JP2009263708A - 気相中水素分離方法および気相中水素分離装置 - Google Patents

気相中水素分離方法および気相中水素分離装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水素ポンプのポンプ性能を向上させることができる気相中水素分離方法および気相中水素分離装置を提供する。
【解決手段】本方法は、プロトン導電性セラミックスを基材とする電解質基板10と、電解質基板10のアノード電極11側に設けられたアノード室13と、電解質基板10のカソード電極12側に設けられたカソード室14とをもつ水素ポンプ1装置を用意する工程を実行する。水素を含む対象ガスを水素ポンプ1のアノード室13に導入する。これにより対象ガス中の水素を含むガスを電解質基板10のアノード電極11において分解させる。水素のイオンを電解質基板10の内部を透過させる。カソード電極12上で生成された水素(水素同位体を含み得る)のガスを排出させる排出操作を実行する。排出操作を実行するとき、カソード電極12上で生成された水素のガスを吸引手段7で吸引してカソード電極12からの分離性を促進させる吸引運転を実施する。
【選択図】 図1

Description

本発明は気相中水素分離方法および気相中水素分離装置に関する。
水素同位体であるトリチウム(三重水素、T、H)を例にとって説明する。核融合炉の燃料として使用される水素同位体であるトリチウム(三重水素、T)は、放射性の水素同位体であるため、管理された環境で使用しなければならない。現在、トリチウムの濃度測定には主に液体シンチレーション法が利用されているが、測定はバッチ処理であり、作業性やリアルタイム性が良くない。そこで、プロトン導電性セラミックスの両面に白金電極を備え、水素を生成させる水素ポンプが提案されている(非特許文献1)。
すなわち、プロトン導電性セラミックスは有蓋筒状に形成され、その内周面および外周面には白金の無電解メッキ法により得られるアノード電極およびカソード電極が設けられている。そして、水蒸気を含むガスをプロトン導電性セラミックスの内側に供給し、800℃でアノード電極およびカソード電極間に2Vの直流電圧を印加して、水蒸気の電気分解を行う。その結果、白金メッキ電極は、従来の白金ペースト電極に比べて、電流値が増大し、水素生成速度が増大する。
また、水素ポンプに関する技術として、図6に示すように、プロトン導電性セラミックスを基材とする電解質基板10Xと、電解質基板10Xのアノード電極側に設けられアノード電極に対面するアノード室13Xと、電解質基板10Xのカソード電極側に設けられカソード電極に対面するカソード室14Xと、水素を含む対象ガスをアノード室13Xに導入することにより、対象ガス中の水素を含むガスを電解質基板10Xのアノード電極において分解させる導入通路2Xと、カソード室14Xにおいて電解質基板10Xのカソード電極上で生成された水素のガスを排出させる排出通路3Xとを備えているものが知られている(特許文献1)。
Journal of NUCLEAR SCIENCE and TECHNOLOGY, Vol.41,No.1,p.95-97(January 2004) 特許第3994125
上記した従来技術によれば、水素ポンプのポンプ性能が必ずしも充分ではなく、プロトン導電性セラミックスのカソード電極において発生する水素の量が少なく、必ずしも充分ではない。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、水素ポンプのポンプ性能を向上させることができ、水素の量を多くできる気相中水素分離方法および気相中水素分離装置を提供することを課題とする。
第1発明に係る気相中水素分離方法は、プロトン導電性セラミックスを基材とすると共に一方の片面に設けられたアノード電極と他方の片面に設けられたカソード電極とを有する電解質基板と、電解質基板のアノード電極側に設けられアノード電極に対面するアノード室と、電解質基板のカソード電極側に設けられカソード電極に対面するカソード室とをもつ水素ポンプを用意する工程と、
水素を含む対象ガスを水素ポンプのアノード室に導入することにより、対象ガス中の水素を含むガスを電解質基板のアノード電極において分解させ、水素のイオンを電解質基板の内部を透過させ、カソード電極上で生成された水素のガスを排出させる排出操作を実行し、排出操作を実行するとき、カソード電極上で生成された水素のガスを吸引手段で吸引してカソード電極からの分離性を促進させる吸引運転を実施することを特徴とする。
