JP2009269981A - ゴム組成物 - Google Patents

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佳美 久保田
Toshitaka Matsui
淑孝 松井
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Abstract

【課題】シリカを配合したゴム組成物において、ヒステリシスロス(tanδ)を小さくしながら、高温時の弾性率を高くするようにしたゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを5〜100重量部、シルク粉末を1〜20重量部配合すると共に、エポキシシラン化合物を前記シルク粉末配合量の1〜20重量%、硫黄含有シランカップリング剤を前記シリカ配合量の3〜10重量%配合したことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、シリカを配合したゴム組成物において、ヒステリシスロス(tanδ)を小さくしながら、高温時の弾性率を高くするようにしたゴム組成物に関する。
近年、乗用車用空気入りタイヤは、高速走行時の操縦安定性と低転がり抵抗性とを高度に向上させることが求められている。従来、タイヤの転がり抵抗を低減する方法としては、トレッドゴムの補強充填剤として、カーボンブラックの一部又は全部に代えてシリカを配合することによりヒステリシスロス(tanδ)を小さくすることが行なわれている。しかし、シリカはゴムに対する分散性が悪いため多量に配合することが難しく、また、混練り加工時にゴム粘度を高くするため加工性が悪いという問題がある。そのため、これらの対策として、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、シランカップリング剤を配合しても、シリカの配合量を多くすると分散性は低下し、シリカを多量に配合することによる改善には限界があった。すなわち、シリカを多量に配合すると2次凝集が起こるため、低転がり抵抗性をいっそう向上するには限界があった。
この対策として、本発明者らは、シリカと共にシルク粉末を配合することにより、シリカの分散性を一層向上させ、加工性及びタイヤとしての低転がり抵抗性を向上する発明を行ない特許出願を行なった(特願2006−301507号,特願2006−342889号,特願2007−181311号)。
しかし、これらのゴム組成物は、室温時の弾性率は高くなるが、100℃の50%モジュラスなどの高温時の弾性率を高くすることができないという課題がある。そのため高速走行時の操縦安定性を更に向上することについては、まだ課題が残っていた。
特開平7−48476号公報
本発明の目的は、シリカを配合したゴム組成物において、ヒステリシスロス(tanδ)を小さくしながら、高温時の弾性率を高くするようにしたゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを5〜100重量部、シルク粉末を1〜20重量部配合すると共に、エポキシシラン化合物を前記シルク粉末配合量の1〜20重量%、硫黄含有シランカップリング剤を前記シリカ配合量の3〜10重量%配合したことを特徴とする。
前記エポキシシラン化合物の配合量は、前記シルク粉末配合量の4〜12重量%にするとよく、前記エポキシシラン化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがよい。また、前記シルク粉末の粒径は1〜150μmにするとよい。
このゴム組成物は、タイヤ部品用に使用されるとよく、特に空気入りタイヤのキャップトレッド部、アンダートレッド部、サイドウォール部、ビードフィラー部、リムクッション部から選ばれる少なくとも1つの部材を構成するのに好適である。
本発明のゴム組成物によれば、上述した組成からなるので、シルク粉末をシリカと共に配合することによりシリカの分散性を向上し、ヒステリシスロス(tanδ)を小さくすることができる。加えて、エポキシシラン化合物と硫黄含有シランカップリング剤を共に配合したので、前者のエポキシシラン化合物は、そのエポキシ基がシルク粉末表面のアミド基と相互作用を生ずると共に、エポキシシラン化合物のアルコキシ基が、シリカのシラノール基と相互作用を生じ、さらにシリカと後者の硫黄含有シランカップリング剤のシロキサン結合と、硫黄含有シランカップリング剤のポリスルフィド部分とジエン系ゴム分子とに結合が生ずるため、シルク粉末とジエン系ゴムとが結合する。これらの結合により分子間結合力を強くし、高温時の弾性率を高くすることができる。
したがって、このゴム組成物を使用して空気入りタイヤを構成したときは、ヒステリシスロス(tanδ)が小さいため低転がり抵抗性が向上すると共に、高温時の弾性率が大きいため高速走行時の操縦安定性を向上することができる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分としてジエン系ゴムを使用する。ジエン系ゴムとしては、特に制限されるものではなく、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるゴム成分であればよい。例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。好ましくは天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムがよい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明のゴム組成物において、シリカはゴム組成物のヒステリシスロス(tanδ)を小さくすることができる。そのため、タイヤ用ゴム組成物として使用されるときは燃料消費量の低減に寄与する。シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部にする。シリカの配合量が5重量部未満の場合、tanδを小さくする効果が低減する。また、シリカの配合量が100重量部を超えると、シリカのマトリックスのジエン系ゴムに対する分散性が悪化すると共に、ゴム組成物の粘度が大きくなるため加工性が悪化する。
