JP2009265720A - 制御方法、温度制御方法、制御装置および温度調節器 - Google Patents

制御方法、温度制御方法、制御装置および温度調節器 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザの要求に応じて、高精度な均一制御と通常の制御とを可能にする。
【解決手段】制御対象2からの複数の検出温度を変換するモード変換器3の変換用の行列Gmと、PID制御部4−1〜4−3からの操作量を配分する前置補償器5の配分比の行列Gcとを切替えることにより、複数チャンネルに対応する複数の検出温度を、傾斜温度および代表温度に変換し、それらを制御量として複数チャンネルを関連付けて制御する第1の制御と、複数の検出温度をそのまま制御量としてチャンネル毎に制御する第2の制御とを、制御中に切替え可能としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、制御対象の温度や圧力などの物理状態を制御する制御方法、制御装置、制御対象の温度を制御する温度制御方法および温度調節器に関し、更に詳しくは、複数チャンネルの制御に好適な技術に関する。
従来、制御対象の複数の制御点の温度を検出し、検出した温度に基づいて、各制御点に対応する複数のヒータの通電を制御して、制御対象の複数の制御点の温度を制御する、いわゆる、複数チャンネルの温度制御を行なう場合に、チャンネル間の干渉を低減する温度制御方法として、複数の制御点に対応する複数の検出温度を、代表温度として、例えば、複数の検出温度の平均温度に変換するとともに、傾斜温度として、複数の検出温度に基づく温度差にそれぞれ変換し、平均温度と傾斜温度とを制御量として温度制御する手法(以下「傾斜温度制御」ともいう)がある(例えば、特許文献1参照)。
図8は、上記傾斜温度制御手法を、2チャンネルの温度制御に適用した場合の構成例を示す図である。
制御対象2の2つの制御点の温度を図示しない2つの温度センサでそれぞれ検出し、検出温度を、モード変換器3aによって、代表温度としての両検出温度の平均温度および両検出温度の温度差である傾斜温度に変換し、平均温度と目標平均温度との偏差または傾斜温度と目標傾斜温度との偏差を、各PID制御部4−1,4−2にそれぞれ入力する。
モード変換器3aでは、モード変換のための行列であるモード変換行列Gmに従って、両検出温度が、代表温度である平均温度と、傾斜温度である温度差とに変換される。
各PID制御部4−1,4−2は、平均温度の偏差または傾斜温度の偏差をなくすように操作量を演算出力し、前置補償器5aは、配分比の行列である前置補償行列Gcに従って操作量を配分するものであって、傾斜温度の操作量の変化に対して傾斜温度だけが反応し、平均温度への反応は小さくなるように、また逆に、平均温度の操作量の変化に対して平均温度だけが反応し、傾斜温度への反応が小さくなるように操作量を配分して制御出力とし、この制御出力によって制御対象2の温度を制御する。
傾斜温度制御が提案される以前の従来の制御では、チャンネル毎に制御する、すなわち、制御対象の2点の各点を個別に制御するために、一方の点の制御が他方の点の制御に影響を与えて高精度の制御が困難であったのに対して、この傾斜温度制御では、2点の平均温度と2点の温度差である傾斜温度とを制御量とし、2つのチャンネルを関連付けて制御することにより、高精度な制御を可能とするものである。
特許第3278807号公報
上述のように、傾斜温度制御では、複数チャンネルの各検出温度を傾斜温度と代表温度とに変換し、傾斜温度と代表温度とを制御量として制御するものであり、傾斜温度の目標値である目標傾斜温度を、「0℃」に設定することにより、各チャンネル間の温度差が「0℃」、すなわち、均一な温度に制御されるのであるが、用途によっては、目標値が変化したときの応答は均一にしたいが、外乱が印加されたときの応答は、均一にしたくないといった要求がある。
例えば、複数チャンネルの内、特定のチャンネルに外乱が印加されるような用途では、その影響が他のチャンネルに及ぶのを可及的に避けたいといった要求があり、かかる場合に、複数チャンネルを均一な温度に制御したのでは、他のチャンネルに外乱の影響が大きく表れることになる。
また、外乱応答は均一な温度に制御したいが、目標値応答は、均一にしたくないといった要求もある。
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、ユーザの要求に応じて、高精度な均一制御と通常の制御とを可能にすることを目的とする。
