JP2009274503A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】トレッドセンター部に発生するセンター摩耗を抑制することができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】本発明は、タイヤ周方向へ向かって延びる複数の周方向溝3により区画されるリブ5のうち、トレッドセンター部Cに位置するセンターリブ5Aに形成され、トレッド幅方向に対して斜めに延びる傾斜ラグ溝9を備え、傾斜ラグ溝9内には、周方向溝3の深さよりも浅い底上げ部13(第1底上げ部13A及び第2底上げ部13B)が形成され、底上げ部13が、傾斜ラグ溝9の最もタイヤ径方向内側である底部からタイヤ径方向外側に向けてトレッド幅方向への距離(D)が漸次減少し、底上げ部13の最もタイヤ径方向外側である頂部が細いことを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】本発明は、タイヤ周方向へ向かって延びる複数の周方向溝3により区画されるリブ5のうち、トレッドセンター部Cに位置するセンターリブ5Aに形成され、トレッド幅方向に対して斜めに延びる傾斜ラグ溝9を備え、傾斜ラグ溝9内には、周方向溝3の深さよりも浅い底上げ部13(第1底上げ部13A及び第2底上げ部13B)が形成され、底上げ部13が、傾斜ラグ溝9の最もタイヤ径方向内側である底部からタイヤ径方向外側に向けてトレッド幅方向への距離(D)が漸次減少し、底上げ部13の最もタイヤ径方向外側である頂部が細いことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、タイヤ周方向へ延びる複数の周方向溝により区画されるリブのうち、トレッドセンター部に位置するセンターリブに傾斜ラグ溝が形成される空気入りタイヤに関する。
従来から、小型トラック等の車両に装着される空気入りタイヤにおいて、トレッドショルダー部でトレッド幅方向に延びるラグ溝に、該ラグ溝よりも浅い深さを有する底上げ部を形成されるトレッドパターンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−161202号公報(第2図)
しかしながら、上述した従来の空気入りタイヤには、次のような問題があった。すなわち、トレッドショルダー部に設けられるラグ溝に底上げ部が形成される場合、トレッドショルダー部の耐摩耗性が向上するものの、逆に、トレッドセンター部に位置するリブ(ブロック)が滑りやすくなり、該トレッドセンター部に発生するセンター摩耗を助長してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、トレッドセンター部に発生するセンター摩耗を抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した状況を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴に係る発明は、タイヤ周方向へ向かって延びる複数の周方向溝により区画されるリブのうち、トレッドセンター部に位置するセンターリブに形成され、トレッド幅方向に対して斜めに延びる傾斜ラグ溝を備え、傾斜ラグ溝内には、周方向溝の深さよりも浅い底上げ部が形成され、底上げ部が、傾斜ラグ溝の最もタイヤ径方向内側である底部からタイヤ径方向外側に向けてトレッド幅方向への距離が漸次減少し、底上げ部の最もタイヤ径方向外側である頂部が細い(断面三角状である)ことを要旨とする。
かかる特徴によれば、傾斜ラグ溝内に形成される底上げ部において、傾斜ラグ溝の底部からタイヤ径方向外側に向けてトレッド幅方向への距離(D)が漸次減少し、かつ底上げ部の頂部が細い(断面三角状である)。従って、センターリブ(中央ブロック)の剛性を確保しつつ、センターリブでの滑りを抑制して、センターリブの耐摩耗性を向上させることができるため、トレッドセンター部に発生するセンター摩耗を抑制することが可能となる。
その他の特徴は、底上げ部が、底部から頂部までの間に形成される段差部を有することを要旨とする。
