JP2014221560A - 光学用積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面にウレタン樹脂とブロックイソシアネートを主成分とする塗布層を有する易接着性ポリエステルフィルムの前記塗布層に、ハードコート層、光拡散層、レンズ層、電磁波吸収層、近赤外線遮断層、透明導電層から選択される少なくとも1層の光学機能層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルムであって、前記ブロックイソシアネートの解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上である、光学用積層ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
(1)ポリエステルフィルムの少なくとも片面にウレタン樹脂とブロックイソシアネートを主成分とする塗布層を有する易接着性ポリエステルフィルムの前記塗布層に、ハードコート層、光拡散層、レンズ層、電磁波吸収層、近赤外線遮断層、透明導電層から選択される少なくとも1層の光学機能層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルムであって、
前記ブロックイソシアネートの解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上である、光学用積層ポリエステルフィルム。
(2)前記ウレタン樹脂が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂である前記光学用積層ポリエステルフィルム。
(3)前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.40〜1.55である前記光学用積層ポリエステルフィルム。
(4)前記塗布層中のウレタン樹脂とブロックイソシアネートの質量比(ウレタン樹脂/ブロックイソシアネート)が1/9〜9/1である、前記光学用積層ポリエステルフィルム。
(5)ポリエステルフィルムのヘイズが2.0%以下である前記易接着性ポリエステルフィルム。
本発明で基材を構成するポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリメチレンテレフタレート、および共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分などを共重合したポリエステル樹脂などを用いることができる。
本発明における易接着性ポリエステルフィルムは、ウレタン樹脂と、解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上であるブロックイソシアネートを主成分とする塗布層を有することが重要である。ここで、「主成分」とは、塗布層に含まれる全固形成分中として50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有することを意味する
本発明におけるウレタン樹脂は、構成成分として、少なくともポリオール成分、ポリイソシアネート成分を含み、さらに必要に応じて鎖延長剤を含む。本発明におけるウレタン樹脂は、これら構成成分が主としてウレタン結合により共重合された高分子化合物である。
本発明において、塗布層中に解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上であるブロックイソシアネートを含有させる必要がある。ブロックイソシアネートはポリイソシアネートとブッロク剤を反応させることで得られる。なお、解離温度、沸点は示差熱分析により測定することができる。
重亜硫酸塩系化合物:重亜硫酸ソーダなど、
ピラゾール系化合物:3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ブロモー3,5−ジメチルピラゾール、4−ニトロー3,5−ジメチルピラゾールなど、
活性メチレン系:マロン酸ジエステル(マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジ2−エチルヘキシル)等。
トリアゾール系化合物:1,2,4−トリアゾールなど
が挙げられる。なかでも、耐湿熱性、黄変の点から、ピラゾール系化合物が好ましい。
本発明において、塗布層中に粒子を含有させることもできる。粒子は(1)シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、等の無機粒子、(2)アクリルあるいはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系等の有機粒子が挙げられる。
本発明における易接着性ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)フィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムは、前述のポリエステルフィルムの塗布層の少なくとも片面に、ハードコート層、光拡散層、レンズ層、電磁波吸収層、近赤外線遮断層、透明導電層から選択される、少なくとも1層の光学機能層を積層することにより得られる。なお、前記レンズ層としては特に形状を問わないが、例えば、プリズム状レンズ、フレネル状レンズ、マイクロレンズなどが好適に適用できる。
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
ブロックイソシアネートの解離温度は示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)によりDSC分析にて測定し、ブロック剤の沸点は熱重量・示差熱分析(TG/DTA)により測定した。なお、沸点の測定は1気圧下で行なった。
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を使用して、DSC曲線からガラス転移開始温度を求めた。
得られた易接着性ポリエステルフィルムについて塗布層を削り取り、約1mgの試料を採取した。採取した試料に圧力をかけ、厚み約1μmのフィルム状に成型した塗布層試料片(大きさ:約50μm×約50μm)を作成した。さらに、ブランク試料として基材フィルムと同質のPET樹脂についても前記手順と同様にして試料片(ブランク試料片)を作成した。
作成した試料片をKBr板上に載せ、下記条件の顕微透過法により赤外吸収スペクトルを測定した。塗布層の赤外分光スペクトルは、塗布層試料片から得た赤外分光スペクトルとブランク試料片のスペクトルとの差スペクトルとして求めた。
脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)は1460±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とし、ウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)は1530±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とした。なお、ベースラインはそれぞれの極大吸収のピークの両側の裾を結ぶ線とした。得られた吸光度から下記式により吸光度比率を求めた。
(吸光度比率)=A1460/A1530
装置:FT−IR分析装置SPECTRA TECH社製 IRμs/SIRM
検出器:MCT
分解能:4cm−1
積算回数:128回
得られた易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率はJIS K 7105に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
得られた易接着性ポリエステルフィルムのヘイズはJIS K 7136に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
得られた光学用積層ポリエステルフィルムの光硬化型ハードコート層または光硬化型アクリル層または光硬化型ウレタン/アクリル層面(以下、光学機能層)に、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて、光学機能層を貫通して基材フィルムに達する100個のマス目状の切り傷をつける。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製、405番;24mm幅)をマス目状の切り傷面に貼り付け、消しゴムでこすって完全に密着させた。その後、垂直にセロハン粘着テープを光学用積層ポリエステルフィルムの光学機能層面から引き剥がす作業を5回行った後、光学用積層ポリエステルフィルムの光学機能層面から剥がれたマス目の数を目視で数え、下記の式から光学機能層と基材フィルムとの密着性を求めた。なお、マス目の中で部分的に剥離しているものも剥がれたマス目として数え、下記の基準でランク分けをした。
密着性(%)=(1−剥がれたマス目の数/100)×100
◎:100%、または、光学機能層の材破
○:99〜90%
△:89〜70%
×:69〜0%
得られた光学用積層ポリエステルフィルムを、高温高湿槽中で80℃、95%RHの環境下48時間放置した。次いで、光学用積層ポリエステルフィルムを取りだし、室温常湿で12時間放置した。その後、前記(7)と同様の方法で光学機能層と基材フィルムの接密着性を求め、下記の基準でランク分けをした。
◎:100%、または、光学機能層の材破
○:99〜90%
△:89〜70%
×:69〜0%
ハードコート層を有する光学用積層ポリエステルフィルムのハードコート層面に約100Å厚みの金属(Al)蒸着を施した。金属蒸着面を下に、ブロムライト(VIDEO LIGHT VLG301 100V 300W LPL社製)を用いてフィルム面に対して約10°から45°の範囲で照射し、目視観察により次の5段階で評価した。
