JP2009264332A - 燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料噴射装置において、燃焼騒音の低減をするとともに、排気を改善することを課題とする。
【解決手段】燃料噴射装置(1)は、燃料噴霧を噴射する噴孔(2c)が穿設された燃料噴射弁(2)と、燃料噴射弁(2)の噴射量及び噴射時期を制御するECU(8)とを備え、このECU(8)は、燃料を複数回に分割して噴射させ、噴射量が増加する過程にあるときに、分割した各噴射のそれぞれの噴射量を増加させるとともに、各噴射のインターバルを拡大させる。これにより、予混合燃焼する燃料を増加し、燃焼室内の空気の利用率を向上させて、急速な燃焼の進行を抑制し、燃焼騒音の低減とNOx、CO、スモークの発生を抑制することができる。
【選択図】図1
【解決手段】燃料噴射装置(1)は、燃料噴霧を噴射する噴孔(2c)が穿設された燃料噴射弁(2)と、燃料噴射弁(2)の噴射量及び噴射時期を制御するECU(8)とを備え、このECU(8)は、燃料を複数回に分割して噴射させ、噴射量が増加する過程にあるときに、分割した各噴射のそれぞれの噴射量を増加させるとともに、各噴射のインターバルを拡大させる。これにより、予混合燃焼する燃料を増加し、燃焼室内の空気の利用率を向上させて、急速な燃焼の進行を抑制し、燃焼騒音の低減とNOx、CO、スモークの発生を抑制することができる。
【選択図】図1
Description
予混合燃焼運転と拡散燃焼運転とを行うディーゼルエンジンの燃料噴射装置に関する。
ディーゼルエンジンは、シリンダ内が高温、高圧となるピストンの上死点付近で、シリンダ内へ燃料を噴射する構成となっている。シリンダ内へ噴射された燃料は、燃料の噴射が継続されている間に着火し、火炎を形成する。このような火炎が形成されると、後続の燃料が火炎に供給されて燃焼が継続される。このような燃料の噴射中に燃料の燃焼が開始される燃焼形態は、拡散燃焼と称されている。この拡散燃焼は、燃料の噴射中に燃焼が起こるため、燃料と空気が十分混合される前に燃焼が進行し、CO、スモーク等が発生する。
一方、このような拡散燃焼に対して、燃料の噴射を燃料の着火前に終了する予混合燃焼が提案されている。拡散燃焼では、燃焼により生成されるNOxやスモーク等の低減に限界があるが、予混合燃焼は、このようなNOxやスモークの発生を低減することができる。予混合燃焼では、燃料の噴射中に燃料が着火しないため、燃焼室内へ噴射された燃料は空気と混合し、予混合気が生成される。この予混合気は、着火までに充分に希薄、均一化されるため、局所的な燃焼温度が下がりNOx排出量が低減され、空気不足によるスモーク発生も抑制される。
ところが、予混合燃焼は、燃料噴射終了後にある程度混合時間を確保して初めて成立する燃焼形態であり、筒内の温度が低く、燃料噴射中に着火しないことが要求される。少なくとも現状では、予混合燃焼は低負荷領域という限られた運転領域でしか行うことができない。従って、高負荷領域では通常の拡散燃焼を行う必要があり、エンジンの運転状態に応じてこれら予混合燃焼と拡散燃焼とを切り替える必要がある。そしてこの切り替えを好適に行わないと燃焼騒音やトルク変動が発生してしまう。このような予混合燃焼と拡散燃焼との切り替え時には、燃焼騒音の増加や音色の変化が生じるが、このような課題を解決し、燃焼形態の切り替えをスムーズに行うディーゼルエンジンの制御装置が特許文献1に開示されている。
ところで、エンジンの筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁の噴孔径が小径であると、噴霧の粒径が小さくなるため、噴霧の微粒化、蒸発が促進される。一方、噴霧の粒径が小さくなることにより、噴霧の貫徹力は弱くなる。このため、燃料が筒内の広範囲に拡散せず、ノズル近傍において濃度が高く、シリンダ外周側で濃度が低い燃料の分布が形成されることになる。このため、燃料濃度の高い領域においてリッチな燃焼が生じ、COやスモーク排出量が増加することが考えられる。さらに、燃料噴霧の粒径が小さくなると、従来の予混合燃焼運転から拡散燃焼運転への切り替えを行う技術では、燃焼騒音を減少させることができても、NOxやスモークの排出量の増加、音色の大きな変化を避けることができない。
そこで、本発明は、燃料噴射装置において、燃焼騒音の低減をするとともに、排気を改善することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明の燃料噴射装置は、燃料を噴射する噴孔が穿設された燃料噴射弁と、前記燃料噴射弁の噴射量及び噴射時期を制御する制御手段とを備え、当該制御手段は、燃料を2回に分割して噴射させ、噴射量が増加過程にあるときに、1回目の噴射の噴射量及び2回目の噴射の噴射量を増加させるとともに、1回目の噴射と2回目の噴射とのインターバルを拡大させることを特徴とする(請求項1)。このような構成とすることにより、燃料噴射装置は、例えば、1回目の燃料噴射による燃料を予混合燃焼させ、2回目の燃料噴射による燃料を拡散燃焼させることができる。これにより、1回目の噴射燃料が希薄になり、噴射量を増加させても騒音が大きくならないため、予混合燃焼する燃料を増加し、燃焼室内の空気の利用率を向上させることができる。さらに、1回目の噴射時期と2回目の噴射時期とのインターバルを拡大させることにより、1回目の噴射による燃焼で発生するHC、COは、2回目の燃料噴射による燃料とともに燃焼させることができる。このように、本発明の燃料噴射装置は、燃焼騒音の低減及び排気を改善することができる。
