JP2009269467A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステアリングシャフト4と操舵側プーリ26とを解除可能に連結するためのクラッチ23が設けられている。クラッチ23は、タウメル機構35を含んでいる。タウメル機構35は、アウターリング37と、筒状部材38と、インナーリング39と、各リング37,39を互いにロックするための一対の円弧状のロック部材41,42とを含む。各ロック部材41,42の基端部間に挿入可能な軸93と、この軸93を軸方向X2の一方X2a付勢する付勢部材71とをさらに備えている。軸93の先端部93bには、各ロック部材41,42の基端部に係止可能な先細り状のテーパ部94が形成されている。
【選択図】図3
Description
図1は、本発明の一実施の形態に係る車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、本実施の形態に係る車両用操舵装置1は、操舵部材2と転舵輪10との機械的な連結を解除可能なステアバイワイヤ式の車両用操舵装置であり、ステアリングホイール等の操舵部材2と、ラックアンドピニオン機構を含む転舵機構3とを備えている。
転舵機構3は、車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸6と、ラック軸6に形成されたラック6aに噛み合うピニオン7aが一端に連結されたピニオン軸7と、ラック軸6に転舵力を付与するための電動モータからなる転舵用アクチュエータ8とを含む。
転舵角θtは、ピニオン軸7の回転角を用いて表されるものであり、ピニオン軸7の操舵中立位置からの回転角として表される。
上記操舵角θwに関する信号および操舵トルクTwに関する信号は、反力制御部18に入力される。反力制御部18は、CPU、RAMおよびROMを含む電子制御ユニット(Electronic Control Unit)であり、操舵部材2に付与される操舵反力を制御するために設けられている。反力制御部18は、反力用アクチュエータ5に接続されている。反力制御部18は、検出された操舵角θwおよび操舵トルクTw等に基づいて、図示しない駆動回路を介して反力用アクチュエータ5の駆動を制御する。
転舵制御部19は、CPU、RAMおよびROMを含む電子制御ユニット(Electronic Control Unit)であり、転舵用アクチュエータ8から転舵機構3に付与される転舵力を制御する。転舵制御部19は転舵用アクチュエータ8に接続されている。
転舵制御部19は、検出された操舵角θw、操舵トルクTw、転舵角θt、車速V、横加速度Gs、ヨーレートγ、反力用アクチュエータ5の電流I1および転舵用アクチュエータ8の電流I2等に基づいて、転舵用アクチュエータ8の駆動を、図示しない駆動回路を介して制御する。転舵制御部19と反力制御部18とは双方向に通信可能に接続されている。通常時には、操舵部材2と転舵輪10とは機械的に連結されていない。
図2は、車両用操舵装置1の要部の模式的な拡大図である。図1および図2を参照して、伝達機構24は、操舵側ハウジング25内に回転可能に保持された第2の回転部材としての操舵側プーリ26と、転舵側ハウジング27内に回転可能に保持された転舵側プーリ28と、一対の伝達ケーブル31,32とを有している。
一対の伝達ケーブル31,32は、それぞれ、可撓性を有しており、アウターチューブ33と、アウターチューブ33内を移動可能に挿通するインナーケーブル34とを有している。各伝達ケーブル31,32のアウターチューブ33は、一端が操舵側ハウジング25に接続され、他端が転舵側ハウジング27に接続されている。
一方の伝達ケーブル31のインナーケーブル34と、他方の伝達ケーブル32のインナーケーブル34とは、操舵側プーリ26に互いに逆方向に巻き付けられている。
図3は、クラッチ23周辺の要部の断面図である。図4(A)は、図3のIVA−IVA線に沿う断面図である。図4(B)は、図4(A)のIVB−IVB線に沿う断面図である。図3および図4(A)を参照して、ステアリングシャフト4と操舵側プーリ26とは、同軸的に配置されている。クラッチ23は、第1の回転部材としてのステアリングシャフト4と第2の回転部材としての操舵側プーリ26とをトルク伝達可能に連結するためのタウメル機構35と、タウメル機構35を操作するための操作機構36とを備えている。
なお、一対のロック部材41,42は、図示しないリング状バネのバネ力によって、ロックする位置に付勢されている。
インナーリング39は、環状の外歯車を用いて形成されており、アウターリング37の環状の溝43内に配置されている。このインナーリング39は、アウターリング37に対して偏心配置されている。インナーリング39の外周面には、外歯部47が全周に亘って形成されており、内歯部44の一部と噛み合っている。インナーリング39の内周面39aは、筒状部材38の外周面38aと互いに偏心して対向している。
一対のロック部材41,42は、筒状部材38の外周面38aおよびインナーリング39の内周面39aの双方に摩擦係合することにより、筒状部材38とインナーリング39とを互いにロックするものである。筒状部材38とインナーリング39との互いのロックにより、アウターリング37とインナーリング39とが互いにロックされることとなる。
