JP2009262809A - ランフラットタイヤ - Google Patents

ランフラットタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2009262809A
JP2009262809A JP2008115703A JP2008115703A JP2009262809A JP 2009262809 A JP2009262809 A JP 2009262809A JP 2008115703 A JP2008115703 A JP 2008115703A JP 2008115703 A JP2008115703 A JP 2008115703A JP 2009262809 A JP2009262809 A JP 2009262809A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcing rubber
tire
rubber layer
vehicle
reinforcing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008115703A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Miyamoto
健史 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2008115703A priority Critical patent/JP2009262809A/ja
Publication of JP2009262809A publication Critical patent/JP2009262809A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】ランフラット耐久性能を向上しつつ、さらに通常走行時の乗心地性能を向上したランフラットタイヤを提供すること。
【解決手段】サイドウォール部2に配設された補強ゴム領域9in及び9outを備え、ダブルビード構造を車両外側のみに採用したランフラットタイヤにおいて、車両外側の補強ゴム領域9outは、タイヤ最内面側に配設され、ゴム硬度が30〜45°である第1補強ゴム層91と、第1補強ゴム層91のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が46〜65°である第2補強ゴム層92と、第2補強ゴム層92のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が66〜100°である第3補強ゴム層93とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サイドウォール部に配設された補強ゴム領域を備える、いわゆるサイド補強タイプのランフラットタイヤに関する。
かかるランフラットタイヤによれば、パンク等の障害によりタイヤ内部の空気圧が低下した際、補強ゴム領域がタイヤを支持して偏平化を抑制することによりランフラット走行が可能となる。但し、タイヤ内部の空気圧が低下した状態(ランフラット状態)では、ビード部のリムへの押圧が弱まっているため、リムとの嵌合力が低下し、ビード部がリムから外れ易くなるという問題があった。
ランフラットタイヤの耐ビード外れ性能を改善する方法として、リムベース外周側に配設される第1ビードと、ビード部のタイヤ幅方向外側に膨出する環状膨出部に配設される第2ビードとを備えた、いわゆるダブルビードタイプのランフラットタイヤが知られている。かかるランフラットタイヤによれば、ランフラット走行時において、第2ビードにより補強された環状膨出部がリムフランジの外周側湾曲面に押圧されるため、リムとの嵌合力が高められ、耐ビード外れ性能を向上することができる。
また、ダブルビード構造を車両外側のみに採用したランフラットタイヤも知られている(例えば、下記特許文献1)。ここで、本発明者らがダブルビード構造を車両外側のみに採用したランフラットタイヤについて鋭意検討を行ったところ、かかるランフラットタイヤでは、車両外側の補強ゴム領域のタイヤ内面側でのクラック発生に起因する初期故障が多いことが判明した。
上述した特許文献1では、ダブルビード構造を車両外側のみに採用したランフラットタイヤにおいて、車両内側の補強ゴム領域のゴム硬度を、車両外側(ダブルビード側)の補強ゴム領域のゴム硬度と同等か、それ以上とすることにより、ビード外れ性能と耐偏摩耗性能とを維持しながら、タイヤ質量の軽減、転がり抵抗の低下、及び乗心地性能の向上を図ることが記載されている。しかし、かかる文献では、車両外側(ダブルビード側)に位置する補強ゴム領域のタイヤ内面側でのクラック発生に起因する初期故障について、その解決手段を示唆するものではない。
