JP2009270663A - 低温液化ガスの気化装置、及びこの低温液化ガスの気化装置の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新たに解霜用の加熱手段を追加することなく、内部に付着した霜を解霜することができる消霧手段を備えた低温液化ガスの気化装置、及びこの低温液化ガスの気化装置の運転方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、内部に低温液化ガスの流れる流路が形成される気化管14と、設置面Gから気化管14の下端部までを外側から通風路26を残して囲み、霧の設置面Gに沿った広がりを抑制する囲繞隔壁22と、通風路26内に空気の流れを形成する通風手段24とを備える低温液化ガスの気化装置10により、囲繞隔壁22の内側T1から霧を含む空気を通風路26を通じて囲繞隔壁22の外側T2に排気する消霧工程と、この消霧工程により付着した霜を囲繞隔壁22の外側T2の空気を通風路26を通じて囲繞隔壁22の内側に送風することにより除去する除霜工程とが交互に行われることを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】本発明は、内部に低温液化ガスの流れる流路が形成される気化管14と、設置面Gから気化管14の下端部までを外側から通風路26を残して囲み、霧の設置面Gに沿った広がりを抑制する囲繞隔壁22と、通風路26内に空気の流れを形成する通風手段24とを備える低温液化ガスの気化装置10により、囲繞隔壁22の内側T1から霧を含む空気を通風路26を通じて囲繞隔壁22の外側T2に排気する消霧工程と、この消霧工程により付着した霜を囲繞隔壁22の外側T2の空気を通風路26を通じて囲繞隔壁22の内側に送風することにより除去する除霜工程とが交互に行われることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)、液体窒素(LN2)等の低温液化ガスを空気と熱交換させることにより気化するための低温液化ガスの気化装置に関する。
LNGサテライト基地に設置されているLNG気化装置のような小規模で小容量の低温液化ガスの気化装置には、一般に、空気(外気)を熱源にして低温液化ガスを加温することで蒸発させ、常温まで昇温させる空温式の気化装置が用いられている。
この空温式の気化装置では、空気との熱交換によって低温液化ガスの気化が行われるため、前記低温液化ガスが加温される際に前記空気が冷却される。このとき空気中の水分が霧化し、この霧が下方に降下して当該気化装置の設置されている設置面に沿って拡がる。この霧が白煙となって拡がり、例えば、各種交通の障害要因となる等の白煙公害が生じる場合がある。
そこで、このような霧(白煙)を消霧するための消霧手段を備えた低温液化ガスの気化装置として、特許文献1に示されるような装置が開発されている。
この装置は、図4に示されるように、設置面gから所定の高さ位置に設置された気化管110と、この気化管110の下端部及びこの気化管110の下方空間を水平方向における外側から囲むように設けられた囲繞隔壁120とを備える。この囲繞隔壁120には、当該囲繞隔壁120で囲まれた領域t1内の空気を吸引し、この吸引した空気を前記囲繞隔壁120の外側の領域t2に排気することで、前記霧を消去する消霧手段122が設けられる。
具体的には、気化管110は、上下方向に延び、水平方向に配列される複数本の伝熱管112,112,…と、この伝熱管112の上端同士又は下端同士を接続する接続管114とによって構成される。このように構成されることで気化管110の内部には前記低温液化ガスの流れる流路が形成される。そして、この流路(気化管110内)を低温液化ガスが流れることで、当該気化管110を介して当該液化ガスと外気(空気)との熱交換が行われ、前記低温液化ガスが気化される。このとき、気化管110の内部を流れる低温液化ガスとの熱交換により当該気化管110に接した空気が冷却されて露点に達し、前記空気中に含まれていた水分によって霧が生じる。この霧が気化管110に沿って降下し、囲繞隔壁120で囲まれた気化管110の下方空間、即ち、囲繞隔壁120で囲まれた領域t1内に到達する。
