JP2009263826A - ポリ乳酸繊維およびそれを用いてなる繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリ乳酸繊維からなる織編物、不織布等の繊維製品の製造・加工工程で良好に熱処理を施すことが可能であり、また、ポリ乳酸系繊維からなる繊維製品に融点未満の温度でアイロン掛けする際に、風合いが硬化することがないようなポリ乳酸系繊維およびそれからなる繊維製品を提供する。
【解決手段】 D体含有量が0.15モル%以下のポリL乳酸によって構成されるポリ乳酸繊維であり、該繊維をDSC分析した際の融点が175℃以上、結晶融解エンタルピーが50J/g以上であることを特徴とするポリ乳酸繊維。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐熱性に優れたポリ乳酸繊維およびその繊維を用いた繊維製品に関するものである。
熱可塑性プラスチックであるポリ乳酸を溶融紡糸法により繊維化する技術は知られており、特に、L体の含量の高いポリL乳酸は、結晶性で融点が約170℃と、生分解性を有する熱可塑性プラスチックの中では比較的融点が高いために、衣料用あるいは産業用繊維として広く用いることが期待されている。
しかし、たとえば衣料用繊維として用いた場合、これを汎用のポリエステルやポリアミド等の合成繊維と同じようにアイロン掛けを行うと、繊維が溶けることはなくても風合いが硬くなるという問題がある。そのために、ポリ乳酸繊維からなる布帛にアイロン掛けを行うに際しては、特別に低い温度設定や当て布を必要とする等、細心の注意が要され、衣料分野への展開が著しく制限されている。また、織編物や不織布等の繊維製品の製造工程や加工工程においては、熱処理ゾーンあるいは熱ロールを通す際に著しく収縮する、ロールに絡みつく等のトラブルが生じやすいという問題もある。
一方、ポリ乳酸からなり融点がさらに高いものとして、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸が立体特異的に空間配列したポリ乳酸ステレオコンプレックスとその繊維が知られている。例えば、特許文献1には、ポリ−L−乳酸を主成分とする非晶性ポリマーとポリ−D−乳酸を主成分とする非晶性ポリマーを溶融ブレンドすることにより得られるポリ乳酸ステレオコンプレックス組成物および成形品が開示されている。ポリ乳酸ステレオコンプレックス組成物の融点は、通常のポリ−L−乳酸よりも10〜60℃高い。しかし、このような融点が高いステレオコンプレックスによって構成される繊維といえども、必ずしも高温雰囲気下での物性保持が大きく改善されるものではない。
特開2000−17163号公報
本発明は、上記問題を解決するものであって、ポリ乳酸繊維からなる織編物、不織布等の繊維製品の製造・加工工程で良好に熱処理を施すことが可能であり、また、ポリ乳酸系繊維からなる繊維製品に融点未満の温度でアイロン掛けする際に、風合いが硬化することがないようなポリ乳酸系繊維およびそれからなる繊維製品を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成するために、ポリ乳酸繊維のアイロン掛け時における風合いの硬化原因の徹底的究明と対策について、鋭意検討を行った。検討の過程において、融点の高いステレオコンプレックスによる繊維が、必ずしも高温雰囲気下での物性保持が大きく改善されない理由として、本発明者は、ガラス転移温度は従来のポリ−L−乳酸繊維と同等であることと、繊維の結晶化度が従来のポリ−L−乳酸繊維と大差がないことに起因するものと考えた。
そこで、結晶化度に着目し、ポリ乳酸繊維のアイロン掛け時等における風合いの硬化原因を究明したところ、ポリ乳酸繊維において、まず融点自体が高いことと同時に結晶化度を高めることが重要であることを見出した。すなわち、ポリ乳酸繊維が熱処理により硬化する現象は、ガラス転移温度以上で軟化する非結晶領域の寄与が大きく、ポリ乳酸繊維の結晶化度とアイロン掛け時における風合い硬化との間に密接な関係があることを見出した。そして、より融点を高くし、かつ結晶化度を高くするために、市場にて容易に入手できるD体含有量1モル%以上のポリL乳酸ではなく、より極端にD体含有量が低くなるように精製したポリL乳酸を原料として熱延伸により繊維を得ることによって、課題を達成することができたものである。
