JP2009264198A - エンジン及びエンジンの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両が走行状態、特に減速状態にある時に発生し易い過給器のコンプレッサのサージングを防止し、かつ、このコンプレッサの仕事によって得られるエネルギーを有効活用できるエンジン及びエンジンの制御方法を提供する。
【解決手段】過給器13を備えたエンジン10において、エンジン10の運転状態が前記過給器13のコンプレッサ13bがサージングを発生する可能性があるサージング領域に入ったか否かを判定するサージング判定手段と、吸気通路11内で過給された吸入空気の一部を逃がすための減圧タンク30と、該減圧タンク30と前記吸気通路11とを連結する減圧通路31を備えると共に、前記サージング判定手段が、エンジン10の運転状態が前記サージング領域に入ったと判定した場合に、前記減圧タンク30に前記吸気通路11内で過給された吸入空気の一部を逃がす制御を行う。
【選択図】図2
【解決手段】過給器13を備えたエンジン10において、エンジン10の運転状態が前記過給器13のコンプレッサ13bがサージングを発生する可能性があるサージング領域に入ったか否かを判定するサージング判定手段と、吸気通路11内で過給された吸入空気の一部を逃がすための減圧タンク30と、該減圧タンク30と前記吸気通路11とを連結する減圧通路31を備えると共に、前記サージング判定手段が、エンジン10の運転状態が前記サージング領域に入ったと判定した場合に、前記減圧タンク30に前記吸気通路11内で過給された吸入空気の一部を逃がす制御を行う。
【選択図】図2
Description
本発明は、吸気通路内の吸入空気の圧力を減少する減圧タンクを備えて、エンジンの過給器のコンプレッサのサージングを防止することができるエンジン及びエンジンの制御方法に関する。
図5に示すように、過給器付きエンジン10Xでは、排気通路12に設けられた過給器(ターボチャージャー)13のタービン13aを排気マニホールド12aから排出される排気ガスGで駆動し、吸気通路11に設けられた過給器13のコンプレッサ13bで、エアクリーナ14を通過した吸入空気Aを加圧し、その後インタークーラ15で冷却した後、吸気マニホールド11aに供給している。この過給で加圧された空気Asは、ピストンの吸排行程により、吸気通路11から排気ガスGとなって排気通路12に移動し、排気ガス後処理装置16で浄化された後大気中に放出される。
このコンプレッサ13bは、通常は、図4に示すサージング無し(実線A)のようにサージンライン(一点鎖線L)よりも下の領域で作動しているが、車両の走行状態によっては、特に減速しているような状態では、エンジン回転数が低下して、ピストンの吸排行程による空気Aの移動量が小さくなる。そのため、シリンダ内で必要とされる空気量よりも過給器13のコンプレッサ13bにより過給された空気量が多くなり、排気通路12に移動しきれなかった空気Aの一部が吸気通路11内に残ってしまうという現象が発生する。
その結果、吸気通路11内の圧力が高い状態となるので、その時の空気流量とのバランスにより、図4に示すように、コンプレッサ13bの作動点がコンプレッサ13bのサージライン(一点鎖線L)を超えてしまってサージングが発生するという問題がある。このサージングが発生すると、サージング有り(点線B)のように過給された空気の吹き返しが発生し、吸気流量が不安定になる上に、コンプレッサ13bが振動や熱で破損する可能性が生じる。
このサージングを防止するための一つの方法として、図5に示すように、コンプレッサ13bの下流側の吸気通路11と、タービン13aの上流側の排気通路12を連通するEGR通路17を備えた高圧EGRシステムのエンジン10Xにおいて、車両が減速状態にある時において、サージング判定手段によりサージングを引き起こす条件が満たされた場合に、EGR通路17にあるEGRバルブ18を開くことにより、吸気通路11内の過給された空気Asの一部を、ピストンの吸排行程とは別ラインのEGR通路17を経由して、通常のEGR制御時の流れF1とは逆方向の流れF2によって排気通路12に逃がして、これにより吸気通路11内の圧力を低下させて、コンプレッサ13bにおける圧力比を迅速に低下して、サージングを防止するターボチャージャ付きエンジンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この高圧EGRシステムを備えたエンジン10Xにおいては、吸気通路11内の圧力を低減するために、コンプレッサ13bによって過給された吸気通路11内の空気Asの一部を排気通路12に逃がすため、コンプレッサ13bの吸入空気Aを加圧する駆動仕事によるエネルギーの一部を無駄に捨てることになり、エネルギーの有効活用が出来ていないという問題がある。
