JP2009267303A - 半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スペックルノイズが低減され、小型、低コストかつ高性能なIII族窒化物半導体レーザ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係るIII族窒化物半導体レーザは、第1導電型の半導体基板101と、半導体基板上に形成された第1導電型の半導体層103と、第1導電型の半導体層103上に形成された活性層105と、活性層上において所定の方向にストライプ状に延設された電流狭窄構造107と、電流狭窄構造107上に形成された第2導電型の半導体層109とを備えるIII族窒化物半導体レーザであって、活性層105の発光領域が、半導体基板101の主面に対する勾配が異なる複数の結晶面に形成されているものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ、特に青〜緑色帯で発光する窒化物半導体レーザ及びその製造方法に関する。
III族窒化物半導体材料は、禁制帯幅が充分大きく、バンド間遷移も直接遷移型であるため、短波長発光素子への適用が盛んに検討されている。特に、1990年代半ば頃から、照明や各種ディスプレイ用途に、本材料を用いた紫外から青、緑色の波長領域の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)の性能が急激に向上した。その結果、本材料を用いたLEDの適用範囲は格段に広がり非常に大きな市場を形成している。
また、本材料は次世代の高密度光ディスク用光源としても重要である。そのため、発振波長405nmの半導体レーザダイオード(LD:Laser Diode)の研究開発が精力的に進められ、既に製品化も始まっている。
さらに、本材料を用いたLDは投射型ディスプレイ等の光源としても検討されている。例えば、特許文献1に開示されている図1のようなGaN基板上のインナーストライプ型レーザ構造により、良好なレーザ発振特性が得られている。また、本発明の関連技術として、特許文献2を挙げることができる。
特開2003−78215号公報 特開2003−179311号公報
しかしながら、半導体レーザをディスプレイ用光源として用いる場合、レーザ光の可干渉性が原因で発生する「ちらつき」すなわちスペックルノイズの低減が重要な課題となる。従来は、このスペックルノイズを低減するために複数の独立なレーザ光を重ね合わせたり、時空間的に位相を変化させるための光学素子を用いる必要があり、光源の小型化や低コスト化が困難であった。
本発明は、スペックルノイズが低減され、小型、低コストかつ高性能なIII族窒化物半導体レーザ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザは、
第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された第1導電型の半導体層と、
前記第1導電型の半導体層上に形成された活性層と、
前記活性層上において所定の方向にストライプ状に延設された電流狭窄構造と、
前記電流狭窄構造上に形成された第2導電型の半導体層とを備えるIII族窒化物半導体レーザであって、
前記活性層の発光領域が、互いに異なるミラー指数を有する複数の結晶面上に形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係るIII族窒化物半導体レーザの製造方法は、
半導体基板上に第1導電型の半導体層を形成する工程と、
前記第1導電型の半導体層上に活性層を形成する工程と、
前記活性層上において所定の方向にストライプ状の電流狭窄構造を延設する工程と、
前記電流狭窄構造上に第2導電型の半導体層を形成する工程とを備えるIII族窒化物半導体レーザの製造方法であって、
前記活性層の発光領域が、互いに異なるミラー指数を有する複数の結晶面上に形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、スペックルノイズが低減され、小型、低コストかつ高性能なIII族窒化物半導体レーザ及びその製造方法を提供することができる。
本発明では、GaNなどのIII族窒化物半導体基板またはテンプレート表面に、ミラー指数が異なる複数の結晶面を形成する。この結晶面上にInGaN活性層を形成すると、結晶面によりInの組成が変化するため、レーザのゲインスペクトル幅が広がる。従って、マルチ縦モードの発振波長幅が広がり、スペックルノイズが低減できる。
