JP2009267808A - アナログ・ディジタル変換回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロック分配移相器を用いることなく、高いサンプルレート、幅広いビット数の要求を同時に満たすアナログ・ディジタル変換回路を低コストで提供する。
【解決手段】アナログ信号VINを入力するN個(N:自然数)のnビット(n:自然数)のアナログ・ディジタル変換要素38〜41を、クロック分配器37からの同一位相のクロックで動作させ、かつ、参照電圧の上限値VRTと下限値VRBとのそれぞれをあらかじめ定めたシフト電圧値ずつ電圧シフトさせて電圧発生器36から分配することにより、コード変換器42にて、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素38〜41からのnビットのディジタル信号(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)を組み合わせて、nビットよりも多いビット数のディジタル信号D4〜D0にコード変換して出力する。また、nビットよりも増加させるビット数をlogNとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力されるアナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換回路に関するものである。
(第1の従来例)
図19は、アナログ・ディジタル変換回路の第1の従来例の構成(フラッシュ型)を示すブロック構成図であり、特許文献1の特開平6−204873号公報「A/D変換器」にて開示されたブロック構成である。図19において、1はクロック信号CLK入力端子、2はアナログ信号VIN入力端子、3は参照電圧(トップ側)VRT入力端子、4は参照電圧(ボトム側)VRB入力端子、7〜9はディジタル信号D2〜D0出力端子、10はオーバーフロー信号OF出力端子、11は抵抗ラダー、12はクロック分配器、13〜20は電圧比較器、21はエンコーダ、99は遅延回路である。
抵抗ラダー11を構成する各抵抗器の抵抗値の設計方法としては、各抵抗器の抵抗値すべてを同一とする方法、両端の抵抗器の抵抗値をR、それ以外の抵抗器の抵抗値を2Rとする方法があるが、ここでは、後者(両端の括抗器の抵抗値をR、それ以外の抵抗器の抵抗値を2R)の場合について説明する。
抵抗ラダー11は、参照電圧(トップ側)つまり参照電圧の上限値と参照電圧(ボトム側)つまり参照電圧の下限値とを分圧した2個(n:ディジタル信号出力のビット数、図19ではn=3の場合を記載)の基準電圧を発生し、電圧比較器13〜20に送出する。
電圧比較器13〜19は、一方の入力にアナログ信号VINを、他方の入力に抵抗ラダー11が発生する(2−1)個の基準電圧の一つを入力して、両者の比較結果をエンコーダ21に送出する。エンコーダ21は、電圧比較器13〜19の出力をパラレルデータである温度計コードとして読み込み、温度計コードからバイナリコードヘ変換し、nビット(図19の場合はn=3)のディジタル信号D2〜D0を出力する。
一方、電圧比較器20は、一方の入力にアナログ信号VlNを、他方の入力に抵抗ラダー11が発生する基準電圧の一つを入力して、両者の比較結果を遅延回路99に送出する。遅延回路99は、電圧比較器20出力に適切な遅延(一般にはエンコーダの出力タイミングと同期させるための遅延)を与え、オーバーフロー信号OFを出力する。クロック分配器12は、入力されるクロック信号CLKを同位相で分配し、電圧比較器13〜20、エンコーダ21、遅延回路99に送出する。なお、オーバーフロー信号(オーバーレンジ信号とも言う)が不要な応用向けのアナログ・ディジタル変換回路では、電圧比較器20と遅延回路99とオーバーフロー信号OF出力端子10は省略される場合がある。
図20は、アナログ・ディジタル変換回路の第1の従来例の動作を示す説明図である。図20の左側に示す10本の水平方向に記載した実線は、垂直方向を電圧レベルとして、参照電圧(トップ側)VRTつまり参照電圧の上限値、参照電圧(ボトム側)VRBつまり参照電圧の下限値、抵抗ラダー11が発生する8個(一般には2個、図20の場合はn=3)の基準電圧をそれぞれ示している。
図20の右側に示す表は、アナログ・ディジタル変換回路が出力するコード(オーバーフロー信号OFとディジタル信号D2〜D0)の値の一例を、アナログ信号VINの電圧と8個の基準電圧との関係により、場合分けして示している。ここで、アナログ・ディジタル変換回路が同一のコードを出力する単位電圧幅VLSBは、参照電圧の上限値つまり参照電圧(トップ側)がVRT、参照電圧の下限値つまり参照電圧(ボトム側)がVRB、ディジタル信号のビット数がnビットの場合、
VLSB=(VRT−VRB)/2
で与えられる。
第1の従来例(フラッシュ型)は、アナログ・ディジタル変換回路の様々な構成方法の中で最も高いサンプルレートの実現が可能な構成であるが、2個の電圧比較器が必要であるため、多ビット化(例えば5ビット以上)する場合には、回路が大規模となり、スキュー(タイミングずれ)の発生によりサンプルレートの低下を招く。
(第2の従来例)
図21は、アナログ・ディジタル変換回路の第2の従来例の構成(フォールディング型)を示すブロック構成図であり、特許文献2の特許第3813614号公報「エラー補正回路およびA/Dコンバータ」にて開示されたブロック構成である。図21において、1はクロック信号CLK入力端子、2はアナログ信号VIN入力端子、3は参照電圧(トップ側)VRT入力端子、4は参照電圧(ボトム側)VRB入力端子、5〜9はディジタル信号D4〜D0出力端子、30はアンプ、31はクロック分配器、32は第1のアナログ・ディジタル変換要素ADC_a、33はフォールディング回路、34は第2のアナログ・ディジタル変換要素ADC_bである。
第2の従来例は、出力するディジタル信号D4〜D0の5ビットのうち、上位3ビット変換用の第1のアナログ・ディジタル変換要素32と下位2ビット変換用の第2のアナログ・ディジタル変換要素34とを並列に動作させる。第1のアナログ・ディジタル変換要素32は、入力のアナログ信号VINをアンプ30にて増幅したアナログ信号VINaに対応するディジタル信号の上位3ビットD4〜D2を得る。一方で、ディジタル信号の下位2ビットD1,D0は次のようにして得る。
フォールディング回路33は、下位2ビット変換に必要な電圧(VINb)を発生するために挿入されており、図21に折れ線表示によって模式的に示すように、入力のアナログ信号VINをアンプ30にて増幅したアナログ信号VINaに対応して、上位3ビット変換用の第1のアナログ・ディジタル変換要素32の単位電圧幅VLSBで折り返される出力特性を有している。下位2ビット変換用の第2のアナログ・ディジタル変換要素34は、フォールディング回路33の出力電圧VINbを入力し、単位電圧幅VLSBである最大値VRTbと最小値VRBbとの間をアナログ・ディジタル変換することによって、アナログ信号VINに対応するディジタル信号の下位2ビットD1,D0を得る。
第2の従来例(フォールディング型)は、第1の従来例と比較して、多ビット化(例えば5ビット以上のビット数に)する場合であっても、回路規模が小さく、スキュー(タイミングずれ)の発生によるサンプルレートの低下が顕在化しない。しかしながら、アナログ演算回路で実現されるフォールディング回路の動作速度が、第1、第2のアナログ・ディジタル変換要素32,34と比較して低く、結果として、第1の従来例よりもサンプルレートが低くなるという問題がある。
(第3の従来例)
図22は、アナログ・ディジタル変換回路の第3の従来例の構成(タイムインタリーブ型)を示すブロック構成図であり、特許文献3の特開平9−252251号公報「多相クロック信号発生回路およびアナログ・ディジタル変換器」にて開示されたブロック構成である。図22において、1はクロック信号CLK入力端子、2はアナログ信号VIN入力端子、3は参照電圧(トップ側)VRT入力端子、4は参照電圧(ボトム側)VRB入力端子、5〜9はディジタル信号D4〜D0出力端子、23はクロック分配移相器、24はアンプ、25〜28は第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素、29はセレクタである。
第3の従来例は、M個(図22の場合は4個)のアナログ・ディジタル変換要素を具備し、それぞれ異なるタイミングで動作させ、得られたディジタル信号をセレクタにより選択して出力することにより、アナログ・ディジタル変換要素のM倍のサンプルレートを実現するという、高サンプルレート化の技術である。
第3の従来例は、低サンプルレートであるものの、幅広いビットのアナログ・ディジタル変換要素を利用することにより、ビット数を保ったまま、高サンプルレート化を図ることができるという利点がある。しかしながら、(360°/M)を単位とするM個の位相のクロック信号を正確に発生させるクロック分配移相器23が必要となり、設計・製造・保守過程において注意深い位相の管理稼働が発生し、製造コスト、保守コストが上昇するという問題がある。
特開平6−204873号公報 特許第3813614号公報 特開平9−252251号公報
光通信システムにおいて、光ファイバの分散補償など高度な電気信号処理をディジタル信号処理として行おうとする場合、高いサンプルレート(例えば20GS/s以上)、幅広いビット数(例えば5ビット以上)が要求される。第1の従来例、第2の従来例で説明したように、従来のアナログ・ディジタル変換回路では、サンプルレートとビット数とはトレードオフの関係となるため、サンプルレートとビット数との両者に対する要求を同時に満たすことは、現状のデバイスでは難しい。
一方、第3の従来例では、低サンプルレートで幅広いビット数のアナログ・ディジタル変換要素を複数用意して、タイムインタリーブすることにより、高いサンプルレートで、かつ、幅広いビット数のアナログ・ディジタル変換回路を実現することができるものの、クロック分配移相器が必要となり、設計・製造・保守過程において注意深い位相の管理稼働が発生し、製造コスト、保守コストが上昇するという問題が発生する。
本発明の目的は、クロック分配移相器を用いることなく、サンプルレートとビット数とのトレードオフの関係を緩和させることにより、前述のような従来技術で発生する問題を解消し、高いサンプルレート(例えば20GS/s以上)、幅広いビット数(例えば5ビット以上)の要求を同時に満たすアナログ・ディジタル変換回路を低コストで提供することにある。特に、ビット数が少ない(例えば3ビット)ものの、高いサンプルレート(例えば20GS/s)で動作するアナログ・ディジタル変換回路を有効に活用して、多ビット化を可能とすることを目的とする。
本発明は、前述の課題を解決するために、以下のごとき各技術手段から構成されている。
第1の技術手段は、アナログ信号を参照電圧に基づいてnビット(n:自然数)のディジタル信号に変換するN個(N:自然数)のアナログ・ディジタル変換要素と、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号を組み合わせてコード変換したディジタル信号を出力するコード変換器とを少なくも備えたアナログ・ディジタル変換回路であって、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが、同一位相のクロックで、かつ、それぞれの前記参照電圧をあらかじめ定めたシフト電圧値ずつ電圧シフトさせて動作し、前記コード変換器が、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号を組み合わせて、nビットよりも多いビット数のディジタル信号にコード変換することを特徴とする。
第2の技術手段は、アナログ信号を参照電圧に基づいてnビット(n:自然数)のディジタル信号に変換するN個(N:自然数)のアナログ・ディジタル変換要素と、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号を組み合わせてコード変換したディジタル信号を出力するコード変換器とを少なくも備えたアナログ・ディジタル変換回路であって、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが、同一位相のクロックで、かつ、それぞれに入力される前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルをあらかじめ定めたシフト電圧値ずつ電圧シフトさせて動作し、前記コード変換器が、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号を組み合わせて、nビットよりも多いビット数のディジタル信号にコード変換することを特徴とする。
第3の技術手段は、前記第1または第2の技術手段に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記コード変換器は、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号を組み合わせることにより、(n+logN)ビットのディジタル信号にコード変換することを特徴とする。