また、一方、高圧EGRシステムを備えていない、図6に示すような、コンプレッサ13bの上流側の吸気通路11とタービン13aの下流側の排気通路12をEGR通路16Yで連結する低圧EGRシステムを備えたエンジン10Yでは、コンプレッサ13bの上流側の吸気通路11と排気通路12を連通する通路が無いため、上記のような方法でサージングを防止することができないという問題がある。
特開2004−360525号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、車両が走行状態、特に減速状態にある時に発生し易い過給器のコンプレッサのサージングを防止し、かつ、このコンプレッサの仕事によって得られるエネルギーを有効活用できるエンジン及びエンジンの制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成するためのエンジンは、過給器を備えたエンジンにおいて、エンジンの運転状態が前記過給器のコンプレッサがサージングを発生する可能性があるサージング領域に入ったか否かを判定するサージング判定手段と、吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がすための減圧タンクと、該減圧タンクと前記吸気通路とを連結する減圧通路を備えると共に、前記サージング判定手段が、エンジンの運転状態が前記サージング領域に入ったと判定した場合に、前記減圧タンクに前記吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がす制御を行う制御装置を備えて構成される。
この構成によれば、エンジンを搭載している車両の減速運転等で、エンジンの運転状態が過給器のコンプレッサにサージングが発生する可能性のあるサージング領域に入った場合に、吸気通路内の過給された空気の一部を減圧タンクに逃がすか大気中に逃がすことができるので、コンプレッサにおけるサージングの発生を防止できる。つまり、減圧タンクにより一時的に吸気通路の容量を上げることで、吸気通路内の吸気圧力を減圧し、サージングを防止する。
その上、過給されて大気圧より大きな圧力になっている空気を減圧タンクに一時的に貯蔵でき、この空気を利用できるようになるので、過給された空気を大気中に放出する場合に比べて、過給に使用したエネルギーの一部を回収できる。
上記のエンジンにおいて、前記減圧通路に連結又は前記吸気通路に連結する大気開放用通とを備えると共に、前記サージング判定手段が、エンジンの運転状態が前記サージング領域に入ったと判定した場合に、前記減圧タンク内の圧力が前記吸気通路内の過給圧力より低いときには前記減圧タンクを選択し、前記減圧タンク内の圧力が前記吸気通路内の過給圧力以上のときには前記大気開放用通路を選択して、この選択した方に前記吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がす制御を行う制御装置を備えて構成される。
この構成によれば、減圧タンク内の圧力が上昇してきて、過給された空気を減圧タンクに逃がすことができなくなったときには、過給された空気を大気中に逃がすので、確実にサージングの発生を防止できる。
上記のエンジンにおいて、エア充填タンクに圧縮空気を供給するエアコンプレッサと前記減圧タンクとの間を接続するエア供給通路とを備えると共に、前記制御装置が、前記減圧タンク内の空気と前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路内の空気又は大気中の空気の内で、圧力が大きい方の空気を前記エアコンプレッサに供給する制御を行うように構成される。
この構成によれば、減圧タンクに一時的に貯蔵された、大気圧よりも高い圧力のエア(空気)を、エアブレーキシステムなどで使用する圧縮空気として利用できるようになるので、エア充填タンクに圧縮空気を供給するエアコンプレッサの駆動仕事量が減少し、エネルギーの有効活用ができる。つまり、吸入空気の過給で使用されたエネルギーの一部を捨てることなく利用できる。その結果、エンジンの燃料消費率を改善することができる。
