JP2009269104A - 化学機械研磨用水系分散体および該化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキット、ならびに化学機械研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明にかかる化学機械研磨用水系分散体は、(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種、(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤、(C)砥粒、(D)アミノ酸、(E)酸化剤、を含む。
【選択図】なし
Description
(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種、
(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤、
(C)砥粒、
(D)アミノ酸、
(E)酸化剤、
を含む。
前記(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種は、アミド硫酸、アミド硫酸アンモニウム、およびアミド硫酸カリウムから選択される少なくとも1種であることができる。
前記(B)界面活性剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、およびドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムから選択される少なくとも1種であることができる。
前記(D)アミノ酸は、グリシンであることができる。
前記(E)酸化剤は、過酸化水素であることができる。
前記(C)砥粒は、シリカおよび有機無機複合粒子から選択される少なくとも1種であることができる。
該化学機械研磨用水系分散体は、電気光学表示装置用基板に設けられた銅または銅合金からなる配線層を研磨するために用いられることができる。
電気光学表示装置用基板に設けられた銅または銅合金からなる配線層を研磨するために、上述の化学機械研磨用水系分散体を用いる。
第1の組成物および第2の組成物から構成され、銅または銅合金からなる配線層を研磨するための化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットであって、
前記第1の組成物は、
(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種と、
(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤と、
(C)砥粒と、
(D)アミノ酸と、を含み、
前記第2の組成物は、
(E)酸化剤、を含む。
第3の組成物および第4の組成物から構成され、銅または銅合金からなる配線層を研磨するための化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットであって、
前記第3の組成物は、(C)砥粒を含み、
前記第4の組成物は、(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種と、(D)アミノ酸と、を含み、
前記第3の組成物および前記第4の組成物の少なくとも一方は、(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤を含み、
前記第3の組成物および前記第4の組成物の少なくとも一方は、(E)酸化剤を含む。
第5の組成物、第6の組成物および第7の組成物から構成され、電気光学表示装置用基板に設けられた第5の組成物、第6の組成物および第7の組成物から構成され、銅または銅合金からなる配線層を研磨するための化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットであって、
前記第5の組成物は、(E)酸化剤を含み、
前記第6の組成物は、(C)砥粒を含み、
前記第7の組成物は、(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種と、(D)アミノ酸と、を含み、
前記第5の組成物、前記第6の組成物および前記第7の組成物から選択される少なくとも1種は、(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤を含む。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種、(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤、(C)砥粒、(D)アミノ酸、および(E)酸化剤、を含む。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種を含有する。(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種が有する機能の1つとしては、化学機械研磨用水系分散体を用いた化学機械研磨における研磨速度を向上させることが挙げられる。(A)成分は、特に銅または銅合金からなる配線材料に対して、研磨速度を促進させることができる。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤を含有する。(B)成分の機能の1つとしては、化学機械研磨用水系分散体に粘性を付与することが挙げられる。すなわち、化学機械研磨用水系分散体の粘性は、(B)成分の添加量によって制御することができる。そして、該化学機械研磨用水系分散体の粘性を制御すれば、該化学機械研磨用水系分散体の研磨性能を制御することができる。