また、下記特許文献2〜4では、サイドウォール部に補強ゴム領域が配設されたサイド補強タイプのランフラットタイヤにおいて、タイヤ幅方向にて該補強ゴム領域をゴム硬度の異なる3層に分割することにより、ランフラット走行時の耐久性能を確保しつつ、通常走行時の乗心地性能を向上することが記載されている。しかし、これらの文献に記載のランフラットタイヤは、何れもダブルビード構造を採用したランフラットタイヤではないため、ダブルビード構造を車両外側のみに採用したランフラットタイヤにおいて、車両外側(ダブルビード側)に位置する補強ゴム領域のタイヤ内面側でのクラック発生に起因する初期故障について、その解決手段を示唆するものではない。
特開2006−218889号公報 特開2004−345385号公報 特開2004−306774号公報 特表2003−500281号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ランフラット耐久性能を向上しつつ、さらに通常走行時の乗心地性能を向上したランフラットタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、ダブルビード構造を車両外側のみに採用したランフラットタイヤにおいて、車両外側の補強ゴム領域のタイヤ内面側でのクラック発生に起因する初期故障の原因について鋭意検討を行った。その結果、ランフラット走行時において、車両外側の補強ゴム領域のタイヤ内面側にて、局部的に歪が集中することが主な原因であることが判明した。また、車両内側の補強ゴム領域での歪量に比べて、車両外側(ダブルビード側)の補強ゴム領域での歪量が大きいことも判明した。本発明は、上記の検討の結果なされたものであり、下記の如き構成により上記の目的を達成するものである。
即ち、本発明のランフラットタイヤは、環状の第1ビードを有する一対のビード部と、前記ビード部から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部と、前記サイドウォール部に配設された補強ゴム領域と、前記サイドウォール部の各々の外周側端同士をショルダー部を介して連ねるトレッド部とを備えるランフラットタイヤにおいて、車両外側の前記ビード部のタイヤ幅方向外側に膨出し、規定リム装着時にリムフランジの外周側湾曲面に対向する内周側面を有する環状膨出部と、前記環状膨出部に配設された環状の第2ビードとを備えると共に、車両外側の前記補強ゴム領域は、タイヤ最内面側に配設され、ゴム硬度が30〜45°である第1補強ゴム層と、前記第1補強ゴム層のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が46〜65°である第2補強ゴム層と、前記第2補強ゴム層のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が66〜100°である第3補強ゴム層とを備えることを特徴とする。なお、ゴム硬度は、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(Aタイプ)による硬さを指す。
上述したとおり、ダブルビード構造を車両外側のみに採用したランフラットタイヤにおいて、ランフラット走行時に最も歪量が大きいのは、車両外側、つまりダブルビード側の補強ゴム領域のタイヤ内面側であり、タイヤ外面側になるにつれて歪量は小さくなる。本発明のランフラットタイヤでは、車両外側の補強ゴム領域をタイヤ幅方向にて第1〜第3補強ゴム層に分割し、タイヤ最内面側に配設された第1補強ゴム層を最も柔らかいゴム(ゴム硬度30〜45°)で構成する。さらに、第1補強ゴム層よりタイヤ外面側に順次、ゴム硬度が高い第2補強ゴム層(ゴム硬度46〜65°)及び第3補強ゴム層(ゴム硬度66〜100°)を配設する。このため、車両外側の補強ゴム領域全体にて歪量を分散することができる。これにより、ランフラット走行時において、車両外側の補強ゴム領域のタイヤ内面側にて局部的に歪が集中するのを緩和し、車両外側に位置する補強ゴム領域のタイヤ内面側にてクラックが発生することに起因した初期故障を防止できる。その結果、本発明のランフラットタイヤでは、ランフラット耐久性能を向上することができる。
加えて、比較的ゴム硬度の低いゴム層(第1補強ゴム層及び第2補強ゴム層)を使用することで、車両外側の補強ゴム領域にて通常走行時の振動を吸収することができる。その結果、本発明のランフラットタイヤでは、乗心地性能を向上することができる。
上記構成において、車両内側の前記補強ゴム領域は、車両外側の前記補強ゴム領域よりもゴム硬度が同等かそれ以下であることが好ましい。ここで、補強ゴム領域がゴム硬度の異なる複数の補強ゴム層を備える場合は、各補強ゴム層について、(補強ゴム層のゴム硬度)×(補強ゴム領域中の補強ゴム層の体積分率)を算出し、各補強ゴム層にて算出した値((補強ゴム層のゴム硬度)×(補強ゴム領域中の補強ゴム層の体積分率))の和を補強ゴム領域のゴム硬度とする。