第4の技術手段は、前記第3の技術手段に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記コード変換器が、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素のうち、前記参照電圧を最も低くまたは最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素、もしくは、前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルを最も高くまたは最も低く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素が出力するnビットのディジタル信号を、当該アナログ・ディジタル変換回路の上位nビットとして、そのまま出力し、かつ、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号のうち最下位ビットのディジタル信号とオーバーフロー信号との論理演算を行うことにより、当該アナログ・ディジタル変換回路の下位logNビットのディジタル信号にコード変換して出力することを特徴とする。
第5の技術手段は、前記第4の技術手段に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、当該アナログ・ディジタル変換回路の下位logNビットのディジタル信号にコード変換する前記論理演算として、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素のうち、前記参照電圧を最も低くまたは最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素、もしくは、前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルを最も高くまたは最も低く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素を除く残りの(N−1)個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれごとにそれぞれが出力するディジタル信号の最下位ビットとオーバーフロー信号との排他的論理和演算結果それぞれと、前記参照電圧を最も低くまたは最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素、もしくは、前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルを最も高くまたは最も低く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素が出力するディジタル信号の最下位ビットとオーバーフロー信号との排他的論理和演算結果とを、さらに排他的論理和演算を行うことにより得られるN種類のディジタルデータを、循環的に変化するlogNのバイナリコードに変換することを特徴とする。
第6の技術手段は、前記第3の技術手段に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記コード変換器が、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素のうち、前記参照電圧を最も低くまたは最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素、もしくは、前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルを最も高くまたは最も低く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素を除く残りの(N−1)個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するオーバーフロー信号の論理演算を行った結果に基づいて、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素のいずれかを選択して、選択した該アナログ・ディジタル変換要素が出力するnビットのディジタル信号を当該アナログ・ディジタル変換回路の下位nビットのディジタル信号として出力し、かつ、前記オーバーフロー信号の論理演算の結果を当該アナログ・ディジタル変換回路の上位logNビットのディジタル信号にコード変換して出力することを特徴とする。
第7の技術手段は、前記第6の技術手段に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、当該アナログ・ディジタル変換回路の上位logNビットのディジタル信号にコード変換する前記論理演算として、前記参照電圧を最も低くまたは最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素、もしくは、前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルを最も高くまたは最も低く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素を除く残りの(N−1)個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するオーバーフロー信号の組合せとして得られるN種類のディジタルデータを、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素のうち選択すべき前記アナログ・ディジタル変換要素を指定するコードとして循環的に変化するlogNビットのバイナリコードに変換することを特徴とする。
第8の技術手段は、前記第1ないし第7の技術手段のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれの前記参照電圧の上限値と下限値との間の電圧差を同一の値に設定して動作させ、かつ、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれの前記シフト電圧値vlsbを、
シフト電圧値vlsb=(VRT−VRB)/(2×N)
ただし、VRT:各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧の上限値
VRB:各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧の下限値
とすることを特徴とする。
第9の技術手段は、前記第1ないし第7の技術手段のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、第(i+1)番目{i=1〜(N−1)}の前記アナログ・ディジタル変換要素における前記シフト電圧値vlsb2を、
シフト電圧値vlsb2=VRTi−VRBi
ただし、VRTi:第i番目のアナログ・ディジタル変換要素の
参照電圧の上限値
VRBi:第i番目のアナログ・ディジタル変換要素の
参照電圧の下限値
とすることを特徴とする。
第10の技術手段は、前記第1ないし第9の技術手段のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記参照電圧をN個の前記アナログ・ディジタル変換要素に分配する電圧発生器を備えていることを特徴とする。
第11の技術手段は、前記第1ないし第10の技術手段のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記アナログ信号をN個の前記アナログ・ディジタル変換要素に分配するアンプを備えていることを特徴とする。
第12の技術手段は、前記第11の技術手段に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記アンプが、サンプル&ホールドアンプまたはトラック&ホールドアンプであることを特徴とする。
第13の技術手段は、前記第1ないし第12の技術手段のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、少なくとも、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素を複数のチップに分割して実装することを特徴とする。
第14の技術手段は、前記第1ないし第13の技術手段のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが、アナログ信号をnビットのディジタル信号とオーバーフロー信号とに変換する回路と、nビットの前記ディジタル信号のうち最下位ビットのディジタル信号と前記オーバーフロー信号との排他的論理和を演算する回路とを含んで構成されていることを特徴とする。
本発明のアナログ・ディジタル変換回路によれば、アナログ・ディジタル変換要素を複数個用意し、各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧または各アナログ・ディジタル変換要素へ入力するアナログ信号の直流成分の電圧レベルをあらかじめ定めたシフト電圧値ずつ電圧シフトさせた値に設定して、電圧方向にインタリーブ動作させる構成を採用しているので、クロック分配移相器を用いることなく、サンプルレートとビット数とのトレードオフの関係を緩和させることが可能であり、例えば光通信システムにおけるディジタル信号処理において要求される高いサンプルレート、幅広いビット数の要求を同時に満たすアナログ・ディジタル変換回路を低コストで提供することが可能になる。
以下に、本発明に係るアナログ・ディジタル変換回路の最良の実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、アナログ・ディジタル変換回路において、アナログ信号を参照電圧に基づいてnビット(n:自然数)のディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換要素をN個(N:自然数)用意し、アナログ信号電圧と比較する参照電圧またはアナログ信号の直流成分の電圧レベルを各アナログ・ディジタル変換要素ごとにあらかじめ定めたシフト電圧値ずつ電圧シフトさせた値に設定して電圧インタリーブ動作をさせることによって、高サンプルレート、多ビット数のアナログ・ディジタル変換回路を安価に実現することを可能としていることを主要な特徴としている。
つまり、本発明は、高サンプルレートのアナログ・ディジタル変換要素を複数個用意し、電圧方向にインタリーブ動作させることにより、サンプルレートを低下させることなく、多ビット化を実現するものである。例えば、アナログ・ディジタル変換要素をN(N:自然数)個利用した場合、アナログ・ディジタル変換要素のビット数n(n:自然数)に対して、さらに、logNビット分追加した(n+logN)の多ビット化が可能となる。
かくのごとき技術の適用により、利用することが可能なアナログ・ディジタル変換要素が、サンプルレートに関して、システム要求を満たしている場合であれば、たとえ、ビット数に関してシステム要求を満たしていない場合であっても、サンプルレートとビット数とに関するシステム要求を同時に満たすアナログ・ディジタル変換回路を実現することが可能となる。
さらに説明すれば、本発明は、アナログ・ディジタル変換におけるサンプルレートとビット数とのトレードオフの関係を緩和させるための手段として、従来技術におけるような時間方向のインタリーブではなく、電圧方向のインタリーブにより、複数のアナログ・ディジタル変換要素を動作させることを主要な特徴としている。
(第1の実施形態)
図1は、アナログ・ディジタル変換回路の第1の実施形態の構成(電圧インタリーブ・並列型・基本型)を示すブロック構成図である。図1において、1はクロック信号CLK入力端子、2はアナログ信号VIN入力端子、3は参照電圧(トップ側)VRT入力端子、4は参照電圧(ボトム側)VRB入力端子、5〜9はディジタル信号D4〜D0出力端子、10はオーバーフロー信号OF出力端子、35はアンプ、36は電圧発生器、37はクロック分配器、38〜41は第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素、42はコード変換器、99は遅延回路である。
本実施形態の技術は、任意の個数(N個)のアナログ・ディジタル変換要素を利用して多ビット化することができるが、図1に示す例においてはN=4の場合について説明する。また、アナログ・ディジタル変換要素のビット数をn=3とし、logN=log4=2の多ビット化により、合計5ビットのディジタル信号を出力する場合を例として説明する。
第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のそれぞれは、例えば第1の従来例で説明したアナログ・ディジタル変換回路を利用することができる。また、第3の従来例(タイムインタリーブ型)の場合とは異なり、第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のすべては、クロック分配器37から同一位相のクロック信号が分配されて同じタイミングで動作する。
