JP2009274428A - 長尺体積ホログラム層転写箔、および、これを用いた体積ホログラム積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】長尺状の基材1と、その上に形成された剥離性保護層2と、剥離保護層上に形成された体積ホログラム層3と、体積ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層4とを有し、更に基材のヒートシール層が形成された面とは反対面上のヒートシール層が形成された領域と重なる位置に体積ホログラム層を被転写体に転写する位置を決定する基準となるマーク層5と、少なくとも上記マーク層上に形成され、表面に離型性を有する背面層6と、を有することを特徴とする、長尺体積ホログラム層転写箔10。
【選択図】図1
Description
すなわち、例えば、ヒートシール層上にマーク層を形成する場合、体積ホログラム層を被転写体に転写する際に、マーク層も一緒に転写されてしまうことを防止するため、マーク層が形成された領域は転写領域として使用しないことが必要になる。このため、体積ホログラム層の全面を転写に使用することができず、体積ホログラム層の使用効率が悪いという問題点がある。そして、このようにマーク層が形成された領域を転写領域として使用しないためには、体積ホログラム層を転写する工程において、上記マーク層が形成されている領域が加熱されないようにしなければならないことから、体積ホログラム層の転写工程が複雑になってしまうという問題点ある。
しかしながら、このようにマーク層を基材のヒートシール層が形成されている側とは反対側に形成したことにより、新しい技術的課題が見出された。すなわち、マーク層は、通常、体積ホログラム層転写箔の一部にのみ形成されるものであるため、長尺に形成された体積ホログラム層転写箔をロール状に巻き取ると、当該マーク層が形成された部位のみの厚みが累積的に増加し、これに起因してその部分のみの面圧が増加してしまい、重畳的に重なり合ったヒートシール層と基材とが密着してしまうという問題点(ブロッキング)が生じることが判明した。そして、このようなブロッキングの問題が生じると、長尺の体積ホログラム層転写箔をロールから巻き出す際に、円滑に巻き出すことが困難になり、さらに密着の程度によっては、体積ホログラム層やヒートシール層が上記基材から剥離してしまう「箔ハガレ」が発生してしまうという問題点が明らかとなった。
さらに、本発明においては、少なくとも上記マーク層上に上記背面層が形成されていることにより、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔がロール状に巻き取られ、重畳的に重なり合った状態で相当程度の面圧が加わった場合であっても、特に面圧が高くなる上記マーク層が形成されている位置において、マーク層と上記ヒートシール層とが密着してしまうことを防止することができる。このため、本発明によれば、ブロッキングや箔ハガレ等の不良の発生を低減することができ、円滑に体積ホログラム積層体を製造することができる。
このようなことから、簡易な転写工程で、体積ホログラム層の全面を転写に用いることが可能であり、かつ、ブロッキングや箔ハガレ等が少なく、体積ホログラム層を被転写体に転写することにより、円滑に体積ホログラム積層体を製造することが可能な、長尺体積ホログラム層転写箔を得ることができる。
ここで、上記切れ込み部が形成されている部位は、いわゆる「箔持ち性」が低く、体積ホログラム層やヒートシール層が上記基材から剥離されやすくなっている場合がある。このため、例えば、ロール状等の面圧が高くなる形態とした場合に箔ハガレが生じやすくなる場合があるが、本発明においては上記背面層が形成されていることにより、上記のような切れ込み部が形成されている場合であっても、箔ハガレが生じることを防止することができる。
さらに、上記本発明に係る長尺体積ホログラム層転写箔が用いられていることにより、上記被転写体配置工程等においてロール状に巻き取られた長尺体積ホログラム層転写箔を巻き出す際に、ブロッキングや箔ハガレ等の不良の発生を低減することができるため、円滑に体積ホログラム積層体を製造することができる。
以下、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔、および体積ホログラム積層体の製造方法について順に説明する。
まず、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔について説明する。上述したように本発明の長尺体積ホログラム層転写箔は、長尺の基材と、上記基材上に形成された剥離性保護層と、上記剥離保護層上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層とを有するものであって、上記基材の上記ヒートシール層が形成された面とは反対面上であり、かつ上記基材を介して上記ヒートシール層が形成された領域と重なる位置に形成され、上記体積ホログラム層を被転写体に転写する位置を決定する基準となるマーク層と、少なくとも上記マーク層上に形成され、表面に離型性を有する背面層と、を有することを特徴とするものである。
ここで、上記マーク層5は、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔10を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、上記体積ホログラム層3を被転写体に転写する位置を決定する基準となるものであり、上記基材1を介して、上記ヒートシール層4が形成された領域と重なる位置に形成されているものである。