(1)本発明の制御方法は、制御対象の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの複数の検出情報に基づいて、前記制御対象の物理状態を制御する方法であって、前記複数の検出情報を変換した複数の変換情報を制御量とし、各変換情報が各目標変換情報に一致するように制御する第1の制御と、前記複数の検出情報を制御量とし、各検出情報が各目標情報に一致するように制御する第2の制御とを、制御中に切替え可能としている。
物理状態とは、温度、圧力、流量、速度あるいは液位などの様々な物理量の状態をいう。
検出情報とは、検出された物理状態の情報をいい、例えば、検出温度 、検出圧力、検出流量などをいう。
変換情報とは、複数の検出情報を変換した情報をいい、複数の検出情報に対応する複数のチャンネルを関連付けて制御できるような情報であるのが好ましい。
また、目標情報とは、物理状態の制御目標の情報をいい、例えば、目標温度 、目標圧力、目標流量などをいい、目標変換情報とは、変換情報について目標情報をいう。
第1の制御は、複数の検出情報を変換した変換情報を制御量として制御する、すなわち、複数のチャンネルを関連付けた制御となるので、均一な制御が可能となる。
第2の制御は、複数の各検出情報をそのまま制御量として制御するので、チャンネル毎に個別に制御することになり、例えば、特定のチャンネルに印加された外乱の影響が、他のチャンネルに影響するのを小さくすることができる。
第1の制御と第2の制御との切替えは、ユーザの設定によって行ってもよいし、或る条件、例えば定常状態になったときに、自動的に切替えるようにしてもよい。
本発明の制御方法によると、変換情報を制御量とする複数チャンネルを関連付ける第1の制御と、検出情報を制御量とするチャンネル毎の第2の制御とを切替えることができるので、目標値応答や外乱応答に対するユーザの要求に応じて、制御を切替えることができる。
(2)本発明の制御方法の一つの実施形態では、前記第1の制御の前記複数の変換情報が、前記物理状態の勾配を示す傾斜情報および物理状態の代表状態を示す代表情報であり、前記目標変換情報が、目標傾斜情報および目標代表情報である。
物理状態の勾配とは、温度勾配、圧力勾配、流量勾配、速度勾配などの様々な物理量の勾配をいう。
物理状態の代表状態とは、制御対象の物理状態を代表的に示す状態をいい、例えば、温度であれば、制御対象の平均温度、或る位置(例えば中央位置)における温度などをいう。
この実施形態によると、複数の検出情報を、傾斜情報および代表情報に変換し、傾斜情報および代表情報を制御量として複数チャンネルを関連付けて制御する第1の制御では、チャンネル毎に制御する第2の制御に比べて高精度な均一制御が可能となる。
(3)本発明の温度制御方法は、制御対象の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの複数の検出温度に基づいて、前記制御対象の温度を制御する方法であって、前記複数の検出温度を変換した複数の変換温度を制御量とし、各変換温度が各目標変換温度に一致するように制御する第1の制御と、前記複数の検出温度を制御量とし、各検出温度が各目標温度に一致するように制御する第2の制御とを、制御中に切替え可能としている。
本発明の温度制御方法によると、複数の検出温度を変換した変換温度を制御量とする複数チャンネルを関連付ける第1の制御と、検出温度そのままを制御量とするチャンネル毎の第2の制御とを切替えることができるので、目標値応答や外乱応答に対するユーザの要求に応じて、制御を切替えることができる。
(4)本発明の温度制御方法の一つの実施形態では、前記第1の制御の前記複数の変換温度が、複数の検出温度に基づく傾斜温度および代表的な代表温度であり、前記目標変換温度が、目標傾斜温度および目標代表温度である。
傾斜温度とは、温度勾配、すなわち、温度差をいい、例えば、二つの検出温度の温度差などをいう。
代表温度とは、温度状態を代表的に示す温度をいい、例えば、複数の検出温度の平均温度あるいは制御対象の或る位置(例えば、中央位置)における温度 などをいう。
この実施形態によると、複数の検出温度を、傾斜温度および代表温度に変換し、傾斜温度および代表温度を制御量として複数チャンネルを関連付けて制御する第1の制御では、チャンネル毎に制御する第2の制御に比べて高精度な均一制御が可能となる。
(5)本発明の制御装置は、制御対象の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの複数の検出情報に基づいて、前記制御対象の物理状態を制御する装置であって、前記複数の検出情報を変換した複数の変換情報を制御量とし、各変換情報が各目標変換情報に一致するように制御する第1の制御と、前記複数の検出情報を制御量とし、各検出情報が各目標情報に一致するように制御する第2の制御とを、制御中に切替えて行える制御手段を備えている。