本発明において使用するシリカは、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、無水微粉ケイ酸、含水微粉ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウム等を例示することができる。
シリカのジエン系ゴムに対する分散性は、後述する硫黄含有シランカップリング剤の作用で向上するが、本発明のゴム組成物で使用するシルク粉末は、ゴム組成物中のシリカの2次凝集を抑制する作用を有するためシリカの分散性を大幅に向上し、シリカの配合により得られる低ヒステリシスロス(低tanδ)を更に向上する作用を行なう。また、シリカの2次凝集をなくすのでペイン効果による弾性率の低下を防止する。シルク粉末の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し1〜20重量部、好ましくは5〜20重量部にする。シルク粉末の配合量が1重量部未満の場合、シリカの分散性を向上することができないため、tanδを十分に小さくすることができない。また、シルク粉末の配合量が20重量部を超えると、ゴムに対する混合性が悪化しまとまりが悪くなり、ゴム強度が低下する。なお、シルク粉末は、シリカより少なく配合するとよい。すなわちシリカの配合量をシルク粉末より多くすることにより、加工性がよく、高弾性かつ低tanδを有するゴム組成物を得ることができる。
シルク粉末は、絹糸を粉末状に微粒化したものである。微粒化する方法は、特に制限されるものではなく、例えば機械的に粉砕する方法や、化学的に液化してから乾燥させる方法を挙げることができる。なかでもボールミルやジェットミルなどを用いた機械的粉砕により得られたシルク粉末が好ましい。
絹糸を機械的に粉砕する方法は、直接粉砕機に入れて粉砕してもよいが、好ましくは予め絹糸にアルカリ処理、乾熱処理、水蒸気処理を施して脆化させてから粉砕するとよい。絹糸を予め脆化させることによりシルク粉末の粒径をより小さくし、かつ粒径が均一に揃った粉末にすることができる。
アルカリ処理としては、例えば絹糸を水酸化ナトリウムに浸漬した後、塩酸で中和し、さらに洗浄・乾燥する方法が例示される。乾熱処理としては、例えば熱風乾燥機中で温度180〜300℃で30〜480分間加熱する方法が例示される。また、水蒸気処理としては、例えば温度160〜230℃、圧力600〜2800kPaの水蒸気に10〜120分間暴露する方法が挙げられる。なお、アルカリ処理、乾熱処理又は水蒸気処理を過度に行なうと、シルク粉末表面のアミド基、カルボニル基等の官能基を低減させるので好ましくない。
シルク粉末の粒径は、特に制限させるものではないが、好ましくは1〜150μm、より好ましくは5〜125μmにするとよい。シルク粉末の粒径が150μmより大きいと、ゴム組成物のtanδを低減する効果が十分に得られないと共に、耐摩耗性が低下する。また、シルク粉末の粒径が1μm未満の場合、ゴム組成物の弾性率が低下する。なお、ゴム組成物のtanδの低減を重視するときは、シルク粉末の粒径を好ましくは25〜125μmにするとよい。一方、ゴム組成物の弾性率を高くするときは、上述した粒径範囲内でシルク粉末の粒径を大きくするのがよい。
ここで、シルク粉末の粒径とは、タイラー標準篩いを使用して篩い分けを行ない、その篩いのタイラー目開き(μm)に設定された所定の粒径に篩い分けられた最大の粒径をいう。
本発明のゴム組成物において、エポキシシラン化合物は、シルク粉末、シリカ、硫黄含有シランカップリング剤と共存させることにより、ゴム組成物の高温時の弾性率を高くするという作用を行なう。エポキシシラン化合物は、そのエポキシ基がシルク粉末表面のアミド基と相互作用を生じると共に、エポキシシラン化合物のアルコキシ基が、シリカのシラノール基と相互作用を生じる。さらに、このシリカと硫黄含有シランカップリング剤のシロキサン結合と、硫黄含有シランカップリング剤のポリスルフィド部分とジエン系ゴム分子との結合が生じる。このため、シルク粉末とジエン系ゴムとが、エポキシシラン化合物、シリカ及び硫黄含有シランカップリング剤を介して高い分子間力で結合可能にする。このようにしてゴム組成物における分子間力が強くなるので、低温時のみならず、特に高温時の弾性率を高くすることができる。したがって、タイヤ用ゴム組成物として使用する場合には、操縦安定性の向上に大いに寄与することができる。また、エポキシシラン化合物は、シルク粉末によるシリカの分散性を向上する効果を低下させることはないので、シリカによって得られるゴム組成物の低tanδを維持することができる。
本発明において、エポキシシラン化合物の配合量は、シルク粉末配合量の1〜20重量%、好ましくは4〜12重量%にする。エポキシシラン化合物がシルク粉末配合量の1重量%未満の場合、高温時の弾性率を高くする効果が十分に得られない。また、エポキシシラン化合物がシルク粉末配合量の20重量%を超える場合、tanδが大きくなる。