本発明の燃料噴射装置は、噴射する燃焼を分割したことにより、燃料と空気との混合を促進し、燃焼室内の空気利用率を向上する。さらに、エンジンの負荷が増加するとともに、噴射量を増加することにより噴霧の貫徹力を高め、噴射と噴射とのインターバルを拡張することにより先に噴射された噴霧と後に噴射された噴霧との燃焼室内における位置的な間隔を広げる。これにより、空気との混合を容易にし、燃焼室内の全域に亘って、理想的な空燃比に近い状態で燃焼を起こすことができる。また、従来、エンジンが低負荷状態から高負荷状態へ移行する際に、高負荷において燃焼の困難な予混合燃焼から拡散燃焼への切り替えが行われている。このような切り替えが行われることにより、燃焼による音色の変化が生じていた。本発明では、噴射を複数回に分割したことにより、明確な切り替えを行うことなく、高負荷状態に対応する噴射形態とすることができる。これにより、燃焼形態の切り替えによる騒音増加、音色の変化を抑制することができる。
また、このような燃料噴射装置は、従来の燃料噴射弁よりも小径の噴孔が穿設された燃料噴射弁を備える構成とすることができる。このような直径の噴孔から噴射される燃料の噴霧は、粒径が小さいため、拡散、混合が容易に行われる。一方、このような小径の噴孔からの噴霧は、貫徹力が低く、噴射から着火までの時間が短い場合、噴孔付近の領域で燃料がリッチな状態となる。このように、燃料がリッチな状態で燃焼する場合、燃焼が急速に進行し、排気が悪化する。これに対し、本発明のような噴射を分割する燃料噴射装置は、分割した噴射によるそれぞれの噴霧が形成する混合気が燃焼室内で占める領域が異なる。このため、燃焼室内の一部の領域に噴霧が集中することが避けられ、燃焼室内の空気を効率よく利用することができる。これにより、予混合燃焼が実現できるので、この結果、燃焼騒音を低下し、NOx、CO、スモークの発生を抑制することができる。
このような燃料噴射装置において、前記制御手段は、噴射量が増加過程にあるときに、1回目の噴射の噴射時期を進角することにより、1回目の噴射と2回目の噴射とのインターバルを拡大させる構成とすることができる(請求項2)。このような構成とすることにより、1回目の噴射による噴霧の位置を噴射弁から遠ざけ、1回目の噴射による噴霧と2回目の噴射による噴霧が重畳することを回避することができる。これにより、燃焼室内の空気の利用率を向上することができる。この結果、1回目の噴射の急速な燃焼の進行が抑制され、燃焼騒音の低下、2回目の噴射からのNOx、CO、スモークの発生が抑制される。
さらに、このような燃料噴射装置において、前記制御手段は、噴射量が増加過程にあるときに、1回目の噴射の噴射時期を進角することにより、1回目の噴射と2回目の噴射とのインターバルを拡大させるとともに、1回目の噴射の噴射量が、予混合燃焼を成立させる噴射量の範囲を超える場合、2回目の噴射の噴射量のみを増加させる構成とすることができる(請求項3)。このような構成とすることにより、可能な限り多くの燃料を予混合燃焼によって、燃焼させることができる。これにより、拡散燃焼する燃料を減らし、1回目の噴射のNOx、CO、スモークの発生を抑制することができる。
本発明の燃料噴射装置において、前記制御手段は、TDC以前に2回目の噴射を終了することができる(請求項4)。また、このような燃料噴射装置において、前記制御手段は、TDCを含む期間に2回目の噴射を行うことができる(請求項5)。さらに、前記制御手段は、TDC以後に2回目の噴射を開始することができる(請求項6)。本発明の燃料噴射装置は、噴射を分割することにより、噴霧の気化、混合が容易となり、着火遅れを短くすることができる。このため、TDC付近で噴射した燃料は、速やかに着火することができる。
また、このような燃料噴射装置において、前記制御手段は、1回目の噴射の燃料噴射量を、2回目の噴射の燃料噴射量よりも多量とすることができる(請求項7)。このような構成とすることにより、2回目の噴射の噴射量を減少することができる。これにより、拡散燃焼する燃料を減らし、NOx、CO、スモークの発生を抑制することができる。