なお、本技術においては、N個のアナログ・ディジタル変換要素をすべて同一の設計とすることが可能であり、その場合には、設計資産(IP:Intellectual Property)の有効活用、設計コストの低減が可能である。また、N個のアナログ・ディジタル変換要素を複数チップに分割して実装することが可能であり、その場合には、チップからの発熱の放熱設計を簡易化することができる。
クロック分配器37は、クロック信号CLK入力端子1からクロック信号CLKを入力し、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41のクロック信号入力端子(CLKa,CLKb,CLKc,CLKd)に、同位相のクロック信号を供給し、N=4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のすべてを同じタイミングで動作させる。なお、クロック分配器37は、同位相のクロック信号の分配であることから、クロック信号CLK入力端子1から入力されるクロック信号CLKの電力レベルが十分に大きく、N=4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のすべてを駆動することができる場合には、クロック分配器37を省略することも可能である。
アンプ35は、アナログ信号VIN入力端子2からアナログ信号VINを入力し、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41のアナログ信号入力端子(VINa,VINb,VINc,VINd)に同位相のアナログ信号を供給する。同位相のアナログ信号の分配であることから、アナログ信号VIN入力端子2から入力されるアナログ信号VINの電力レベルが十分に大きく、N=4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のすべてを駆動することができる場合には、アンプ35を省略することも可能である。
なお、アンプ35は、入出力の線形性が十分に高いことが望ましく、線形性が低いと、アナログ・ディジタル変換回路としての有効ビット数(ENOB:Effective Number Of Bits)の減少を引き起こす。また、アンプ35は、トラック&ホールドアンプまたはサンプル&ホールドアンプを利用することが可能であり、その場合には、アンプ35から各アナログ・ディジタル変換要素38〜41までの各線路の位相の相対誤差が、アナログ・ディジタル変換回路としての特性悪化(同時性誤差)に影響を及ぼす耐性を向上させることができる。
電圧発生器36は、参照電圧(トップ側)VRT入力端子3から入力される参照電圧(トップ側)VRTつまり参照電圧の上限値と参照電圧(ボトム側)VRB入力端子4から入力される参照電圧(ボトム側)VRBつまり参照電圧の下限値とに基づいて、アナログ・ディジタル変換要素38の参照電圧(トップ側)VRTa、参照電圧(ボトム側)VRBa、アナログ・ディジタル変換要素39の参照電圧(トップ側)VRTb、参照電圧(ボトム側)VRBb、アナログ・ディジタル変換要素40の参照電圧(トップ側)VRTc、参照電圧(ボトム側)VRBc、アナログ・ディジタル変換要素41の参照電圧(トップ側)VRTd、参照電圧(ボトム側)VRBdを発生する。
図2は、電圧発生器36の各出力電圧(VRTa,VRBa,VRTb.VRBb,VRTc,VRBc,VRTd,VRBd)の関係を示す説明図である。第1の従来例で説明した通り、例えばアナログ・ディジタル変換要素38(ADC_a)において、同一のコードを出力する単位電圧幅VLSBは、ディジタル信号の出力ビット数をnビットとした場合、
VLSB=(VRTa−VRBa)/2
で与えられる。
ここで、本実施形態のアナログ・ディジタル変換回路においては、N個(図1の場合はN=4)の各アナログ・ディジタル変換要素38〜41のビット数n(図1の場合はn=3)よりも、合計ビット数をさらにlogNビット分増加させるために、N個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれの参照電圧(トップ側)VRTつまり参照電圧の上限値と参照電圧(ボトム側)VRBつまり参照電圧の下限値との間の電圧差を同一の値に設定して動作させ、かつ、N個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれの参照電圧(トップ側)、参照電圧(ボトム側)を、シフト電圧値vlsbとして、
シフト電圧値vlsb=(VRT−VRB)/(2×N)
ただし、VRT:各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧の上限値
VRB:各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧の下限値
ずつ電圧シフトさせる。
すなわち、図2に示すように、アナログ・ディジタル変換要素39,40,41それぞれの基準電圧(トップ側)は、
VRTb=VRTa−vlsb
VRTc=VRTb−vlsb
VRTd=VRTc−vlsb
の関係を満たすように与え、アナログ・ディジタル変換要素39,40,41それぞれの基準電圧(ボトム側)は、
VRBb=VRBa−vlsb
VRBc=VRBb−vlsb
VRBd=VRBc−vlsb
の関係を満たすように与える。
この結果、いずれか1つのアナログ・ディジタル変換要素例えばアナログ・ディジタル変換要素38だけでは、{2=8}レベルの識別しかできないにも関わらず、参照電圧をシフト電圧値vlsbずつシストさせた4つのアナログ・ディジタル変換要素38〜41を用いることにより、{2×N=32}レベルの識別が可能となる。つまり、ビット数で一般化して表現すると、それぞれnビットのディジタル信号を出力するアナログ・ディジタル変換要素をN個利用することによって、ビット数をnから(logN)だけさらに増加させ、アナログ・ディジタル変換回路のビット数を合計(n+logN)ビットに増加させることができる。
なお、以上に説明した各アナログ・ディジタル変換要素38〜41の参照電圧(トップ側)、参照電圧(ボトム側)を外部から直接入力することも可能であり、その場合には、電圧発生器36を省略することが可能である。
コード変換器42は、アナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれの出力であるnビットのディジタル信号(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)を入力して、nビットよりも多いビット数のディジタル信号にコード変換して出力するものであり、本実施形態のアナログ・ディジタル変換回路においては、ディジタル信号D4〜D0として、nビットよりもlogN分増加させた合計(n+logN)ビット(図1の場合は5ビット)のバイナリデータにコード変換して出力する。
図3は、図1におけるコード変換器42の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。以降、図3の真理値表を用いて、4つの3ビットアナログ・ディジタル変換要素38〜41の出力であるディジタルデータ(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)に基づいて、どのようにして5ビットのディジタルデータを算出するかを詳細に説明する。
図2で説明したように、アナログ信号VINを変化させると、1つのアナログ・ディジタル変換要素例えばアナログ・ディジタル変換要素38はディジタル信号を8通りしか出力しないが、参照電圧の電圧レベルをシフト電圧値vlsbずつ電圧シフトさせた4つのアナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれの出力を組み合わせると、合計32通りのディジタル信号が出力されていることになる。この32通りのディジタルデータを一覧表に表示した結果が、図3左側の列に示す「コード変換器入力」列であり、一方、32通りの該ディジタルデータそれぞれを判別可能なディジタルデータとして循環的に変化させて出力するコードの一例が、図3右側の列に示す「コード変換器出力」である。
ここで、アナログ信号VINの電圧が一番高い場合に現れるデータを1行目に、アナログ信号VINの電圧が一番低い場合に現れるデータを32行目に記載している。アナログ信号VINを高い電圧から低い電圧に連続的に変化させると、図3のコード変換器入力データは1行目から32行目まで順番に変化する。
つまり、アナログ信号VINの電圧レベルが(VRTa−2vlsb)よりも高い場合には、図2に示すように、コード変換器42に入力されるディジタル信号(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)はすべて“0”となる。アナログ信号VINの電圧レベルを下げて行き、(VRTa−2vlsb)を下回ると、まず、アナログ・ディジタル変換要素38の最下位ビットa0が反転して、“1”となる。さらに、アナログ信号VINの電圧レベルがvlsb下がり、(VRTb−2vlsb)を下回ると、アナログ・ディジタル変換要素39の最下位ビットb0が反転して、“1”となる。
以降、同様に、アナログ信号VINの電圧レベルがvlsb下がるごとに、コード変換器42に入力されるディジタル信号が変化し、(VRBd+2vlsb)を下回るまでに、{2×N=2×4=32}通りのコードが出現する。
コード変換器42は、アナログ・ディジタル変換要素38〜41の出力であるディジタル信号(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)の32通りのコードを、例えば図3の真理値表に従って、32通りの“00000”〜“11111”(2進数表示)の循環的に変化するバイナリデータに変換して出力する。ただし、図3の真理値表は、あくまでも一例であり、32通りの状態を判別することができる任意のコード(バイナリコード、グレイコード、等)を利用することができる。
図4は、図1におけるコード変換器42のより具体的な実現例を示すブロック構成図である。図4のコード変換器42の回路構成は、本構成に限るものではないが、図3の真理値表の出力例を、小さい規模(低消費電力)で実現する場合の回路構成の一例を示している。図4において、43〜46は排他的論理和ゲート、47は論理回路1である。
図4のコード変換器42は、N個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、参照電圧を最も低く設定したアナログ・ディジタル変換要素が出力するnビットのディジタル信号を、当該アナログ・ディジタル変換回路の上位nビットとして、そのまま出力し、かつ、N個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれが出力するnビットのディジタル信号のうち最下位ビットのディジタル信号とオーバーフロー信号との論理演算を行うことにより、当該アナログ・ディジタル変換回路の下位logNビットのディジタル信号にコード変換して出力するものである。
つまり、コード変換器42の出力であるディジタル信号D4〜D0のうち、上位3ビットD4〜D2は、図3の破線枠に示すように、参照電圧(トップ側、ボトム側)が最も低い第4のアナログ・ディジタル変換要素41の出力であるディジタル信号d2〜d0をそのまま利用すれば良く、図4には、アナログ・ディジタル変換要素41のディジタル信号d2〜d0を、コード変換器42をスルーして、そのまま、上位3ビットのディジタル信号D4〜D2として出力している例を示している。したがって、コード変換器42において実際に演算が必要なディジタル信号は、ディジタル信号D4〜D0のうち、下位2ビットD1,D0についてのみとなる。
下位2ビットD1〜D0は、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41の出力のオーバーフロー(aof,bof,cof,dof)と最下位ビット(a0,b0,c0,d0)とを用いて論理演算することにより導出される。ここで、論理演算は段階的に実行される。まず、排他的論理和ゲート43〜46は、最下位ビット(a0,b0,c0,d0)から、オーバーフロー(aof,bof,cof,dof)を参照して、拡張最下位ビット(ea,eb,ec,ed)をそれぞれ演算する。
つまり、排他的論理和ゲート43は、アナログ・ディジタル変換要素38のオーバーフローaofと最下位ビットa0とを入力して排他的論理和演算を行って拡張最下位ビットeaを出力し、排他的論理和ゲート44は、アナログ・ディジタル変換要素39のオーバーフローbofと最下位ビットb0とを入力して排他的論理和演算を行って拡張最下位ビットebを出力し、排他的論理和ゲート45は、アナログ・ディジタル変換要素40のオーバーフローcofと最下位ビットc0とを入力して排他的論理和演算を行って拡張最下位ビットecを出力し、排他的論理和ゲート46は、アナログ・ディジタル変換要素41のオーバーフローdofと最下位ビットd0とを入力して排他的論理和演算を行って拡張最下位ビットedを出力する。