各ロック部材41,42の内側面49は、筒状部材38の外周面38aと概ね等しい曲率半径を有する円弧状に形成されており、当該外周面38aに当接している。
各ロック部材41,42の外側面50は、インナーリング39の内周面39aと概ね等しい曲率半径を有する円弧状に形成されており、当該内周面39aに当接している。
各ロック部材41,42の先端部53は、周方向C1に沿って滑らかに凸湾曲しており、操作機構36の後述する第2の操作部材57と滑らかに係合することが可能とされている。
主体部54は、第1、第2および第3の部分61,62,63を有しており、軸方向X1に沿って第1、第2および第3の部分61,62,63がこの順に並んでいる。第1の部分61は、円板状に形成されており、ステアリングシャフト4の他端に同行回転可能に連結されている。第2の部分62は、第1の部分61と比べて厚肉に形成された円板状の部材であり、ソレノイド55を保持するための保持孔64が形成されている。保持孔64は、ステアリングシャフト4の中心軸線46に対して偏心して配置されている。第3の部分63は、筒状に形成されており、第1の操作部材56を収容している。芯合わせ部58は、第3の部分63から軸方向X1に沿って延設されて環状をなしている。この芯合わせ部58は、筒状部材38に遊嵌されているとともに、操舵側プーリ26に形成された挿通孔65に遊嵌されている。
固定子67および可動子68は、ソレノイドハウジング66内に収容されている。固定子67は、ソレノイドハウジング66に固定されているとともに、転舵制御部19に接続されている。可動子68は、固定子67に対して、ステアリングシャフト4の軸方向X1に移動可能となっている。固定子67および可動子68の互いの対向面は、例えば断面多角形形状に形成されており、固定子67および可動子68が可動子68の中心軸線の回りを回動しないようにされている。
第1の操作部材56は、一対のロック部材41,42による、筒状部材38(アウターリング37)およびインナーリング39の互いのロックを達成させるためのものである。この第1の操作部材56は、柱状の小片部材としての軸93を含んでいる。軸93は、当該軸93の軸方向X2(以下、単に軸方向X2ともいう)に沿って、一対のロック部材41,42の基端部51間に挿入可能とされている。軸93は、接続部材70に固定されている基端部93aと、基端部93aとは反対側に位置する先端部93bとを含んでいる。軸93の先端部93bは、タウメル機構35の一対のロック部材41,42の基端部51,51間の空間と、軸方向X2に沿って対向している。ステアリングシャフト4のトルクは、主体部54、ソレノイド55および接続部材70を介して、第1の操作部材56に伝達される。
第2の操作部材57は、断面円弧形形状に形成されており、第1の操作部材56とは周方向C1に関して位相が約180°ずらされている。第2の操作部材57は、収容空間48に配置されており、周方向C1に関して、一対のロック部材41,42の先端部53,53間に位置している。周方向C1に関して、第2の操作部材57の一端部57aと一方のロック部材41の先端部53との間に所定の隙間72が設けられている。同様に、周方向C1に関して、第2の操作部材57の他端部57bと他方のロック部材42の先端部53との間に所定の隙間73が設けられている。
具体的には、ソレノイド55の可動子68は、転舵制御部19の制御によって、ソレノイドハウジング66内に退避した位置に保持されている。これにより、操作機構36の第1の操作部材56は、図3および図4(A)に示すように、一対のロック部材41,42の基端部51,51間には配置されていない。一方、第2の操作部材57は、収容空間48において、一対のロック部材41,42の先端部53,53間に配置されている。操舵部材2の回転に伴いステアリングシャフト4が中心軸線46の回りを周方向C1の一方C1aに沿って回転すると、ステアリングシャフト4に同行して第2の操作部材57が回転する。
具体的には、転舵制御部19がソレノイド55の固定子67への通電を遮断することで、固定子67による可動子68の保持が解除される。これにより、可動子68は、付勢部材71の付勢力によって、ソレノイドハウジング66から突出するように軸方向X2の一方X2aに沿って変位される。これにより、第1の操作部材56の軸93の先端部93bは、図7、図8(A)および図8(B)に示すように、一対のロック部材41,42の基端部51,51間に挿入される。
このとき、各ロック部材41,42は、第2の操作部材57とは当接していない。より具体的には、図9(A)を参照して、第1の操作部材56にトルクが作用していないとき、一方のロック部材41の先端部53と第2の操作部材57の一端部57aとは、周方向C1に関する隙間長さS1が所定値S0とされている。また、他方のロック部材42の先端部53と第2の操作部材57の他端部57bとは、周方向C1に関する隙間長さS2が所定値S0とされている。
