以下、添付図面に従って本発明に係る画像記録装置及び画像記録方法の好ましい実施の形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像記録装置が適用された撮影装置を示すブロック図である。
図1に示すように、画像記録装置10は、静止画や動画の記録及び再生機能を備えた電子カメラであり、画像記録装置10全体の動作は中央処理装置(CPU)12によって統括制御される。
CPU12は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動合焦制御(AF)演算、ホワイトバランス(WB)調整演算等、各種演算を実施する演算手段として機能する。
電源回路14は、本カメラシステムの各ブロックに電源を供給する。
CPU12には、バス18を介してROM(Read Only Memory)20及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)22が接続されている。ROM20には、CPU12が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、EEPROM22には、カメラ動作に関する各種定数/情報等が格納される。
メモリ(SDRAM、Synchronous Dynamic Random Access Memory)24は、プログラムの展開領域及びCPU12の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。VRAM(Video Random Access Memory)26は、画像データ専用の一時記憶メモリであり、A領域とB領域を含んでいる。なお、メモリ24とVRAM26は共用することが可能である。
画像記録装置10には、電源スイッチ、モード選択スイッチ、撮影モード切替スイッチ、レリーズボタン、メニュー/OKキー、十字キー、キャンセルキー等の操作スイッチ16が設けられている。操作スイッチ16からの信号はCPU12に入力され、CPU12は入力信号に基づいて画像記録装置10の各回路を制御し、例えば、レンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、画像表示部68の表示制御等を行う。
電源スイッチは、画像記録装置10の電源のオン・オフを切り替えるための操作手段である。
モード選択スイッチは、撮影モードと再生モードとを切り替えるための操作手段である。
撮影モード切替スイッチは、画像記録装置10の撮影モードを切り替える操作手段である。画像記録装置10の撮影モードは、例えば、シーンポジション(例えば、ナチュラルフォト、人物、風景、スポーツ、夜景、水中撮影、接写(花等)又はテキスト文章撮影)に応じてフォーカスや露出を最適化して撮影するためのシーンポジションモード、フォーカスや露出を自動的に設定するオートモード、フォーカスや露出をマニュアルで設定可能なマニュアルモード又は動画撮影モードの間で切り替えられる。
レリーズボタンは、撮影開始の指示を入力する操作手段であり、半押し時にオンするS1スイッチと、全押し時にオンするS2スイッチとを有する2段ストローク式のスイッチで構成されている。
メニュー/OKキーは、画像表示部68の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行等を指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。
十字キーは、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりする操作手段(カーソル移動操作手段)である。また、十字キーの上キー及び下キーは撮影モード時のズームスイッチあるいは再生モード時の再生ズームスイッチとして機能し、左キー及び右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。
キャンセルキーは、選択項目等所望の対象の消去や指示内容の取り消し、あるいは1つ前の操作状態に戻す時等に使用される。
フラッシュボタンは、フラッシュモードを切り替えるためのボタンであり、撮影モードの下、フラッシュボタンを押圧操作することにより、フラッシュモードが、フラッシュ発光/発光禁止の各モードに設定される。
画像表示部68は、カラー表示可能な液晶モニタで構成されている。画像表示部68は、撮影時に画角確認用の電子ファインダとして使用できるとともに、記録済み画像を再生表示する手段として利用される。また、画像表示部68は、ユーザインターフェース用の表示画面としても利用され、メニュー情報や選択項目、設定内容等の情報が表示される。なお、画像表示部68としては、液晶モニタのほか、有機EL(electro-luminescence)等の他の方式の表示装置を用いることも可能である。
画像記録装置10は、図示せぬメディア装着部を有し、メディア装着部には記録メディア30を着脱可能に装着することができる。記録メディア30の形態は特に限定されず、xDピクチャカード(登録商標)、スマートメディア(登録商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等、種々の媒体を用いることができる。メディアコントローラ28は、メディアソケットに装着される記録メディア30に適した入出力信号の受渡しを行うために所要の信号変換を行う。