図5は、図4におけるコード変換器42の入出力データおよび内部データの真理値表の一例を示すテーブルである。図3に示すように、最下位ビット(a0,b0,c0,d0)は、32通りの状態を通して、完全には循環的に変化していない。例えば、アナログ・ディジタル変換要素38のオーバーフローaofが、“1”となる状態では、循環的であるという規則性からは、少なくとも最下位ビットa0は、“0”となるべきところが、“1”となっている。かくのごとく、循環的ではない状態が3状態出現するため、このままでは、32状態のうち29状態しか判別可能な出力が得られないことになり、完全な5ビットのディジタル出力が得られないことになる。
排他的論理和ゲート43〜46は、かくのごとき問題を解決するために挿入されている。各アナログ・ディジタル変換要素38〜41のオーバーフロー信号(aof,bof,cof,dof)と出力ディジタル信号の最下位ビット(a0,b0,c0,d0)との排他的論理和を演算することによって、32状態を8状態単位で循環的に変化する拡張最下位ビット(ea,eb,ec,ed)を出力する。
図5において、真ん中の列「コード変換器42内部データ」欄のうち左側の(ea,eb,ec,ed)が、左側の列「コード変換器42入力」欄のオーバーフロー(aof,bof,cof,dof)と最下位ビット(a0,b0,c0,d0)とのディジタルデータに対して、コード変換器42の排他的論理和ゲート43〜46から出力される拡張最下位ビット(ea,eb,ec,ed)の演算結果を示しており、破線枠で示すように、「コード変換器42入力」欄の32通りの状態に対して、8状態単位で循環的に変化している。
図6は、図4に示すコード変換器42において拡張最下位ビット(ea,eb,ec,ed)から下位2ビットのディジタルデータD1,D0を得るための論理回路1の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。例えば、拡張最下位ビット(ea,eb,ec,ed)が、すべて“0”かすべて“1”の場合には、下位2ビットD1,D0は、ともに“0”とし、拡張最下位ビットeaのみが他の拡張最下位ビット(eb,ec,ed)と異なる値になる場合には、下位2ビットD1,D0は、“0”,“1”とするなど、図6の真理値表に基づいて、論理回路1 47において、循環的に変化する下位2ビットD1,D0を演算する。
図7は、図4における論理回路1 47のより具体的な実現例を示すブロック構成図である。図7において、53〜55は排他的論理和ゲート、56は論理回路2である。排他的論理和ゲート53〜55は、拡張最下位ビットedと他の拡張最下位ビット(ea,eb,ec)との排他的論理和をそれぞれ演算することにより、32状態を4状態単位で循環的に変化する別の拡張最下位ビット(eea,eeb,eec)を出力する。
図7に示すように、論理回路1 47は、当該アナログ・ディジタル変換回路の下位logNビットのディジタル信号にコード変換する論理演算として、N個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、参照電圧を最も低く設定したアナログ・ディジタル変換要素を除く残りの(N−1)個のアナログ・ディジタル変換要素それぞれごとにそれぞれが出力するディジタル信号の最下位ビットとオーバーフロー信号との排他的論理和演算結果それぞれと、参照電圧を最も低く設定したアナログ・ディジタル変換要素が出力するディジタル信号の最下位ビットとオーバーフロー信号との排他的論理和演算結果との間で、さらに排他的論理和演算を行うことにより得られるN種類のディジタルデータを、循環的に変化するlogNのバイナリコードに変換するという演算を行っている。
つまり、排他的論理和ゲート53は、拡張最下位ビットeaと拡張最下位ビットedとを入力して排他的論理和演算を行って別の拡張最下位ビットeeaを出力し、排他的論理和ゲート54は、拡張最下位ビットebと拡張最下位ビットedとを入力して排他的論理和演算を行って別の拡張最下位ビットeebを出力し、排他的論理和ゲート55は、拡張最下位ビットecと拡張最下位ビットedとを入力して排他的論理和演算を行って別の拡張最下位ビットeecを出力する。
図5において、真ん中の列「コード変換器42内部データ」のうち右側の(eea,eeb,eec)が、8状態単位で循環する左側の列(ea,eb,ec,ed)の拡張最下位ビット(ea,eb,ec,ed)に対して、論理回路1 47の排他的論理和ゲート53〜55から出力される別の拡張最下位ビット(ea,eb,ec,ed)の演算結果を示しており、破線枠で示すように、「コード変換器42入力」欄の32通りの状態に対して(あるいは、「コード変換器42内部データ」の左側の欄の8通りの循環状態に対して)、4状態単位で循環的に変化している。
図8は、図7における論理回路2 56の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルであり、各排他的論理和ゲート53〜55それぞれが出力する拡張最下位ビット(eea,eeb,eec)のN種類(図8の場合はN=4)の状態を循環的に変化するlogNビットのバイナリコードに対応付けて示している。図8に示すように、拡張最下位ビット(eea,eeb,eec)と下位2ビットのディジタル信号D1,D0との間では、簡潔かつ明確な対応が得られているので、簡単な論理回路構成によって下位2ビットのディジタル信号D1,D0を出力することができる。
以上のように、4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれの出力である3ビットのディジタル信号(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)を入力して、本発明のアナログ・ディジタル変換回路の出力であるディジタル信号D4〜D0として、5ビットに拡張したバイナリデータを出力することができる。
遅延回路99は、図1に示すように、4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、参照電圧(トップ側、ボトム側)が最も低い第4のアナログ・ディジタル変換要素41のオーバーフロー信号dofに適切な遅延を与え、当該アナログ・ディジタル変換回路のオーバーフロー信号OFとして出力する。オーバーフロー信号OFは、本アナログ・ディジタル変換回路がオーバーフロー(オーバーレンジとも言う)しているか否かの状態を出力するものである。ここで、遅延回路99は、コード変換器42から出力される5ビットのディジタル信号D4〜D0とオーバーフロー信号とのタイミングを一致させるために挿入されている。
すなわち、アナログ・ディジタル変換要素38〜41の出力がディジタル信号D4〜D0としてアナログ・ディジタル変換回路のディジタル信号D4〜D0出力端子5〜9に現れるまでに、コード変換器42の動作時間分のレーテンシが発生する。したがって、ディジタル信号D4〜D0と同じタイミングでオーバーフロー信号OFをオーバーフロー信号OF出力端子10から出力させるために、遅延回路99が挿入されている。アナログ・ディジタル変換回路の出力であるディジタル信号D4〜D0とオーバーフロー信号OFとのタイミングを一致させる必要がない場合や、オーバーフロー信号OFが不要な用途に用いる場合には、遅延回路99を省略することが可能である。
なお、以上の説明においては、図2の説明図および図3の真理値表に示すように、アナログ信号VINの基準となる電圧の電圧レベルが、つまり、アナログ・ディジタル変換回路の出力であるディジタル信号D4〜D0がすべてゼロになるアナログ信号VINの電圧レベルが、高い側(トップ側)にあるものとして説明した。例えば、デバイスとしてバイポーラトランジスタを用い、回路をエミッタ結合ロジック(ECL:Emitter Coupled Logic)によって実現する場合には、ノイズ対策等を考慮して、一般に電圧レベルが高い側(トップ側)をグランドに設定することが多い。このため、前述のように、アナログ信号VINの基準となる電圧についても、トップ側をグランドに合わせて設定している例を示している。
しかしながら、本発明はかかる場合に限るものではなく、例えば、デバイスとしてCMOSを用いる場合には、電圧レベルが低い側(ボトム側)をグランドに設定することもあるので、アナログ信号VINの基準となる電圧についても、ボトム側をグランドに合わせて設定するようにしても良い。かかる場合には、電圧の高低に関する説明は、前述した説明とは逆になり、例えば、コード変換器42の出力であるディジタル信号D4〜D0のうち、上位3ビットD4〜D2は、参照電圧(トップ側、ボトム側)を最も低くではなく逆に最も高く設定したアナログ・ディジタル変換要素の出力であるディジタル信号d2〜d0をそのまま利用することになる。
以上に詳細に説明したように、本第1の実施形態のアナログ・ディジタル変換回路は、nビットのアナログ・ディジタル変換要素をN個利用して、並列的に各アナログ・ディジタル変換要素を電圧方向にインタリーブ動作させることによって、ビット数を、nビットからlogNビット分増加させ、合計(n+logN)ビットに増加させた多ビットのアナログ・ディジタル変換回路として構成することができる。さらに、低速のフォールディング回路を利用しないので、サンプルレートを保ったまま、アナログ・ディジタル変換回路の出力であるディジタル信号の下位ビットを得ることができる。また、クロック分配移相器を利用しないので、低コスト化を図ることができる。
(第2の実施形態)
図9は、アナログ・ディジタル変換回路の第2の実施形態の構成(電圧インタリーブ・並列型・拡張最下位ビット出力型)を示すブロック構成図である。図9において、1はクロック信号CLK入力端子、2はアナログ信号VIN入力端子、3は参照電圧(トップ側)VRT入力端子、4は参照電圧(ボトム側)VRB入力端子、5〜9はディジタル信号D4〜D0出力端子、10はオーバーフロー信号OF出力端子、35はアンプ、36は電圧発生器、37はクロック分配器、48〜51は第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素、52はコード変換器、99は遅延回路である。
本第2の実施形態のアナログ・ディジタル変換回路は、第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素48〜51およびコード変換器52の実現手段が、第1の実施形態の場合と異なる。第1の実施形態においては、図4に示した具体的な実現例として、第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素38〜41を構成するチップ側は、オーバーフロー信号(aof,bof、cof,dof)と最下位ビットのディジタル信号(a0,b0,c0,d0)とをコード変換器42へ出力し、コード変換器42を構成するチップ側では、まず、排他的論理和ゲート43〜46において各アナログ・ディジタル変換要素38〜41からのオーバーフロー信号(aof,bof、cof,dof)と最下位ビットのディジタル信号(a0,b0,c0,d0)との排他的論理和演算を行う場合を示した。
これに対して、本第2の実施形態においては、第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素48〜51を構成するチップ側は、入力されてくるアナログ信号をnビットのディジタル信号(a2〜a0,b2〜b0,c2〜c0,d2〜d0)とオーバーフロー信号(aof,bof、cof,dof)とに変換する回路のみならず、図4のコード変換器42に配置していた排他的論理和ゲート43〜46に相当する排他的論理和ゲート(つまり、nビットのディジタル信号のうち最下位ビットのディジタル信号とオーバーフロー信号との排他的論理和を演算する回路)を少なくとも内部に設け、排他的論理和演算結果である拡張最下位ビット(ea,eb,ec,ed)をも出力するように構成している。
コード変換器52は、第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素48〜51から出力される拡張最下位ビット(ea,eb,ec,ed)を入力し、論理回路1 47において、図7にて説明したような論理演算を行うことによって、アナログ・ディジタル変換回路の出力であるディジタル信号D4〜D0のうち下位2ビットD1,D0を演算して出力する。
なお、アナログ・ディジタル変換回路の出力であるディジタル信号D4〜D0のうち、上位3ビットD4〜D2は、第1の実施形態の図4の場合と同様、参照電圧(トップ側、ボトム側)が最も低い第4のアナログ・ディジタル変換要素51の出力であるディジタル信号d2〜d0をそのまま利用すれば良く、第4のアナログ・ディジタル変換要素41のディジタル信号d2〜d0を、コード変換器52をスルーに、そのまま、上位3ビットのディジタル信号D4〜D2として出力する。
第2の実施形態は、第1の実施形態の場合と比較して、アナログ・ディジタル変換要素48〜51からコード変換器52への信号線を減少させることができるので、実装の容易化、タイミング設計の簡易化、低消費電力化、低コスト化を図ることが可能である。
(第3の実施形態)
図10は、アナログ・ディジタル変換回路の第3の実施形態の構成(電圧インタリーブ・並列型・入力アナログ信号電圧レベルシフト型)を示すブロック構成図である。図10において、1はクロック信号CLK入力端子、2はアナログ信号VIN入力端子、3は参照電圧(トップ側)VRT入力端子、4は参照電圧(ボトム側)VRB入力端子、5〜9はディジタル信号D4〜D0出力端子、10はオーバーフロー信号OF出力端子、37はクロック分配器、48〜51は第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素、52はコード変換器、57はレベルシフト付アンプ、99は遅延回路である。