ここで、上記活性層の発光領域が形成された複数の結晶面のうち、基準となる1つの結晶面を考える。この基準となる結晶面と上記活性層の発光領域が形成された複数の結晶面とのなす角が(ただし、このなす角は向きも考慮し、一方を+方向、他方を−方向とする。)、極小値及び極大値を持つように変化させれば、レーザの発振波長付近でのゲインの低下を抑制できる。そのため、特性悪化を抑制しつつゲインスペクトル幅を広げることができる。また、同一素子内における上記なす角の変動幅が、±1°以内であれば、発振波長付近でのゲインの低下がほとんど無くレーザの特性をほとんど悪化させずにゲインスペクトル幅を広げることができる。
さらに、傾斜方向が素子の共振器ストライプ方向と一致しているとゲインスペクトル幅が広がりやすくスペックルノイズの低減に有効である。ここで、素子の共振器ストライプ方向が<1−100>であると、レーザ共振器面のミラーが形成しやすい上にInGaN活性層のIn組成分布が制御しやすい。そのため、レーザ素子の良品歩留まりが高く、低コスト化に有利である。
ここで、基板主面の面方位が(0001)面であると高品質なIII族窒化物半導体結晶が得られやすく、低コスト化に有利である。また、基板主面の面方位が{1−100}又は{1−120}であると、格子不整合歪に起因する内部電界の影響が回避できるため、高効率な低スペックルレーザが実現できる。さらに、活性層の発光領域が主に形成される結晶面を、原子レベルで平坦な{1−101}面又は{11−22}面とすれば、低コストで格子不整合歪に起因する内部電界の影響の少ない高効率な低スペックルレーザが実現できる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係るLDの構成について図1を参照して説明する。図1(a)は、本発明の実施の形態に係るLDの断面図であって、出射されるレーザ光に平行な断面図である。また、図1(b)は、本発明の実施の形態に係るLDの断面図であって、出射されるレーザ光に垂直な断面図である。このLDは、n型GaN基板101、n側バッファ層102、n型クラッド層103、n型光閉じ込め層104、量子井戸層105、p型光閉じ込め層106、電流狭窄層107、p型クラッド層109、p側コンタクト層110、p型電極111、n型電極112を有する。
図1に示すように、n型GaN基板101には、断面矩形状(幅約1〜5μm、高さ0.2μm)のリッジ101aが形成されている。また、このリッジ101aは、平面的には、約10μm間隔で、<11−20>方向にストライプ状に形成されている。さらにレーザ共振器面はへき開又はドライエッチング等によって出射するレーザ光と垂直な面に形成されている。
ここで、リッジ101aを有する(0001)n型GaN基板101の製造方法を説明する。例えば、図2に示すような方法がある。まず、図2(a)に示すように、(0001)GaN基板101表面にSiOなどの誘電体マスクをフォトリソグラフィー等により形成する。次に、図2(b)に示すように、ドライエッチング等によって適当な形状、適当な深さの溝を形成する。その後、図2(c)に示すように、誘電体マスクを除去する。
あるいは、図3に示すような方法でもよい。まず、図3(a)に示すように、(0001)GaN基板またはテンプレートの表面にSiOなどの誘電体マスクをフォトリソグラフィー等により形成する。次に、図3(b)に示すように、マスク開口部に選択成長により適当な高さのリッジを形成する。その後、図3(c)に示すように、誘電体マスクを除去する。
凹凸の周期や形状は誘電体マスクの形状により自由に設計できる。この凹凸面上に好適な成長条件でGaN層を数μm程度再成長させると、基板主面に対するオフ角が異なる複数の結晶面からなるなだらかな斜面が形成され、この上にデバイス構造を形成する。ここで、上記活性層の発光領域が形成された複数の結晶面のうち基準となる(0001)面とその他の結晶面とがなす角は、<1−100>方向に0°を中心として±1°以内の範囲にある。そのため、発振波長付近でのゲインの低下がほとんど無くレーザの特性をほとんど悪化させずにゲインスペクトル幅を広げることができ好適である。また、上記なす角の変動が小さいため、(0001)面上とその他の結晶面上の層厚の差を小さくすることができる。具体的には、(0001)面上とその他の結晶面上の層厚の差が50%以内であることが好ましく、20%以内であることがより好ましい。