かかる特徴によれば、底上げ部が段差部を有することによって、傾斜ラグ溝の底部側で中央ブロックの剛性を確保して、底上げ部の頂部側で排水性能を確保することができ、センターリブでの耐摩耗性及び排水性能を両立させることができる。
その他の特徴は、段差部が、センターリブの表面と略平行に設けられていることを要旨とする。
その他の特徴は、センターリブには、周方向溝からタイヤ赤道線側に向かって湾曲し、かつ両端が1つの周方向溝に開口する湾曲溝が形成され、傾斜ラグ溝が、タイヤ赤道線の一側に位置する湾曲溝と他側に位置する湾曲溝との間を連結することを要旨とする。
かかる特徴によれば、センターリブに湾曲溝が形成され、タイヤ赤道線の一側に位置する湾曲溝と他側に位置する湾曲溝との間を傾斜ラグ溝が連結することによって、センターリブ(中央ブロック)でのエッジ効果を向上させ、該センターリブでの滑りを抑制して、走行性能(例えば、制動・駆動機能や操縦安定性)を向上させつつ、排水性能をも確保することが可能となる。
その他の特徴は、センターリブには、トレッド幅方向に延び、かつ周方向溝の幅よりも狭いセンターサイプが複数形成されることを要旨とする。
かかる特徴によれば、センターリブにセンターサイプが複数形成されることによって、中央ブロックのタイヤ周方向に対する長さを短くし、トレッドセンター部とトレッドショルダー部との径差を減少させることができ、該トレッドセンター部とトレッドショルダー部とで均一な摩耗量を得ることができる。さらに、中央ブロックのタイヤ周方向に対する長さが短くなることで、中央ブロックの体積が減少し、剪断力、特に、蹴り出し時の剪断力を低下させる効果がある。
しかし、センターリブにセンターサイプが複数形成されることで、中央ブロックの剛性が低下してしまうことが考えられる。つまり、蹴り出し時の変形が大きくなることに伴い、中央ブロックでの滑りも大きくなってしまう。しかしながら、傾斜ラグ溝内に底上げ部が形成されていることで、中央ブロックの剛性の低下を抑制することができる。
その他の特徴は、センターリブには、周方向溝からタイヤ赤道線側に向かって湾曲し、かつ両端が1つの前記周方向溝に開口する湾曲溝が形成され、センターサイプは、湾曲溝と傾斜ラグ溝とによって区画される中央ブロックに形成されることを要旨とする。
その他の特徴は、センターサイプが、一端が湾曲溝へ開口し、かつ他端がセンターリブ内で終結することを要旨とする。
かかる特徴によれば、センターサイプ11が、一端が湾曲溝へ開口し、かつ他端がセンターリブ内で終結することによって、さらに、中央ブロックの剛性の低下を抑制することが可能となる。
その他の特徴は、中央ブロックに形成される複数のセンターサイプが、3つ又は4つであることを要旨とする。
かかる特徴によれば、中央ブロックに形成される複数のセンターサイプが3つ又は4つであることによって、センターリブでの耐摩耗性、走行性能(例えば、制動・駆動機能や操縦安定性)及び排水性能を全て両立させることができる。
その他の特徴は、複数のセンターサイプのうちの少なくとも1つのセンターサイプが、トレッド幅方向に対して折れ曲がるクランク部を有することを要旨とする。
かかる特徴によれば、複数のセンターサイプのうちの少なくとも1つのセンターサイプがクランク部を有していることによって、センターサイプが全て直線状である場合と比べて、センターリブでの耐摩耗性及び排水性能を両立させる効果が高くなる。
その他の特徴は、センターサイプが、傾斜ラグ溝と略平行に配置されることを要旨とする。
かかる特徴によれば、センターサイプが傾斜ラグ溝9と略平行に配置されることによって、さらに、中央ブロックの剛性の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、トレッドセンター部に発生するセンター摩耗を抑制することができる空気入りタイヤを提供することができる。
次に、本発明に係る空気入りタイヤの一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