本発明の燃料噴射装置は、シリンダ内にEGRガスを還流し、シリンダ内の外周側にEGRガスを偏在させる排気偏在手段を備えた構成とすることができる(請求項8)。このような構成とすることにより、スモークの発生を抑制し、排気を改善することができる。本発明の燃料噴射装置では、着火以前に噴射された燃料噴霧は、燃焼室内において噴射弁からシリンダ壁へ向かって拡散する。この拡散した燃料はシリンダ内の外周部に偏在するEGRガスと混合する。燃料は、EGRガスと混合することにより燃焼が緩慢になるため、燃焼騒音を低下することができる。さらに、このように燃焼が緩慢になるため、着火以前の噴射、すなわち、予混合燃焼となる時期における噴射量を増加することができる。これにより、着火後の燃焼中に噴射していた燃料の一部を着火前の予混合時に噴射することができる。このように、予混合燃焼する燃料を増加することができる。この結果、拡散燃焼時の燃焼の急速な進行を低減し、NOx、CO、スモークの発生を抑制することができる。
また、燃料噴射装置において、シリンダ内にEGRガスを還流させる排気還流手段と、燃焼騒音を検出する検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記検出手段により検出される燃焼騒音に基づき、実EGR量と目標EGR量との差分を算出し、算出した実EGR量と目標EGR量との差分に基づき、予混合燃焼運転における噴射量および噴射時期を決定することができる(請求項9)。このような構成とすることにより、EGRガスの量が変動し、燃焼騒音が変化する場合、予混合燃焼に寄与する噴射燃料の噴射量を調節し、燃焼の速度を調整する。これにより、急速な燃焼の進行を抑制することができるので、燃焼騒音を抑制することができる。また、燃焼の速度を緩慢にするためにEGRガスを導入することがあるが、過剰なEGRガスの導入により、失火のおそれがある。このように、進角することで、燃焼の速度を調整することにより、過剰なEGRガスの導入を抑制でき、失火を防ぐことができる。
本発明は、ディーゼルエンジンにおける燃料の燃焼が急速に進行することを抑制することにより、燃焼騒音を低減し、NOx、CO、スモークの排出を改善することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の燃料噴射装置1の概略構成を示した説明図である。図2は、燃料噴射装置1が備える燃料噴射弁2の先端部を断面にして示した説明図である。燃料噴射装置1は、燃料噴射弁2、コモンレール3、フューエルポンプ4、燃料タンク5を備えている。燃料噴射弁2は、図2に示すように、先端に燃料噴霧を噴射する噴孔が穿設されている。燃料噴射弁2は、ノズルボディ2aと弁体2bを備えている。ノズルボディ2aには、比較例の噴孔よりも小さな噴孔径dの噴孔2cが形成されている。ノズルボディ2a内に配置された弁体2bが軸方向に移動することにより、噴孔2cが開口し、燃料が燃焼室6内へ噴射される。このように噴射される燃料は、瞬間的に噴霧が拡散し、空気と混合する。コモンレール3は、高圧状態に燃料を蓄圧し、燃料噴射弁2へ高圧燃料を供給する。また、このコモンレール3には、レール圧センサ3aが装着されている。フューエルポンプ4は、燃料タンク5内の燃料をコモンレール3へ供給する。また、燃料噴射装置1は、燃焼室6内の圧力を検出する圧力センサ7を備えている。さらに、燃料噴射装置1は、ECU(Electronic Control Unit)8と駆動ユニット9とを備えている。ECU8は、レール圧センサ3aにより取得されるコモンレール3内の燃料の圧力情報や圧力センサ7により取得される燃焼室6内の圧力情報を取得し、これらの情報に基づいて、運転状態に適したフィードバック制御を行う。ECU8と駆動ユニット9とは電気的に接続されて、情報の通信を可能にしている。駆動ユニット9は、ECU8から送信される信号に基づいて、燃料噴射弁2の燃料の噴射を制御している。ここでは、ECU8は、本発明の制御手段に相当し、燃料噴射装置1の燃料の噴射状態を制御する。さらに、燃料噴射装置1は、排気の一部をEGRガスとして取り出して吸気通路に導入する排気還流装置10を備えている。排気還流装置10は、本発明の排気還流手段に相当し、ECU8の指令に従って、吸気通路へEGRガスを還流する。なお、燃料噴射弁2の噴孔の数は、エンジンの大きさに合わせて変更することができる。
次に、本発明の燃料噴射装置1の燃料の噴射状態について説明する。まず、エンジンが低負荷で運転される場合の燃料噴射装置1の噴射時期について、比較例の燃料噴射装置の場合と対比しつつ説明する。図3及び図4は、エンジンが低負荷で運転している場合における燃料の噴射のタイミングと噴射による燃焼の熱発生率とを示した説明図である。図3は、比較例の燃料噴射装置による噴射タイミング及び熱発生率の関係を示し、図4は、本発明の燃料噴射装置1による噴射タイミング及び熱発生率の関係を示している。比較例の燃料噴射装置は、エンジンが低負荷で運転している場合、予混合燃焼が可能となるタイミングで、燃焼に寄与する燃料の全量を一度に噴射する。一方、燃料噴射装置1は、燃焼に寄与する燃料を2回に分割して噴射する。この場合、1回目の噴射は予混合燃焼が可能となるタイミングで行われる。2回目の噴射も予混合燃焼が可能となるタイミングで、かつ、TDCの直前で行われ、TDC以前に噴射が終了する。