また、画像記録装置10は、パーソナルコンピュータその他の外部機器と接続するための通信手段として外部接続インターフェース部(外部接続I/F)32を備えている。画像記録装置10は、外部接続I/F32を介して外部機器と接続されると、当該外部機器との間でデータの受渡しが可能となる。なお、画像記録装置10と外部機器との間の通信方式としては、例えば、USB、IEEE1394やBluetooth(登録商標)等を採用することができる。
次に、画像記録装置10の撮影機能について説明する。モード選択スイッチによって撮影モードが選択されると、撮像素子(CCD)48を含む撮影部に電源が供給され、撮影可能な状態になる。なお、本実施形態では、撮像素子48としてCCDを用いたが、例えば、他の種類の固体撮像素子(例えば、CMOS)を用いるようにしてもよい。
レンズユニット38は、フォーカスレンズ42及びズームレンズ44を含む撮影レンズ40と、絞り兼用メカシャッター46とを含む光学ユニットである。撮影時のフォーカシングはフォーカスレンズ42をフォーカスモータ42Aによって移動させることにより行われ、ズーミングはズームレンズ44をズームモータ44Aで移動させることにより行われる。フォーカスモータ42Aとズームモータ44Aは、それぞれフォーカスモータドライバ42Bとズームモータドライバ44Bにより駆動制御される。CPU12は、このフォーカスモータドライバ42Bとズームモータドライバ44Bに制御信号を出力して制御する。
絞り46は、いわゆるターレット型絞りで構成されており、例えば、F2.8からF8の絞り孔が穿孔されたターレット板を回転させて絞り値(F値)を変化させる。この絞り46の駆動はアイリスモータ46Aによって行われる。アイリスモータ46Aはアイリスモータドライバ46Bにより駆動制御される。CPU12は、このアイリスモータドライバ46Bに制御信号を出力して制御する。
レンズユニット38を通過した光は、CCD48の受光面に結像される。CCD48の受光面には多数の受光素子(例えば、フォトダイオード)が2次元的に配列されており、各受光素子に対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。CCD48は、各受光素子の電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。CPU12は、タイミングジェネレータ(TG)56によりCCD48における電荷蓄積時間を制御する。また、CPU12は、CCD48に対して、OFD(Overflow Drain)の電位を制御して、CCD48の受光素子に蓄積される信号電荷の上限値を調整する。
CCD48の受光面に結像された被写体像は、各受光素子によって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各受光素子に蓄積された信号電荷は、CPU12の指令に従いTG56から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じたアナログの電圧信号として順次読み出される。
CCD48から読み出されたアナログの電圧信号は、アナログ処理部(CDS/AMP)50に送られる。そして、アナログ処理部50において、画素ごとの(点順次の)R、G、B信号がサンプリングホールド(相関2重サンプリング処理)されて増幅された後、A/D変換器52に加えられA/D変換される。A/D変換器52によってデジタル信号に変換された点順次のR、G、B信号は、画像入力コントローラ54を介してメモリ24に記憶される。アナログ処理部50におけるR、G、B信号の増幅ゲインは、撮影感度(ISO感度)に相当する。CPU12は、この増幅ゲインを調整することにより撮影感度を設定する。
画像信号処理回路58は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス調整回路、階調変換処理回路(例えば、ガンマ補正回路)、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、CPU12からのコマンドに従ってメモリ24を活用しながら、メモリ24に記憶されたR、G、B信号に対して所定の信号処理を行う。
画像信号処理回路58に入力されたR、G、B信号は、画像信号処理回路58において輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)に変換されるとともに、階調変換処理(例えば、ガンマ補正)等の所定の処理が施される。画像信号処理回路58により処理された画像データはVRAM26に格納される。
撮影画像を画像表示部68にモニタ出力する場合、VRAM26から画像データが読み出され、バス18を介して表示制御部66に送られる。表示制御部66は、入力された画像データを表示用の所定方式のビデオ信号(例えば、NTSC方式のカラー複合画像信号)に変換して画像表示部68に出力する。
