JP2009270014A - 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法 - Google Patents
液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(A)Si原子結合アルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサン、(B)SiH基を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒、(D)比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ、(E)1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物、(F)下記一般式:Zr(OR)4-n(OC(=O)R)n(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、nは1〜4の整数である。)で示される化合物、を各々所定量含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
【選択図】なし
Description
(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本組成物中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり1〜10個となる量、
(C)付加反応触媒:有効量、
(D)比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ:0〜50質量部、
(E)1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物:0.1〜10質量部、ならびに、
(F)下記一般式(1):
Zr(OR)4-n(OC(=O)R)n (1)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、nは1〜4の整数である。)
で示される化合物:0.01〜5質量部
を含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を提供する。
繊維布からなる基材と、
上記組成物の硬化物からなり、該基材の少なくとも一方の表面に形成されたシリコーンゴムコーティング層と
を有するカーテンエアーバッグを提供する。
繊維布からなる基材の少なくとも一方の表面に上記組成物を塗布し、
該組成物を硬化させることにより、該基材の少なくとも一方の表面に、該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を形成させる
ことを含む上記カーテンエアーバッグの製造方法を提供する。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、以下の(A)〜(F)成分を含有してなるものであって、室温(25℃を意味する。以下、同じ)で液状のものである。以下、各成分について詳細に説明する。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するものであり、本発明組成物のベースポリマーである。(A)成分のオルガノポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
R1 aSiO(4-a)/2 (2)
(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換又は置換の炭素原子数1〜10、好ましくは1〜8の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数であり、ただし、全R1の0.001〜10モル%、好ましくは0.01〜5モル%がアルケニル基である。)
で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。R1の具体例としては、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基として上記で具体的に挙げたアルケニル基、および(A)成分のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する一価有機基として上記で具体的に挙げた有機基が挙げられる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤として作用する。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。(B)成分の分子構造に特に制限はなく、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状構造(樹脂状)等の、従来製造されている各種のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
R4 bHcSiO(4-b-c)/2 (3)
(式中、R4は、脂肪族不飽和結合を含まない、互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8の、ケイ素原子に結合した一価炭化水素基であり、bおよびcは、好ましくは0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を、より好ましくは1.0≦b≦2.0、0.01≦c≦1.0、かつ1.5≦b+c≦2.5を満足する正数である。)
(C)成分の付加反応触媒としては、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(B)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよい。(C)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。(C)成分としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属や塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金化合物である。
必要に応じて任意的に本発明に用いられる(D)成分の微粉末シリカは、補強剤として作用する。即ち、本発明組成物の硬化物に対して高引裂き強度を付与するものである。(D)成分の微粉末シリカを補強剤として使用することにより、優れた引裂き強度特性を有するコーティング膜を形成することができる。(D)成分の微粉末シリカは、比表面積が、通常、50m2/g以上、好ましくは50〜400m2/g、特に好ましくは100〜300m2/gである。該比表面積がこの範囲内にあると、得られる硬化物に優れた引裂き強度特性を付与しやすい。比表面積はBET法により測定される。(D)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基(例えば、トリアルコキシシリル基、オルガノジアルコキシシリル基、ジオルガノアルコキシシリル基等のアルコキシシリル基などとして)とを有する有機ケイ素化合物であれば、いかなる有機ケイ素化合物でも使用できるが、接着発現性の観点からは、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも2個のケイ素原子結合アルコキシ基(例えば、1個以上のオルガノジアルコキシシリル基として)、特には3個以上のケイ素原子結合アルコキシ基(例えば、1個以上のトリアルコキシシリル基として)とを有する有機ケイ素化合物、例えば、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも2個、特には3個以上のケイ素原子結合アルコキシ基とを有するシラン、またはケイ素原子数が2〜30個、好ましくは4〜20個程度であり、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも2個のケイ素原子結合アルコキシ基とを有する環状もしくは直鎖状のシロキサンであることが好ましい。(E)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(F)成分は、下記一般式(1):
