JP2009262947A - ポリエチレンテレフタレートボトル - Google Patents

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【課題】固相重合による固有粘度が上昇したポリエステル樹脂をそのまま用いて、底部を含めて薄肉化可能で、バランスのよい肉厚分布を有し、軸方向荷重に対して高い圧縮強度に有するポリエチレンテレフタレートボトルを提供することである。
【解決手段】エチレンテレフタレート単位を主体とし、固有粘度が0.80乃至1.0dL/gの範囲にあるポリエチレンテレフタレートを二軸延伸ブロー成形して成るボトルであって、下記式
P=(W/S)/(W/S
式中、Wは胴部の重量、Sは胴部の表面積、Wは底部の重量、Sは底部の表面積である、で表わされる、胴部の単位表面積当りの重量と底部の単位表面積当りの重量の比Pが0.45乃至0.85の範囲にあることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリエチレンテレフタレートボトルに関するものであり、より詳細には、底部を含めて薄肉化可能で、バランスのよい肉厚分布を有し、機械的強度にも優れたポリエチレンテレフタレートボトルに関する。
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル樹脂から成るボトルは、透明性、機械的強度等の特性に優れていることから、飲料、油、調味料等の容器として広く用いられているが、材料コスト低減やCO削減の観点からボトルの更なる薄肉化が求められている。
例えば、下記特許文献1には、少なくとも口頚部を除いて延伸成形された器壁の膜厚がほぼ均一であって、最も膜の厚い部分と最も膜の薄い部分の比が1.0〜2.0であり、肩部、胴部、底部は高延伸され、且つ口頚部を除いた器壁が配向結晶化されたブロー成形容器であって、肩部から口頚部ヘの接続部の延伸配向結晶化度を20%以下とした高延伸ブロー成形容器が提案されている。
しかしながら、延伸倍率の大きい胴部の薄肉化は容易であるが、機械的強度を確保する上で薄肉化には限界があり、底部を含めてバランスよく薄肉化することは困難であった。
また底部が薄肉化されたポリエステルボトルとして、上げ底部と前記上げ底部の周囲に環状接地部を備えた耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルにおいて、前記上げ底部の投影面積当たりの質量が、0.04〜0.1g/cmであり、かつ、前記上げ底部の天面部より下方に離間した位置から前記環状接地部の内周に至る領域に、前記ボトルの内方に窪む複数の凹部と前記ボトルの外方に突出する複数の凸部を放射状に交互に設け、前記複数の凹部の面積を、前記複数の凸部の面積より小さく形成したことを特徴とする耐熱性の軽量底部を有するプラスチックボトルも提案されている
(特許文献2)。
特開平5−442号公報 特開2005−112361号公報
上記耐熱性ボトルにおいては、口部を熱結晶化すると共に二段ブロー成形法によって、ポリエステル樹脂の結晶化度を上げて耐熱性を向上させる必要があるため、固有粘度が高く且つ結晶化速度が遅いポリエステル樹脂ではかかる口部の熱結晶化やヒートセットを効率的に行うことができない。そのため特定の触媒や結晶核剤を用いる等、特別な方法によって製造された高価なポリエステル樹脂の使用が余儀なくされていた。
従って本発明の目的は、固相重合による固有粘度が上昇したポリエステル樹脂をそのまま用いて、底部を含めて薄肉化可能で、バランスのよい肉厚分布を有し、軸方向荷重に対して高い圧縮強度に有するポリエチレンテレフタレートボトルを提供することである。
本発明によれば、エチレンテレフタレート単位を主体とし、固有粘度が0.80乃至1.0dL/gの範囲にあるポリエチレンテレフタレートを二軸延伸ブロー成形して成るポリエステルボトルであって、下記式(1)
P=(W/S)/(W/S) ・・・(1)
式中、Wは胴部の重量、Sは胴部の表面積、Wは底部の重量、Sは底部の表面積である、
で表わされる、胴部の単位表面積当りの重量と底部の単位表面積当りの重量の比Pが0.45乃至0.85の範囲にあることを特徴とするポリエチレンテレフタレートボトルが提供される。
本発明のポリエチレンテレフタレートボトルによれば、
1.ポリエチレンテレフタレートがTi系触媒を使用して重合されたホモポリエチレンテレフタレートであり、前記胴部の単位表面積当りの重量と底部の単位表面積当りの重量の比Pが0.50乃至0.70の範囲にあること、