本第3の実施形態のアナログ・ディジタル変換回路は、第2の実施形態で用いた電圧発生器36およびアンプ35の代わりに、レベルシフト付アンプ57を備える点が異なる。第1の実施形態、第2の実施形態においては、電圧発生器36を利用して、N個のnビットアナログ・ディジタル変換要素の参照電圧(VRTa,VRTb,VRTc,VRTd,VRBa,VRBb,等)をそれぞれvlsb(=VLSB/N)ずつずらすことにより、(n+logN)ビットのアナログ・ディジタル変換回路を実現していた。
これに対して、本第3の実施形態においては、N個のnビットアナログ・ディジタル変換要素48〜51の参照電圧を共通としながら、各アナログ・ディジタル変換要素48〜51に入力するアナログ信号(VINa,VINb,VINc,VINd)の直流成分の電圧レベルをそれぞれvlsb(=VLSB/N)ずつずらすことによって、(n+logN)ビットのアナログ・ディジタル変換回路を実現する。
つまり、アナログ・ディジタル変換要素48〜51の参照電圧(トップ側)、参照電圧(ボトム側)を同一の電圧レベルに設定して動作させる(アナログ・ディジタル変換要素48〜51それぞれの参照電圧の上限値と参照電圧の下限値との電圧差を同一の値に設定して動作させる)とともに、レベルシフト付アンプ57において、アナログ・ディジタル変換要素48〜51それぞれに入力するアナログ信号の直流成分の電圧レベルを、アナログ・ディジタル変換要素48〜51それぞれにおけるシフト電圧値vlsbとして
シフト電圧値vlsb=VLSB/N
=(VRT−VRB)/(2×N)
ただし、VRT:各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧の上限値
VRB:各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧の下限値
ずつ電圧シフトさせる。
図10において、レベルシフト付アンプ57は、アナログ信号VINを入力し、その直流成分がそれぞれvlsbずつ異なるアナログ信号(VINa,VINb,VINc,VINd)を発生する。例えば、
VINa=VIN
VINb=VINa+vlsb
VINc=VINb+vlsb
VINd=VINc+vlsb
とすれば良い。
また、図10のコード変換器52は、N個のアナログ・ディジタル変換要素48〜51のうち、アナログ信号VINの直流成分の電圧レベルを最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素が出力するnビットのディジタル信号を、当該アナログ・ディジタル変換回路の上位nビットとして、そのまま出力し、かつ、N個のアナログ・ディジタル変換要素48〜51それぞれが出力するnビットのディジタル信号のうち最下位ビットのディジタル信号とオーバーフロー信号との論理演算を行うことにより、当該アナログ・ディジタル変換回路の下位logNビットのディジタル信号にコード変換して出力するものである。ここで、下位logNビットのディジタル信号にコード変換する論理演算は、例えば第1の実施形態の図4、図7に示す論理演算回路によって構成すれば良い。
なお、レベルシフト付アンプ57における直流成分の電圧レベルのレベルシフトは、エミッタフォロアやソースフォロアなどの能動素子によるレベルシフトや、バイアスティーなどのパッシブ素子によるレベルシフトによって実現することができる。また、レベルシフト付アンプ57は、トラックホールド機能やサンプルホールド機能を有していても良いし、また、場合によっては、レベルシフト付アンプ57を当該アナログ・ディジタル変換回路の外部に配置して、各アナログ・ディジタル変換要素それぞれに異なる直流成分の電圧レベルを重畳したアナログ信号を入力させるようにしても良い。
以上のような回路構成を用いることによって、本第3の実施形態においても、第1の実施形態、第2の実施形態の場合と同一の多ビット化したディジタル信号を出力することができる。
なお、以上の説明においては、アナログ信号VINの基準となる電圧の電圧レベルが、第1の実施形態の場合と同様、高い側(トップ側)にあるものとして説明したが、かかる場合に限るものではなく、アナログ信号VINの基準となる電圧のボトム側をグランドに合わせて設定するようにしても良い。かかる場合には、電圧の高低に関する説明は、前述した説明とは逆になり、例えば、コード変換器42の出力であるディジタル信号D4〜D0のうち、上位3ビットD4〜D2は、アナログ信号VINの直流成分の電圧レベルを最も高くではなく逆に最も低く設定したアナログ・ディジタル変換要素の出力であるディジタル信号d2〜d0をそのまま利用することになる。
第3の実施形態は、各アナログ・ディジタル変換要素48〜51への参照電圧の配線を共通化することができるため、実装の簡易化、低コスト化を図ることが可能である。
(第4の実施形態)
図11は、アナログ・ディジタル変換回路の第4の実施形態の構成(電圧インタリーブ・直列型・基本型)を示すブロック構成図である。図11において、1はクロック信号CLK入力端子、2はアナログ信号VIN入力端子、3は参照電圧(トップ側)VRT入力端子、4は参照電圧(ボトム側)VRB入力端子、5〜9はディジタル信号D4〜D0出力端子、10はオーバーフロー信号OF出力端子、35はアンプ、58は電圧発生器、37はクロック分配器、38〜41は第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素、59はコード変換器、99は遅延回路である。
本実施形態の技術は、任意の個数(N個)のアナログ・ディジタル変換要素を利用して多ビット化することができるが、図11に示す例においてはN=4の場合について説明する。また、アナログ・ディジタル変換要素のビット数をn=3とし、logN=log4=2の多ビット化により、合計5ビットのディジタル信号を出力する場合を例として説明する。
第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のそれぞれは、例えば第1の従来例で説明したアナログ・ディジタル変換回路を利用することができる。また、第3の従来例(タイムインタリーブ型)の場合とは異なり、第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のすべては、クロック分配器37から同一位相のクロック信号が分配されて同じタイミングで動作する。
なお、本技術においては、N個のアナログ・ディジタル変換要素をすべて同一の設計とすることが可能であり、その場合には、設計資産(IP:Intellectual Property)の有効利用、設計コストの低減が可能である。また、N個のアナログ・ディジタル変換要素を複数チップに分割して実装することが可能であり、その場合には、チップからの発熱の放熱設計を簡易化することができる。
クロック分配器37は、クロック信号CLK入力端子1からクロック信号CLKを入力し、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41のクロック信号入力端子(CLKa,CLKb,CLKc,CLKd)に、同位相のクロック信号を供給し、N=4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のすべてを同じタイミングで動作させる。なお、クロック分配器37は、同位相のクロック信号の分配であることから、クロック信号CLK入力端子1から入力されるクロック信号CLKの電力レベルが十分に大きく、N=4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のすべてを駆動することができる場合には、クロック分配器37を省略することも可能である。
アンプ35は、アナログ信号VIN入力端子2からアナログ信号VINを入力し、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41のアナログ信号入力端子(VINa,VINb,VINc,VINd)に同位相のアナログ信号を供給する。同位相のアナログ信号の分配であることから、アナログ信号VIN入力端子2から入力されるアナログ信号VINの電力レベルが十分に大きく、N=4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のすべてを駆動することができる場合には、アンプ35を省略することも可能である。
なお、アンプ35は、入出力の線形性が十分に高いことが望ましく、線形性が低いと、アナログ・ディジタル変換回路としての有効ビット数(ENOB:Effective Number Of Bits)の減少を引き起こす。また、アンプ35は、トラック&ホールドアンプまたはサンプル&ホールドアンプを利用することが可能であり、その場合には、アンプ35から各アナログ・ディジタル変換要素38〜41までの各線路の位相の相対誤差が、アナログ・ディジタル変換回路としての特性悪化(同時性誤差)に影響を及ぼす耐性を向上させることができる。
電圧発生器58は、参照電圧(トップ側)VRT入力端子3から入力される参照電圧(トップ側)VRTつまり参照電圧の上限値と参照電圧(ボトム側)VRB入力端子4から入力される参照電圧(ボトム側)VRBつまり参照電圧の下限値とに基づいて、アナログ・ディジタル変換要素38の参照電圧(トップ側)VRTa、参照電圧(ボトム側)VRBa、アナログ・ディジタル変換要素39の参照電圧(トップ側)VRTb、参照電圧(ボトム側)VRBb、アナログ・ディジタル変換要素40の参照電圧(トップ側)VRTc、参照電圧(ボトム側)VRBc、アナログ・ディジタル変換要素41の参照電圧(トップ側)VRTd、参照電圧(ボトム側)VRBdを発生する。
図12は、電圧発生器58の各出力電圧(VRTa,VRBa,VRTb,VRBb,VRTc,VRBc,VRTd,VRBd)の関係を示す説明図である。第1の従来例で説明した通り、例えばアナログ・ディジタル変換要素38(ADC_a)において、同一のコードを出力する単位電圧幅VLSBは、ディジタル信号の出力ビット数をnビットとした場合、
VLSB={(VRTa−VRBa)/2
で与えられる。
ここで、第1の実施形態、第2の実施形態のアナログ・ディジタル変換回路においては、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41のビット数n(図1、図9の場合はn=3)よりも、合計ビット数をさらにlogNビット(図1、図9の場合はN=4)分増加させるために、参照電圧(トップ側)、参照電圧(ボトム側)を、アナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれについて、
シフト電圧値vlsb=VLSB/N
=(VRT−VRB)/(2×N)
ただし、VRT:各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧の上限値
VRB:各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧の下限値
ずつ電圧シフトさせていた。
これに対して、本第4の実施形態のアナログ・ディジタル変換回路においては、識別させるアナログ信号の電圧範囲をNブロックに分割して、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41にそれぞれのアナログ信号の電圧範囲におけるアナログ信号VINの識別を分担させる。
つまり、本第4の実施形態のアナログ・ディジタル変換回路においては、N個(図11の場合はN=4)の各アナログ・ディジタル変換要素38〜41のビット数n(図11の場合はn=3)よりも、合計ビット数をさらにlogNビット分増加させるために、参照電圧(トップ側)、参照電圧(ボトム側)を、第1から第4までのアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち第(i+1)番目{i=1〜(N−1)}のアナログ・ディジタル変換要素におけるシフト電圧値vlsb2として、
シフト電圧値vlsb2=VLSB×2
=VRTi−VRBi
ただし、VRTi:第i番目のアナログ・ディジタル変換要素の
参照電圧の上限値
VRBi:第i番目のアナログ・ディジタル変換要素の
参照電圧の下限値
ずつ電圧シフトさせる。
すなわち、アナログ・ディジタル変換要素38,39,40それぞれの基準電圧(ボトム側)とアナログ・ディジタル変換要素39,40,41それぞれの基準電圧(トップ側)とを
VRBa=VRTb
VRBb=VRTc
VRBc=VRTd
の関係を満たすように与える。
この結果、いずれか1つのアナログ・ディジタル変換要素例えばアナログ・ディジタル変換要素38だけでは、{2=8}レベルの識別しかできないにも関わらず、参照電圧をシフト電圧値vlsb2ずつ電圧シフトさせた4つのアナログ・ディジタル変換要素38〜41を用いることにより、{2×N=32}レベルの識別が可能となる。つまり、ビット数で一般化して表現すると、それぞれnビットのディジタル信号を出力するアナログ・ディジタル変換要素をN個利用することによって、ビット数をnから(logN)だけさらに増加させ、アナログ・ディジタル変換回路のビット数を合計(n+logN)ビットに増加させることができる。
