JP2009264800A - 表面検査方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検査対象物の表面に存在する微小な凹凸欠陥の検出漏れの少ない信頼性の高い表面検査を図る表面検査方法を提供する。
【解決手段】照射部1から、明暗のパターンが互いに異なる少なくとも2種類の照射光を検査対象物5に対して順次照射し、それらの照射光ごとの検査対象物5からの反射光を撮像部6にて順次撮影し、画像処理部10が、撮像部6により撮影された複数の検査対象物5の画像から、検査対象物5の表面に存在する凹凸欠陥を検出する。
【選択図】図1
【解決手段】照射部1から、明暗のパターンが互いに異なる少なくとも2種類の照射光を検査対象物5に対して順次照射し、それらの照射光ごとの検査対象物5からの反射光を撮像部6にて順次撮影し、画像処理部10が、撮像部6により撮影された複数の検査対象物5の画像から、検査対象物5の表面に存在する凹凸欠陥を検出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、表面の欠陥検査技術に関するものであり、特にフィルム表面等の光沢面上に存在する凹凸欠陥を検査する技術に関する。
従来より、フィルム表面等の光沢面上に存在する微小な凹凸状の表面欠陥(凹凸欠陥)を検査する表面検査技術が知られている。凹凸欠陥は製品の外観を損なうだけでなく、フィルムを貼り合わせる際に中空部を発生させ、製品性能に悪影響を与える場合がある。
従来の表面検査方法としては、規則的な明暗パターンを検査対象物に照射し、その検査対象物の表面に写された明暗パターンを撮影し、その撮影した画像上の明部と暗部の境界における画素値を解析することにより凹凸欠陥を検出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、この従来の表面検査方法では、検査対象物の表面反射を利用して明暗パターンを撮影すると、凹凸欠陥が存在しない明部と暗部の境界においては急激に画素値が変化し、凹凸欠陥が存在する明部と暗部の境界においては画素値の変化が緩やかになるので、明部と暗部の境界における画素値の変化の度合いを解析することにより凹凸欠陥を検出する。
また、他の従来の表面検査方法として、規則的な明暗パターンを検査対象物に照射し、その検査対象物の表面に写された明暗パターンを撮影し、その撮影した画像の濃度ヒストグラムを作成し、その濃度ヒストグラムから凸状の欠陥(凸状欠陥)を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
具体的には、この従来の表面検査方法では、検査対象物の表面反射を利用して撮影した明暗パターンの画像の濃度ヒストグラムは暗の山部と明の山部とその中央の谷部からなり、明暗パターンの暗パターン中の凸状欠陥は濃度ヒストグラムの暗の山部の谷部側に含まれ、明暗パターンの明パターン中の凸状欠陥は濃度ヒストグラムの明の山部の谷部側に含まれるので、暗の山部の谷部側の所定域と明の山部の谷部側の所定域とを凸状欠陥が含まれる所定濃度域として、その所定濃度域に対応する濃度の画素の連結成分をラベリングし、所定面積以上の面積の連結成分を凸状欠陥として検出する。
特開2001−21332公報
特開2001−59717公報
以上説明したように、明部と暗部の境界における画素値の変化の度合いを解析することにより凹凸欠陥を検出する従来の表面検査方法では、明部と暗部の境界に存在する凹凸欠陥のみを検出する。したがって、微小な凹凸欠陥の検出漏れを防ぐには、微小な凹凸欠陥が明部または暗部に完全に含まれてしまうことがないように、可能な限り明暗パターンを微細にする必要がある。しかしながら、明暗パターンが微細になるに連れて、撮影された画像のコントラストが全体的に小さくなり、誤検出・検出漏れの可能性が高まるため、明暗パターンを極端に微細化することはできず、微小な凹凸欠陥の検出漏れを回避することはできなかった。