本発明の制御装置によると、複数の検出情報を変換した変換情報を制御量とする複数チャンネルを関連付ける第1の制御と、検出情報をそのまま制御量とするチャンネル毎の第2の制御とを切替えることができるので、目標値応答や外乱応答に対するユーザの要求に応じて、制御を切替えることができる。
(6)本発明の制御装置の一つの実施形態では、前記第1の制御の前記複数の変換情報が、前記物理状態の勾配を示す傾斜情報および物理状態の代表状態を示す代表情報であり、前記目標変換情報が、目標傾斜情報および目標代表情報である。
この実施形態によると、複数の検出情報を、傾斜情報および代表情報に変換し、傾斜情報および代表情報を制御量として複数チャンネルを関連付けて制御する第1の制御では、チャンネル毎に制御する第2の制御に比べて高精度な均一制御が可能となる。
(7)本発明の温度調節器は、制御対象の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの複数の検出温度に基づいて、前記制御対象の温度を制御する温度調節器であって、前記複数の検出温度を変換した複数の変換温度を制御量とし、各変換温度が各目標変換温度に一致するように制御する第1の制御と、前記複数の検出温度を制御量とし、各検出温度が各目標温度に一致するように制御する第2の制御とを、制御中に切替えて行える制御手段を備えている。
本発明の温度調節器によると、複数の検出温度を変換した変換温度を制御量とする複数チャンネルを関連付ける第1の制御と、検出温度そのままを制御量とするチャンネル毎の第2の制御とを切替えることができるので、目標値応答や外乱応答に対するユーザの要求に応じて、制御を切替えることができる。
(8)本発明の温度調節器の一つの実施形態では、前記第1の制御の前記複数の変換温度が、複数の検出温度に基づく傾斜温度および代表的な代表温度であり、前記目標変換温度が、目標傾斜温度および目標代表温度である。
この実施形態によると、複数の検出温度を、傾斜温度および代表温度に変換し、傾斜温度および代表温度を制御量として複数チャンネルを関連付けて制御する第1の制御では、チャンネル毎に制御する第2の制御に比べて高精度な均一制御が可能となる。
(9)上記(8)の実施形態では、前記制御手段は、前記複数の検出温度を、前記第1の制御または前記第2の制御に応じて、前記傾斜温度および前記代表温度に変換するか、あるいは、前記複数の検出温度のままとする変換部と、前記変換部からの複数の各温度の偏差に基づいてそれぞれ操作量を算出する温度制御部とを備えるようにしてもよい。
この実施形態によると、複数の検出温度を、変換部で傾斜温度および代表温度に変換し、温度制御部で傾斜温度および代表温度の偏差に応じた操作量を算出することによって第1の制御を行い、また、前記変換部では、複数の検出温度をそのままとし、温度制御部で各検出温度の偏差に応じた操作量を算出することによって第2の制御を行うことが可能となる。
(10)上記(9)の実施形態では、前記変換部は、前記第1の制御に対応する変換用の行列または前記第2の制御に対応する変換用の行列に従って、前記複数の検出温度を変換するようにしてもよい。
この実施形態によると、変換部の変換用の行列を切替えることによって、複数の検出温度を、傾斜温度および代表温度に変換して第1の制御を行い、あるいは、複数の検出温度をそのままとして第2の制御を行うことが可能となる。
(11)本発明の温度調節器の一つの実施形態では、前記第1の制御と前記第2の制御とを、設定に応じて切替えるようにしてもよい。
設定は、温度調節器に設けた設定部を操作して行ってもよいし、通信によって行なうようにしてもよい。
この実施形態によると、ユーザが設定によって、第1の制御あるいは第2の制御を選択することができる。
本発明によれば、複数チャンネルに対応する複数の検出温度などの検出情報を、傾斜温度および代表温度などの変換情報に変換し、変換情報を制御量として複数チャンネルを関連付けて制御する第1の制御と、複数の検出温度をそのまま制御量としてチャンネル毎に制御する第2の制御とを、制御中に切替え可能としたので、目標値応答や外乱応答に対するユーザの要求に応じて、均一制御に優れる第1の制御と第2の制御とを切替えて、ユーザの要求に対応することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一つの実施形態の温度調節器を備える温度制御システムの概略構成図である。
この実施形態の温度調節器1は、ユーザの要求に応じて、高精度な均一制御が可能な上述の傾斜温度制御(以下「第1の制御」ともいう)と、従来と同様のチャンネル毎のPID制御(以下「第2の制御」ともいう)とを切替えできるように構成されている。