プロトン導電性セラミックスは、水素および/または水素同位体のイオンを伝導させるセラミックスである。プロトン導電性セラミックスはペロブスカイト型構造をもつ酸化物が例示される。
対象ガスは水素を含む。対象ガスとしては、水素ガスを含有していても良いし、水素を化合物として含有していても良い。化合物としては水があげられる。水としては、気相状の水の形態が挙げられる。
本明細書によれば、水素は、質量数1の水素(H)の他に、水素同位体を含み得る意味である。従って、前記した対象ガスは、水素(H)の同位体である質量数3のトリチウム(H,三重水素)を含み得る。また、前記した対象ガスは、水素の同位体である質量数2のジュウテリウム(H,重水素)を含み得る。但し、本明細書によれば、水素は、水素同位体と並列概念として用いたいときには、質量数1の水素(H)の意味として用いるときもある。対象ガス中の水素は、電解質基板のアノード電極において分解され、水素のイオンは電解質基板の内部を透過し、カソード電極上で水素(水素同位体も含み得る)のガスを生成させる。
吸引手段は排出通路に設けられており、カソード電極上で生成された水素のガスを吸引し、水素がカソード電極から分離することを促進させる。この結果、カソード電極上で生成された水素のガスが水素ポンプのカソード電極から分離することが促進される。吸引手段としては吸引ポンプ(真空ポンプを含む)、吸引ファン、エゼクタが例示されるが、カソード電極上で生成された水素のガスを吸引できるものであれば何でも良い。
上記した吸引運転時において、カソード電極上で生成された水素をカソード電極から分離させる分離促進性を考慮すると、カソード室の全圧を10Pa以下の真空状態、殊に10Pa以下の真空状態とすることが好ましい。殊に、吸引運転時において、カソード室の全圧を10Pa〜10Paの範囲内、殊に、10Pa〜10Paの範囲内の真空状態に維持することが好ましい。
また、上記した吸引運転時において、酸素ガスまたは酸素を含むガスを電解質基板のカソード電極に供給することが好ましい。従って、吸引運転時において、カソード室の酸素分圧を0.1Pa以上、1Pa以上が好ましく、更には5Pa以上が好ましく、殊に10Pa以上が好ましい。
従って、カソード室の全圧を10Pa〜10Paの範囲内の真空状態、または、10Pa〜10Paの範囲内の真空状態に維持する場合において、カソード室の酸素分圧を0.1Pa以上とすることが好ましく、更に1Pa以上、5Pa以上、殊に10Pa以上とすることが好ましい。なかでも、カソード室の酸素分圧を1〜100Paの範囲内、10〜100Paの範囲内にすることが好ましい。
第2発明に係る気相中水素分離装置は、プロトン導電性セラミックスを基材とすると共に一方の片面に設けられたアノード電極と他方の片面に設けられたカソード電極とを有する電解質基板と、電解質基板のアノード電極側に設けられアノード電極に対面するアノード室と、電解質基板のカソード電極側に設けられカソード電極に対面するカソード室とを有する水素ポンプと、
水素を含む対象ガスを水素ポンプのアノード室に導入することにより、対象ガス中の水素を含むガスを電解質基板のアノード電極において分解させる導入通路と、
水素ポンプのカソード室において電解質基板のカソード電極上で生成された水素のガスを排出させる排出通路と、
排出通路に設けられカソード電極上で生成されたカソード室の水素のガスを吸引してカソード電極からの分離性を促進させる吸引手段とを具備する。
本発明によれば、前述したように、対象ガスは水素を含む。対象ガスとしては、水素ガスを含有していても良いし、水素を化合物として含有していても良い。化合物としては水があげられる。水としては、気相状の水の形態、液相状の水の形態、気相および液相の水が共存する形態が挙げられる。
吸引手段は、排出通路に設けられており、カソード電極上で生成された水素のガスを吸引し、水素がカソード電極から分離することを促進させる。吸引手段としては、前述した吸引ポンプ(真空ポンプを含む)、吸引ファン、エゼクタが例示されるが、カソード電極上で生成された水素のガスを吸引できるものであれば何でも良い。