さらに、本発明においては、少なくとも上記マーク層上に上記背面層が形成されていることにより、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔がロール状に巻き取られ、重畳的に重なり合った状態で相当程度の面圧が加わった場合であっても、特に面圧が高くなる上記マーク層が形成されている位置において、マーク層と上記ヒートシール層とが密着してしまうことを防止することができる。このため、本発明によれば、ブロッキングや箔ハガレ等の不良の発生を低減することができ、円滑に体積ホログラム積層体を製造することができる。
このようなことから、簡易な転写工程で、体積ホログラム層の全面を転写に用いることが可能であり、かつ、ブロッキングや箔ハガレ等が少なく、体積ホログラム層を被転写体に転写することにより、円滑に体積ホログラム積層体を製造することが可能な、長尺体積ホログラム層転写箔を得ることができる。
以下、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔に用いられる各構成について順に説明する。
まず最初に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は、長尺に形成されたものであり、後述する剥離性保護層、体積ホログラム層、ヒートシール層、マーク層、および背面層等を支持するものである。
次に、本発明に用いられる剥離性保護層について説明する。本発明に用いられる剥離性保護層は、上述した基材と、後述する体積ホログラム層との間に形成されるものであり、次のような機能を有するものである。
まず第1に、基材と体積ホログラム層とを接着力を任意の範囲に調整し、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔から体積ホログラム層を転写させる際に、体積ホログラム層の基材からの剥離性を向上させる機能を有するものである(剥離機能)。
第2に、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔を用いて被転写体に体積ホログラム層を転写した際に、体積ホログラム層の表面を覆い、転写された体積ホログラム層を保護する機能を有するものである(保護機能)。
以下、このような剥離性保護層について説明する。
次に本発明に用いられる体積ホログラム層について説明する。本発明に用いられる体積ホログラム層は、体積ホログラムが記録されたものであり、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、被転写体へ転写されるものである。また、本発明に用いられる体積ホログラム層は、上述した剥離性保護層と、後述するヒートシール層との間に形成されるものである。
以下、このような体積ホログラム層について詳細に説明する。
本発明に用いられる体積ホログラム層を構成する材料としては、体積ホログラムを記録することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に体積ホログラムに用いられる材料を任意に用いることができる。このような材料としては、例えば、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料が挙げることできる。なかでも本発明においては、(i)バインダー樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有する第1の感光材料、または、(ii)カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤系および光カチオン重合開始剤系を含有する第2の感光材料を好適に用いることができる。
以下、このような第1の感光材料および第2の感光材料について順に説明する。
まず、上記第1の感光材料について説明する。上述したように第1の感光材料はバインダー樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤、および増感色素を含有するものである。
上記バインダー樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、またはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまたはその加水分解物、アクリル酸、アクリル酸エステル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体、またはそれらの混合物や、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物等を挙げることができる。ここで、体積ホログラム層を形成する際には、記録された体積ホログラムを安定化するために、加熱してモノマーを移動させる工程が実施される場合がある。このため、本発明に用いられるバインダー樹脂はガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動が容易に移動できるものであることが好ましい。
上記光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマーおよびそれらの混合物を用いることができる。具体例としては、不飽和カルボン酸およびその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド化合物等を挙げることができる。
また、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド等を挙げることができる。
本発明に用いられる光重合開始剤としては、例えば、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3´,4,4´−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等を挙げることができる。なかでも本発明に用いられる光重合開始剤は、記録された体積ホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるものが好ましい。このような観点からすると、紫外線照射することにより容易に分解される点において、有機過酸化物系の光重合開始剤が用いられることが好ましい。