すなわち、本発明は、D体含有量が0.15モル%以下のポリL乳酸によって構成されるポリ乳酸繊維であり、該繊維をDSC分析した際の融点が175℃以上、結晶融解エンタルピーが50J/g以上であることを特徴とするポリ乳酸繊維を要旨とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリ乳酸繊維は、D体含有量が0.15モル%以下でL体を主体とするポリL乳酸によって構成されるものであり、他の成分を共重合するものではなく、ホモポリ乳酸による繊維である。本発明におけるポリL乳酸は、D体含有量を極限まで低減させたものであるが、D体を全く含有させないように重合することは工業的に困難であることから、D体を0モル%を超えて0.15モル%以下含むものである。
本発明のポリ乳酸繊維は、示差走査熱分析(DSC分析:Differntial Scanning Calorimetrey分析)を行った際、融点が175℃以上、結晶融解エンタルピーが50J/g以上である。本発明のポリ乳酸繊維は、D体含有量を極限まで低減(0.15モル%以下)させたポリL乳酸によって構成されることから、融点が175℃以上で、結晶融解エンタルピーが50J/g以上という結晶性の高い繊維を得ることができる。本発明においては、上記のポリL乳酸を用いて、繊維を得る際の製糸条件を適宜選択することにより、融点185℃程度、結晶融解エンタルピー68J/g程度の高い融点で高い結晶性の繊維をも得ることができる。一般に市場で容易に入手できるL体が主体のポリL乳酸は、D体含有量が少ないものでも1.2モル%程度は含有しており、これを紡糸、熱延伸して得られる繊維は、融点がせいぜい167〜170℃、結晶融解エンタルピーがせいぜい40〜45J/g程度である。
本発明のポリ乳酸繊維(後述の実施例1のポリ乳酸繊維)をDSC分析した際の融解吸熱曲線(DSC曲線)を図1に、D体含有量1.4モル%のポリL乳酸からなるポリ乳酸繊維(後述の比較例1のポリ乳酸繊維)をDSC分析した際のDSC曲線を図2に示す。DSC分析においては、入力補償示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製 Diamond DSC)を用いて昇温速度20℃/分で自動計測した際のDSC曲線より求めた。DSC曲線において、吸熱ピークの熱量(結晶融解エンタルピー)は、繊維を構成する重合体の結晶相の量を示し、この結晶融解エンタルピーは、DSC曲線のベースラインとピークのラインで囲まれた面積で表される。本発明のポリ乳酸繊維をDSC分析した際のDSC曲線は、吸熱ピークの温度(融点)が高く、ピークの形状は非常にシャープである。
本発明のポリ乳酸繊維は、以下の方法により得ることができる。
まず、原料であるD体含有量が0.15モル%以下でL体を主体とするポリL乳酸を用いて、溶融紡糸により繊維を形成する。次いで、得られた繊維に、結晶融解開始温度よりも低い温度で、かつ、結晶化を促進する温度域、すなわち110〜150℃で熱セットする。この熱セットによって、繊維を構成するポリL乳酸の結晶化を促進させることができる。また、得られる繊維のDSC分析による結晶融解エンタルピーを50J/g以上とすることができ、繊維の熱収縮率が抑えられて高温下で安定した繊維を得ることができる。この熱セットは、ポリ乳酸繊維の延伸時または仮撚り加工時あるいはその後に行う。上記温度に設定したヒートプレートに繊維を接触させて熱セットを行えばよい。
本発明のポリ乳酸繊維は、例えば、モノフィラメント、マルチフィラメント、ショートカットファイバー、ステープル等の形態で用いることができる。本発明におけるポリL乳酸は、結晶化速度が速いため、特に製糸時に熱セット時間を長く取り難い長繊維(モノフィラメントやマルチフィラメント)を得ようとする際、繊維の熱収縮率を低く抑えることができる。例えば、市場で容易に入手可能なD体含有量1.4モル%のポリL乳酸からなる長繊維では、150℃の乾熱収縮率が36%以上あるのに対し、同じ製糸条件で得られる本発明のポリ乳酸繊維では、乾熱収縮率が9〜13%程度に抑えられる。
本発明のポリ乳酸繊維の断面形態は、特に限定されず、円形断面であっても異型断面であってもよいし、中空であっても非中空でもよい。
また、ポリ乳酸繊維の繊度は特に限定されるものでなく、用途による要求特性に応じて適宜決定すればよいが、0.5〜200デシテックス程度のものとする。また、繊維の形態は、機械捲縮を付与したものや、三次元的な立体捲縮を有するものであってもよい。例えば、クッション材等の用途には、重合度の異なる2種のポリ乳酸を貼り合せたコンジュゲートタイプの立体捲縮を有するものが好ましい。