言い換えれば、減圧タンク内の圧力は、通常運転時は大気圧相当になっているが、サージングの発生を防止するために逃がした過給された空気により圧力が上昇する。一方、エア充填タンク内が所定の圧力になるように加圧するためのエアコンプレッサは、従来技術においては、一般的には吸気通路のエアクリーナの下流で過給器のコンプレッサの上流側から吸引されるため、この吸入空気の圧力は、大気圧相当に近い圧力となっている。本発明では、加圧された減圧タンク内の空気をエアコンプレッサ用吸入空気として利用することで、エアコンプレッサの駆動仕事量を減少してエネルギーの有効活用を図る。その結果、エンジン燃料消費率の改善効果を得ることができる。
また、上記の目的を達成するためのエンジンの制御方法は、吸入空気を過給する過給器と、吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がすための減圧タンクと、前記吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がすための大気開放用通路と、エンジンの運転状態が前記過給器のコンプレッサがサージングを発生する可能性があるサージング領域に入ったか否かを判定するサージング判定手段とを備えたエンジンの制御方法において、エンジンの運転状態が前記サージング領域に入ったと判定した場合に、前記減圧タンク内の圧力が前記吸気通路内の過給圧力より低いときには前記減圧タンクを選択し、前記減圧タンク内の圧力が前記吸気通路内の過給圧力以上のときには前記大気開放用通路を選択して、この選択した方に前記吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がすことを特徴とする。
この方法によれば、エンジンを搭載している車両の減速運転等で、エンジンの運転状態がサージング領域に入った場合に、過給された空気の一部を減圧タンク又は大気中に逃がすことができるので、コンプレッサにおけるサージングの発生を防止できる。その上、過給された空気を減圧タンクに一時的に貯蔵してこの空気を利用できるようになるので、過給に使用したエネルギーの一部を有効活用できるようになる。また、過給された空気を減圧タンク又は大気中に逃がすので、確実にサージングの発生を防止できる。
上記のエンジンの制御方法において、エンジンの運転状態が前記サージング領域に入ったと判定した場合に、前記減圧タンク内の空気と前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路内の空気又は大気中の空気の内で、圧力が大きい方の空気を前記エアコンプレッサに供給する。これにより、減圧タンクに一時的に貯蔵されたエア(空気)を、エアブレーキシステムなどで使用する圧縮空気として利用するので、エアコンプレッサの駆動仕事量が減少し、エネルギーの有効活用ができる。その結果、エンジンの燃料消費率を改善することができる。
本発明に係るエンジン及びエンジンの制御方法によれば、エンジンの運転状態がサージング領域に入った場合に、吸気通路内の過給された空気の一部を減圧タンクに逃がすので、コンプレッサのサージングを防止し、過給器の耐久性能を向上させることができる。また、減圧タンクに過給されて圧力が高くなった空気を一時的に蓄えることができるので、この空気を利用することによりエネルギーの有効活用ができるようになる。
更に、この減圧タンク内の空気をエアブレーキシステム等で使用する圧縮空気の供給源として使用し、エアコンプレッサに供給するので、エアコンプレッサの駆動仕事量を減少でき、エネルギーを有効活用を図ることができ、エンジンの燃料消費率を改善できる。
以下、本発明に係るエンジン及びエンジンの制御方法について、図面を参照しながら説明する。ここでは低圧EGRシステムを備えたエンジンを例にして説明するが、本発明は、このエンジンに限定されるものではなく、高圧EGRシステムを備えたエンジン等、これ以外の他のエンジンにも適用できる。
図1に、本発明に係る実施の形態のエンジン10の構成を示す。このエンジン10では、吸気通路11と排気通路12を備えると共に、過給器(ターボチャージャ)13を備えて構成される。この過給器13のタービン13aが排気通路12に設けられ、このタービン13aによって駆動されて、吸入空気Aを過給する過給器13のコンプレッサ13bが吸気通路11に設けられる。
更に、吸気通路11にはエアクリーナ14とインタークーラ15が設けられ、排気通路12には排気ガス後処理装置16が設けられる。また、EGR通路17がタービン13aと排気ガス後処理装置16の下流側の排気通路12と、エアクリーナ14とコンプレッサ13bとの間の吸気通路11とを連結して設けられる。このEGR通路17には、EGR弁18とEGRクーラ19が設けられる。これにより、低圧EGRシステムが構成される。
