WO2024116634A1 - 検査システム - Google Patents

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秋希良 藤井
一馬 原口
泰資 田中
翔馬 高橋
匠 羽根田
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Abstract

検査システムは、物品に検査光を照射する照明装置と、検査光が照射された物品からの反射光を、複数の画素を有する撮像素子で受光して、物品の表面を撮像する撮像装置と、撮像素子で撮像された画像の各画素における輝度値または濃淡値に基づいて、画素毎に物品の表面の傾きを検出するとともに、検出された画素毎の傾き及び画素の幅から算出した画素毎の高さを順次積算することにより、物品の高さ情報を含む表面形状を推定する推定部と、物品の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値、及び基準値に対して、物品の表面形状の良否を判定するしきい値を設定する設定部と、表面形状と、しきい値とを比較して、物品の表面形状の良否を判定する判定部とを備える。

Description

検査システム
 本開示は、物品の外観検査に用いられる検査システムに関する。
 従来、物品の外観検査に用いられる照明装置として、検査光を照射する面光源と、検査光を物品に向けて集光するレンズとの間に、遮光フィルターを配置し、この遮光フィルターをレンズの入射側の焦点位置に配置した構成が知られている(特許文献1を参照)。このような構成の照明装置を用いた検査システムでは、物品に照射された検査光が、物品の表面で反射された反射光を撮像装置で撮像して、撮像された画像の輝度値などに基づいて、物品の面の傾きを推定することができる。
 従来の検査システムでは、撮像装置で撮像された画像の各画素における輝度値に基づいて、画素毎に物品の表面の傾きを検出し、検出された画素毎の傾き及び当該画素の幅から算出した画素毎の高さを順次積算することによって、物品の表面形状を推定することができる。推定した物品の表面形状と、規定されたしきい値とを比較することによって、物品の表面形状の良否を判定することができる。
 しかしながら、撮像装置で撮像された画像の各画素における輝度値は、ランダムノイズによる誤差を含むため、積算する画素の経路によって、算出される高さが異なる。そのため、ランダムノイズの影響をなくすために、複数の経路に対して、最適化問題を解いて高さを推定する方法が知られている。しかし、物品の面全体の表面形状を推定する場合、多数の画素に対して、高さを算出する経路が膨大となり、演算時間が長くなってしまう。短いタクト時間が要求されることが多いインライン検査では、このような方法は適さない。
日本国特許第6451821号公報
 本開示の目的は、物品の面全体を、短いタクトタイムで検査することを可能とする検査システムを提供することにある。
 本開示に係る検査システムは、物品に検査光を照射する照明装置と、検査光が照射された物品からの反射光を、複数の画素を有する撮像素子で受光して、物品の表面を撮像する撮像装置と、撮像素子で撮像された画像の各画素における輝度値または濃淡値に基づいて、画素毎に物品の表面の傾きを検出するとともに、検出された画素毎の傾き及び画素の幅から算出した画素毎の高さを順次積算することにより、物品の高さ情報を含む表面形状を推定する推定部と、物品の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値、及び基準値に対して、物品の表面形状の良否を判定するしきい値を設定する設定部と、表面形状と、しきい値とを比較して、物品の表面形状の良否を判定する判定部とを備える。
 設定部は、物品の表面形状において、高さ方向の変化が同じ検査領域を抽出し、検査領域において、共通の基準値及びしきい値を設定することが好ましい。
 推定部において、画素毎の高さの積算は、ループの存在しない画素の経路毎に独立に実行されてもよい。
 物品の表面形状は、設計情報に基づいて形成されたものであり、設定部において、基準値は、設計情報に基づいて設定されることが好ましい。
 モデル化した基準値は、関数または点群で設定されてもよい。
 推定部は、撮像装置における撮像素子の撮像面に対する、物品からの反射光の光軸の変化を、撮像素子で撮像された画像の各画素における輝度値または濃淡値の変化として検知することによって、画素毎に物品の表面の傾きを推定することが好ましい。
