JP2009262995A - 引裂帯付き段ボール箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄い段ボールを使用しても、製箱時に段ボールが引裂帯の折目線で折れ曲がる現象を防止でき、積上時における胴膨れも防止できるようにする。
【解決手段】稜部罫線1を介して立面板2と平面板3とを連設し、立面板2に、その両端間に亘る開封用の引裂帯7を設けると共に、引裂帯7の切始部8を設け、引裂帯7は、周期的に湾曲した2本の波状切目線7aにより形成し、各切目線7aは、段ボールの表裏に貫通する全切部7bと、段ボールが裏側から厚さ方向の途中まで切り込まれた半切部7cとが交互に断続するリード罫とし、立面板2と平面板3とを稜部罫線1沿いに折り曲げて製箱する引裂帯付き段ボール箱において、前記引裂帯7を形成する波状切目線7aの振幅中心線を、立面板2と平面板3との境界の稜部罫線1に対して傾斜させ、稜部罫線1方向の単位長さ当たりの切目線7aを長くして、折曲強度を高める。
【選択図】図1
【解決手段】稜部罫線1を介して立面板2と平面板3とを連設し、立面板2に、その両端間に亘る開封用の引裂帯7を設けると共に、引裂帯7の切始部8を設け、引裂帯7は、周期的に湾曲した2本の波状切目線7aにより形成し、各切目線7aは、段ボールの表裏に貫通する全切部7bと、段ボールが裏側から厚さ方向の途中まで切り込まれた半切部7cとが交互に断続するリード罫とし、立面板2と平面板3とを稜部罫線1沿いに折り曲げて製箱する引裂帯付き段ボール箱において、前記引裂帯7を形成する波状切目線7aの振幅中心線を、立面板2と平面板3との境界の稜部罫線1に対して傾斜させ、稜部罫線1方向の単位長さ当たりの切目線7aを長くして、折曲強度を高める。
【選択図】図1
Description
この発明は、開封用引裂帯を有する段ボール箱に関するものである。
従来、下記特許文献1には、図9に示すように、稜部罫線51を介して連設した各一対の立面板52と平面板53とを折り曲げ、集積した飲料缶Cを包み込んで、継代片54での接合により周壁を形成し、立面板52及び平面板53からそれぞれ延びる端板55,56を貼り合わせて封緘するラップラウンド式段ボール箱が記載されている。
立面板52には、開封用引裂帯57及びその切始部58が設けられ、引裂帯57は、周期的に湾曲した2本の波状切目線57aにより形成されている。
各切目線57aは、段ボールの表裏に貫通する全切部57bと、段ボールが裏側から厚さ方向の途中まで切り込まれた半切部57cとが交互に断続するリード罫とされ、その振幅中心線は、稜部罫線51に対して平行となっている。
引裂帯57をこのように構成したのは、ケーサーでの製箱に際して、段ボールが所定の稜部罫線51ではなく、引裂帯57の切目線57aで内側へ折れ曲がる現象を防止して、製箱不良の発生を抑制するためである。また、包装状態で複数個の段ボール箱を積み上げたとき、立面板52に胴膨れが生じる現象を防止するためでもある。
この段ボール箱を、例えば店頭での陳列時に開封する際には、切始部58を押し込んで摘み、引裂帯57を引っ張って立面板52及び端板55の段ボールを切断し、段ボール箱の上部を除去して、トレー状となった段ボール箱から缶Cを露出させることにより、陳列効果を高めると共に、缶Cを容易に取り出せるようにする。
ところで、近年、ゴミの減量化や包装コスト削減のため、段ボール箱の材料として、薄い原紙から構成される段ボールが使用されたり、F段やG段等の薄手の段ボールが使用される場合がある。
このような材料を用いると、上記のように引裂帯を構成してもなお、製箱に際し、段ボールが所定の稜部罫線ではなく、引裂帯の切目線で内側へ折れ曲がったり、包装状態で積み上げたとき、立面板が切目線で座屈して、胴膨れが生じたりするおそれがある。