また、濃度ヒストグラムを作成して凸状欠陥を検出する従来の表面検査方法では、暗部に存在する凹状の欠陥(凹状欠陥)を検出できないという問題があった。すなわち、一般的に、明暗パターンを撮影した画像上において、明部に存在する凹状欠陥は暗くなるため欠陥として認識できるが、暗部に存在する凹状欠陥は明るくならず暗いままであるので欠陥として認識できない。したがって、この従来の表面検査方法においても、微小な凹状欠陥の検出漏れを防ぐには、微小な凹状欠陥が暗部に完全に含まれてしまうことがないように、可能な限り明暗パターンを微細にする必要がある。しかしながら、上記したように、明暗パターンが微細になるに連れて、撮影された画像のコントラストが全体的に小さくなり、誤検出・検出漏れの可能性が高まるため、明暗パターンを極端に微細化することはできず、微小な凹状欠陥の検出漏れを回避することはできなかった。
本発明は、上記従来の問題に鑑み、検査対象物の表面に存在する微小な凹凸欠陥を検出可能な表面検査方法および装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の表面検査方法は、検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出する方法であって、明暗のパターンが互いに異なる少なくとも2種類の照射光を、前記検査対象物に対して順次照射し、それらの照射光ごとの前記検査対象物からの反射光を順次撮影する撮影工程と、前記撮影工程にて撮影された複数の画像から前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出する凹凸欠陥検出工程と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の請求項2記載の表面検査方法は、請求項1記載の表面検査方法であって、前記凹凸欠陥検出工程では、前記撮影工程にて撮影された複数の画像の各々と、表面に欠陥が存在しない基準物に対して前記少なくとも2種類の照射光を順次照射し、それらの照射光ごとの前記基準物からの反射光を順次撮影して取得された複数の画像の各々との差分画像から、前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出することを特徴とする。
また、本発明の請求項3記載の表面検査方法は、請求項2記載の表面検査方法であって、前記凹凸欠陥検出工程では、複数の前記差分画像を合成した画像から前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出することを特徴とする。
また、本発明の請求項4記載の表面検査方法は、請求項1ないし3のいずれかに記載の表面検査方法であって、前記少なくとも2種類の照射光は、一定方向に明暗が一定の間隔で交互に繰り返し存在する線状の光であり、明暗の位置が互いに異なることを特徴とする。
また、本発明の請求項5記載の表面検査装置は、検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出する表面検査装置であって、明暗のパターンが互いに異なる少なくとも2種類の照射光を照射する照射部と、撮像部と、前記照射部から前記少なくとも2種類の照射光を前記検査対象物に対して順次照射し、それらの照射光ごとの前記検査対象物からの反射光を前記撮像部にて順次撮影して得た前記検査対象物の複数の画像から、前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出する画像処理部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項6記載の表面検査装置は、請求項5記載の表面検査装置であって、前記画像処理部は、前記検査対象物の複数の画像の各々と、表面に欠陥が存在しない基準物に対して前記少なくとも2種類の照射光を順次照射し、それらの照射光ごとの前記基準物からの反射光を順次撮影して取得された前記基準物の複数の画像の各々との差分画像をそれぞれ作成し、それらの前記差分画像から前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出することを特徴とする。
また、本発明の請求項7記載の表面検査装置は、請求項6記載の表面検査装置であって、前記画像処理部は、複数の前記差分画像を合成し、その合成した画像から前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出することを特徴とする。
また、本発明の請求項8記載の表面検査装置は、請求項5ないし7のいずれかに記載の表面検査装置であって、前記照射部が照射する前記少なくとも2種類の照射光は、一定方向に明暗が一定の間隔で交互に繰り返し存在する線状の光であり、明暗の位置が互いに異なることを特徴とする。
