JP2009269301A - 易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた寸法安定性・透明性・配向特性を有しながら、水溶性・親水性樹脂に対する接着性を有する易接着性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも片面に易接着層を有する易接着性ポリエステルフィルムであって、前記易接着層が自己架橋性ポリウレタン樹脂を主たる構成成分とし、ヘーズが7.0%以下であり、150℃における熱収縮率が4.0%以下であり、配向主軸の歪みが8度以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、易接着性ポリエステルフィルムに関するものであり、詳しくは、高い配向特性を有し、水溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層との接着性に優れた易接着性ポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)あるいはポリエチレンナフタレート(PEN)に代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等の優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種の用途において支持フィルムとして使用されている。特に、配向ポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、透明性の点で優れ、帯電防止、反射防止、ハードコートなど各種機能層を設けた支持フィルムとして使用されている。
二軸延伸フィルムでは、一般にボーイングという現象により、幅方向で物性の歪みが生じやすい。このような機械的、物理的、光学的な歪みに由来して種々の問題が生じる場合がある。例えば、包装材として使用する場合は、加熱後に印刷したデザインが歪んだり、寸法が不均一になることがある。さらに、光学用途においても偏光下での虹むらが生じて視認性が低下したりする。そのため、これらの用途には、例えば実質的に一軸方向にのみ延伸したような配向特性の高いフィルムが要求される。
配向ポリエステルフィルムは、その表面が高度に結晶化されているために凝集力が強く、したがって、各用途毎の機能層との接着性に乏しい欠点がある。かかる欠点を解消するために、下記特許文献のように、ポリエステルフィルムの表面に結晶性の低いポリエステル層を共押出により積層する方法、易接着層として水分散性のポリエステル系樹脂やアクリル樹脂を塗布する方法等が提案されている。
特公昭49−10243号公報 特開昭52−19786号公報 特開昭52−19787号公報 特開昭54−43017号公報
しかるに上記公知の方法において、易接着層としてポリエステル系樹脂、アクリル樹脂を使用した支持フィルムは、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂を主成分とする機能層との密着には適しているものの、ポリビニルアルコール(PVOH)、ゼラチン等の水溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層との接着性に劣るという欠点がある。
また、前記したポリエステルフィルムにおいては、展示用ディスプレイ、看板、ラベル、ノートパソコン、PDA、プラズマディスプレイなど屋外で使用される用途も多く、従来のポリエステルフィルムでは、耐光性が不足する場合もあった。ポリエステルフィルムの耐光性を改良する目的で、下記特許文献のようなフィルムが提案されているが、前記した水溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層に対する接着性については満足のいくものではなかった。
特開2002−244247号公報 特開2003−1703号公報 特開2003−191390号公報 特開2003―237006号公報 特開2004−10875号公報 特開2004−10875号公報 特開2004−54160号公報 特開2004―58435号公報 特開2004−149548号公報 特開2004−202890号公報 特開2004−250624号公報 特開2004―285310号公報
さらに、後加工で加熱処理がなされる場合、もしくは、部材として長時間高温に曝される場合、オリゴマーの析出による透明性の低下する場合がある。これら用途では、上記特性を有しながら、さらに高温でも高い透明性を有することが望ましい。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものである。すなわち、本発明の課題は、ポリエステルフィルムの優れた寸法安定性と高い透明性を有しながら、高い配向特性を有し、かつ水溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層等に対する接着性に優れた易接層を有する易接着性ポリエステルフィルムを提供することにある。また、加熱処理下でも高い透明性を有する上記易接着性ポリエステルフィルムを提供することにある。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)少なくとも片面に易接着層を有する易接着性ポリエステルフィルムであって、前記易接着層が自己架橋性ポリウレタン樹脂を主たる構成成分とし、ヘーズが7.0%以下であり、150℃における熱収縮率が4.0%以下であり、配向主軸の歪みが8度以下である、易接着性ポリエステルフィルム。
(2)幅方向の屈折率(ny)と長手方向の屈折率(nx)との屈折率差(Δn)が0.04以上0.15以下であることを特徴とする前記易接着ポリエステルフィルム。
(3)波長380nmの光線透過率が20%以下であることを特徴とする前記易接着ポリエステルフィルム。
(4)90℃で200時間熱処理した時のフィルムヘーズ変化量ΔHz(ΔHz=加熱後ヘーズ−加熱前ヘーズ)が2・5%未満であることを特徴とする前記易接着ポリエステルフィルム。
(5)ポリエステルフィルムが、実質的に一方向にのみ延伸された一軸配向ポリエステルフィルムであることを特徴とする前記易接着性ポリエステルフィルム。
本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、高い寸法安定性、透明性を有しながら、高い配向特性を有し、かつ水溶性・親水性樹脂に対する優れた接着性を有する。また、本発明の好ましい実施態様としては、上記効果を有しながら、加熱加工においてもオリゴマーによる析出が少なく、高い透明性が保持される。
本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、好ましい実施態様として上記効果を有する為、インクジェット印刷インク受像層、偏光子保護フィルムに代表されるポリビニルアルコール等の水溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層、写真感剤フィルムに代表されるゼラチン等の水溶性・親水性樹脂を主成分とする機能層を設ける支持フィルムとして好適に使用することができる。
(ポリエステル)