 本開示によれば、物品の面全体を、短いタクトタイムで検査することを可能とする検査システムを提供することができる。
図1は、実施形態1における検査システムの構成を示すブロック図である。 図2Aは、実施形態1における検査システムの構成を模式的に示す図である。 図2Bは、図2Aの破線で囲まれた部分の拡大図である。 図3は、物品の表面に照射される検査光を示す図である。 図4Aは、撮像装置で撮像される反射光の色を説明する図である。 図4Bは、撮像装置で撮像される反射光の色を説明する図である。 図5は、物品の表面形状を推定する方法を説明する図である。 図6は、アレイ状に配列した画素における積算経路を示す図である。 図7は、画素列毎に独立した積算経路を示す図である。 図8Aは、実施形態1における検査システムを説明する図である。 図8Bは、実施形態1における検査システムを説明する図である。 図8Cは、実施形態1における検査システムを説明する図である。 図9Aは、実施形態2における検査システムを説明する図である。 図9Bは、実施形態2における検査システムを説明する図である。 図9Cは、実施形態2における検査システムを説明する図である。 図10Aは、実施形態3における検査システムを説明する図である。 図10Bは、実施形態3における検査システムを説明する図である。 図10Cは、実施形態3における検査システムを説明する図である。 図11は、物品の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値(点群)及びしきい値を示す図である。
 以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。本開示の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、本開示の適宜変更は可能である。
 (実施形態1)
 図1は、実施形態1における検査システム100の構成を示すブロック図である。本実施形態における検査システム100は、設計情報に基づいて形成された物品の表面形状を検査する検査システムである。
 図1に示すように、検査システム100は、支持台60と、照明装置10と、撮像装置(カメラ)20と、推定部30と、設定部40と、判定部50とを備える。支持台60は、物品200を載置する。照明装置10は、物品200に検査光を照射する。撮像装置20は、物品200からの反射光を受光して、物品200の表面を撮像する。推定部30は、物品200の表面形状を推定する。設定部40は、物品200の表面形状の良否を判定するしきい値を設定する。判定部50は、物品200の表面形状の良否を判定する。
 検査システム100では、支持台60に載置された物品200に、照明装置10から検査光を照査し、物品200の表面で反射された反射光を撮像装置20で撮像する。撮像装置20で撮像された画像に基づいて、物品200の表面形状が推定される。
 図2Aは、実施形態1における検査システム100の構成を模式的に示す図である。図2Bは、図2Aの破線で囲まれた部分の拡大図である。
 図2Aに示すように、照明装置10は、面光源11と、カラーフィルター12と、レンズ13と、ハーフミラー14とで構成される。面光源11は、白色の平面光を検査光として出射する。
 カラーフィルター12は、面光源11とレンズ13との間であって、レンズ13の入射側の焦点位置に配置されている。カラーフィルター12は、検査光の入射面内で所定の色分布を有している。このため、面光源11から出射された検査光は、カラーフィルター12を透過することで、検査光の進行方向と交差する方向に色分布を有する平面光となる。
 レンズ13は、カラーフィルター12を透過した検査光を、物品200に向けて集光する。レンズ13を透過した検査光は、ハーフミラー14で反射されて、物品200の表面に照射される。
 図2Aに示すように、検査光の光軸上であって、かつレンズ13の出射側焦点位置である点P1における照射立体角は、カラーフィルター12における検査光の光路の直径とレンズ13の焦点距離により、一義的に決まる。ここで言う「照射立体角」とは、検査光の光路上の所定の点を頂点とし、当該所定の点に光が照射される範囲を示す任意形状の錐体を言う。