CCD48から出力される画像信号によって、1コマ分の画像を表す画像データがVRAM26のA領域とB領域とで交互に書き換えられる。VRAM26のA領域及びB領域のうち、画像データが書き換えられている方の領域以外の領域から、書き込まれている画像データが読み出される。このようにしてVRAM26内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される画像信号が画像表示部68に供給されることにより、撮影中の画像がリアルタイムに画像表示部68に表示される。撮影者は、画像表示部68に表示されるライブビュー画像(以下、スルー画という)によって撮影画角を確認できる。
レリーズボタンが半押しされ、S1がオンすると、画像記録装置10はAE及びAF処理を開始する。即ち、CCD48から出力された画像信号はA/D変換後に画像入力コントローラ54を介してAF検出回路60並びにAE/AWB検出回路62に入力される。
AE/AWB検出回路62は、1画面を複数の分割エリア(例えば、8×8又は16×16)に分割し、この分割エリアごとにR、G、B信号を積算する回路を含み、その積算値をCPU12に提供する。CPU12は、AE/AWB検出回路62から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。CPU12は、求めた露出値と所定のプログラム線図に従って、絞り値とシャッタースピードを決定し、これに従いCCD48の電子シャッター及びアイリスを制御して適正な露光量を得る。
更に、CPU12は、フラッシュ発光モードに設定された場合にフラッシュ制御回路34にコマンドを送って動作させる。フラッシュ制御回路34は、フラッシュ発光部36(放電管)を発光させるための電流を供給するためのメインコンデンサを含んでおり、CPU12からのフラッシュ発光指令に従ってメインコンデンサの充電制御、フラッシュ発光部36への放電(発光)のタイミング及び放電時間の制御等を行う。なお、フラッシュ発光手段としては、放電管に代えてLEDを用いることも可能である。
また、AE/AWB検出回路62は、自動ホワイトバランス調整時に、分割エリアごとにR、G、B信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果をCPU12に提供する。CPU12は、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、これらR/G、B/Gの値のR/G、B/G軸座標の色空間における分布等に基づいて光源種判別を行い、判別された光源種に応じてホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランスゲイン)を制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。
画像記録装置10におけるAF制御は、例えば、画像信号のG信号の高周波成分が極大になるようにフォーカスレンズ42を移動させるコントラストAFが適用される。即ち、AF検出回路60は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面内(例えば、画面中央部)にあらかじめ設定されているフォーカス対象エリア内の信号を切り出すAFエリア抽出部及びAFエリア内の絶対値データを積算する積算部から構成される。
AF検出回路60により求められた積算値のデータはCPU12に通知される。CPU12は、フォーカスモータドライバ42Bを制御してフォーカスレンズ42を移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、演算した焦点評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、CPU12は、求めた合焦位置にフォーカスレンズ42を移動させるようにフォーカスモータドライバ42Bを制御する。なお、AF評価値の演算はG信号を利用する態様に限らず、輝度信号(Y信号)を利用してもよい。
レリーズボタンが半押しされると、S1オンによってAE/AF処理が行われる。S1オン後に、レリーズボタンが全押しされると、S2オンによって記録用の撮影動作がスタートする。S2オンに応動して取得された画像データは画像信号処理回路58において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ24に格納される。
メモリ24に格納されたY/C信号は、圧縮伸張回路64によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、メディアコントローラ28を介して記録メディア30に記録される。例えば、静止画についてはJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式、動画についてはAVI(Audio Video Interleaving)形式の画像ファイルとして記録される。