図1は、本実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図であり、図2は、本実施の形態に係る空気入りタイヤの中央ブロックを示す拡大展開図であり、図3は、本実施の形態に係る空気入りタイヤの第1傾斜ラグ溝の一部を示す図(図2のA−A断面図)であり、図4は、本実施の形態に係る空気入りタイヤの第2傾斜ラグ溝の一部を示す図(図2のB−B断面図)である。
なお、本実施の形態に係る空気入りタイヤ1は、ビード部やカーカス層、ベルト層(不図示)、トレッド部を備える一般的なラジアルタイヤである。また、本実施の形態に係る空気入りタイヤ1は、小型トラックに装着される小型トラック用タイヤであるものとする。
図1及び図2に示すように、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に向かって連続して延びる複数(図面では2本)の周方向溝3によって区画された複数のリブ5を備えている。この複数のリブ5は、両側が周方向溝3により区画され、かつトレッドセンター部Cに位置するセンターリブ5Aと、周方向溝3の一側(片側)に位置し、かつトレッドショルダー部Sに位置するショルダーリブ5Bとによって構成されている。
センターリブ5Aには、周方向溝3からタイヤ赤道線CL側に向かって湾曲し、かつ両端が1つの周方向溝3に開口する複数の湾曲溝7と、トレッド幅方向に対して斜めに延びる複数の傾斜ラグ溝9と、トレッド幅方向に延び、かつ周方向溝3の幅よりも狭い複数のセンターサイプ11とが形成されている。
この傾斜ラグ溝9は、タイヤ赤道線CLの一側に位置する湾曲溝7と他側に位置する湾曲溝7との間を連結している。傾斜ラグ溝9は、トレッド幅方向に向かって一定の幅を有する第1傾斜ラグ溝9Aと、トレッド幅方向に向かって異なる幅を有する第2傾斜ラグ溝9Bとを備えている。
図3に示すように、第1傾斜ラグ溝9A内には、周方向溝3の深さよりも浅い第1底上げ部13Aが形成されている。具体的には、第1底上げ部13Aは、第1傾斜ラグ溝9Aの最もタイヤ径方向内側である第1底部9aからタイヤ径方向外側に向けてトレッド幅方向への距離(D1)が漸次減少する。
第1底上げ部13Aは、第1底上げ部13Aの最もタイヤ径方向外側である第1頂部13aが細く尖っている(断面三角状)。特に、第1頂部13aは、タイヤ赤道線CL上に位置することが好ましい。
第1底上げ部13Aは、第1底部9aから第1頂部13aまでの間に形成される第1段差部14Aを有している。この第1段差部14Aは、センターリブ5Aの表面5aと略平行に設けられている。
一方、図4に示すように、第2傾斜ラグ溝9B内には、周方向溝3の深さよりも浅い第2底上げ部13Bが形成されている。具体的には、第2底上げ部13Bは、第2傾斜ラグ溝9Bの最もタイヤ径方向内側である第2底部9bからタイヤ径方向外側に向けてトレッド幅方向への距離(D2)が漸次減少する。
第2底上げ部13Bは、第2底上げ部13Bの最もタイヤ径方向外側である第2頂部13bが細く尖っている(断面三角状)。特に、第2頂部13bは、タイヤ赤道線CL上に位置することが好ましい。
第2底上げ部13Bは、第2底部9bから第2頂部13bまでの間に形成される第2段差部14Bを有している。この第2段差部14Bは、センターリブ5Aの表面5aと略平行に設けられている。
ここで、第1段差部14A(図3参照)は、第2段差部14B(図4参照)よりも表面積が小さく設定されている。また、第1頂部13aの角度(α)は、第2頂部13bの角度(β)よりも大きく設定されている。
センターサイプ11は、周方向溝3と湾曲溝7との間(すなわち、センターリブ5Aの端部側)に位置する端部サイプ11Aと、タイヤ赤道線CLの一側に位置する湾曲溝7と他側に位置する湾曲溝7との間(すなわち、センターリブ5Aの中心部側)に位置する中心サイプ11Bとを有している(図2参照)。
端部サイプ11Aのうち少なくとも1つの端部サイプ11Aは、一端が周方向溝3又は湾曲溝7へ開口し、かつ他端がセンターリブ5A内で終結している。
中心サイプ11Bは、湾曲溝7と傾斜ラグ溝9(第1傾斜ラグ溝9A及び第2傾斜ラグ溝9B)とによって区画される中央ブロック15に形成されている。この中心サイプ11Bは、一端が湾曲溝7へ開口し、かつ他端がセンターリブ5A内で終結している。
