JP2009263780A - スポット溶接継手の十字引張強度に優れた焼入れ用鋼板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.1%以上0.3%未満、Si:1.00%超1.8%以下、Mn:0.5%未満(0%を含まない)、P:0.015%以下(0%を含まない)、S:0.01%以下(0%を含まない)とする他、Al、Cr、Ti、およびBを含有する。
【選択図】図1
Description
(a)Nb:0.1%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)、およびMo:0.8%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上の元素や、
(b)Cu:0.5%以下(0%を含まない)および/またはNi:0.5%以下(0%を含まない)、
(c)Ca:0.005%以下(0%を含まない)、
を含有してもよい。本発明には、上記焼入れ用鋼板を用いて、スポット溶接された高強度部材も包含される。
まず、鋼中のC量と、スポット溶接したときの溶接継手の十字引張強度との関係について検討した。即ち、C以外の化学成分を一定とし、C量を変化させた鋼板を作製し、スポット溶接継手の十字引張荷重を測定した。
Cは、焼入れしたときの焼入れ性を高めて強度を確保するために必要な元素であり、少なくとも0.1%以上含有する。好ましくは0.12%以上、より好ましくは0.13%以上である。しかし、過剰に含有すると、スポット溶接継手の十字引張強度が低くなったり、焼入れ後の靭性低下や遅れ破壊の発生を招く。従ってCは0.3%未満に抑える。好ましくは0.29%以下、より好ましくは0.26%以下である。
Siは、Cを上記範囲で含有する鋼板について、スポット溶接継手の十字引張強度を高くし、スポット溶接性を改善するのに作用する元素である。また、Siは、置換型固溶体強化元素であり、鋼板の延性を低下させることなく、材質を大きく硬化させて強度を高める元素である。また、Siは、焼入れ性を高めるのに作用する元素であり、本発明では、Mnの添加を低減することによる焼入れ性の劣化を抑制するのに作用する。こうした作用を発揮させるためには、Siは1.00%を超えて含有させる。好ましくは1.01%以上であり、より好ましくは1.03%以上である。Siは、できるだけ多く含有させることが好ましいが、1.8%を超えると、熱間圧延工程でのスケール形成が顕著となり、スケール除去にコストがかかる。従ってSiは1.8%以下とする。好ましくは1.7%以下とし、より好ましくは1.6%以下とする。
本発明では、Mnを0.5%未満に極力抑えている点で、Mnを0.5%以上含有する上記特許文献2とは相違している。
Pは、スポット溶接継手の十字引張強度に悪影響を及ぼす元素であり、Pを過剰に含有すると、スポット溶接して形成されるナゲットの最終凝固面に偏析し、ナゲットの脆化を引き起こし、スポット溶接継手の十字引張強度が小さくなる。従ってPは0.015%以下とする。好ましくは0.013%以下、より好ましくは0.01%以下である。
Sも、上記Pと同様に、スポット溶接継手の十字引張強度に悪影響を及ぼす元素であり、Sを過剰に含有すると、ナゲット内の粒界偏析による粒界破壊が助長され、スポット溶接継手の十字引張強度が低くなる。従ってSは0.01%以下とする。好ましくは0.008%以下である。
Alは、溶鋼を脱酸するために添加する元素である。しかし多量に添加しても脱酸剤としての作用は飽和し、経済的に無駄である他、めっき不良を誘発するため、Alは0.1%以下とする。好ましくは0.09%以下、より好ましくは0.08%以下である。Alは、通常、0.01%以上含有している。
Crは、焼入れ性を高め、焼入れ後の鋼板の強度を高めるのに作用する元素である。また、Crを添加すると、均一に焼入れすることができるため、焼入れ後の鋼板はバラツキが少ないものとなる。こうした効果を有効に発揮させるには、Crは0.1%以上含有することが好ましい。より好ましくは0.2%以上である。しかし過剰に含有すると、めっき時に不めっき部が発生したり、化成処理性(例えば、リン酸塩処理など)が劣化する。従ってCrは0.8%以下とする。好ましくは0.7%以下であり、より好ましくは0.6%以下である。
Tiは、Bと複合添加することで、焼入れ性を高めて焼入れ後の鋼板の強度を高めるのに作用する元素である。即ち、TiとBを複合添加すると、Tiは、鋼中のNと結合してTiNを析出するため、鋼中のNが消費されることによりBは固溶Bとして鋼中に存在する。固溶B量が増大することで、焼入れ性が改善され、焼入れ後の鋼板の強度が向上する。こうした効果を有効に発揮させるには、Tiは0.01%以上含有することが好ましい。より好ましくは0.02%以上である。しかし過剰に含有すると、鋼板の延性が悪くなるので、Tiは0.1%以下とする。好ましくは0.09%以下、より好ましくは0.08%以下、更に好ましくは0.07%以下である。
Bは、Tiと複合添加することで、焼入れ性を高めて焼入れ後の鋼板の強度を高めるのに作用する元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、Bは0.0005%以上含有することが好ましい。より好ましくは0.001%以上である。しかし過剰に含有すると、鉄のホウ化物を生成し、鋼板の延性が悪くなる。従ってBは0.005%以下とする。好ましくは0.004%以下、より好ましくは0.003%以下である。
(a)Nb:0.1%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)、およびMo:0.8%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上の元素。
(b)Cu:0.5%以下(0%を含まない)および/またはNi:0.5%以下(0%を含まない)。
(c)Ca:0.005%以下(0%を含まない)。
穴拡げ率(%)=[(d−d0)/d0]×100
上記熱延鋼板同士、冷延鋼板同士、GI鋼板同士、GA鋼板同士を2枚重ね、これを下記に示す条件でスポット溶接し、JIS Z3137で規定されている十字引張試験を行って溶接継手の十字引張荷重を測定した。測定結果を下記表4または表5に示す。本発明では、溶接継手の十字引張荷重が10000N以上の場合を合格とする。
試験片 :十字引張試験用試験片(JIS Z3137)
溶接機 :単相交流式スポット溶接機
電極 :外径φ19mm、先端径φ8mmのドームラジアスタイプ
加圧力 :4119N(420kgf)
初期加圧時間:60サイクル(電源周波数60Hz)
アップスローブ:1サイクル(電源周波数60Hz)
通電時間 :22サイクル(電源周波数60Hz)
ホールド時間:1サイクル(電源周波数60Hz)
溶接電流 :ナゲット径が6.3mm(5√t)となるように調整
Claims (5)
- 質量%で、
C :0.1%以上0.3%未満、
Si:1.00%超1.8%以下、
Mn:0.5%未満(0%を含まない)、
P :0.015%以下(0%を含まない)、
S :0.01%以下(0%を含まない)、
Al:0.1%以下(0%を含まない)、
Cr:0.8%以下(0%を含まない)、
Ti:0.1%以下(0%を含まない)、および
B :0.005%以下(0%を含まない)を含有し、
残部は鉄および不可避不純物からなることを特徴とするスポット溶接継手の十字引張強度に優れた焼入れ用鋼板。 - 更に、他の元素として、
Nb:0.1%以下(0%を含まない)、
V :0.1%以下(0%を含まない)、および
Mo:0.8%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上の元素を含有するものである請求項1に記載の鋼板。 - 更に、他の元素として、
Cu:0.5%以下(0%を含まない)および/または
Ni:0.5%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1または2に記載の鋼板。 - 更に、他の元素として、
Ca:0.005%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の焼入れ用鋼板を用いてスポット溶接されたものであり、焼入れ部の靭性に優れた高強度部材。
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