JP5824881B2 - 内燃機関の過給補助方法及び内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の過渡状態のときに、蓄ガス容器に蓄圧されたガスをシリンダ内に供給してEGR率を高めることができる内燃機関の過給補助方法及び内燃機関に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気ガス中のNOx(窒素酸化物)を低減するEGR(排気再循環)においては、過給システムを備えた内燃機関では、高圧EGR方式と低圧EGR方式とがある。この高圧EGR方式では、例えば、図9に示すように、高圧EGRシステムを備えた内燃機関1Xでは、ターボ式過給機14よりもエンジン本体11側にEGR通路17が設けられており、エンジン本体11の排気マニホールド11bから吸気マニホールド11aにEGR通路17経由でEGRガスGeを還流している。また、低圧EGR方式では、例えば、図10に示すように、低圧EGRシステムを備えた内燃機関1Yでは、ターボ式過給機14よりもエンジン本体11とは反対側にEGR通路17が設けられており、タービン14bの下流側からコンプレッサ14aの上流側にEGR通路17経由でEGRガスGeを還流している。
これらのいずれのEGR方式でも、EGRガス量の制御には、MAF制御方式が一般的に使用されている。このMAF制御方式では、EGR無しでエンジンのシリンダ内に吸入される新気量(空気量)をMoとし、EGRを行うことでシリンダ内に吸入される新気量をMeとすると、還流されるEGRガス量のMegrがMegr=Mo−Meとなるので、これに基づいて、EGR弁21の弁開度により新気量Meを制御することで、EGRガス量Megrを制御している。
つまり、エンジンの回転速度Neと燃料負荷Qをパラメータにして、各エンジンの運転状態に対する新気量Meを予め設定して作成した新気量Meのデータマップを基に、実際のエンジン運転時の回転速度Neと燃料負荷Qから目標の新気量Metを算出して、実際の新気量Meをこの目標の新気量Metになるように制御することで、EGRガス量Megrを制御している。
しかしながら、ターボ式過給機を使用する場合には排気ガスのエネルギー(エンタルピ)を用いて過給を行うため、ターボ式過給機の応答遅れ(ターボラグ)を無くすことは不可能であり、このMAF制御方式では、このターボラグに起因する次のような問題がある。ターボラグにより負荷が急激に増加する過渡状態では、過給圧が定常運転時に設定した圧力まで上昇しないため、エンジンの吸入空気量が低下する。つまり、ターボ式過給機付きエンジンでも無過給エンジンと同程度の吸気量となってしまう。
従って、定常運転条件で設定した目標のEGR量に達成することができず、図11に示すように、急激な過渡運転を行う際にNOxの排出量が増加する。また、煤の発生量を制限するために、過給圧があるレベルより上がらない場合には煤が増加しない領域内に燃料の投入量が抑えられるというスモークリミット制御が行われる。その結果、図12及び図13に示すように、燃料噴射量Qと空気量(Mo、Me)が共に点線で示されるように抑えられ、加速時のパワーが抑えられてしまうという問題がある。そのために、加速時等の負荷が急激に増加する過渡状態のときには、NOx排出量の増加や燃費の悪化が発生する。
一方、エンジンのクランクシャフト等によって、過給機を直接駆動して過給を行う機械式過給装置を使用する場合では、過給の応答遅れをなくす事ができるが、エンジンの回転速度が決まると燃料量の多少に関わらず、過給量が決まるために、また、駆動に要する仕事量が大きいために、燃費が悪化するという問題がある。
この対策として、近年では、図14に示すような蓄ガス供給システムを備えた内燃機関1Zが研究されており、この蓄ガス供給システムでは、内燃機関1Zから排出される排気ガスGの一部Gpを空気Aaと混合した混合ガスCを容積型コンプレッサ(排気圧縮器)25で圧縮して高圧化し、この高圧化した混合ガスCを蓄ガス容器(圧力容器)27内に溜め込み、過渡時に放出電磁弁36を開弁して混合ガスCを調圧弁29経由で吸気弁(吸気スロットル)35の下流の吸気通路12に放出し、これにより、内燃機関1Zのシリンダ内への吸気量を過給機付きエンジン並みに増加させると共に、EGRの効果によるNOxの低減を図り、ターボラグの問題を解消している過給制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この蓄ガス供給システムを採用した場合は、過渡時に加圧された混合ガスCをエンジン1Zの吸気通路12内に放出することで過給圧を上げて、シリンダ内への空気量を増加させることができるので燃料量も増やすことができる。その結果、加速性能が向上し、煤の排出も抑えることができる。また、過給圧は排気マニホールド11bの内圧よりも高くなるので、内燃機関1Zのポンピング損失が低下し燃費の向上を図ることができる。
この混合ガスCを放出するタイミングである急加速の判断に関しては、エンジン回転速度の変化率、アクセル踏み込み量の変化率、燃料流量の変化率等を用いて、運転者の急加速の意思を判断する方法がある。
しかしながら、このエンジン回転速度等の変化率で判断する方法では、図3に示すような、一般にゼロブーストQと呼ばれ、無過給エンジンでの燃料量に相当する無過給最大燃料量Q0までは、ターボ式過給機のタイムラグにより過給の遅れが発生しても問題を生じない領域があるにもかかわらず、この無過給最大燃料量Q0以下の領域RAであっても、蓄ガス供給による過給補助を行うことになる。