予混合燃焼では、燃料の噴射が終了した後に燃焼が生じるため、熱発生率を示すグラフは、噴射終了後に上昇する。図4に示したように、燃料を2回に分割して噴射する場合、熱発生率はグラフ上において二つの山を形成する。一つ目の山は1回目に噴射した燃料の燃焼による熱発生率を示し、二つ目の山は2回目に噴射した燃料の燃焼による熱発生率を示している。このような熱発生率の山の立ち上がる以前に燃料の噴射が完了している。本実施例では、噴射を開始する当初、1回目の噴射における噴射量が総噴射量の60%、2回目の噴射における噴射量が総噴射量の40%に設定されている。
次に、燃料噴射装置1の噴霧の状態について、比較例の燃料噴射装置の場合と比較しつつ説明する。図5及び図6は、図3及び図4に示したタイミングで燃料を噴射した場合の燃焼室6内における燃焼直前の混合気の分布の状態であって、燃焼室6内を燃料噴射弁2側から見た状態を示した説明図である。図5は図3の場合、すなわち、比較例の燃料噴射装置における混合気の分布の状態を示し、図6は図4の場合、すなわち、本発明の燃料噴射装置1における混合気の分布の状態を示した説明図である。
予混合燃焼を行う場合、比較例の燃料噴射装置では、噴射された燃料の微粒化、霧化にある程度の時間が必要なため、着火が開始するよりも早期に燃料を噴射しておく必要がある。本発明の燃料噴射装置1は、小径の噴孔2cを備えているため、比較例の燃料噴射装置と比較して、粒径の小さな燃料噴霧を噴射する。このため、短時間で燃料の噴霧を微粒化、霧化することができる。しかし、その一方で、噴霧の貫徹力が小さく、燃焼室6内の広範囲に亘って、混合気を分布させることが困難である。このため、燃料噴射装置1は、噴射を2回に分割し、先の噴霧が燃焼室6内を拡散する間に、後の噴霧を形成する。これにより、1回目に噴射した燃料は、燃焼室6内の燃料噴射弁2から離れた領域まで到達し、図6に示すように燃焼室6内の空間に広範囲に亘って混合気を分布させる。また、燃料噴射弁2の噴霧は短時間で微粒化、霧化するため、2回目の噴射による燃料の気化、及び空気との混合が行われる。このため、1回目の噴射による燃料噴霧が燃焼室6内の外側、2回目の噴射による燃料噴霧が燃焼室6内の内側へ分布するので、燃焼室6内の空気の利用率が向上する。これにより、燃焼室6内の全域において、良好な空燃比の混合気が得られる。このように、燃料噴射装置1では、燃焼室6内は良好な空燃比が得られ、急速な燃焼の進行が抑制される。このため、騒音が低減され、スモークやCOの発生が抑制される。
次に、エンジンの負荷の増加に伴う燃料噴射装置1の噴射状態の移行について説明する。比較例の燃料噴射装置では、エンジンの運転状態が低負荷である場合に、早期に燃料を噴射し、予混合燃焼を行っている。このような状態から負荷が増加すると、燃料が空気と混合する前に着火が始まるため、予混合燃焼が困難となる。このため、エンジンの負荷が、予混合燃焼が困難となる状態まで増加した場合、燃料の噴射をTDC付近へ戻し、拡散燃焼を行っていた。この場合、予混合燃焼から拡散燃焼へ燃焼形態を切り替える際に燃焼によって発生する音色の変化が不快感を与えることがある。
一方、本発明の燃料噴射装置1は、比較例のような予混合燃焼から拡散燃焼へというような燃焼形態の明確な切り替えを行わない。図7は、燃料噴射装置1において、エンジンの異なる負荷の状態における燃料の噴射タイミングとその噴射による燃料噴霧の分布とを示した説明図である。図7(a1)、(b1)、(c1)、(d1)、(e1)は、エンジンの各負荷の状態における燃料の噴射タイミング及び噴射量を示し、図7(a1)から、(b1)、(c1)、(d1)、(e1)の順にエンジンの負荷が増加していく状態を示している。(b1)、(c1)、(d1)、(e1)の各図中の斜線で塗りつぶした部分は、増加した噴射量を示している。図7(a2)、(b2)、(c2)、(d2)、(e2)は、燃焼開始直前の燃料噴霧の形状を示し、(a2)は、図7(a1)の噴射タイミングによる噴霧形状を示し、(b2)は図7(b1)の、(c2)は図7(c1)の、(d2)は図7(d1)の、(e2)は図7(e1)の噴射タイミングによる噴霧形状を示している。
図7(a1)乃至(e1)に示すように、本実施例の燃料噴射装置1は、エンジンの負荷の増加に伴い、各噴射の噴射量、すなわち、1回目及び2回目の噴射のそれぞれにおける噴射量を増加させる。本実施例では、増加する燃料を等分し、そのそれぞれを1回目の噴射と2回目の噴射とに増加させる。但し、このような配分比率はエンジンの使用状態などで様々に変更することができる。また、エンジンの負荷の増加に伴い、1回目の噴射時期を進角させて、1回目の噴射と2回目の噴射とのインターバルを拡大させる。このような進角は、エンジンの負荷が増加するほど早期とする。このようなタイミング、噴射量とすることにより、エンジンの負荷が増加する場合の噴霧の分布は、エンジンが低負荷状態の場合に形成される噴霧の分布の形状をそのまま拡大した形状となる。