吸引手段は、カソード電極上で生成された水素のガスを吸引し、水素がカソード電極から分離することを促進させる。この結果、カソード電極上で生成された水素のガスがカソード電極から分離することが積極的に促進される。吸引運転時において、カソード室の全圧を10Pa以下の真空状態とすることが好ましい。殊に、吸引運転時において、カソード室の全圧を10Pa〜10Paの範囲内の真空状態に維持することが好ましい。
また、吸引運転時において、酸素ガスまたは酸素を含むガスを電解質基板のカソード電極に供給することが好ましい。従って、吸引運転時において、カソード室の酸素分圧を0.1Pa以上、1Pa以上が好ましい。更に1Pa以上、10Pa以上が好ましい。従ってカソード室の全圧を10Pa〜10Paの範囲内の真空状態に維持する場合において、カソード室の酸素分圧を10Pa以上に調整することが好ましい。
この場合、カソード電極上で生成された水素のガスを吸引し、水素がカソード電極から分離することを促進させることを考慮すると、吸引手段は、吸引運転時において、カソード室の圧力を10Pa以下とすることが好ましい。
本発明によれば、カソード電極上で生成された水素のガスを吸引し、水素がカソード電極から分離することを促進させる。このため、水素ポンプのポンプ性能を向上させるのに有利となる。従って、カソード電極上で生成される水素(水素同位体も含み得る)の発生量を増加させることができる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について図1を参照して説明する。気流中水素分離装置は、図1に示すように、(a)アノード室13およびカソード室14をもつ水素ポンプ1と;(b)水素および/または水素同位体を含む対象ガスを水素ポンプ1のアノード室13に導入することにより、対象ガス中の水蒸気を含むガス(水素および水素同位体を含み得るガス)を水素ポンプ1のアノード室13に供給する導入通路2と;(c)カソード室14に連通する排出通路3とを有する。
プロトン導電性セラミックスを基材とする電解質基板10のうちの厚み方向の一方の片面には、アノード電極11が積層されている。電解質基板10のうちの厚み方向の他方の片面には、カソード電極12が積層されている。電解質基板10のアノード電極11は、薄い膜状をなしており、触媒活性および導電性を有する。カソード電極12は、基板10のうちの他方の片面に設けられた薄い膜状をなす触媒活性および導電性を有する。プロトン導電性セラミックスは、厚みは0.01〜5ミリメートル程度であり、プロトンを厚み方向に透過させる材料である。このようにセラミックスとしては、ペロブスカイト構造を有するセラミックスが例示される。具体的には、プロトン導電性セラミックスとしては、CaZrO系酸化物(例えばCaZr0.9In0.1)等が用いられている。アノード電極11は、水蒸気等の水素化合物のガスの透過性を有する金属又は金属酸化物による電極で構成されており、好ましくは多孔質の金属又は金属酸化物による電極で構成されていることが好ましい。アノード電極11の厚みは0.001〜0.1ミリメートル程度とされていることが好ましい。カソード電極12は、水素および水素同位体のガスを透過する金属又は金属酸化物による電極で構成されており、好ましくは多結晶質の金属又は金属酸化物による電極で構成されている。ここで多結晶質とは、大きさや方位の異なる微少な結晶粒子が固着して集合している固体を指す。
アノード電極11およびカソード電極12を構成する金属としては、白金、金、銀等が用いられる。また、アノード電極11およびカソード電極12を構成する金属酸化物としては、酸化銀、酸化ニッケル等が用いられる。アノード電極11はペースト焼付け法によって形成することが好ましく、カソード電極12は無電解メッキ法によって形成することが好ましい。ペースト焼付け法は、金属又は金属酸化物のペーストを電解質基板10上に所定厚みで塗布形成した後、焼付けることによって行われる。このようなペースト焼付け法により形成されるアノード電極11の細孔径は1〜10μmであり、無電解メッキ法によって形成されるカソード電極12の細孔径は100nm以上で1μm未満である。
図1に示すように、排出通路3の他端には、トリチウム計測手段(水素同位体計測手段)として機能する比例計数管5が設けられている。比例計数管5の先方には、バルブ65および第1通路61を介して排気用のスタックが接続されている。比例計数管5の先方には、バルブ65および第2通路62を介して処理部が接続されている。