この温度調節器1は、制御対象2の3つの制御点に対応する3つの検出温度を、第1の制御または第2の制御に対応するモード変換行列Gmに従って、3つのの温度に変換するモード変換器3と、モード変換器3からの各温度と目標温度との偏差に基づいて、操作量をそれぞれ演算する3つのPID制御部4−1〜4−3と、各PID制御部4−1〜4−3からの操作量を、後述の配分比の行列である前置補償行列Gcに従って配分するものであって、各PID制御部による制御が、他のPID制御部による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分して3チャンネルの制御出力を与える前置補償器5とを備えており、各制御出力によって、制御対象2に配設されている図示しない3つのヒータの通電が制御されるものである。上記モード変換器3、PID制御部4−1〜4−3および前置補償器5等は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。
この温度調節器1では、図示しない設定部によるユーザの設定操作によって、第1の制御である傾斜温度制御と、第2の制御であるチャンネル毎のPID制御とを切り替え設定できるようになっている。
モード変換器3は、設定されている制御に応じたモード変換行列Gmを用いて検出温度を変換する。
すなわち、第1の制御である傾斜温度制御が設定されているときには、3つの検出温度を、1つの代表温度および2つの傾斜温度に変換する下記の第1のモード変換行列Gm−1に従って変換を行う。
Figure 2009265720
すなわち、3つの検出温度を、3つの検出温度の平均温度である1つの代表温度と、隣接チャンネルの温度差である2つの傾斜温度とに変換する。
この傾斜温度制御では、3つのPID制御部4−1〜4−3の内、第1のチャンネルに対応するPID制御部4−1は、代表温度と目標代表温度との偏差に基づいて、操作量を演算する代表温度用のPID制御部となり、第2,第3のチャンネルに対応するPID制御部4−2,4−3は、傾斜温度と目標傾斜温度との偏差に基づいて、操作量を演算する傾斜温度用のPID制御部となる。
なお、傾斜目標温度は、この実施形態では、均一な温度に制御するので、「0℃」が設定される。
各PID制御部4−1〜4−3のPID定数および前置補償器5によって各PID制御部4−1〜4−3からの操作量を、各チャンネルにどのように配分するかの配分比の行列である前置補償行列Gcの決定は、従来と同様の傾斜温度制御のオートチューニングによって行われる。
この傾斜温度制御のオートチューニングは、例えば、特開200−265447号公報等に記載されているように、チャンネル毎に、ステップ状の100%の操作量MV1〜MV3を、図2(a)〜(c)に示すように順番に印加し、図2(d)〜(f)に示される各チャンネルのステップ応答波形PV1〜PV3を計測し、各チャンネルのむだ時間および最大傾きを計測するとともに、温度上昇値ΔPVを計測する。
このステップ状の操作量の入力に対応する各チャンネルの温度変化ΔPVに基づいて、各チャンネルの干渉の度合いを計測し、この干渉の度合いに基づいて、上述の前置補償器5における操作量の配分比の行列である前置補償行列Gcを決定する。
具体的には、上記公報にも開示されているように、各チャンネルのステップ応答波形の温度変化ΔPVを計測して得られる制御対象の干渉の度合いを示す行列をGp、上述のモード変換器3において、各チャンネルの検出温度を、平均温度および傾斜温度に変換するためのモード変換行列をGmとすると、前置補償器5の前置補償行列Gcは、
Gc=(Gm・Gp)-1
として求めることができる。
また、図3に代表的に示されるステップ応答波形のむだ時間Lおよび最大傾きRから各PID制御部4−1〜4−3のPIDゲインを、Ziegler&Nichols法により算出する。
この実施形態では、計測されるむだ時間Lおよび最大傾きRの3チャンネルの平均値を用いて、PID制御部4−1〜4−3の共通のPIDゲインを、Ziegler&Nichols法により算出する。
上述の設定部に第1の制御である傾斜温度制御が設定されている場合には、従来と同様にして、代表温度と傾斜温度とを制御量とする傾斜温度制御が行われる。
すなわち、制御対象2の検出温度を、モード変換器3によって、代表温度としての3つの検出温度の平均温度および隣接するチャンネルの検出温度の温度差である傾斜温度に変換し、各PID制御部4−1〜4−3は、平均温度と目標平均温度との偏差または傾斜温度と目標傾斜温度との偏差に基づいて、操作量を演算出力し、前置補償器5は、配分比の行列である前置補償行列Gcに従って操作量を配分して各チャンネルの制御出力とし、各制御出力によって、制御対象2に配設されている図示しない3つのヒータの通電が制御されて制御対象2の温度が制御される。