n型GaN基板101のリッジ101aを覆うように、n側バッファ層102が形成されている。n側バッファ層102は、例えば、Siドープn型GaN(Si濃度4×1017cm−3、厚さ1μm=1000nm)からなる。
Siドープn型GaNバッファ層102を覆うように、n型クラッド層103が形成されている。n型クラッド層103は、例えば、Siドープn型Al0.07Ga0.93N(Si濃度4×1017cm−3、厚さ2μm=2000nm)からなる。
n型クラッド層103を覆うように、n型光閉じ込め層104が形成されている。n型光閉じ込め層104は、例えば、Siドープn型GaN(Si濃度4×1017cm−3、厚さ100nm)からなる。
n型光閉じ込め層104を覆うように、量子井戸層105が形成されている。量子井戸層105は、例えば、In0.2Ga0.8N(厚さ3nm)井戸層とアンドープGaN(厚さ10nm)バリア層からなる2周期多重量子井戸(MQW:Multi-Quantum Well)層である。
量子井戸層105を覆うように、キャップ層(不図示)及びp型光閉じ込め層106が形成されている。キャップ層は、例えば、Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nからなる。また、p型光閉じ込め層106は、例えば、Mgドープp型GaN(Mg濃度1×1019cm−3、厚さ100nm)からなる。
そして、p型光閉じ込め層106を覆うように、電流狭窄層107が形成されている。電流狭窄層107は、例えば、AlNからなる。また、電流狭窄層107には、開口部108が形成されている。
ここで、電流狭窄層107は、以下の工程により形成することができる。まず、低温堆積により非結晶層を形成する。その後、エッチングにより、非結晶層にストライプ状の開口部108を設ける。開口部108は、光露光又は電子線露光などのリソグラフィーと、例えば、特開2003−78215に開示されている燐酸系含有液等を用いた選択エッチングとにより形成することができる。その後、非結晶層形成温度よりも高い温度でp型クラッド層109及びこれより上層を形成する。これにより、電流狭窄層107を非結晶層から結晶層へ変換することができる。
電流狭窄層107を覆うようにp型クラッド層109が形成されている。p型クラッド層109は、例えば、Mgドープp型Al0.07Ga0.93N(Mg濃度1×1019cm−3、厚さ500nm)からなる。
p型クラッド層109を覆うようにp側コンタクト層110が形成されている。p側コンタクト層110は、例えば、Mgドープp型GaN(Mg濃度2×1020cm−3以下、厚さ20nm)からなる。そして、p側コンタクト層110の上部には、p型電極111が設けられている。また、n型GaN基板101の下部には、n型電極112が設けられている。
以下に、図1を参照して、本発明に係る具体的な実施例について説明する。n型キャリアSi濃度が1×1018cm−3程度のn型GaN(0001)基板101を用いた。GaN基板表面のリッジストライプ形成には、ドライエッチング装置を用いエッチングガスには塩素(Cl)を用いた。
有機金属気相化学堆積(MOVPE:Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて、400hPaの減圧下で、n型GaN基板101上へ素子構造を形成した。キャリアガスには水素と窒素の混合ガスを用いた。Ga、Al、Inの供給源としては、各々トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)を用いた。n型ドーパントSiの供給源としてはシラン(SiH)、p型ドーパントMgの供給源としてはビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いた。
まず、n型GaN基板101上に、高さ約0.2μmのストライプ状のリッジ101aを形成する。以下この工程を「凹凸基板形成工程」と呼ぶ。この工程について図2を用いて説明する。n型GaN基板上にCVDによりSiO膜を形成した後リソグラフィー工程により幅2μm程度のSiOストライプをGaN基板面内の<11−20>方向に形成する(図2(a))。次にこれをマスクとしてドライエッチング装置によって高さ0.2μm、幅1から5μmの<11−20>方向のGaNリッジストライプを形成する(図2(b))。バッファードフッ酸でSiOストライプを除去し凹凸基板が完成する(図2(c))。