なお、以上に説明した各アナログ・ディジタル変換要素38〜41の参照電圧(トップ側)、参照電圧(ボトム側)を場合によっては外部から直接入力することも可能であり、その場合には、電圧発生器58を省略することが可能である。
コード変換器59は、アナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれの出力であるnビットのディジタル信号(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)を入力して、nビットよりも多いビット数のディジタル信号にコード変換して出力するものであり、本実施形態のアナログ・ディジタル変換回路においては、ディジタル信号D4〜D0として、nビットよりもlogNビット分増加させた合計(n+logN)ビット(図11の場合は5ビット)のバイナリデータにコード変換して出力する。
図13は、図11におけるコード変換器59の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。以降、図13の真理値表を用いて、4つの3ビットアナログ・ディジタル変換要素38〜41の出力であるディジタルデータ(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)に基づいて、どのようにして5ビットのディジタルデータを算出するかを詳細に説明する。
図12で説明したように、アナログ信号VINを変化させると、1つのアナログ・ディジタル変換要素例えばアナログ・ディジタル変換要素38はディジタル信号を8通りしか出力しないが、参照電圧の電圧レベルをシフト電圧値vlsb2ずつ電圧シフトさせた4つのアナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれの出力を組み合わせると、合計32通りのディジタル信号が出力されていることになる。この32通りのディジタルデータを一覧表に表示した結果が、図13左側の列に示す「コード変換器入力」列であり、一方、32通りの該ディジタルデータそれぞれを判別可能なディジタルデータとして循環的に変化させて出力するコードの一例が、図13右側の列に示す「コード変換器出力」である。
ここで、アナログ信号VINの電圧が一番高い場合に現れるデータを1行目に、アナログ信号VINの電圧が一番低い場合に現れるデータを32行目に記載している。アナログ信号VINを高い電圧から低い電圧に連続的に変化させると、図13のコード変換器入力データは1行目から32行目まで順番に変化する。
つまり、アナログ信号VlNの電圧レベルが(VRTa−VLSB)よりも高い場合には、図12に示すように、コード変換器59に入力されるディジタル信号(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)はすべて“0”となる。アナログ信号VINの電圧レベルを下げて行くと、アナログ信号VlNの電圧レベルが(VRBa−VLSB)を下回るまで、単位電圧幅VLSBの変化ごとに、アナログ・ディジタル変換要素38の出力であるディジタル信号(aof,a2,a1,a0)が変化する。8状態が出力された後、アナログ信号VlNの電圧レベルが(VRBa−VLSB)つまり(VRTb−VLSB)を下回ると、アナログ・ディジタル変換要素38の出力であるディジタル信号(aof,a2,a1,a0)は、すべて“1”となる。
以降、同様に、アナログ信号VINの電圧レベルが(VRTb−VLSB)から(VRBb−VLSB)を下回るまで、アナログ・ディジタル変換要素39の出力であるディジタル信号(bof,b2,b1,b0)が8状態、さらに、アナログ信号VINの電圧レベルが(VRTc−VLSB)から(VRBc−VLSB)を下回るまで、アナログ・ディジタル変換要素40の出力であるディジタル信号(cof,c2,c1,c0)が8状態、さらに、アナログ信号VINの電圧レベルが(VRTd−VLSB)から(VRBd−VLSB)を下回るまで、アナログ・ディジタル変換要素41の出力であるディジタル信号(dof,d2,d1,d0)が8状態、それぞれ変化して出力され、(VRBd−VLSB)を下回って、コード変換器59に入力されるディジタル信号(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)が、すべて“1”となるまで、{2×N=2×4=32}通りのコードが出現する。
コード変換器59は、アナログ・ディジタル変換要素38〜41の出力であるディジタル信号(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)の32通りのコードを、例えば図13の真理値表に従って、32通りの“00000”〜“11111”(2進数表示)の循環的に変化するバイナリデータに変換して出力する。ただし、図13の真理値表は、あくまでも一例であり、32通りの状態を判別することができる任意のコード(バイナリコード、グレイコード、等)を利用することができる。
図14は、図11におけるコード変換器59のより具体的な実現例を示すブロック構成図である。図14のコード変換器59の回路構成は、本構成に限るものではないが、図13の真理価表の出力例を、小さい規模(低消費電力)で実現する場合の回路構成の一例を示している。図14において、60は論理回路3、61はセレクタである。
図14のコード変換器59は、N個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、参照電圧を最も低く設定したアナログ・ディジタル変換要素を除く残りの(N−1)個のアナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するオーバーフロー信号の論理演算を行った結果に基づいて、N個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のいずれかを選択して、選択した該アナログ・ディジタル変換要素が出力するnビットのディジタル信号を当該アナログ・ディジタル変換回路の下位nビットのディジタル信号として出力し、かつ、オーバーフロー信号の論理演算の結果を当該アナログ・ディジタル変換回路の上位logNビットのディジタル信号にコード変換して出力するものである。
つまり、図13に示すように、各アナログ・ディジタル変換要素38〜40のオーバーフロー信号(aof,bof,cof)は、アナログ信号VINが、Nブロックの電圧範囲のどこにあるか(つまり、N=4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、どのアナログ・ディジタル変換要素が、図13の破線枠に示すアナログ信号VINの状態を判別しているか)に関する情報を含んでいる。論理回路3 60は、N個(図13の場合はN=4)のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、参照電圧を最も低く設定した第4のアナログ・ディジタル変換要素41を除く残りの(N−1)個のアナログ・ディジタル変換要素38〜40のオーバーフロー信号(aof,bof,cof)を入力して、N=4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、どのアナログ・ディジタル変換要素がアナログ信号VINの状態を判別しているかを示す情報をlogNビットのデータとして出力する。
セレクタ61は、論理回路3 60の論理演算結果である判別情報つまりlogNビットのデータを基にして、N=4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、アナログ信号VINの状態を判別しているアナログ・ディジタル変換要素の出力を、コード変換器59の下位3ビットの出力であるディジタル信号D2〜D0として選択して出力する。また、論理回路3 60の出力の判別情報つまりlogNビットのデータは、アナログ信号VINが、Nブロックの電圧範囲のどこにあるかを与える情報であることから、コード変換器59の上位2ビットの出力であるディジタル信号D4,D3としてそのまま出力する。
図15は、図14における論理回路3 60の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。図15の真理値表に示すように、N個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、参照電圧を最も低く設定した第4のアナログ・ディジタル変換要素41を除く残りの(N−1)個のアナログ・ディジタル変換要素38〜40のオーバーフロー信号(aof,bof,cof)を論理回路3 60へ入力することにより、論理回路3 60への入力データである各アナログ・ディジタル変換要素38〜40それぞれが出力するオーバーフロー信号(aof,bof,cof)の組合せとして得られるN種類のディジタルデータから、選択すべきアナログ・ディジタル変換要素を指定するコードとして、すなわち、どのアナログ・ディジタル変換要素がアナログ信号VINの状態を判別しているかを示す論理回路3 60の出力データとして、循環的に変化するlogNビットのバイナリコードにコード変換することによって、ディジタル信号D4,D3を一意に決定することができる。
すなわち、例えば、各アナログ・ディジタル変換要素38〜40のオーバーフロー信号(aof,bof,cof)がすべて“0”の場合は、図13に示すように、第1のアナログ・ディジタル変換要素38の出力であるディジタル信号(a2,a1,a0)が、アナログ信号VINの状態を判別しているディジタルデータであるので、ディジタル信号D4,D3は、“00”であり、アナログ・ディジタル変換要素38のオーバーフロー信号aofのみが“1”の場合は、第2のアナログ・ディジタル変換要素39の出力であるディジタル信号(b2,b1,b0)が、アナログ信号VINの状態を判別しているディジタルデータであるので、ディジタル信号D4,D3は、“01”である。
図16は、図14におけるセレクタ61の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。論理回路3 60から入力される判別情報つまりディジタル信号D4,D3のデータを基にして、4つのアナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれの出力であるディジタル信号(a2,a1,a0)〜(d2,d1,d0)のうち、アナログ信号VINの状態を判別しているアナログ・ディジタル変換要素の出力であるディジタル信号を、アナログ・ディジタル変換回路の下位3ビットのディジタル信号D2〜D0として選択して出力する。
以上のように、4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれの出力である3ビットのディジタル信号(aof,a2,a1,a0)〜(dof,d2,d1,d0)を入力して、本発明のアナログ・ディジタル変換回路の出力であるディジタル信号D4〜D0として、5ビットに拡張したバイナリデータを出力することができる。
遅延回路99は、図11に示すように、4個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、参照電圧(トップ側、ボトム側)が最も低い第4のアナログ・ディジタル変換要素41のオーバーフロー信号dofに適切な遅延を与え、当該アナログ・ディジタル変換回路のオーバーフロー信号OFとして出力する。オーバーフロー信号OFは、本アナログ・ディジタル変換回路がオーバーフロー(オーバーレンジとも言う)しているか否かの状態を出力するものである。ここで、遅延回路99は、コード変換器42から出力される5ビットのディジタル信号D4〜D0とオーバーフロー信号とのタイミングを一致させるために挿入されている。
なお、以上の説明においては、図12の説明図および図13の真理値表に示すように、アナログ信号VINの基準となる電圧の電圧レベルが、つまり、アナログ・ディジタル変換回路の出力であるディジタル信号D4〜D0がすべてゼロになるアナログ信号VINの電圧レベルが、高い側(トップ側)にあるものとして説明した。
しかしながら、本発明はかかる場合に限るものではなく、アナログ信号VINの基準となる電圧について、ボトム側をグランドに合わせて設定するようにしても良い。かかる場合には、電圧の高低に関する説明は、前述した説明とは逆になり、例えば、コード変換器59の出力であるディジタル信号D4〜D0のうち、下位3ビットD2〜D0は、参照電圧を最も低くではなく逆に最も高く設定したアナログ・ディジタル変換要素を除く残りの3個のアナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するオーバーフロー信号の論理演算を行った結果に基づいて、いずれかのアナログ・ディジタル変換要素を選択して、選択した該アナログ・ディジタル変換要素が出力する3ビットの出力ディジタル信号d2〜d0をそのまま利用することになる。