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ポリエステルフィルムの原料となるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとジオールとを重縮合させて得ることのできる結晶性ポリエステルである。そして芳香族ジカルボン酸としては、代表的には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸が挙げられ、ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール及びネオペンチルグリコール等が挙げられる。
上記のポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールを直接重縮合させて得られる他、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステルとグリコールをエステル交換反応させた後に重縮合させる方法あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる方法などのよっても得られる。
斯かるポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート及びポリテトラメチレン−2,6−ナフタレート等が挙げられる。また、上記ポリエステルは、ホモポリエステルの他に、各種成分を共重合した共重合ポリエステルであってもよい。更に、ポリエステルと他の共重合体とのポリマーブレンドであってもよい。ブレンドできる他の共重合体としては、ポリオレフィや他種ポリエステル等が使用される。ホモポリマーとポリアルキレン共重合体ポリマー、特には、ポリエーテルエステル共重合とのブレンドまたは異なるポリアルキレングリコール共重合体ポリマー同士のブレンドが好適である。
これらの中でも、特にポリエチレンテレフタレートは、不純物が少なく透明性、機械的性質、表面平滑性、耐溶剤性、耐スクラッチ性、非透湿性、コストなどの総合性能から最も好適に用いられる。
ポリエステル樹脂の固有粘度は、0.45から0.70の範囲が好ましい。固有粘度が0.45よりも低いと、耐引き裂き性向上効果が低下し、0.70より大きいと濾圧上昇が大きくなり高精度濾過が困難となる。
(オリゴマー)
本発明では、後加工工程において加熱加工処理が行われる場合、もしくはディスプレイ用途など部材として長時間高温下で使用される場合、90℃で200時間熱処理した時のフィルムヘーズ変化量ΔHz(ΔHz=加熱後ヘーズ−加熱前ヘーズ)が2.5%未満であることが望ましい。上記フィルムへイズ変化量ΔHzの上限は、さらに好ましくは2.0%以下、特に好ましくは1.8%以下である。この熱処理によるΔHzの上昇は、フィルム表面へのオリゴマーの析出により起こる現象であり、2.5%を超える場合には、上記用途に用いた際に、表面でオリゴマーが結晶化してフィルムの透明性を低下させたり、フィルム上に設ける機能層に溶け込んで特性に影響を及ぼしたりする等の問題を引き起こすことがある。
熱処理によるフィルム表面へのオリゴマー析出量を上記の範囲とするためには、共押出しにより少なくとも3層以上からなる積層ポリエステルフィルムとし、表層を構成する最外層にオリゴマー含有量の少ないポリエステルを用いることができる。または、インライン/オフラインでオリゴマー析出防止効果を持つ塗布層を設けたりすることによりフィルム表面にオリゴマーが析出するのを押えることで、熱処理後のフィルム表面へのオリゴマー析出量を抑え、ΔHzを上記範囲とすることができる。
本発明のフィルムは、共押出法を用いて積層構造とすることができるが、その際、最外層厚みは、片側のみの厚みで好ましくは3μm以上であり、さらに好ましくは5μm以上であり、かつ総厚みの25%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下である。かかる厚みが3μm未満では、加工中の熱履歴等により、内層に含有されているオリゴマーがフィルム表面に析出し、生産ラインの汚染やフィルム表面の異物量の増加が見られる可能性があり、一方、総厚みの25%以上の厚さより厚いと最外層に配合する粒子量が増えて透明性を損なう恐れがある。
なお、オリゴマーとは、環状三量体を主とする環状オリゴマー、線状二量体および線状三量体を主とする線状オリゴマー、テレフタル酸、テレフタル酸モノグリコールエステル等を包含するが、本発明のオリゴマーは主として環状三量体からなる。このようなオリゴマーの少ないポリエステルフィルム層を形成する方法としては、特に限定しないが、特開昭48−101462号公報、特開昭49−32973号公報等に開示されているように、一旦重合したチップをさらに固相で重合することにより、チップの状態でオリゴマー等の低分子量体を減少させ、これらの原料を用いて製膜する方法や、溶剤を用いてチップ中のオリゴマー等の低分子量体を除去して製膜する方法や、二軸延伸熱固定したフィルムから溶剤を用いてオリゴマー等の低分子量体を抽出除去する方法が好適である。特に前者の固相重合操作を付加する方法では、フィルムへの押出工程での温度が高く時間が長いと、熱的な平衡関係で、折角減少したオリゴマー等の低分子量体が増加してしまうことになるので、できるだけ低温でかつ短時間で押し出すことが好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明では、野外で使用される包装部材としてされる耐候性をもたせる場合、あるいは、近赤外線吸収剤、ヨウ素色素、カラー色素などのディスプレイに用いられる光学機能性色素の劣化を抑制する場合、本発明のフィルムは、波長380nmの光線透過率が20%以下であることが望ましい。特に、包装材料や、ヨウ素色素、カラー色素などの色素劣化防止として使用する場合は、380nmの光線透過率が15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。また、プラズマディスプレイパネル用フィルターとして使用する場合は、380nmの光線透過率が5%以下であることがより好ましく、2%以下であることがさらに好ましい。前記光線透過率が20%以下であれば、野外で使用される包装部材として、また機能層に含まれる近赤外線吸収色素やヨウ素色素などの光学機能性色素の紫外線による変質を抑制することができる。なお、本発明における透過率は、フィルムの平面に対して垂直方法に測定したものであり、分光光度計(例えば、日立U−3500型)を用いて測定することができる。
本発明のフィルムの波長380nmの透過率を20%以下にするためには、前記紫外線吸収剤の濃度、及び基材フィルムの厚みを適宜調節することが望ましい。本発明で使用される紫外線吸収剤は公知の物質である。紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤が挙げられるが、透明性の観点から有機系紫外線吸収剤が好ましい。有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトアゾール系、ベンゾフェノン系、環状イミノエステル系等、及びその組み合わせが挙げられるが本発明の規定する吸光度の範囲であれば特に限定されない。しかし、耐久性の観点からはベンゾトアゾール系、環状イミノエステル系が特に好ましい。2種以上の紫外線吸収剤を併用した場合には、別々の波長の紫外線を同時に吸収させることができるので、いっそう紫外線吸収効果を改善することができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤としては例えば2−[2'−ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒドロキシ−5' −(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2,2'−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールなどが挙げられる。環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては例えば2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オンなどが挙げられる。しかし、特にこれらに限定されるものではない。