エポキシシラン化合物としては、分子内にアルコキシ基を少なくとも2つ、好ましくは3つ以上有するものがよい。例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを例示することができる。これらのエポキシシラン化合物は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用するエポキシシラン化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは、メトキシ基を3つ有しているため硫黄含有シランカップリング剤のシロキサン結合との反応性が高く、かつシクロヘキシル基のように嵩高い置換基を有していないため反応性に富むため、tanδを小さくすると共に、弾性率を高くすることができる。なお、本発明において、エポキシシラン化合物は、硫黄を含まないものとする。
本発明のゴム組成物において、硫黄含有シランカップリング剤は、シリカとジエン系ゴムにカップリング作用を与えシリカの分散性を向上する。硫黄含有シランカップリング剤の配合量は、シリカ配合量の3〜10重量%、好ましくは5〜10重量%にする。硫黄含有シランカップリング剤が、シリカ配合量の3重量%より少ないと、シリカの分散性を十分に向上することができず、tanδの低減効果が不足する。また、硫黄含有シランカップリング剤が、シリカ配合量の10重量%を超えると、シランカップリング剤同士が重合してしまい、所望の効果を得ることができない。
硫黄含有シランカップリング剤は、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであればよいが、例えば3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、2,2′−ビス(トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3′−ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)ヘキサスルフィド、3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、3,3′−ビス(トリオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(トリヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3′−ビス(トリ−2”−エチルヘキソキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3′−ビス(トリイソオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(トリ−t−ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、2,2′−ビス(メトキシジエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、2,2′−ビス(トリプロポキシシリルエチル)ペンタスルフィド、3,3′−ビス(トリシクロヘキソキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(トリシクロペントキシシリルプロピル)トリスルフィド、2,2′−ビス(トリ−2”−メチルシクロヘキソキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルメチル)テトラスルフィド、3−メトキシエトキシプロポキシシリル3′−ジエトキシブトキシシリルプロピルテトラスルフィド、2,2′−ビス(ジメチルメトキシシリルエチル)ジスルフィド、2,2′−ビス(ジメチル−sec−ブトキシシリルエチル)トリスルフィド、3,3′−ビス(メチルブチルエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(ジ−t−ブチルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、2,2′−ビス(フェニルメチルメトキシシリルエチル)トリスルフィド、3,3′−ビス(ジフェニルイソプロポキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(ジフェニルシクロヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3′−ビス(ジメチルエチルメルカプトシリルプロピル)テトラスルフィド、2,2′−ビス(メチルジメトキシシリルエチル)トリスルフィド、2,2′−ビス(メチルエトキシプロポキシシリルエチル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(ジエチルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(エチル−ジ−sec−ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3′−ビス(プロピルジエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3′−ビス(ブチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3′−ビス(フェニルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−フェニルエトキシブトキシシリル3′−トリメトキシシリルプロピルテトラスルフィド