次に、活性層、n型クラッド層103、p型クラッド層109及び電流狭窄層107のための非結晶AlNの結晶成長を行う。以下、この工程を「活性層成長工程」という。表面に上記凹凸形状を形成したn型GaN基板101を成長装置に投入後、NHを供給しながら基板を昇温し、成長温度まで達した時点で成長を開始した。Siドープn型GaNバッファ層102(Si濃度4×1017cm−3、厚さ1μm)、Siドープn型Al0.07Ga0.93N(Si濃度4×1017cm−3、厚さ2μm)からなるn型クラッド層103、Siドープn型GaN(Si濃度4×1017cm−3、厚さ0.1μm)からなるn型光閉じ込め層104、In0.2Ga0.8N(厚さ3nm)井戸層とアンドープGaN(厚さ10nm)バリア層からなる2周期多重量子井戸(DQW)層105、Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nからなるキャップ層(図示せず)、Mgドープp型GaN(Mg濃度2×1019cm−3、厚さ0.1μm)からなるp型光閉じ込め層106を順次堆積した。
ここで、GaN成長は、基板温度1080℃、TMG供給量58μmol/min、NH3供給量0.36mol/min、AlGaN成長は、基板温度1080℃、TMA供給量49μmol/min、TMG供給量58μmol/min、NH供給量0.36mol/minにて行った。InGaNのMQW成長は、基板温度800℃、TMG供給量8μmol/min、NH供給量0.36mol/minにおいて、TMIn供給量は井戸層で48μmol/min、バリア層で3μmol/minとした。これらの構造を堆積後、基板温度を400℃程度まで降温し、非結晶AlN層(後に結晶化して電流狭窄層107となる)の堆積を行った。非結晶AlN層堆積時のTMAおよびNH供給量はそれぞれ36μmol/min、0.36mol/minとし、堆積膜厚は0.1μmとした。
次に、上記非結晶AlN層に<1−100>方向に伸びるストライプ開口部108を形成した。以下この工程を「ストライプ形成工程」という。非結晶AlN層上にSiOを100nm堆積し、レジストを塗布した後、フォトリソグラフィーにより幅1.5μmのストライプパターンを形成した。
次に、バッファードフッ酸によりレジストをマスクとしてSiOをエッチング後、レジストを有機溶媒により除去し、水洗を行った。非結晶AlN層はバッファードフッ酸、有機溶媒、水洗の各工程でエッチングまたは損傷を受けることはなかった。次に、SiOをマスクとして非結晶AlN層のエッチングを行った。エッチング液にはリン酸と硫酸を体積比1:1の割合で混合した溶液を用いた。SiOマスクでカバーされていない領域の非結晶AlN層は、90℃に保持した前記溶液中8.5分間のエッチングにより除去された。その後、バッファードフッ酸により、マスクとして用いたSiOを除去した。以上により、非結晶AlN層に1.5μm幅のストライプ状の開口部108を形成した。
開口部108が形成された非結晶AlN層上に、p型AlGaNクラッド層109の埋め込み再成長を行った。以下、この工程を「p型クラッド層再成長工程」という。MOVPE装置に投入後、NH供給量0.36mol/minにて成長温度である1100℃まで昇温した。1100℃に達した後、Mgドープp型Al0.07Ga0.93N(Mg濃度1×1019cm−3、厚さ0.5μm)からなるp型クラッド層109を堆積した。その後、基板温度を1080℃に下げてからMgドープp型GaN(Mg濃度1×1020cm−3、厚さ0.02μm)からなるp型コンタクト層110を堆積した。AlGaN、GaNの堆積条件はドーパントの違いを除き、先に述べた活性層成長工程と同様とした。
以上により得られたLDウエハの上部にp型電極111、下部にn型電極112を真空蒸着法により形成した。この工程を「電極形成工程」という。電極形成後、ストライプ状の開口部108に垂直な方向に劈開しLDチップとした。典型的な素子長は500μmとした。
以上の工程により得られたLDチップを、アンコートのまま、ヒートシンクに融着し発光特性を調べた。その結果、電流密度4.0kA/cm、電圧5.0Vで中心波長450nm、波長広がり5nmのマルチ縦モードでレーザ発振した。一方、比較例であるの平坦な(0001)面GaN基板上に形成された同様の層構造を有する図5のLDの発振スペクトルは、中心波長450nm、波長広がり2nmのマルチ縦モードであった。ここで、図5(a)は、従来例に係るLDの断面図であって、出射されるレーザ光に平行な断面図である。また、図5(b)は、従来例に係るLDの断面図であって、出射されるレーザ光に垂直な断面図である。