モード選択スイッチにより再生モードが選択されると、記録メディア30に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録された画像ファイル)の圧縮データが読み出される。最後の記録に係る画像ファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像圧縮データは、圧縮伸張回路64によって非圧縮のY/C信号に伸張され、画像信号処理回路58及び表示制御部66を介して表示用の信号に変換された後、画像表示部68に出力される。これにより、当該画像ファイルの画像内容が画像表示部68の画面上にスルー画表示される。
静止画の1コマ再生中(動画の先頭フレーム再生中も含む)に、十字キーの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象の画像ファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルが記録メディア30から読み出されて画像表示部68に再生表示される。
[表示制御処理]
次に、画像記録装置10から画像ファイルを出力して表示するときの制御について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像記録装置による表示制御を示す機能ブロック図である。
まず、操作スイッチ16の画像表示指示受付部から、記録メディア30内の画像ファイルの選択、出力先の画像表示装置(モニタ)98及び再生表示モードの指定を受け付ける。
再生表示モード取得部80は、画像表示指示が入力されると、再生表示モードを取得する。ここで、再生表示モードとは、例えば、出力先の画像表示装置(モニタ)98のドライバソフトから取得される情報であり、出力先の画像表示装置98及び当該画像表示装置98の解像度の設定を特定する情報、及び表示の態様を示す情報(例えば、一覧表示(サムネイル表示)、全画面表示、サムネイル画像を更に縮小して画面上により多く表示するマイクロサムネイル表示)である。
表示解像度決定部82は、画像表示指示が入力されると、再生表示モードに応じて画像を表示するときの表示解像度を決定する。
画像取得部84は、画像表示指示によって指定された画像ファイルF10を記録メディア30から読み出す。
図3は、画像ファイルF10のデータ構造を模式的に示す図であり、図4は、画像ファイルF10のヘッダのデータ構造を模式的に示す図である。
図3に示すように、画像ファイルF10は、複数の画像データを含む画像ファイルであり、主画像領域A10と、拡張データ領域A12とを含んでいる。主画像領域A10には、変換されていない画像データP1が主画像データ(代表画像データ)として格納される。拡張データ領域A12には、画像データP2,…,Pnが格納される。
図4に示すように、画像ファイルF10の主画像領域A10には、付加情報(ヘッダ情報、APPx Header)が含まれている。付加情報(APPx Header)のIFD0領域には、画像ファイルに固有の(ユニークな)ID情報、及びMPファイル管理情報D10が格納されている。ここで、MPファイル管理情報D10は、画像ファイルF10がマルチピクチャファイルであること、即ち、主画像領域A10の後に拡張データ領域A12を含むことを示す情報及び各画像データP1,…,Pnの解像度を示す情報が含まれている。画像記録装置10は、このMPファイル管理情報D10を取得すると、当該画像ファイルF10がマルチピクチャファイルであると判断する。
拡張データ領域A12内の画像データP2,…,Pnには個別に付加情報(Header)が付加されている。
なお、図中のSOI(Start of Image)及びEOI(End of Image)は、それぞれ各画像データの読み込み開始位置及び終了位置を示すマーカである。
ヘッダ情報解析部86は、画像表示指示によって指定された画像ファイルF10のヘッダを読み取って、画像ファイルF10に含まれる画像データP1,…,Pnの解像度を読み取る。
表示画像判断部88は、上記ヘッダ情報に基づいて、表示解像度決定部82が決定した表示解像度と等しい(又は表示解像度決定部82が決定した表示解像度よりも小さい、又は表示解像度決定部82が決定した表示解像度よりも小さく、且つ、解像度の差が所定値以下)解像度の画像データが画像ファイルF10内にあるかどうかを判定する。
表示用画像選択部90は、表示解像度決定部82が決定した表示解像度と等しいか、又は表示解像度よりも小さい解像度の画像データが画像ファイルF10内にあると判定された場合、表示用画像切換部94を制御して、当該画像データを出力先の画像表示装置98に表示する。
一方、表示用画像解像度変換部92は、表示解像度決定部82が決定した表示解像度と等しいか、又は表示解像度よりも小さい解像度の画像データが画像ファイルF10内にないと判定された場合、表示解像度よりも大きい解像度の画像データから表示解像度に適合する解像度の画像データに変換する。表示用画像選択部90は、表示用画像切換部94を制御して、表示用画像解像度変換部92によって生成された画像データを画像表示装置98に出力する