本発明に用いられる増感色素としては、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等を挙げることができる。
次に、本発明に用いられる第2の感光材料について説明する。上述したように第2の感光材料は、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤系、および、カチオン重合開始剤系を含有するものである。
上記カチオン重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物の重合が比較的低粘度の組成物中で行われることが好ましいという点から、室温で液状のものが好適に用いられる。このようなカチオン重合性化合物としては、例えば、ジグリセロールジエーテル、ペンタエリスリトールポリジグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
上記ラジカル重合性化合物としては、分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有するものが好ましい。また、本発明に用いられるラジカル重合性化合物の平均屈折率は、上記カチオン重合性化合物の平均屈折率より大きいことが好ましく、なかでも0.02以上大きいことが好ましい。これは、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物との屈折率の差によって、体積ホログラムが形成されることによるものである。したがって、平均屈折率の差が上記値以下である場合には、屈折率変調が不十分となるからである。本発明に用いられるラジカル重合性化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、2−ブロモスチレン、フェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2,3−ナフタレンジカルボン酸(アクリロキシエチル)モノエステル、メチルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、β−アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート等を挙げることができる。
本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤系としては、体積ホログラムを記録する際に、第1露光によって活性ラジカルを生成し、該活性ラジカルがラジカル重合性化合物を重合させることができるものであれば特に限定されるものではない。また、一般に光を吸収する成分である増感剤と活性ラジカル発生化合物や酸発生化合物を組み合わせて用いてもよい。このような光ラジカル重合開始剤系における増感剤は可視レーザー光を吸収するために色素のような有色化合物が用いられる場合が多いが、無色透明ホログラムとする場合には、シアニン系色素の使用が好ましい。シアニン系色素は一般に光によって分解しやすいため、本発明における後露光、または室内光や太陽光の下に数時間から数日放置することでホログラム中の色素が分解されて可視域に吸収を持たなくなり、無色透明な体積ホログラムを得ることができるからである。
本発明に用いられる光カチオン重合開始剤系としは、体積ホログラムが記録される際の第1露光に対しては低感光性で、第1露光と異なる波長の光を照射する後露光に感光してブレンステッド酸あるいはルイス酸を発生し、カチオン重合性化合物を重合させるような開始剤系であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては第1露光の間はカチオン重合性化合物を重合させないものが用いられることが特に好ましい。このような光カチオン重合開始剤系としては、例えばジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、鉄アレン錯体類等が挙げられる。ジアリールヨードニウム塩類で好ましいものとしては上述した光ラジカル重合開始剤系で示したヨードニウムのテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネートなどが挙げられる。トリアリールスルホニウム塩類で好ましいものとしては、トリフェニルスルホニウム、4−ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウム等が挙げられる。
第2の感光材料には、必要に応じてバインダー樹脂、熱重合防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、着色料等を併用してもよい。バインダー樹脂は、ホログラム層記録前の組成物の成膜性、膜厚の均一性を改善する場合や、レーザー光等の光の照射による重合で形成された干渉縞を後露光までの間、安定に存在させるために使用される。バインダー樹脂は、カチオン重合性化合物やラジカル重合性化合物と相溶性のよいものであればよく、例えば塩素化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合体、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。バインダー樹脂は、その側鎖又は主鎖にカチオン重合性基等の反応性を有していてもよい。
本発明に用いられる体積ホログラム層の厚みは、所定の体積ホログラム像を記録することができる範囲内であれば特に限定されるものではなく、上述した構成材料の種類に応じて適宜調整することができる。なかでも本発明に用いられる体積ホログラム層の厚みは、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。