実施の形態2
実施の形態1において、LD構造を作製した凹凸面をドライリッジ上の選択成長ファセット面で構成することができる。そのための構成を図4に示す。図4(a)は斜視図、図4(b)は断面図である。本実施の形態に係るLDでは、n型GaN基板101上に幅2μm高さ7μmのリッジ501が<11−20>方向に曲線ストライプ状に形成されている。
その上に、(0001)面である上面502、{1−101}面から徐々にミラー指数が変化する複数の結晶面から構成される第1の側面503及び{1−100}面から徐々にミラー指数が変化する複数の結晶面から構成される第2の側面504で囲まれたSiドープn型GaNバッファ層102(Si濃度4×1017cm−3、厚さ1μm)が形成されている。以下、同様に、各層において、{1−101}面から徐々にミラー指数が変化する複数の結晶面から構成される面を第1の側面503といい、{1−100}面から徐々にミラー指数が変化する複数の結晶面から構成される面を第2の側面504という。ここで、第1の側面503を構成する複数の結晶面のうち基準となる{1−101}面とその他の結晶面とのなす角は、0°を中心として±1°以内の範囲にある。そのため、発振波長付近でのゲインの低下がほとんど無くレーザの特性をほとんど悪化させずにゲインスペクトル幅を広げることができ好適である。また、上記なす角の変動が小さいため、{1−101}面上とその他の結晶面上の層厚の差を小さくすることができる。具体的には、{1−101}面上とその他の結晶面上の層厚の差が50%以内であることが好ましく、20%以内であることがより好ましい。
その上に、Siドープn型Al0.07Ga0.93N(Si濃度4×1017cm−3、厚さ2μm)からなるn型クラッド層103、Siドープn型GaN(Si濃度4×1017cm−3、厚さ0.1μm)からなるn型光閉じ込め層104、In0.2Ga0.8N(厚さ3nm)井戸層とアンドープGaN(厚さ10nm)バリア層からなる2周期多重量子井戸(MQW)層105、Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nからなるキャップ層(図示せず)、Mgドープp型GaN(Mg濃度1×1019cm−3、厚さ0.1μm)からなるp型光閉じ込め層106が積層されている。
この上に、AlNからなる電流狭窄層107、Mgドープp型Al0.07Ga0.93N(Mg濃度1×1019cm−3、厚さ0.5μm)からなるp型クラッド層109、Mgドープp型GaN(2×1020cm−3以下、厚さ0.02μm)からなるp型コンタクト層110が積層されている。この積層構造の上部および下部に、それぞれp型電極111およびn型電極112が設けられている。
ここで、AlN電流狭窄層107を形成するには、まず、低温堆積により非結晶層を形成する。その後、エッチングにより、第1の側面503上に開口部を設ける。そして、非結晶層形成温度よりも高い温度でp型クラッド層109よりも上部の層を形成する。これにより、非結晶層が結晶層に変換され、AlN電流狭窄層107が形成される。
前記LDにおいては、AlN電流狭窄層107の第1の側面503上の開口部は、光露光または電子線露光などのリソグラフィーと、例えば特開2003−78215号公報に開示されている燐酸系含有液等による選択エッチングにより形成される。
図4に本実施例2に係る半導体レーザ構造を示す。n型キャリア濃度が1×1018cm−3程度のn型GaN(0001)基板101を用いた。GaN基板表面のリッジストライプ形成には、ドライエッチング装置を用いエッチングガスには塩素(Cl)を用いた。
有機金属気相化学堆積(MOVPE:Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて、400hPaの減圧下で、n型GaN基板101上へ素子構造を形成した。キャリアガスには水素と窒素の混合ガスを用いた。Ga、Al、Inの供給源としては、各々トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)を用いた。n型ドーパントSiの供給源としてはシラン(SiH)、p型ドーパントMgの供給源としてはビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いた。