2.胴部の平均肉厚が0.20乃至0.50mmであり、胴部の最も薄い部分の肉厚が0.20乃至0.35mmであること、
3.底部の平均肉厚が0.25乃至0.60mmであり、底部の接地部より外側の最も厚い部分の肉厚が0.30乃至0.60mmであること、
4.1段ブロー法で二軸延伸ブロー成形すること、
が好適である。
本発明のポリエチレンテレフタレートボトルによれば、バランスのよい肉厚分布を有し、特に底部の薄肉化が可能であり、ボトルの軽量化、コスト削減が可能であると共に、成形性にも優れている。
しかも本発明のポリエチレンテレフタレートボトルにおいては、底部を含めて薄肉化されているにもかかわらず、ボトル軸方向に30kgf以上、特に35kgf以上の高い圧縮荷重をかけても変形することがなく、優れた機械的強度を有している。
また本発明で用いる固相重合により固有粘度が0.80乃至1.0dL/gの範囲となるように調製されたポリエチレンテレフタレートは、風味低下の原因となるアセトアルデヒド等の低分子量成分や、成形時の金型汚れの原因となる環状三量体等のオリゴマーが充分に低減されているため、風味保持性に優れ、頻繁な金型清掃が必要ないため生産性にも優れている。
本発明のポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ということがある)ボトルにおいては、エチレンテレフタレート単位を主体とする、固有粘度が0.80乃至1.0dL/gの範囲にあるポリエチレンテレフタレートを二軸延伸ブロー成形して成ることが第一の特徴であり、上記式(1)で表わされる胴部の単位表面積当りの重量と底部の単位表面積当りの重量の比Pが0.45乃至0.85の範囲にあることが第二の特徴である。
固有粘度が0.80乃至1.0dL/gと、高い範囲にあるポリエチレンテレフタレートは、高い延伸張力が得られることから、二軸延伸ブロー成形において、胴部のみならず底部においても薄肉化可能であり、ボトル全体としてバランスのよい肉厚分布をとることができる。本発明においては、特に、上記式(1)で表わされる胴部の単位表面積当りの重量と底部の単位表面積当りの重量の比Pが0.45乃至0.85の範囲にあるPETボトルにおいては、軸方向荷重に対して高い圧縮強度が得られ、薄肉で軽量化されていながら優れた機械的強度を有することを見出したのである。
すなわち、後述する実施例の結果から明らかなように、上記式(1)で表わされる胴部の単位表面積当りの重量と底部の単位表面積当りの重量の比Pが、上記範囲よりも大きい場合には、胴部が厚すぎて、底部が薄すぎると満足するボトルが成形することができない(比較例1)。また前記比Pが上記範囲よりも小さい場合には、底部が厚すぎて軽量化することができないと共に、やはり満足する圧縮強度が得られていない(比較例3)。これに対して、前記比Pが上記範囲ある場合には、軸方向荷重に対して35kgf以上の圧縮強度を有しており、優れた機械的強度を有していることが明らかである(実施例1〜3)。
(ポリエチレンテレフタレート)
本発明に用いるポリエチレンテレフタレートは、固有粘度が0.80乃至1.0dL/g、特に0.80乃至0.85dL/gの範囲にあるポリエチレンテレフタレートである。
尚、固有粘度は、重量比1:1のフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用い、25℃の温度で測定したものである。
ポリエチレンテレフタレートは、一般に液相重合、及び必要により固相重合を経て製造されるが、液相重合及び固相重合により固有粘度が0.80乃至1.0dL/gの範囲となるように調製されたポリエチレンテレフタレートは、風味低下の原因となるアセトアルデヒド等の低分子量成分や、成形時の金型汚れの原因となる環状三量体等のオリゴマーは充分に低減されていると共に、延伸張力が大きく肉厚分布を制御しやすいという特徴を有している。
一般に二軸延伸ブロー成形による容器の製造に用いられるポリエステル樹脂としては、Sb系触媒、Ge系触媒又はTi系触媒等を用いて得られたポリエステル樹脂が使用されており、本発明においては、固有粘度及び前記比Pが上記範囲にある限り、いずれの重合触媒によるポリエチレンテレフタレートも用いることができるが、好適には、Ti系触媒を用いて重合されたホモポリエチレンテレフタレートであることが望ましい。
すなわち、後述する実施例の結果から明らかなように、Ti系触媒を用いて得られたポリエチレンテレフタレートから成るボトルは、Sb系触媒やGe系触媒を用いて得られたポリエチレンテレフタレートよりも、底部を含めて薄肉化可能であると共にバランスのよい肉厚分布を有し、軸方向荷重に対する圧縮強度が最も高い値が得られている。