ポリ乳酸繊維には、通常のポリエステル繊維用の乾式不織布用油剤、湿式不織布用油剤、紡績用油剤、フィラメント用油剤、仮撚加工用油剤等、用途に応じて付与すればよい。滑りの良いシリコン系あるいは非シリコン系の易滑性油剤を付与してもよい。
本発明のポリ乳酸繊維は、上記したように特定の融点を有し、かつ特定の結晶融解エンタルピーを有しているため、熱収縮率が小さく高温下で安定している。したがって、本発明のポリ乳酸繊維を用いた織編物や不織布等の繊維製品は、加工工程で繊維が収縮して、風合いが劣ったり、また、繊維製品とした後、アイロン掛けを行う際、特にスチームを付与してアイロン掛けを行う際に、その熱により繊維が収縮することにより、繊維製品の組織・構造の適度な遊び(目ずれ)を失ってドレープ性等が低下し、風合いが硬くなる等の問題が生じにくい。
本発明のポリ乳酸繊維を用いた繊維製品としては、織物、編物、網物、紡績糸、組み紐、ショートカットファイバーを水中に分散して抄造した湿式抄造シート、スパンボンド不織布、短繊維であるステープルをカード機等で開繊してステープルが堆積してなるウエブ、前記ウエブをニードリング加工,スパンレース加工を施して繊維同士が交絡してなる短繊維不織布、前記ウエブを熱エンボス装置,熱圧着装置,熱風処理装置等を用いた熱処理を施して、繊維同士を熱接着させた熱接着不織布等が挙げられる。
短繊維不織布をクッション材やフィルターとして用いる場合には、厚さ5mm以上とするのが好ましい。厚さの上限は、特に限定しないが、製造設備、製造コスト、使い易さの点から150mm程度が好ましい。また、クッション材の密度は、0.01g/cm3以上とするのが好ましい。不織布の厚さと密度を規制するには、ニードリング加工によるパンチ密度を適宜選択することや、(ポリ乳酸の融点−5)℃程度の温度で熱圧縮することが挙げられる。
本発明における繊維製品は、ポリ乳酸繊維のみからなるものであってもよいが、ポリ乳酸繊維と、木綿、毛、麻等の天然繊維、レーヨン、溶剤紡糸セルロール繊維等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維等とを混合して、混紡糸、混繊糸、交織編物、混綿不織布等としてもよい。
本発明のポリ乳酸繊維は、融点が175℃以上であり、DSC分析による結晶融解エンタルピーが特定値以上であるため、高温下での熱安定性が非常に良好であり、熱収縮率が小さいものである。
したがって、本発明のポリ乳酸繊維を用いて織編物や不織布等の繊維製品を製造する際の製造工程や加工工程において良好に熱処理を施すことが可能である。
また、本発明のポリ乳酸繊維を用いた繊維製品にアイロン掛けを行う際に、温度設定や、当て布を必要とするなどの細心の注意を払うことなく、設定温度150℃でアイロン掛けを行っても風合いが硬化することない。
また、本発明のポリ乳酸繊維が上記した熱特性を有するものであるので、他の天然繊維や合成繊維と混合して繊維製品を得ようとした際でも、加工工程等で良好に熱処理を施すことができる。
本発明のポリ乳酸繊維によれば、熱に対して細心の注意を要しないため、様々な分野に使用することが可能となる。例えば、繊維製品の一例である不織布の分野においては、アイロン掛けを行う衣料用芯地、高温の媒体を濾過するフィルター、高温洗濯や乾燥を行う肩パット、家具用詰め綿やベッド,敷布団,座布団,マット,炎天下や走行時エンジン廻りで温度の上昇する自動車・車両シート用クッション等のクッション材,天井材,パネル材,吸音材,防振材等に良好に用いることができる。
以下、実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1〜5
L乳酸を主体とする相対粘度(フェノールと四塩化エタンの等質量混合物を溶媒とし、試料濃度0.5g/dl、温度20℃で測定)が1.77あるいは1.91のポリL乳酸(L体:99.90モル%、D体:0.10モル%)を用いて225℃あるいは235℃で紡糸速度3000m/分で溶融紡糸して繊維を得、表1に示す温度に設定した延伸熱ローラーと、熱ローラー間に設置した表1に示す温度に設定したヒートプレートを用い、延伸倍率1.3で熱延伸および熱セットを行い、84デシテックス/36フィラメントのマルチフィラメントを得た。なお、表1において、延伸温度は、延伸熱ローラーの設定温度を表す。
比較例1〜3
L乳酸を主体とする相対粘度(フェノールと四塩化エタンの等質量混合物を溶媒とし、試料濃度0.5g/dl、温度20℃で測定)が1.90のポリL乳酸(L体:98.60モル%、D体:1.40モル%)を用いて225℃あるいは235℃で紡糸速度3000m/分で溶融紡糸して繊維を得、表1に示す温度に設定した延伸熱ローラーと、熱ローラー間に設置した表1に示す温度に設定したヒートプレートを用い、延伸倍率1.3で熱セットも兼ねた熱延伸を行い、84デシテックス/36フィラメントのマルチフィラメントを得た。