しかしながら、燃料噴射装置1は、1回目の噴射量が所定量を超える場合、2回目の噴射量のみを増加する。ここでの所定量は、予混合燃焼が可能となる閾値を示している。上述したように、エンジンの負荷の増加に伴い、1回目の噴射、2回目の噴射の両方の噴射量を増加し、1回目の噴射を進角する。しかしながら、1回目の噴射における噴射量がここでの所定量を超えると、予混合燃焼が困難となる。燃料噴射装置1は、1回目の噴射量がこのような所定量を超える場合には、1回目の噴射量をこのような上限の最大量Qm、1回目の噴射の進角をこの場合の進角θmとする。そして、1回目の噴射として計算された噴射量のうち最大量Qmを超える残りの燃料は、2回目の噴射時に噴射する。図7(d1)、(e1)にこのような場合の噴射タイミングを示している。
このように燃料噴射装置1による燃料噴射は、エンジンの負荷が増加しても、燃焼形態が急激に変わることがない。このため、燃焼騒音による音色の変化が抑制されている。
また、燃料噴射装置1は、エンジンの負荷が増加すると噴射タイミングを早めるため、噴霧がシリンダ壁側へ拡散する。このため、図7に示すように、負荷が増加するほど、燃焼室6内の噴霧の分布範囲が拡大する。これにより、燃料と空気とが混合しやすくなり、空気の利用率が向上する。燃料噴射装置1は、噴射を分割して早期噴射による予混合燃焼を行うことにより、拡散燃焼する燃料を減少させ、燃焼の急速な進行を抑制し、燃焼騒音の低減、NOx、CO、スモークの改善を図っている。
さらに、燃料噴射装置1は、従来から行われているように、EGRガスの導入により、燃焼速度の進行速度を抑制することができるが、このような噴射量の増加、噴射のインターバルの拡大とともに、EGR率を減少させることができる。このように、燃料噴射装置1は、EGR率を減少させるため、エンジンの失火を抑制することができる。
また、燃料噴射装置1は、従来の燃料噴射装置と比較して、未燃損失を低減する。未燃損失とは、未燃燃料と不完全燃焼の燃料とが完全燃焼した際の発熱量を示す。図8は、本発明の燃料噴射装置1における未燃損失と従来の燃料噴射装置における未燃損失とを比較して示した説明図である。未燃燃料は少ないほど、理想的な燃焼が行われていると考えられる。図8に示すように、本発明の燃料噴射装置1は、従来の燃料噴射装置と比較して約30%ほどの未燃損失を低減することができ、燃費を改善することができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例の燃料噴射装置は、実施例1の燃料噴射装置1と同様の構成をしている。本実施例は、1回目の噴射と2回目の噴射との燃料の配分が実施例1の燃料噴射装置1と異なっている。なお、本実施例の燃料噴射装置の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9は、本実施例の燃料噴射装置1による燃料の噴射タイミングと熱発生効率とを示した説明図である。図9に示すように、燃料噴射装置1は、1回目の噴射の噴射量を、2回目の噴射の噴射量よりも多量としている。エンジンの負荷が増加した場合、2回目の噴射は拡散燃焼となる。すなわち、燃料噴射装置1は、拡散燃焼となる燃料を減少させ、予混合燃焼となる燃料を増加している。これにより、燃焼の急速な進行を抑制し、燃焼騒音を抑制し、NOx、CO、スモークの発生を抑制している。また、このように拡散燃焼となる燃料を減少し、予混合燃焼となる燃料を増加することにより、TDC付近での噴射量が多くなり、サイクル効率が向上し、燃費を改善する。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例の燃料噴射装置は、実施例1の燃料噴射装置1と同様の構成をしている。本実施例は、燃焼騒音を検出し、検出した燃焼騒音に基づき決定した噴射量および噴射時期の噴射を行う。なお、燃料の噴射形態は、実施例1と同様に1サイクルにおける噴射燃料を2回に分割し、噴射が行われる。また、本実施例の燃料噴射装置の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施例の燃料噴射装置1は吸気管へ還流させるEGR量を制御することにより、燃焼速度を調整し、燃焼騒音の低減を図っている。しかし、燃料噴射装置1は、EGRガスの燃焼室6内への到達が遅れることにより、燃焼速度の制御が困難となる場合がある。そこで、燃焼噴射装置1は、1回目の噴射における噴射量および噴射時期を調節し、燃焼速度の制御を行う。具体的には、本発明の燃焼騒音を検出する検出手段により、検出される実燃焼騒音に基づき、実EGR量と目標EGR量との差分を算出し、算出された実EGR量と目標EGR量との差分に基づき、1回目の噴射の噴射量及び噴射時期を決定する。燃料噴射装置1は、決定した噴射量及び噴射時期の噴射を行い、燃焼速度を制御する。以下、詳細をECU8による制御の処理手順とともに説明する。また、検出手段は、圧力センサ7とECU8とにより構成されている。図10は、ECU8の制御の一例を示したフローチャートである。