以上に詳細に説明したように、本第4の実施形態のアナログ・ディジタル変換回路は、nビットのアナログ・ディジタル変換要素をN個利用して、直列的に各アナログ・ディジタル変換要素を電圧方向にインタリーブ動作させることによって、ビット数を、nビットからlogNビット分増加させ、合計(n+logN)ビットに増加させた多ビットのアナログ・ディジタル変換回路として構成することができる。さらに、低速のフォールディング回路を利用しないので、サンプルレートを保ったまま、アナログ・ディジタル変換回路の出力であるディジタル信号の下位ビットを得ることができる。また、クロック分配移相器を利用しないので、低コストを図ることができる。
また、本第4の実施形態は、第1の実施形態、第2の実施形態と比較して、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41への参照電圧の配線数を削減することができるので、実装の簡易化、低コスト化を図ることも可能である。
(第5の実施形態)
図17は、アナログ・ディジタル変換回路の第5の実施形態の構成(電圧インタリーブ・直列型・電圧発生器省略型)を示すブロック構成図である。図17において、1はクロック信号CLK入力端子、2はアナログ信号VIN入力端子、3は参照電圧(トップ側)VRT入力端子、4は参照電圧(ボトム側)VRB入力端子、5〜9はディジタル信号D4〜D0出力端子、10はオーバーフロー信号OF出力端子、35はアンプ、37はクロック分配器、38〜41は第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素、59はコード変換器、99は遅延回路である。
本第5の実施形態は、第4の実施形態に示した図11における電圧発生回路58を取り去り、アナログ・ディジタル変換要素38,39,40それぞれの基準電圧(ボトム側)とアナログ・ディジタル変換要素39,40,41それぞれの基準電圧(トップ側)とを直接接続している点、つまり、VRBaとVRTbとを、VRBbとVRTcとを、VRBcとVRTdとを、それぞれ、物理的に接続した点で、第4の実施形態の場合とは異なる。
第4の実施形態においては、電圧発生器58において、N個のnビットアナログ・ディジタル変換要素の参照電圧(VRTa,VRBa,VRTb,VRBb,VRTc,VRBc,VRTd,VRBd)をそれぞれ発生させることにより、(n+logN)ビットのアナログ・ディジタル変換回路を実現していた。
これに対して、本第5の実施形態においては、アナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれの参照電圧について、直接接続し合うことにより、
VRBa=VRTb
VRBb=VRTc
VRBc=VRTd
の関係を満たすように決定するので、同一の電圧値の参照電圧を物理的に接続することによって、配線数を減少させることができる。つまり、本第5の実施形態においては、前述のように、VRBaとVRTbとを、VRBbとVRTcとを、VRBcとVRTdとをそれぞれ物理的に接続している。
さらに、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41が図19に示したようなフラッシュ型である場合には、VRTaとVRBaとの間、VRTbとVRBbとの間、VRTcとVRBcとの間、VRTdとVRBdとの間は、抵抗ラダー回路によって実現されている。
したがって、参照電圧(トップ側)VRT入力端子3、参照電圧(ボトム側)VRB入力端子4の外部から、第1のアナログ・ディジタル変換要素38のVRTaと第1のアナログ・ディジタル変換要素41のVRBdとに参照電圧を印加することにより、その他の参照電圧(VRBa,VRTb,VRBb,VRTc,VRBc,VRTd)を、前述の抵抗ラダー回路の分圧動作によって、自動的に与えることができる。この結果、フラッシュ型のアナログ・ディジタル変換要素として構成する本第5の実施形態においては、第4の実施形態で利用した電圧発生器58を除去することができる。
本第5の実施形態は、電圧発生器を省略することができ、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41への参照電圧の配線を減少することができるため、実装の簡易化、低コスト化を図ることが可能である。
(第6の実施形態)
図18は、アナログ・ディジタル変換回路の第6の実施形態の構成(電圧インタリーブ・直列型・アナログ信号入力電圧レベルシフト型)を示すブロック構成図である。図18において、1はクロック値号CLK入力端子、2はアナログ信号VIN入力端子、3は参照電圧(トップ側)VRT入力端子、4は参照電圧(ボトム側)VRB入力端子、5〜9はディジタル信号D4〜D0出力端子、10はオーバーフロー信号OF出力端子、37はクロック分配器、38〜41は第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素、57はレベルシフト付アンプ、59はコード変換器、99は遅延回路である。
本第6の実施形態のアナログ・ディジタル変換回路は、第4の実施形態で用いた電圧発生器58およびアンプ35の代わりに、レベルシフト付アンプ57を備える点が異なる。第4の実施形態においては、電圧発生器58から、N個のnビットアナログ・ディジタル変換要素38〜41に異なる参照電圧(VRTa,VRTb,VRTc,VRTd,VRBa,VRBb,等)を与えることにより、(n+logN)ビットのアナログ・ディジタル変換回路を実現していた。
これに対して、本第6の実施形態においては、N個のnビットアナログ・ディジタル変換要素38〜41の参照電圧を共通としながら、各アナログ・ディジタル変換要素38〜41に入力するアナログ信号(VINa,VINb,VINc,VINd)の直流成分の電圧レベルをそれぞれ(2×VLSB)ずつ、つまり、参照電圧の上限値と参照電圧の下限値との間の電圧差ずつ、ずらすことによって、(n+logN)ビットのアナログ・ディジタル変換回路を実現する。
つまり、アナログ・ディジタル変換要素38〜41の参照電圧(トップ側)、参照電圧(ボトム側)を同一の電圧レベルに設定して動作させるとともに、レベルシフト付アンプ57において、アナログ・ディジタル変換要素38〜41それぞれに入力するアナログ信号の直流成分の電圧レベルを、第1から第4までのアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち第(i+1)番目{i=1〜(N−1)}のアナログ・ディジタル変換要素におけるシフト電圧値vlsb2として、
シフト電圧値vlsb2=VLSB×2
=VRTi−VRBi
ただし、VRTi:第i番目のアナログ・ディジタル変換要素の
参照電圧の上限値
VRTi:第i番目のアナログ・ディジタル変換要素の
参照電圧の下限値
ずつ電圧シフトさせる。
図18において、レベルシフト付アンプ57は、アナログ信号VINを入力し、その直流成分の電圧レベルがそれぞれ(2×VLSB)ずつ異なるアナログ信号(VINa,VINb,VINc,VINd)を発生する。例えば、
VINa=VIN
VINb=VINa+2×VLSB
=VINa+(VRTa−VRBa)
VINc=VINb+2×VLSB
=VINb+(VRTb−VRBb)
VINd=VINc+2×VLSB
=VINc+(VRTc−VRBc)
とすれば良い。
また、図18のコード変換器59は、N個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のうち、アナログ信号VINの直流成分の電圧レベルを最も高く設定したアナログ・ディジタル変換要素を除く残りの(N−1)個のアナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するオーバーフロー信号の論理演算を行った結果に基づいて、N個のアナログ・ディジタル変換要素38〜41のいずれかを選択して、選択した該アナログ・ディジタル変換要素が出力するnビットのディジタル信号を当該アナログ・ディジタル変換回路の下位nビットのディジタル信号として出力し、かつ、オーバーフロー信号の論理演算の結果を当該アナログ・ディジタル変換回路の上位logNビットのディジタル信号にコード変換して出力するものである。ここで、上位logNビットのディジタル信号にコード変換する論理演算は、例えば第4の実施形態の図15に示すような真理値表の入出力関係が得られる論理演算回路によって構成すれば良い。
なお、レベルシフト付アンプ57における直流成分の電圧レベルのレベルシフトは、エミッタフォロアやソースフォロアなどの能動素子によるレベルシフトや、バイアスティーなどのパッシブ素子によるレベルシフトによって実現することができる。また、レベルシフト付アンプ57は、トラックホールド機能やサンプルホールド機能を有していても良いし、また、場合によっては、レベルシフト付アンプ57を当該アナログ・ディジタル変換回路の外部に配置して、各アナログ・ディジタル変換要素それぞれに異なる直流成分の電圧レベルを重畳したアナログ信号を入力させるようにしても良い。
以上のような回路構成を用いることによって、本第6の実施形態においても、第4の実施形態の場合と同一の多ビット化したディジタル信号を出力することができる。
なお、以上の説明においては、アナログ信号VINの基準となる電圧の電圧レベルが、第4の実施形態の場合と同様、高い側(トップ側)にあるものとして説明したが、かかる場合に限るものではなく、アナログ信号VINの基準となる電圧のボトム側をグランドに合わせて設定するようにしても良い。かかる場合には、電圧の高低に関する説明は、前述した説明とは逆になり、例えば、コード変換器59の出力であるディジタル信号D4〜D0のうち、下位3ビットD2〜D0は、アナログ信号VINの直流成分の電圧レベルを最も高くではなく逆に最も低く設定したアナログ・ディジタル変換要素を除く残りの3個のアナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するオーバーフロー信号の論理演算を行った結果に基づいて、いずれかのアナログ・ディジタル変換要素を選択して、選択した該アナログ・ディジタル変換要素が出力する3ビットの出力ディジタル信号d2〜d0をそのまま利用することになる。
第6の実施形態は、各アナログ・ディジタル変換要素48〜51への参照電圧の配線を共通化することができるため、実装の簡易化、低コスト化を図ることが可能である。
(本発明によって生じる効果)
以上に詳細に説明したように、本発明に係るアナログ・ディジタル変換回路においては、クロック分配移相器を用いることなく、サンプルレートとビット数とのトレードオフの関係を緩和させることにより、光通信システムにおけるディジタル信号処理において要求される高いサンプルレート、幅広いビット数の要求を同時に満たすアナログ・ディジタル変換回路を低コストで提供することが可能になる。
アナログ・ディジタル変換回路の第1の実施形態の構成(電圧インタリーブ・並列型・基本型)を示すブロック構成図である。 電圧発生器の各出力電圧(VRTa,VRBa,VRTb.VRBb,VRTc,VRBc,VRTd,VRBd)の関係を示す説明図である。 図1におけるコード変換器の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。 図1におけるコード変換器のより具体的な実現例を示すブロック構成図である。 図4におけるコード変換器の入出力データおよび内部データの真理値表の一例を示すテーブルである。 図4に示すコード変換器において拡張最下位ビットから下位2ビットのディジタルデータを得るための論理回路1の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。 図4における論理回路1のより具体的な実現例を示すブロック構成図である。 図7における論理回路2の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。 アナログ・ディジタル変換回路の第2の実施形態の構成(電圧インタリーブ・並列型・拡張最下位ビット出力型)を示すブロック構成図である。 アナログ・ディジタル変換回路の第3の実施形態の構成(電圧インタリーブ・並列型・入力アナログ信号電圧レベルシフト型)を示すブロック構成図である。 アナログ・ディジタル変換回路の第4の実施形態の構成(電圧インタリーブ・直列型・基本型)を示すブロック構成図である。 電圧発生器の各出力電圧(VRTa,VRBa,VRTb,VRBb,VRTc,VRBc,VRTd,VRBd)の関係を示す説明図である。 図11におけるコード変換器の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。 図11におけるコード変換器のより具体的な実現例を示すブロック構成図である。 図14における論理回路3の入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。 図14におけるセレクタの入出力データの真理値表の一例を示すテーブルである。 アナログ・ディジタル変換回路の第5の実施形態の構成(電圧インタリーブ・直列型・電圧発生器省略型)を示すブロック構成図である。 アナログ・ディジタル変換回路の第6の実施形態の構成(電圧インタリーブ・直列型・入力アナログ信号電圧レベルシフト型)を示すブロック構成図である。 アナログ・ディジタル変換回路の第1の従来例の構成(フラッシュ型)を示すブロック構成図である。 アナログ・ディジタル変換回路の第1の従来例の動作を示す説明図である。 アナログ・ディジタル変換回路の第2の従来例の構成(フォールディング型)を示すブロック構成図である。 アナログ・ディジタル変換回路の第3の従来例の構成(タイムインタリーブ型)を示すブロック構成図である。