本発明の好ましい形態によれば、検査対象物の表面に存在する微小な凹凸欠陥の検出漏れの少ない信頼性の高い表面検査を実現することができる。
以下に、本発明の表面検査方法および装置の実施の形態について、図面を交えて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る表面検査装置の一構成例の概略を示す図であり、図1(a)は本装置を上方(Z方向)から見た図、図1(b)は本装置を側方(X方向)から見た図である。
図1において、照射部1は、線状の光源2とスリット板3を備える。線状の光源2は、その長手方向(X方向)に長い線状の光を発光する。スリット板3は、図2に示すように、一定の方向に長い形状をしており、その長手方向に沿って、その長手方向に直交する多数のスリット3aを有する。このスリット板3を線状の光源2の照射面側にその長手方向に沿って配置して、線状の光源2からの光をスリット板3を介して照射することにより、線状の光源2の長手方向に沿って明暗が一定の間隔で交互に繰り返し存在する線状の光(照射光)を照射することができる。よって、照射部1からの線状の光を検査対象物5に照射することにより、検査対象物5の表面に、一定の方向(X方向)に明暗が交互に存在する明暗パターンを写すことができる。
また、照射部1は、明暗の位置(明暗のパターン)が互いに異なる少なくとも2種類の線状の光(照射光)を照射できるように、スリット板3を線状の光源2の長手方向(X方向)に平行移動させるスリット板移動機構4を備える。
なお、線状の光源2には、例えばライン形状のライトガイドや、複数のLEDが並設されたLED光源等を用いることができる。また、スリット板3には、図2に示すように一定の幅および間隔でスリット3aを形成するのが好ましい。図2には、500μmの幅の明部と暗部が交互に繰り返し存在する線状の光を照射できるように、光の回折を考慮して、幅が180μmのスリット3aを320μmの間隔で形成したスリット板3を示している。
スリット3aは、機械加工、エッチング加工、あるいはレーザ加工等の加工方法により形成することができるが、検出すべき凹凸欠陥の大きさ(サイズ)に対応する検査分解能を得るだけの微細な加工を実現できる加工方法を選択する必要がある。
検査対象物5は、ここでは表面が光沢面で一定の方向に長いフィルムであり、その長手方向が、線状の光源2の長手方向(X方向)に直交するように配置する。撮像部6は、ラインカメラ7と、ラインカメラ7の受光面側に配置されたレンズ8を備える。照射部1および撮像部6は、照射部1から照射されたX方向に長い線状の光が検査対象物5の表面で正反射し、その反射光がレンズ8を通してラインカメラ7に入射されて、検査対象物5の表面に写されたX方向に長い明暗パターンをラインカメラ7で撮影できるように配置されている。
なお、このように明暗パターンの光を照射して撮影するのは、検査対象物の全面を明るく照らして撮影した場合、撮影された画像のコントラストが全体的に小さくなり、凹凸欠陥の誤検出・検出漏れの可能性が高まるためである。
搬送部9は、X方向(線状の光源2の長手方向)に直交するY方向(検査対象物5の長手方向)に検査対象物5を移動させる。このように検査対象物5を移動させることにより、検査対象物5の全面を撮影することができる。なお、無論、検査対象物5のみを移動させる構成に限るものではなく、照射部1および撮像部6により形成される光学系と検査対象物5とを相対的に移動させる構成であればよい。
画像処理部10は、撮像部6(ラインカメラ7)により撮影された検査画像から凹凸欠陥を検出する。ここでは、照射部1から、明暗の位置(明暗パターン)が互いに異なる少なくとも2種類の線状の光(照射光)を、同じ位置の検査対象物5に対して順次照射し、それらの線状の光ごとの検査対象物5からの反射光を撮像部6にて順次撮影して得た検査画像の信号が、画像処理部10に順次入力される。画像処理部10は、これらの明暗パターンを変更して撮影した複数の検査画像から、検査対象物5の表面(光沢面)に存在する凹凸欠陥を検出する。
なお、検査対象物5は、極力、たわみやうねりが発生しないように搬送部9上に固定する。すなわち、たわみやうねりが発生すると、それを凹凸欠陥として誤検出する可能性があるため、搬送部9上に固定された検査対象物5には、凹凸欠陥の検査時に、正常な部分が凹凸欠陥として誤検出されない程度の平面度が必要となる。