なお、体積ホログラム層の厚みが大きくなると、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、体積ホログラム層の箔切れ不良が生じやすくなる場合があるが、本発明において、後述する切れ込み部が形成されている場合は、体積ホログラム層の厚みに関わらず転写特性の良好な体積ホログラム層を得ることができる。
次に、本発明に用いられるヒートシール層について説明する。本発明に用いられるヒートシール層は熱可塑性樹脂を含有するものであり、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、体積ホログラム層と被転写体とを接着させる機能を有するものである。また、本発明に用いられるヒートシール層は、上述した体積ホログラム層上に形成されるものである。
以下、本発明に用いられるヒートシール層について詳細に説明する。
次に、本発明に用いられるマーク層について説明する。本発明に用いられるマーク層は、上記基材の上記ヒートシール層が形成された面とは反対面上であり、かつ上記基材を介して上記ヒートシール層が形成された領域と重なる位置に形成されるものである。そして、本発明に用いられるマーク層は、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、上記体積ホログラム層を被転写体に転写する位置を決定する基準となるものである(なお、本発明におけるマーク層は、本発明が属する技術分野において「タイミングマーク」と称される場合がある。)
以下、このようなマークについて詳細に説明する。
ここで、本発明において「上記基材を介して上記ヒートシール層が形成された領域と重なる位置」にマーク層が形成されていることは、換言すると、マーク層が形成された位置には、基材を介して反対側に必ずヒートシール層が形成されていることを意味することになる。
一方、図2(b)に例示するように基材1上にパターン状にヒートシール層4が形成されている場合は、マーク層5は基材1を介して、上記ヒートシール層4と重なる位置のみに形成されることになる。
ここで、図3は、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔10を、上記基材1のマーク層5が形成された面側から正視した場合の概略図を例示するものである。また図3においては、説明の便宜のため背面層の図示を省略している。
また、上記顔料としては、例えば、カーボンブラック等の黒色顔料やTiO2,ZnO等の白色顔料、また、パール顔料、金属粒子含有顔料等、任意の顔料を使用することができる。
さらに上記染料としては、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等を使用することができる。ただし、染料は他層への染着可能性があるため、顔料を使用することが好ましい。また、バインダー樹脂に対して任意の硬化剤を添加し、樹脂強度を上げてもよい。
次に、本発明に用いられる背面層について説明する。本発明に用いられる背面層は表面に離型性を有するものであり、例えば、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔をロール状に巻き取った際に、ヒートシール層とマーク層とが密着することに起因して、ブロッキングや箔ハガレが生じてしまうことを防止する機能を有するものである。また、本発明に用いられる背面層は、少なくとも上述したマーク層上に形成されるものである。
以下、このような背面層について詳細に説明する。
なお、本発明において複数のマーク層が形成されている場合は、すべてのマーク層上に背面層が形成されることになる。
図4に例示するように、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔10は、上記マーク層5が、上記基材1の長手方向yに対して平行な直線上に所定の間隔で複数形成されている場合において、上記背面層6が、複数のマーク層5を覆うように、上記基材1の長手方向yに対して平行な帯状に形成されていることが好ましい。
本発明の長尺体積ホログラム層転写箔は、少なくとも上記基材、剥離性保護層、体積ホログラム層、ヒートシール層、マーク層、および背面層を有するものであるが、これら以外の任意の構成を有するものであってもよい。本発明に用いられる任意の構成としては、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔、あるいは本発明の長尺体積ホログラム層転写箔を用いて製造される体積ホログラム積層体に所望の機能を付与することができるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に好適に用いられる任意の構成としては、後述する切れ込み部、画像形成層等を挙げることができる。
以下、本発明に用いられる任意の構成について順に説明する。
まず、本発明に用いられる切れ込み部について説明する。本発明における任意の構成として用いられる切れ込み部は、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔の長手方向に対して垂直方向に、上記ヒートシール層を貫通し、かつ、上記体積ホログラム層の少なくとも一部が切断されるように形成されたものである。
図8(a)、(b)に例示するように、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔10は、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔10の長手方向yに対して垂直方向xに、上記ヒートシール層4を貫通し、かつ、少なくとも上記体積ホログラム層3の一部が切断されるように切れ込み部7が形成されていることが好ましい。