画像ファイル追加記録部96は、図5に示すように、表示用画像解像度変換部92によって生成された画像データP(n+1)に所定の処理(例えば、ヘッダ情報の付加、色空間変換処理、圧縮処理)を施して画像ファイルF10の拡張データ領域A12に追加して記録し、画像データP(n+1)の格納位置情報及び解像度情報をマルチピクチャファイル管理情報D10に書き込む。
表1は、出力先の画像表示装置98と、表示態様及び表示解像度の関係を示している。
図6(a)に示すように、撮像装置10A(最大の表示解像度がQVGA、撮像素子が10M画素)から撮像装置10B(最大の表示解像度がHD−TV(1920×1080画素、2M画素)、撮像素子が10M画素)に記録メディア30を差し換えて、撮像装置10Bにおいて表示を行った場合、図6(b)に示すように、サムネイル表示用の画像データP2(240×180画素)及び画像データP3(1920×1080画素)が画像ファイルF10内に追加記録される。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る画像記録装置による表示制御の流れを示すフローチャートである。
まず、解像度変換フラグが“0”にセットされる(ステップS10)。そして、再生表示モード取得部80によって再生表示モードが取得される(ステップS12)。
次に、画像表示指示が入力されると(ステップS14のYes)、表示解像度決定部82によって再生表示モードに応じた表示解像度が算出され、決定される(ステップS16)。
次に、表示する画像ファイルF10が読み込まれて(ステップS18)、画像ファイルF10のヘッダ情報が解析される(ステップS20)。そして、ヘッダ情報のマルチピクチャファイル管理情報D10に基づいて、表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されているかどうか判定される(ステップS22)。
表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されていない場合には(ステップS22のNo)、画像ファイルF10内の画像データのうち表示解像度よりも大きい画像データが表示解像度に変換され(ステップS24)、解像度変換フラグが“1”にセットされる(ステップS26)。そして、表示解像度に変換された表示用画像データが画像表示装置98に表示される(ステップS28)。
一方、表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されている場合には(ステップS22のYes)、表示用画像データが画像表示装置98に表示される(ステップS28)。
次に、解像度変換フラグが“1”の場合には(ステップS30のYes)、表示解像度に変換された表示用画像データが画像ファイルF10の拡張データ領域A12に追加記録される(ステップS32)。
次に、コマ送りされると(ステップS34のNo、S36のYes)、解像度変換フラグが“0”にリセットされた後、ステップS18に戻り、次の画像ファイルに対してステップS18からS36の工程が繰り返される。
図8は、再生表示モードの取得工程を示すフローチャートである。
まず、画像記録装置10から外部の画像表示装置98に表示出力する場合には(ステップS40のNo、S42のYes)、画像表示装置98から解像度情報(モニタの解像度)が取得される(ステップS44)。
一方、画像記録装置10本体に表示出力する場合には(ステップS40のYes)、画像表示部68の解像度が取得される(ステップS46)。
次に、画像再生表示指示部によって指定された画像の表示態様(例えば、全画面表示、サムネイル表示、マイクロサムネイル表示)が取得され(ステップS48)、出力先の解像度及び表示態様に基づいて、表示解像度が算出される(ステップS50)。
本実施形態によれば、一度表示した表示画像サイズの画像データが画像ファイルF10に追加記録されるので、次回同じ表示画像サイズの画像表示装置98に出力する場合に、最適な解像度の画像データを提供することができる。これにより、画像記録装置10において、解像度の変換処理を行うことに伴う負荷を軽減し、省電力化を実現することができるとともに、表示の高速化を図ることできる。また、通常、画像が表示された直後には、ユーザが画像を閲覧するために操作入力がなされない無操作期間が生じるので、この無操作期間に表示解像度に変換された表示用画像データを追加記録することで、タイムロスも無い。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る画像記録装置による表示制御を示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る画像記録装置10は、追記指示入力部100を更に備えている。追記指示入力部100は、出力先の画像表示装置98の表示解像度に応じて変換、生成された画像データを画像ファイルF10に追加記録する自動追加記録モードと、追加記録を行わない非追加記録モードとの間でモード切替の入力を受け付ける。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る画像記録装置による表示制御の流れを示すフローチャートである。