続いて、以上説明した表面検査装置を用いた表面検査方法について説明する。まず、照射部1から、明暗の位置が互いに異なる少なくとも2種類の線状の光を、同一位置の検査対象物5に対して順次照射し、それらの線状の光ごとの検査対象物5からの反射光を撮像部6にて順次撮影する(撮影工程)。明暗の位置が互いに異なる少なくとも2種類の線状の光は、スリット板移動機構4によりスリット板3をX方向に平行移動させることで照射することができる。次に、画像処理部10が、撮影された複数の検査画像から、検査対象物5の表面に存在する凹凸欠陥を検出する(凹凸欠陥検出工程)。その後、搬送部9により検査対象物5を所定距離だけ移動させ(搬送工程)、次ぎの位置において撮影工程と凹凸欠陥検出工程を実行する。以降、搬送工程、撮影工程、および凹凸欠陥検出工程を、検査対象物5の全面の検査が終了するまで繰り返す。なお、無論、先に撮影工程と搬送工程を繰り返し実行して、検査対象物5の全面を撮影した後に、凹凸欠陥検出工程を実行してもよい。
続いて、本実施の形態における凹凸欠陥検査の原理について、図3、図4を用いて説明する。但し、図3、図4には、明暗パターンの明部および暗部の明度が一定の理想的な画像を示している。
図3(a)は、検査対象物5の表面に存在する互いに大きさ(サイズ)が異なる凹凸欠陥11、12、13を示す模式図である。また、図3(b)は、図3(a)に示す検査対象物5上の凹凸欠陥11、12、13を本表面検査装置により撮影して得た検査画像の模式図である。また、図3(c)は、図3(a)に示す検査対象物5上の凹凸欠陥11、12、13を本表面検査装置により撮影して得た検査画像の模式図であり、図3(b)に示す明暗の位置に対して左方向に明部の半分の幅分だけ明暗の位置をずらして撮影した場合の画像を示している。また、図3(d)は、図3(a)に示す検査対象物5上の凹凸欠陥11、12、13を本表面検査装置により撮影して得た検査画像の模式図であり、図3(c)に示す明暗の位置に対して右方向に明部の幅分だけ明暗の位置をずらして撮影した場合の画像を示している。
図3(b)〜図3(d)に示すように、検査対象物5の表面に写した明暗パターンを撮影した画像上において、明部14に存在する凹凸欠陥は暗くなるので認識できるが、暗部15に存在する凹凸欠陥は暗いままであるため認識できず、暗部15の幅よりも微小な凹凸欠陥11が暗部15に完全に含まれてしまうと(図3(d)を参照)、その凹凸欠陥11は検出することができない。このような検出漏れの可能性を低減させるためには、少なくとも暗部の幅は検出すべき凹凸欠陥のサイズより小さくする必要がある。しかしながら、スリット3aの間隔が小さい場合には光の回折の影響が大きく現れるようになり、また検査対象物5の表面が粗い場合には拡散反射成分が増えるため、画像のコントラストが低下して、凹凸欠陥の誤検出や検出漏れを引き起こす可能性がある。そのためスリット3aの幅および間隔は、線状の光源2や検査対象物5の特性に合わせて適宜決定する必要があり、検出できる凹凸欠陥のサイズには限界がある。
そこで、ここでは、スリット板3を平行移動させるスリット板駆動機構4を設けることにより、同じ位置の検査対象物5に対して、明暗の位置が互いに異なる少なくとも2種類の線状の光(照射光)を照射できるようにし、明暗の位置をずらして撮影した検査画像から、明部14における明度の低い箇所を凹凸欠陥として検出する。例えば、図3に示すように明部14と暗部15の幅の比が1:1の場合には、図3(c)に示す検査画像P1、および図3(c)に示す明暗の位置に対して明部14の幅分だけ明暗の位置をずらして撮影した図3(d)に示す検査画像Q1を用いる。すなわち、明部と暗部の幅の比が1:1の場合、明部の幅分だけ明暗の位置をずらした2種類の明暗パターンの光を順次照射することで、検査対象物の全面に明暗パターンの明部の光を照射することになるので、凹凸欠陥の誤検出・見落としが少なく信頼性の高い凹凸欠陥検査が可能となる。