具体的には、中心サイプ11Bは、傾斜ラグ溝9(第1傾斜ラグ溝9A及び第2傾斜ラグ溝9B)と略平行に配置されている。また、中心サイプ11Bのうちの少なくとも1つの中心サイプ11Bは、トレッド幅方向に対して折れ曲がるクランク部17を有している。
さらに、中央ブロック15に形成される中心サイプ11Bは、3つ又は4つであることが好ましい。なお、中央ブロック15に形成される中心サイプ11Bが3つよりも少ないと、中央ブロック15のタイヤ周方向に対する長さが長くることで、トレッドセンター部Cとトレッドショルダー部Sとの径差が増大し、該トレッドセンター部Cとトレッドショルダー部Sとで均一な摩耗量を得ることができず、センターリブ5Aの耐摩耗性を向上させることができない場合がある。一方、中央ブロック15に形成される中心サイプ11Bが4つよりも少ないと、中央ブロック15の剛性が低下して、中央ブロック15が滑りやすくなり、結果的に、センターリブ5Aの耐摩耗性を向上させることができない場合がある。
ショルダーリブ5Bには、トレッド幅方向に延びる幅方向溝19と、トレッド幅方向に延び、かつ該幅方向溝19の幅よりも狭いショルダーサイプ21とが形成されている。
この幅方向溝19は、一端が周方向溝3へ開口し、かつショルダーリブ5Bのトレッド幅方向外側で分割する幅方向分割溝19Aと、一端が周方向溝3へ開口し、かつ他端がショルダーリブ5B内で終結する幅方向短溝19Bとによって構成されている。
ショルダーサイプ21は、一端が周方向溝3へ開口し、かつ他端がショルダーリブ5B内で終結している。また、ショルダーサイプ21のうちの少なくとも1つのショルダーサイプ21は、トレッド幅方向に対して折れ曲がるクランク部23を有している。
(変更例)
上述した実施の形態に係る第1段差部14A及び第2段差部14Bは、センターリブ5Aの表面5aと略平行であるものとして説明したが、以下のように変形してもよい。なお、上述した実施の形態に係る空気入りタイヤ1と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
上述した実施の形態に係る第1段差部14A及び第2段差部14Bは、センターリブ5Aの表面5aと略平行であるものとして説明したが、以下のように変形してもよい。なお、上述した実施の形態に係る空気入りタイヤ1と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
ここで、上述した第1底上げ部13Aは、第2底上げ部13Bと異なる構成(例えば、段差部の表面積)であるものとして説明したが、必ずしも異なる構成である必要はなく、同一構成であってもよいことは留意すべきである。以下において、第1底上げ部13Aと第2底上げ部13Bとは同一構成であるものとして説明するため、第1底上げ部13Aのみを説明し、第2底上げ部13Bの説明は省略する。
図5は、変更例に係る空気入りタイヤの傾斜ラグ溝(第1段差部14A)を示す断面図である。図5に示すように、第1底上げ部13Aは、第1底部9aから第1頂部13aまでの間に形成される第1段差部14Aを有している。この第1段差部14Aは、センターリブ5Aの表面5aに対して傾斜して設けられている。
なお、第1底上げ部13Aは、必ずしも第1段差部14Aを有している必要はなく、図6に示すように、第1段差部を有していなく、第1底部9aから第1頂部13aにかけてトレッド幅方向への距離(D1)が漸次減少して、第1頂部13aが細ければよい(断面三角状)。
ここで、第1底上げ部13A及び第2底上げ部13Bは、異なる構成である場合、例えば、第1底上げ部13Aは、図5に示す構成であり、第2底上げ部13Bは、図6に示す構成など様々な形状の組み合わせでもよいことは勿論である。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、第1傾斜ラグ溝9A内に形成される第1底上げ部13Aにおいて、第1底部9aからタイヤ径方向外側に向けてトレッド幅方向への距離(D1)が漸次減少し、かつ第1頂部13aが細い(断面三角状である)。