消霧手段122は、囲繞隔壁120で囲まれた領域t1と外側の領域t2とを連通する連通路124と、この連通路124内に配され、回転駆動される吸気ファン126とを備える。この吸気ファン126によって囲繞隔壁120で囲まれた領域t1内の前記霧を含んだ空気が吸引され、この吸引された空気が連通路124を通じて前記外側の領域t2に拡散排気される。このように構成される消霧手段122は、囲繞隔壁120で囲まれた領域t1内の前記霧を空気と共に吸引することで希釈し、この霧を含んだ空気を囲繞隔壁120の外側の領域(外気中)t2に排気することで拡散する。このようにして、囲繞隔壁120で囲まれた領域t1内に降下した霧は、希釈拡散されることで消霧される。
特開2002−228096号公報
前記の消霧手段122は、空気での希釈拡散によって前記霧を消霧するため、冬期運転時のように外気(空気)の温度が低い場合には、前記霧が吸気ファン126や連通路124内に霜として付着する場合がある。この霜が成長すると吸気ファン126を駆動するモータ128の負荷が増大して消霧手段122がトリップする場合がある。また、吸気ファン126停止時に前記霜が吸気ファン126に残ったままの状態にしておくと、吸気ファン126が凍結して再起動時に不起動トラブルが発生する場合がある。
そのため、消霧手段122に加熱手段を新たに設け、この加熱手段からの熱によって前記吸気ファン126や連通路124内に付着した霜を溶かすことが考えられる。しかし、このような加熱手段を新たに設ける場合、この加熱手段のための電源等の設備が必要となり、また、消費電力も増加する。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、新たに除霜用の加熱手段を追加することなく、内部に付着した霜を除霜することができる消霧手段を備えた低温液化ガスの気化装置、及びこの低温液化ガスの気化装置の運転方法を提供することを課題とする。
そこで、上記課題を解消すべく、本発明に係る低温液化ガスの気化装置は、低温液化ガスを気化させるための装置であって、上下方向に延び、且つ水平方向に配列される複数本の伝熱管がその上端同士又は下端同士を接続されることで内部に前記低温液化ガスの流れる流路が形成される気化管と、前記気化管が設置されている設置面から当該気化管の下端部までを水平方向における外側から通風路を残して囲み、前記気化管内を前記低温液化ガスが流れるときに生じる霧の前記設置面に沿った広がりを抑制する囲繞隔壁と、前記囲繞隔壁の内側から前記霧を含む空気を前記通風路を通じて前記囲繞隔壁の外側に排気する消霧状態と、前記囲繞隔壁の外側の空気を前記通風路を通じて前記囲繞隔壁の内側に送風する除霜状態とに切換可能な通風手段とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、消霧のための前記囲繞隔壁及び前記通風手段をそのまま利用した簡素な構成で、消霧時に生じた霜を除霜することができる。
具体的には、前記消霧状態への切り換えで前記霧が消霧される。即ち、この状態では、前記通風路内を前記囲繞隔壁の内側から外側に向かって空気が流れるため、前記霧は、その周囲の空気と共に前記通風路を通じて前記囲繞隔壁の内側から排気され、消霧される。
この消霧状態では、霧は、低温液化ガスと熱交換して冷却された空気と共に前記通風路を通じて排気されるため冷却されて霜となり、前記通風路を規定する壁面や前記通風手段に付着する。このようにして前記壁面や前記通風手段に霜がある程度付着した時点で、若しくは適当なタイミングで前記通風手段が前記消霧状態から前記除霜状態に切り換えられることで、前記付着した霜は、前記囲繞隔壁の外側の空気(外気)によって除霜される。即ち、前記通風手段が切り換えられることで、前記通風路内の空気の流れが反転して外気が前記通風路内に取り込まれ、この外気によって前記霜が溶かされる。尚、本発明において、囲繞隔壁の内側とは囲繞隔壁に囲まれた領域をいい、囲繞隔壁の外側とは囲繞隔壁の外側の領域をいう。