また、エアブレーキ等で使用される圧縮空気Acを充填して蓄えておくために、エア充填タンク20が設けられ、エアコンプレッサ22により所定値内に維持されるように制御される。このエア充填タンク20とエアコンプレッサ22とはエアクリーナ11の下流側の吸気通路11から分岐した第1分岐通路21で接続される。この第1分岐通路21には第1開閉弁24が設けられる。
また、エアコンプレッサ22で圧縮された圧縮空気Acをエア充填タンク20に送るための圧縮空気用通路23がエアコンプレッサ22とエア充填タンク20を接続して設けられる。この圧縮空気用通路23には、エアコンプレッサ22側からエア充填タンク20側の一方向のみに圧縮空気Acを通過させる第1逆止弁(第1ワンウェイバルブ)25が設けられる。また、充填タンク20には、リリーフ弁26を備えた通路27とエアブレーキシステム(図示しない)等のシステムへ圧縮空気Acを供給するための圧縮空気供給通路28が設けられる。
本発明では、コンプレッサ13bのサージングを防止するために、過給された空気Asを一時的に蓄える減圧タンク30を設けると共に、この減圧タンク30と排気通路11の排気マニホールド11aを接続する第2分岐通路(減圧通路)31を設ける。この減圧タンク30は通常は大気圧相当の圧力に設定され、その容量は車型に応じて設定される。
第2分岐通路31には、排気マニホールド11a側から順に第2開閉弁32と第2逆止弁(第2ワンウェイバルブ)33を設け、この間に第3開閉弁34を備えた大気開放用通路35を設ける。この第2逆止弁33は、排気マニホールド11a側から減圧タンク20側の一方向のみに過給された空気Asの一部を通過させるように配置される。更に、減圧タンク30と第1分岐通路21を連通させる第3分岐通路36を設ける。この第3分岐通路36には、第4開閉弁37を設ける。
また、エンジン10の運転と排気ガス後処理装置16の再生処理等と上記の第1〜第4の開閉弁24、32、34、37の開閉制御を行うための制御装置(ECM)40が設けられる。更に、大気圧P1を検出するための第1圧力センサ41と、吸入空気 Aの過給圧力P2を検出するために吸気マニホールド11aに設けられる第2圧力センサ42と、エア充填タンク20の圧縮空気Acの充填圧力P3を検出するための第3圧力センサ43と、減圧タンク30内の圧力P4を検出するための第4圧力センサ44が設けられる。これらの検出値P1、P2、P3、P4は制御装置40に入力される。
また、制御装置40は、車両走行状態の影響を受けるエンジン運転状態からサージングを判定するサージング判定手段を備えて構成される。このサージング判定手段は、図4に示すような、吸気流量と圧力比の関係から、予め設定されたサージ判定ラインを超えた場合にサージング領域にあると判定する手段である。この吸気流量は吸気通路11に設けられたエアフローメータ(図示しない)で検出することができ、圧力比(コンプレッサ出口圧力P2/コンプレッサ入口圧力P1)は、第1圧力センサ41の検出値P1と第2圧力センサ42の検出値P2とから求めることができる。そして、検出した吸気流量において、求めた圧力比が予め設定されたサージ判定ライン上の圧力比を超えていなければサージング領域に入っていないと判定し、ライン上か超えていればサージング領域に入っていると判定する。
次に、上記の構成のエンジン10において、サージングの発生を防止するためのエンジンの制御について説明する。この制御は、図2及び図3に例示されるような制御フローに基づいて行われる。これらの図2及び図3の制御フローはエンジン10の運転が開始されると共に開始され、エンジン10の運転中は上級の制御フローから繰り返し呼ばれて、スタートしてはリターンし、これらの制御フローを繰り返し行い、エンジン10の運転停止と共に停止する制御フローとして示してある。
最初に図2の減圧タンク側の制御に関して説明する。エンジン10が運転を開始すると、減圧タンク30に接続する第2分岐通路31に関係する図2の減圧タンク側の制御フローが呼ばれて、スタートする。この図2の制御フローでは、ステップS11で、第2開閉弁32と第3開閉弁35を閉弁状態とする。なお、通常、エンジンの運転開始時は第2開閉弁32と第3開閉弁35は閉弁状態になるようにしているので、制御の中断後の再開等の特別の場合以外は、各弁32、35の開閉状態の確認となる。