車両外側の補強ゴム領域に比べて、車両内側の補強ゴム領域のゴム硬度を同等かそれ以下とすることにより、車両内側の補強ゴム領域での歪量を相対的に大きくし、車両外側の補強ゴム領域での歪量を相対的に小さくすることができる。その結果、車両外側の補強ゴム領域のタイヤ内面側にて局部的に歪が集中するのをより緩和することができるため、車両外側の補強ゴム領域にてクラックが発生することに起因した初期故障を防止でき、ランフラットタイヤのランフラット耐久性能をより向上することができる。また、車両内側の補強ゴム領域での歪量を相対的に大きくし、車両外側の補強ゴム領域での歪量を相対的に小さくすることにより、車両内外側の補強ゴム領域での歪量が均一化され、通常走行時の振動が車両内外側の補強ゴム領域にてより吸収される。その結果、かかる構成によれば、ランフラットタイヤの乗心地性能をさらに向上することができる。
上記構成において、車両内側の前記補強ゴム領域は、タイヤ最内面側に配設され、ゴム硬度が30〜45°である第4補強ゴム層と、前記第4補強ゴム層のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が46〜65°である第5補強ゴム層と、前記第5補強ゴム層のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が66〜100°である第6補強ゴム層とを備えることが好ましい。本発明者らの解析の結果、ランフラット走行時において、車両外側の補強ゴム領域ほどではないものの、車両内側の補強ゴム領域のタイヤ内面側でも歪量が大きく、かつ局部的に歪が集中する傾向にあることが判明した。
しかし、上記構成によれば、車両内側の補強ゴム領域をタイヤ幅方向にて第4〜第6補強ゴム層に分割し、タイヤ最内面側に配設された第4補強ゴム層を最も柔らかいゴム(ゴム硬度30〜45°)で構成する。さらに、第4補強ゴム層よりタイヤ外面側に順次、ゴム硬度が高い第2補強ゴム層(ゴム硬度46〜65°)及び第3補強ゴム層(ゴム硬度66〜100°)を配設する。このため、車両内側の補強ゴム領域全体にて歪量を分散することができる。これにより、ランフラット走行時において、車両内側の補強ゴム領域のタイヤ内面側にて局部的に歪が集中するのを緩和し、車両内側に位置する補強ゴム領域のタイヤ内面側にてクラックが発生することに起因した初期故障を防止できる。その結果、本発明のランフラットタイヤでは、ランフラット耐久性能をさらに向上することができる。
加えて、車両内側の補強ゴム領域にて比較的ゴム硬度の低いゴム層(第4補強ゴム層及び第5補強ゴム層)を使用することで、通常走行時の振動を吸収することができる。その結果、かかる構成によれば、ランフラットタイヤの乗心地性能をさらに向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、規定リム装着時における本発明のランフラットタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図である。このランフラットタイヤは、図1に示すように、一対のビード部1と、ビード部1から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、サイドウォール部2の各々の外周側端同士をショルダー部3を介して連ねるトレッド部4とを備える。
ビード部1には、例えばスチールワイヤからなるビードワイヤの集束体がタイヤ周方向に環状をなすビード1a(前記第1ビードに相当する。)と、ビードフィラー15とが配設されている。このビード1aによりカーカス層5の端部を巻き返して係止することで、ビード部1間がカーカス層5で補強され、タイヤがリム8上に強固に嵌着される。そして、正常内圧時には、ビード部1が、リム8のリムベース8bのタイヤ外周側に配設されるとともに、タイヤの内圧によりリムフランジ8aに押圧される。
カーカス層5の内周には、空気圧保持のためのインナーライナー層6が配設される。また、カーカス層5の外周には、たが効果による補強を行うためのベルト層7が配設され、その外周にはトレッドゴム13が配設される。カーカス層5及びベルト層7は、それぞれ所定角度で配列されたコード材により構成され、該コード材としては、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、アラミド等の有機繊維やスチール等が好ましく使用される。
サイドウォール部2のカーカス層5の内周側には、タイヤ子午線断面が略三日月形をなす補強ゴム領域9out(車両外側)及び9in(車両内側)が配設されている。これにより、パンク等が生じた場合であっても、ランフラット状態にあるタイヤを支持して偏平化を抑制することができ、ランフラット走行が可能となる。
上述した補強ゴム領域等の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上混合して使用される。また、これらのゴムはカーボンブラックやシリカ等の充填材で補強されると共に、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等が適宜配合される。