また、前記通風手段が除霜状態のときに前記囲繞隔壁の内側に送風された空気によって、気化管に付着した霜の除霜も可能となる。具体的には、前記囲繞隔壁の内側に送風された空気は、当該囲繞隔壁によって前記設置面に沿った方向への流れが規制されるため、上方の気化管に向かって流れる。この空気が前記気化管の間、詳細には、前記気化管を構成する伝熱管の間を通って当該気化装置の外部に流れ出る際に、前記気化管(伝熱管)の表面に付着した霜を吹き払い、若しくは溶かす。
そのため、当該気化装置の気化運転を停止して行われる気化管表面の除霜作業を行う時間間隔が長くなる。その結果、当該気化装置の連続運転可能な時間が長くなり、連続運転時間性能が向上する。
本発明に係る低温液化ガスの気化装置においては、前記通風手段は、前記通風路内に空気の流れを形成するためのファンと、前記ファンを回転駆動するための電動機と、前記電動機の駆動により回転する前記ファンの回転方向を、その回転により前記通風路内を前記囲繞隔壁の内側から外側に向けて空気が流れる正回転方向と、前記囲繞隔壁の外側から内側に向けて空気が流れる逆回転方向とに切り換える切換手段とを有する構成が好ましい。
かかる構成とすることで、前記切換手段によって前記ファンの回転方向を切り換えるだけで、前記通風路内の空気の流れが反転し、前記消霧状態と前記除霜状態とを切り換えることが可能となる。
また、前記通風手段は、前記消霧状態での前記通風路内を流れる空気の流量より、前記除霜状態での前記通風路内を流れる空気の流量の方が少なくなるよう、前記通風路内を流れる空気の流量を制御する流量制御手段を有する構成が好ましい。
かかる構成とすることで、前記除霜状態において、前記囲繞隔壁の外側から内側に送風された空気が前記気化管の間を通って当該気化装置の外部に流れ出る際に、この空気の流れによって前記気化管が損傷するのを防止することができる。
即ち、前記除霜状態において、前記囲繞隔壁内に送風される空気の流量が少ないと、この空気が前記気化管の間を通って気化装置の外部に流れ出る際、この流れに起因する前記気化管の振動や風圧による当該気化管の損傷を防止することができる。
また、上記課題を解消すべく、本発明に係る低温液化ガスの気化装置の運転方法は、低温液化ガスを気化させるための装置であって、上下方向に延び、且つ水平方向に配列される複数本の伝熱管がその上端同士又は下端同士を接続されることで内部に前記低温液化ガスの流れる流路が形成される気化管と、前記気化管が設置されている設置面から当該気化管の下端部までを水平方向における外側から通風路を残して囲み、前記気化管内を前記低温液化ガスが流れるときに生じる霧の前記設置面に沿った広がりを抑制する囲繞隔壁と、前記通風路内に空気の流れを形成する通風手段とを備える低温液化ガスの気化装置の運転方法であって、前記囲繞隔壁の内側から前記霧を含む空気を前記通風路を通じて前記囲繞隔壁の外側に排気する消霧工程と、この消霧工程により前記通風路を規定する壁面及び前記通風手段に付着した霜を前記囲繞隔壁の外側の空気を前記通風路を通じて前記囲繞隔壁の内側に送風することにより除去する除霜工程とが交互に行われることを特徴とする。
かかる構成によれば、前記消霧工程から前記除霜工程に移ることで前記通風路内を流れる空気の流れが反転し、前記消霧工程で前記通風路を規定する壁面や前記通風手段に付着した霜が前記除霜工程で前記通風路内に取り込まれた外気によって溶かされる。
具体的には、前記消霧工程において、前記気化管から発生した霧がその周囲の空気と共に前記囲繞隔壁の内側から外側に排気されることで、希釈拡散されて消霧される。その際、前記周囲の空気が低温液化ガスとの熱交換により冷却されているため、前記通風路内を流れる霧が冷却され霜となり、当該通風路を規定する壁面や前記通風手段に付着する。このようにして前記壁面や前記通風手段に霜がある程度付着した時点で、若しくは適当なタイミングで前記消霧工程から前記除霜工程に移ることで、前記囲繞隔壁の外側の空気(外気)が前記通風路内に取り込まれ、この外気によって除霜される。
