ける高さは、内容物の種類などによって異なり、特に限定されない。側壁W1〜W4における膨らみやすい箇所を覆うように設けられる。側壁W1〜W4の下端から連結材J1〜J4の下端までの高さe(図3を参照)は、通常、側壁W1〜W4の高さc(図3を参照)の1/5以上となるように設定される。高さeは、高さcの1/4以上であると好ましい。また、連結材J1〜J4の上端から側壁W1〜W4の上端までの高さf(図3を参照)も、通常、側壁W1〜W4の高さcの1/5以上となるように設定される。高さfは、高さcの1/4以上であると好ましい。
連結材J1〜J4は、基布を一重又は多重として左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’に固定してもよいし、図6に示すように、断面略筒状としており、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’を、連結材J1〜J4の中に通してもよい。後者の場合、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’は、連結材J1〜J4に固定しなくてもよいが、第一実施態様のフレキシブルコンテナにおいては、図2に示すように、連結材J1〜J4の上端部近傍と下端部近傍で縫い付けることにより固定している。これにより、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’に対して連結材J1〜J4が移動しないようにし、連結材J1〜J4で側壁W1〜W4における所望の箇所を押さえることができる。
ところで、連結材J1〜J4の断面を略筒状としたのには、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’の固定以外にも理由がある。連結材J1〜J4の断面を略筒状とすると、連結材J1〜J4を形成する基布が実質的に二枚重ね構造となるので、後述するように、連結材J1〜J4をコンテナ本体10と同じ種類の基布を用いた場合であっても、連結材J1〜J4を強靭にしてその引張弾性を向上させることが可能になるので、側壁W1〜W4の中心付近をよりしっかりと押さえることができるからである。
左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’の間隔、左側吊りベルトB2と右側吊りベルトB2’の間隔、左側吊りベルトB3と右側吊りベルトB3’の間隔、及び左側吊りベルトB4と右側吊りベルトB4’の間隔(以下においては、説明の便宜上、これらの間隔を単に「ベルト間隔」と呼ぶことがある。)は、図2に示すように、それぞれの連結部で狭くなるように設定されている。このため、フレキシブルコンテナを、側壁W1〜W4の外側正面から見た際に、左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’、左側吊りベルトB2と右側吊りベルトB2’、左側吊りベルトB3と右側吊りベルトB3’、及び左側吊りベルトB4と右側吊りベルトB4’が、それぞれ略X字状に見えるようになっている。これにより、内容物を充填したときのフレキシブルコンテナをより綺麗な四角柱状に保つことができるようになっている。
この場合、ベルト間隔を連結部でどの程度狭くするのかは特に限定されない。しかし、ベルト間隔の最大値a(図3を参照)に対するベルト間隔の最小値b(図3を参照)の比b/aが小さすぎると、内容物を充填した際に側壁W1〜W4の下端部中央付近に内容物が流れ込みやすくなり、フレキシブルコンテナが歪な形状になりやすくなる。このため、比b/aは、通常、0.5以上とされる。比b/aは、0.7以上であると好ましく、0.75以上であるとより好ましい。一方、比b/aが大きすぎる(1に近づきすぎる)と、ベルト間隔を連結部で狭くする意義が低下してしまう。このため、比b/aは、通常、0.95以下とされる。比b/aは、0.9以下であると好ましい。第一実施態様のフレキシブルコンテナにおいては、ベルト間隔の最大値aが400mmで最小値bが350mmとなっており、比b/aは0.875となっている。
側壁W1〜W4における左側吊りベルトB1〜B4を固定する場所(図2における上側固定部P1〜P4)や、右側吊りベルトB1’〜B4’を固定する場所(図2における上側固定部P1’〜P4’)は、側壁W1〜W4の外面上部であれば特に限定されない。第一実施態様のフレキシブルコンテナにおいては、内容物を充填した際におけるフレキシブルコンテナの保形性などを考慮して、上側固定部P1〜P4と上側固定部P1’〜P4’の最下点が、充填された内容物の上面よりも下側になるように設けている。上側固定部P1〜P4の最下点及び上側固定部P1’〜P4’の最下点は、側壁W1〜W4の上部5分の2の領域(側壁W1〜W4の高さc(図3を参照)に対する、側壁W1〜W4の上端から側壁W1〜W4の外面上部における左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’〜 B4’が固定された部分の最下点までの距離dの比d/cが0.4以下となる領域)に配すると好ましい。第一実施態様のフレキシブルコンテナにおいては、高さcが1250mmで、距離dが300mmとなっており、比d/cは0.24となっている。
フレキシブルコンテナの各部の素材は、それに充填する内容物の種類によっても異なり、特に限定されない。通常、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂からなるフラットヤーンを織製した基布が用いられる。第一実施態様のフレキシブルコンテナにおいて、コンテナ本体10と連結材J1〜J4には、ポリプロピレン製のフラットヤーン(繊度1670dt)をタテ15本/インチ、ヨコ15本/インチで平織りした基布の片面にポリプロピレンを厚さ40μmでラミネートしたものを用いている。