ECU8は、ステップS1において、エンジンの回転数及び負荷等のエンジン運転条件を読み込み、燃料噴射弁2による1回目の噴射量及び噴射時期を算出し、内部に組み込まれたメモリに記憶する。次に、ECU8は、ステップS2において、圧力センサ7から燃焼室6内の圧力を計測し、実燃焼騒音を算出する。ECU8は、ステップS2の処理を終えるとステップS3へ進む。
ECU8は、ステップS3において、ステップS2で算出した実燃焼騒音と、予め設定されている目標燃焼騒音との差分を算出する。ここで、目標燃焼騒音とは、EGRガスを導入することによって低下させる燃焼騒音の目標となる値である。次に、ECU8はステップS4において、目標燃焼騒音と実燃焼騒音との差分から目標EGR量と実EGR量の差分ΔVを算出する。ここで、目標EGR量とは、目標燃焼騒音とするために必要なEGR量である。また、差分ΔVは、実EGR量から目標EGR量を減じた差を示すものとする。ECU8は、ステップS4の処理を終えるとステップS5へ進む。
ECU8は、ステップS5において、目標EGR量と実EGR量の差分ΔVが許容範囲以下であるか否かを判断する。ECU8は、ステップS5において、YESと判断する場合、すなわち、目標EGR量と実EGR量の差分ΔVが許容範囲である場合、ステップS6へ進む。ここで、許容範囲は、実際の燃焼騒音と目標燃焼騒音との差分として許容される範囲から換算される目標EGR量と実EGR量との差分の範囲を示し、予めECU8に設定されている。
ECU8はステップS6で、ECU8のメモリに保存された情報に基づき、噴射を実行する。ECU8は、ステップS6の処理を終えると、リターンする。
一方、ECU8は、ステップS5において、NOと判断する場合、すなわち、目標EGR量と実EGR量の差分ΔVが許容範囲内でない場合、ステップS7へ進む。
ここで、目標EGR量と実EGR量の差分ΔVが許容範囲を超える場合であって、実燃焼騒音が目標燃焼騒音よりも大きいと判断される場合、燃焼室内へ導入される実EGR量が目標EGR量よりも少量であると推定される。このような場合、ECU8は、燃焼を緩慢にするように燃料の噴射量、噴射時期を制御する。一方、実燃焼騒音が目標燃焼騒音よりも小さいと判断される場合、実EGR量が目標EGR量よりも多量であると推定される。このような場合、ECU8は、燃焼を促進させるように燃料の噴射量、噴射時期を制御する。このような判断及び措置が以下の処理手順において行われる。
ECU8は、ステップS7において、実EGR量が目標EGR量を超えるか否かを判断する。ECU8は、ステップS7において、YESと判断する場合、すなわち、実EGR量が目標EGR量を超える場合、ステップS8へ進む。
ECU8は、ステップS8において、実EGR量と目標EGR量との差分からECU8が予め備えるマップに基づいて噴射量の補正値、及び噴射時期の補正値を算出する。図11はこのようなマップの一例を示した説明図である。なお、図11のマップ中、実線は、噴射量の補正値について示し、破線は噴射時期の補正値について示している。次に、ECU8は、ステップS9において、ステップS8において算出した噴射量の補正値、及び噴射時期の補正値に基づき、メモリに保存した噴射量及び噴射時期を更新する。このステップS8における補正は、噴射量を増加する補正と噴射時期を遅角する補正である。ECU8は、ステップS9の処理を終えると、ステップS6へ進み、ステップS8で更新した情報に基づき、噴射を実行する。
ところで、ECU8は、ステップS7において、NOと判断する場合、すなわち、実EGR量が目標EGR量以下の場合、ステップS10へ進む。ECU8は、ステップS10において、図11に示すマップに基づいて、噴射量の補正値、及び噴射時期の補正値を算出する。次に、ECU8は、ステップS11において、ステップS10において算出した噴射量の補正値、及び噴射時期の補正値に基づき、保存した噴射量及び噴射時期を更新する。このステップS10における補正は、噴射量を減少する補正と噴射時期を進角する補正である。ECU8は、ステップS8の処理を終えると、ステップS6へ進み、ステップS11で更新した情報に基づき、噴射を実行する。
燃料噴射装置1において、EGRガス量が不足する場合、噴射された燃料の燃焼は過早着火となり、燃焼騒音が大きくなる。このような場合には、噴射時期を進角することにより、噴射による噴霧をより希薄な状態にし、燃焼を緩慢にする。これにより、燃焼騒音を抑制する。一方、EGRガスが過剰な場合、燃焼が不安定になり失火することがある。そのため、噴射時期を遅角することにより、噴射の混合気を濃密な状態にし、後に続く2回目の噴射の燃焼を安定させる。