○:塗布面微小突起に起因する塗布層面のチラチラ感がなく、クリアな鏡面感がある
△:塗布面微小突起に起因する塗布層面のチラチラ感があまりない。
×: 塗布面微小突起に起因する塗布層面のチラチラ感がある。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジシクロヘキシルジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸12.85質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール153.41質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450質量部を添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)を調製した。得られたポリウレタン樹脂(A−1)のガラス転移点温度は−30℃であった。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジシクロヘキシルジイソシアネート29.14質量部、ジメチロールブタン酸7.57質量部、数平均分子量3000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール173.29質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン5.17質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450質量部を添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−2)を調製した。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジシクロヘキシルジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸11.12質量部、ヘキサンジオール1.97質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール143.40質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450質量部を添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−3)を調製した。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート38.41質量部、ジメチロールプロパン酸6.95質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール158.99質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン4.37質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次にγ―(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン3.84質量部、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール1.80質量部と水450質量部を添加して、ポリウレタンプレポリマー溶液を滴下して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分30%の水溶性シラノール基含有ポリウレタン樹脂(A−4)を調製した。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量1000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−5)を得た。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量5000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−6)を得た。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量2000のポリエステルジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−7)を得た。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量2000のポリエーテルジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−8)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)52.21質量部にポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 1000)20.72質量部を滴下し、素雰囲気下、70℃で5時間保持した。その後、3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)27.08質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認後、ジプロピレングリコールジメチルエーテル25質量部、水125質量部を加え、30℃で高速攪拌し、固形分40質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネート24A−100)52.54質量部にポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 1000)19.78質量部素雰囲気下、70℃で5時間保持した。その後、3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)27.67質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認後、ジプロピレングリコールジメチルエーテル25質量部、水125質量部を加え、30℃で高速攪拌し、固形分40質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−2)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)66.04質量部、N−メチルピロリドン17.50質量部に3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)25.19質量部を滴下し、素雰囲気下、70℃で1時間保持した。その後、ジメチロールプロパン酸5.27質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認後、N,N−ジメチルエタノールアミン5.59質量部、水132.5質量部を加え、固形分40質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−3)を得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)の3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)をマロン酸ジエチル(解離温度:120℃、沸点199℃)に変更した以外は、同様の方法で固形分40%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−4)を得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)の3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)をメチルエチルケトオキシム(解離温度:140℃、沸点:152℃)に変更した以外は、同様の方法で固形分40%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−5)を得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−3)の3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)をメチルエチルケトオキシム(解離温度:140℃、沸点:152℃)に変更した以外は、同様の方法で固形分40%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−6)を得た。
(1)塗布液の調整
下記の塗剤を混合し、塗布液を作成した。
水 53.66質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 11.29質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 4.23質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
フィルム原料ポリマーとして、固有粘度が0.62dl/gで、かつ粒子を実質上含有していないPET樹脂ペレットを、133Paの減圧下、135℃で6時間乾燥した。その後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った回転冷却金属ロール上で急冷密着固化させ、未延伸PETシートを得た。
(ハードコート層を有する光学用積層ポリエステルフィルム)
前記の易接着性ポリエステルフィルムの塗布層面に、下記組成のハードコート層形成用塗布液(E)を#10ワイヤーバーを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムに高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2の紫外線を照射し、厚み5μmのハードコート層を有する光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ハードコート層形成用塗布液(E)