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(C)砥粒を含む。(C)砥粒としては、無機粒子、有機粒子および有機無機複合粒子から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア等が挙げられる。有機粒子としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンおよびスチレン系共重合体、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィンおよびオレフィン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂およびアクリル系共重合体などが挙げられる。有機無機複合粒子としては、上記の有機粒子と上記の無機粒子とからなることができる。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(D)アミノ酸を含有する。(D)アミノ酸の機能の1つとしては、電気光学表示装置用基板の研磨に対して化学機械研磨用水系分散体を適用したときの研磨速度を向上させることが挙げられる。(D)アミノ酸は、特に銅または銅合金からなる配線材料に対して、研磨速度を促進させることができる。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(E)酸化剤を含有する。(E)酸化剤の機能の1つとしては、化学機械研磨に対して化学機械研磨用水系分散体を適用したときの研磨速度を向上させることが挙げられる。その理由としては、(E)酸化剤が、銅膜の表面を酸化し、化学機械研磨用水系分散体の成分との錯化反応を促すことにより、脆弱な改質層を銅膜の表面に形成し、銅膜を研磨しやすくするためと考えられる。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、上記の成分のほか、必要に応じて各種添加剤を配合することができる。
上記化学機械研磨用水系分散体は、調製後にそのまま研磨用組成物として使用できる状態で供給することができる。あるいは、上記化学機械研磨用水系分散体の各成分を高濃度で含有する研磨用組成物(すなわち濃縮された研磨用組成物)を準備しておき、使用時にこの濃縮された研磨用組成物を希釈して所望の化学機械研磨用水系分散体を得てもよい。
第1のキットは、第1の組成物および第2の組成物を混合して、上記化学機械研磨用水系分散体を得るためのキットである。第1のキットにおいて、第1の組成物は、(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種と、(B)界面活性剤と、(C)砥粒と、(D)アミノ酸と、を含む水系分散体であり、前記第2の組成物は、(E)酸化剤を含む水溶液である。なお、(A)成分ないし(E)成分は、「1.化学機械研磨用水系分散体」の項で述べたものと同様である。
第2のキットは、第3の組成物および第4の組成物を混合して、上記化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットである。第2のキットにおいて、第3の組成物は、前記第3の組成物は、(C)砥粒を含む水分散体であり、前記第4の組成物は、(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種と、(D)アミノ酸と、を含む水溶液である。そして、前記第3の組成物および前記第4の組成物の少なくとも一方は、(B)界面活性剤を含み、前記第3の組成物および前記第4の組成物の少なくとも一方は、(E)酸化剤を含む。なお、(A)成分ないし(E)成分は、「1.化学機械研磨用水系分散体」の項で述べたものと同様である。
第3のキットは、第5の組成物、第6の組成物および第7の組成物を混合して、上記化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットである。第3のキットにおいて、前記第5の組成物は、(E)酸化剤を含む水溶液であり、前記第6の組成物は、(C)砥粒を含む水分散体であり、前記第7の組成物は、(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種と、(D)アミノ酸と、を含む水溶液である。そして、前記第5の組成物、前記第6の組成物および前記第7の組成物から選ばれる少なくとも1種は、(B)界面活性剤を含む。なお、(A)成分ないし(E)成分は、「1.化学機械研磨用水系分散体」の項で述べたものと同様である。
化学機械研磨工程では、研磨対象の違いによって、その目的に応じた適切な化学機械研磨用水系分散体を選択することができる。本実施形態に係る電気光学表示装置用基板の製造方法における化学機械研磨工程は、主として配線層を研磨する一段階目の工程と、主としてバリアメタル膜を研磨する二段階目の工程とに分けることができる。本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、特に銅または銅合金からなる配線層を研磨するための一段階目の工程に適用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
4.1.1.平坦性(ディッシング)の評価に用いる基板の作製
深さ3μmの凹部により形成された幅300μmの配線パターンを備えた対角線寸法2000mmのガラス基板表面に、30nmの厚さの窒化タンタルからなるバリアメタル膜を成膜した。その後、銅を該バリアメタル膜の上および凹部内にスパッタリングにより6μmの厚さに堆積した。以下、このようにして得られた基板を「基板a」と呼ぶ。