上述の設定部において、第2の制御であるチャンネル毎のPID制御が設定されているときには、次のようにしてチャンネル毎のPID制御が行われる。
すなわち、モード変換器3は、第2の制御に応じた第2のモード変換行列Gm−2である下記の単位行列を用いて検出温度を変換する。
Figure 2009265720
すなわち、3つの検出温度は、そのままの温度に変換されることになり、実質的に、モード変換器3をスルーしたことになる。
また、第2の制御が設定されているときには、前置補償器5は、その配分比を示す前置補償行列Gcも単位行列を用いて配分し、入力される操作量がそのまま出力されることになり、実質的に前置補償器5をスルーしたことになる。
すなわち、図4に示されるチャンネル毎のPID制御と同じ構成となる。
PID制御の場合のPIDゲインは、予め従来と同様にしてオートチューニングによって求めておく。
上述の設定部による第1の制御あるいは第2の制御の設定は、ユーザによって行われ、例えば、目標値応答は、均一な温度に制御したいが、外乱応答は、均一な温度に制御したくない場合には、当初は、第1の制御である傾斜温度制御を設定しておき、定常状態で、設定部を操作して第1の制御からチャンネル毎のPID制御である第2の制御に切替える。
これによって、上述のようにモード変換器3のモード変換行列Gmおよび前置補償器5の配分比を示す前置補償行列Gcが、第2の制御に対応する単位行列に切替えられて、チャンネル毎のPID制御が行われる。この場合には、目標温度としては、目標平均温度、目標傾斜温度に代えて、各チャンネルの目標温度が設定される。
なお、図5および図6は、第1,第2の制御の目標値応答および外乱応答を示しており、各図(a)は第1の制御である傾斜温度制御の応答を、各図(b)は第2の制御であるチャンネル毎のPID制御の応答をそれぞれ示している。
上述のように第1の制御である傾斜温度制御から第2の制御であるチャンネル毎のPID制御に切替えた場合には、図5(a)に示すように各チャンネルが均一な温度で立ち上がり、定常状態で外乱が印加されると、図6(b)に示すように外乱が印加されたチャンネルの温度が大きく変動するものの、他のチャンネルへの影響が少ないものとなる。
図7は、以上の制御の切替え時のフローチャートであり、制御が切替え設定されたか否かを判断し(ステップn1)、切替え設定されたときには、設定された制御に対応したモード変換行列Gmおよび前置補償行列Gcを切替え(ステップn2)、制御の切替えに際して、操作量が不連続に変化しないようにバンプレス切替えを行なって終了する(ステップn3)。
上述の実施形態では、ユーザが、設定部を操作して制御を切替えたけれども、他の実施形態として、例えば、整定条件を設定しておき、その状態になったときには、自動的に制御を切替えるようにしてもよい。
あるいは、外乱が印加されるタイミングが予め予測できるときには、外乱が印加される前に、自動的に制御を切替えるようにしてもよい。
上述の実施形態では、第2の制御であるチャンネル毎のPID制御では、前置補償器5の配分比の行列である前置補償行列Gcを単位行列として、前置補償器5を実質的にスルーさせたけれども、本発明の他の実施形態として、各チャンネル間の干渉を低減するために、上述の前置補償行列の算出式である、
Gc=(Gm・Gp)-1において、モード変換行列Gmを、第2の制御に対応する単位行列として再計算し、再計算した前置補償行列Gcを用いて前置補償器5で操作量を配分してもよい。
この場合には、チャンネル毎に単独でPID制御をする場合に比べて、各チャンネル間の干渉が低減される。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、傾斜温度制御との切替えに適用して説明したけれども、本発明は、傾斜温度制御に限らず、複数チャンネルをグループとして関連付けて行う制御との切替えに適用してもよい。
本発明は、温度制御に限らず、圧力、流量、速度あるいは液位などの他の物理状態の制御に適用することもできる。
本発明は、複数チャンネルの温度制御などに有用である。
本発明の一つの実施の形態に係る温度調節器を備える温度制御システムのブロック図である。 傾斜温度制御のオートチューニング時の操作量および検出温度のタイムチャートである。 図3のステップ応答波形の最大傾きおよびむだ時間を示す図である。 チャンネル毎のPID制御のブロック図である。 第1,第2の制御の目標値応答を示す図である。 第1,第2の制御の外乱応答を示す図である。 動作説明に供するフローチャートである。 傾斜温度制御のブロック図である。
符号の説明
1 温度調節器
2 制御対象
3 モード変換器