図1は、車両外側を右側に、車両内側を左側に記載しており、本発明ではダブルビード構造が車両外側にのみ採用されている。即ち、車両外側に配設されるビード部1からタイヤ幅方向外側に膨出すると共に、環状のビード1b(前記第2ビードに相当する。)を有する環状膨出部10を備える。
環状膨出部10は、リムフランジ8aの外周側湾曲面に対向する内周側面11を有している。この内周側面11は、リムフランジ8aの外周側湾曲面から徐々に離間するものでも構わないが、本実施形態では外周側湾曲面に当接している。また、その先端側には、リムフランジ8aの先端を抱持する縮径部が形成され、ビード1bは縮径部のタイヤ外周側に配設されている。環状膨出部10は、ビード1bが配設された部分を略頂部としてサイドウォール部2になだらかに連なっている。
環状膨出部10の形状は、本実施形態で示すものに限られず、例えばタイヤ子午線断面が半円形や台形等をなすものでもよい。また、環状膨出部10を主として構成するゴムの硬度は、ビード外れ抗力とリムずれ性能を維持して乗り心地を改善する上で65〜78°が好ましい。
ビード1bは、その中心位置がリムフランジ8aの最外径点よりタイヤ外周側且つタイヤ幅方向外側に位置するように配設されている。ビード1bを構成するビードワイヤは、ビード1aと同じスチールワイヤの集束体からなるものに限られず、例えば、有機繊維の集束体からなるものや、繊維強化ゴムを素材としたゴムビードなどであってもよい。
本実施形態では、車両内側に配設されるビード部1のタイヤ幅方向外側に、リムフランジ8aを保護するリムプロテクタ12が設けられているが、このようなリムプロテクタ12を設けずに、リムフランジ8aとの離間位置からサイドウォール部2になだらかに連なる形状とすることも可能である。
本発明においては、車両外側の補強ゴム領域9outは、タイヤ最内面側に配設され、ゴム硬度が30〜45°である第1補強ゴム層91と、第1補強ゴム層91のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が46〜65°である第2補強ゴム層92と、第2補強ゴム層92のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が66〜100°である第3補強ゴム層93とを備える。このため、車両外側の補強ゴム領域9out全体にて歪量を分散することができる。これにより、ランフラット走行時において、車両外側の補強ゴム領域9outのタイヤ内面側にて局部的に歪が集中するのを緩和し、該補強ゴム領域9outのタイヤ内面側にてクラックが発生することに起因した初期故障を防止できる。加えて、比較的ゴム硬度の低い第1補強ゴム層91及び第2補強ゴム層92を使用することで、車両外側の補強ゴム領域9outにて通常走行時の振動を吸収することができる。このため、ランフラットタイヤの乗心地性能をさらに向上することができる。
なお、車両外側の補強ゴム領域9outのタイヤ内面側にて局部的に歪が集中するのを緩和するためには、タイヤ幅方向にて補強ゴム領域9outの断面三日月形状の厚みが最大になる位置における、第1補強ゴム層91、第2補強ゴム層92及び第3補強ゴム層93の厚みが略等しいことが好ましい。
本実施形態では、車両内側の補強ゴム領域9inは、車両外側の補強ゴム領域9outよりもゴム硬度が同等かそれ以下に設定されている。これにより、車両外側の補強ゴム領域9outのタイヤ内面側にて局部的に歪が集中するのをより緩和することができるため、車両外側の補強ゴム領域9outにてクラックが発生することに起因した初期故障を防止でき、ランフラットタイヤのランフラット耐久性能をより向上することができる。また、車両内側の補強ゴム領域9inでの歪量を相対的に大きくし、車両外側の補強ゴム領域9outでの歪量を相対的に小さくすることにより、車両内外側の補強ゴム領域9in及び9outでの歪量が均一化され、通常走行時の振動が補強ゴム領域9in及び9outにてより吸収される。その結果、かかる構成によれば、ランフラットタイヤの乗心地性能をさらに向上することができる。
また、本実施形態では、車両内側の補強ゴム領域9inが、タイヤ最内面側に配設され、ゴム硬度が30〜45°である第4補強ゴム層94と、第4補強ゴム層94のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が46〜65°である第5補強ゴム層95と、第5補強ゴム層95のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が66〜100°である第6補強ゴム層96とを備える。このため、車両内側の補強ゴム領域9in全体にて歪量を分散することができる。これにより、ランフラット走行時において、車両内側の補強ゴム領域9inのタイヤ内面側にて局部的に歪が集中するのを緩和し、該補強ゴム領域9inのタイヤ内面側にてクラックが発生することに起因した初期故障を防止できる。加えて、比較的ゴム硬度の低い第4補強ゴム層94及び第5補強ゴム層95を使用することで、車両内側の補強ゴム領域9inにて通常走行時の振動を吸収することができる。このため、ランフラットタイヤの乗心地性能をさらに向上することができる。