排出通路3のうち、吸引手段としての真空ポンプ7と比例計数管5との間には、計数ガスを供給する計数ガス供給手段8がバルブ80を介して設けられている。計数ガスは、比例計数管5で用いられる作動ガスとして機能する。水素ポンプ1のカソード室14は、バルブ90を介して酸素供給手段9に接続されている。酸素供給手段9は、酸素ガスおよび不活性ガス(アルゴンガス)の混合ガスを水素ポンプ1のカソード室14に供給するものである。カソード室14の圧力は圧力センサ95で検知される。図1において、QはH,T,Dを意味する。Hは質量数1の水素を意味する。Tは水素の同位体である質量数3のトリチウム(三重水素)を意味する。Dは水素の同位体である質量数2のジュウテリウム(重水素)を意味する。
使用の際には、水素を含む対象ガス(水素同位体を含み得る対象ガス)を、導入通路2からアノード室13に収容する。単位時間あたりの流量は50〜1000cm/分とすることができる。ここで、水素同位体としてはトリチウム(三重水素)、ジュウテリウム(重水素)が挙げられる。従って、対象ガスは、水素(H)を含む他に、ジュウテリウム(重水素、D、H)および/またはトリチウム(三重水素、T、H)よりなる水素同位体を含み得るガスである。
この対象ガスには、水蒸気(軽水、Hおよび16Oからなる水の蒸気)のほか、重水、トリチウム水およびそれらの混合物のガスが含まれる。本明細書では、水素同位体のガスとは、D、T等のガスを意味し、水素を含むガスとは、水蒸気やメタンガス等の水素化合物のガスを意味する。
この状態で、水素ポンプ1のアノード電極11とカソード電極12との間に直流電圧を印加する。この場合、アノード電極11には直流電源のプラス側が接続される。カソード電極12には直流電源のマイナス側が接続される。アノード電極11とカソード電極12との間には、好ましくは0.05〜20Vの直流電圧、0.1〜10Vの直流電圧、殊に0.1〜5Vの直流電圧を印加する。また、水素ポンプ1の基板10は図示しない加熱装置(具体的には管状電気炉)によって、好ましくは200〜1500℃、さらに好ましくは300〜1000℃の高温領域に加熱される。そして、上記したように基板10が加熱されている状態で、アノード電極11およびカソード電極12間に直流電圧を印加することにより、触媒活性を有するアノード電極11上で水蒸気等の電気分解が行われて、アノード電極11上で水素イオン等が生成される。つまり、対象ガス中の水素および水素同位体(T,D)を含むガスをアノード電極11上で分解する。アノード電極11での基本反応は次の式(1)(2)に示される。従って、アノード電極11での反応が活発であれば、酸素が増加する。
O→H+1/2O …(1)
→2H+2e …(2)
生成した水素イオン、トリチウムイオン等といった水素および水素同位体のイオンは、電解質基板10を構成するプロトン導電性セラミックスを厚み方向に透過し、カソード電極12において水素ガスとなって、あるいは、トリチウムガス等の水素および水素同位体のガスとなって、カソード室14に収容される。カソード電極12での基本反応は次の式(3)に示される。
+e→1/2H …(3)
この際、計数ガス供給手段8から計数ガスがバルブ80を介して排出通路3に供給される。そして、水素ガス、トリチウムガス等のガスが比例計数管5に供給され、そこで計測される。
ところで、上記したように水素ポンプ1の運転を続けると、カソード室14で生成される水素等の還元ガスにより、電解質基板10を形成するプロトン導電性セラミックスの表面が還元され、その性能が低下するおそれがある。これを抑制するために、カソード電極12に対して酸素を含む混合ガスを、バルブ90を開放し、酸素供給手段9からカソード室14に供給する。このように、吸引運転のとき、プロトン導電性セラミックスの酸化処理運転を行う。この酸化処理運転は、プロトン導電性セラミックス内への酸素イオンの浸透を促進させるために、アノード電極11とカソード電極12との間に直流電圧が印加された状態で行うことが好ましい。このようにすれば、電解質基板10を形成するプロトン導電性セラミックスにおける還元が抑制され、プロトン導電性セラミックスの性能が低下するおそれが低減される。