4−1〜4−3 PID制御部
5 前置補償器

Claims (11)

  1. 制御対象の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの複数の検出情報に基づいて、前記制御対象の物理状態を制御する方法であって、
    前記複数の検出情報を変換した複数の変換情報を制御量とし、各変換情報が各目標変換情報に一致するように制御する第1の制御と、前記複数の検出情報を制御量とし、各検出情報が各目標情報に一致するように制御する第2の制御とを、制御中に切替え可能としたことを特徴とする制御方法。
  2. 前記第1の制御の前記複数の変換情報が、前記物理状態の勾配を示す傾斜情報および物理状態の代表状態を示す代表情報であり、前記目標変換情報が、目標傾斜情報および目標代表情報である請求項1に記載の制御方法。
  3. 制御対象の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの複数の検出温度に基づいて、前記制御対象の温度を制御する方法であって、
    前記複数の検出温度を変換した複数の変換温度を制御量とし、各変換温度が各目標変換温度に一致するように制御する第1の制御と、前記複数の検出温度を制御量とし、各検出温度が各目標温度に一致するように制御する第2の制御とを、制御中に切替え可能としたことを特徴とする温度制御方法。
  4. 前記第1の制御の前記複数の変換温度が、複数の検出温度に基づく傾斜温度および代表的な代表温度であり、前記目標変換温度が、目標傾斜温度および目標代表温度である請求項1に記載の温度制御方法。
  5. 制御対象の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの複数の検出情報に基づいて、前記制御対象の物理状態を制御する装置であって、
    前記複数の検出情報を変換した複数の変換情報を制御量とし、各変換情報が各目標変換情報に一致するように制御する第1の制御と、前記複数の検出情報を制御量とし、各検出情報が各目標情報に一致するように制御する第2の制御とを、制御中に切替えて行える制御手段を備えることを特徴とする制御装置。
  6. 前記第1の制御の前記複数の変換情報が、前記物理状態の勾配を示す傾斜情報および物理状態の代表状態を示す代表情報であり、前記目標変換情報が、目標傾斜情報および目標代表情報である請求項5に記載の制御装置。
  7. 制御対象の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの複数の検出温度に基づいて、前記制御対象の温度を制御する温度調節器であって、
    前記複数の検出温度を変換した複数の変換温度を制御量とし、各変換温度が各目標変換温度に一致するように制御する第1の制御と、前記複数の検出温度を制御量とし、各検出温度が各目標温度に一致するように制御する第2の制御とを、制御中に切替えて行なえる制御手段を備えることを特徴とする温度調節器。
  8. 前記第1の制御の前記複数の変換温度が、複数の検出温度に基づく傾斜温度および代表的な代表温度であり、前記目標変換温度が、目標傾斜温度および目標代表温度である請求項7に記載の温度調節器。
  9. 前記制御手段は、前記複数の検出温度を、前記第1の制御または前記第2の制御に応じて、前記傾斜温度および前記代表温度に変換するか、あるいは、前記複数の検出温度のままとする変換部と、前記変換部からの複数の各温度の偏差に基づいてそれぞれ操作量を算出する温度制御部とを備える請求項8に記載の温度調節器。
  10. 前記変換部は、前記第1の制御に対応する変換用の行列または前記第2の制御に対応する変換用の行列に従って、前記複数の検出温度を変換する請求項9に記載の温度調節器。
  11. 前記第1の制御と前記第2の制御とを、設定に応じて切替える請求項7ないし10のいずれか一項に記載の温度調節器。
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Citations (3)

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JP2802460B2 (ja) * 1992-04-11 1998-09-24 理化工業株式会社 加熱冷却調節計
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JP2000187514A (ja) * 1998-10-14 2000-07-04 Omron Corp 制御装置、温度調節器および熱処理装置

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