以上説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、第1傾斜ラグ溝9A内に形成される第1底上げ部13Aにおいて、第1底部9aからタイヤ径方向外側に向けてトレッド幅方向への距離(D1)が漸次減少し、かつ第1頂部13aが細い(断面三角状である)。
同様に、第2傾斜ラグ溝9B内に形成される第2底上げ部13Bにおいて、第2底部9bからタイヤ径方向外側に向けてトレッド幅方向への距離(D2)が漸次減少し、かつ第2頂部13bが細い(断面三角状である)。
従って、センターリブ5A(中央ブロック15)の剛性を確保しつつ、センターリブ5Aでの滑りを抑制して、センターリブ5Aの耐摩耗性を向上させることができるため、トレッドセンター部に発生するセンター摩耗を抑制することが可能となる。特に、第1頂部13a及び第2頂部13bがタイヤ赤道線CL上に位置することによって、タイヤ赤道線CL上のセンターリブ5A(中央ブロック15)の剛性が向上する。
また、第1底上げ部13Aが第1段差部14Aを有し、第2底上げ部13Bが第2段差部14Bを有する。従って、傾斜ラグ溝9(第1傾斜ラグ溝9A及び第2傾斜ラグ溝9B)のタイヤ径方向内側(底部側)で中央ブロック15の剛性を確保して、タイヤ径方向外側(頂部側)で排水性能を確保することができ、センターリブ5Aでの耐摩耗性及び排水性能を両立させることができる。
また、センターリブ5Aに湾曲溝7が形成され、タイヤ赤道線CLの一側に位置する湾曲溝7と他側に位置する湾曲溝7との間を傾斜ラグ溝9が連結することによって、センターリブ5A(中央ブロック15)でのエッジ効果を向上させ、該センターリブ5Aでの滑りを抑制して、走行性能(例えば、制動・駆動機能や操縦安定性)を向上させつつ、排水性能をも確保することが可能となる。
また、センターリブ5Aにセンターサイプ11が複数形成されることによって、中央ブロック15のタイヤ周方向に対する長さを短くし、トレッドセンター部Cとトレッドショルダー部Sとの径差を減少させることができ、該トレッドセンター部Cとトレッドショルダー部Sとで均一な摩耗量を得ることができる。さらに、中央ブロック15のタイヤ周方向に対する長さが短くなることで、中央ブロック15の体積が減少し、剪断力、特に、蹴り出し時の剪断力を低下させる効果がある。
しかし、センターリブ5Aにセンターサイプ11が複数形成されることで、中央ブロック15の剛性が低下してしまうことが考えられる。つまり、蹴り出し時の変形が大きくなることに伴い、中央ブロック15での滑りも大きくなってしまう。しかしながら、傾斜ラグ溝9内に底上げ部13(第1底上げ部13A及び第2底上げ部13B)が形成されていることで、中央ブロック15の剛性の低下を抑制することができる。
また、センターサイプ11が、一端が湾曲溝7へ開口し、かつ他端がセンターリブ5A内で終結することによって、さらに、中央ブロック15の剛性の低下を抑制することが可能となる。
また、中央ブロック15に形成される複数のセンターサイプ11が3つ又は4つであることによって、センターリブ5Aでの耐摩耗性、走行性能(例えば、制動・駆動機能や操縦安定性)及び排水性能を全て両立させることができる。なお、センターサイプ11は、必ずしも3つ又は4つである必要はなく、3つや4つ以外であってもよいことは勿論である。
また、複数のセンターサイプ11のうちの少なくとも1つのセンターサイプ11がクランク部17を有していることによって、センターサイプ11が全て直線状である場合と比べて、センターリブ5Aでの耐摩耗性及び排水性能を両立させる効果が高くなる。
さらに、センターサイプが傾斜ラグ溝9と略平行に配置されることによって、さらに、中央ブロック15の剛性の低下を抑制することが可能となる。
[その他の実施の形態]
上述したように、本発明の実施の形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
上述したように、本発明の実施の形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
具体的には、第1頂部13a及び第2頂部13bは、細く尖っているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、多少の丸みを帯びていても勿論よい。