一方、蓄ガス容器内のガスの貯蔵量は限られているので、蓄圧されたガスを多量に消費すると、再度、蓄圧するまでの時間が必要になり、過給補助装置の使用頻度が制限されたり、蓄圧のための仕事が増加して燃費の向上の効果が減少したりするという問題がある。
特開2011−21558号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス圧縮装置を用いて、内燃機関の排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを蓄ガス容器に溜め込み、負荷が急激に増加する過渡状態のときに前記ガスをシリンダ内に一時的に供給して過渡状態のNOxの排出を抑制するとともに加速性能を向上させる内燃機関において、過給補助が必要なときにのみ過給補助を開始することにより、過給補助に用いる蓄ガス容器内のガスの消費量を少なくすることができる内燃機関の過給補助方法及び内燃機関を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の過給補助方法は、内燃機関の排気ガスの一部をシリンダ内に再循環するためのEGR通路と、内燃機関の排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを圧縮するガス圧縮装置と、該ガス圧縮装置で圧縮された前記ガスを貯蓄する蓄ガス容器と、該蓄ガス容器と吸気系通路を流路切替装置を介して接続する蓄ガス供給通路を備えた内燃機関の過給補助方法において、内燃機関の過渡状態で、かつ、前記蓄ガス容器の内部の圧力が予め設定した下限圧力以上で、かつ、測定されたエンジン回転速度とアクセル開度から算出された供給目標燃料量が、同じエンジン回転速度に対しての過給を行わないときの無過給最大燃料量以上であると判定したときには、EGR弁の操作と流路切替装置の流路切替操作により、EGRガスと吸気を遮断して蓄ガス容器の前記ガスを前記吸気通路に供給する過給補助を行い、前記吸気系通路からのEGRガス及び吸気の供給は行わず、前記内燃機関の過渡状態で、かつ、前記蓄ガス容器の内部の圧力が前記下限圧力以上で、かつ、前記供給目標燃料量が前記無過給最大燃料量未満であると判定したときには、前記吸気系通路からのEGRガス及び吸気の供給を行い、且つ前記過給補助は行わないことを特徴とする方法である。
この方法によれば、内燃機関を搭載した車両の急加速時や発進時等の内燃機関の運転状態が過渡状態のときにおいて、ターボラグに起因する加速性能の低下を最小限に防止し、排気ガス中の粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NOx)の低減を図ることができる蓄圧されたガスによる過給補助において、過給補助が必要なときにのみ過給補助を行うので、過給補助用の蓄ガス容器に貯蔵しているガスの消費を最小限にすることができる。また、これにより、過給補助の制限が少なくなると共に、再度蓄圧するまでの時間や仕事量を減少でき、燃費を向上できる。
上記の内燃機関の過給補助方法において、吸気圧が、前記無過給最大燃料量の燃料を燃焼できる吸気量を供給できる無過給最大吸気圧、又は、該無過給最大吸気圧より低く設定された過給補助開始吸気圧になってから、前記過給補助を行うと、過給補助が必要な供給目標燃料量であっても、吸気圧が、無過給最大吸気圧以上の吸気圧が必要になるぎりぎりまで過給補助を開始しないことにより、つまり、加速時や発進時の過渡時にスモークリミットで燃料噴射量が絞られそうになった時に過給補助を行うことにより、過給補助用の蓄ガス容器内のガスの消費を最小限にすることができ、蓄圧されたガスの節約を図ることができる。
その上、この過給補助方法を採用すると、ターボ式過給機が万一故障して吸気圧が上昇しなくなっても、即ち、吸気圧が無過給最大吸気圧以上にならなくても、通常の過給無しの燃料量が無過給最大燃料量より小さい範囲内のEGR及び吸気方法には影響を及ぼさないので、そのまま内燃機関の運転を継続することができる。
上記の内燃機関の過給補助方法において、前記過給補助の際に、前記吸気圧が前記過給補助開始吸気圧になるまでは、燃料供給量を前記無過給最大燃料量とし、前記吸気圧が前記過給補助開始吸気圧を超えて、過給補助が開始されたときから、燃料供給量を前記供給目標燃料量とすると、過給補助開始までの間の空気不足における過剰な燃料供給を回避できて、スモークの発生を防止できると共に、トルクを発生させない無駄な燃料の消費を回避でき燃費を向上できる。