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2について図2を参照して説明する。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成および作用効果を有する。但し、水素ポンプ1のカソード室14には酸素供給手段9が接続されていない。
(実施形態3)
以下、本発明の実施形態3について図3を参照して説明する。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成および作用効果を有する。複数個の水素ポンプ1が並列に設けられている。導入通路2は、各水素ポンプ1のアノード室13に接続された分岐導入通路2pとを有する。排出通路3は、各水素ポンプ1のカソード室14から分岐された分岐排出通路3pとを有する。真空ポンプは7各水素ポンプ1に共用される。
(試験例)
図1に示す水素分離装置を用いて試験例1を実施した。試験例1では、真空ポンプ7の駆動力(回転数)を変化させて、真空ポンプ7の真空吸引力を変化させ、これにより水素ポンプ1のカソード室14の圧力を変化させた。この試験例1では、プロトン導電性セラミックスの温度を973K(600℃)とした。アノード電極11とカソード電極12との間の電流値を一定(0.35アンペア)とした。アノード室13に供給された対象ガスとしてはモル%で1.2%のHOを含む不活性ガス(アルゴンガス)とし、対象ガスの供給流量としては300cm/分間とした。プロトン導電性セラミックスとしては、CaZrO系酸化物(例えばCaZr0.9In0.1)とし、厚みを0.5ミリメートルとした。アノード電極11は、触媒活性および導電性を有する白金(厚み:0.05ミリメートル)とした。カソード電極12は、触媒活性および導電性を有する白金(厚み:0.001ミリメートル)とした。この試験例1では、プロトン導電性セラミックスの還元を抑えるための酸素を水素ポンプ1のカソード室14に供給していない。
試験結果を図4に示す。図4は、水素ポンプ1のカソード室14の全圧[Pa]と、プロトン導電性セラミックスのアノード電極11とカソード電極12との間に印加される電圧[V]との関係を示す。更に図4は、水素ポンプ1のアノード13における酸素濃度[vol%]と、プロトン導電性セラミックスのアノード電極11とカソード電極12との間に印加される電圧[V]との関係を示す。ここで、図4において、プロトン導電性セラミックスのアノード電極11とカソード電極12との間に印加される電解電圧は、小さい方が好ましい。更に、アノード室13における酸素濃度[vol%]については、高い方がアノード電極11における水蒸気に含まれるHO(水素)の分解反応が促進されているため、好ましい。
この試験例1によれば、図4に示すように、カソード室14の全圧が減少すると、カソード電極12における水素を発生させる発生量が増加し、定電流下における電解電圧も減少している。すなわち、カソード室14の全圧を減少させることで、カソード電極12における水素発生性能が向上していることがわかる。
ここで図4から理解できるように、カソード室14の真空度が高くなり過ぎると、電解電圧が高くなり、アノード室13における酸素濃度も低下する傾向がある。これは、必ずしも明らかではないが、酸素が水素ポンプ1のカソード室14に供給されていないため、プロトン導電性セラミックスの還元が進行しているためと推察される。
更に試験例2を実施した。試験例2によれば、真空ポンプ7によりカソード室14を吸引運転を実行してカソード電極12付近を吸引させつつ、酸素を水素ポンプ1のカソード室14に供給し、カソード電極12付近に供給した。
試験結果を図5に示す。図5において、定電流電解電圧の時間変化(V/h)は小さい方が好ましい。図5に示すように、水素ポンプ1のカソード室14における酸素分圧が10Pa未満となると、定電流電解電圧の時間変化(V/h)が増加する。水素ポンプ1のカソード室14における酸素分圧が100Paよりも増加すれば、水素が酸化される割合が大きくなる。殊に、水素ポンプ1のカソード室14における酸素分圧は、0.1〜100Paの範囲内で使用可能である。更には、水素ポンプ1のカソード室14における酸素分圧は、1〜100Paの範囲内、10〜100Paの範囲内が好ましい。
