JP2009263068A - 自動給送装置、該自動給送装置を備えた電子機器 - Google Patents

自動給送装置、該自動給送装置を備えた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】連れ給送を防止する手段を備えた自動給送装置において、給送された被記録材が電子機器内を搬送される時に被記録材に傷等が付いてしまうことを防止するとともに、給送された被記録材が電子機器内を搬送される時の被記録材の搬送負荷及び搬送負荷変動を低減させる。
【解決手段】複数の案内部材81は、給送用ローラ74の回転に連動して、案内リブ751の頂面より上方へ進出する(符号E)。搬送駆動ローラ51の回転により搬送方向Yへ搬送される記録紙Pは、案内部材81によって、紙戻しレバー78から離間する方向(符号Fで示した方向)へ押動された状態で支持されながら給送方向YFへ案内される。それによって、給送された記録紙Pが紙戻しレバー78から離間した状態又は紙戻しレバー78にほとんど接しない状態にすることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、回転駆動力源の回転が伝達されて回転する給送用ローラの回転により被記録材を給送する自動給送装置、該自動給送装置を備えた電子機器に関する。
用紙等の被記録材を一ずつ自動給送する自動給送装置を備えた電子機器が公知である。例えば、被記録材の記録面に文字や画像等の記録を実行する手段を備えたインクジェットプリンタ等の記録装置、記録実行済みの被記録材の記録面に記録されている文字や画像等を読み取る手段を備えたファクシミリ、コピー機、スキャナ装置等である。このような電子機器に搭載される自動給送装置は、給送用ローラの回転により給送される一の被記録材に重なった状態で給送されようとする他の被記録材を前記一の被記録材から分離する分離手段とを備えているのが一般的である。
分離手段の一例としては、所定の摩擦抵抗面を有する分離パッドや所定の従動回転抵抗を付与されて軸支されるリタードローラ等を給送用ローラの外周面に所定の押圧力で押圧するものが一般的である。このような分離手段においては、給送用ローラの外周面と分離面(分離パッド、リタードローラの外周面)とで被記録材を挟持したときに、給送用ローラの外周面と被記録材との接触面に生ずる摩擦力より小さく被記録材同士の接触面に生ずる摩擦力より大きい摩擦力が、分離面と被記録材との接触面に作用する。それによって、給送用ローラの外周面に接している被記録材は、給送用ローラの回転により給送され、他の被記録材は、先端近傍が分離パッドやリタードローラの外周面で係止されるので、複数の被記録材が重なった状態で給送される重送が防止される。
そして、自動給送装置により電子機器内へ給送された被記録材は、電子機器の搬送手段で搬送される。このとき、自動給送装置においては、その給送された被記録材が搬送される際にその搬送中の被記録材にバックテンション(引っ張り負荷)が作用しないように、給送用ローラの外周面から分離面(分離パッド、リタードローラの外周面)が相対的に離間した状態となり、給送用ローラの外周面と分離面とによる被記録材の挟持状態が解除されるのが通常である。
ところが、給送用ローラの外周面から分離面(分離パッド、リタードローラの外周面)が相対的に離間した状態となることによって、分離手段により分離された他の被記録材の挟持状態も解除されることになる。つまり、分離手段により分離された他の被記録材は、比較的自由に給送経路を移動可能な状態になってしまう。そのため、給送された被記録材が電子機器の搬送手段で搬送されていく際に、その給送された被記録材に接している他の被記録材が、その給送された被記録材の搬送に引きずられるようにして給送されてしまうことがある。これが、いわゆる連れ給送と呼ばれる現象である。
このような連れ給送を防止可能な自動給送装置の一例としては、例えば、リタードローラ等の分離手段により給送すべき被記録材から分離された他の被記録材を係止部材で係止し、さらに係止した他の被記録材を係止部材で給送用トレイ等へ押し戻す戻し機構を備えた自動給送装置が公知である(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−117387号公報