続いて、明暗パターンの明部における明度の低い箇所を凹凸欠陥として検出するための具体的な方法について説明する。ここでは、表面に欠陥が存在しない基準物に対して検査対象物に照射する明暗パターンの光と同じ明暗パターンの光を照射し、その基準物からの反射光を撮影して取得した基準画像と、検査対象物を撮影して取得した検査画像との差分絶対値を演算して差分絶対画像(差分画像)を作成し、その差分絶対画像から凹凸欠陥を検出する。なお、基準画像は、予め撮影して、画像処理部10内部の記憶装置や、画像処理部10からアクセス可能な外部の記憶装置等に記憶させてもよい。また基準画像の撮影には、例えば本表面検査装置を用いてもよい。以下に、差分絶対画像を用いて凹凸欠陥を検出する方法について、図面を用いて説明する。
図4(a)、図4(b)は、明部と暗部の幅の比が1:1の明暗パターンの光を照射して撮影した基準物の画像(基準画像)の模式図であり、図4(b)には、図4(a)に示す明暗の位置に対して明部の幅分だけ明暗の位置をずらして撮影した場合の画像を示している。また、図4(c)、図4(d)は、明部と暗部の幅の比が1:1の明暗パターンの光を照射して撮影した検査対象物の画像(検査画像)の模式図であり、図4(d)には、図4(c)に示す明暗の位置に対して明部の幅分だけ明暗の位置をずらして撮影した場合の画像を示している。図4(a)に示す明暗パターンは図4(c)に示す明暗パターンと同一であり、図4(b)に示す明暗パターンは図4(d)に示す明暗パターンと同一である。また、図4(c)、図4(d)に示すように、検査対象物の表面には、明暗パターンの暗部15の幅よりも小さいサイズの凹凸欠陥が存在している。
画像処理部10は、凹凸欠陥検査時に、図4(c)、図4(d)に示す検査画像P1、Q1の各々と、図4(a)、図4(b)に示す基準画像P0、Q0の各々との差分絶対値を演算して、差分絶対画像を作成する。図4(a)に示す基準画像P0と図4(c)に示す検査画像P1とを用いて作成した差分絶対画像P2を図4(e)に、図4(b)に示す基準画像Q0と図4(d)に示す検査画像Q1とを用いて作成した差分絶対画像Q2を図4(f)にそれぞれ示す。
図4に示すように、検査画像P1、Q1上の明部14における明度が低い箇所は、差分絶対画像P2、Q2上では明度が高くなる。よって、画像処理部10において、差分絶対画像上で明度の高い箇所(基準画像と検査画像間で明度の差が大きい箇所)を凹凸欠陥として検出することができる。具体的には、画像処理部10において、差分絶対画像に二値化処理を施し、明度が所定のしきい値以上となる白画素の連結成分をラベリングし、そのラベリングされた連結成分の画素数をカウントし、そのカウント値が一定値以上となる連結成分を凹凸欠陥として検出する処理を実行すればよい。
なお、ここでは、明部と暗部の幅の比が1:1の場合について説明したが、無論、明部と暗部の幅の比は1:1に限定されるものではなく、他の比率であってもよい。明部と暗部の幅の比の他の例として、明部と暗部の幅の比が1:2の場合について、図5を用いて説明する。但し、図5には、明部および暗部の明度が一定の理想的な画像の模式図を示している。
図5(a)は、検査対象物5の表面に存在する互いに大きさが異なる凹凸欠陥11、12、13を示す模式図である。また、図5(b)は、図5(a)に示す検査対象物5上の凹凸欠陥11、12、13を本表面検査装置により撮影して得た検査画像の模式図である。また、図5(c)は、図5(a)に示す検査対象物5上の凹凸欠陥11、12、13を本表面検査装置により撮影して得た検査画像の模式図であり、図5(b)に示す明暗の位置に対して右方向に明部の幅分だけ明暗の位置をずらして撮影した場合の画像を示している。また、図5(d)は、図5(a)に示す検査対象物5上の凹凸欠陥11、12、13を本表面検査装置により撮影して得た検査画像の模式図であり、図5(b)に示す明暗の位置に対して右方向に明部の幅2つ分だけ明暗の位置をずらして撮影した場合の画像を示している。
明部と暗部の幅の比が1:2の場合、図5(b)〜図5(d)に示すように、明暗の位置を明部14の幅分ずつ3段階にずらした3種類の照射光を順次照射することで、検査対象物の全面に明暗パターンの明部の光を照射することになるので、これらの照射光ごとに撮影された検査画像上の明部における明度の低い箇所を凹凸欠陥として検出することで、凹凸欠陥の誤検出・見落としが少なく信頼性の高い凹凸欠陥検査が可能となる。