対角線寸法2000mmのガラス基板表面に、30nmの厚さの窒化タンタルからなるバリアメタル膜を成膜した。その後、銅を該バリアメタル膜の上にスパッタリングにより6μmの厚さに堆積した。以下、このようにして得られた基板を「基板b」と呼ぶ。
4.2.1.無機砥粒を含む水分散体の調製
(a)ヒュームド法シリカ粒子を含む水分散体の調製
ヒュームド法シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製、商品名「アエロジル#90」)2kgを、イオン交換水6.7kgに超音波分散機を用いて分散させ、孔径5μmのフィルタによって濾過し、ヒュームド法シリカを含む水分散体を調製した。
容量2000cm3のフラスコに、25質量%濃度のアンモニア水70g、イオン交換水40g、エタノール175gおよびテトラエトキシシラン21gを投入し、180rpmで撹拌しながら60℃に昇温した。60℃のまま2時間撹拌した後冷却し、平均粒子径70nmのコロイダルシリカ/アルコール分散体を得た。次いで、エバポレータにより、80℃でこの分散体にイオン交換水を添加しながらアルコール分を除去する操作を数回繰り返すことにより分散体中のアルコールを除き、固形分濃度が8質量%の水分散体を調製した。
(c)重合体粒子を含む水分散体の調製
メチルメタクリレ−ト90質量部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「NKエステルM−90G」、#400)5質量部、4−ビニルピリジン5質量部、アゾ系重合開始剤(和光純薬株式会社製、商品名「V50」)2質量部、およびイオン交換水400質量部を、容量2000cm3のフラスコに投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら70℃に昇温し、6時間重合させた。これによりアミノ基の陽イオンおよびポリエチレングリコール鎖を有する官能基を備えた平均粒子径150nmのポリメチルメタクリレート系粒子を含む水分散体を得た。なお、重合収率は95%であった。
上記「(c)重合体粒子を含む水分散体の調製」において得られたポリメチルメタクリレート系粒子を10質量%含む水分散体100質量部を、容量2000cm3のフラスコに投入し、メチルトリメトキシシラン1質量部を添加し、40℃で2時間撹拌した。その後、硝酸によりpHを2に調整して水分散体(e)を得た。また、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名「スノーテックスO」)を10質量%含む水分散体のpHを水酸化カリウムにより8に調整し、水分散体(f)を得た。水分散体(e)に含まれるポリメチルメタクリレート系粒子のゼータ電位は+17mV、水分散体(f)に含まれるシリカ粒子のゼータ電位は−40mVであった。その後、水分散体(e)100質量部に水分散体(f)50質量部を2時間かけて徐々に添加、混合し、2時間撹拌して、ポリメチルメタクリレート系粒子にシリカ粒子が付着した粒子を含む水分散体を得た。次いで、この水分散体に、ビニルトリエトキシシラン2部を添加し、1時間撹拌した後、テトラエトキシシラン1質量部を添加し、60℃に昇温し、3時間撹拌を継続した後、冷却することにより、複合粒子を含む水分散体(d)を得た。この複合粒子の平均粒子径は180nmでありポリメチルメタクリレート系粒子の表面の80%にシリカ粒子が付着していた。
上記「4.2.無機砥粒または複合粒子からなる砥粒を含む水分散体の調製」において調製された水分散体の所定量を各実施例ごとに容量1000cm3のポリエチレン製の瓶に投入し、これに、それぞれ(A)アミド硫酸およびその塩から選択される1種、および(D)アミノ酸、を最終的に表1に記載の含有量となるようにそれぞれ添加し、十分に撹拌した。(D)アミノ酸としては、実施例1ないし実施例3、実施例7ないし実施例10、および比較例1、比較例2、比較例4および比較例5において、グリシンを用いた。実施例4、および実施例5においては(D)アミノ酸として、アラニンを用いた。実施例6においては、(D)アミノ酸として、アスパラギン酸を用いた。なお、比較例5に関しては、(A)成分の代わりに比較成分として硫酸アンモニウムを用いた。また、比較例6に関しては、(D)アミノ酸の代わりにマレイン酸を使用した。
4.4.1.第1の組成物の調製
上記「4.2.1.(b)コロイダルシリカを含む水分散体の調製」で調製したコロイダルシリカを含む水分散体を、シリカに換算して6.0質量%に相当する量をポリエチレン製の瓶に入れ、ドデシルベンゼンスルホン酸(商品名「ネオペレックスGS」、花王社製)をアンモニアでpH7に中和したドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム0.24質量%、これにグリシン2.4質量%、アミド硫酸アンモニウム3.0質量%を順次添加し、15分間撹拌した。次いで、アンモニアおよび水酸化カリウムを適量加えてpHを調整し、全構成成分の合計量が100質量%となるようにイオン交換水を加えた後、孔径5μmのフィルターで濾過することにより、水系分散体である第1の組成物A1を得た。
過酸化水素濃度が5質量%となるようにイオン交換水で濃度調節を行ない、第2の組成物B1を得た。以上の工程により、第1の組成物A1および第2の組成物B1からなる化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットを作製した。