まず、n型GaN基板101上に、高さ7μmの曲線リッジストライプを形成する。以下この工程を「曲線リッジストライプ形成工程」と呼ぶ。n型GaN基板上にCVDによりSiO膜を形成した後リソグラフィー工程により幅2μm程度のSiO曲線ストライプをGaN基板面内の<1−120>方向に曲線状に形成する。次に、これをマスクとしてドライエッチング装置によって高さ7μm、幅2μmの<11−20>方向GaN曲線リッジストライプを形成する。
次に活性層、n型クラッド層103、p型クラッド層109及び電流狭窄層107のための非結晶AlNの結晶成長を行う。以下この工程を「活性層成長工程」という。n型GaN基板101を成長装置に投入後、NHを供給しながら基板を昇温し、成長温度まで達した時点で成長を開始した。Siドープn型GaNバッファ層102(Si濃度4×1017cm−3、厚さ1μm)、Siドープn型Al0.07Ga0.93N(Si濃度4×1017cm−3、厚さ2μm)からなるn型クラッド層103、Siドープn型GaN(Si濃度4×1017cm−3、厚さ0.1μm)からなるn型光閉じ込め層104、In0.2Ga0.8N(厚さ3nm)井戸層とアンドープGaN(厚さ10nm)バリア層からなる2周期多重量子井戸(DQW)層105、Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nからなるキャップ層(図示せず)、Mgドープp型GaN(Mg濃度2×1019cm−3、厚さ0.1μm)からなるp型光閉じ込め層106を順次堆積した。
ここで、GaN成長は基板温度1080℃、TMG供給量58μmol/min、NH3供給量0.36mol/min、AlGaN成長は、基板温度1080℃、TMA供給量49μmol/min、TMG供給量58μmol/min、NH供給量0.36mol/minにて行った。InGaNのMQW成長は、基板温度800℃、TMG供給量8μmol/min、NH供給量0.36mol/minにおいて、TMIn供給量は井戸層で48μmol/min、バリア層で3μmol/minとした。これらの構造を堆積後、基板温度を400℃程度まで降温し、非結晶AlN層(後に結晶化して電流狭窄層107となる)の堆積を行った。非結晶AlN層堆積時のTMAおよびNH供給量はそれぞれ36μmol/min、0.36mol/minとし、堆積膜厚は0.1μmとした。ここで、上記各層の不純物濃度、厚さは全て{1−101}面上での値である。
次に、非結晶AlN層の第1の側面503上にストライプ開口部108を形成した。以下この工程を「ストライプ形成工程」という。非結晶AlN層上にSiOを100nm堆積し、レジストを塗布した後、フォトリソグラフィーにより幅1.5μmのストライプパターンを非結晶AlN層の第1の側面503のレジスト上に形成した。
次に、バッファードフッ酸によりレジストをマスクとしてSiOをエッチング後、レジストを有機溶媒により除去し、水洗を行った。非結晶AlN層はバッファードフッ酸、有機溶媒、水洗の各工程でエッチングまたは損傷を受けることはなかった。次にSiOをマスクとして非結晶AlN層のエッチングを行った。エッチング液にはリン酸と硫酸を体積比1:1の割合で混合した溶液を用いた。SiOマスクでカバーされていない領域の非結晶AlN層は、90℃に保持した前記溶液中8.5分間のエッチングにより除去された。その後、さらにバッファードフッ酸でマスクとして用いたSiOを除去した。以上により、非結晶AlN層の第1の側面503に1.5μm幅のストライプ状の開口部108を形成した。
開口部108が形成された非結晶AlN層上に、p型AlGaNクラッド層109の埋め込み再成長を行った。以下、この工程を「p型クラッド層再成長工程」という。MOVPE装置に投入後、NH供給量0.36mol/minにて成長温度である1100℃まで昇温した。1100℃に達した後、Mgドープp型Al0.07Ga0.93N(Mg濃度1×1019cm−3、厚さ0.5μm)からなるp型クラッド層109を堆積した。その後、基板温度を1080℃に下げてからMgドープp型GaN(Mg濃度1×1020cm−3、厚さ0.02μm)からなるp型コンタクト層110を堆積した。AlGaN、GaNの堆積条件はドーパントの違いを除き、先に述べた活性層成長工程と同様とした。