 検査光の光軸から離れた位置であっても、レンズ13の中心からレンズ13の出射側焦点位置だけ離れた位置における照射立体角も、点P1における照射立体角と同じ形状で同じ大きさとなる。レンズ13の出射側焦点位置よりも遠い位置における照射立体角も、点P1における照射立体角と同じ形状で同じ大きさとなる。
 図3は、物品の表面に照射される検査光を示す図である。検査光がハーフミラー14により反射された場合にも、これらの照射立体角は維持される。したがって、図3に示すように、検査光は、物品200の表面の各点において同じ照射立体角ISを有するように照射される。つまり、物品200の表面の任意の点において、面光源11からの距離に依存せず、照明条件が同じとなる。
 ハーフミラー14は、レンズ13で集光された検査光を物品200に向けて反射する一方、物品200で反射された反射光を透過する。
 撮像装置20は、複数の画素を備えた撮像素子により、ハーフミラー14を透過した反射光を受光し、物品200の表面をカラー画像として撮像する。撮像装置20は、撮像素子の撮像面が、物品200からの反射光を受光できる範囲内に配置される。
 次に、検査システム100の動作原理について説明する。
 図2Aに示すように、検査光は、ハーフミラー14により、光軸が物品200の平坦面に向くように反射される。物品200の表面で反射された反射光は、ハーフミラー14を透過して、撮像装置20に入射される。例えば、図2Bに示す物品200の平坦な領域S1での反射光は、白色光として撮像装置20に入射される。その結果、物品200の平坦な領域S1は、白色の画像として撮像装置20で撮像される。
 一方、カラーフィルター12は検査光の入射面内で色分布を有している。その結果、例えば、カラーフィルター12の赤色領域を透過した検査光の光軸は、カラーフィルター12の青色領域を透過した検査光の光軸と方向が異なっている。上述したように、物品200の表面の各点において、照射立体角ISは同じであるため、物品200の表面に傾きがある場合、検査光の光軸の方向が異なることに対応して反射光の色が変化する。
 図4Aは、撮像装置20で撮像される反射光の色を説明する図である。例えば、図2Bに示すように、物品200の表面が紙面の左側に傾いている領域S2では、図4Aに示すように、青色領域を透過した検査光は、撮像装置20の撮像素子に向かって反射される。一方、赤色領域を透過した検査光の一部は、撮像装置20の撮像素子から離れるように反射される。その結果、物品200の表面の領域S2は、青みがかった色の画像として撮像装置20で撮像される。
 また、図2Bに示すように、物品200の表面が紙面の右側に傾いている領域S3では図4Bに示すように、赤色領域を透過した検査光は、撮像装置20の撮像素子に向かって反射される。一方、青色領域を透過した検査光の一部は、撮像装置20の撮像素子から離れるように反射される。その結果、物品200の表面の領域S3は、赤みがかった色の画像として撮像装置20で撮像される。
 以上説明したように、図2Aに示す検査システム100によれば、撮像装置20での撮像画像における各色の輝度値(カラーグラデーション)に基づいて、物品200の表面の傾きを推定することができる。
 実施形態1では、カラーフィルター12を用いて、検査光の入射面内での色分布を付与する。しかし、検査光の入射面内で濃淡分布を有する濃淡フィルターを用いてもよい。この場合、撮像装置20の撮像画像における濃淡値(グレーレベル)に基づいて、物品200の表面の傾きを推定することができる。
 次に、図5を参照しながら、物品200の表面形状を推定する方法について説明する。図5は、物品の表面形状を推定する方法を説明する図である。以下の説明する物品200の表面形状の推定は、推定部30により実行される。
 図5の(a)は、検査対象となる物品200の平面図である。図5の(b)は、物品200の表面形状を示す。物品200は、図5の(b)に示すように、傾きの異なる傾斜面S、S、及び傾きのない平坦面Sを有する。
 図5の(c)は、撮像装置20の撮像素子における画素列A~A、B~B、C~Cを示す。物品200の表面は、画素列A~A、B~B、C~Cで撮像される。
 以下、画素列A~Aで撮像された画像の輝度値に基づいて、物品200の表面形状を推定する方法を説明する。
 傾斜面Sでは、画素Aで撮像された画像の輝度値に基づいて、傾斜面Sの画素Aにおける傾きαが検出される。検出された傾きαと画素Aの幅dから、傾斜面Sの画素Aにおける高さhが算出される。同様に、画素Aで撮像された画像の輝度値に基づいて、傾斜面Sの画素Aにおける高さhが算出される。これにより、画素Aで算出した高さhに、画素Aで算出した高さhを積算することにより、図5の(d)に示すように、傾斜面Sの表面形状が推定される。