Zr(OR)4-n(OC(=O)R)n (1)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、nは1〜4の整数である。)
で示される有機ジルコニウム化合物、即ち、アシルオキシジルコニウム化合物であり、得られるカーテンエアーバッグに高い気密性を付与する。(F)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物には、前記(A)〜(F)成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのその他の成分は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
反応制御剤は、上記(C)成分の付加反応触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることもできる。その具体例としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体などが挙げられる。
無機充填剤としては、例えば、結晶性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機充填剤;これらの無機充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面疎水化処理した充填剤;シリコーンゴムパウダー;シリコーンレジンパウダーなどが挙げられる。
その他にも、例えば、1分子中に1個のケイ素原子結合水素原子を含有し他の官能性基を含有しないオルガノポリシロキサン、1分子中に1個のケイ素原子結合アルケニル基を含有し他の官能性基を含有しないオルガノポリシロキサン、ケイ素原子結合水素原子もケイ素原子結合アルケニル基も他の官能性基も含有しない無官能性のオルガノポリシロキサン、有機溶剤、クリープハードニング防止剤、可塑剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、防かび剤などを配合することができる。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、上記各成分を常法に準じて混合することにより調製することができる。
このようにして得られる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、フロントピラーからルーフサイドに沿って収納され、衝突時や車両の転倒時に頭部の保護や飛び出しを防ぐために一定膨脹時間を維持することが要求されるカーテンエアーバッグを作製するのに好適なものである。
<組成物の調製>
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sであるジメチルポリシロキサン60質量部、ヘキサメチルジシロキサン8質量部、水2質量部、BET法で測定した比表面積が約300m2/gであるヒュームドシリカ(Aerosil(登録商標)300、日本アエロジル社製)40質量部を室温でニーダー中に投入し、1時間混合して、混合物を得た。この混合物を150℃に加熱し、引き続き2時間混合した。この混合物を室温まで冷却し、この混合物に、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sであるジメチルポリシロキサン24質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、主鎖のジオルガノシロキサン単位中にビニルメチルシロキサン単位を5モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sであるジメチルポリシロキサン5質量部を添加し、均一になるまで混合して、ベースコンパウンド(I)を得た。
この組成物を、コーターで塗りむらなく均一にコーティング可能な最小量となるように、袋織りエアーバッグ基布にコーティングし(80g/m2)、オーブン中で170℃にて1分間加熱して硬化させて、袋織りエアーバッグを作製した。このエアーバッグを用いて、気密性試験を行った。気密性試験は、エアーバッグを140kPaの圧力で膨張させ、30秒後の残存圧力を測定することにより行い、測定された残存圧力の値により気密性を評価した。結果を表1に示す。
実施例1においてイソプロポキシジルコニウム・トリス(2−エチルヘキサノエート)0.15質量部の代わりに、テトライソプロポキシジルコニウム0.10質量部を使用した以外は実施例1と同様にして、組成物Bを調製し、気密性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1においてイソプロポキシジルコニウム・トリス(2−エチルヘキサノエート)0.15質量部の代わりに、トリイソプロポキシジルコニウム(アセチルアセトネート)0.10質量部を使用した以外は実施例1と同様にして、組成物Cを調製し、気密性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1においてイソプロポキシジルコニウム・トリス(2−エチルヘキサノエート)0.15質量部の代わりに、ジイソプロポキシジルコニウム・ビス(アセチルアセトネート)0.10質量部を使用した以外は実施例1と同様にして、組成物Dを調製し、気密性試験を行った。結果を表1に示す。
Claims (5)
- (A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本組成物中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり1〜10個となる量、
(C)付加反応触媒:有効量、
(D)比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ:0〜50質量部、
(E)1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物:0.1〜10質量部、ならびに、
(F)下記一般式(1):
Zr(OR)4-n(OC(=O)R)n (1)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、nは1〜4の整数である。)
で示される化合物:0.01〜5質量部
を含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。 - 本組成物中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子を有する成分が前記(B)成分のみであり、該(B)成分の含有量が、(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当り1〜10個となる量である請求項1に係る組成物。
- カーテンエアーバッグ用である請求項1または2に係る組成物。
- 繊維布からなる基材と、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物の硬化物からなり、該基材の少なくとも一方の表面に形成されたシリコーンゴムコーティング層と
を有するカーテンエアーバッグ。 - 繊維布からなる基材の少なくとも一方の表面に請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物を塗布し、
該組成物を硬化させることにより、該基材の少なくとも一方の表面に、該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を形成させる
ことを含む請求項4に記載のカーテンエアーバッグの製造方法。
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