しかしながら、上記のような係止部材を設けることによって、給送された被記録材は、その係止部材に摺接しながら電子機器内を搬送されることになる。それによって、その被記録材の係止部材が摺接する部分に傷等が付いてしまう虞が生ずる。また、給送された被記録材が電子機器内を搬送される時の搬送負荷(バックテンション)が増加し、搬送手段による搬送精度が低下する虞が生ずる。さらに、電子機器内を搬送される被記録材の後端が係止部材から離間する時に、搬送負荷が大きく変動して瞬間的に大きな搬送誤差が生じてしまう虞がある。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、連れ給送を防止する手段を備えた自動給送装置において、給送された被記録材が電子機器内を搬送される時に被記録材に傷等が付いてしまうことを防止するとともに、給送された被記録材が電子機器内を搬送される時の被記録材の搬送負荷及び搬送負荷変動を低減させることにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、被記録材を給送方向へ案内する給送案内面と、給送されるべき被記録材から他の被記録材を分離する分離手段と、変位可能に配設され、前記給送案内面に進出して前記他の被記録材を係止する係止部材と、を備えた自動給送装置において、前記係止部材より前記給送方向の下流側に変位可能に配設され、前記給送案内面に沿って搬送される被記録材を前記係止部材から離間させる方向へ押動した状態で支持可能な案内部材を備えている、ことを特徴とした自動給送装置である。
分離手段により給送されるべき被記録材から分離された他の被記録材は、給送案内面に進出した係止部材により係止される。それによって、いわゆる連れ給送を防止することができる。そして、給送案内面に沿って搬送される被記録材は、係止部材より給送方向の下流側において、案内部材により係止部材から離間する方向へ押動された状態で支持される。それによって、給送された被記録材が係止部材から離間した状態又は係止部材にほとんど接しない状態にすることができる。
このように、給送された被記録材が係止部材から離間した状態又は係止部材にほとんど接しない状態にすることができるので、その被記録材に係止部材が摺接して傷等が付いてしまうことを防止することができる。また、給送された被記録材が電子機器内を搬送される時の搬送負荷を低減させることができる。さらに、電子機器内を搬送される被記録材の後端が係止部材から離間する時に、搬送負荷が大きく変動する虞を低減させることができる。
また、案内部材は、変位可能に配設されているので、適切なタイミングで給送案内面に出没させることができる。例えば、給送案内面に沿って給送される被記録材の給送方向の先端が電子機器の搬送手段に到達して係合した後に、その被記録材を係止部材から離間する方向へ押動した状態で支持する位置へ変位させる。それによって、被記録材の給送方向の先端が給送途中で案内部材に引っ掛かってしまうことを確実に回避することができるとともに、その被記録材が給送途中で給送案内面による本来の給送経路から逸脱してしまうことを確実に回避することができる。
これにより、本発明の第1の態様に記載の自動給送装置によれば、連れ給送を防止する手段を備えた自動給送装置において、給送された被記録材が電子機器内を搬送される時に被記録材に傷等が付いてしまうことを防止することができるとともに、給送された被記録材が電子機器内を搬送される時の被記録材の搬送負荷及び搬送負荷変動を低減させることができるという作用効果が得られる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様に記載の自動給送装置において、前記案内部材が前記給送方向と交差する方向へ離間して複数配設されている、ことを特徴とした自動給送装置である。
このように、複数の案内部材を給送方向と交差する方向へ離間して配設することによって、被記録材をより安定的に支持しながら給送方向へ案内することができる。それによって、給送された被記録材が電子機器内を搬送される時にスキュー(搬送方向に対する被記録材の傾き)等が生ずる虞を低減させることができる。
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様に記載の自動給送装置において、回転駆動力源の回転が伝達されて回転する給送用ローラの回転により被記録材が前記給送案内面に沿って給送され、前記案内部材は、前記給送用ローラの回転に連動して変位する、ことを特徴とした自動給送装置である。
このように、給送用ローラの回転に連動して案内部材を変位させることによって、給送用ローラの回転により給送される被記録材の位置に応じて、適切なタイミングで案内部材を変位させることができる。
本発明の第4の態様は、前述した第1〜第3の態様のいずれかに記載の自動給送装置において、前記案内部材は、前記係止部材の変位に連動して変位する、ことを特徴とした自動給送装置である。
このように、係止部材の変位に連動して案内部材を変位させることによって、係止部材が給送案内面に進出するタイミングに合わせて案内部材を変位させることができる。したがって、例えば、係止部材が給送案内面に進出する前に、給送された被記録材を係止部材から離間する方向へ押動した状態で支持する位置へ案内部材を変位させれば、給送された被記録材が係止部材に摺接することを確実に回避することができる。