以上のように、燃料噴射装置1は、燃料を分割して噴射することにより、燃料と空気との混合を促進し、燃焼の急速な進行を抑制する。これにより、燃焼騒音を低減し、CO、スモークの発生を抑制している。なお、燃焼噴射装置1は、圧力センサ7に代えて、燃焼室6内の圧力変動を感知するような計測器、例えば、Gセンサなどを備えることができる。また、燃料噴射装置1は、燃焼騒音に対する措置として、噴射時期のみを変更するような処理を行うことができる。
次に、本発明の実施例4について説明する。図12は、本実施例の燃料噴射装置に含まれる排気偏在装置20を示した説明図である。本実施例の燃料噴射装置は、実施例1の燃料噴射装置1と同様の構成をしている。排気偏在装置20は、本発明の排気偏在手段の一例である。排気偏在装置20は、一般的な燃料噴射装置に装着されて機能を奏するものである。
排気偏在装置20は、シリンダ23一つに対して、二つの吸気ポート21、22を備えている。一方の吸気ポート21は、シリンダ23内へ空気を導く過程で、シリンダ23の内周面の接線方向に向かう接線流Stを生成し、かつシリンダ23の軸方向中心線CLと交差する面内を旋回しながら中心線CLの方向へ向かう旋回流Srを生成できるように構成されている。他方の吸気ポート22は、周知のヘリカルポートとして構成され、上記と同様の旋回流Srを生成し、主にシリンダ23内へ導かれる空気の流量を確保する。
また、排気偏在装置20は、排気マニホールド(図示しない)から取り出したEGRガスをシリンダ23へ導く排気還流通路25を備えている。排気還流通路25の入口側は、排気マニホールドに接続されている。図12に示すように、排気還流通路25の出口側は、二つの通路、上側分岐通路25aと下側分岐通路25bとに分岐されている。上側分岐通路25aは、吸気ポート21と吸気マニホールド32との間に介在する筒状のスペーサ26に形成された上側の開口部26aに接続される。下側分岐通路25bは、スペーサ26に形成され下側の開口部26bに接続される。すなわち、吸気ポート21の上側と下側とにEGRガスが導入される構成となっている。さらに、上側分岐通路25aには調整弁27が、下側分岐通路25bには調整弁28がそれぞれ設けられている。調整弁27、調整弁28は、開度を自在に変更してEGRガスの導入量を変化させることができる。
図13は、図12の矢示29の方向から見たスペーサ26の周囲を示した説明図である。上側分岐通路25aは矢示30で示すEGRガスを吸気ポート21の上側、つまり上層部21aへ導入する。このように導入されるEGRガスは、旋回流Srに混合し、シリンダ23へ導入される。一方、下側分岐通路25bは矢示31で示すEGRガスを吸気ポート21の下側、つまり下層側21bへ導入する。これにより、EGRガスは、吸気ポート21が生成する接線流Stに混合し、シリンダに導入される。調整弁27、調整弁28の開度を変更し、上側分岐通路25aへ導入するEGR量と下側分岐通路25bへ導入するEGR量との比率を調整することにより、シリンダ23内にEGRガスの濃度が半径方向に変化する濃度分布を形成することができる。特に、下側分岐通路25bへのEGRガスの導入量の比率が高いほど、吸気ポート21が生成する接線流StにEGRガスが混合する量が増加し、シリンダ23内の外周側に近い領域に高濃度のEGRガスを偏在させることができる。なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施例の燃料噴射装置は、燃焼に寄与する燃料を2回に分割して噴射する。この場合、1回目の噴射は予混合燃焼を可能とするタイミングで行われる。2回目の噴射は予混合燃焼の起こるタイミングで、TDCの直前で行われる。燃料噴射装置は、1回目の噴射における噴射量が総噴射量の60%、2回目の噴射における噴射量を総噴射量の40%で噴射する。本実施例では、実施例1と同様に、エンジンの運転負荷の増加に伴い、各噴射の噴射量、すなわち、1回目及び2回目の噴射のそれぞれにおける噴射量を増加させる。また、エンジンの負荷の増加に伴い、1回目の噴射時期を進角させて、1回目の噴射と2回目の噴射とのインターバルを拡大させる。このような進角は、エンジンの負荷が増加するほど早期となる。
図14は、このような噴射によるシリンダ23内における噴霧、及びEGRガスの分布の状態であって、燃料噴射弁2側から燃焼室6内を見た状態を示した説明図である。図14(a)は、比較例の排気還流装置を備えた燃料噴射装置における噴霧とEGRガスの分布とを示し、図14(b)は、本実施例の排気偏在装置20を備えた燃料噴射装置における噴霧とEGRガスの分布とを示した説明図である。