そこで、この発明は、折曲強度に乏しい薄い段ボールを使用しても、製箱時に段ボールが引裂帯の折目線で折れ曲がる現象を防止でき、積上時における胴膨れも防止できる段ボール箱を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、この発明は、稜部罫線を介して立面板と平面板とを連設し、立面板に、その両端間に亘る開封用の引裂帯を設けると共に、引裂帯の切始部を設け、引裂帯は、周期的に湾曲した2本の波状切目線により形成し、各切目線は、段ボールの表裏に貫通する全切部と、段ボールが裏側から厚さ方向の途中まで切り込まれた半切部とが交互に断続するリード罫とし、立面板と平面板とを稜部罫線沿いに折り曲げて製箱する引裂帯付き段ボール箱において、前記引裂帯を形成する波状切目線の振幅中心線を、立面板と平面板との境界の稜部罫線に対して傾斜させたのである。
また、前記引裂帯を形成する2本の波状切目線の振幅中心線を、立面板の中央部に位置する切始部の部分で間隔が最大となり、両端へ向けて間隔が小さくなるようにテーパー状に配置し、或いは、これに代えて、立面板の中央側に位置する切始部から両端へかけて間隔が均等となるように平行に配置したのである。
このように構成すると、稜部罫線の方向における単位長さ当たりの切目線の長さが、振幅中心線を稜部罫線に平行な直線とした場合に対して長くなるので、切目線における折曲強度が向上し、段ボールが切目線に沿って不意に折れ曲がりにくくなる。
この発明に係る段ボール箱では、上記のように、立面板に設けた引裂帯の切目線における折曲強度が向上するので、薄い段ボールを使用しても、ケーサーでの製箱時に段ボールが引裂帯の切目線で折れ曲がる現象が効果的に防止され、製箱不良の発生が抑制されると共に、積上時の座屈による胴膨れも防止される。
まず、この発明の第1実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
この段ボール箱は、24本の飲料缶を6本ずつ4列に並べて包装するものであり、図3に示すブランクから形成される。
このブランクでは、稜部罫線1を介して各一対の立面板2及び平面板3が交互に連設され、一方の立面板2に稜部罫線1を介して継代片4が連設されている。立面板2及び平面板3の両端には端板5,6がそれぞれ連設されている。
立面板2には、稜部罫線1に並行する開封用の引裂帯7が設けられ、これに連続して、端板5にも引裂帯7が設けられている。立面板2の中央部には、開封時に引裂帯7の端部を摘む切始部8が設けられている。
ここで、図2に示すように、立面板2における引裂帯7は、周期的に湾曲して対称形状となった2本の波状切目線7aにより形成されている。
各切目線7aの振幅中心線Sは、稜部罫線1に対して傾斜し、立面板2の中央部に位置する切始部8の部分で間隔が最大となり、両端へかけて間隔が小さくなるようにテーパー状に配置されている。
また、各切目線7aは、段ボールの表裏に貫通する全切部7bと、段ボールが裏側から厚さ方向の途中まで切り込まれた半切部7cとが交互に断続し、全切部7bと半切部7cの間に切り込みのない繋部が設けられたリード罫とされている。全切部7bは、半切部7cよりも長くなっている。
なお、箱のサイズや材質に応じて、切目線7aの波長は、40mm〜80mmとし、波高は、5mm〜15mm、好ましくは10mm以上としておく。また、一周期ごとに、波長及び波高が変化するようにしてもよい。
そして、稜部罫線1の方向における単位長さ当たりの切目線7aの長さが、稜部罫線1に平行な直線とした場合に対し40〜50%長くなるようにする。