本発明の第5の態様は、前述した第1〜第4の態様のいずれかに記載の自動給送装置において、前記案内部材は、所定の変位位置で前記給送案内面の一部を構成する、ことを特徴とした自動給送装置である。
例えば、給送案内面の一部に案内部材が出没するための孔等が設けられていると、その孔等に、給送される被記録材の先端が引っ掛かってしまう虞が生ずる。本発明の第5の態様に記載の自動給送装置は、案内部材が給送案内面の一部を構成するので、案内部材を変位可能に配設しつつ、孔等がない一連の給送案内面を構成することができる。それによって、給送される被記録材の先端が給送案内面に引っ掛かってしまう虞を低減させることができる。
本発明の第6の態様は、所定の搬送方向へ被記録材を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される被記録材に記録を実行する手段又は前記搬送手段により搬送される被記録材に記録されている情報を読み取る手段と、前記搬送手段へ被記録材を給送する前述した第1〜第5の態様のいずれかに記載の自動給送装置と、を備えた電子機器である。
本発明の第6の態様に記載の電子機器によれば、所定の搬送方向へ被記録材を搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送される被記録材に記録を実行する手段又は搬送手段により搬送される被記録材に記録されている情報を読み取る手段とを備えた電子機器において、前述した第1〜第5の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<インクジェットプリンタの概略構成>
まず、本発明に係る「記録装置」の一例であるインクジェットプリンタ50の概略構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は、インクジェットプリンタ50の側断面図である。
インクジェットプリンタ50は、記録紙Pをインクジェットプリンタ50の内部へ給送するための自動給送装置70を備えている。また、インクジェットプリンタ50は、プラテン53に支持されている「被記録材」としての記録紙Pを搬送方向Yへ搬送する「搬送手段」として搬送駆動ローラ51及び搬送従動ローラ52を備えている。さらに、インクジェットプリンタ50は、プラテン53に支持されている記録紙Pに記録を実行する手段として、プラテン53に支持されている記録紙Pの記録面にインクを噴射する記録ヘッド62を備えている。さらに、インクジェットプリンタ50は、記録実行後の記録紙Pを搬送方向Yへ搬送し排出する手段として排出駆動ローラ54及び排出従動ローラ55を備えている。
搬送駆動ローラ51は、表面に高摩擦被膜が施されており、図示していない搬送用モータの回転駆動力が伝達されて回転する。搬送従動ローラ52は、従動回転可能に軸支され、図示していないばね等の付勢手段によって、搬送駆動ローラ51の外周面に当接した状態で付勢されている。自動給送装置70により給送された記録紙Pは、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とで挟持され、搬送駆動ローラ51の駆動回転により搬送方向Yへ所定の搬送量でプラテン53上を搬送される。
記録ヘッド62は、キャリッジ61の底部に配設されている。記録ヘッド62のヘッド面には、インクを噴射するための多数の噴射ノズル(図示せず)が配設されている。キャリッジ61は、記録ヘッド62のヘッド面とプラテン53上の記録紙Pの記録面とが略平行となる状態を維持しつつ記録紙Pの幅方向X(搬送方向Yと交差する方向)へ往復動可能に、キャリッジガイド軸56に支持されている。キャリッジ61は、図示していないキャリッジ駆動用モータの回転軸に配設された駆動プーリ(図示せず)と従動プーリ(図示せず)との間に掛架された無端ベルト(図示せず)が連結されており、無端ベルトを介してキャリッジ駆動用モータの回転駆動力が伝達されて幅方向Xへ往復動する。
プラテン53は、記録紙Pの搬送方向Yに沿って形成された多数のプラテンリブ(図示せず)を有している。プラテン53上を搬送される記録紙Pは、このプラテンリブの頂面で裏面側から支持される。記録紙Pは、このプラテン53に支持された領域において、記録ヘッド62のヘッド面からのインク噴射により記録面にドットが形成されて記録が実行される。記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pの記録面との間隔は、プラテンリブの頂面によって適正な間隔に規定される。