まず、解像度変換フラグが“0”にセットされる(ステップS60)。そして、再生表示モード取得部80によって再生表示モードが取得される(ステップS62)。
次に、画像表示指示が入力されると(ステップS64のYes)、表示解像度決定部82によって再生表示モードに応じた表示解像度が算出され、決定される(ステップS66)。
次に、表示する画像ファイルF10が読み込まれて(ステップS68)、画像ファイルF10のヘッダ情報が解析される(ステップS70)。そして、ヘッダ情報のマルチピクチャファイル管理情報D10に基づいて、表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されているかどうか判定される(ステップS72)。
表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されていない場合には(ステップS72のNo)、画像ファイルF10内の画像データのうち表示解像度よりも大きい画像データが表示解像度に変換され(ステップS74)、解像度変換フラグが“1”にセットされる(ステップS76)。そして、表示解像度に変換された表示用画像データが画像表示装置98に表示される(ステップS78)。
一方、表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されている場合には(ステップS72のYes)、表示用画像データが画像表示装置98に表示される(ステップS78)。
次に、解像度変換フラグが“1”で、且つ自動追加記録モードの場合には(ステップS80のYes)、表示解像度に変換された表示用画像データが画像ファイルF10の拡張データ領域A12に追加記録される(ステップS82)。
次に、コマ送りされると(ステップS84のNo、S86のYes)、解像度変換フラグが“0”にリセットされた後、ステップS68に戻り、次の画像ファイルに対してステップS68からS86の工程が繰り返される。
本実施形態によれば、自動追加記録モードと非追加記録モードとを切り替えることにより、記録メディア30に画像データが追加記録されて空き容量がなくなるのを防止できる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
本実施形態は、表示解像度に応じた画像データを変換、生成する画像表示モードの場合に、画像データの変換、生成の都度、生成した画像データを画像ファイルF10に追加記録するかどうかを選択するようにしたものである。
図11は、本発明の第3の実施形態に係る画像記録装置による表示制御の流れを示すフローチャートである。
まず、解像度変換フラグが“0”にセットされる(ステップS90)。そして、再生表示モード取得部80によって再生表示モードが取得される(ステップS92)。
次に、画像表示指示が入力されると(ステップS94のYes)、表示解像度決定部82によって再生表示モードに応じた表示解像度が算出され、決定される(ステップS96)。
次に、表示する画像ファイルF10が読み込まれて(ステップS98)、画像ファイルF10のヘッダ情報が解析される(ステップS100)。そして、ヘッダ情報のマルチピクチャファイル管理情報D10に基づいて、表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されているかどうか判定される(ステップS102)。
表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されていない場合には(ステップS102のNo)、画像ファイルF10内の画像データのうち表示解像度よりも大きい画像データが表示解像度に変換され(ステップS104)、解像度変換フラグが“1”にセットされる(ステップS106)。そして、表示解像度に変換された表示用画像データが画像表示装置98に表示される(ステップS108)。
一方、表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されている場合には(ステップS102のYes)、表示用画像データが画像表示装置98に表示される(ステップS108)。
次に、解像度変換フラグが“1”の場合には(ステップS110のYes)、出力先の画像表示装置98又は画像表示部68に、表示解像度に変換された表示用画像データを画像ファイルF10に追加記録するかどうかの入力画面が出力される(ステップS112)。そして、表示解像度に変換された表示用画像データを画像ファイルF10に追加記録する旨の操作入力を受け付けると(ステップS112のYes)、表示解像度に変換された表示用画像データが画像ファイルF10の拡張データ領域A12に追加記録される(ステップS114)。
次に、コマ送りされると(ステップS116のNo、S118のYes)、解像度変換フラグが“0”にリセットされた後、ステップS98に戻り、次の画像ファイルに対してステップS98からS118の工程が繰り返される。