また、以上説明したように、明暗パターンを変更して撮影した検査画像ごとの差分絶対画像から個別に凹凸欠陥を検出してもよいが、それらの差分絶対画像を合成した画像から凹凸欠陥を検出してもよい。図6(a)に、図4(e)と図4(f)に示す2つの差分絶対画像P2、Q2を加算して作成した合成画像S2を示す。また、図6(b)に、図5(b)〜図5(d)に示す3つの検査画像P1、Q1、R1とそれらに対応する基準画像とを用いて作成した3つの差分絶対画像を加算して作成した合成画像S2を示す。図6に示すように、明部と暗部の幅の比が1:1と1:2のいずれの場合も、凹凸欠陥が合成画像上に明度の高い箇所として同様に現われる。したがって、画像処理部10において、差分絶対画像の合成画像を作成して、その合成画像から凹凸欠陥を検出することができる。
以上のように、明部および暗部の明度が一定の理想的な画像を取得できる場合には、差分絶対画像に二値化処理を施し、明度が所定の閾値以上となる白画素の連結成分をラベリングし、そのラベリングされた連結成分の画素数をカウントし、そのカウント値が一定値以上となる連結成分を凹凸欠陥として検出すればよい。しかし、実際には、光源の安定性やスリットの状態、光の回折の影響、さらには検査対象物の表面状態などの影響により、基準画像でさえ図7(a)、図7(b)に示すように明度が不均一で、特に明暗境界付近の明度が不安定となるため、凹凸欠陥の誤検出の可能性が増す。図7(a)、図7(b)には、明部と暗部の幅の比が1:1の明暗パターンの光を照射して撮影した実際の基準物の画像(基準画像P0、Q0)を示しており、図7(b)には、図7(a)に示す明暗の位置に対して明部の幅分だけ明暗の位置をずらして撮影した場合の画像を示している。
そこで、これらの不安定要素を減少するために差分絶対画像を作成する前後で画像の特性に合わせた、例えば二値化−膨張−収縮処理や、メディアンフィルタ等の事前処理を施すのが好適である。
続いて、表面に凹状欠陥が存在する検査対象物を撮影した実際の画像を用いて、本実施の形態における表面検査の一例を説明する。図8(a)、図8(b)は同一位置の検査対象物に対して、照射部1から明部と暗部の幅の比が1:1の明暗パターンの照射光を照射し、その反射光を撮像部6にて撮影して得た検査画像P1、Q1を示す図であり、図8(b)には、図8(a)に示す明暗の位置に対して明部の幅分だけ明暗の位置をずらして撮影した画像を示している。
これらの検査画像P1、Q1の各々と、図7(a)、図7(b)に示す予め撮影しておいた基準画像P0、Q0の各々との差分絶対値を演算して、差分絶対画像P2、Q2を作成する。これらの差分絶対画像P2、Q2を図8(c)、図8(d)に示す。さらに、差分絶対画像P2、Q2を所定の閾値で二値化して二値化画像P3、Q3を作成する。これらの二値化画像P3、Q3を図8(e)、図8(f)に示す。
これらの二値化画像P3、Q3から凹凸欠陥を検出することも可能であるが、図8(e)、図8(f)に示すように、明暗パターンの明部と暗部の境界付近にノイズ成分が発生しており、これが凹凸欠陥の誤検出を引き起こす原因となる。そこで、画像処理部10において、そのノイズ成分を低減するための処理を実行する。図8(g)、図8(h)に、明部と暗部の境界付近のノイズ成分を低減するため、二値化画像P3、Q3に対して明部と暗部の境界線に直交する方向に膨張・収縮処理を施した画像P4、Q4を示す。なお、ノイズ低減処理には、メディアンフィルタや孤立点除去処理等を利用してもよい。
ノイズ低減処理後、画像P4、Q4上の白画素の連結成分をラベリングし、そのラベリングされた連結成分の画素数をカウントし、そのカウント値が一定値以上となる連結成分を凹凸欠陥として検出する。
続いて、表面に凹状欠陥が存在する検査対象物を撮影した実際の画像を用いて、本実施の形態における表面検査の他の例を説明する。図9(a)、図9(b)は同一位置の検査対象物に対して、照射部1から明部と暗部の幅の比が1:1の明暗パターンの照射光を照射し、その反射光を撮像部6にて撮影して得た検査画像P1、Q1を示す図であり、図9(b)には、図9(a)に示す明暗の位置に対して明部の幅分だけ明暗の位置をずらして撮影した画像を示している。
これらの検査画像P1、Q1の各々と、図7(a)、図7(b)に示す予め撮影しておいた基準画像P0、Q0の各々との差分絶対値を演算し、差分絶対画像P2、Q2を作成する。これらの差分絶対画像P2、Q2を図9(c)、図9(d)に示す。次に、差分絶対画像P2、Q2を加算した合成画像S2を作成する。この合成画像S2を図9(e)に示す。さらに、合成画像S2を所定の閾値で二値化して二値化画像S3を作成する。この二値化画像S3を図9(f)に示す。