また、前記除霜工程において、前記囲繞隔壁の内側に送風された前記空気は、前記同様、前記気化管の間を通って外部に流れ出るときに当該気化管の表面に付着した霜を吹き払い、若しくは溶かす。そのため、前記気化管表面の除霜作業を行う時間間隔が長くなり、当該気化装置の連続運転可能な時間が長くなる。
本発明に係る低温液化ガスの気化装置の運転方法においては、前記通風手段として、前記通風路内に空気の流れを形成するためのファンと、前記ファンを回転駆動するための電動機とを用い、前記ファンの回転方向を、その回転により前記通風路内を前記囲繞隔壁の内側から外側に向けて空気が流れる正回転方向と、前記囲繞隔壁の外側から内側に向けて空気が流れる逆回転方向とに切り換えることにより、前記消霧工程と前記除霜工程とを交互に行う構成が好ましい。
かかる構成とすることで、前記ファンの回転方向を切り換えるだけで、前記通風路内の空気の流れが反転し、前記消霧工程から前記除霜工程へ移ることができる。
また、前記除霜工程では、前記消霧工程で前記通風路内を流れる空気の流量よりも少ない流量で除霜する構成が好ましい。
かかる構成とすることで、前記除霜工程において、前記囲繞隔壁の内側に送風された空気が前記気化管の間を通って当該気化装置の外部に流れ出る際に、この空気の流れによって前記気化管が損傷するのを防止することができる。
以上より、本発明によれば、新たに解霜用の加熱手段を追加することなく、内部に付着した霜を解霜することができる消霧手段を備えた低温液化ガスの気化装置、及びこの低温液化ガスの気化装置の運転方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る低温液化ガスの気化装置(以下、単に「気化装置」とも称する。)は、液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)、液体窒素(LN2)、液体酸素(LO2)等の低温液化ガスを空気と熱交換させることにより気化するための装置である。本実施形態においては、液化天然ガスが気化される場合について説明する。
図1に示されるように、気化装置10は、液化天然ガス(以下、単に「LNG」とも称する。)を気化する気化部12と、気化部12で生じた霧を消霧する消霧部20とで構成される。気化部12は、内部にLNGの流れる流路が形成される気化管14と、この気化管14を設置面G上に支持する支持部材16とを備える。消霧部20は、気化管14で生じた霧が設置面Gに沿って広がるのを抑制する囲繞隔壁22と、この囲繞隔壁22に囲まれた領域(以下、単に「囲繞隔壁の内側」とも称する。)T1の霧を消霧する通風手段24とを備える。
具体的には、気化部12には、気化管14が複数本備えられ、各気化管14は、蒸発部14Aと加温部14Bとを有する。このような気化部12を備えた気化装置10は、タンク(図示省略)等から供給用配管(図示省略)等を通じて供給されるLNGを、まず気化管14の蒸発部14Aにおいて外気と熱交換することにより気化(ガス状化)させて天然ガス(以下、単に「NG」とも称する。)とし、さらに加温部14Bにおいて外気と熱交換することにより所定温度まで昇温させ、その後、排出用配管(図示省略)等を通じて消費地等に供給する。尚、本実施形態において、囲繞隔壁22の外側の領域(以下、単に「囲繞隔壁の外側」とも称する。)T2の空気及びLNGとの熱交換前の空気を外気とも称する。
以下、詳細に説明するが、本実施形態において、蒸発部14Aと加温部14Bとは、共通の気化管14におけるLNGの状態で決定される部位である。従って、以下では、蒸発部14Aと加温部14Bとを区別することなく気化管14として説明する。
気化部12は、内部にLNGが流され、このLNGと外気との熱交換によりLNGを気化させNGとし、その後、所定温度まで昇温させるための複数の気化管14,14,…と、これら複数の気化管14,14,…を設置面Gの上方に支持する支持部材16とを備えている。