 平坦面Sでは、画素A、Aで撮像された各画像の輝度値に基づいて、面の傾きはゼロと検出される。その結果、画素A、Aにおける高さはゼロと算出される。これにより、画素Aで積算した高さ(h+h)に、画素A、Aで算出した高さ(ゼロ)を順次積算することにより、図5の(d)に示すように、平坦面Sの表面形状が推定される。
 傾斜面Sでは、画素A、A、Aで撮像された各画像の輝度値に基づいて、傾斜面Sの傾きαが検出される。検出された傾きαと画素の幅dから、画素毎の高さhが算出される。これにより、画素Aで積算された高さ(h+h)に、画素A、A、Aで算出した高さ(-h)を順次積算することにより、図5の(d)に示すように、傾斜面Sの表面形状が推定される。その結果、画素列A~Aに対応した物品200の表面形状が推定される。
 画素列B~B、及びC~Cについても、同様の方法により、画素列B~B、及びC~Cに対応した物品200の表面形状が推定される。これにより、撮像装置20による1回の撮像で、物品200の面全体の表面形状を推定することができる。
 このように、撮像装置20で撮像された画像の各画素における輝度値または濃淡値に基づいて、画素毎に物品200の表面の傾きを検出する。これとともに、検出された画素毎の傾き及び画素の幅から算出した画素毎の高さを順次積算することにより、物品200の表面形状を推定することができる。
 このような方法により推定される物品200の表面形状は、図5の(d)に示すように、高さ情報を含む3次元形状として求めることができる。そのため、本実施形態における検査システムは、表面形状の相対的な高低差だけでなく、基準面に対する表面形状の高さを検査する外観検査において、特に有用である。
 本実施形態における検査システムでは、撮像された画像の各画素における輝度値に基づいて算出された画素毎の高さを順次積算することにより、物品200の高さ情報を含む表面形状を推定する。しかし、検出される画素の輝度値は、ランダムノイズによる誤差を含むため、積算する画素の経路によって、算出される高さが異なる。
 図6は、アレイ状に配列した画素における積算経路を示す図である。例えば、図6に示すように、アレイ状に配列した画素A~A、B~B、C~C、D~Dにおいて、画素Dの高さを算出する場合、経路R(画素A~A、B、C、D)で算出したときの高さと、経路R(画素A、B、C、D~D)で算出したときの高さは、積算する画素が異なるため、ランダムノイズが異なり、積算結果が一致しない。
 このようなランダムノイズの影響をなくすために、画素Dの高さを算出する複数の経路に対して、繰り返し計算を行って、最適化問題を解くという方法がある。しかし、実際の画素数は非常に多いため、画素の高さを積算する経路が膨大となる。したがって、演算時間が長くなってしまう。そのため、短いタクト時間が要求されることが多いインライン検査では、このような方法は適さない。
 最適化問題を解くに当たり、どのようなアルゴリズムを採用し、どのような計算結果を計測値として採用するかは、要求される仕様ごとに設定する必要がある。このため、短いタクト時間が要求されることが多いインライン検査に、このような方法は採用することは難しい。
 図7は、画素列毎に独立した積算経路を示す図である。積算結果の不一致を無視するために、図7に示すように、積算する画素の経路を、例えば、画素列A~A、B~B、C~C、D~Dに沿った経路R~Rに限定して、画素A~Dの高さを独立して算出する方法が考えられる。
 しかしながら、このような方法を用いても、物品200の面全体を検査するためには、経路R~R毎に、物品200の表面形状の良否を判定するしきい値を設定する必要がある。そのため、実際の画素列は非常に多いため、設定するしきい値が膨大となる。したがって、良否の判定時間が長くなってしまう。そのため、短いタクト時間が要求されることが多いインライン検査では、このような方法は適さない。
 このような課題を解決するために、本実施形態における検査システムは、物品200の表面形状において、高さ方向の変化が同じ検査領域を抽出し、この検査領域において、共通のしきい値を設定するようにしたものである。