この二値化画像S3から凹凸欠陥を検出することも可能であるが、図9(f)に示すように、明部と暗部の境界付近にノイズ成分が発生しており、これが凹凸欠陥の誤検出を引き起こす原因となる。そこで、画像処理部10において、そのノイズ成分を低減するための処理を実行する。図9(g)に、明部と暗部の境界付近のノイズ成分を低減するため、二値化画像S3に対して明部と暗部の境界線に直交する方向に膨張・収縮処理を施した画像S4を示す。なお、ノイズ低減処理には、メディアンフィルタや孤立点除去処理等を利用してもよい。
ノイズ低減処理後、画像S4上の白画素の連結成分をラベリングし、そのラベリングされた連結成分の画素数をカウントし、そのカウント値が一定値以上となる連結成分を凹凸欠陥として検出する。
以上のように凹凸欠陥を検出することにより、検査対象物が不良品か否かを判定することが可能となる。例えば単位面積当たりの凹凸欠陥の個数が一定値以上となる場合や、1つの連結成分に含まれる画素数が一定値以上となる場合には、検査対象物を不良品として認識する。
以上説明したように、明暗パターンが互いに異なる照射光を検査対象物の表面に順次照射し、それらの照射光ごとの検査対象物からの反射光を順次撮影して、それらの撮影された検査画像から凹凸欠陥を検出することにより、凹凸欠陥の検出漏れの少ない信頼性の高い表面検査を実現することができる。
なお、ここでは、一定方向に明暗が交互に存在する明暗パターンの光を例に説明したが、明暗のパターンはこれに限定されるものではなく、明暗の位置が互いに異なる少なくとも2種類の明暗パターンの光を照射して、検査対象領域の全面に明暗パターンの明部の光を照射できればよい。また、一定の方向に長い検査対象物を例に説明したが、無論、検査対象物の形状はその形状に限定されるものではない。また、線状の光源とラインカメラを用いて光学系を形成し、その光学系と検査対象物とを、線状の光源の長手方向に直交する方向に相対移動させたが、無論、相対移動方向はその方向に限定されるものではなく、最終的に検査対象領域の全面に光を照射できればよい。
本発明にかかる表面検査方法および装置は、検査対象物の表面に存在する微小な凹凸欠陥の検出漏れの少ない信頼性の高い表面検査を実現することができ、特にフィルム表面等の光沢面上に存在する凹凸欠陥を検査する技術に有用である。
1 照射部
2 線状の光源
3 スリット板
3a スリット
4 スリット板移動機構
5 検査対象物
6 撮像部
7 ラインカメラ
8 レンズ
9 搬送部
10 画像処理部
11、12、13 凹凸欠陥
14 明部
15 暗部
2 線状の光源
3 スリット板
3a スリット
4 スリット板移動機構
5 検査対象物
6 撮像部
7 ラインカメラ
8 レンズ
9 搬送部
10 画像処理部
11、12、13 凹凸欠陥
14 明部
15 暗部
Claims (8)
- 検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出する方法であって、
明暗のパターンが互いに異なる少なくとも2種類の照射光を、前記検査対象物に対して順次照射し、それらの照射光ごとの前記検査対象物からの反射光を順次撮影する撮影工程と、
前記撮影工程にて撮影された複数の画像から前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出する凹凸欠陥検出工程と、
を具備することを特徴とする表面検査方法。 - 前記凹凸欠陥検出工程では、前記撮影工程にて撮影された複数の画像の各々と、表面に欠陥が存在しない基準物に対して前記少なくとも2種類の照射光を順次照射し、それらの照射光ごとの前記基準物からの反射光を順次撮影して取得された複数の画像の各々との差分画像から、前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出することを特徴とする請求項1記載の表面検査方法。
- 前記凹凸欠陥検出工程では、複数の前記差分画像を合成した画像から前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出することを特徴とする請求項2記載の表面検査方法。