プラテン53上を搬送される記録紙Pは、キャリッジ61が幅方向Xへ往復動しながら記録ヘッド62のヘッド面から記録紙Pの記録面にインクを噴射してドットを形成する動作と、搬送駆動ローラ51の駆動回転により搬送方向Yへ所定の搬送量で搬送する動作とが交互に繰り返されることによって、記録面への記録が実行される。インク噴射後の記録紙Pは、排出駆動ローラ54と排出従動ローラ55とで挟持され、排出駆動ローラ54の駆動回転により搬送方向Yへ搬送されて排出される。これらの一連の記録制御は、図示していない制御回路により実行される。
<本発明に係る自動給送装置の構成>
つづいて、本発明に係る自動給送装置70の構成について、引き続き図1を参照しつつ図2〜図5も参照しながら説明する。
図2は、本発明に係る自動給送装置70の一部を拡大図示した斜視図である。図3は、本発明に係る自動給送装置70の要部を図示した斜視図である。
自動給送装置70は、ホッパ71、左エッジガイド72、右エッジガイド73、給送用ローラ74、給送経路75、分離パッド76、給送用モータ77及び戻しレバー78を備えている。ホッパ71は、記録紙Pの載置面を構成し、両側端の上部に設けられた揺動軸711で、自動給送装置70の基体701に揺動可能に軸支されている。左エッジガイド72及び右エッジガイド73は、幅方向Xへスライド可能にホッパ71に支持されている。ホッパ71に載置された記録紙Pは、左エッジガイド72及び右エッジガイド73に幅方向Xの両端が当接した状態で、幅方向Xの位置が所定位置に規制される。
給送用ローラ74は、給送用ローラ軸741に一体的に配設されており、給送用モータ77の回転駆動力で給送用ローラ軸741が回転することによって回転する。また、給送用ローラ74は、図示の如く、回転中心となる給送用ローラ軸741から外周面までの距離が相対的に長い円弧状の部分と相対的に短い直線状の部分とを有する、いわゆるD型ローラである。
給送経路75には、複数の案内リブ751が設けられている。この案内リブ751の頂面は、記録紙Pを給送方向YFへ案内する「給送案内面」を構成する。「分離手段」としての公知の分離パッド76は、給送されるべき記録紙Pから他の記録紙を分離して重送を防止するための部材である。「係止部材」としての紙戻しレバー78は、変位可能に基体701に支持されており、給送用ローラ軸741に一体に設けられたカム(図示せず)と係合して給送用ローラ74の回転に連動して変位する。
さらに、本発明に係る自動給送装置70は、紙戻しレバー78より給送方向YFの下流側に変位可能に配設された案内部材81を備えている。案内部材81は、紙戻しレバー78より給送方向YFの下流側に、給送方向YFと交差する方向(幅方向Xと同じ方向)へ離間して複数配設されている。複数の案内部材81は、基体701に軸支された揺動軸82に一体に形成されている。揺動軸82の端部には、揺動体83が一体に形成されており、揺動体83には、揺動規制レバー84が一体に形成されている。また、複数の案内部材81は、基体701との間に縮設されたコイルばね86のばね力によって、給送経路75へ進出する方向へ付勢されている。
そして、給送用ローラ軸741には、揺動規制レバー84と係合するカム85が一体的に配設されている。カム85は、図示の如く、円弧状の部分と直線状の部分とを有するD型形状の部材である。より具体的には、このカム85は、D型ローラである給送用ローラ74と側面視において相似形となるD型形状の部材であり、給送用ローラ74と略同位相となるように給送用ローラ軸741に配設されている。
複数の案内部材81は、給送用ローラ軸741と一体に回転するカム85のカム形状に応じて符号Aで示した揺動方向へ揺動し、給送経路75に設けられた孔752を通じて給送経路75に出没する。つまり、複数の案内部材81は、給送用ローラ74の回転に連動して給送経路75に出没する。さらに、紙戻しレバー78も給送用ローラ74の回転に連動して変位することから、複数の案内部材81は、紙戻しレバー78の変位にも連動して変位することになる。
つづいて、本発明に係る自動給送装置70の動作について説明する。
図4は、本発明に係る自動給送装置70の要部を図示した側断面図であり、記録紙Pを給送している状態を図示したものである。
ホッパ71は、給送用ローラ74の回転に連動して動作する揺動機構(図示せず)により、給送用ローラ74へ向けて符号Bで示した揺動方向へ揺動する。それによって、ホッパ71に載置された記録紙Pは、給送用ローラ74の外周面に押圧された状態となる。そして、給送用ローラ74が符号Cで示した回転方向へ回転することにより、記録紙Pは、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52との当接面へ向けて案内リブ751の頂面に案内されながら給送方向YFへ給送される。
このとき、給送されるべき記録紙P及び他の記録紙(図示省略)は、給送用ローラ74の外周面の円弧状部分と分離パッド76とで挟持された状態となる。それによって、給送されるべき記録紙Pだけが給送用ローラ74の回転により給送され、他の記録紙Pは分離パッド76との接触面に作用する摩擦力によって係止され、それによって、記録紙Pの重送が防止される。