気化管14は、上下方向に延び、水平方向(図1における左右方向)に配列される複数の本体管(伝熱管)14a,14a,…と、互いに隣接する本体管14a,14aの上端同士又は下端同士を交互に接続する複数の接続管14b,14b,…とで構成されている。この気化管14は、支持部材16によって設置面Gから当該気化管14の下端が所定の高さ位置となるように支持されている。そして、複数の気化管14,14,…がその本体管14aの配列方向が互いに平行となる姿勢でこの配列方向(図1における左右方向)と直交する方向(図1における紙面と直交する方向)に配列されている。
詳しくは、気化管14を構成する各本体管14aは、いわゆる平行流フィン付気化管であり、長尺の直管状の管本体を備え、その周面に、周方向に沿って複数枚のフィンが平面視放射状となるように設けられている。
このように形成された複数の本体管14a,14a,…は、互いに隣接する本体管14a,14a同士が平行で且つそれぞれの間隔が等間隔となるよう、一列に配列されている。このように配列された複数の本体管14a,14a,…は、U字状の管材(U字管)で構成される接続管14bで接続され、上下方向に蛇行する気化管14を形成する。
以上のように気化部12を構成する複数の気化管14,14,…の一方側の端部には、入り口側ヘッダー18aが接続される。この入り口側ヘッダー18aには前記供給用配管も接続されており、タンク等から供給用配管を通じて供給されたLNGは、この入り口側ヘッダー18aで分配されて、各気化管14に分配・導入される。また、複数の気化管14,14,…の他方側の端部には、出口側ヘッダー18bが接続されている。この出口側ヘッダー18bには、前記排出用配管も接続されており、各気化管14で気化されたLNG(即ち、NG)が集められ、前記排出用配管を通じて消費地等に向けて排出される。
各気化管14は、蒸発部14Aと加温部14Bとに区分される。蒸発部14Aと加温部14Bとは、気化管14内を流通するLNGの状態によって決定される気化管14の部位である。具体的には、各気化管14において、蒸発部14Aは、内部を流通するLNGが外気と熱交換されることによって気化(ガス状化)されるまでの部位であり、加温部14Bは、気化されたLNGがさらに外気と熱交換されることによって所望の温度まで昇温させる部位である。即ち、気化管14が上流側と下流側とで分けられ、上流側が蒸発部14A、下流側が加温部14Bとされたものである。
消霧部20は、前記のように囲繞隔壁22と通風手段24とを備え、気化部12で生じた霧を希釈・拡散することで消霧する。囲繞隔壁22は、設置面Gから気化管14の下端部までを水平方向における外側から囲む壁である。具体的には、この囲繞隔壁22は、複数の気化管14,14,…をその外周に沿って外側から囲む隔壁である。そして、この囲繞隔壁22には、通風手段24が囲繞隔壁22の内側から空気を吸気し又は囲繞隔壁22の内側へ送風するための開口22aが設けられている。この囲繞隔壁22により、気化管14(気化部12)で生じた霧が当該気化管14に沿って下降したときに、設置面Gに沿って広がるのを抑制することができる。
通風手段24は、囲繞隔壁22の近傍に設置され、囲繞隔壁22の内側T1の空気を排気し、又は囲繞隔壁22の内側T1に外気を送風する。具体的には、図2(a)にも示されるように、前記空気の流れる流路を形成する通風路26と、前記空気の流れを形成するファン28と、ファン28を回転駆動するための電動機30と、電動機30の回転方向及び回転数を制御するためのインバーター32とで構成される。
通風路26は、その一部にダクト26aを有する。そして、通風路26は、このダクト26aの端部開口26bから囲繞隔壁22の開口22aまでを繋ぎ、囲繞隔壁22の内側T1の空気を外側T2に排気し、又は外気を囲繞隔壁22の内側T1に送風するときに空気が流通する流路を形成する。
ダクト26aは、通風路26において、囲繞隔壁22の内側T1から外側T2に空気が排気されるときの出口側の端部に設けられ、空気を排気するときに気化部12から離れた方向(図1においては右斜め上方)に向けて排気するためのものである。
ファン28は、ダクト26a内に配され、電動機30から動力伝達ベルト34を介して動力が伝達され回転することで空気の流れを形成する。このファン28は、本実施形態においては、いわゆる軸流ファンである。