第1の組成物A1、第2の組成物B1をそれぞれ別のポリエチレン製の容器に入れ栓をし、室温で6ヶ月保管した。この6ヶ月保管後のA1;50質量%およびB1;8質量%とを混合し、全構成成分の合計量が100質量%となるようにイオン交換水を加え、化学機械研磨用水系分散体X1を調製した。この化学機械研磨用水系分散体X1は、上記実施例5で調製した化学機械研磨用水系分散体と同一の組成およびpHを有する。この化学機械研磨用水系分散体X1を用いて、下記「4.7.研磨評価試験」にしたがい試験を行った。これを実施例11とし、その結果を表1に示す。
4.5.1.第3の組成物の調製
上記「4.2.1.(b)コロイダルシリカを含む水分散体の調製」で調製したコロイダルシリカを含む水分散体を、シリカに換算して6.0質量%に相当する量をポリエチレン製の瓶に入れ、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム0.24質量%および35質量%過酸化水素水の過酸化水素に換算して0.8質量%に相当する量を順次添加し、アンモニアでpHを調整した後、15分間撹拌した。次いで、全構成成分の合計量が100質量%となるようにイオン交換水を加えた後、孔径5μmのフィルターで濾過することにより、水系分散体である第3の組成物A2を得た。
ポリエチレン製の瓶に、グリシン2.4質量%、アミド硫酸アンモニウム3.0質量%に相当する量を順次に入れ、全構成成分の合計量が100質量%となるようにイオン交換水を加えた後、15分間撹拌し、孔径5μmのフィルターで濾過することにより、水系分散体である第4の組成物B2を得た。以上の工程により、第3の組成物A2および第4の組成物B2からなる化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットを作製した。
第3の組成物A2、第4の組成物B2をそれぞれ別のポリエチレン製の容器に入れ栓をし、室温で6ヶ月保管した。この6ヶ月保管後のA2;50質量%およびB2;50質量%とを混合し、化学機械研磨用水系分散体X2を調製した。この化学機械研磨用水系分散体X2は、上記実施例5で調製した化学機械研磨用水系分散体と同一の組成であって、かつ同一のpHであった。この化学機械研磨用水系分散体X2を用いて、下記「4.7.研磨評価試験」にしたがい試験を行った。これを実施例12とし、その結果を表1に示す。
4.6.1.第5の組成物の調製
上記「4.2.1.(b)コロイダルシリカを含む水分散体の調製」で調製したコロイダルシリカを含む水分散体を、シリカに換算して6.0質量%に相当する量をポリエチレン製の瓶に入れ、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム0.24質量%、次いでアンモニアを添加した後、15分間撹拌した。次いで、全構成成分の合計量が100質量%となるようにイオン交換水を加えた後、孔径5μmのフィルターで濾過することにより、水系分散体である第5の組成物A3を得た。
ポリエチレン製の瓶に、グリシン4.8質量%、アミド硫酸アンモニウム6.0質量%に相当する量を順次に入れ、全構成成分の合計量が100質量%となるようにイオン交換水を加えた後、15分間撹拌し、孔径5μmのフィルターで濾過することにより、水系分散体である第6の組成物B3を得た。
過酸化水素濃度が5質量%となるようにイオン交換水で濃度調節を行ない、第7の組成物C3を得た。以上の工程により、第5の組成物A3、第6の組成物B3、および第7の組成物C3からなる化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットを作製した。
第5の組成物A3、第6の組成物B3、第7の組成物C3をそれぞれ別のポリエチレン製の容器に入れ栓をし、室温で6ヶ月保管した。この6ヶ月保管後のA3;50質量%、B3;25質量%およびC3;8質量%とを混合し、全構成成分の合計量が100質量%となるようにイオン交換水を加え、化学機械研磨用水系分散体X3を調製した。この化学機械研磨用水系分散体X3は、上記実施例5で調製した化学機械研磨用水系分散体と同一の組成であって、かつ同一のpHであった。この化学機械研磨用水系分散体X3を用いて、下記「4.7.研磨評価試験」にしたがい試験を行った。これを実施例13とし、その結果を表1に示す。
4.7.1.銅膜付き基板の研磨
実施例1ないし実施例13および比較例1ないし比較例5の分散体を用いて銅膜付き基板を以下の条件で研磨した。この評価は上述した基板bを用いて行った。
・研磨装置 : 表示基板用化学機械研磨機
・研磨パッド : 溝付きウレタン発泡素材化学機械研磨用パッド
・キャリアーヘッド荷重 : 200g/cm2
・ヘッド回転数 : 60rpm
・テーブル回転数 : 65pm
・研磨剤供給量 : 150cm3/分
・研磨時間 : 30秒
研磨速度(nm/分)
=(研磨前の銅膜の厚さ−研磨後の銅膜の厚さ)/研磨時間 …(1)
銅膜の厚さ(nm)
=シート抵抗値(Ω/cm2)×銅の抵抗率(Ω/cm)×10−7 …(2)
凹部等に配線材料を堆積させた厚さT(nm)の初期の余剰膜を研磨速度V(nm/分)で研磨すると、本来T/V(分)の時間だけ研磨すれば目的が達成できるはずである。しかし、実際の製造工程では、凹部以外の部分に残る配線材料を除去するため、T/V(分)を超える過剰研磨(オーバーポリッシュ)を実施している。このとき、配線部分が過剰に研磨されることにより、凹状の形状となることがある。このような凹状の配線形状は、「ディッシング」と呼ばれ、製造品の歩留まりを低下させてしまう観点から好ましくない。そのため、各実施例でディッシングを評価項目として採り上げた。
上記の銅膜が成膜された基板bの長手方向に対し両端から5mmの範囲を除き、均等にとった33点について化学機械研磨前後の基板の膜厚を測定した。この測定結果から、下記式(3)ないし(5)により、研磨速度および面内均一性を計算した。