図5は、本発明に係る自動給送装置70の要部を図示した側断面図であり、記録紙Pを給送した後の状態を図示したものである。
給送された記録紙Pは、給送方向YFの先端が搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52との当接面に到達し、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とで挟持されて搬送方向Yへ搬送可能な状態となる。その時点で、ホッパ71は、符号Dで示した揺動方向へ揺動して退避した状態となる。また、給送用ローラ74は、回転中心となる給送用ローラ軸741から外周面までの距離が相対的に短い直線状の部分が分離パッド76と対面した状態となる位置まで回転して停止する。つまり、給送用ローラ74の外周面と分離パッド76とは、大きく離間した状態となる。それによって、給送された記録紙Pが搬送駆動ローラ51の回転により搬送方向Yへ搬送される際には、その記録紙Pにバックテンションはほとんど作用しない状態になるが、他方、分離パッド76に係止されていた他の記録紙(図示省略)は、給送経路75を自由に移動可能な状態となる。
このとき、紙戻しレバー78は、給送用ローラ74の回転に連動して、所定のタイミングで給送経路75に進出して他の記録紙を係止するとともに、係止した他の記録紙をホッパ71へ向けて押動する方向へ変位する(符号G)。それによって、搬送駆動ローラ51の回転により搬送方向Yへ搬送される記録紙Pに引きずられるように他の記録紙が給送される連れ給送を防止することができる。尚、紙戻しレバー78は、軸部781を回動中心として符号Gで示した方向へ回動可能に基体701に支持されている。
そして、この状態においては、カム85の外周面形状に沿って揺動体83が符号A1で示した揺動方向へ揺動し、案内部材81が符号Eで示した方向へ変位する。つまり、複数の案内部材81は、給送用ローラ74の回転に連動して、案内リブ751の頂面より上方へ進出する(符号E)。したがって、搬送駆動ローラ51の回転により搬送方向Yへ搬送される記録紙Pは、図示の如く、案内部材81によって、紙戻しレバー78から離間する方向(符号Fで示した方向)へ押動された状態で支持されながら給送方向YFへ案内される。それによって、給送された記録紙Pが紙戻しレバー78から離間した状態又は紙戻しレバー78にほとんど接しない状態にすることができる。
以上説明したように、本発明に係る自動給送装置70は、給送された記録紙Pが紙戻しレバー78から離間した状態又は紙戻しレバー78にほとんど接しない状態にすることができる。それによって、その記録紙Pが搬送駆動ローラ51の回転により搬送方向Yへ搬送される際に、その記録紙Pに紙戻しレバー78が摺接して傷等が付いてしまうことを防止することができる。また、給送された記録紙Pが搬送駆動ローラ51の回転により搬送方向Yへ搬送される時の搬送負荷を低減させることができる。さらに、搬送方向Yへ搬送される記録紙Pの後端が紙戻しレバー78から離間する時に、記録紙Pの搬送負荷が大きく変動する虞を低減させることができる。
さらに、案内部材81は、上記実施例のように、給送用ローラ74の回転に連動して変位するのが好ましい。それによって、給送用ローラ74の回転により給送される記録紙Pの位置に応じて、適切なタイミングで案内部材81を変位させることができる。例えば、案内リブ751の頂面に沿って給送される記録紙Pの給送方向YFの先端が搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52との当接面に到達して係合した後に、案内部材81が案内リブ751の頂面より上方へ進出するのが好ましい。それによって、記録紙Pの給送方向YFの先端が給送途中で案内部材81に引っ掛かってしまうことを確実に回避することができる。また、給送される記録紙Pが給送途中で案内リブ751の頂面による本来の給送経路から逸脱してしまうことを確実に回避することができる。
さらに、案内部材81は、上記実施例のように、紙戻しレバー78の変位に連動して変位するのが好ましい。それによって、紙戻しレバー78が案内リブ751の頂面に進出するタイミングに合わせて案内部材81を変位させることができる。例えば、紙戻しレバー78が案内リブ751の頂面に進出する前に、案内部材81を案内リブ751の頂面より上方へ進出させるのが好ましい。それによって、給送された記録紙Pが紙戻しレバー78に摺接することを確実に回避することができる。