この状態から、図7および図9(B)に示すように、操舵部材2が例えば周方向C1の一方C1aに操作されることにより、操舵トルクT1がステアリングシャフト4に伝達されると、この操舵トルクT1は、操作機構36の主体部54、ソレノイド55および接続部材70を介して、第1の操作部材56の軸93に伝達される。第1の操作部材56の軸93に伝達された操舵トルクT1により、第1の操作部材56の軸93は、一方のロック部材41の基端部51を周方向C1の一方C1aに押圧する。これにより、一方のロック部材41は、筒状部材38の外周面38aおよびインナーリング39の内周面39aの双方に摩擦係合する。
これにより、一対のロック部材41,42の基端部51,51間の間隔D1の拡大に拘わらず、テーパ部94とテーパ状部91,92のそれぞれとの係止が維持される。具体的には、一対のロック部材41,42の基端部51,51間の間隔D1がD10からD11へ拡大することに伴い、軸93は、軸方向X2の一方X2aに移動し、テーパ部94と各テーパ状部91,92との面接触がそれぞれ維持される。このとき、付勢部材71の全長L1は、L10からL11に伸びる。
これにより、一対のロック部材41,42の基端部51,51間の間隔D1の拡大に拘わらず、テーパ部94とテーパ状部91,92のそれぞれとの係止が維持される。具体的には、一対のロック部材41,42の基端部51,51間の間隔D1がD11からD12へ拡大することに伴い、軸93は、軸方向X2の一方X2aに移動し、テーパ部94と各テーパ状部91,92との面接触がそれぞれ維持される。このとき、付勢部材71の全長L1は、L11からL12に伸びる。
この場合、一対のロック部材41,42の基端部51,51間の間隔D1は拡がる。しかしながら、軸93が付勢部材71によって軸方向X2の一方X2aに変位可能に付勢されており、且つ、軸93のテーパ部94が一対のロック部材41,42のテーパ状部91,92に係止可能とされている。これにより、一対のロック部材41,42の基端部51間の間隔D1の拡大に拘わらず、テーパ部94と各テーパ状部91,92との係止を維持することができる。
これにより、軸93等を介したステアリングシャフト4と操舵側プーリ26との間のトルクの伝達に遅れが生じることを防止でき、操舵部材2の操舵に対する転舵輪10の応答遅れを防止できる。かかる応答遅れが生じないようにされているので、運転者は、応答遅れを予見した操舵を行う必要がなく、運転者の操舵フィーリングを格段に向上できる。
例えば、上記実施の形態において、クラッチ23は、伝達機構24と転舵機構3との間に配置されてもよい。
Claims (1)
- 操舵部材と転舵輪との機械的な連結を解除可能な車両用操舵装置において、
操舵部材および転舵機構の何れか一方に連なる第1の回転部材および他方に連なる第2の回転部材と、
第1の回転部材のトルクが伝達されるトルク伝達部材と、
上記トルク伝達部材のトルクを第2の回転部材に伝達するためのタウメル機構と、を備え、
上記タウメル機構は、内歯部を有し第2の回転部材と同行回転可能なアウターリングと、アウターリングの内側に配置されアウターリングと同行回転可能な筒状部材と、内歯部に噛み合う外歯部および筒状部材の外周面を取り囲む内周面を有し筒状部材に対して偏心配置されたインナーリングと、筒状部材の外周面およびインナーリングの内周面の双方に接触可能に配置され筒状部材およびインナーリングを互いにロックするための一対の円弧状のロック部材と、を含み、
各上記ロック部材は、筒状部材の周方向に沿って互いに離れるほど先細りとなるようにくさび状に形成されることにより、相対的に太い基端部と、相対的に細い先端部とを有するとともに、この太い基端部には、テーパ状部を有する凹部が形成されており、
上記トルク伝達部材は、一対のロック部材の基端部間に軸方向に沿って挿入可能な軸を含み、
上記軸を各上記基端部間に挿入する方向に付勢する付勢部材をさらに備え、
上記軸の端部には、上記一対のロック部材の太い基端部に形成された凹部のテーパ状部に係止可能な先細り状のテーパ部が形成されていることを特徴とする車両用操舵装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008121505A JP2009269467A (ja) | 2008-05-07 | 2008-05-07 | 車両用操舵装置 |
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JP2009269468A (ja) * | 2008-05-07 | 2009-11-19 | Jtekt Corp | 車両用操舵装置 |
WO2014068626A1 (ja) * | 2012-11-05 | 2014-05-08 | トヨタ自動車株式会社 | クラッチ装置および操舵装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007022460A (ja) * | 2005-07-20 | 2007-02-01 | Fuji Kiko Co Ltd | 車両用操舵装置 |
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- 2008-05-07 JP JP2008121505A patent/JP2009269467A/ja active Pending
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