また、紫外線吸収剤以外に、基材フィルムを構成するポリエステル樹脂には、本発明の効果を妨げない範囲で、触媒以外に各種の添加剤を含有させることができる。添加剤として、例えば、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる
基材フィルムに紫外線吸収剤を配合する方法としては、公知の方法を組み合わせて採用し得るが、例えば、予め混練押出機を用い、乾燥させた紫外線吸収剤とポリエステル原料とをブレンドしマスターバッチを作製しておき、基材フィルム製膜時に所定の該マスターバッチとポリエステル原料を混合する方法などによって配合することができる。
この時マスターバッチの紫外線吸収剤濃度は紫外線吸収剤を均一に分散させ、且つ経済的に配合するために5〜30重量%の濃度にするのが好ましい。マスターバッチを作製する条件としては混練押出機を用い、押し出し温度はポリエステル原料の融点以上、290℃以下の温度で1〜15分間で押し出すのが好ましい。290℃以上では紫外線吸収剤の減量が大きく、また、マスターバッチの粘度低下が大きくなる。押し出し温度1分以下では紫外線吸収剤の均一な混合が困難となる。この時、必要に応じて安定剤、色調調整剤、帯電防止剤を添加しても良い。
中間層に紫外線吸収剤を含む3層構造の基材フィルムは、具体的には次のように作製することができる。外層用としてPETのペレット単独、中間層用として紫外線吸収剤を含有したマスターバッチとPETのペレットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、2台以上の押出機、3層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて、両外層を構成するフィルム層、中間層を構成するフィルム層を積層し、口金から3層のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。なお、発明では、光学欠点の原因となる、原料のポリエステル中に含まれている異物を除去するため、溶融押し出しの際に高精度濾過を行うことが好ましい。溶融樹脂の高精度濾過に用いる濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は、15μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズが15μmを超えると、20μm以上の異物の除去が不十分となりやすい。
(粒子)
本発明で用いる基材フィルムは、易滑性を付与するために、粒子を含有することができる。また、高い透明性を得るために、積層ポリエステルとして、表層にのみ粒子を含有されることも好ましい態様である。この場合、中間層は実質的に粒子を添加しないことが望ましいが、中間層に回収原料を使用する場合は、透明性を良好な範囲とするために、中間層の滑剤濃度が、300ppm以下、より好ましくは200ppm以下、更に好ましくは150ppm以下となるように調整することができる。
添加される無機粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等を代表的なものとして用いることができる。また、有機粒子としてはアクリル系、スチレン系、オレフィン系、イミド系粒子などを用いることができる。
また、添加される粒子の平均粒径が0.01μm以上、10μm以下であるものを用いるのが好ましく、より好ましくは0.05μm以上、8μm以下、最も好ましくは0.1μm以上、3μm以下のものを用いるのが良い。粒子の平均粒径が0.01μmより小さい場合は、滑り性を維持するために添加量を多くする必要があり、ヘーズ値、フィルム表面粗さを必要範囲内に制御することが困難である。また、粒子の平均粒子径が10μmより大きい場合には、製膜工程中での添加粒子の脱落が著しく、工程を汚染するため好ましくない。
また、ポリエステルフィルム中の粒子の含有量としては0.01重量%以上、5重量%以下であるのが好ましく、より好ましくは0.05重量%以上、1重量%以下である。粒子の含有量が0.01重量%より小さい場合、滑り性が劣るため、工程中でロール等との間の摩擦によりキズが発生するため好ましくない。また、粒子の含有量が5重量%より多くなる場合は、ヘーズ値、フィルム表面粗さを必要範囲内に制御することが困難である。
また、本発明のフィルムは高度な透明性が要求される場合においては、基材フィルム中には、透明性を低下させる原因となる粒子を実質的に含有させない方法をとることも可能である。
前記の「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に50ppm以下、好ましくは10ppm以下、最も好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。これは積極的に粒子を基材フィルム中に添加させなくても、外来異物由来のコンタミ成分や、原料樹脂あるいはフィルムの製造工程におけるラインや装置に付着した汚れが剥離して、フィルム中に混入する場合があるためである。
基材フィルムに易滑性付与を目的とした粒子は添加されていなくても、例えばインラインで積層される易接着層に均一な粒径の微小粒子含有により滑り性をもたせておけば、良好な巻き取り性、キズ発生防止機能を付与できるため、基材フィルム中への粒子の添加は不要である。
かかる易接着層中に含有させる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。中でもシリカがポリエステル樹脂と屈折率が比較的近く高い透明性が得やすいため最も好適である。
(易接着層)
本発明の易接着性二軸配向ポリエステルフィルムは、二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に易接着層を有する。本発明では、該易接着層は、自己架橋性ポリウレタン樹脂を主たる構成成分とする。ここで、「主たる構成成分」とは、易接着層に含まれる全樹脂構成成分中として50%以上含有することを意味する。該易接着層は、水系塗布液を塗布、乾燥した後、少なくとも一方向に延伸された塗布層であることが望ましい。前記塗布層は、ポリエステルフィルムの延伸工程中の熱で加熱することにより、自己架橋反応により均一な膜を生成する。ここで、自己架橋性ポリウレタン樹脂とは、ポリイソシアネート化合物が系中の水分と反応してウレア結合をすることにより生成された網目状の構造を有するウレタン樹脂をいう。