また、左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’〜 B4’には、ポリプロピレン製のモノフィラメントヤーン(繊度6600dtのエンボス糸)をタテ糸とし、ポリプリピレン製のマルチフィラメントをヨコ糸として、タテ20本/インチ、ヨコ15本/インチで乱れ綾織りして得られた基布を用いている。さらに、内袋30には、低密度ポリエチレン製のフィルム(厚さ100μm)を使用している。このように、フレキシブルコンテナの各部をオレフィン系樹脂で統一することによって、フレキシブルコンテナの廃棄コストやリサイクルコストを削減することが可能である。
第一実施態様のフレキシブルコンテナは、それに収容する内容物の種類を特に限定されないが、通常、粉末状又は粒状の内容物が収容される。このような内容物としては、樹脂ペレットなどの工業用原料や、土砂などの土木工事用資材などが例示される。
2.第二実施態様
次に、第二実施態様のフレキシブルコンテナについて説明する。図9は、内容物が充填されていない空の状態の第二実施態様のフレキシブルコンテナの正面図である。第二実施態様のフレキシブルコンテナは、図9に示すように、連結材J1〜J4が上下に分離した形態となっている。これによっても、内容物を充填した際のフレキシブルコンテナの全体形状を四角柱状に保つことが可能である。側壁W1〜W4の中心付近で左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’〜 B4’をコンテナ本体10に縫い付けていない点など、他の部分については、第一実施態様のフレキシブルコンテナと略同様であるために、説明を割愛する。
次に、第二実施態様のフレキシブルコンテナについて説明する。図9は、内容物が充填されていない空の状態の第二実施態様のフレキシブルコンテナの正面図である。第二実施態様のフレキシブルコンテナは、図9に示すように、連結材J1〜J4が上下に分離した形態となっている。これによっても、内容物を充填した際のフレキシブルコンテナの全体形状を四角柱状に保つことが可能である。側壁W1〜W4の中心付近で左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’〜 B4’をコンテナ本体10に縫い付けていない点など、他の部分については、第一実施態様のフレキシブルコンテナと略同様であるために、説明を割愛する。
3.第三実施態様
続いて、第三実施態様のフレキシブルコンテナについて説明する。図10は、内容物が充填されていない空の状態の第三実施態様のフレキシブルコンテナの正面図である。第三実施態様のフレキシブルコンテナは、図10に示すように、連結材J1〜J4が紐状のものとなっている。これによっても、内容物を充填した際のフレキシブルコンテナの全体形状を四角柱状に保つことが可能である。側壁W1〜W4の中心付近で左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’〜 B4’をコンテナ本体10に縫い付けていない点など、他の部分については、第一実施態様のフレキシブルコンテナと略同様であるために、説明を割愛する。
続いて、第三実施態様のフレキシブルコンテナについて説明する。図10は、内容物が充填されていない空の状態の第三実施態様のフレキシブルコンテナの正面図である。第三実施態様のフレキシブルコンテナは、図10に示すように、連結材J1〜J4が紐状のものとなっている。これによっても、内容物を充填した際のフレキシブルコンテナの全体形状を四角柱状に保つことが可能である。側壁W1〜W4の中心付近で左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’〜 B4’をコンテナ本体10に縫い付けていない点など、他の部分については、第一実施態様のフレキシブルコンテナと略同様であるために、説明を割愛する。
実際に、本発明のフレキシブルコンテナに内容物(500kgのポリプロピレン樹脂ペレット)を充填し、その形状がどのようになるのかを観察してみた。フレキシブルコンテナは、既述の第一実施態様と同一のものを用いた。図11は、内容物が充填されて一杯になった状態の本発明のフレキシブルコンテナを床に置いて二段積みした状態を撮影した写真である。図12は、内容物が充填されて一杯になった状態の本発明のフレキシブルコンテナを吊り上げて床から浮かせた状態を撮影した写真である。
図11と図12を見ると、本発明のフレキシブルコンテナは、内容物からの圧力によって全体が丸みを帯びた形態とはなっているものの、四角柱状を維持している。特に、図11に示すように、床に置いて二段積みした状態では、その側壁の膨らみも殆ど目立たない。以上のことから、本発明のフレキシブルコンテナが、内容物を充填した状態での全体形状が四角柱状に保たれ、運搬や保管する際に空間を効率的に使用することのできるものであるということが分かった。
10 コンテナ本体
11 取入口
11a 絞り紐
12 取出口
12a 絞り紐
20 吊りベルト
30 内袋
40 内容物
B1 左側吊りベルト
B2 左側吊りベルト
B3 左側吊りベルト
B4 左側吊りベルト
B1’ 右側吊りベルト
B2’ 右側吊りベルト
B3’ 右側吊りベルト
B4’ 右側吊りベルト
J1 連結材
J2 連結材
J3 連結材
J4 連結材
P1 上側固定部
P2 上側固定部
P3 上側固定部
P4 上側固定部
P1’ 上側固定部
P2’ 上側固定部