ここで、上記切れ込み部が形成されている部位は、いわゆる「箔持ち性」が低く、体積ホログラム層やヒートシール層が上記基材から剥離されやすくなっている場合がある。このため、例えば、ロール状等の面圧が高くなる形態とした場合に箔ハガレが生じやすいが、本発明においては上記背面層が形成されていることにより、上記のような切れ込み部が形成されている場合であっても、箔ハガレが生じることを防止することができる。
また、本発明において切れ込み部が面内方向に形成されている態様としては、長手方向に対して垂直方向の少なくも一部に形成された態様であれば特に限定されるものではない。したがって、本発明に用いられる切れ込み部は、長手方向に対して垂直方向(幅方向)の全幅に渡って形成されたものであってもよく、あるいは幅方向に対して部分的に形成されたものであってもよい。ここで、上記「長手方向における垂直方向」とは、厳密に垂直である場合の他、切れ込み部の機能を奏し得る範囲内で略垂直である場合も含むものとする。
次に、本発明において任意の構成として用いられる画像形成層について説明する。本発明に用いられる画像形成層は、上記体積ホログラム層と上記ヒートシール層との間に形成されるものであり、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、体積ホログラム層と共に被転写体に転写され、製造される体積ホログラム積層体に意匠性や偽造防止機能等の諸機能を付与することができるものである。
なお、本発明に用いられる画像形成層は、画像形成層自体がパターン状に形成されることによって画像を構成するものであり、画像形成層に画像が描画されるものではない。
なお、本発明における画像形成層は、上記ヒートシール層内に埋め込まれるように形成される。
以下、本発明に用いられる光学可変画像形成層および蛍光画像形成層について詳細に説明する。
まず、本発明に用いられる光学可変画像形成層について説明する。本発明に用いられる光学可変画像形成層は、光学可変材料によって形成されたものである。本発明に用いられる光学可変材料としては、所望の色を発現できるものであれば特に限定されるものではない。このような光学可変材料の例としては、例えば、所定の角度から観た際に、上記体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの像と同一色の色を発現できるものを挙げることができる。このような光学可変材料が用いられることにより、所定の角度から視認した際に、画像形成層の画像と、体積ホログラム層の体積ホログラム像とを同一色の画像にすることができるため、上記体積ホログラム層における体積ホログラム像と、光学可変画像形成層における画像とが重なるように形成することにより、特定の角度において体積ホログラムが視認されないようにすることが可能になり、さらにセキュリティ性を向上させることができることになる。
また、本発明に用いられるパール顔料は、それをさらに顔料、染料等で着色したものであってもよい。
次に、本発明に用いられる蛍光画像形成層について説明する。本発明に用いられる蛍光画像形成層は、紫外線を吸収することにより、蛍光を発する蛍光材料によって形成されたものである。本発明に用いられる蛍光材料としては、紫外線を吸収することにより所望の波長の蛍光を発することができるものであれば特に限定されるものではない。
上記有機蛍光色素としては、例えば、有機蛍光色素としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物などが挙げられる。具体的には可視光で無色の蛍光染料としては、EB−501(三井化学(株)製、発光色:青色)、EG−302(三井化学(株)製、発光色:黄緑色)、EG−307(三井化学(株)製、発光色:緑色)、ER−120(三井化学(株)製、発光色:赤色)、ER−122(三井化学(株)製、発光色:赤色)、蛍光増白剤と呼ばれるユビテックスOB(チバスペシャルティケミカルズ社製、発光色:青色)、ユーロピウム−テノイルトリフルオロアセトンキレート(シンロイヒ(株)、赤橙色)等を挙げることができる。
また、上記無機蛍光色素としては、無機蛍光色素としては、Ca、Ba、Mg、Sr、などの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩のなどの結晶を主成分とし、Eu、Mn、Pb、Fe、Mn、Zn、Ag、Cuなどの金属元素または希土類元素をドープ剤として添加した顔料を用いることができる。具体的には可視光下では無色から白色のG−300シリーズ(SrAl2O4:Eu,Dy 根本特殊化学製 発光色:緑)やV−300シリーズ(CaAl2O4:Eu,Nd 根本特殊化学製 発光色:紫)等を挙げることができる。
上記画像形成層および切れ込み部層以外に、本発明に用いられる任意の構成としては、例えば、体積ホログラム層とヒートシール層との接着性、あるいは、体積ホログラム層と、上記剥離性保護層との接着性を向上させるために用いられるプライマー層を挙げることができる。このようなプライマー層としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニルあるいはアクリル酸等との共重合体、エポキシ樹脂等が用いられたものを挙げることができる。
本発明の長尺体積ホログラム層転写箔は長尺に形成されたものであるが、本発明における「長尺」とは、長手方向の距離と、長手方向に垂直な方向の距離との比(長手方向の距離/長手方向に垂直な方向の距離)が、5以上であることを意味するものとする。
本発明の長尺体積ホログラム層転写箔は、長尺の基材の片面上に剥離性保護層、体積ホログラム層、ヒートシール層を順次積層し、さらに反対面上にマーク層、および背面層を順次形成することにより製造することができる。