本実施形態によれば、表示解像度に応じた画像データが生成されるごとに当該画像データを画像ファイルF10に追加記録するかどうかをユーザに選択させることで、記録メディア30に画像データが追加記録されて空き容量がなくなるのを防止できる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図12は、本発明の第4の実施形態に係る画像記録装置による表示制御を示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る画像記録装置10は、画像記録領域残容量判断部102(以下、残容量判断部102という。)を更に備えている。残容量判断部102は、記録メディア30の空き容量(残容量)を検出し、表示解像度に応じた画像データが生成されると、空き容量に応じて当該画像データを画像ファイルF10に追加記録するかどうかを選択する。
図13は、本発明の第4の実施形態に係る画像記録装置による表示制御の流れを示すフローチャートである。
まず、解像度変換フラグが“0”にセットされる(ステップS120)。そして、再生表示モード取得部80によって再生表示モードが取得される(ステップS122)。
次に、画像表示指示が入力されると(ステップS124のYes)、表示解像度決定部82によって再生表示モードに応じた表示解像度が算出され、決定される(ステップS126)。
次に、表示する画像ファイルF10が読み込まれて(ステップS128)、画像ファイルF10のヘッダ情報が解析される(ステップS130)。そして、ヘッダ情報のマルチピクチャファイル管理情報D10に基づいて、表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されているかどうか判定される(ステップS132)。
表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されていない場合には(ステップS132のNo)、画像ファイルF10内の画像データのうち表示解像度よりも大きい画像データが表示解像度に変換され(ステップS134)、解像度変換フラグが“1”にセットされる(ステップS136)。そして、表示解像度に変換された表示用画像データが画像表示装置98に表示される(ステップS138)。
一方、表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されている場合には(ステップS132のYes)、表示用画像データが画像表示装置98に表示される(ステップS138)。
次に、解像度変換フラグが“1”の場合には(ステップS140のYes)、記録メディア30の空き容量が所定値以上かどうか判定される(ステップS142)。記録メディア30の空き容量が所定値未満の場合には(ステップS142のNo)、出力先の画像表示装置98又は画像表示部68に、警告メッセージが表示される(ステップS144)。ユーザは、この警告メッセージに応答して、表示解像度に変換された表示用画像データを画像ファイルF10に追加記録するかどうかの選択入力を行うことができる。一方、記録メディア30の空き容量が所定値以上の場合には(ステップS142のYes)、表示解像度に変換された表示用画像データが画像ファイルF10の拡張データ領域A12に追加記録される(ステップS146)。
次に、コマ送りされると(ステップS148のNo、S150のYes)、解像度変換フラグが“0”にリセットされた後、ステップS128に戻り、次の画像ファイルに対してステップS128からS150の工程が繰り返される。
本実施形態によれば、記録メディア30の空き容量に応じて、表示解像度に変換された表示用画像データを画像ファイルF10に追加記録するかどうか選択することにより、記録メディア30に画像データが追加記録されて空き容量がなくなるのを防止できる。例えば、追加記録を許可する場合の記録メディア30の記録容量の上限値(例えば、全記録容量の95%までは追加記録を許可する)、又は記録メディア30の空き容量の下限値(例えば、空き容量が2M未満になるまでは追加を許可する)を設定することができる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図14は、本発明の第5の実施形態に係る画像記録装置による表示制御の流れを示すフローチャートである。
まず、解像度変換フラグが“0”にセットされる(ステップS160)。そして、再生表示モード取得部80によって再生表示モードが取得される(ステップS162)。
次に、画像表示指示が入力されると(ステップS164のYes)、表示解像度決定部82によって再生表示モードに応じた表示解像度が算出され、決定される(ステップS166)。
次に、表示する画像ファイルF10が読み込まれて(ステップS168)、画像ファイルF10のヘッダ情報が解析される(ステップS170)。そして、ヘッダ情報のマルチピクチャファイル管理情報D10に基づいて、表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されているかどうか判定される(ステップS172)。