図14(a)に示すように、比較例の排気還流装置を備えた燃料噴射装置では、EGRガスは、シリンダ23内の広範囲に亘って拡散する。これに対し、図14(b)に示すように、本実施例の排気還流装置を備えた燃料噴射装置では、調整弁28、調整弁29の開度を調節することにより、EGRガスをシリンダ23内の外周側へ偏在させる。これにより、1回目の噴霧が形成する混合気は、EGRガスにより燃焼が緩慢になる。このように、燃焼が緩慢になるため、燃焼騒音を低減することができる。さらに、騒音が低減されることにより、許容される騒音の範囲内で、1回目の噴射の噴射量を増加することができ、2回目の噴射量を減少することができる。2回目の噴射はエンジンの高負荷運転時には拡散燃焼となり、CO、スモークが発生する。本実施例の燃料噴射装置は、高負荷運転時における2回目の噴射量を減少することにより、CO、スモークの発生を抑制する。また、このようにシリンダ内においてEGRガスを偏在させる場合もシリンダ内の平均の空燃比は比較例の場合と同等であり、安定した燃焼が行われ、安定した出力を得ることができる。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。例えば、燃料噴射装置は、噴射回数を3回以上に分割することもできる。このような燃料噴射装置は、燃料噴射量が増加過程にあるとき、最後の噴射(分割回数が3回ならば3回目の噴射、分割回数が5回ならば5回目の噴射)を除く各噴射(分割回数が3回ならば1回目の噴射と2回目の噴射、分割回数が5回ならば1乃至4回目の噴射)のそれぞれを進角することにより、各噴射のインターバルを拡大するとともに、最後の噴射を除く各噴射における噴射量をそれぞれ増加することができる。
1 燃料噴射装置
2 燃料噴射弁
2a ノズルボディ
2b 弁体
2c 噴孔
3 コモンレール
6 燃焼室
7 圧力センサ
8 ECU
9 駆動ユニット
10 排気還流装置
20 排気偏在装置
21 吸気ポート
22 吸気ポート
23 シリンダ
25 排気還流通路
25a 上側分岐通路
25b 下側分岐通路
26 スペーサ
27 調整弁
28 調整弁
St 接線流
Sr 旋回流
2 燃料噴射弁
2a ノズルボディ
2b 弁体
2c 噴孔
3 コモンレール
6 燃焼室
7 圧力センサ
8 ECU
9 駆動ユニット
10 排気還流装置
20 排気偏在装置
21 吸気ポート
22 吸気ポート
23 シリンダ
25 排気還流通路
25a 上側分岐通路
25b 下側分岐通路
26 スペーサ
27 調整弁
28 調整弁
St 接線流
Sr 旋回流
Claims (9)
- 燃料を噴射する噴孔が穿設された燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁の噴射量及び噴射時期を制御する制御手段とを備え、
当該制御手段は、燃料を2回に分割して噴射させ、噴射量が増加する過程にあるときに、1回目の噴射の噴射量及び2回目の噴射の噴射量を増加させるとともに、1回目の噴射と2回目の噴射とのインターバルを拡大させることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項1記載の燃料噴射装置において、
前記制御手段は、噴射量が増加する過程にあるときに、1回目の噴射の噴射時期を進角することにより、1回目の噴射と2回目の噴射とのインターバルを拡大させることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項1記載の燃料噴射装置において、
前記制御手段は、噴射量が増加過程にあるときに、1回目の噴射の噴射時期を進角することにより、1回目の噴射と2回目の噴射とのインターバルを拡大させるとともに、
1回目の噴射の噴射量が、予混合燃焼を成立させる噴射量の範囲を超える場合、2回目の噴射の噴射量のみを増加させることを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項1記載の燃料噴射装置において、
前記制御手段は、TDC以前に2回目の噴射を終了することを特徴とした燃料噴射装置。 - 請求項1記載の燃料噴射装置において、
前記制御手段は、TDCを含む期間に2回目の噴射を行うことを特徴とした燃料噴射装置。 - 請求項1記載の燃料噴射装置において、
前記制御手段は、TDC以後に2回目の噴射を開始することを特徴とした燃料噴射装置。 - 請求項1記載の燃料噴射装置において、
前記制御手段は、1回目の噴射の燃料噴射量を、2回目の噴射の燃料噴射量よりも多量としたことを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項1記載の燃料噴射装置において、
シリンダ内にEGRガスを還流し、シリンダ内の外周側にEGRガスを偏在させる排気偏在手段を備えたことを特徴とする燃料噴射装置。 - 請求項1記載の燃料噴射装置において、
シリンダ内にEGRガスを還流させる排気還流手段と、
燃焼騒音を検出する検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記検出手段により検出される燃焼騒音に基づき、実EGR量と目標EGR量との差分を算出し、算出した実EGR量と目標EGR量との差分に基づき、予混合燃焼運転における噴射量および噴射時期を決定することを特徴とする燃料噴射装置。
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