そして、上記の目的を達成するための内燃機関は、上記の内燃機関の過給補助方法を実施できる内燃機関であり、内燃機関の排気ガスの一部をシリンダ内に再循環するためのEGR通路と、内燃機関の排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを圧縮するガス圧縮装置と、該ガス圧縮装置で圧縮された前記ガスを貯蓄する蓄ガス容器と、該蓄ガス容器と吸気系通路を流路切替装置を介して接続する蓄ガス供給通路と、前記EGR通路の備えたEGR弁と前記流路切替装置を制御する制御装置を備えた内燃機関において、前記制御装置が、内燃機関の過渡状態で、かつ、前記蓄ガス容器の内部の圧力が予め設定した下限圧力以上で、かつ、測定されたエンジン回転速度とアクセル開度から算出された供給目標燃料量が、同じエンジン回転速度に対しての過給を行わないときの無過給最大燃料量以上であると判定したときには、EGR弁の操作と流路切替装置の流路切替操作により、EGRガスと吸気を遮断して蓄ガス容器の前記ガスを前記吸気通路に供給する過給補助を行い、前記吸気系通路からのEGRガス及び吸気の供給は行わず、前記内燃機関の過渡状態で、かつ、前記蓄ガス容器の内部の圧力が前記下限圧力以上で、かつ、前記供給目標燃料量が前記無過給最大燃料量未満であると判定したときには、前記吸気系通路からのEGRガス及び吸気の供給を行い、且つ前記過給補助は行わない、制御をするように構成される。
この構成によれば、過給補助が必要なときにのみ過給補助を行うので、過給補助用の蓄ガス容器に貯蔵しているガスの消費を最小限にすることができる。また、これにより、過給補助の制限が少なくなると共に、再度蓄圧するまでの時間や仕事量を減少でき、燃費を向上できる。
上記の内燃機関において、前記制御装置が、吸気圧が、前記無過給最大燃料量の燃料を燃焼できる吸気量を供給できる無過給最大吸気圧、又は、該無過給最大吸気圧より低く設定された過給補助開始吸気圧になってから、前記過給補助を行う制御をするように構成する。この構成により、過給補助が必要な供給目標燃料量であっても、吸気圧が、無過給最大吸気圧以上の過給が必要になるぎりぎりまで過給補助を開始しないことにより、過給補助用の蓄ガス容器内のガスの消費を最小限にすることができる。これにより、蓄圧されたガスの節約を図ることができる。
その上、この構成によれば、ターボ式過給機が万一故障して吸気圧が上昇しなくなっても、すなわち、吸気圧が無過給最大吸気圧以上にならなくても、通常の過給無しの燃料量が最大燃料量より小さい範囲内のEGR及び吸気方法には影響を及ぼさないので、そのまま内燃機関の運転を継続することができる。
また、上記の内燃機関において、前記制御装置が、前記過給補助の際に、前記吸気圧が前記過給補助開始吸気圧になるまでは、燃料供給量を前記無過給最大燃料量とし、前記吸気圧が前記過給補助開始吸気圧を超えて、過給補助が開始されたときから、燃料供給量を前記供給目標燃料量とする制御をするように構成する。
この構成によれば、過給補助開始までの間の空気不足における過剰な燃料供給を回避できて、スモークの発生を防止できると共に、トルクを発生させない無駄な燃料の消費を回避でき燃費を向上できる。
本発明に係る内燃機関の過給補助方法及び内燃機関によれば、ガス圧縮装置を用いて、内燃機関の排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを蓄ガス容器に溜め込み、負荷が急激に増加する過渡状態のときに前記ガスをシリンダ内に一時的に供給して過渡状態のNOxの排出を抑制するとともに加速性能を向上させる内燃機関において、吸気圧を検出して、蓄圧されたガスを過給に用いる過給補助の制御を過給補助が必要なときにのみ開始することで、過給補助に用いる蓄ガス容器内のガスの消費量を少なくすることができる。
本発明に係る第1の実施の形態の内燃機関の構成を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態の内燃機関の構成を示す図である。 無過給時の燃料量特性と、過給時の燃料量特性を示す図である。 本発明に係る実施の形態の内燃機関の過給補助方法の制御フローの一例を示す図である。 図4のステップS30の詳細を示す図である。 蓄ガス用のガス圧縮装置の駆動を説明するための図である。 三方切替弁で構成された流路切替装置の構造を吸気ラインが連通された状態で示す図である。 三方切替弁で構成された流路切替装置の構造を蓄ガス供給ラインが連通された状態で示す図である。 従来技術の高圧EGR方式の内燃機関の構成を示す図である。 従来技術の低圧EGR方式の内燃機関の構成を示す図である。 車速の変化と瞬時NOx排出量の関係を示す図である。 全負荷における燃料噴射量の特性と過渡時の動きを示す図である。 過渡時のターボ式過給機の応答遅れとEGRの関係を示す図である。 先行技術の内燃機関の構成を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関の過給補助方法及び内燃機関について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明に係る第1の実施の形態のエンジン(内燃機関)1は、エンジン本体11と吸気マニホールド11aに接続する吸気通路12と排気マニホールド11bに接続する排気通路13を有して構成される。この吸気マニホールド11aと吸気通路12とで吸気系通路を形成し、排気マニホールド11bと排気通路13とで排気系通路を形成する。
吸気通路12には、ターボ式過給機14のコンプレッサ14aが設けられ、排気通路13には、ターボ式過給機14のタービン14bと、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)装置15とNOx吸蔵還元型触媒等で形成されるNOx浄化触媒16が設けられている。
また、タービン14bの上流側の排気通路13からEGR通路17が分岐され、コンプレッサ14aの上流側の吸気通路12にEGR合流部18で合流している。このEGR通路17には上流側から、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)装置19とEGRクーラ20とEGR弁21が設けられている。