尚、一般的には、Sb系触媒を用いて得られたポリエステル樹脂は、触媒の性質から結晶化速度が速いことから、共重合されて用いられ、Ge系触媒及びTi系触媒を用いて得られたポリエステル樹脂は、衛生性に優れていることから耐熱性ボトル用途に使用されることが多く、そのため高い結晶性が求められ、固有粘度の低いものが一般的である。
本発明で用いるポリエチレンテレフタレートは、エチレンテレフタレート単位を主体するものであり、エステル反復単位の80%以上をエチレンテレフタレート単位が占めるのが好ましく、特に全てをエチレンテレフタレート単位が占めるホモポリエチレンテレフタレートが最適であるが、不純物として、エチレングリコール以外のジオール成分、テレフタル酸以外のジカルボン酸を含有することまで、除外するものではなく、好適にはTi系触媒を用いる以外は、従来公知の重合方法によって調製することができる。
本発明で用いるポリエチレンテレフタレートは、これに限定されるものではないが、ガラス転移点(Tg)が50乃至90℃で、融点(Tm)が200乃至275℃にあることが好適である。
また本発明に用いるポリエチレンテレフタレートには、それ自体公知の樹脂用配合剤、例えば着色剤、抗酸化剤、安定剤、各種帯電防止剤、離型剤、滑剤、核剤等を最終成形品の品質を損なわない範囲で公知の処方に従って配合することができる。
(PETボトル)
本発明のPETボトルにおいては、口部、肩部、胴部、及び底部を有する、従来公知のポリエステルボトルの種々の形状を採用することが可能であり、大きさも従来公知のすべての内容量に提供される形態をとることができる。
図1は実施例により得られた、本発明のPETボトルの一例を示す側面図であり、このPETボトルは、口部1、肩部2、胴部3がウェスト部4で上部胴部3a及ぶ下部胴部3bに区画されている。また底部5は、胴部3の下端からボトル接地部5aまで連なるヒール部5bとボトル接地部5aからボトル内方に凸の底部5cから成っている。
本発明においては、胴部の平均肉厚が0.20乃至0.50mm、特に0.30乃至0.35μmの範囲にあることが好適であり、また胴部の最も薄い部分の肉厚が0.20乃至0.35mmの範囲、特に0.25乃至0.30μmの範囲にあることが好適である。
また底部の平均肉厚が0.25乃至0.80mm、特に0.45乃至0.70μmの範囲にあることが好適であり、底部の接地部より外側(上記ヒール部)の最も厚い部分の肉厚が0.30乃至0.60mm、特に0.40乃至0.50μmの範囲にあることが好適である。
尚、本発明において、胴部とは、肩部(口部から下方向に行くに従って内径が増大している部分)と底部(接地部より外側で上方に行くに従って内径が増大している部分(上記ヒール部)及び接地部より内側の部分)の間に位置する部分をいう。
ボトルの表面積は、ボトルの表面形状を3次元計測することにより算出できるが、製品図面の電子データから算出することもできる。また金型表面処理などによる微小な凹凸は肉厚に影響しないので無視する。
本発明のPETボトルは、ボトル及び内容物をそれぞれ滅菌した後、無菌状態で内容物を充填するアセプティックボトル、或いは自生圧力を有する内容物を充填するための耐圧性ボトルの用途に特に適している。耐圧性ボトルの用途に用いる場合には、所謂ペタロイド型形状、シャンパン型形状等の従来公知の底部形状に成形される。
また本発明のPETボトルは、上述したポリエチレンテレフタレートから成る単層ボトルであることが好適であるが、上述したポリエチレンテレフタレートを内外層とし、他の熱可塑性樹脂を中間層とする多層ボトルであってもよい。
多層ボトルにおいて、中間層として使用し得る他の熱可塑性樹脂としては、これに限定されるものではないが、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂等のガスバリア性樹脂や、かかるガスバリア性樹脂に酸化性有機成分及び遷移金属触媒が配合された酸素吸収性樹脂組成物等、従来公知のものを使用することができる。
多層ボトルの場合、中間層の厚みは、胴部の平均肉厚の0.5乃至25%、底部の平均肉厚の0乃至25%の範囲であることが好ましい。
また上記した他の熱可塑性樹脂を、容器の外観などに影響のない範囲でブレンドして用いることもでき、その場合は0.5乃至25重量%の範囲でブレンドするのが好ましい。
(ボトルの成形)
本発明のポリエチレンテレフタレートボトルは、上述したポリエチレンテレフタレートから成る単層プリフォーム、或いは上述したポリエチレンテレフタレートから成る内外層とし、他の熱可塑性樹脂を中間層とする多層プリフォームを用いて、従来公知の二軸延伸ブロー成形方法により成形することができる。