、4,4′−ビス(トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、6,6′−ビス(トリエトキシシリルヘキシル)テトラスルフィド、12,12′−ビス(トリイソプロポキシシリルドデシル)ジスルフィド、18,18′−ビス(トリメトキシシリルオクタデシル)テトラスルフィド、18,18′−ビス(トリプロポキシシリルオクタデセニル)テトラスルフィド、4,4′−ビス(トリメトキシシリル−ブテン−2−イル)テトラスルフィド、4,4′−ビス(トリメトキシシリルシクロヘキシレン)テトラスルフィド、5,5′−ビス(ジメトキシメチルシリルペンチル)トリスルフィド、3,3′−ビス(トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(ジメトキシフェニルシリル−2−メチルプロピル)ジスルフィドを例示することができる。なかでも好ましい硫黄含有シランカップリング剤は3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドであり、とりわけ3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが好ましい。これらの硫黄含有シランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、硫黄含有シランカップリング剤は、エポキシ基若しくはグリシドキシ基を含まないものとする。
本発明のゴム組成物には、シリカ以外の無機充填剤としてカーボンブラックや他の無機充填剤を配合してもよい。他の無機充填剤としては、例えば、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、マイカ、タルク、酸化チタン、塩基性炭酸マグネシウム等を例示することができる。
カーボンブラックはゴム組成物の弾性率や耐摩耗性の向上に寄与する。カーボンブラックを配合する場合には、その配合量はジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは5〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部にするとよい。カーボンブラックの配合量が5重量部未満の場合、カーボンブラックに基づくゴム組成物の弾性率やゴム強度の向上効果は得られない。また、カーボンブラックの配合量が100重量部を超えると、tanδが大きくなると共に、ゴム組成物の粘度が高くなり加工性が悪化する。
カーボンブラックは、窒素吸着比表面積(NSA)が好ましくは70〜150m/gのものを使用するとよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が70m/g未満場合、ゴム強度が不足し、耐摩耗性が悪化する。また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積が150m/gを超える場合には、分散性が悪化し、加工性が悪くなると共に、tanδが大きくなる。なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して求めたものとする。
また、本発明のゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
以上、詳細を説明したように、本発明のゴム組成物は、シリカの分散性を向上するためtanδを小さくすると共に、弾性率、特に高温時の弾性率を高くすることができる。したがって、本発明のゴム組成物を空気入りタイヤに使用した場合には、tanδが小さいため低転がり抵抗性に優れると共に、高温時の弾性率が高いため高速走行時の操縦安定性を向上することができる。また、ゴム組成物の粘度が低く加工性に優れると共に、十分なゴム強度が得られるので耐摩耗性も向上することができる。
本発明のゴム組成物は、空気入りタイヤのキャップトレッド部、アンダートレッド部、サイドウォール部、ビードフィラー部、リムクッション部を構成するのに好適である。このような部材を少なくとも1つ備えた空気入りタイヤは、低転がり抵抗性が優れ燃費性能が高く、かつ高速走行時の操縦安定性に優れる。特に、粒径25〜125μmのシルク粉末を配合したゴム組成物から構成したアンダートレッド部、サイドウォール部、ビードフィラー部の少なくとも1つを備えた空気入りタイヤは、高速走行時の操縦安定性が特に優れる。また、粒径1〜25μmのシルク粉末を配合したゴム組成物から構成したキャップトレッド部、サイドウォール部、リムクッション部の少なくとも1つを備えた空気入りタイヤは、ゴム強度が高いため耐摩耗性が特に優れる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1,2に示す配合からなる12種類のゴム組成物(実施例1〜8、比較例1〜4)を、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分を秤量し、1.7Lのバンバリーミキサーで4分間混練し、155±5℃に達したときにマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.7Lのバンバリーミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え混合し、ゴム組成物を調製した。