さらに、案内部材81は、上記実施例のように、給送方向YFと交差する方向へ離間して複数配設されているのが好ましい。それによって、記録紙Pをより安定的に支持することができるので、給送された記録紙Pが搬送駆動ローラ51の回転により搬送方向Yへ搬送される時にスキュー(搬送方向Yに対する記録紙Pの傾き)等が生ずる虞を低減させることができる。
<本発明に係る自動給送装置の他の実施例>
本発明に係る自動給送装置70の他の実施例としては、例えば、案内部材81が所定の変位位置で案内リブ751の頂面の一部を構成するようにすることもできる。つまり、案内リブ751の一部を変位可能に支持された案内部材81で構成することもできる。それによって、案内部材81を変位可能に配設しつつ一連の連続した「給送案内面」を構成することができるので、給送される記録紙Pの先端が給送経路75の孔752等に引っ掛かってしまう虞を低減させることができる。
また、本発明に係る自動給送装置70の他の実施例としては、搬送駆動ローラ51の回転に連動して案内部材81を変位させることもできる。例えば、搬送駆動ローラ51が回転している間、その回転を利用して案内部材81が案内リブ751の頂面より上方へ進出した状態が維持されるようにすれば、上記の実施例と同様の作用効果が得られる。
そして、本発明に係る自動給送装置の適用範囲は、特にインクジェットプリンタに限定されるものではなく、自動給送装置を搭載する「電子機器」の全てに適用することができるのは言うまでもない。例えば、レーザプリンタ、ドットインパクトプリンタ等、自動給送装置を備えた記録装置の全てにおいて、本発明の実施は可能であり、本発明による作用効果を得ることができる。さらに、自動給送装置により給送される記録紙を「搬送手段」により搬送しながらその記録紙に記録されている情報を読み取る手段を備えたスキャナ装置、コピー機、ファクシミリ等の電子機器においても本発明の実施は可能であり、本発明による作用効果を得ることができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
インクジェットプリンタの側断面図。 本発明に係る自動給送装置の一部を拡大図示した斜視図。 本発明に係る自動給送装置の要部を図示した斜視図。 記録紙を給送している状態を図示した自動給送装置の要部側断面図。 記録紙を給送した後の状態を図示した自動給送装置の要部側断面図。
符号の説明
50 インクジェットプリンタ、 70 自動給送装置、 71 ホッパ、 72 左エッジガイド、 73 右エッジガイド、 74 給送用ローラ、 75 給送経路、 76 分離パッド、 77 給送用モータ、 78 紙戻しレバー、 81 案内部材、 82 揺動軸、 83 揺動体、 84 揺動規制レバー、 85 カム、 86 コイルばね、 751 案内リブ、 P 記録紙、 X 幅方向、 Y 搬送方向、 YF 給送方向

Claims (6)

  1. 被記録材を給送方向へ案内する給送案内面と、
    給送されるべき被記録材から他の被記録材を分離する分離手段と、
    変位可能に配設され、前記給送案内面に進出して前記他の被記録材を係止する係止部材と、を備えた自動給送装置において、
    前記係止部材より前記給送方向の下流側に変位可能に配設され、前記給送案内面に沿って搬送される被記録材を前記係止部材から離間させる方向へ押動した状態で支持可能な案内部材を備えている、ことを特徴とした自動給送装置。
  2. 請求項1に記載の自動給送装置において、前記案内部材が前記給送方向と交差する方向へ離間して複数配設されている、ことを特徴とした自動給送装置。
  3. 請求項1又は2に記載の自動給送装置において、回転駆動力源の回転が伝達されて回転する給送用ローラの回転により被記録材が前記給送案内面に沿って給送され、前記案内部材は、前記給送用ローラの回転に連動して変位する、ことを特徴とした自動給送装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動給送装置において、前記案内部材は、前記係止部材の変位に連動して変位する、ことを特徴とした自動給送装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動給送装置において、前記案内部材は、所定の変位位置で前記給送案内面の一部を構成する、ことを特徴とした自動給送装置。
  6. 所定の搬送方向へ被記録材を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される被記録材に記録を実行する手段又は前記搬送手段により搬送される被記録材に記録されている情報を読み取る手段と、
    前記搬送手段へ被記録材を給送する請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動給送装置と、を備えた電子機器。
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