インバーター32は、動力盤40に配設され、電動機30と電気的に接続されている。このインバーター32は、電動機30の回転方向及び回転数を制御することでファン28を制御する。即ち、インバーター32は、電動機30を介してファン28の回転方向及び回転数を制御する。具体的には、本実施形態では、ファン28は、インバーター32によって、正回転方向と逆回転方向とに回転方向が切り換えられる。また、インバーター32によって、正回転時よりも逆回転時のファン28の回転数が低回転となるよう制御される。本実施形態において、正回転方向とは、その回転により通風路26内を囲繞隔壁22の内側T1から外側T2に向けて空気が流れる回転方向である。また、逆回転方向とは、その回転により通風路26内を囲繞隔壁22の外側T2から内側T1に向けて空気が流れる回転方向である。
尚、本実施形態の通風手段24においては、スイッチ(図示省略)が切り換えられることで、インバーター32が電動機30の回転方向及び回転数を制御するが、これに限定されず、例えば、電動機30の回転方向のみが可逆電磁開閉器42によって制御されてもよい(図2(b)参照)。即ち、通風手段24は、通風路26内に形成される空気の流れ方向を反転可能に構成されればよく、例えば、ファン28で前記空気の流れを形成する場合、その回転方向を正回転と逆回転とに切り換え可能に構成されることで、前記空気の流れ方向の反転が可能になる。
本実施形態に係る気化装置10は、以上の構成からなり、次に、当該気化装置10の作用について図3も参照しつつ説明する。
LNGを気化するときには、前記のように入り口側ヘッダー18aに供給されたLNGが各気化管14に分配・導入され、出口側ヘッダー18bに向かって各気化管14内を流れる。このとき、LNGは、気化管14を介して空気(外気)と熱交換を行うことで加温される。一方、気化管14と接することでLNGと熱交換した空気では、当該空気が冷却されて露点に達し、当該空気中に含まれる水分が霧となって顕在化する。この霧は、周囲の冷却された空気と共に気化管14(本体管14a)に沿って降下し、気化管14の下方空間、即ち、囲繞隔壁の内側T1に到達する(図3の矢印A1参照)。
このとき、通風手段24では、消霧運転が行われる。具体的には、ファン28が正回転し、通風路26を通じて囲繞隔壁の内側T1から空気を吸気し、ダクト26aから囲繞隔壁22の外側T2へ排気する(図3の矢印A2参照)。そのため、囲繞隔壁22の内側T1に到達した霧は通風路26内に吸気される。その際、霧は、その周囲の空気と共に吸気されることで希釈され、ダクト26aから大気中に排気されることで拡散され、消霧される。
尚、本実施形態においては、通風手段24の吸気量は、気化部12に自然通風した場合に気化管14の間を降下する空気量の2倍以上の空気量である。このような吸気量とすることで、当該気化装置10の気化運転時において、通風手段24は効果的に消霧することが可能となる。また、通風手段24で囲繞隔壁22の内側T1の空気を吸気することにより、気化管14(本体管14a)の間に強制通風がなされ、当該気化装置10の気化性能が向上する。
前記のように霧と共に通風手段24に吸気された空気は、気化管14に沿って囲繞隔壁22の内側T1に降下する際に気化管14内を流れるLNGとの熱交換により低温になっている。そのため、通風路26内では、霧が冷却されて霜となり、ダクト26a内やファン28(特に、ファンのブレード)に付着する。このようにしてダクト26a内やファン28に霜がある程度付着した時点で、通風手段24は消霧運転から除霜運転に切り換えられる。
尚、本実施形態においては、通風手段24の運転状態の切り換えのタイミングは、ダクト26a内やファン28に付着した霜の量を作業員等の目視によって決定される。しかし、これに限定されず、運転状態は、適当なタイミングで定期的に切り換えられてもよい。また、ダクト26a内やファン28に付着した霜が成長すると、通風手段24において振動や異音が生じる。また、電動機30の消費電力が上昇する。そのため、前記振動や異音、電動機30の消費電力量に基づいて運転状態の切り換えが行われてもよい。