なお、車両内側の補強ゴム領域9inのタイヤ内面側にて局部的に歪が集中するのを緩和するためには、タイヤ幅方向にて補強ゴム領域9inの断面三日月形状の厚みが最大になる位置における、第4補強ゴム層94、第5補強ゴム層95及び第6補強ゴム層96のタイヤ幅方向厚みが略等しいことが好ましい。
また、第1補強ゴム層91のゴム硬度をH1、第2補強ゴム層92のゴム硬度をH2、第3補強ゴム層93のゴム硬度をH3、第4補強ゴム層94のゴム硬度をH4、第5補強ゴム層95のゴム硬度をH5、及び第6補強ゴム層96のゴム硬度をH6とした場合に、H4≦H1<H5≦H2<H6≦H3であることが好ましい。補強ゴム領域9out及び9inが備える各補強ゴム層のゴム硬度が上記関係にある場合、上述したランフラット耐久性能を向上しつつ、さらに通常走行時の乗心地性能を向上する効果がさらに高まる。
本実施形態では、補強層16を環状膨出部10の内周側面11に略沿って配設しており、これによってリムフランジ8aとの当接による摩滅の抑制を図っている。補強層16としては、スチールコードや、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アラミド等の有機繊維から構成されるチェーファが例示される。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。実施例等の評価項目としてはランフラット耐久性能と乗心地性能を採用し、下記のようにして評価を行った。
(1)ランフラット耐久性能
ドラム径1.7m、キャンバー角0°のドラムを用いて走行試験を行った。走行条件は、空気圧=0kPa、速度=80km/h、荷重=5423Nとし、タイヤには245/40ZR18を使用した。評価は、サイドウォール部上方領域にクラック等に起因する破壊を生じるまでの走行距離を測定し、これを指数評価することにより行った。従来例のタイヤを100とし、指数が小さい程、ランフラット耐久性能が劣っていることを示す。
(2)乗り心地性能
タイヤに245/40ZR18を使用した実車(国産車、2名乗車)により、良路および悪路における官能評価を行った。従来例を基準として、ポイントがプラスであれば従来例よりも乗り心地が良好であることを示す。
実施例1
図1に示すような構造を有し、第1補強ゴム層91(ゴム硬度45°)、第2補強ゴム層92(ゴム硬度55°)及び第3補強ゴム層93(ゴム硬度70°)を備える車両外側の補強ゴム領域9out、並びに第4補強ゴム層94(ゴム硬度40°)、第5補強ゴム層95(ゴム硬度50°)及び第6補強ゴム層96(ゴム硬度66°)を備える車両内側の補強ゴム領域9inをサイドウォール部に配設したテストタイヤを作製した。なお、タイヤ幅方向にて車両外側の補強ゴム領域9outの断面三日月形状の厚みが最大になる位置における、第1補強ゴム層91、第2補強ゴム層92及び第3補強ゴム層93のタイヤ幅方向厚みを略等しく設定し(各補強ゴム層の体積分率を略等しく設定し)、かつタイヤ幅方向にて車両内側の補強ゴム領域9inの断面三日月形状の厚みが最大になる位置における、第4補強ゴム層94、第5補強ゴム層95及び第6補強ゴム層96のタイヤ幅方向厚みについても略等しく設定した(各補強ゴム層の体積分率を略等しく設定した)。結果を表1に示す。
従来例1
図1に示すようなタイヤ構造において、車両外側の補強ゴム領域9out及び車両内側の補強ゴム領域9inを、共にゴム硬度が66°である単一のゴムで構成したこと以外は、実施例1と同様の構成を備えるテストタイヤを作製した。結果を表1に示す。
比較例1−3
図1に示すようなタイヤ構造において、第1補強ゴム層91(ゴム硬度66°)、第2補強ゴム層92(ゴム硬度66°)及び第3補強ゴム層93(ゴム硬度45°)を備える車両外側の補強ゴム領域9out、並びに第4補強ゴム層94(ゴム硬度66°)、第5補強ゴム層95(ゴム硬度66°)及び第6補強ゴム層96(ゴム硬度45°)を備える車両内側の補強ゴム領域9inとしたこと以外は、実施例1と同様の構成を備えるテストタイヤを作製した(比較例1)。また、図1に示すようなタイヤ構造において、第1補強ゴム層91(ゴム硬度66°)、第2補強ゴム層92(ゴム硬度50°)及び第3補強ゴム層93(ゴム硬度40°)を備える車両外側の補強ゴム領域9out、並びに第4補強ゴム層94(ゴム硬度70°)、第5補強ゴム層95(ゴム硬度55°)及び第6補強ゴム層96(ゴム硬度45°)を備える車両内側の補強ゴム領域9inとしたこと以外は、実施例1と同様の構成を備えるテストタイヤを作製した(比較例2)。さらに、図1に示すようなタイヤ構造において、第1補強ゴム層91(ゴム硬度45°)、第2補強ゴム層92(ゴム硬度66°)及び第3補強ゴム層93(ゴム硬度66°)を備える車両外側の補強ゴム領域9out、並びに第4補強ゴム層94(ゴム硬度45°)、第5補強ゴム層95(ゴム硬度66°)及び第6補強ゴム層96(ゴム硬度66°)を備える車両内側の補強ゴム領域9inとしたこと以外は、実施例1と同様の構成を備えるテストタイヤを作製した(比較例3)。結果を表1に示す。