 図8A~図8Cを参照しながら、本開示における検査システムの実施形態を説明する。図8A~図8Cの各々は、実施形態1における検査システムを説明する図である。ここで、図8Aの(a)は、物品200の平面図を示す。図8Aの(b)は、物品200の表面形状を示す。
 物品200の表面形状において、高さ方向の変化が同じ検査領域を抽出する。具体的には、図8Aの(a)及び(b)に示すように、x方向において、一定の角度で傾斜する傾斜面Sを検査領域Pとして選択する。
 選択した検査領域Pにおいて、物品200の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値、及びこの基準値に対して、物品200の表面形状の良否を判定するしきい値を設定する。ここで、基準値は、物品200の表面形状を形成する際の設計情報に基づいて設定することができる。
 具体的には、傾斜面Sは、x方向に一定の角度で傾斜しているため、傾斜面Sをモデル化した基準値は、図8Bに示すように、矢印Aで示したz=ax(aは定数)で表される一次関数として設定される。ここで、zは、物品200の高さ方向を示す。設定した基準値に対して、物品200の表面形状の良否を判定するしきい値として、物品200の高さ方向の上限及び下限を定めるしきい値を設定する。具体的には、図8Bに示すように、上限のしきい値は、基準値(z=ax)に対して、矢印Bで示したz=ax+b(bは定数)で表される一次関数として設定される。下限のしきい値は、矢印Cで示したz=ax+c(cは定数)で表される一次関数として設定される。基準値及びしきい値の設定は、図1に示した設定部40で実行される。
 図8Aの(a)に示すように、検査領域Pにおいて、x方向に並ぶ画素列に沿った経路R(i=1,2,3,・・・)毎に、画素毎の高さを順次積算することにより、検査領域Pにおける傾斜面Sの表面形状を推定する。表面形状の推定は、図1に示した推定部30で実行される。
 図8Cの矢印Mで示したグラフは、推定した表面形状を示す。図8Cに示すように、推定部30で推定した表面形状と、設定部40で設定したしきい値(矢印B、Cで示したグラフ)とを比較することにより、物品200の表面形状の良否を判定することができる。良否の判定は、図1に示した判定部50で実行される。
 検査システムでは、各画素における輝度値に基づいて算出された画素毎の高さを順次積算することにより推定された物品200の表面形状を、物品200の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値に対して設定したしきい値と比較することによって、物品200の面全体における表面形状の良否を簡単に判定することができる。これにより、物品の面全体における表面形状を、短いタクトタイムで検査することが可能となる。
 以上のように、本実施形態の検査システム100は、物品200に検査光を照射する照明装置10と、検査光が照射された物品200からの反射光を、複数の画素を有する撮像素子で受光して、物品200の表面を撮像する撮像装置20と、撮像素子で撮像された画像の各画素における輝度値または濃淡値に基づいて、画素毎に物品200の表面の傾きを検出するとともに、検出された画素毎の傾き及び画素の幅から算出した画素毎の高さを順次積算することにより、物品200の高さ情報を含む表面形状を推定する推定部30と、物品200の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値、及び基準値に対して、物品200の表面形状の良否を判定するしきい値を設定する設定部40と、表面形状と、しきい値とを比較して、物品200の表面形状の良否を判定する判定部50とを備える。
 これにより、物品の面全体を、短いタクトタイムで検査することを可能とする検査システムを提供することができる。
 本実施形態では、繰り返し計算による最適化問題を解かずに、物品200の表面形状を推定することができる。このため、物品の面全体における表面形状を、短いタクトタイムで検査することが可能となる。
 本実施形態では、物品の表面形状において、高さ方向の変化が同じ検査領域を抽出し、当該検査領域において、共通の基準値及びしきい値を設定することによって、検査領域の場所毎にしきい値を設定する必要がなくなる。このため、物品200の面全体における表面形状を良否判定する処理時間を短縮することができる。
 本実施形態では、物品200の表面形状を推定する際、画素毎の高さの積算を、画素列の経路毎に独立に実行する。これによって、物品200の面全体における表面形状を推定する処理時間を短縮することができる。