研磨量 = 研磨前の膜厚−研磨後の膜厚 …(3)
研磨速度 = Σ(研磨量)/研磨時間 …(4)
面内均一性 =(研磨量の標準偏差÷研磨量の平均値)×100(%) …(5)
実施例1ないし13、比較例1ないし6は、化学機械研磨用水系分散体の成分または濃度を一部変更したものであって、表1に記載した通りである。表1には、各例の評価結果を合わせて記載した。
Claims (12)
- (A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種、
(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤、
(C)砥粒、
(D)アミノ酸、
(E)酸化剤、
を含む、化学機械研磨用水系分散体。 - 請求項1において、
前記(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種は、アミド硫酸、アミド硫酸アンモニウム、およびアミド硫酸カリウムから選択される少なくとも1種である、化学機械研磨用水分散体。 - 請求項1または請求項2において、
前記(B)界面活性剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、およびドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムから選択される少なくとも1種である、化学機械研磨用水系分散体。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
前記(D)アミノ酸は、グリシンである、化学機械研磨用水系分散体。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
前記(E)酸化剤は、過酸化水素である、化学機械研磨用水系分散体。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
前記(C)砥粒は、シリカおよび有機無機複合粒子から選択される少なくとも1種である、化学機械研磨用水系分散体。 - 電気光学表示装置用基板に設けられた銅または銅合金からなる配線層を研磨するために用いられる、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体。
- 電気光学表示装置用基板に設けられた銅または銅合金からなる配線層を研磨するために、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体を用いる、化学機械研磨方法。
- 第1の組成物および第2の組成物から構成され、銅または銅合金からなる配線層を研磨するための化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットであって、
前記第1の組成物は、
(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種と、
(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤と、
(C)砥粒と、
(D)アミノ酸と、を含み、
前記第2の組成物は、
(E)酸化剤を含む、化学機械研磨用水系分散体調製用キット。 - 第3の組成物および第4の組成物から構成され、銅または銅合金からなる配線層を研磨するための化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットであって、
前記第3の組成物は、(C)砥粒を含み、
前記第4の組成物は、(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種と、(D)アミノ酸と、を含み、
前記第3の組成物および前記第4の組成物の少なくとも一方は、(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤を含み、
前記第3の組成物および前記第4の組成物の少なくとも一方は、(E)酸化剤を含む、化学機械研磨用水系分散体調製用キット。 - 第5の組成物、第6の組成物および第7の組成物から構成され、電気光学表示装置用基板に設けられた第5の組成物、第6の組成物および第7の組成物から構成され、銅または銅合金からなる配線層を研磨するための化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットであって、
前記第5の組成物は、(E)酸化剤を含み、
前記第6の組成物は、(C)砥粒を含み、
前記第7の組成物は、(A)アミド硫酸およびその塩から選択される少なくとも1種と、(D)アミノ酸と、を含み、
前記第5の組成物、前記第6の組成物および前記第7の組成物から選ばれる少なくとも1種は、(B)アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、およびそれらの塩、から選択される少なくとも1種である界面活性剤を含む、化学機械研磨用水系分散体調製用キット。 - 請求項9〜11のいずれか1項に記載の化学機械研磨用水系分散体調製用キットの各組成物を混合する工程を含む、化学機械研磨用水系分散体の調製方法。
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JP2008119695A JP5826986B2 (ja) | 2008-05-01 | 2008-05-01 | 化学機械研磨用水系分散体および化学機械研磨方法 |
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