前記の塗布層を構成する自己架橋性ポリウレタン樹脂は、塗布液の状態では未反応な官能基が、加熱や触媒成分との混合により活性イソシアネート基を再生し、系中の水分と反応し、鎖伸長反応や架橋網目を構成する架橋反応が起こることにより生成される。このような自己架橋性ポリウレタン樹脂の原料となる化合物としては、2官能以上のポリイソシアネート化合物、2官能以上のブロックイソシアネートなどのポリブロックイソシアネート化合物が望ましい。ブロック剤としては、公知であるイソシアネートのブロック化剤である重亜硫酸塩類、フェノール類やオキシム類が挙げられる。
本発明者は、高い透明性を有し、かつ水溶性・親水性樹脂とも高い密着性を有する樹脂組成を鋭意検討した結果、上記の構成を有する易接着層とすることで、高い透明性を有しながら、ゼラチン、メトキシセルロース、ポリビニルアルコールなどの水溶性・親水性樹脂との密着性が良好となることを見出し、本願発明に至った。他の水系樹脂と異なり、自己架橋性ポリウレタン樹脂を使用することで、塗布層中でポリウレタン樹脂による高度な架橋網目構造が構成される。このような特殊な構造を有するため、非常に高い透明性を発揮しつつ、水溶性・親水性樹脂との密着性の際に、水分子とのポリウレタン樹脂とか適度に膨潤し、これが密着性にとって良好な作用を及ぼすものと考えている。また、多量の自己架橋性樹脂を用いることで、自己架橋に至らなかった未反応の官能基が、上記接着性に寄与しているのではないかと考えている。なお、このような未反応の官能基は、例えば赤外分光により検出することができる。いずれにしても、自己架橋性ポリウレタン樹脂を用いることで、水溶性・親水性樹脂との密着性が顕著に向上すること発見し、本発明に至ったものである。
前記の塗布層を構成する自己架橋性ポリウレタン樹脂を生成するために、塗布液に添加されるポリイソシアネート化合物、ポリブロックイソシアネート化合物の原料として使用されるイソシアネート化合物としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等、脂肪族系のイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。塗布液に用いられる化合物としては水系であることが好ましく、水系ポリブロックイソシアネート化合物の原料として使用されるイソシアネート化合物としては、脂肪族系のイソシアネート化合物を使用したほうが、塗布層の経時安定性が向上するため好ましい。
塗布液に添加されるポリイソシアネート化合物、ポリブロックイソシアネート化合物の原料として使用され、鎖伸長反応に用いられるジオール成分として、ポリエーテル系ジオール、ポリエステル系ジオール、ポリカーボネート系ジオール等を使用することもできる。この中でもポリエステル系ジオール、ポリカーボネート系ジオールを使用したほうが、密着性と耐加水分解性が良好となるため好ましい。本発明の自己架橋性ポリウレタン樹脂は、接着性の点から、未反応の官能基が残存する高度な網目構造を有することが特徴とするが、かかる自己架橋性ポリウレタン樹脂を生成するためには、ジオール成分(OH基)よりもイソシアネート成分が多いことが望ましい。ポリウレタン樹脂のプレポリマーを生成する際に、ジオール成分のモル数を(a)、イソシアネート成分のモル数を(c)とすると、混合比として(a)/(b)は、40/60〜2/98が好ましく、30/70〜10/90がさらに好ましい。
また、水系ポリブロックイソシアネート化合物には疎水性のポリウレタン樹脂を乳化剤により強制乳化したもの、親水性基または親水性セグメントを導入することにより水溶性または自己分散性にした自己乳化型のものがあげられるが、自己乳化型のものを使用した方が、透明性ならびに塗工外観が良好となるため好ましい。
前記の塗布層には、前記の主成分以外の樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコールなどのビニル樹脂、を本発明の効果に影響を与えない範囲で併用してもかまわない。中でも、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、もしくはポリビニールアルコールを併用することが好ましい。自己架橋性ポリウレタン樹脂の質量を(c)、他の併用樹脂の質量を(d)とした場合、これらの混合比(c)/(d)は、100/0〜50/50が好ましく、80/20〜60/40がより好ましい。
また、他の架橋剤の併用も本発明の効果に影響を与えない範囲で特に限定されない。使用できる架橋剤としては、尿素、メラミン、ベンゾグアナミンなどとホルムアルデヒドとの付加物、これらの付加物と炭素原子数が1〜6のアルコールからなるアルキルエーテル化合物などのアミノ樹脂、多官能性エポキシ化合物、多官能性イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、多官能性アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、などが挙げられる。
上記水系塗布液をポリエステルフィルム表面に塗布する際には、フィルムへの濡れ性を向上させ、塗布液を均一にコートするために、公知のアニオン性界面活性剤やノニオン系界面活性剤を適量添加することが好ましい。
また、水系塗布液中には、ハンドリング性、帯電防止性、抗菌性など、他の機能性をフィルムに付与するために、無機及び/または耐熱性高分子粒子、帯電防止剤、紫外線吸収剤、有機潤滑剤、抗菌剤、光酸化触媒などの添加剤を含有させることができる。本発明に用いられる帯電防止剤としては、例えば、有機ホウ素化合物などが挙げられる。
塗布液に用いる溶剤は、水以外にエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類を、全塗布液に対し50質量%未満の範囲で混合しても良い。さらに、10質量%未満であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な範囲で混合してもよい。但し、塗布液中のアルコール類とその他の有機溶剤との合計量は、50質量%未満とすることが好ましい。
本発明の易接着層は乾燥後の塗布層が、0.01g/m以上1g/m未満とすることが好ましい。乾燥後の塗布量が0.01g/m未満では、接着性が低下する場合がある一方、乾燥後の塗布量が1g/m以上では、乾燥炉内の乾燥風の影響を受けやすく、塗布斑が発生しやすい。塗布量の下限は、0.05g/mがより好ましく、0.1g/mがさらに好ましい。また、塗布量の上限は、0.8g/mがより好ましく、0.5g/mがさらに好ましい。
(フィルム特性)
また、本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、ヘーズが7.0%以下、好ましくは5.0%以下、更に好ましくは3.0%以下であることが重要である。包装用途において、印刷の仕上がり具合や色合いなどの観点から透明性がよいことが好ましい。また、工業用途においても、特に光学用途では、高い透明性が求められるため、上記へイズの上限は、3.0%以下がより好ましく、2.0%以下がさらに好ましく、1.0%以下が特に好ましい。
また、フィルムの幅方向及び長手方向の150℃×30分における熱収縮率が4.0%以下、好ましくは3.0%以下であることが重要である。上記熱収縮率の値が3.0%以上の場合には、包装用途、工業用途どちらにおいても過熱によりフィルムが大きく収縮し、平面性悪化、シワ、カール等が発生し好ましくない。特に、後加工工程において加熱加工処理が行われる場合、もしくはディスプレイ用途など部材として長時間高温下で使用される場合、上記フィルムの長手方向の150℃×30分における熱収縮率の上限は、5.0%以下がより好ましく、4.0%以下がさらに好ましく、3.0%以下が特に好ましい。