得られた12種類のゴム組成物(実施例1〜8、比較例1〜4)の加工性の指標としてムーニー粘度(ML1+4)を測定した。また、各ゴム組成物をそれぞれ所定形状の金型中で、160℃、20分間加硫して試験片(加硫ゴムシート)を作製し、弾性率(23℃,100℃)、tanδ(60℃)を下記に示す方法により測定し、実施例1,6〜8のゴム組成物については耐摩耗性を下記に示す方法により測定した。
加工性(ムーニー粘度、ML1+4
得られたゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)を、JIS K6300に準拠し、L形ロータ(試験機:島津製作所社製SMV300J)を使用し、予熱時間1分、ローター回転時間4分、温度100℃の条件で測定した。得られた結果は、比較例1のムーニー粘度を100とする指数として、表1,2に示す。この指数が、小さいほど粘度が低く、加工性が良好であることを意味する。
弾性率(23℃,100℃)
得られた各試験片の弾性率を、JIS K6251に準拠し、3号型ダンベル試験片に成形し、引張り速度500mm/分、温度23℃,100℃の各条件で50%モジュラス(M50)を測定した。得られた結果は比較例1をそれぞれ100とする指数として表1,2に示す。これらの指数が大きい程弾性率が高く操縦安定性に優れることを意味する。
tanδ(60℃)
岩本製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、静的歪率10%、動的歪率±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件でtanδを測定した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数として表1,2に示す。tanδ(60℃)の指数が小さいほどヒステリシスロス(tanδ)が小さく低転がり抵抗性に優れることを意味する。
耐摩耗性
実施例1,6〜8の試験片をJIS K6264に準拠して、岩本製作所社製ランボーン摩耗試験機を使用して、荷重49N、スリップ率25%、時間4分、室温の条件で、摩耗量を測定した。得られた結果は、実施例1の逆数を100とする指数として表2に示す。この指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
Figure 2009269981
Figure 2009269981
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
NR:天然ゴム、RSS#3
カーボンブラック:東海カーボン社製シースト7HM(窒素吸着比表面積=126m/g)
シリカ:Rhodia社製ZEOSIL 165MP
シルク粉末1:タイラー標準篩いで篩分した粒径50μm以下のシルク粉末、シナノケンシ社製アルカリ処理シルクパウダー
シルク粉末2:タイラー標準篩いで篩分した粒径20μm以下のシルク粉末、シナノケンシ社製アルカリ処理シルクパウダー
シルク粉末3:タイラー標準篩いで篩分した粒径125μm以下のシルク粉末、シナノケンシ社製アルカリ処理シルクパウダー
シルク粉末4:タイラー標準篩いで篩分した粒径175μm以下のシルク粉末、シナノケンシ社製アルカリ処理シルクパウダー
シランカップリング剤:3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、デクサ社製Si69
エポキシシラン1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製KBM−403
エポキシシラン2:3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、日本ユニカー社製AZ−6137
エポキシシラン3:2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、信越化学工業社製KBM−303
ステアリン酸:日本油脂社製ビーズステアリン酸
老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
パラフィンワックス:大内新興化学工業社製サンノックス
アロマオイル:ジャパンエナジー社製プロセスX−140
硫黄:鶴見化学工業社製油処理硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−G
加硫促進剤2:住友化学工業社製ソクシノールD−G

Claims (6)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを5〜100重量部、シルク粉末を1〜20重量部配合すると共に、エポキシシラン化合物を前記シルク粉末配合量の1〜20重量%、硫黄含有シランカップリング剤を前記シリカ配合量の3〜10重量%配合したゴム組成物。
  2. 前記エポキシシラン化合物を前記シルク粉末配合量の4〜12重量%配合した請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記エポキシシラン化合物が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記シルク粉末の粒径が1〜150μmである請求項1,2又は3に記載のゴム組成物。
  5. タイヤ部品用に使用される請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 請求項5に記載のゴム組成物が、キャップトレッド部、アンダートレッド部、サイドウォール部、ビードフィラー部、リムクッション部から選ばれる少なくとも1部材を構成した空気入りタイヤ。
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