以上により得られたLDウエハの上部にp型電極111、下部にn型電極112を真空蒸着法により形成した。この工程を「電極工程」という。電極形成後の試料を{11−20}面で劈開しLDチップとした。典型的な素子長は500μmとした。
以上の工程により得られたLDチップを、アンコートのまま、ヒートシンクに融着し発光特性を調べたところ、波長450nm、電流密度3.0kA/cm、電圧4.5V、波長広がり5nmのマルチ縦モードでレーザ発振した。
本発明の実施方法は上記した各種形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形が可能である。上記実施の形態2における、{1−100}面に代えて{11−20}面、{1−101}面に代えて{11−22}面としてもよい。これにより、上記と同様の効果を得ることができる。また、発光素子の波長、材料、組成についても実施の形態に挙げたもの以外を選ぶことが可能である。
実施の形態1に係る半導体レーザの斜視図である。 実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法の一例を示す断面図である。 実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法の他の一例を示す断面図である。 実施の形態2に係る半導体レーザの斜視図及び断面図である。 関連する半導体レーザの斜視図である。
符号の説明
101 n型GaN基板
101a リッジ(凸部)
102 n側バッファ層
103 n型クラッド層
104 n型光閉じ込め層
105 量子井戸層
106 p型光閉じ込め層
107 電流狭窄層
108 開口部
109 p型クラッド層
110 p側コンタクト層
111 p型電極
112 n型電極
501 リッジ
502 上面
503 第1の側面
504 第2の側面

Claims (9)

  1. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された第1導電型の半導体層と、
    前記第1導電型の半導体層上に形成された活性層と、
    前記活性層上において所定の方向にストライプ状に延設された電流狭窄構造と、
    前記電流狭窄構造上に形成された第2導電型の半導体層とを備えるIII族窒化物半導体レーザであって、
    前記活性層の発光領域が、互いに異なるミラー指数を有する複数の結晶面上に形成されていることを特徴とするIII族窒化物半導体レーザ。
  2. 前記活性層が形成された複数の結晶面のうち、基準となる所定の結晶面と、その他の結晶面とのなす角が、±1°以内の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物半導体レーザ。
  3. 前記電流狭窄構造の長手方向に沿って、前記活性層が形成された結晶面のミラー指数が変化することを特徴とする請求項1又は2に記載のIII族窒化物半導体レーザおよびその製造方法。
  4. 前記長手方向が<1−100>であることを特徴とする請求項3に記載のIII族窒化物半導体レーザ。
  5. 前記なす角が、極大値及び極小値を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体レーザ。
  6. 前記半導体基板の主面が(0001)面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体レーザ。
  7. 前記所定の結晶面が(0001)面であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体レーザ。
  8. 前記所定の結晶面が{1−101}面又は{11−22}面であることを特徴とする請求項2又は3に記載のIII族窒化物半導体レーザ。
  9. 半導体基板上に第1導電型の半導体層を形成する工程と、
    前記第1導電型の半導体層上に活性層を形成する工程と、
    前記活性層上において所定の方向にストライプ状の電流狭窄構造を延設する工程と、
    前記電流狭窄構造上に第2導電型の半導体層を形成する工程とを備えるIII族窒化物半導体レーザの製造方法であって、
    前記活性層の発光領域が、互いに異なるミラー指数を有する複数の結晶面上に形成されていることを特徴とするIII族窒化物半導体レーザの製造方法。
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