P2’ 上側固定部
P2’ 上側固定部
Q1 下側固定部
Q2 下側固定部
Q3 下側固定部
Q4 下側固定部
Q1’ 下側固定部
Q2’ 下側固定部
Q3’ 下側固定部
Q4’ 下側固定部
W0 底壁
W1 側壁
W2 側壁
W3 側壁
W4 側壁
W5 天井壁
11 取入口
11a 絞り紐
12 取出口
12a 絞り紐
20 吊りベルト
30 内袋
40 内容物
B1 左側吊りベルト
B2 左側吊りベルト
B3 左側吊りベルト
B4 左側吊りベルト
B1’ 右側吊りベルト
B2’ 右側吊りベルト
B3’ 右側吊りベルト
B4’ 右側吊りベルト
J1 連結材
J2 連結材
J3 連結材
J4 連結材
P1 上側固定部
P2 上側固定部
P3 上側固定部
P4 上側固定部
P1’ 上側固定部
P2’ 上側固定部
P2’ 上側固定部
P2’ 上側固定部
Q1 下側固定部
Q2 下側固定部
Q3 下側固定部
Q4 下側固定部
Q1’ 下側固定部
Q2’ 下側固定部
Q3’ 下側固定部
Q4’ 下側固定部
W0 底壁
W1 側壁
W2 側壁
W3 側壁
W4 側壁
W5 天井壁
Claims (4)
- 内容物を収容するためのコンテナ本体と、コンテナ本体を吊り下げるための吊りベルトとが、可撓性を有する素材で形成されたフレキシブルコンテナであって、
コンテナ本体が、少なくとも底壁W0と側壁W1〜W4とを有する四角柱状に形成され、
吊りベルトが、それぞれ側壁W1〜W4の中心よりも向かって左側の領域で側壁W1〜W4の外面に沿って略鉛直方向に配された左側吊りベルトB1〜B4と、それぞれ側壁W1〜W4の中心よりも向かって右側の領域で側壁W1〜W4の外面に沿って略鉛直方向に配された右側吊りベルトB1’〜 B4’とで構成され、
左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’ 〜B4’が、底壁W0の底面と側壁W1〜W4の外面上部とでコンテナ本体に固定され、
左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’、左側吊りベルトB2と右側吊りベルトB2’、左側吊りベルトB3と右側吊りベルトB3’、及び左側吊りベルトB4と右側吊りベルトB4’が、それぞれ側壁W1〜W4の縁部よりも内側に入った領域で互いに連結されていることを特徴とするフレキシブルコンテナ。 - 左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’、左側吊りベルトB2と右側吊りベルトB2’、左側吊りベルトB3と右側吊りベルトB3’、及び左側吊りベルトB4と右側吊りベルトB4’が、それぞれ連結材を介して連結された請求項1記載のフレキシブルコンテナ。
- 左側吊りベルトB1と右側吊りベルトB1’の間隔、左側吊りベルトB2と右側吊りベルトB2’の間隔、左側吊りベルトB3と右側吊りベルトB3’の間隔、及び左側吊りベルトB4と右側吊りベルトB4’の間隔が、それぞれが連結された部分で狭くなる請求項1又は2記載のフレキシブルコンテナ。
- 側壁W1〜W4の外面上部における左側吊りベルトB1〜B4及び右側吊りベルトB1’〜 B4’が固定された部分の最下点がいずれも、側壁W1〜W4の上部5分の2の領域に配された請求項1〜3いずれか記載のフレキシブルコンテナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008125314A JP2009274728A (ja) | 2008-05-12 | 2008-05-12 | フレキシブルコンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008125314A JP2009274728A (ja) | 2008-05-12 | 2008-05-12 | フレキシブルコンテナ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009274728A true JP2009274728A (ja) | 2009-11-26 |
Family
ID=41440519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008125314A Pending JP2009274728A (ja) | 2008-05-12 | 2008-05-12 | フレキシブルコンテナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009274728A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016223930A (ja) * | 2015-06-01 | 2016-12-28 | 株式会社二子商事 | 放射能汚染土壌用袋 |
KR101929015B1 (ko) * | 2018-01-25 | 2018-12-13 | 신양수 | 인양 백 |
-
2008
- 2008-05-12 JP JP2008125314A patent/JP2009274728A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016223930A (ja) * | 2015-06-01 | 2016-12-28 | 株式会社二子商事 | 放射能汚染土壌用袋 |
KR101929015B1 (ko) * | 2018-01-25 | 2018-12-13 | 신양수 | 인양 백 |
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