なお特許文献2に見られるように、2段ブロー法を用いれば底部を均一に薄肉化することができるが、2段ブロー成形には専用設備が必要であり、広く採用されている1段ブロー用の二軸延伸ブロー成形装置で実施可能なところに本願の意義がある。
二軸延伸ブロー成形に先立って、プリフォームを熱風、赤外線ヒーター、高周波誘導加熱等の手段で85乃至135℃の延伸温度まで予備加熱する。この加熱されたプリフォームを、それ自体公知の延伸ブロー成形機中に供給し、金型内にセットして、延伸棒の押し込みにより軸方向に引張延伸すると共に、流体の吹き込みにより周方向に延伸する。
最終製品であるポリエチレンテレフタレートボトルにおける延伸倍率は、面積倍率で1.5乃至25倍、軸方向延伸倍率で1.2乃至6倍、周方向延伸倍率で1.2乃至4.5倍の範囲にあることが好ましい。
本発明のポリエチレンテレフタレートボトルにおいては、二軸延伸ブロー成形後、必ずしも必要ではないが、用途に応じて熱固定(ヒートセット)を施してもよい。熱固定における金型温度は130乃至160℃の範囲で、1乃至5秒間行うことが好適である。
ボトルの肉厚分布を二軸ブロー成形時に調整する際には、高さ方向に複数配置された加熱ヒーターの出力を適宜調整する方法や、加熱後のプリフォームの所望の位置に冷風を吹き付けて局所的に冷却する方法などが一般に用いられる。
本発明のポリエチレンテレフタレートボトルは、用いるポリエチレンテレフタレートの結晶化速度が遅いため、特に口部の熱結晶化及び熱固定が必須でない、アセプティックボトル又は耐圧性ボトルの用途に工業的には適している。しかしながら、熱結晶化及び熱固定の工程を行うことができないという意味ではなく、時間をかけることにより耐熱性ボトル又は耐熱圧性ボトルに成形することも可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
1.[固有粘度の測定]
ポリエステル樹脂のペレットを冷凍粉砕させ、140℃15分間乾燥させたポリエステル樹脂を0.20g計量し、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール(1/1)(重量比)の混合溶媒を20ml用いて120℃で15分間撹拌させて完全に溶解させる。溶解後、室温まで冷却し、グラスフィルターを通した溶液を25℃に温調されたウベローデ粘度計((株)離合社製)を用いて次式により固有粘度[η]を求めた。
[η]=(−1+√(1+4K’ηSp))/2K’C
ηSp=(τ−τ)τ
ここで、
[η]:固有粘度(dl/g)
ηSp:比粘度(−)
K’:ハギンスの恒数(=0.33)
C:濃度(=1g/dl)
τ:試料の落下時間(sec)
τ:溶媒の落下時間(sec)
2.[圧縮強度の測定]
水を所定量充填、密封したボトルに対し、島津製作所のオートグラフを用いて圧縮速度50mm/minで圧縮を開始する。座屈が発生し、圧縮荷重が低下したら測定は完了する。この時の変曲点を圧縮強度とする。
3.[ボトルの成形]
各実施例、比較例に示したポリエチレンテレフタレートを用いて射出成形機により成形した重量55gのプリフォームを、約126℃に加熱し、約120℃に加熱された金型内にセットして、1段ブロー法により縦延伸倍率2.22倍、横延伸倍率・長辺4.41倍、短辺3.67倍に二軸延伸ブロー成形し、図1に示す角型のポリエチレンテレフタレートボトルを成形した。このボトルは、内容量2L、ツバ下高さ284mm、胴部幅・長辺105mm、短辺87mm、胴部の表面積739cm、底部の表面積146cmである。
二軸延伸ブロー成形において、延伸温度は加熱終了直後のプリフォームのツバ下約30mmの位置を測定し、高さ方向に8本配置された赤外線ヒーターの出力を、測定値が126±1℃となる範囲内で相互に調整して、ボトルの肉厚分布(=重量分布)を調整した。
[実施例1]
固有粘度が0.85dL/gのTi系触媒ホモポリエチレンテレフタレートを用いてプリフォームを成形し、胴部平均肉厚0.34mmを目標に加熱条件を調整して、ボトルを二軸延伸ブロー成形した。
得られたボトルを実測したところ、P=0.67、胴部平均肉厚0.334mm、最も薄い部分で0.285mm、底部平均肉厚0.506mm、ヒール部の最も厚い部分で0.420mmであった。
得られたボトルの圧縮強度、重量分布を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同じプリフォームを用いて、胴部平均肉厚が実施例1より僅かに厚くなる方向へ加熱条件を調整してボトルを二軸延伸ブロー成形した。