更に、NOx浄化触媒16の下流側の排気通路13から分岐して、排気ガス導入通路22が設けられている。この排気ガス導入通路22にはEGRクーラ23と三方弁24が設けられ、この排気ガス導入通路22は機械式の容積型過給機(往復動式が望ましい)等で形成されるガス圧縮装置25に接続されている。このガス圧縮装置25は、圧縮ガス供給通路26により圧力容器等で形成される蓄ガス容器27に接続されている。また、この蓄ガス容器27は蓄ガス供給通路28により吸気通路12と接続されている。この排気ガス導入通路22と圧縮ガス供給通路26と蓄ガス供給通路28で蓄圧ガス系通路を形成する。
図6に示すように、このガス圧縮装置25は、エンジン1を搭載した車両の車軸31から歯車32、33と、電磁クラッチ34を経由してガス圧縮装置25の駆動軸に動力を伝達する。この電磁クラッチ34をONにして接続することにより、ガス圧縮装置25を駆動して、排気ガス導入通路22からの排気ガスGの一部Gpと空気Aaとこれらの混合ガスのいずれかのガスCを、圧縮して高圧化して蓄ガス容器27に供給し、貯蔵する。
なお、図1に示すように、蓄ガス供給通路28には、調圧弁29が配置され、流路切替装置30に供給されるガスCの圧力を調整する。このとき、三方弁24で、排気ガスGの一部Gpの量と空気Aaの量を調整して、蓄ガス容器27で貯蔵されるガスCにおける酸素濃度を略一定に保つことが好ましく、これにより、EGRを行うときの制御を単純化することができる。
そして、上記の機器類の制御を行うために、エンジンコントロールユニット(ECU)と呼ばれるエンジン1の運転の全般を制御する制御装置40を設け、この制御装置40で蓄ガス容器27内の圧力Ptやエンジン回転速度Neやアクセル開度Ac等を検出して、その結果に基づいて電磁クラッチ34や三方弁24を制御して、蓄ガス容器27内のガスCの量(圧力)と排気ガスGpと空気Aaの混合比率を調整制御する。
なお、図1に示すように、この蓄ガス容器27の内部の最大圧を調整する調整弁27aを、蓄ガス容器27に設けて、ガス圧縮装置25を駆動している時には、常に仕事が発生するように調整弁27aを調整する。なお、図1では、調整弁27aを蓄ガス容器27に設けているが、調整弁27aを蓄ガス容器27とガス圧縮装置25の間の圧縮ガス供給通路26に設けてもよい。
つまり、エンジン1は、排気ガスGの一部Geをシリンダ内に再循環するためのEGR通路17と、エンジン1の排気ガスGの一部Gpと空気Aaとこれらの混合ガスのいずれかのガスCを圧縮するガス圧縮装置25と、このガス圧縮装置25で圧縮されたガスCを貯蓄する蓄ガス容器27と、この蓄ガス容器27と吸気通路12を接続する蓄ガス供給通路28を備えて構成される。
そして、吸気通路12と蓄ガス供給通路28は流路切替装置30を介して接続される。この流路切替装置30をEGR通路17と吸気通路12との合流部であるEGR合流部18よりも下流側に配置すると、EGRガスGeをEGR弁21と流路切替装置30とで2段構えで遮断することができるようになるので好ましい。また、流路切替装置30は吸気通路12の下流側の通路側を開放したまま、蓄ガス供給通路28側と吸気通路12の上流側の通路側とを切り替えるように構成される。
この流路切替装置30は、図7及び図8に示すような三方切替弁で構成することができる。また、図示しないが、吸気系通路12に設けた吸気弁と、蓄ガス供給通路28に設けた開閉弁で構成することもできる。つまり、三方切替弁の流路切替装置30を用いずに、吸気通路12を吸気弁(吸気スロットル)等で閉塞する方式の場合には、吸気弁(図示しない)の上流にEGR合流部18を設けて、EGRガスGeをEGR弁21と吸気弁(図示しない)とで2段構えで遮断するように構成するのが好ましい。
図7及び図8に示す流路切替装置30では、駆動用ガスApを入れてピストンの背面のガスAeを抜くことで、高速駆動用のシリンダ30aのロッド30bを移動させることにより、シャッター部30cを移動させて、図7に示すように、蓄ガス供給通路28側を閉じて、吸気通路12の上流側12aと下流側12bを連通させ、また、図8に示すように、吸気通路12の上流側12a側を閉じて、蓄ガス供給通路28と吸気通路12の下流側12bを連通させる。
次に、本発明に係る第2の実施の形態のエンジン(内燃機関)1Aについて説明する。図2に示すように、この第2の実施の形態のエンジン1Aでは、EGR通路17がタービン14bの下流にあるNOx浄化触媒16の下流側の排気通路13から分岐している点が、EGR通路17がターボ式過給機14のタービン14bの上流側の排気通路13から分岐している第1の実施の形態と異なっている。その他の点は、第1の実施の形態と同じである。
つまり、EGR通路17に流入する排気ガスGeが、第1の実施の形態のエンジン1では、ターボ式過給機14のタービン14bを通過する前の排気ガスGの一部となっているのに対して、この第2の実施の形態のエンジン1Aでは、ターボ式過給機14のタービン14bを通過した後の排気ガスGの一部となっている。言い換えれば、第1の実施の形態のエンジン1では、高圧EGR方式が採用されており、第2の実施の形態のエンジン1Aでは低圧EGR方式が採用されている。