表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されていない場合には(ステップS172のNo)、画像ファイルF10内の画像データのうち表示解像度よりも大きい画像データが表示解像度に変換され(ステップS174)、解像度変換フラグが“1”にセットされる(ステップS176)。そして、表示解像度に変換された表示用画像データが画像表示装置98に表示される(ステップS178)。
一方、表示用画像データが画像ファイルF10内に格納されている場合には(ステップS172のYes)、表示用画像データが画像表示装置98に表示される(ステップS178)。
次に、解像度変換フラグが“1”の場合(ステップS180のYes)、画像ファイルF10がマルチピクチャファイルであれば拡張データ領域A12内の画像データがデータサイズが小さい順(解像度が低い順)にソートされ、マルチピクチャファイル管理情報D10が更新される(ステップS182)。そして、表示解像度に変換された表示用画像データが画像ファイルF10の拡張データ領域A12の適切な位置に追加記録される(ステップS184)。なお、表示解像度に変換された表示用画像データを追加した後にソートするようにしてもよい。
次に、コマ送りされると(ステップS186のNo、S188のYes)、解像度変換フラグが“0”にリセットされた後、ステップS168に戻り、次の画像ファイルに対してステップS168からS188の工程が繰り返される。
本実施形態によれば、拡張データ領域A12内の画像データをデータサイズが小さい順に並べることにより、画像ファイルF10の拡張データ領域A12内の画像データ(例えば、HD−TV用のサムネイル表示(図6(b)参照))の読み込み、表示に要する時間を短縮することができる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図15は、本発明の第6の実施形態に係る画像記録装置の主要構成を示すブロック図である。
本実施形態の画像記録装置200は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)によって構成されており、撮影装置又はメモリカード214からの記録用画像ファイルの読み込み、記録用画像ファイルの保存、編集等を行うための装置である。
図1に示すように、中央処理装置(CPU)202は、バス204を介して画像記録装置200内の各ブロックに接続されており、各ブロックの動作を制御する。
主メモリ206は、制御プログラムが格納される記憶領域や、プログラム実行時の作業領域を含んでいる。
ハードディスク装置208には、画像記録装置200のオペレーティングシステム(OS)や、各種のアプリケーションソフト、カメラ236又はメモリカード214から読み込まれた画像ファイルが格納される。
CD−ROM装置210は、図示せぬCD−ROMからのデータの読み込みを行う。
カードインターフェース部(カードI/F)212は、メモリカード214から画像データを読み取る。
表示メモリ216は、表示用データを一時記憶する。モニタ218は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)モニタや液晶モニタにより構成され、この表示メモリ216から出力される画像データ、文字データ等に基づいて画像や文字等を表示する。
画像記録装置200は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部としてキーボード220及びマウス222を備えている。キーボード220及びマウス222はユーザからの操作入力に応じた信号をCPU202に入力する。マウスコントローラ224は、マウス222の状態を検出してモニタ218上のマウスポインタの位置や、マウス222の状態等の信号をCPU202に出力する。なお、ポインティングデバイスとしては、マウス222のほか、タッチパネルやタッチパッド等を用いることができる。
オーディオ入出力回路226には、マイク228及びスピーカ230が接続され、各種の音声信号が入力されるとともに、キーボード220等からの操作入力に応じて各種動作音が再生出力される。
通信インターフェース部(通信I/F)232は、ネットワークNWを介した通信を行う際に所定の信号変換及び信号の受け渡しを行う。
カメラ接続インターフェース部(カメラ接続I/F)234は、カメラ236との間でデータの送受信を行う際に所定の信号変換及び信号の受け渡しを行う。
本実施形態の画像記録装置200においても、上記第1から第5の実施形態の機能ブロック及び処理工程をCPU202により実現することにより、本発明を実現することができる。
なお、本発明は、画像記録装置10及びPC200以外の画像記録装置にも適用することができる。また、本発明は、上記画像記録装置に適用するアプリケーションプログラムとしても提供することができる。
10…画像記録装置、12…CPU、68…画像表示部、80…再生表示モード取得部、82…表示解像度決定部、84…画像取得部、86…ヘッダ情報解析部、88…表示画像判断部、90…表示用画像選択部、92…表示用画像解像度変換部、94…表示用画像切換部、96…画像ファイル追加記録部、98…画像表示装置(モニタ)、100…追記指示入力部、102…画像記録領域残容量判断部