なお、比較例3においては、熱延伸時に繊維が硬化して、実用的な繊維を得ることはできなかった。
比較例4
実施例3において、熱セットにおけるヒートプレート温度を80℃としたこと以外は、実施例3と同様にしてマルチフィラメントを得た。
得られた実施例1〜5、比較例1,2,5のポリ乳酸繊維の熱特性(融点、結晶融解エンタルピー)、糸物性および下記方法にて評価した。また、得られたポリ乳酸繊維を用いて繊維製品を得、アイロン特性を評価した。
(熱特性)入力補償示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製 Diamond DSC)を用いて昇温速度20℃/分で自動計測した際のDSC曲線より求めた。
(糸物性)JIS L 1013 8.5.1 引張強さ及び伸び率(標準時試験)に基づき、定速伸長形試験機を用い、つかみ間隔20cm、引張速度20cm/分で測定した。
(アイロン特性)実施例1〜5、比較例1,2,5で得られたポリ乳酸繊維を用いて、針数270本の筒編機で製編して筒編サンプルを作成した。得られた筒編サンプル全体が均一に湿るように水をスプレーにて散布し、表面温度150℃に設定したアイロンにてアイロン掛けを施した後の風合いを以下の基準で評価した。
A:風合いの硬化もなく極めて良好である。
B:ほとんど風合いの硬化がなく、良好である。
C:明らかに風合いの硬化が認められる。
表1に実施例および比較例で得られたポリ乳酸繊維の評価を示す。
実施例6
実施例1で用いたポリL乳酸を用い、通常の溶融紡糸装置を使用して、紡糸温度を235℃、総吐出量を313g/分として溶融紡糸した。紡出糸条を冷却した後、引取速度1000m/分で引き取って未延伸繊維糸条を得た。得られた糸条を集束し、11万デシテックスのトウにして、延伸倍率2.9、延伸温度80℃で延伸し、130℃のヒートドラムで熱セットしてから、押し込み式クリンパを使用して捲縮を付与した後、長さ51mmに切断して、融点181℃、結晶融解エンタルピー61.3J/g、単糸繊度4.4デシテックス、強度2.8cN/dtex、伸度37%(JIS L 1015 8.7.1により、定速伸長形試験機を用いて、つかみ間隔20mm、引張速度20mm/分にて測定)、120℃乾熱収縮率1.8%(JIS L 1015 8.15bにより測定)のポリ乳酸短繊維を得た。
得られたポリ乳酸短繊維を梳綿機に通した後、クロスラツパーで積層して目付120g/mのウエブとした。さらにこのウエブに、192パンチ/cmのパンチ密度でニードリング加工を行なって、厚さ2mmの不織布を得た。
得られた不織布を30cm×30cmに裁断し、これに表面温度150℃に設定したアイロンにてアイロン掛けを行ったところ、硬化もなく極めて風合いは良好であった。
比較例5
実施例6において、ポリ乳酸樹脂として比較例1で用いた樹脂を使ったこと以外は、実施例6と同様にして、ポリ乳酸短繊維を得た。
得られたポリ乳酸短繊維は、融点169℃、結晶融解エンタルピー45.3J/g、単糸繊度4.4デシテックス、強度2.7cN/dtex、伸度35%、120℃乾熱収縮率2.6%であった。
得られたポリ乳酸短繊維を用いて、実施例6と同様して不織布を作成した。得られた不織布を、実施例6と同様にしてアイロン掛けを行ったところ、明らかに風合いの硬化が認められた。
実施例7
実施例6で得られたポリ乳酸短繊維を用いて、梳綿機に通した後、クロスラツパーで積層して目付を50g/mのウエブを得、次いで、ロール表面温度を200℃に設定した熱エンボス装置に通してエンボス加工を施して、部分的に熱圧着された不織布を得た。
得られた実施例7の不織布を、実施例6と同様にしてアイロン掛けを行ったところ、硬化もなく極めて風合いは良好であった。
本発明のポリ乳酸繊維(実施例1のポリ乳酸繊維)をDSC分析した際の融解吸熱曲線 比較例1のポリ乳酸繊維をDSC分析した際の融解吸熱曲線

Claims (2)

  1. D体含有量が0.15モル%以下のポリL乳酸によって構成されるポリ乳酸繊維であり、該繊維をDSC分析した際の融点が175℃以上、結晶融解エンタルピーが50J/g以上であることを特徴とするポリ乳酸繊維。
  2. 請求項1に記載のポリ乳酸繊維が用いた繊維製品。
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