次のステップS12で、サージング判定手段により、サージング領域にあるか否かを判定する。このステップS12の判定でサージング領域に入っていなければ(NO)、所定の時間を置いて、ステップS12の判定を繰り返す。なお、このサージング領域の境界となるサージング判定ラインは、サージングが発生するサージングラインとしてもよいが、好ましくは、余裕を持ってサージング発生を回避できるようにサージングラインよりも低く目に設定する。このサージング判定ラインは、予め実験などによって設定される。このステップS12の判定で、サージング判定ラインよりも圧力比が大きいサージング領域に入っていれば(YES)、サージング回避操作を行うために、ステップS13に行き、第2開閉弁32を開弁状態にする。
これにより、圧力比がサージング領域に入っていると判定されて、コンプレッサ13bがサージング状態に陥る可能性が強い場合には、吸気通路11の一部としての排気マニホールド11aと連通した第2分岐通路(減圧通路)31に設けられた第2開閉弁32を開き、吸気通路11内の過給された空気Asの一部を、第2分岐通路31に設置された逆止弁33を経由して減圧タンク30に逃がすか、大気開放用通路37の第3開閉弁を経由して大気中に逃がすかして、過給圧力P2を減少する。つまり、減圧タンク30への接続によって吸気通路11の容量を一時的に増加するか、大気と連通させることで、吸気通路11内の過給圧力P2を減圧し、サージングを防止する。
また、次のステップS14では、第4圧力センサ44で検出される減圧タンク30内の圧力P4が、第2圧力センサ42で検出される吸気通路11の過給圧力P2以上になったか否かを判定する。圧力P4が過給圧力P2以上になっていないときには(NO)、ステップS16で第3開閉弁34を閉弁する。なお、閉弁している場合はそのままとする。その後、ステップS17に行く。この状態では、過給空気Asの一部を、第2分岐通路31に設置された逆止弁33を経由して減圧タンク30に逃がすことになる。
また、圧力P4が過給圧力P2以上になったときには(YES)、減圧タンク30側に過給空気Asの一部を逃がすことができないので、ステップS15に行って、大気開放用通路35に設けた第3開閉弁34を開弁して、吸気通路11内の過給空気Asの一部を大気開放用通路35から大気中に放出する。第3開閉弁34の開弁操作後はステップS17に行く。なお、第3開閉弁34の開弁操作後に圧力P4が過給圧力P2より小さくなったときには(NO)、次に説明するステップS17の判定でステップS14に戻ったときに、ステップS16に行くことになるので、第3開閉弁34が閉弁され、減圧タンク30側に過給空気Asの一部を逃がすことができるようになる。
ステップS17では、サージング回避操作の終了か否かを判定する。この判定は、現状の吸気流量における圧力比がサージング判定ラインの圧力比より所定の値分低くなった時にサージング回避操作の終了と判定する。この所定の値は、ゼロであっても良いが、開閉弁の操作のハンチングを回避するために、実験などにより予め適切な値に設定される。このステップS17の判定で、サージング回避操作の終了ではないと判定されたときには、所定の時間経過した後にステップS14に戻る。
ステップS17の判定でサージング回避操作の終了であると判定されたときには、ステップS18に行き、サージング回避操作の終了作業を行う。この終了作業では、ステップS18で大気開放用通路35の第3開閉弁34が開弁状態にあるか否かを判定し、開弁状態にあれば(YES)、ステップS19に行き、第2開閉弁32と第3開閉弁34を閉弁し、その後、リターンする。また、開弁状態になければ(NO)、ステップS20に行き、第2開閉弁32を閉弁し、その後リターンする。このリターン後はリターンした上級の制御フローから再び呼ばれて、エンジン10の運転が終了するまで、ステップS11〜S19又はステップS11〜S20を繰り返す。
次に、図3のエア充填タンク側の制御フローについて説明する。エンジン10が運転を開始すると、図3のエア充填タンク側の制御フローが呼ばれて、スタートする。この図3の制御は、エア充填タンク20に接続する第1分岐通路21の第開閉弁24と、この第1分岐通路21から分岐して減圧タンク30に接続する第3分岐通路36の第4開閉弁37の開閉に関係する。
この図3のエア充填タンク側の制御フローでは、ステップS21で、第1開閉弁24と第4開閉弁37を閉弁状態とする。なお、通常、エンジンの運転開始時は第1開閉弁24と第4開閉弁37は閉弁状態に設定されているので、制御の中断後の再開等の特別の場合以外は、各弁24、37の開閉状態の確認となる。