立面板2の両端において、引裂帯7は、高さ方向の中央部に位置し、端板5へ続く2本の半切の切目線7aにより、引裂帯7が端板5の先端まで延長され、端板5における引裂帯7は、突き合わされた端板6の肩部間から覗いている。
また、切始部8は、段ボールの表裏に貫通する全切の切目8aを波形にほぼ対応する変形H字状に入れることにより形成されている。
そのほか、立面板2には、引裂帯7の外部に、段ボールの表側から押圧して裏側へ膨出させることにより、稜部罫線1と直交する段目方向のリブ9が複数本間隔をあけて平行に入れられている。
上記ブランクは、ダイカッタに装備した抜型で打ち抜くことにより製造される。この抜型には、外周の輪郭を打ち抜く切刃、稜部罫線を入れる押圧部材に加えて、引裂帯7の切目線7aを入れるリード罫刃及び切始部の切目8aを入れる切刃が設けられ、抜型に対向する面板に、リブ9を入れる押圧部材が設けられる。
このような抜型で打ち抜いたブランクを組み立てて、図1に示すように、飲料缶Cを包装する際には、ラップラウンドケーサーを用いて、稜部罫線1に沿って各一対の立面板2及び平面板3を折り曲げ、集積した缶Cを包み込んで、継代片4での接合により周壁を形成し、端板5,6を貼り合わせて封緘する。
ここで、上記のような段ボール箱では、引裂帯7の切目線7aを波状とし、その全切部7b間の半切部7cを段ボールの裏側から入れたことに加えて、切目線7aの振幅中心線を、稜部罫線1に対して傾斜させているので、従来のものに比べて、ブランクの切目線7aにおける内側への折曲強度が大きくなっている。
このため、材料の段ボールが薄い原紙から構成されるものや、F段やG段等の薄手のものであっても、図4に示すように、ラップラウンドケーサーで稜部罫線1に沿ってブランクを折り曲げる際、ブランクが切目線7aに沿って不意に内側へ折れ曲がることがなく、稜部罫線1に沿って正確に折れ曲がり、製箱不良の発生を防止することができる。
また、上記段ボール箱の製造時には、引裂帯7の切目線7aと切始部8の切目8aとを同一の抜型で入れることから、これらの位置関係がずれることがなく、一般的なコルゲータでのライナカット後にダイカッタで切目8aを入れる製造方法に比べて、不良率を大幅に低下させることができる。
そして、開封に際し、引裂帯7を切始部8から引っ張ると、ライナカットで切目線を入れたもののように、引裂帯7が途中で千切れて開封不能となることなく、半切部7cに沿って全切部7bが繋がるように段ボールが切断され、容易に開封することができる。
一方、物流過程において、缶Cを包装した状態で複数個の段ボール箱を積み上げる際、下段側の段ボール箱には、上段側の段ボール箱の荷重が作用するが、立面板2が切目線7aに沿って座屈しにくく、また、段ボールの表側から裏側へ膨出するリブ9が入れられているので、下段側段ボール箱の胴膨れを防止することができる。
次に、この発明の第2実施形態を図5及び図6に基づいて説明する。
この段ボール箱は、基本的な箱形式において、上記第1実施形態のものと共通するが、引裂帯7を形成する2本の波状切目線7aの振幅中心線Sは、立面板2の中央上部に位置する切始部8から両端へかけて間隔が均等となるように平行に配置され、引裂帯7は、切始部8側の位置が高く、立面板2の両端へかけて位置が低くなる山形状とされている。
このように構成しても、上記実施形態と同様、ラップラウンドケーサーでの製箱時に段ボールが引裂帯7の切目線7aで折れ曲がる現象が効果的に防止され、製箱不良の発生が抑制されると共に、積上時の座屈による胴膨れも防止される。
なお、切始部8を立面板2の中央下部に位置させ、引裂帯7は、切始部8側の位置が低く、立面板2の両端へかけて位置が高くなる谷形状としてもよい。
次に、この発明の第3実施形態を図7及び図8に基づいて説明する。