次に、エンジン(内燃機関)1、1Aの制御装置40で行う、内燃機関の過給補助方法について説明する。この内燃機関の過給補助方法は、上記の構成のエンジン1、1Aで実施できる方法である。この内燃機関の過給補助方法は、エンジン1、1Aの排気通路(排気系通路)13の排気ガスGの一部Gpと空気Aaとこれらの混合ガスのいずれかのガスCを圧縮して貯蓄する。
それと共に、過給補助方法では、エンジン1、1Aの運転状態が過渡状態でないときには、エンジン1、1Aの排気ガスGの一部Geを、EGR通路17を経由してシリンダ内に再循環し、エンジン1、1Aが過渡状態であるときには、蓄ガス容器27に貯蔵されているガスCを一時的に吸気通路(吸気系通路)12に供給する過給補助を行う。この過給補助では、EGR通路17からのEGRガスGeと、吸気通路12からの新気Aとを流路切替装置30で遮断して、ガスCのみを、下流側の吸気通路12に供給する。
また、この内燃機関の過給補助方法において、EGRガスGeと新気Aとの遮断、及びガスCの供給を、図7と図8で示すような三方切替弁で構成した流路切替装置30で行うか、あるいは、EGRガスGeと新気Aとの遮断、及びガスCの供給を、吸気通路(吸気系通路)12に設けた吸気弁(図示しない)と、蓄ガス供給通路28に設けた開閉弁(図示しない)で行う。
これらの制御においては制御装置40で、エンジン回転速度Ne、エンジン空気量(Mo、Me)、エンジン燃料量(燃料噴射量)Q、蓄ガス容器27の内部の圧力Pt等の検出値等に基づいて、調圧弁29とEGR弁21と流路切替装置30を制御する。
この過給補助方法では、過給補助を行う条件は、エンジン1、1Aを搭載した車両の加速時又は発進時などのエンジン1、1Aの運転状態が過渡状態であり、かつ、蓄ガス容器27の内圧Ptが予め設定した下限圧力PL以上(Pt≧PL)であり、かつ、測定されたエンジン回転速度Neとアクセル開度Acに基づく供給目標燃料量Qtが、無過給最大燃料量(ゼロブースト)Q0を超えるときのみ、過給補助を行う。
この3つの過給補助開始の条件の一つである、エンジン1、1Aの運転状態が過渡状態であるか否かの判定は、エンジン回転速度Neの変化率ΔNe、アクセル開度(アクセル踏み込み量)Acの変化率ΔAc、燃料供給量Qinの変化率ΔQinで判定し、エンジン1、1Aの運転状態が過渡状態のときにのみ過給補助する。過渡状態で無ければターボラグの問題は生じないので過給補助は不要となるからである。
また、蓄ガス容器27に設けた圧力センサ51の検出値Ptと予め設定した下限圧力PLとを比較して、蓄ガス容器27の内圧Ptが下限圧力PL以上(Pt≧PL)の場合のみ過給補助するのは、蓄ガス容器27内の圧力Ptが下限圧力PL以上でなければ過給補助用のガスCが不足して十分な過給補助ができないからである。
更に、供給目標燃料量Qtが、無過給最大燃料量(ゼロブースト)Q0を超えている場合のみ過給補助を行う。即ち、図3に示す領域RB(無過給時のQ特性と過給時のQ特性の間の領域)の場合のみ過給補助を行う。この供給目標燃料量Qtは、過渡時にエンジン回転速度Neとアクセル開度Acで要求されるトルクを発生するための燃料量であり、計測されたエンジン回転速度Neとアクセル開度Acの値から供給燃料量算出用のマップデータ(Ne、Ac→Qt)を基に算出する。
それと共に、エンジン回転速度Neにおける過給無しで燃焼できる無過給最大燃料量Q0を、無過給最大燃料量用のマップデータ(Ne→Q0)から算出する。この無過給最大燃料量Q0は無過給時のQ特性から求められる。この無過給最大燃料量Q0を燃焼できる無過給最大吸気量までは、ターボ式過給機14による過給無しで、また、過給補助をしないで吸気できる。これらの3つの条件を課することにより、過給補助が必要なときにのみ過給補助を行うことができる。
そして、この過給補助の開始に関しては、吸気圧Pが、過給補助開始吸気圧P1を超えた(P≧P1)ときに開始する。この過給補助開始吸気圧P1は、無過給最大燃料量Q0に必要な空気量を供給するために必要な吸気圧である無過給最大吸気圧(ゼロブースト圧)P0に設定するか、または、この無過給最大吸気圧P0よりも少し低い値に設定する。この無過給最大吸気圧P0は、計測されたエンジン回転速度Neの値から無過給最大吸気圧P0用マップデータ(Ne→P0)を参照して算出する。
この吸気圧Pが無過給最大吸気圧P0以下(P<P0)では、過給及び過給補助が不要な領域であるので、過給が必要になるぎりぎりの過給補助開始吸気圧P1を吸気圧Pが超える(P≧P1)までは過給補助を開始しないように構成する。なお、ターボ式過給機14は稼動しているので、ターボラグのための時間遅れはあるが、吸気圧Pは過給補助開始吸気圧P1と無過給最大吸気圧P0を超える(P≧P1、P≧P0)ことになる。また、この過給補助を行っている期間の時間T0は、予め実験の結果等から設定しておく。こ時間T0は、例えば、1秒程度に設定される。
この過給補助が必要な供給目標燃料量Qtであっても、過給が必要になるぎりぎり(P≧P1)まで過給補助を開始しないことにより、蓄圧されたガスCの節約を図ることができる。これにより、過給補助用の蓄ガス容器(圧力容器)27内のガスCの消費を最小限にできる。