Figure 2009262809
表1に示すとおり、実施例1のランフラットタイヤでは、従来例1のランフラットタイヤに比べてランフラット耐久性能及び乗心地性能の両方が向上していることがわかる。一方、比較例1のランフラットタイヤでは、車両外側の補強ゴム領域9out及び車両内側の補強ゴム領域9inにて、各々タイヤ外面側の補強ゴム層のゴム硬度に比べて、タイヤ内面側の補強ゴム層のゴム硬度が高く、タイヤ内面側にて局部的に歪が集中するのを緩和できないため、従来例1のランフラットタイヤに比べてランフラット耐久性能が悪化した。また、乗心地性能は従来例1のランフラットタイヤに比べて向上したが、実施例1のランフラットタイヤに対しては劣ることがわかる。
一方、比較例2のランフラットタイヤでは、車両外側の補強ゴム領域9out及び車両内側の補強ゴム領域9inにて、各々タイヤ外面側の補強ゴム層のゴム硬度に比べて、タイヤ内面側の補強ゴム層のゴム硬度が高く、かつ車両内側の補強ゴム領域9inのゴム硬度が、車両外側の補強ゴム領域9outのゴム硬度よりも高く、タイヤ内面側にて局部的に歪が集中するのを緩和できないため、従来例1のランフラットタイヤに比べてランフラット耐久性能が悪化した。また、乗心地性能は従来例1のランフラットタイヤに比べて向上したが、実施例1のランフラットタイヤに対しては劣ることがわかる。
また、比較例3のランフラットタイヤでは、車両外側の補強ゴム領域9out及び車両内側の補強ゴム領域9inを、タイヤ幅方向にてそれぞれ2層に分割したに過ぎないため、ランフラット走行時に車両外側の補強ゴム領域9out全体、さらには車両内側の補強ゴム領域9in全体にて歪量を分散できない。その結果、実施例1のランフラットタイヤに比べてランフラット耐久性が悪化した。また、乗心地性能は従来例1のランフラットタイヤに比べて向上したが、実施例1のランフラットタイヤに対しては劣ることがわかる。
規定リム装着時における本発明のランフラットタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図
符号の説明
1: ビード部
2: サイドウォール部
3: ショルダー部
4: トレッド部
9in、9out: 補強ゴム領域
91: 第1補強ゴム層
92: 第2補強ゴム層
93: 第3補強ゴム層
94: 第4補強ゴム層
95: 第5補強ゴム層
96: 第6補強ゴム層

Claims (3)

  1. 環状の第1ビードを有する一対のビード部と、前記ビード部から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部と、前記サイドウォール部に配設された補強ゴム領域と、前記サイドウォール部の各々の外周側端同士をショルダー部を介して連ねるトレッド部とを備えるランフラットタイヤにおいて、
    車両外側の前記ビード部のタイヤ幅方向外側に膨出し、規定リム装着時にリムフランジの外周側湾曲面に対向する内周側面を有する環状膨出部と、前記環状膨出部に配設された環状の第2ビードとを備えると共に、
    車両外側の前記補強ゴム領域は、タイヤ最内面側に配設され、ゴム硬度が30〜45°である第1補強ゴム層と、
    前記第1補強ゴム層のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が46〜65°である第2補強ゴム層と、
    前記第2補強ゴム層のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が66〜100°である第3補強ゴム層とを備えることを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 車両内側の前記補強ゴム領域は、車両外側の前記補強ゴム領域よりもゴム硬度が同等かそれ以下である請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 車両内側の前記補強ゴム領域は、タイヤ最内面側に配設され、ゴム硬度が30〜45°である第4補強ゴム層と、
    前記第4補強ゴム層のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が46〜65°である第5補強ゴム層と、
    前記第5補強ゴム層のタイヤ外面側に配設され、ゴム硬度が66〜100°である第6補強ゴム層とを備える請求項1又は2記載のランフラットタイヤ。
JP2008115703A 2008-04-25 2008-04-25 ランフラットタイヤ Pending JP2009262809A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008115703A JP2009262809A (ja) 2008-04-25 2008-04-25 ランフラットタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008115703A JP2009262809A (ja) 2008-04-25 2008-04-25 ランフラットタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009262809A true JP2009262809A (ja) 2009-11-12