本発明のフィルムは、フィルムとして製膜できる厚さであればよく、通常フィルム厚みは、9〜300μm、さらに12〜250μmの範囲から選択される。
本発明のフィルムは、高い配向特性を有することが重要である。よって、本発明のフィルムは、幅方向のいずれの位置においても、マイクロ波透過型分子配向計で測定したフィルムの配向主軸の歪みが8度以下であり、好ましくは7度以下、さらに好ましくは6度以下である。
配向主軸の歪みが8度より大きい場合、いわゆるボーイング現象により主軸の歪みが大きくなった場合、包装用途においては、幅方向における熱収縮特性の不均一が生じ、加熱後に印刷したデザインが歪む、寸法が不均一になるなどの問題を生じる。また、配向主軸の歪みが8度より大きい場合、工業用途においても、幅方法における寸法不均一が問題になること、また、光学用途においては偏光における色むら(虹むら)が生じたり、液晶表示部材として組み込まれた場合、ディスプレイの輝度を低下させる原因となる。
また、本発明のフィルムは、下記式で表される、幅方向の屈折率(ny)と長手方向の屈折率(nx)との折率差(Δn)が0.04以上0.15以下であることが望ましい。
Δn=|Δny−Δnx|
上記屈折率差の下限は、0.05以上がより好ましく、0.07以上がさらに好ましい。また、上記屈折率差の下限は、0.14がより好ましく、0.12がさらに好ましい。屈折率差(Δn)を上記範囲とすることで、配向主軸の歪みが少ないフィルムを得ることが可能となる。屈折率差が0.15を超えると、裂き強度が低下し、好ましいフィルム強度が得られない場合がある。また、屈折率差が0.04未満であると、上記配向特性が得られない場合がある。
このような、高い配向特性を有するフィルムを得るためには、フィルムの延伸工程において、長手方向の延伸倍率を小さくしたり、延伸温度を高めに設定したりすることが望ましい。特に好ましくは、実質的に一軸方向にのみ延伸された一軸配向ポリエステルフィルムを用いることである。ここで、「実質的に一軸方向に延伸する」とは、ロール延伸機、もしくはテンター延伸機のいずれかで一方向にのみ延伸することをいう。
(フィルムの製造方法)
次に、本発明の易接着ポリエステルフィルムの製造方法について説明するが、当然これに限定されるものではない。
実質的に易滑性付与を目的とした粒子を含有しないPETのペレットを十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しし、冷却固化せしめて未延伸PETシートを製膜する。この際溶融樹脂が約280℃に保たれた任意の場所で樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行う。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は特に限定はされないがステンレス焼結体の濾材がSi、Ti、Sb、Ge、Cu、を主成分とする凝集物及び高融点有機物の除去性能に優れ好適である。
さらに濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は15μm以下が好ましい。15μm以上では20μm以上の異物が十分除去できない。
押出法においてはポリエステルを押出口金から溶融し押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。必要に応じ、2または3台の押出し機、2または3層のマルチニホールド、またはフィードブロックを用いて積層してもよい。シート平面性を向上させる目的で、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めるために静電印加密着法または液体塗布密着法を用いるのが好ましい。
本発明の易接着層を基材フィルムである上記未延伸ポリエステルフィルム表面に形成させる方法としては、特に限定されないが、コーティング法が好ましく用いられる。例えばコーティング法としては、エアドクタコート法、ナイフコート法、ロッドコート法、正回転ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ビードコート法、スリットオリフェスコート法、キャストコート法、スプレーコート法などが挙げられる。また、本発明のフィルムを二軸延伸法により作製する場合は、易接着層は一軸延伸後に形成する場合や易接着層を形成した後に延伸する方法、どちらで積層してもかまわない。
次に前記記載の未延伸フィルムをテンター方式の延伸機によりテンターレールの幅を漸時広げることにより横方向に延伸し、一軸配向ポリエステルフィルムを得る。まず、上記記載の方法で得られた塗布後の未延伸ポリエステルフィルムの両端部をクリップで把持し予熱ゾーンへ導く。予熱ゾーンの温度はガラス転移温度以上、130℃以下にするのが好ましい。予熱ゾーンは所定の予熱温度で規定される1又は2以上のゾーンよりなる。
予熱後、続いて延伸されるが、延伸速度においては1500〜4000%/分の範囲であり、延伸倍率は2.0〜6.0倍、特に3.0〜5.0倍が好ましい。延伸ゾーンの温度は(Tg+70)〜(Tg+10)℃の範囲であり、好ましくは(Tg+65)〜(Tg+15)℃の範囲である。延伸温度が(Tg+10)℃より低い場合は、厚みムラが大きく、延伸温度が(Tg+70)℃より高い場合は、結晶化が進み、延伸方向に裂けやすくなり問題となる。延伸ゾーンは、所定の延伸比及び/又は延伸温度で規定される1又は2以上のゾーンよりなる。
延伸後、続いて熱固定されるが、熱固定ゾーンの温度は、(Tg+150)〜(Tg+40)℃の範囲であり、好ましくは(Tg+120)〜(Tg+50)℃の範囲である。熱固定ゾーンの温度が(Tg+40)℃より低い場合は、熱収縮率が高くなり、加工時のシワ、カールの原因となる。熱固定ゾーンの温度が(Tg+150)℃より高い場合は、結晶化が進み、延伸方向に裂けやすくなり歩留りの低下が問題となる。また、延伸方向の弛緩量は横延伸条件により異なるが1〜10%程度であり、弛緩処理後のフィルムの、150℃における熱収縮率が4.0%以下、好ましくは3.0%以下となるように、弛緩量及び熱固定温度を設定することが好ましい。熱固定ゾーンは、所定の緩和比及び/熱固定温度で規定される1又は2以上のゾーンよりなる。
テンターを用いた幅方向の延伸の前に、もしくは後に、配向主軸の歪みが大きくならない程度に80〜120℃に加熱したロールで長手方向に延伸を行ってもかまわない。この場合の延伸倍率は1.1〜2.0倍、好ましくは1.1〜1.8倍とすることが配向主軸の歪みを抑える点から好ましい。また、テンターで幅方向延伸後に長手方向の延伸を行う場合は、テンター延伸後の連続した熱固定は行わず、縦延伸後に再度熱固定用の第二テンターを用いて熱固定を行う。
次に実施例をあげて本説明をさらに説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における物性の評価方法は以下の通りである。
(1)水溶性樹脂との接着性
水溶性樹脂との接着性評価は、JIS−K5600に準拠して行った。