このとき、作業員等によって霜の付着量や、振動、異音、電動機30の消費電力量の変化が検出され、手動で運転状態が切り換えられる必要はない。例えば、通風手段24に、前記振動や異音を検出するセンサーや電動機30の消費電を測定する電力計が取り付けられ、このセンサーでの検出値や電力計での測定値等に基づいて運転状態が自動的に切り換えられるように通風手段24が構成されてもよい。
通風手段24の運転状態が切り換えられると、ファン28の回転方向が正回転から逆回転になる。そうすると、通風路26内の空気の流れが反転し、囲繞隔壁22の外側T2から内側T1に向けて通風路26内を外気が流れる。即ち、ダクト26aから外気が取り込まれ、この外気が通風路26を通じて囲繞隔壁22の内側T1に送風される(図3の矢印B1参照)。
このダクト26aから通風路26内に取り込まれた外気は、消霧運転時の囲繞隔壁22の内側T1の空気のようなLNGとの熱交換が行われた空気に比べて温度が高い。また、通常、外気は0℃よりも温度が高い場合が多い。そのため、消霧運転の際にダクト26a内やファン28に付着した霜は、取り込まれた外気に接することによって溶かされる。即ち、除霜用の加熱ヒーター等を用いることなく、消霧のための囲繞隔壁22及び通風手段24をそのまま利用した簡素な構成で、消霧運転時に生じた霜を除霜することが可能となる。
また、前記の囲繞隔壁22の内側T1に送風された外気によって、LNGを気化する際に気化管14表面に付着した霜の除霜も可能となる。即ち、除霜運転の際に囲繞隔壁22の内側T1に送風された外気(図3の矢印B1参照)は、当該囲繞隔壁22によって設置面Gに沿った方向への流れが規制されるため、上方の気化管14に向かって流れる(図3の矢印B2参照)。この空気が気化管14の間を通って当該気化装置10の外部に流れ出る際に、気化管14の表面に付着した霜を吹き払い、若しくは溶かす。
そのため、当該気化装置10の運転を停止して行われる気化管14表面の除霜作業を行う時間間隔が長くなる。従って、当該気化装置10の連続運転可能な時間が長くなり、連続運転時間性能が向上する。
除霜運転では、消霧運転よりも通風路26内を流れる空気の流量が少なくなるように調整される。即ち、消霧運転時のファン28の回転数よりも除霜運転時のファン28の回転数の方が低くなるよう、インバーター32によって電動機30の回転数が調整される。尚、本実施形態においては、作業員等がスイッチを切り換えることで、インバーター32が電動機30の回転数を制御するが、作業員等が手動で電動機30の回転数を変更できるように通風手段24が構成されてもよい。
このように調整されることで、除霜運転においては囲繞隔壁22の外側T2から内側T1に送風された外気が気化管14の間を通って当該気化装置10の外部に流れ出る際に、この空気の流れによって気化管14が損傷するのを防止することが可能となる。即ち、除霜運転において、囲繞隔壁22内に送風される空気の流量を少なくすることで、この空気が気化管14の間を通って気化装置10の外部に流れ出る際、この流れに起因する気化管14の振動や風圧による当該気化管14の損傷が抑制される。
このようにして除霜運転で、ダクト26a内やファン28に付着した霜が除霜されると、通風手段24は、再度、消霧運転に切り換えられる。以上のように、気化装置10において、消霧運転と除霜運転とが交互に切り換えられる。
尚、本発明の低温液化ガスの気化装置10は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、本実施形態において、気化管14は、蒸発部14Aと加温部14Bとが蛇行する連続した一本の流路を形成するように構成されるが、図4に示されるような、蒸発部が複数の伝熱管(本体管)112,112,…を並列に接続した構成であってもよい。
10 気化装置
14 気化管
22 囲繞隔壁
24 通風手段
26 通風路
G 設置面
T1 囲繞隔壁の内側(囲繞隔壁で囲まれた領域)
T2 囲繞隔壁の外側(囲繞隔壁の外側の領域)
14 気化管
22 囲繞隔壁
24 通風手段
26 通風路
G 設置面
T1 囲繞隔壁の内側(囲繞隔壁で囲まれた領域)