次のステップS22で、第3圧力センサ43で検出されたエア充填タンク20内の充填圧力P3が所定の供給圧力値P3cより小さいか否かを判定する。このステップS22の判定で充填圧力P3が所定の供給圧力値P3cより小さくなければ(NO)、所定の時間を置いて、ステップS22の判定を繰り返す。このステップS22の判定で、充填圧力P3が所定の供給圧力値P3cより小さければ(YES)、エア充填タンク20に圧縮空気Acを供給するために、ステップS23に行き、エアコンプレッサ22の作動を開始する。
次のステップS24では、第4圧力センサ44で検出される減圧タンク30の圧力P4が、第1圧力センサ41で検出される大気圧P1よりも高いか否かを判定する。このステップS24で、圧力P4が大気圧P1よりも高い場合(YES)では、ステップS25に行き、減圧タンク30から過給された空気Asを供給するため、第1開閉弁24を閉弁すると共に第4開閉弁37を開弁し、ステップS27に行く。なお、減圧タンク30内の空気Asはサージング領域に入った時に供給されるため、エアコンプレッサ22に供給されている量が供給される量を超えると、供給中にその圧力P4は徐々に低下する。
また、圧力P4が大気圧P1よりも高くない場合(NO)では、ステップS26に行き、吸気通路11から過給される前の吸入空気Aを供給するため、第1開閉弁24を開弁すると共に第4開閉弁37を閉弁し、ステップS27に行く。これらの弁操作により、圧力の高いほうの空気をエアコンプレッサ22に供給できるようになる。
ステップS27では、エアの充填作業の終了を、エア充填タンク20内の充填圧力P3が所定の供給用圧力値P3c以上になったか否かで判定する。このステップS27の判定で充填圧力P3が所定の供給圧力値P3c以上になっていなければ(NO)、ステップS24に戻る。なお、ここではエアの充填開始用の判定値と充填作業の終了の判定値を同じ値P3cとしたが、弁操作のハンチングを回避するために充填作業の終了の判定値を充填開始用の判定値より高めに設定してもよい。
また、このステップS27の判定で、充填圧力P3が所定の供給圧力値P3c以上になっていれば(YES)、エア充填タンク20への圧縮空気Acの供給を終了するために、ステップS28に行き、エアコンプレッサ22の作動を停止する。また、次のステップS29で、第1開閉弁24と第4開閉弁37を閉弁し、その後、リターンする。このリターン後はリターンした上級の制御フローから再び呼ばれて、エンジン10の運転が終了するまで、ステップS21〜S29を繰り返す。
上記のエンジン及びエンジンの制御方法によれば、エンジン10の運転状態がサージング領域に入った場合に、吸気通路11内の過給された空気の一部を減圧タンク30に逃がすので、コンプレッサ13bのサージングを防止し、過給器13の耐久性能を向上させることができる。また、減圧タンク30内に過給されて圧力が高くなった空気Asの一部を一時的に蓄えることができるので、この空気Asを利用することによりエネルギーの有効活用ができるようになる。
更に、この減圧タンク30内の空気Asをエアブレーキシステム等で使用する圧縮空気Acの供給源として使用し、エアコンプレッサ22に供給するので、エアコンプレッサ22の駆動仕事量を減少でき、エネルギーの有効活用を図ることができ、エンジン10の燃料消費率を改善できる。
10 エンジン
11 吸気通路
12 排気通路
13 過給器(ターボチャージャ)
13a タービン
13b コンプレッサ
14 エアクリーナ
15 インタークーラ
16 排気ガス後処理装置
17 EGR通路
18 EGR弁
19 EGRクーラ
20 エア充填タンク
21 第1分岐通路
22 エアコンプレッサ
23 圧縮空気用通路
24 第1開閉弁
25 第1逆止弁(第1ワンウェイバルブ)
26 リリーフ弁
27 通路
28 圧縮空気供給通路
30 減圧タンク
31 第2分岐通路(減圧通路)
32 第2開閉弁
33 第2逆止弁(第2ワンウェイバルブ)
34 第3開閉弁
35 大気開放用通路
36 第3分岐通路
37 第4開閉弁
40 制御装置(ECM)
41 第1圧力センサ
42 第2圧力センサ
43 第3圧力センサ
44 第4圧力センサ
A 吸入空気
Ac 圧縮空気
As 過給空気
G 排気ガス
P1 大気圧
P2 過給圧力
P3 充填圧力
P4 減圧タンク内の圧力
11 吸気通路
12 排気通路