得られた易接着性ポリエステルフィルムの易接着層表面に下記の塗材を、10番のワイヤーバーで塗布し、110℃で1分間乾燥した。塗材には、判定が容易となるよう赤色染料を加えたものを使用した。試験テープとしてニチバン製031Bを使用し、カット間隔が2mmのマス目100個について、1回剥離試験後の残存マス目数にて評価した。
<ゼラチン>
イオン交換水95gにゼラチン(新田ゼラチン社製、写真用グレード)5gを攪拌しながら少しずつ加え、40〜50℃に加熱、攪拌し、5質量%のゼラチン水溶液を作製した。ゼラチンが溶解した後、剥離観察が容易になるよう、水系の赤色染料(Leva Fix Brill Red E2B、バイエル社製)約0.2gを少しずつ加えて着色した。
<メトキシセルロース>
イオン交換水99gにカルボキシジメチルセルロースナトリウム塩(ナカライテスク社製、試薬)1gを攪拌しながら少しずつ加、40〜50℃に加熱、攪拌し、1質量%のメトキシセルロース水溶液を作製した。メトキシセルロースが溶解した後、剥離観察が容易になるよう、水系の赤色染料(Leva Fix Brill Red E2B、バイエル社製)約0.2gを少しずつ加えて着色した。
<ポリビニルアルコールA>
イオン交換水95gにポリビニルアルコール(日本合成化学社製,ゴーセノールGL−05)5gを攪拌しながら少しずつ加え、40〜50℃に加熱、攪拌し、5質量%のPVA−A水溶液を作製した。ポリビニルアルコールが溶解した後,剥離観察が容易になるよう,水系の赤色染料(Leva Fix Brill Red E2B、バイエル社製)約0.2gを少しずつ加えて着色した。
<ポリビニルアルコールB>
イオン交換水95gにポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバールPVA−117)5gを攪拌しながら少しずつ加え、40〜50℃に加熱、攪拌し、5質量%のPVA−B水溶液を作製した。ポリビニルアルコールが溶解した後、剥離観察が容易になるよう、水系の赤色染料(Leva Fix Brill Red E2B、バイエル社製)約0.2gを少しずつ加えて着色した。
(2)切手密着性
得られた易接着性ポリエステルフィルムの易接着層表面に,官製10円切手(2007年発行)の接着面をイオン交換水で湿らせ貼り付けた。室温で24時間風乾後、貼り付いた切手隅部をカッターの刃で約5mm長ほど剥離させ、剥離部を手で引張り、剥離した後の切手の状態により密着性を評価した。判定は、切手が材料破壊する場合は良好、その他(接着面で剥離した場合など)は不良とした。
(3)配向主軸の歪み
ロール状のフィルム から、長手方向に500mm、幅方向には全幅の長方形のフィルム を切り出す。このフィルム の幅方向における中央部を基準とし、幅方向に300mm間隔の位置で100mm四方の正方形のフィルム を複数個切り出す。この正方形のフィルム の辺は各々、長手方向及び幅方向に平行になるようにする。切り出したサンプルフィルム について、王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計を用いて、フィルム長手方向に対する分子鎖主軸の配向角(θ)を測定する。フィルムの光学主軸は、該分子鎖主軸の方向、及びその直交方向によって形成される。従って、上記のように幅方向に連続的に採取したフィルムについて、下記式により定義した機械軸に対する光学主軸の傾斜角(ξ)のうち最大値をフィルムの配向主軸の歪みとした。
|θ|≦45°のとき ξ=|θ|
|θ|>45°のとき ξ=|90°−|θ||である。
(4)ヘーズ、及びヘーズ変化量(ΔHz)
得られた易接着性ポリエステルフィルムを50mm四方に切り出し、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」ヘーズ(曇価)に準拠してヘーズを測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いた。
測定後、フィルムを90℃に加熱したオーブン内にセットし、200時間経過後フィルムを取り出した。その加熱後のフィルムを上記と同様の方法でヘーズを測定し、加熱後ヘーズを得た。下記式による加熱前後ヘーズ差をヘーズ変化量(ΔHz)とした。
ΔHz=(加熱後ヘーズ−加熱前ヘーズ)
(5)150℃における長手方向の熱収縮率
JIS C 2318−1997 5.3.4(寸法変化)に準拠し、長手方向の寸法変化率(%)を測定した。
(6)屈折率
JIS K 7142−1996 5.1(A法)により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計によりフィルム長手方向の屈折率(nx)、幅方向の屈折率(ny)を測定し、下記式による幅方向の屈折率(ny)と長手方向の屈折率(nx)との屈折率差(Δn)を算出した。
Δn=|ny−nx|
(7)波長380nmにおける光線透過率
分光光度計(日立製作所製、U−3500型)を用い、空気層を標準として波長300〜500nm領域の光線透過率を測定して、波長380nmにおける光線透過率を求めた。
(8)偏光下における虹むら観察
偏光板をクロス二コルの状態で光源の上に設置し、その間に得られた易接着性二軸配向ポリエステルフィルムを水平に挿入した。クロス二コルの状態で挿入したフィルムを回転させ、最暗状態にした後、さらにフィルムを8°回転させることで、偏光板の吸収軸と8°傾けて虹むらを観察する。
◎ : 虹むらの発生無し。
○ : 極薄い虹むらが観察できる。
× : 明確に虹むらが観察できる。
(9)フィルムの厚み
縦方向に連続したテープ状サンプル(横方向5cm×縦方向1m)を採取し、セイコー・イーエム社製電子マイクロメータ、ミリトロン1240を用いて、1cmピッチで20点の厚みを測定し、その平均値として求めた。
(10)塗布量
得られたフィルムから10cm×10cmの面積に切り出し、10枚の試料フィルムを作製した。試料フィルムの易接着層面をメチルエチルケトン/トルエン=1/1の混合有機溶剤を染み込ませた布で拭き取り、拭き取り前後の重量を精密天秤(島津製作所社製AUW120D)を用い、埃の影響を最小限にするために、クリーン度、クラス1000の環境下で測定した。測定した重量差から平方メートル当たりに換算し、塗布量(mg/m)を算出した。なお、易接着層面をふき取るための有機溶剤は塗布層を除去できるものであればこれに限定されない。
(製造例1−ポリエステルA)
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、さらにトリポリ燐酸ナトリウム水溶液をシリカ粒子に対しナトリウム原子として0.1重量%含有させ、遠心分離処理により粗粒部を35%カットし、且つ目開き5μmの金属フィルターで濾過処理を行った平均粒子径2.5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを粒子含有量として0.2質量部添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂(A)の固有粘度は0.62dl/gであり、オリゴマー含有量は0.96重量%であり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。(以後、PET(A)と略す。)
(製造例2−ポリエステルB)
一方、上記PET(A)の製造において、シリカ粒子を全く含有しない固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を得た。(以後、PET(B)と略す。)