また、ターボ式過給機14が故障して過給圧Pを上昇できなくなっても、即ち、吸気圧Pが無過給最大吸気圧P0を超える(P≧P0)状態にならなくても、厳密には、吸気圧Pが過給補助開始吸気圧P1を超える(P≧P1)状態にならなくても、通常の過給なしの供給目標燃料量Qtが最大燃料量Q0より小さい(Qt<Q0)範囲の制御には影響を及ぼさないので、そのまま内燃機関の運転が可能となる。この意味からも、無過給最大吸気圧P0と過給補助開始吸気圧P1は等しいか、異なっていても両者の差は小さい方が好ましい。
この過給補助に際しての燃料供給は、供給目標燃料量Qtが、無過給最大燃料量Q0を越える場合の燃料供給制御であり、供給目標燃料量Qtは無過給最大燃料量Q0より大きいけれど、吸気圧Pが過給補助開始吸気圧P1になるまでは、言い換えれば、過給補助が行われるまでは、燃料供給量Qinを無過給最大燃料量Q0以下に制限する。これにより、燃料供給量Qinがスモークリミット以内(図3の領域RA内)となるのでスモーク発生を回避できる。この時の発生トルクは要求トルクより低いが、ガスCの節約のために吸気圧Pの上昇を待つ。
吸気圧Pが過給補助開始気圧P1を超えて、ガスCによる過給補助が開始されたときから、燃料供給量Qinを供給目標燃料量Qtとする。これにより、過給補助が開始された後では、燃料供給量Qinが無過給最大燃料量Q0より大きい供給目標燃料量Qtになってもスモーク発生を回避できる。この時の発生トルクは要求トルクとなる。
なお、ターボラグ中に行われる過給補助を停止してターボ式過給機14による過給に切り替えた後は、ターボ式過給機14のターボラグが解消した後となり十分な過給が行われているので、燃料供給量Qinを供給目標燃料量Qtにしてもスモーク発生を回避できる。この燃料供給量Qinを供給目標燃料量Qtにすることにより、発生トルクは要求トルクとなる。これにより、スモークの防止と共に、空気不足状態における過剰な燃料供給、即ち、トルクを発生させない無駄な燃料の消費を回避でき、燃費を向上できる。
次に、上記の過給補助を行うための制御について、図4及び図5に例示する制御フローに基づいて説明する。この図4及び図5の制御フローは、エンジン1、1Aの運転開始と共に、上位の制御フローから呼ばれて、スタートし、ステップS11〜ステップS20、又は、ステップS11〜ステップS30を繰り返し実施し、エンジン1、1Aの運転停止により、割り込みが発生して、制御フローの途中からリターンに行き、上位の制御フローに戻って、この制御フローの実施が停止するものとして示してある。
図4の制御フローが呼ばれると、ステップS11で、この制御に必要なデータを入力及び算出する。これらのデータとしては、エンジン回転速度センサで計測されるエンジン回転速度Ne、アクセル開度センサで計測されるアクセル開度Ac、燃料流量センサで計測、またはエンジン回転速度Neとアクセル開度Acから算出される供給目標燃料量Qtがあり、また、通常エンジンに装着されているブーストセンサ(吸気圧力計)で計測された吸気圧P、蓄ガス容器27の内部の圧力(内圧)Pt等がある。
次のステップS12では、予め設定されている判定用データを入力したり、ステップS11で入力したデータと予め設定されているマップデータを基に、各判定用データを算出したりする。この判定用データとしては、エンジン1、1Aの運転状態が過渡状態であるか否かを判定するための、エンジン回転速度Neの判定用変化率ΔNe0、アクセル開度Acの判定用変化率ΔAc0、燃料供給量Qinの判定用変化率ΔQin0、蓄ガス容器27の内圧Ptを判定するための下限圧力PL、無過給最大燃料量(ゼロブースト)Q0がある。
次のステップS13では、エンジン1、1Aの運転状態が過渡状態であるか否かを判定する。この判定は、例えば、エンジン回転速度Neの変化率ΔNe、アクセル開度(アクセル踏み込み量)Acの変化率ΔAc、燃料供給量Qinの変化率ΔQinの一つ又は幾つかの組み合わせが各判定用変化率ΔNe0、ΔAc0、ΔQin0以上であるか否かで判定する。この判定で、過渡状態で無ければ(NO)、ステップS20に行き、過給補助無しの通常制御運転を行う。また、この判定で、過渡状態であれば(YES)、ステップS14に行く。
ステップS14では、蓄ガス容器27の内圧Ptの判定を行い、内圧Ptが下限圧力PLより小さい(Pt<PL)場合には(NO)、ステップS20に行き、過給補助無しの通常制御運転を行う。また、内圧Ptが下限圧力PL以上(Pt≧PL)の場合は(YES)、ステップS15に行く。
ステップS15では、供給目標燃料量Qtの判定を行い、供給目標燃料量Qtが、無過給最大燃料量Q0以下の場合は(NO)は、ステップS20に行き、過給補助無しの通常制御運転を行う。また、供給目標燃料量Qtが、無過給最大燃料量Q0を越えている場合は(NO)は、ステップS30に行き、過給補助運転を行う。
ステップS20の通常運転では、過給補助システムを備えていないエンジンにおける制御と同様な制御を所定の時間(ステップS11のエンジンの運転状態の判定のインターバルに関係する予め設定された時間)の間行い、ステップS11に戻る。
ステップS30の過給補助運転では、図5に示すように、ステップS31で、時々刻々の吸気圧Pを入力して、ステップS32で、吸気圧Pの判定を行い、吸気圧Pが過給補助開始吸気圧P1より小さい(P<P1)場合は(NO)、ステップS33に行き、燃料供給量Qinを時々刻々に計測されるエンジン回転速度Neとアクセル開度Acから算出される供給目標燃料量Qtではなく、時々刻々に計測されるエンジン回転速度Neから算出される無過給最大燃料量Q0に設定してシリンダ内への燃料噴射を所定の時間(吸気圧の判定のインターバルに関係する予め設定された時間)の間行い、ステップS31に戻る。また、この時点では、まだ、蓄ガス容器27からのガスCの供給は行わない。