本発明の長尺体積ホログラム層転写箔は、上記体積ホログラム層を連続的に被転写体に転写することによって、被転写体に体積ホログラム層が貼り合わされた構成を有する体積ホログラム積層体を製造するために用いられる。ここで、本発明の長尺体積ホログラム層転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する方法としては、例えば、後述する「B.体積ホログラム積層体の製造方法」の項において説明する方法を例示することができる。
次に本発明の体積ホログラム積層体の製造方法について説明する。上述したように本発明の体積ホログラム積層体の製造方法は、上記本発明に係る長尺体積ホログラム層転写箔を用い、上記マーク層を基準として、上記長尺体積ホログラム層転写箔のヒートシール層に接するように被転写体を配置する被転写体配置工程と、上記長尺体積ホログラム層転写箔を加熱し、上記長尺体積ホログラム層転写箔の加熱された領域と上記被転写体とを接着する加熱接着工程と、上記被転写体と接着された領域上に配置されている上記長尺体積ホログラム層転写箔の基材を剥離する基材剥離工程と、を有することを特徴とするものである。
図10に例示するように本発明の体積ホログラム積層体の製造方法は、上記本発明に係る長尺体積ホログラム層転写箔10を用い(図10(a))、上記マーク層5を基準として、上記長尺体積ホログラム層転写箔10のヒートシール層4に接するように被転写体20を配置する被転写体配置工程(図10(b))と、上記長尺体積ホログラム層転写箔10を加熱し、上記長尺体積ホログラム層転写箔10の加熱された領域と上記被転写体20とを接着する加熱接着工程(図10(c))と、上記被転写体20と接着された領域上に配置されている上記長尺体積ホログラム層転写箔10の基材1を剥離する基材剥離工程と(図10(d))、を有することにより、被転写体20上に、ヒートシール層4と体積ホログラム層3と、剥離性保護層2とがこの順で積層された体積ホログラム積層体30を製造するものである(図10(e))。
さらに、上記本発明に係る長尺体積ホログラム層転写箔が用いられていることにより、上記被転写体配置工程等においてロール状に巻き取られた長尺体積ホログラム層転写箔を巻き出す際に、ブロッキングや箔ハガレ等の不良の発生を低減することができるため、円滑に体積ホログラム積層体を製造することができる。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
まず、本発明に用いられる被転写体配置工程について説明する。上述したように本工程は、上記本発明に係る長尺体積ホログラム層転写箔を用い、上記マーク層を基準として、当該長尺体積ホログラム層転写箔のヒートシール層上に接するように、被転写体を配置する工程である。
また、本工程においては、上記長尺体積ホログラム層転写箔に形成されたマーク層を基準として、被転写体を配置する位置が決定されることになる。
次に、本発明に用いられる加熱接着工程について説明する。本工程は、上記ヒートシール層を加熱し、上記ヒートシール層の加熱された領域と上記被転写体とを接着する工程である。
次に、本発明に用いられる基材剥離工程について説明する。本工程は、上記長尺体積ホログラム層転写箔の上記被転写体と接着された領域上に配置されている上記長尺体積ホログラム層転写箔の基材を剥離する工程である。
なお、上記被転写体配置工程において切れ込み部が形成された長尺体積ホログラム積層体が用いられ、上記加熱接着工程において、少なくとも1辺が上記長尺体積ホログラム層転写箔に形成された切れ込み部と重なるような形状に、上記ヒートシール層が加熱されている場合は、被転写体と接着された領域の端部と切れ込み部が形成された位置とが一致していることから、上記切れ込み部を起点として基材を剥離することが可能であり、体積ホログラム層の破断不良が生じることなく、良好な転写を実施することができる。
本発明の体積ホログラム積層体の製造方法は、上記被転写体配置工程が、切れ込み部が形成された長尺体積ホログラム層転写箔を用い、上記長尺体積ホログラム層転写箔のヒートシール層上に、上記長尺体積ホログラム層転写箔に形成された切れ込み部と重なるように被転写体を配置するものであり、上記加熱接着工程が、少なくとも1辺が上記切れ込み部と重なるような形状に、上記ヒートシール層を加熱することによって、上記ヒートシール層の加熱された領域と上記被転写体とを接着するものであり、上記基材剥離工程が、上記長尺体積ホログラム層転写箔の上記切れ込み部が形成された位置を始点として、上記被転写体と接着された領域上に配置されている上記長尺体積ホログラム層転写箔の基材を剥離するものであることが、好ましい。このような態様で、上記被転写体配置工程、上記加熱接着工程、および上記基材剥離工程が実施されることにより、転写に伴う体積ホログラム層の破断不良が生じることを防止することができため、被転写体の所定の位置に体積ホログラムを連続的に転写することによって、安定的に体積ホログラム積層体を製造することができるからである。
(第1積層体)
第1のフィルムとしてPETフィルム(ルミラーT60(厚み50μm):東レ株式会社製)を準備し、以下の組成からなる体積ホログラム記録材料を、乾燥膜厚5μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(SP−PET(厚み50μm)、トーセロ株式会社製)をラミネートし、第1積層体を作製した。
…50質量部
・3,9−ジエチル−3‘−カルボキシルメチル−2,2’−チアカルボシアニン沃素塩 …0.5質量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート
…6質量部
・2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン
…80質量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