メチルエチルケトン 65.00質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 27.20質量%
(新中村化学製A−DPH)
ポリエチレンジアクリレート 6.80質量%
(新中村化学製A−400)
光重合開始剤 1.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
清浄に保った厚さ1mmのSUS板上(SUS304)に、下記光硬化型アクリル系塗布液を約5gのせ、フィルム試料の塗布層面と光硬化型アクリル系塗布液が接するように重ね合わせ、フィルム試料の上から幅10cm、直径4cmの手動式荷重ゴムローラーで光硬化型ウレタン/アクリル系塗布液(F)を引き延ばすように圧着した。次いで、フィルム面側から、高圧水銀灯を用いて500mJ/cm2の紫外線を照射し、光硬化型ウレタン/アクリル樹脂を硬化させた。厚み20μmの光硬化型ウレタン/アクリル層を有するフィルム試料をSUS板から剥離し、光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
光硬化型ウレタン/アクリル系塗布液(F)
光硬化型アクリル樹脂 67.00質量%
(新中村化学製A−BPE−4)
光硬化型ウレタン/アクリル樹脂 20.00質量%
(新中村化学製U−6HA)
光硬化型アクリル樹脂 10.00質量%
(新中村化学製AMP−10G)
光重合開始剤 3.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
光硬化型ウレタン/アクリル層を有する光学用積層ポリエステルフィルムの光硬化型ウレタン/アクリル系塗布液(F)を光硬化型アクリル系塗布液(G)に変更した以外は同様にして、光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
光硬化型アクリル系塗布液(G)
光硬化型アクリル樹脂 77.00質量%
(新中村化学製A−BPE−4)
光硬化型アクリル樹脂 20.00質量%
(新中村化学製AMP−10G)
光重合開始剤 3.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 53.04質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 16.13質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
ブロックポリイソシアネート水分散液をブロックポリイソシアネート水分散液(B−5)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液をブロックポリイソシアネート水分散液(B−6)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液をヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート水分散液(旭化成ケミカルズ製WT30−100)に変更し、塗布液を作成して24時間後に塗布した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−5)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−6)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 53.25質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 14.51質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 1.41質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 53.46質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 12.90質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 2.81質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 54.06質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 8.06質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 7.05質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 54.66質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 3.23質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 11.28質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 54.87質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 1.61質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 12.69質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−2)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−3)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をシラノール基含有ポリウレタン樹脂(A−4)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−7)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−8)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)をブロックポリイソシアネート水分散液(B−2)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)をブロックポリイソシアネート水分散液(B−3)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)をブロックポリイソシアネート水分散液(B−4)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
塗布液を作成して、24時間後に塗布した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 61.83質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 5.64質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 2.12質量%
粒子 0.35質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.04質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.02質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
Claims (5)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面にウレタン樹脂とブロックイソシアネートを主成分とする塗布層を有する易接着性ポリエステルフィルムの前記塗布層に、ハードコート層、光拡散層、レンズ層、電磁波吸収層、近赤外線遮断層、透明導電層から選択される少なくとも1層の光学機能層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルムであって、
前記ブロックイソシアネートの解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上である、光学用積層ポリエステルフィルム。 - 前記ウレタン樹脂が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂である、請求項1に記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
- 前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近のピークの吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近のピークの吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.40〜1.55である、請求項2に記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
- 前記塗布層中のウレタン樹脂とブロックイソシアネートの質量比(ウレタン樹脂/ブロックイソシアネート)が1/9〜9/1である、請求項1〜3のいずれかに記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムのヘイズが2.0%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
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