 本実施形態では、物品200の高さ情報を含む表面形状を、物品の設計情報に基づいてモデル化する。これによって、共通の基準値及びしきい値を容易に設定することができる。
 (実施形態2)
 図9A~図9Cを参照しながら、本開示の検査システムにおける他の実施形態を説明する。図9A~図9Cは、実施形態2における検査システムを説明する図である。ここで、図9Aの(a)は、物品200の平面図を示す。図9Aの(b)は、物品200の表面形状を示す。
 物品200の表面形状において、高さ方向の変化が同じ検査領域を抽出する。具体的には、図9Aの(a)及び(b)に示すように、x方向において、一定の高さ方向の変化を有する曲面Sを検査領域Pとして選択する。
 選択した検査領域Pにおいて、物品200の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値、及びこの基準値に対して、物品200の表面形状の良否を判定するしきい値を設定する。具体的には、曲面Sは、x方向において、一定の高さ方向の変化を有する。このため、曲面Sをモデル化した基準値は、図9Bに示すように、矢印Aで示したz=f(x)で表される関数として設定される。設定した基準値に対して、物品200の表面形状の良否を判定するしきい値として、図9Bに示すように、上限のしきい値は、矢印Bで示したz=f(x)+b(bは定数)で表される関数として設定される。下限のしきい値は、矢印Cで示したz=f(x)+c(cは定数)で表される関数として設定される。
 図9Aの(a)に示すように、検査領域Pにおいて、x方向に並ぶ画素列に沿った経路R(i=1,2,3,・・・)毎に、画素毎の高さを順次積算する。これにより、検査領域Pにおける曲面Sの表面形状を推定する。
 図9Cの矢印Mで示したグラフは、推定した表面形状を示す。図9Cに示すように、推定部30で推定した表面形状と、設定部40で設定したしきい値(矢印B、Cで示したグラフ)とを比較することにより、物品200の表面形状の良否を判定することができる。
 (実施形態3)
 図10A~図10Cを参照しながら、本開示の検査システムにおける他の実施形態を説明する。図10A~図10Cは、実施形態3における検査システムを説明する図である。ここで、図10Aの(a)は、物品200の平面図を示す。図10Aの(b)は、物品200の表面形状を示す。
 図10Aの(a)及び(b)に示すように、物品200は、平面視で円形をなす。物品200の表面形状は、中心から径方向に向かって、放射状に一定の高さ方向に変化する曲面Sをなす。
 曲面Sにおいて、物品200の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値、及びこの基準値に対して、物品200の表面形状の良否を判定するしきい値を設定する。具体的には、曲面Sは、径方向において、一定の高さ方向の変化を有するため、曲面Sをモデル化した基準値は、図10Bに示すように、矢印Aで示したz=g(r)で表される関数として設定される。ここで、rは径方向、zは高さ方向を示す。設定した基準値に対して、物品200の表面形状の良否を判定するしきい値として、図10Bに示すように、上限のしきい値は、矢印Bで示したz=g(r)+b(bは定数)で表される関数として設定される。下限のしきい値は、矢印Cで示したz=g(r)+c(cは定数)で表される関数として設定される。
 図10Aの(a)に示すように、中心から径方向に並ぶ画素列に沿った経路R(i=1,2,3,・・・)毎に、画素毎の高さを順次積算することにより、曲面Sの面全体における表面形状を推定する。
 図10Cは、推定した表面形状を、矢印Mで示すグラフとして表示する図である。図10Cに示すように、推定部30で推定した表面形状と、設定部40で設定したしきい値(矢印B、Cで示したグラフ)とを比較することにより、物品200の表面形状の良否を判定することができる。
 以上、本開示を好適な実施形態により説明した。しかし、こうした記述は限定事項ではなく、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態において、物品200の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値を、関数で設定した例を説明した。しかし、関数で表すことが難しい場合には、図11に示すように、矢印Aで示すような点群で設定してもよい。図11は、物品の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値(点群)及びしきい値を示す図である。この場合でも、物品200の表面形状の良否を判定する上限及び下限のしきい値は、矢印B、Cに示すように、点群による基準値に対して設定すればよい。