…80質量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン/n−ブタノール=1/1(質量比)
…200質量部
第2のフィルム(基材)としてPETフィルム(ルミラーT60(厚み50μm):東レ(株)製)を準備し、剥離性保護層として、以下の組成からなる材料を、乾燥膜厚1μmとなるようにグラビアコートにて塗工した。
・ポリエチレンワックス(分子量;10000、平均粒径;5μm)
…3質量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比))
…400質量部
上記第2のフィルム(基材)の剥離性保護層が形成された面とは反対面上に以下の組成からなる材料を10mm角の四角状に等間隔でロールシルク印刷機にて連続印刷した。乾燥温度は85℃とした。
・イソシアネート硬化剤(D硬化剤:セイコーアドバンス社製)
…5質量部
・溶剤(T977:セイコーアドバンス社製) …30質量部
上記第2フィルム(基材)のマーク層上に重なるよう以下の組成を有する材料を20mm角の四角状に、乾燥後0.5g/m2の塗工量になるようにグラビア印刷機にて連続印刷した。乾燥温度は100℃とした。
…50質量部
・ポリアミドイミドシリコーン樹脂(HR−14ET:東洋紡績社製 Tg250℃) …50質量部
・シリコーンオイル(X−22−173DX:信越化学工業社製)
…2.5質量部
・シリコーンオイル(KF965−100:信越化学工業社製)
…2.5質量部
・ステアリル燐酸亜鉛(LBT−1830精製:堺化学工業社製)
…10質量部
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF:堺化学工業社製)
…10質量部
・ポリエステル樹脂(バイロン220:東洋紡績社製) …3質量部
・無機フィラー(タルク、モース硬度参) …10質量部
上記で得た第1のフィルム/体積ホログラム記録用材料の層/剥離性保護層/第2のフィルム/マーク層/背面層から第1のフィルムを剥離し、そのホログラム面上に下記組成からなる材料を、乾燥膜厚4μmとなるようにグラビアコートにて塗工した。乾燥温度は80℃とした。
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比)) …70質量部
背面層を形成する材料の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
・シリコーンオイル(TSF451−1000:信越化学工業社製 分子量;約20000 固形分100%)<バインダー樹脂固形分に対し4.5質量%添加>
…1.13質量部
・ポリエステル樹脂(バイロン220:東洋紡績社製 固形分40%)
…3質量部
・溶剤(トルエン/エタノール) …100質量部
背面層を形成する材料の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
・シリコーンオイル(TSF451−1000:信越化学工業社製 分子量;約20000 固形分100%)<バインダー樹脂固形分に対し15質量%添加>
…3.75質量部
・ポリエステル樹脂(バイロン220:東洋紡績社製 固形分40%)
…3質量部
・溶剤(トルエン/エタノール) …100質量部
背面層を形成する材料の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
・シリコーンオイル(TSF451−10M:信越化学工業社製 分子量;約150000 固形分100%)<バインダー樹脂固形分に対し4.5質量%添加>
…1.13質量部
・ポリエステル樹脂(バイロン220:東洋紡績社製 固形分40%)
…3質量部
・溶剤(トルエン/エタノール) …100質量部
背面層を形成する材料の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
・シリコーンオイル(TSF451−10M:信越化学工業社製 分子量;約150000 固形分100%)<バインダー樹脂固形分に対し15質量%添加>
…3.75質量部
・ポリエステル樹脂(バイロン220:東洋紡績社製 固形分40%)
…3質量部
・溶剤(トルエン/エタノール) …100質量部
背面層を形成する材料の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
・シリコーンオイル(TSF451−10M:信越化学工業社製 分子量;約150000 固形分100%) …3質量部
・シリコーン樹脂フィラー(トスパール120:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 粒径2.0μm)<バインダー樹脂固形分に対し30質量%添加> …7.5質量部
・ポリエステル樹脂(バイロン220:東洋紡績社製 固形分40%)
…3質量部
・溶剤(トルエン/エタノール) …100質量部
背面層を形成する材料の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
・シリコーンオイル(TSF451−10M:信越化学工業社製 分子量;約150000 固形分100%) …3質量部
・シリコーン樹脂フィラー(トスパール120:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 粒径2.0μm)<バインダー樹脂固形分に対し150質量%添加> …37.5質量部
・ポリエステル樹脂(バイロン220:東洋紡績社製 固形分40%)
…3質量部
・溶剤(トルエン/エタノール) …100質量部
(切れ込み部の作製)
実施例1〜実施例7によって作製した体積ホログラム層転写箔のヒートシール面から抜き加工機(OPM−HL300−S 恩田製作所製)を用い体積ホログラム層転写箔の長尺方向に対して垂直方向全体に垂直切れ込みを入れた。垂直切れ込みの形態として、フィルムの長尺方向に対して垂直方向全体に0.7mm間隔で20本の切れ込みを入れたものを作製した。なお、実施例8−1〜実施例8−7は、それぞれ実施例1〜実施例7に対応するものである。