13 過給器(ターボチャージャ)
13a タービン
13b コンプレッサ
14 エアクリーナ
15 インタークーラ
16 排気ガス後処理装置
17 EGR通路
18 EGR弁
19 EGRクーラ
20 エア充填タンク
21 第1分岐通路
22 エアコンプレッサ
23 圧縮空気用通路
24 第1開閉弁
25 第1逆止弁(第1ワンウェイバルブ)
26 リリーフ弁
27 通路
28 圧縮空気供給通路
30 減圧タンク
31 第2分岐通路(減圧通路)
32 第2開閉弁
33 第2逆止弁(第2ワンウェイバルブ)
34 第3開閉弁
35 大気開放用通路
36 第3分岐通路
37 第4開閉弁
40 制御装置(ECM)
41 第1圧力センサ
42 第2圧力センサ
43 第3圧力センサ
44 第4圧力センサ
A 吸入空気
Ac 圧縮空気
As 過給空気
G 排気ガス
P1 大気圧
P2 過給圧力
P3 充填圧力
P4 減圧タンク内の圧力
Claims (5)
- 過給器を備えたエンジンにおいて、
エンジンの運転状態が前記過給器のコンプレッサがサージングを発生する可能性があるサージング領域に入ったか否かを判定するサージング判定手段と、吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がすための減圧タンクと、該減圧タンクと前記吸気通路とを連結する減圧通路を備えると共に、
前記サージング判定手段が、エンジンの運転状態が前記サージング領域に入ったと判定した場合に、前記減圧タンクに前記吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がす制御を行う制御装置を備えたことを特徴とするエンジン。 - 前記減圧通路に連結又は前記吸気通路に連結する大気開放用通路を備えると共に、前記サージング判定手段が、エンジンの運転状態が前記サージング領域に入ったと判定した場合に、前記減圧タンク内の圧力が前記吸気通路内の過給圧力より低いときには前記減圧タンクを選択し、前記減圧タンク内の圧力が前記吸気通路内の過給圧力以上のときには前記大気開放用通路を選択して、この選択した方に前記吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がす制御を行う制御装置を備えたことを特徴とする請求項1記載のエンジン。
- エア充填タンクに圧縮空気を供給するエアコンプレッサと前記減圧タンクとの間を接続するエア供給通路とを備えると共に、
前記制御装置が、前記減圧タンク内の空気と前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路内の空気又は大気中の空気の内で、圧力が大きい方の空気を前記エアコンプレッサに供給する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジン。 - 吸入空気を過給する過給器と、吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がすための減圧タンクと、前記吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がすための大気開放用通路と、エンジンの運転状態が前記過給器のコンプレッサがサージングを発生する可能性があるサージング領域に入ったか否かを判定するサージング判定手段とを備えたエンジンの制御方法において、
エンジンの運転状態が前記サージング領域に入ったと判定した場合に、前記減圧タンク内の圧力が前記吸気通路内の過給圧力より低いときには前記減圧タンクを選択し、前記減圧タンク内の圧力が前記吸気通路内の過給圧力以上のときには前記大気開放用通路を選択して、この選択した方に前記吸気通路内で過給された吸入空気の一部を逃がすことを特徴とするエンジンの制御方法。 - エンジンの運転状態が前記サージング領域に入ったと判定した場合に、前記減圧タンク内の空気と前記コンプレッサの上流側の前記吸気通路内の空気又は大気中の空気の内で、圧力が大きい方の空気を前記エアコンプレッサに供給することを特徴とする請求項4記載のエンジンの制御方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2008
- 2008-04-23 JP JP2008113089A patent/JP2009264198A/ja active Pending
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