そして、ステップS32で、吸気圧Pが過給補助開始吸気圧P1以上(P≧P1)の場合は(YES)、ステップS34で、EGR弁21を閉弁制御し、流路切替装置30を流路切替制御して、吸気通路12とEGR通路17を遮断すると共に、蓄ガス供給通路28と吸気通路12の下流側を連通して、予め設定された時間T0の間のみ蓄圧されたガスCの供給を行って過給補助を行う。このステップS34では、ステップS33で無過給最大燃料量Q0に制限されていた燃料供給量Qinの制限を解除し、燃料供給量Qinを時々刻々に計測されるエンジン回転速度Neとアクセル開度Acから算出される供給目標燃料量Qtに設定してシリンダ内への燃料噴射を行う。
ステップS34の蓄圧されたガスCの供給が時間T0を経過しして停止されると、ステップS35に行き、燃料供給量Qinを時々刻々に計測されるエンジン回転速度Neとアクセル開度Acから算出される供給目標燃料量Qtに設定した状態で、言い換えれば、燃料供給量Qinを無過給最大燃料量Q0に制限していた状態を解除した状態で、予め設定した時間、ターボ式過給機14による過給を必要に応じて用いた状態での運転、言い換えれば、蓄圧されたガスCによる過給補助無しの運転を所定の時間(ステップS36の運転状態の判定のインターバルに関係する予め設定された時間)の間行い、ステップS36に行く。
ステップS36では、エンジン1、1Aの運転状態を判定し、運転状態が過渡状態のまま(YES)ではステップS35に戻り、運転状態が過渡状態でなくなった場合には(NO)、ステップS30を終了する。この判定は、ステップS13の判定と同様な判定基準で行われる。ステップS30を終了すると、ステップS11に戻る。
このステップS11〜ステップS20、又は、ステップS11〜ステップS30の繰り返しの実施により、上記の過給補助を行う制御を実施することができる。なお、エンジン1、1Aが運転停止された場合は、割り込みが発生して、フローの途中からリターンに行き、上位の制御フローに戻って、この制御フローの実施が停止する。
上記の内燃機関の過給補助方法及びエンジン(内燃機関)1、1Aによれば、エンジン1、1Aを搭載した車両の急加速時や発進時等のエンジン1、1Aの運転状態が過渡状態のときにおいて、ターボ式過給機14のターボラグに起因する加速性能の低下を最小限に防止し、排気ガスG中の粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NOx)の低減を図ることができる蓄圧されたガスCによる過給補助において、過給補助が必要なときにのみ過給補助を行うので、過給補助用の蓄ガス容器27に貯蔵しているガスCの消費を最小限にすることができる。また、これにより、ガスCの不足による過給補助の制限が少なくなると共に、再度蓄圧するまでの時間や仕事量を減少でき、燃費を向上できる。
また、吸気圧Pが、過給補助開始吸気圧P1(無過給最大燃料量Q0の燃料を燃焼できる吸気量を供給できる無過給最大吸気圧P0又はこれより少し小さい値)になってから、過給補助を行うことにより、過給補助が必要な供給目標燃料量Qtであっても、吸気圧Pが、過給が必要になるぎりぎりの無過給最大吸気圧P0近傍までは過給補助を開始しないので、つまり、加速時や発進時の過渡状態のときにスモークリミットで燃料供給量Qinが絞られそうになってから過給補助を行うので、過給補助用の蓄ガス容器27内のガスCの消費を最小限にすることができ、蓄圧されたガスCの節約を図ることができる。
その上、この過給補助方法を採用することで、ターボ式過給機14が万一故障して、吸気圧Pが上昇しなくなっても、即ち、吸気圧Pが、無過給最大吸気圧Q0以上にならなくても、通常の過給無しの燃料供給量Qinが無過給最大燃料量Q0より小さい範囲内のEGR及び吸気方法には、上記の過給補助方法は影響を及ぼさないので、そのままエンジン1、1Aの運転を継続することができる。
更に、過給補助の際に、吸気圧Pが過給補助開始圧力P1(≒無過給最大吸気圧P0)になるまでは、燃料供給量Qinを無過給最大燃料量Q0とし、吸気圧Pが過給補助開始圧力P1(≒無過給最大吸気圧P0)を超えて、過給補助が開始されたときから、燃料供給量Qinを供給目標燃料量Qtとすることにより、過給補助開始までの間の空気不足における過剰な燃料供給を回避できるので、スモークの発生を防止できると共に、トルクを発生させない無駄な燃料の消費を回避でき燃費を向上できる。
本発明の内燃機関の過給補助方法及び内燃機関は、蓄圧されたガスを用いる過給補助を行う内燃機関において、急加速時や発進時などの内燃機関の過渡状態において、過給補助用の蓄ガス容器内のガスの消費量を最小限にできると共に、ターボラグに起因する加速性能の低下を最小限に防止し、粒子状物質と窒素酸化物の低減と燃費向上が可能となる。
従って、ガス圧縮装置を用いて、排気ガスの一部と新気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを蓄ガス容器に溜め込み、負荷が急激に増加する過渡状態のときに前記ガスをシリンダ内に一時的に供給して過渡状態のNOxの排出を抑制するとともに加速性能を向上させる、トラックやバスや乗用車等に搭載する内燃機関の過給補助方法及び内燃機関で利用できる。