 上記実施形態では、物品の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値を、物品200の表面形状を形成する設計情報に基づいて設定する。しかし、良品な物品200の表面形状を計測して得られたデータに基づいて設定してもよい。
 上記実施形態では、検査領域内で、一定方向(x方向、径方向)に並ぶ画素列に沿った経路毎に、画素毎の高さを順次積算することによって、物品200の面全体における表面形状を推定する。しかし、ループの存在しない画素の経路毎に、画素毎の高さを順次積算してもよい。ここで、ループの存在しない画素の経路とは、経路内において同じ画素を2度以上通らない経路を言う。
 上記実施形態では、照明装置として、図2A、図3に示したように、検査光が、物品200の表面の各点において同じ照射立体角ISを有するように照射する光学系を備えた照明装置を採用する。しかし、これに限定されず、例えば、分割発光照明を用いたフォトメトリックステレオ法よる光学系を備えた照明装置を用いてもよい。
 いずれの照明装置を採用しても、推定部では、撮像装置20における撮像素子の撮像面に対する物品200からの反射光の光軸の変化を、撮像素子で撮像された画像の各画素における輝度値または濃淡値の変化として検知する。これによって、画素毎に物品200の表面の傾きを推定することができる。
 本開示の技術は、外観検査に用いられる照明装置として、有用である。
  10   照明装置
  11   面光源
  12   カラーフィルター
  13   レンズ
  14   ハーフミラー
  20   撮像装置
  30   推定部
  40   設定部
  50   判定部
  60   支持台
  100  検査システム
  200  物品

Claims (6)

  1.  物品に検査光を照射する照明装置と、
     前記検査光が照射された前記物品からの反射光を、複数の画素を有する撮像素子で受光して、前記物品の表面を撮像する撮像装置と、
     前記撮像素子で撮像された画像の各画素における輝度値または濃淡値に基づいて、前記画素毎に前記物品の表面の傾きを検出するとともに、検出された前記画素毎の傾き及び前記画素の幅から算出した前記画素毎の高さを順次積算することにより、前記物品の高さ情報を含む表面形状を推定する推定部と、
     前記物品の高さ情報を含む表面形状をモデル化した基準値、及び前記基準値に対して、前記物品の表面形状の良否を判定するしきい値を設定する設定部と、
     前記表面形状と、前記しきい値とを比較して、前記物品の表面形状の良否を判定する判定部と
     を備える、検査システム。
  2.  前記設定部は、前記物品の前記表面形状において、高さ方向の変化が同じ検査領域を抽出し、前記検査領域において、共通の前記基準値及び前記しきい値を設定する、請求項1に記載の検査システム。
  3.  前記推定部において、前記画素毎の高さの積算は、ループの存在しない前記画素の経路毎に独立に実行される、請求項1に記載の検査システム。
  4.  前記物品の前記表面形状は、設計情報に基づいて形成されたものであり、
     前記設定部において、前記基準値は、前記設計情報に基づいて設定される、請求項1に記載の検査システム。
  5.  前記モデル化した基準値は、関数または点群で設定される、請求項1に記載の検査システム。
  6.  前記推定部は、前記撮像装置における前記撮像素子の撮像面に対する、前記物品からの前記反射光の光軸の変化を、前記撮像素子で撮像された前記画像の前記各画素における前記輝度値または前記濃淡値の変化として検知することによって、前記画素毎に前記物品の前記表面の前記傾きを推定する、請求項1に記載の検査システム。
PCT/JP2023/037804 2022-11-28 2023-10-19 検査システム WO2024116634A1 (ja)

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