得られたボトルを実測したところ、P=0.65、胴部平均肉厚0.336mm、最も薄い部分で0.290mm、底部平均肉厚0.522mm、ヒール部の最も厚い部分で0.429mmであった。
得られたボトルの肉厚分布を図2に、圧縮強度、重量分布を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同じプリフォームを用いて、底部を実施例1より薄くする方向へ加熱条件を調整してボトルを二軸延伸ブロー成形した。
得られたボトルを実測したところ、P=0.87、胴部平均肉厚0.360mm、最も薄い部分で0.322mm、底部平均肉厚0.419mm、ヒール部の最も厚い部分で0.390mmであった。
得られたボトルの重量分布を表1に示す。ヒール部に成形不良が見られたため圧縮試験は行わなかった。
[実施例3]
固有粘度が0.80dL/gのTi系触媒ホモポリエチレンテレフタレートを用いて、実施例1と同様にボトルを得た。胴部平均肉厚0.30mm以上を目標に二軸延伸ブロー成形した。
得られたボトルを実測したところ、P=0.52、胴部平均肉厚0.316mm、最も薄い部分で0.271mm、底部平均肉厚0.624mm、ヒール部の最も厚い部分で0.470mmであった。
得られたボトルの圧縮強度、重量分布を表1に示す。
[比較例2]
固有粘度が0.85dL/gのSb系触媒イソフタル酸1.5mol%共重合ポリエチレンテレフタレートを用いて、実施例1と同様にボトルを得た。胴部平均肉厚0.34mmを目標にしたところ安定した成形が困難だったので、胴部平均肉厚0.30mm以上を目標に加熱条件を調整して二軸延伸ブロー成形した。
得られたボトルを実測したところ、P=0.46、胴部平均肉厚0.305mm、最も薄い部分で0.260mm、底部平均肉厚0.665mm、ヒール部の最も厚い部分で0.485mmであった。
得られたボトルの肉厚分布を図2に、圧縮強度、重量分布を表1に示す。
[比較例3]
固有粘度が0.75dL/gのGe系触媒ホモポリエチレンテレフタレートを用いて、実施例1と同様にボトルを得た。胴部平均肉厚0.34mmを目標にしたところ安定した成形が困難だったので、胴部平均肉厚0.30mm以上を目標に加熱条件を調整して二軸延伸ブロー成形した。
得られたボトルを実測したところ、P=0.40、胴部平均肉厚0.293mm、最も薄い部分で0.235mm、底部平均肉厚0.752mm、ヒール部の最も厚い部分で0.523mmであった。
得られたボトルの肉厚分布を図2に、圧縮強度、重量分布を表1に示す。
Figure 2009262947
式中、Wは胴部の重量、Sは胴部の表面積、Wは底部の重量、Sは底部の表面積
以上の実施例の中でも特に実施例1,2は胴部の肉厚に余裕があり、更に軽量化を進めることが可能と見込まれる。
本発明のポリエチレンテレフタレートボトルの一例の側面図である。 実施例及び比較例で得られたボトルについて、ボトルの各部位における肉厚を示す図である。

Claims (5)

  1. エチレンテレフタレート単位を主体とし、固有粘度が0.80乃至1.0dL/gの範囲にあるポリエチレンテレフタレートを二軸延伸ブロー成形して成るボトルであって、下記式
    P=(W/S)/(W/S
    式中、Wは胴部の重量、Sは胴部の表面積、Wは底部の重量、Sは底部の表面積である、
    で表わされる、胴部の単位表面積当りの重量と底部の単位表面積当りの重量の比Pが0.45乃至0.85の範囲にあることを特徴とするポリエチレンテレフタレートボトル。
  2. 前記ポリエチレンテレフタレートがTi系触媒を使用して重合されたホモポリエチレンテレフタレートであり、前記胴部の単位表面積当りの重量と底部の単位表面積当りの重量の比Pが0.50乃至0.70である請求項1記載のポリエチレンテレフタレートボトル。
  3. 前記胴部の平均肉厚が0.20乃至0.50mmであり、胴部の最も薄い部分の肉厚が0.20乃至0.35mmである請求項1又は2記載のポリエチレンテレフタレートボトル。
  4. 前記底部の平均肉厚が0.25乃至0.60mmであり、底部の接地部より外側の最も厚い部分の肉厚が0.30乃至0.60mmである請求項1乃至3の何れかに記載のポリエチレンテレフタレートボトル。
  5. 1段ブロー法で二軸延伸ブロー成形することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のポリエチレンテレフタレートボトル。
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