符号の説明
1…クロック信号CLK入力端子、2…アナログ信号VIN入力端子、3…参照電圧(トップ側)VRT入力端子、4…参照電圧(ボトム側)VRB入力端子、5〜9…ディジタル信号D4〜D0出力端子、10…オーバーフロー信号OF出力端子、11…抵抗ラダー、12…クロック分配器、13〜20…電圧比較器、21…エンコーダ、23…クロック分配移相器、24…アンプ、25〜28…第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素、29…セレクタ、30…アンプ、31…クロック分配器、32…第1のアナログ・ディジタル変換要素ADC_a、33…フォールディング回路、34…第2のアナログ・ディジタル変換要素ADC_b、35…アンプ、36…電圧発生器、37…クロック分配器、38〜41…第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素、42…コード変換器、43〜46…排他的論理和ゲート(排他的論理和回路)、47…論理回路1、48〜51…第1〜第4のアナログ・ディジタル変換要素、52…コード変換器、53〜55…排他的論理和ゲート(排他的論理和回路)、56…論理回路2、57…レベルシフト付アンプ、58…電圧発生器、59…コード変換器、60…論理回路3、61…セレクタ、99…遅延回路。

Claims (14)

  1. アナログ信号を参照電圧に基づいてnビット(n:自然数)のディジタル信号に変換するN個(N:自然数)のアナログ・ディジタル変換要素と、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号を組み合わせてコード変換したディジタル信号を出力するコード変換器とを少なくも備えたアナログ・ディジタル変換回路であって、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが、同一位相のクロックで、かつ、それぞれの前記参照電圧をあらかじめ定めたシフト電圧値ずつ電圧シフトさせて動作し、前記コード変換器が、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号を組み合わせて、nビットよりも多いビット数のディジタル信号にコード変換することを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  2. アナログ信号を参照電圧に基づいてnビット(n:自然数)のディジタル信号に変換するN個(N:自然数)のアナログ・ディジタル変換要素と、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号を組み合わせてコード変換したディジタル信号を出力するコード変換器とを少なくも備えたアナログ・ディジタル変換回路であって、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが、同一位相のクロックで、かつ、それぞれに入力される前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルをあらかじめ定めたシフト電圧値ずつ電圧シフトさせて動作し、前記コード変換器が、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号を組み合わせて、nビットよりも多いビット数のディジタル信号にコード変換することを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  3. 請求項1または2に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記コード変換器は、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号を組み合わせることにより、(n+logN)ビットのディジタル信号にコード変換することを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  4. 請求項3に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記コード変換器が、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素のうち、前記参照電圧を最も低くまたは最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素、もしくは、前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルを最も高くまたは最も低く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素が出力するnビットのディジタル信号を、当該アナログ・ディジタル変換回路の上位nビットとして、そのまま出力し、かつ、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するnビットのディジタル信号のうち最下位ビットのディジタル信号とオーバーフロー信号との論理演算を行うことにより、当該アナログ・ディジタル変換回路の下位logNビットのディジタル信号にコード変換して出力することを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  5. 請求項4に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、当該アナログ・ディジタル変換回路の下位logNビットのディジタル信号にコード変換する前記論理演算として、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素のうち、前記参照電圧を最も低くまたは最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素、もしくは、前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルを最も高くまたは最も低く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素を除く残りの(N−1)個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれごとにそれぞれが出力するディジタル信号の最下位ビットとオーバーフロー信号との排他的論理和演算結果それぞれと、前記参照電圧を最も低くまたは最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素、もしくは、前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルを最も高くまたは最も低く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素が出力するディジタル信号の最下位ビットとオーバーフロー信号との排他的論理和演算結果とを、さらに排他的論理和演算を行うことにより得られるN種類のディジタルデータを、循環的に変化するlogNのバイナリコードに変換することを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  6. 請求項3に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記コード変換器が、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素のうち、前記参照電圧を最も低くまたは最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素、もしくは、前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルを最も高くまたは最も低く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素を除く残りの(N−1)個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するオーバーフロー信号の論理演算を行った結果に基づいて、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素のいずれかを選択して、選択した該アナログ・ディジタル変換要素が出力するnビットのディジタル信号を当該アナログ・ディジタル変換回路の下位nビットのディジタル信号として出力し、かつ、前記オーバーフロー信号の論理演算の結果を当該アナログ・ディジタル変換回路の上位logNビットのディジタル信号にコード変換して出力することを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  7. 請求項6に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、当該アナログ・ディジタル変換回路の上位logNビットのディジタル信号にコード変換する前記論理演算として、前記参照電圧を最も低くまたは最も高く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素、もしくは、前記アナログ信号の直流成分の電圧レベルを最も高くまたは最も低く設定した前記アナログ・ディジタル変換要素を除く残りの(N−1)個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが出力するオーバーフロー信号の組合せとして得られるN種類のディジタルデータを、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素のうち選択すべき前記アナログ・ディジタル変換要素を指定するコードとして循環的に変化するlogNビットのバイナリコードに変換することを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれの前記参照電圧の上限値と下限値との間の電圧差を同一の値に設定して動作させ、かつ、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれの前記シフト電圧値vlsbを、
    シフト電圧値vlsb=(VRT−VRB)/(2×N)
    ただし、VRT:各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧の上限値
    VRB:各アナログ・ディジタル変換要素の参照電圧の下限値
    とすることを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、第(i+1)番目{i=1〜(N−1)}の前記アナログ・ディジタル変換要素における前記シフト電圧値vlsb2を、
    シフト電圧値vlsb2=VRTi−VRBi
    ただし、VRTi:第i番目のアナログ・ディジタル変換要素の
    参照電圧の上限値
    VRBi:第i番目のアナログ・ディジタル変換要素の
    参照電圧の下限値
    とすることを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記参照電圧をN個の前記アナログ・ディジタル変換要素に分配する電圧発生器を備えていることを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記アナログ信号をN個の前記アナログ・ディジタル変換要素に分配するアンプを備えていることを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  12. 請求項11に記載のアナログ・ディジタル変換回路において、前記アンプが、サンプル&ホールドアンプまたはトラック&ホールドアンプであることを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、少なくとも、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素を複数のチップに分割して実装することを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載のアナログ・ディジタル変換回路において、N個の前記アナログ・ディジタル変換要素それぞれが、アナログ信号をnビットのディジタル信号とオーバーフロー信号とに変換する回路と、nビットの前記ディジタル信号のうち最下位ビットのディジタル信号と前記オーバーフロー信号との排他的論理和を演算する回路とを含んで構成されていることを特徴とするアナログ・ディジタル変換回路。
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