この段ボール箱もまた、基本的な箱形式において、上記第1実施形態のものと共通するが、引裂帯7は、上記第2実施形態のものと略共通し、第2実施形態とは、波状切目線7aの傾斜が緩く、間隔をあけて分離された切始部8の間に、全切の切目線10aを門形に入れて、広告表示部10を設け、切目線10aの上部を、立面板2と平面板3の稜部罫線1に沿わせた点で相違している。
このように構成しても、ラップラウンドケーサーでの製箱時に、段ボールが切目線10aで弱められた稜部罫線1に沿って折れ曲がりやすくなることも相俟って、上記実施形態と同様、引裂帯7の切目線7aで折れ曲がる現象が効果的に防止され、製箱不良の発生が抑制されると共に、積上時の座屈による胴膨れも防止される。
また、開封してトレー状とした状態において、広告表示部10が上方に突出して残存するので、広告表示部10に強い印象を与える図柄等を印刷しておくことにより、陳列時の訴求効果を高めることができる。
ところで、上記各実施形態では、稜部がそれぞれ直角に折り曲げられた直方体状の段ボール箱を例示したが、これらの稜部に面取状の斜面を形成した八角筒状の周壁を有する段ボール箱においても、同様の構成を適用できる。
また、ラップラウンド式の段ボール箱を例示したが、隣接する立面板の上下から延びる平面板を重ね合わせて封緘する溝切型段ボール箱においても、立面板に上記と同様の引裂帯やリブを入れると、同様の効果を得ることができる。
なお、上記第2及び第3実施形態では、引裂帯7を形成する2本の波状切目線7aの振幅中心線Sが平行に配置されているが、2本の波状切目線7aは、傾斜方向が同じで立面板2の中央側での間隔が大きくなるようにテーパー状に配置してもよい。
さらに、上記各実施形態では、2本の波状切目線7aを共に稜部罫線1に対して傾斜させたが、いずれか1本の切目線7aのみを傾斜させ、他方の切目線7aを稜部罫線1と平行になるように配置してもよい。
1 稜部罫線
2 立面板
3 平面板
4 継代片
5,6 端板
7 引裂帯
7a 切目線
7b 全切部
7c 半切部
8 切始部
8a 切目
9 リブ
10 広告表示部
10a 切目線
2 立面板
3 平面板
4 継代片
5,6 端板
7 引裂帯
7a 切目線
7b 全切部
7c 半切部
8 切始部
8a 切目
9 リブ
10 広告表示部
10a 切目線
Claims (3)
- 稜部罫線(1)を介して立面板(2)と平面板(3)とを連設し、立面板(2)に、その両端間に亘る開封用の引裂帯(7)を設けると共に、引裂帯(7)の切始部(8)を設け、引裂帯(7)は、周期的に湾曲した2本の波状切目線(7a)により形成し、各切目線(7a)は、段ボールの表裏に貫通する全切部(7b)と、段ボールが裏側から厚さ方向の途中まで切り込まれた半切部(7c)とが交互に断続するリード罫とし、立面板(2)と平面板(3)とを稜部罫線(1)沿いに折り曲げて製箱する引裂帯付き段ボール箱において、前記引裂帯(7)を形成する波状切目線(7a)の振幅中心線を、立面板(2)と平面板(3)との境界の稜部罫線(1)に対して傾斜させたことを特徴とする引裂帯付き段ボール箱。
- 前記引裂帯(7)を形成する2本の波状切目線(7a)の振幅中心線を、立面板(2)の中央部に位置する切始部(8)の部分で間隔が最大となり、両端へかけて間隔が小さくなるようにテーパー状に配置したことを特徴とする請求項1に記載の引裂帯付き段ボール箱。
- 前記引裂帯(7)を形成する2本の波状切目線(7a)の振幅中心線を、立面板(2)の中央側に位置する切始部(8)から両端へかけて間隔が均等となるように平行に配置したことを特徴とする請求項1に記載の引裂帯付き段ボール箱。
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