また、空気入りタイヤ1は、ビード部やカーカス層、ベルト層(不図示)を備える一般的なラジアルタイヤであるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、ラジアルタイヤ以外のタイヤ(例えば、バイアスタイヤ)であってもよい。
さらに、空気入りタイヤ1は、小型トラックに装着される小型トラック用タイヤであるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、小型用トラック以外のトラックなど様々な車両に装着されるものであってもよい。
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った試験結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
各空気入りタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
・ タイヤサイズ : P265/70R17
・ ホイールサイズ : 17×7.5J
・ 内圧条件 : 200kPa
比較例に係る空気入りタイヤ100には、図7に示すトレッドパターンが形成されている。すなわち、比較例に係る空気入りタイヤ100のセンターリブ101には、中央ブロック103を分割する分割サイプ105が1つ形成されている。なお、比較例に係る空気入りタイヤの傾斜ラグ溝107は、底上げ部を有していない。
・ ホイールサイズ : 17×7.5J
・ 内圧条件 : 200kPa
比較例に係る空気入りタイヤ100には、図7に示すトレッドパターンが形成されている。すなわち、比較例に係る空気入りタイヤ100のセンターリブ101には、中央ブロック103を分割する分割サイプ105が1つ形成されている。なお、比較例に係る空気入りタイヤの傾斜ラグ溝107は、底上げ部を有していない。
実施例に係る空気入りタイヤ1には、図1に示すトレッドパターンが形成されている。すなわち、実施例に係る空気入りタイヤ1のセンターリブ5Aには、上述した実施の形態で説明した湾曲溝7と、傾斜ラグ溝9と、センターサイプ11が形成されている。なお、実施例に係る空気入りタイヤ1傾斜ラグ溝9は、図3及び図4に示す底上げ部13を有している。
<摩耗によるタイヤ寿命試験>
各空気入りタイヤが装着された車両で走行し、比較例に係る空気入りタイヤの摩耗によるタイヤ寿命を“100”とし、実施例に係る空気入りタイヤの摩耗によるタイヤ寿命を指数化した。なお、指数が大きいほど、タイヤ寿命が長い。
各空気入りタイヤが装着された車両で走行し、比較例に係る空気入りタイヤの摩耗によるタイヤ寿命を“100”とし、実施例に係る空気入りタイヤの摩耗によるタイヤ寿命を指数化した。なお、指数が大きいほど、タイヤ寿命が長い。
この結果、表1に示すように、実施例に係る空気入りタイヤは、比較例に係る空気入りタイヤと比べて、タイヤ寿命が長いことが分かった。
<摩耗量比較試験>
各空気入りタイヤを車両に装着し、市場にて速度60km/hで56000km走行させた後、比較例に係る空気入りタイヤの摩耗量と実施例に係る摩耗量とを比較した。なお、指数が小さいほど、摩耗量が小さい。
各空気入りタイヤを車両に装着し、市場にて速度60km/hで56000km走行させた後、比較例に係る空気入りタイヤの摩耗量と実施例に係る摩耗量とを比較した。なお、指数が小さいほど、摩耗量が小さい。
この結果、表1に示すように、実施例に係る空気入りタイヤは、比較例に係る空気入りタイヤと比べて、摩耗量が小さいことが分かった。
<総合結果>
実施例に係る空気入りタイヤ1では、センターリブ5Aに、湾曲溝7と、傾斜ラグ溝9と、センターサイプ11が形成され、さらに、該傾斜ラグ溝9が底上げ部13を有していることによって、比較例に係る空気入りタイヤ100と比べて、摩耗量が少なく、これによりタイヤ寿命を長くすることができると分かった。
実施例に係る空気入りタイヤ1では、センターリブ5Aに、湾曲溝7と、傾斜ラグ溝9と、センターサイプ11が形成され、さらに、該傾斜ラグ溝9が底上げ部13を有していることによって、比較例に係る空気入りタイヤ100と比べて、摩耗量が少なく、これによりタイヤ寿命を長くすることができると分かった。