T2 囲繞隔壁の外側(囲繞隔壁の外側の領域)
Claims (6)
- 低温液化ガスを気化させるための装置であって、
上下方向に延び、且つ水平方向に配列される複数本の伝熱管がその上端同士又は下端同士を接続されることで内部に前記低温液化ガスの流れる流路が形成される気化管と、
前記気化管が設置されている設置面から当該気化管の下端部までを水平方向における外側から通風路を残して囲み、前記気化管内を前記低温液化ガスが流れるときに生じる霧の前記設置面に沿った広がりを抑制する囲繞隔壁と、
前記囲繞隔壁の内側から前記霧を含む空気を前記通風路を通じて前記囲繞隔壁の外側に排気する消霧状態と、前記囲繞隔壁の外側の空気を前記通風路を通じて前記囲繞隔壁の内側に送風する除霜状態とに切換可能な通風手段とを備えることを特徴とする低温液化ガスの気化装置。 - 請求項1に記載の低温液化ガスの気化装置において、
前記通風手段は、前記通風路内に空気の流れを形成するためのファンと、前記ファンを回転駆動するための電動機と、前記電動機の駆動により回転する前記ファンの回転方向を、その回転により前記通風路内を前記囲繞隔壁の内側から外側に向けて空気が流れる正回転方向と、前記囲繞隔壁の外側から内側に向けて空気が流れる逆回転方向とに切り換える切換手段とを有することを特徴とする低温液化ガスの気化装置。 - 請求項1に記載の低温液化ガスの気化装置において、
前記通風手段は、前記消霧状態での前記通風路内を流れる空気の流量より、前記除霜状態での前記通風路内を流れる空気の流量の方が少なくなるよう、前記通風路内を流れる空気の流量を制御する流量制御手段を有することを特徴とする低温液化ガスの気化装置。 - 低温液化ガスを気化させるための装置であって、上下方向に延び、且つ水平方向に配列される複数本の伝熱管がその上端同士又は下端同士を接続されることで内部に前記低温液化ガスの流れる流路が形成される気化管と、前記気化管が設置されている設置面から当該気化管の下端部までを水平方向における外側から通風路を残して囲み、前記気化管内を前記低温液化ガスが流れるときに生じる霧の前記設置面に沿った広がりを抑制する囲繞隔壁と、前記通風路内に空気の流れを形成する通風手段とを備える低温液化ガスの気化装置の運転方法であって、
前記囲繞隔壁の内側から前記霧を含む空気を前記通風路を通じて前記囲繞隔壁の外側に排気する消霧工程と、この消霧工程により前記通風路を規定する壁面及び前記通風手段に付着した霜を前記囲繞隔壁の外側の空気を前記通風路を通じて前記囲繞隔壁の内側に送風することにより除去する除霜工程とが交互に行われることを特徴とする低温液化ガスの気化装置の運転方法。 - 請求項4に記載の低温液化ガスの気化装置の運転方法において、
前記通風手段として、前記通風路内に空気の流れを形成するためのファンと、前記ファンを回転駆動するための電動機とを用い、前記ファンの回転方向を、その回転により前記通風路内を前記囲繞隔壁の内側から外側に向けて空気が流れる正回転方向と、前記囲繞隔壁の外側から内側に向けて空気が流れる逆回転方向とに切り換えることにより、前記消霧工程と前記除霜工程とを交互に行うことを特徴とする低温液化ガスの気化装置の運転方法。 - 請求項4に記載の低温液化ガスの気化装置の運転方法において、
前記除霜工程では、前記消霧工程で前記通風路内を流れる空気の流量よりも少ない流量で除霜することを特徴とする低温液化ガスの気化装置の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008123182A JP2009270663A (ja) | 2008-05-09 | 2008-05-09 | 低温液化ガスの気化装置、及びこの低温液化ガスの気化装置の運転方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2008
- 2008-05-09 JP JP2008123182A patent/JP2009270663A/ja active Pending
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