1、1A、1X,1Y,1Z エンジン(内燃機関)
11 エンジン本体
11a 吸気マニホールド(吸気系通路)
11b 排気マニホールド(排気系通路)
12 吸気通路(吸気系通路)
13 排気通路(排気系通路)
14 ターボ式過給機
17 EGR通路
21 EGR弁
22 排気ガス導入通路
25 ガス圧縮装置
26 圧縮ガス供給通路
27 蓄ガス容器
28 蓄ガス供給通路
30 流路切替装置
31 車両の車軸
34 電磁クラッチ
35 吸気弁(吸気スロットル)
40 制御装置
51 圧力センサ
A 新気
Aa 空気
Ac アクセル開度
C ガス
G 排気ガス
Ge EGRガス
Gp 排気ガスの一部
Ne エンジン回転速度
P 吸気圧
P0 無過給最大吸気圧(ゼロブースト圧)
P1 過給補助開始吸気圧
Pt 蓄ガス容器の内圧
PL 下限圧力
Q0 無過給最大燃料量(ゼロブーストQ)
Qin 燃料供給量
Qt 供給目標燃料量
T0 過給補助を行っている時間

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気ガスの一部をシリンダ内に再循環するためのEGR通路と、
    内燃機関の排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを圧縮するガス圧縮装置と、
    該ガス圧縮装置で圧縮された前記ガスを貯蓄する蓄ガス容器と、
    該蓄ガス容器と吸気系通路を流路切替装置を介して接続する蓄ガス供給通路を備えた内燃機関の過給補助方法において、
    内燃機関の過渡状態で、かつ、前記蓄ガス容器の内部の圧力が予め設定した下限圧力以上で、かつ、測定されたエンジン回転速度とアクセル開度から算出された供給目標燃料量が、同じエンジン回転速度に対しての過給を行わないときの無過給最大燃料量以上であると判定したときには、EGR弁の操作と流路切替装置の流路切替操作により、EGRガスと吸気を遮断して蓄ガス容器の前記ガスを前記吸気通路に供給する過給補助を行い、前記吸気系通路からのEGRガス及び吸気の供給は行わず、
    前記内燃機関の過渡状態で、かつ、前記蓄ガス容器の内部の圧力が前記下限圧力以上で、かつ、前記供給目標燃料量が前記無過給最大燃料量未満であると判定したときには、前記吸気系通路からのEGRガス及び吸気の供給を行い、且つ前記過給補助は行わないことを特徴とする内燃機関の過給補助方法。
  2. 吸気圧が、前記無過給最大燃料量の燃料を燃焼できる吸気量を供給できる無過給最大吸気圧、又は、該無過給最大吸気圧より低く設定された過給補助開始吸気圧になってから、前記過給補助を行うことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の過給補助方法。
  3. 前記過給補助の際に、前記吸気圧が前記過給補助開始吸気圧になるまでは、燃料供給量を前記無過給最大燃料量とし、前記吸気圧が前記過給補助開始吸気圧を超えて、過給補助が開始されたときから、燃料供給量を前記供給目標燃料量とすることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の過給補助方法。
  4. 内燃機関の排気ガスの一部をシリンダ内に再循環するためのEGR通路と、
    内燃機関の排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを圧縮するガス圧縮装置と、
    該ガス圧縮装置で圧縮された前記ガスを貯蓄する蓄ガス容器と、
    該蓄ガス容器と吸気系通路を流路切替装置を介して接続する蓄ガス供給通路と、
    前記EGR通路の備えたEGR弁と前記流路切替装置を制御する制御装置を備えた内燃機関において、
    前記制御装置が、内燃機関の過渡状態で、かつ、前記蓄ガス容器の内部の圧力が予め設定した下限圧力以上で、かつ、測定されたエンジン回転速度とアクセル開度から算出された供給目標燃料量が、同じエンジン回転速度に対しての過給を行わないときの無過給最大燃料量以上であると判定したときには、EGR弁の操作と流路切替装置の流路切替操作により、EGRガスと吸気を遮断して蓄ガス容器の前記ガスを前記吸気通路に供給する過給補助を行い、前記吸気系通路からのEGRガス及び吸気の供給は行わず、
    前記内燃機関の過渡状態で、かつ、前記蓄ガス容器の内部の圧力が前記下限圧力以上で、かつ、前記供給目標燃料量が前記無過給最大燃料量未満であると判定したときには、前記吸気系通路からのEGRガス及び吸気の供給を行い、且つ前記過給補助は行わない、制御をすることを特徴とする内燃機関。
  5. 前記制御装置が、吸気圧が、前記無過給最大燃料量の燃料を燃焼できる吸気量を供給できる無過給最大吸気圧、又は、該無過給最大吸気圧より低く設定された過給補助開始吸気圧になってから、前記過給補助を行う制御をすることを特徴とする請求項4記載の内燃機関。
  6. 前記制御装置が、前記過給補助の際に、前記吸気圧が前記過給補助開始吸気圧になるまでは、燃料供給量を前記無過給最大燃料量とし、前記吸気圧が前記過給補助開始吸気圧を超えて、過給補助が開始されたときから、燃料供給量を前記供給目標燃料量とする制御をすることを特徴とする請求項5記載の内燃機関。
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