すなわち、実施例に係る空気入りタイヤ1は、センターリブ5Aにセンターサイプ11が複数形成されるため、中央ブロック15の剛性が低下してしまい、蹴り出し時の変形が大きくなることに伴い、中央ブロック15での滑りも大きくなってしまうと考えられるが、傾斜ラグ溝9内に底上げ部13が形成されていることで、中央ブロック15の剛性の低下を抑制することが可能となる。
1…空気入りタイヤ、3…周方向溝、5…リブ、5A…センターリブ、5B…ショルダーリブ、5a…センターリブの表面、7…湾曲溝、9…傾斜ラグ溝、9A…第1傾斜ラグ溝、9B…第2傾斜ラグ溝、9a…第1底部、9b…第2底部、11…センターサイプ、11A…端部サイプ、11B…中心サイプ、13A…第1底上げ部、13a…第1頂部、13B…第2底上げ部、13b…第2頂部、14A…第1段差部、14B…第2段差部、15…中央ブロック、17…クランク部、19…幅方向溝、19A…幅方向分割溝、19B…幅方向短溝、21…ショルダーサイプ、23…クランク部
Claims (10)
- タイヤ周方向へ向かって延びる複数の周方向溝により区画されるリブのうち、トレッドセンター部に位置するセンターリブに形成され、トレッド幅方向に対して斜めに延びる傾斜ラグ溝を備え、
前記傾斜ラグ溝内には、前記周方向溝の深さよりも浅い底上げ部が形成され、
前記底上げ部は、前記傾斜ラグ溝の最もタイヤ径方向内側である底部からタイヤ径方向外側に向けてトレッド幅方向への距離が漸次減少し、前記底上げ部の最も前記タイヤ径方向外側である頂部が細いことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記底上げ部は、前記底部から前記頂部までの間に形成される段差部を有することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記段差部は、前記センターリブの表面と略平行に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記センターリブには、前記周方向溝からタイヤ赤道線側に向かって湾曲し、かつ両端が1つの前記周方向溝に開口する湾曲溝が形成され、
前記傾斜ラグ溝は、前記タイヤ赤道線の一側に位置する湾曲溝と他側に位置する湾曲溝との間を連結することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記センターリブには、トレッド幅方向に延び、かつ前記周方向溝の幅よりも狭いセンターサイプが複数形成されることを特徴とすさる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記センターリブには、前記周方向溝からタイヤ赤道線側に向かって湾曲し、かつ両端が1つの前記周方向溝に開口する湾曲溝が形成され、
前記センターサイプは、前記湾曲溝と前記傾斜ラグ溝とによって区画される中央ブロックに形成されることを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤ。 - 前記センターサイプは、一端が前記湾曲溝へ開口し、かつ他端が前記センターリブ内で終結することを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
- 前記中央ブロックに形成される複数のセンターサイプは、3つ又は4つであることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
- 複数のセンターサイプのうちの少なくとも1つのセンターサイプは、トレッド幅方向に対して折れ曲がるクランク部を有することを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
- 前記センターサイプは、前記傾斜ラグ溝と略平行に配置されることを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤ。
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