(製造例3−ポリエステルC)
上記の方法で得られたPET(B)を予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、固有粘度0.63dl/g、オリゴマー含有量は0.27重量%のポリエチレンテレフタレート樹脂(C)を得た。(以後、PET(C)と略す。)
(製造例4−ポリエステルD)
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)10質量部、粒子を含有しないPET(B)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(D)を得た。(以後、PET(D)と略す。)
(製造例4−ポリエステルE)
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2´−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール(旭電化社製、LA31)10質量部、粒子を含有しないPET(B)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(E)を得た。(以後、PET(E)と略す。)
(製造例4−ポリエステルF)
乾燥させた紫外線吸収剤(2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 TINUVIN 326)10質量部、粒子を含有しないPET(B)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(F)を得た。(以後、PET(F)と略す。)
(製造例5−水系ポリブロックイソシアネート化合物D)
メチルエチルケトン溶媒中で、ポリエステルポリオール(アジピン酸/イソフタル酸//1,6−ヘキサンジオール=50/50//100(モル比)、平均分子量1700)100質量部、1.4ブタンジオール9質量部、トリメチロールプロパン8質量部に、トリレンジイソシアネート80質量部を添加して、系内温度75℃下で、60分間反応を行った後、ジメチロールプロピオン酸12質量部、ポリエチレングリコール(平均分子量600)16質量部、アミン触媒を添加し、系内温度75℃下で反応を行い、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを得た。次に系内温度55℃にてメチルエチルケトオキシム16質量部を添加し、ブロック化反応を行い再生イソシアネート基換算で3.5重量%のブロック化イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを得た(酸価20.8)。そのウレタンプレポリマーに、トリエチルアミン7.2質量部を混合し、水450質量部に乳化した後、鎖伸張剤トリエチレンテトラミン2.9質量部(再生イソシアネート基換算で1.5重量%相当分)を添加し反応させ、減圧下でメチルエチルケトン溶媒を留去して、熱架橋性の水系ポリブロックイソシアネート化合物D(重量平均分子量35000、再生イソシアネート基換算で2.0重量%のブロックイソシアネート基含有)を得た。
(実施例1)
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しない固有粘度が0.62dl/gのPET(B)樹脂ペレット100質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に、また、PET(A)とPET(B)をシリカ粒子の含有量を0.10質量%となるよう混合調整し、常法により乾燥して押出機1(外層I層用)及び3(外層III層用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2つのポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は5:90:5となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
次いで、水系ポリウレタン樹脂(DIC社製,ハイドランHW345)、水系ポリブロックイソシアネート化合物A(三井化学ポリウレタン社製、タケネートWB−920、TDI系ラクタムブロック型)を固形分質量比率 30/70 で混合し、溶剤質量比率が水/イソプロパノール=70/30の溶媒により、固形分濃度14.6質量%のコート液(A)を調整し,濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)25μmのフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過し、#6のワイヤーバーによるバーコート法で上記未延伸フィルムの片面に乾燥後の塗布量が0.2g/mになるように塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。
この未延伸フィルムをテンター延伸機に導き、予熱ゾーンにて95℃で約6秒間予熱した後、幅方向に105℃、延伸倍率4.0倍で延伸した。引き続き同一テンター内でフィルムを定長で170℃の熱処理を行い、その後幅方向に3.0%弛緩処理を行い、フィルム温度をガラス転移温度以下まで冷却した後にクリップから外し、耳部をカットした後に通常のようにフィルムを巻き取り、易接着層の塗布量0.2g/m、厚み70μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例2)
水系ポリエステル(東洋紡績社製、バイロナール)と、水系ポリブロックイソシアネート化合物B(第一工業製薬社製、亜硫酸塩ブロック型)と、水系ポリブロックイソシアネート化合物C(第一工業製薬社製、エラストロンBN11)と、帯電防止剤として半極性有機ホウ素化合物(ボロンインターナショナル社製、ハイボロン)を固形分質量比率 30/33/3/34 で混合し、溶剤質量比率が水/イソプロパノール=93/7の溶媒により、固形分濃度14.6質量%コート液(B)を調整した。
コート液(A)の代わりにコート液(B)を用いた以外は実施例1と同様に,同様に塗布,乾燥した後横延伸を行い,厚み70μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。コート層の乾燥後塗布量はふき取り重量法で0.2g/mであった。
(実施例3)
水系ポリエステル(東洋紡績社製、バイロナール)と、前記製造例5により得られた水系ポリブロックイソシアネート化合物D(TDI系オキシムブロック型)とを固形分質量比率 40/60 で混合し、溶剤質量比率が水/イソプロパノール=93/7の溶媒により、固形分濃度14.6質量%のコート液(C)を調整した。
コート液(A)の代わりにコート液(C)を用いた以外は実施例1と同様に、同様に塗布,乾燥した後横延伸を行い、厚み70μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。コート層の乾燥後塗布量はふき取り重量法で0.2g/mであった。
(実施例4)
ポリビニルアルコール(日本合成化学社製、ゴーセノールGL−05)と、水系ポリブロックイソシアネート化合物B(第一工業製薬社製、亜硫酸塩ブロック型)とを固形分質量比率 35/65 で混合し、溶剤質量比率が水/イソプロパノール=93/7の溶媒により、固形分濃度14.6質量%のコート液(D)を調製した。