背面層の塗工範囲をマーク層を覆うように基材の長手方向に対して20mm幅の帯状に形成するように変更した以外は実施例8−1〜実施例8−7と同様に作製した。
背面層の塗工範囲をマーク層を形成した側の全面に変更した以外は実施例8−1〜実施例8−7と同様に作製した
背面層塗工を行わない以外は、実施例8−1と同様に作製した。
実施例1〜実施例7、実施例8−1〜実施例8−7、実施例9−1〜実施例9−7、実施例10−1〜実施例10−7、および比較例1で得られたホログラム転写箔を幅90mmにカットし1インチ管に50m巻きつけ、40℃48h、50℃48h、40℃90%96hの環境下で保存試験を行った。評価結果を表1に示す。
なお、表1における「○」はマーク層とヒートシール層とが貼り付かなかった場合、「×」はマーク層とヒートシール層とが貼り付いた場合を示す。
実施例1〜実施例7の転写箔について、市販の熱ラミネーターを用い150℃、転写スピード1m/minでPVCカードへ転写を行った。転写後、基材を手で剥離することで、カードへ全面転写することができた。実施例8−1〜実施例8−7、実施例9−1〜実施例9−7、実施例10−1〜実施例10−7の転写箔について、カード製造用の市販の熱ラミネーターを用い、転写温度150℃、転写スピード1m/minで転写評価を行った。切れ込みのある区間にカード端を重ねることで転写箔が破断し、カードへ全面転写することができた。
2 … 剥離性保護層
3 … 体積ホログラム層
4 … ヒートシール層
5 … マーク層
6 … 背面層
7 … 切れ込み部
8 … 画像形成層
10 … 長尺体積ホログラム層転写箔
20 … 被転写体
30 … 体積ホログラム積層体
100 … 体積ホログラム層転写箔
101 … 基材
102 … 剥離性保護層
103 … 体積ホログラム層
104 … ヒートシール層
200 … 被転写体
Claims (10)
- 長尺の基材と、前記基材上に形成された剥離性保護層と、前記剥離保護層上に形成され、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層と、前記体積ホログラム層上に形成され、熱可塑性樹脂を含有するヒートシール層と、を有する長尺体積ホログラム層転写箔であって、
前記基材の前記ヒートシール層が形成された面とは反対面上であり、かつ前記基材を介して前記ヒートシール層が形成された領域と重なる位置に形成され、前記体積ホログラム層を被転写体に転写する位置を決定する基準となるマーク層と、少なくとも前記マーク層上に形成され、表面に離型性を有する背面層と、を有することを特徴とする、長尺体積ホログラム層転写箔。 - 前記基材の長手方向に対して垂直方向の少なくとも一部に、前記ヒートシール層を貫通し、かつ、前記体積ホログラム層の少なくとも一部が切断されるように形成された切れ込み部を有することを特徴とする、請求項1に記載の長尺体積ホログラム層転写箔。
- 前記マーク層が、前記基材の長手方向に対して平行な直線上に所定の間隔で複数形成されており、かつ、前記背面層が複数の前記マーク層を覆うように、前記基材の長手方向に対して平行な帯状に形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の長尺体積ホログラム層転写箔。
- 前記背面層に、バインダー樹脂として、ガラス転移温度が150℃以上であるポリアミド系樹脂が含有されていることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の長尺体積ホログラム層転写箔。
- 前記背面層に、バインダー樹脂として、ガラス転移温度が150℃以上であるポリアミドイミドシリコーン樹脂が含有されていることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の長尺体積ホログラム層転写箔。
- 前記背面層が、前記基材の前記マーク層が形成された側の全面に形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の長尺体積ホログラム層転写箔。
- 前記背面層に、数平均分子量が1万〜100万のシリコーンオイルが、固形分換算でのバインダー樹脂100質量部に対し、1質量部〜20質量部の範囲内で含有されていることを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の長尺体積ホログラム層転写箔。
- 前記背面層に、有機材料からなる有機フィラーが、固形分換算でのバインダー樹脂100質量部に対し、30質量部〜150質量部の範囲内で含有されていることを特徴とする、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の長尺体積ホログラム層転写箔。
- 前記有機フィラーが、シリコーン樹脂フィラーであることを特徴とする、請求項8に記載の長尺体積ホログラム層転写箔。
- 請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の長尺体積ホログラム層転写箔を用い、前記マーク層を基準として、前記長尺体積ホログラム層転写箔のヒートシール層に接するように被転写体を配置する被転写体配置工程と、
前記長尺体積ホログラム層転写箔を加熱し、前記長尺体積ホログラム層転写箔の加熱された領域と前記被転写体とを接着する加熱接着工程と、
前記被転写体と接着された領域上に配置されている前記長尺体積ホログラム層転写箔の基材を剥離する基材剥離工程と、を有することを特徴とする、体積ホログラム積層体の製造方法。
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