ところで、プロトン導電性セラミックスを透過した水素イオン、トリチウムイオン等は、カソード電極12において、水素ガス、トリチウムガス等の水素および水素同位体のガスに変換される。このとき、カソード電極12は無電解メッキ法によって形成され、水素および水素同位体のガスの透過性が良いため、カソード電極12における水素ガス、トリチウムガス等を良好に生成させることができる。生成した水素ガス、トリチウムガス等は、カソード室14に収容される。カソード電極12が水素および水素同位体のガスの透過性に優れているのは、水素イオンが電子と結合して水素原子に変換される効率が高く、また多結晶中に存在するミクロポアーが水素および水素同位体のガスの透過には適しているためと推察される。
その他、本発明は上記した実施形態、試験例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
実施形態1に係り、水素ポンプをもつ水素分離装置の概略説明図である。 実施形態2に係り、水素ポンプをもつ水素分離装置の概略説明図である。 実施形態3に係り、水素ポンプをもつ水素分離装置の概略説明図である。 カソード室の圧力と電解電圧およびアノード室における酸素濃度との関係を示すグラフである。 カソード室の酸素分圧と定電流電解電圧の時間変化を示すグラフである。 従来形態に係り、水素ポンプをもつ水素分離装置の概略説明図である。
符号の説明
1は水素ポンプ、10は電解質基板、11はアノード電極、12はカソード電極、13はアノード室、14はカソード室、2は導入通路、3は排出通路、7は真空ポンプ(吸引手段)、9は酸素供給手段を示す。

Claims (6)

  1. プロトン導電性セラミックスを基材とすると共に一方の片面に設けられたアノード電極と他方の片面に設けられたカソード電極とを有する電解質基板と、前記電解質基板のアノード電極側に設けられ前記アノード電極に対面するアノード室と、前記電解質基板のカソード電極側に設けられ前記カソード電極に対面するカソード室とをもつ水素ポンプを用意する工程と、
    水素を含む対象ガスを前記水素ポンプの前記アノード室に導入することにより、前記対象ガス中の水素を前記電解質基板の前記アノード電極において分解させ、水素のイオンを前記電解質基板の内部を透過させ、前記カソード電極上で生成された水素のガスを排出させる排出操作を実行し、
    前記排出操作を実行するとき、前記カソード電極上で生成された水素のガスを前記吸引手段で吸引して前記カソード電極からの分離性を促進させる吸引運転を実施することを特徴とする気相中水素分離方法。
  2. 請求項1において、前記吸引運転時において、前記吸引手段は、前記カソード室の圧力を10Pa以下とすることを特徴とする気相中水素分離方法。
  3. 請求項1または2において、前記吸引運転時において、酸素ガスまたは酸素を含むガスを前記電解質基板の前記カソード電極に供給する酸素供給操作を実行することを特徴とする気相中水素分離方法。
  4. プロトン導電性セラミックスを基材とすると共に一方の片面に設けられたアノード電極と他方の片面に設けられたカソード電極とを有する電解質基板と、前記電解質基板のアノード電極側に設けられ前記アノード電極に対面するアノード室と、前記電解質基板のカソード電極側に設けられ前記カソード電極に対面するカソード室とを有する水素ポンプと、
    水素を含む対象ガスを前記水素ポンプの前記アノード室に導入することにより、前記対象ガス中の水素を含むガスを前記電解質基板の前記アノード電極において分解させる導入通路と、
    前記水素ポンプの前記カソード室において前記電解質基板の前記カソード電極上で生成された水素のガスを排出させる排出通路と、
    前記排出通路に設けられ前記カソード電極上で生成された前記カソード室の水素のガスを吸引して前記カソード電極からの分離性を促進させる吸引手段とを具備することを特徴とする気相中水素分離装置。
  5. 請求項4において、前記吸引運転時において、前記吸引手段は、前記水素ポンプの前記カソード室の圧力を10Pa以下とすることを特徴とする気相中水素分離装置。
  6. 請求項4または5において、前記吸引運転時において酸素ガスまたは酸素を含むガスを前記電解質基板の前記カソード電極に供給する酸素供給手段が設けられていることを特徴とする気相中水素分離装置。
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