コート液(A)の代わりにコート液(D)を用いた以外は実施例1と同様に、同様に塗布,乾燥した後横延伸を行い、厚み70μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。コート層の乾燥後塗布量はふき取り重量法で0.2g/mであった。
(実施例5)
水系ポリブロックイソシアネート化合物A(三井化学ポリウレタン社製、タケネートWB−920、TDI系ラクタムブロック型)を用い、溶剤質量比率が水/イソプロパノール=93/7の溶媒により、固形分濃度14.6質量%のコート液(E)を調製した。
コート液(A)の代わりにコート液(E)を用いた以外は実施例1と同様に、同様に塗布,乾燥した後横延伸を行い、厚み70μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。コート層の乾燥後塗布量はふき取り重量法で0.2g/mであった。
(実施例6)
実施例1においてキャスティングの速度を変更した以外は同様の方法で行い、厚み55μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例7)
実施例1においてキャスティングの速度を変更した以外は同様の方法で行い、厚み40μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例8)
実施例1において外層IとIIIのPET(A)とPET(B)の混合比率を変更し、シリカ粒子の含有量を0.20質量%となるように調整した以外は同様の方法で、厚み70μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例9)
実施例1において中間層IIをPET(B)90質量部とPET(D)10質量部とを混合して用いた以外は同様の方法で、厚み70μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例10)
実施例1において中間層IIをPET(B)90質量部とPET(E)10質量部とを混合して用いた以外は同様の方法で、厚み70μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例11)
実施例1において中間層IIをPET(B)90質量部とPET(F)10質量部とを混合して用いた以外は同様の方法で、厚み70μmの易接着性一軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(実施例12)
実施例1において外層Iと外層IIIをPET(C)のみに変更し、かつI層、II層、III層の厚さの比を7:86:7とし、キャスティングの速度を調整して未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に1.6倍延伸して一軸配向ポリエステルフィルムを得た。その後、易滑層形成用のコート液(A)を濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)25μmのフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過し、リバースロール法で両面に塗布し乾燥した。その後、テンターに導き、予熱ゾーンにて105℃で約5秒間予熱した後、幅方向に115℃、延伸倍率4.0倍で延伸した。引き続き同一テンター内でフィルムを定長で185℃の熱処理を行い、その後幅方向に3.0%弛緩処理を行い、フィルム温度をガラス転移温度以下まで冷却した後にクリップから外し、耳部をカットした後に通常のようにフィルムを巻き取り、厚み約70μmの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
(比較例1)
水系ポリウレタン樹脂(DIC社製、ハイドランHW345)を用い、溶剤質量比率が水/イソプロパノール=93/7の溶媒により、固形分濃度14.6質量%のコート液(F)を調製した。
コート液(A)の代わりにコート液(F)を用いた以外は実施例1と同様に、同様に塗布,乾燥した後横延伸を行い、厚み70μmの易接着性二軸配向ポリエステルフィルムを得た。コート層の乾燥後塗布量はふき取り重量法で0.2g/mであった。
(比較例2)
水系ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロナール)を用い、溶剤質量比率が水/イソプロパノール=93/7の溶媒により、固形分濃度14.6質量%のコート液(G)を調製した。
コート液(A)の代わりにコート液(G)を用いた以外は実施例1と同様に、同様に塗布,乾燥した後横延伸を行い、厚み70μmの易接着性二軸配向ポリエステルフィルムを得た。コート層の乾燥後塗布量はふき取り重量法で0.2g/mであった。
(比較例3)
ポリビニルアルコール(日本合成化学社製、ゴーセノールGL−05)を用い、溶剤質量比率が水/イソプロパノール=93/7の溶媒により、固形分濃度14.6質量%のコート液(H)を調製した。
コート液(A)の代わりにコート液(H)を用いた以外は実施例1と同様に、同様に塗布,乾燥した後横延伸を行い、厚み70μmの易接着性二軸配向ポリエステルフィルムを得た。コート層の乾燥後塗布量はふき取り重量法で0.2g/mであった。
(比較例4)
実施例1と同様の方法でキャスティングの速度を調整し、得られた未延伸フィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.4倍延伸して一軸配向ポリエステルフィルムを得た。次いで、実施例12と同様にコート液(A)を塗布し、塗膜を乾燥させた後、テンターに導き、予熱ゾーンにて120℃で約5秒間予熱した後、幅方向に140℃、延伸倍率4.0倍で延伸した。引き続き同一テンター内でフィルムを定長で210℃の熱処理を行い、その後幅方向に3.0%弛緩処理を行い、フィルム温度をガラス転移温度以下まで冷却した後にクリップから外し、耳部をカットした後に通常のようにフィルムを巻き取り、厚み70μmの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
得られたフィルムの配向主軸の最大歪みは28°、フィルムへイズは2.2%、150℃における熱収縮率は1.7%であった。
得られた評価結果を表1に示す。
Figure 2009269301
本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、高い寸法安定性・透明性・配向特性を有し、かつ、水溶性・親水性樹脂に対して優れた密着性を有する。そのため、包装材料、窓貼り材料、インクジェット記録材、代替紙、偏光子保護フィルム、写真感剤フィルム、液晶ディスプレイ・プラズマディスプレイ・有機EL・電子ペーパーなどのディスプレイ部材などの基材フィルムとして好適に使用される。

Claims (1)

  1. 少なくとも片面に易接着層を有する易接着性ポリエステルフィルムであって、
    前記易接着層が自己架橋性ポリウレタン樹脂を主たる構成成分とし、
    ヘーズが7.0%以下であり、
    150℃における熱収縮率が4.0%以下であり、
    配向主軸の歪みが8度以下である、
    易接着性ポリエステルフィルム。
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