Family

ID=41389216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008115703A Pending JP2009262809A (ja) 2008-04-25 2008-04-25 ランフラットタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009262809A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62279107A (ja) * 1986-05-28 1987-12-04 Bridgestone Corp 空気入り安全タイヤ
JP2003500281A (ja) * 1999-05-27 2003-01-07 ミシュラン ルシェルシェ エ テクニク ソシエテ アノニム カーカスの通過経路を最適化したランフラットタイヤ
JP2006218889A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ランフラットタイヤ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62279107A (ja) * 1986-05-28 1987-12-04 Bridgestone Corp 空気入り安全タイヤ
JP2003500281A (ja) * 1999-05-27 2003-01-07 ミシュラン ルシェルシェ エ テクニク ソシエテ アノニム カーカスの通過経路を最適化したランフラットタイヤ
JP2006218889A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ランフラットタイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4457388B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP5835171B2 (ja) ランフラットタイヤ
EP2905151B1 (en) Pneumatic tire
JP4957833B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP2012116212A (ja) ランフラットタイヤ
JP5450515B2 (ja) 不整地用モーターサイクルタイヤ
JP5099199B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP2006347200A (ja) 乗用車用空気入りタイヤ
JP5493590B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2006199053A (ja) 空気入りタイヤ及びその装着方法
JP2006282161A (ja) ランフラットタイヤ
JP4653556B2 (ja) ランフラットタイヤ及びそれを用いた車両
JP2010163108A (ja) 空気入りランフラットタイヤ
JP4710479B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2005297752A (ja) 空気入りタイヤ
JP2005007962A (ja) 空気入りタイヤ
JP4502333B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP2007030719A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4916783B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2003326924A (ja) ランフラットタイヤ
JP4507736B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP2009262809A (ja) ランフラットタイヤ
JP2006192957A (ja) 空気入りタイヤ
JP4544636B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP4399848B2 (ja) ランフラットタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121127

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130423