- 前記少なくとも2種類の照射光は、一定方向に明暗が一定の間隔で交互に繰り返し存在する線状の光であり、明暗の位置が互いに異なることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の表面検査方法。
- 検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出する表面検査装置であって、
明暗のパターンが互いに異なる少なくとも2種類の照射光を照射する照射部と、
撮像部と、
前記照射部から前記少なくとも2種類の照射光を前記検査対象物に対して順次照射し、それらの照射光ごとの前記検査対象物からの反射光を前記撮像部にて順次撮影して得た前記検査対象物の複数の画像から、前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出する画像処理部と、
を備えることを特徴とする表面検査装置。 - 前記画像処理部は、前記検査対象物の複数の画像の各々と、表面に欠陥が存在しない基準物に対して前記少なくとも2種類の照射光を順次照射し、それらの照射光ごとの前記基準物からの反射光を順次撮影して取得された前記基準物の複数の画像の各々との差分画像をそれぞれ作成し、それらの前記差分画像から前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出することを特徴とする請求項5記載の表面検査装置。
- 前記画像処理部は、複数の前記差分画像を合成し、その合成した画像から前記検査対象物の表面に存在する凹凸欠陥を検出することを特徴とする請求項6記載の表面検査装置。
- 前記照射部が照射する前記少なくとも2種類の照射光は、一定方向に明暗が一定の間隔で交互に繰り返し存在する線状の光であり、明暗の位置が互いに異なることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の表面検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008111925A JP2009264800A (ja) | 2008-04-23 | 2008-04-23 | 表面検査方法および装置 |
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JP2008111925A JP2009264800A (ja) | 2008-04-23 | 2008-04-23 | 表面検査方法および装置 |
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ID=41390846
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JP2008111925A Pending JP2009264800A (ja) | 2008-04-23 | 2008-04-23 | 表面検査方法および装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009264800A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010237157A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Fujifilm Corp | 表面検査装置 |
JP2013108944A (ja) * | 2011-11-24 | 2013-06-06 | Fujitsu Ltd | 表面欠陥検査装置および表面欠陥検査方法 |
JP7342207B1 (ja) | 2022-07-15 | 2023-09-11 | Ckd株式会社 | 包装体検査装置及び包装体検査方法 |
-
2008
- 2008-04-23 JP JP2008111925A patent/JP2009264800A/ja active Pending
Cited By (4)
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WO2024014020A1 (ja) * | 2022-07-15 | 2024-01-18 | Ckd株式会社 | 包装体検査装置及び包装体検査方法 |
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