JP2009260555A - イヤースピーカ装置 - Google Patents

イヤースピーカ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009260555A
JP2009260555A JP2008105982A JP2008105982A JP2009260555A JP 2009260555 A JP2009260555 A JP 2009260555A JP 2008105982 A JP2008105982 A JP 2008105982A JP 2008105982 A JP2008105982 A JP 2008105982A JP 2009260555 A JP2009260555 A JP 2009260555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tubular duct
speaker device
ear speaker
user
sound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008105982A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Yamagishi
亮 山岸
Yasumasa Yamaguchi
恭正 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2008105982A priority Critical patent/JP2009260555A/ja
Publication of JP2009260555A publication Critical patent/JP2009260555A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】大音量で低音域を再生した場合における音質の低下を防止することが可能なイヤースピーカ装置を提供する。
【解決手段】本発明のイヤースピーカ装置100は、オーディオ信号を再生音に変換する電気音響変換部120と、電気音響変換部120をユーザの頭部10に装着させる装着部であるヘッドバンド部110とを備える。電気音響変換部120は、ユーザの頭部10の所定位置に装着される筐体部120と、筐体部120の内部空間に生じた音をユーザの外耳道入口近傍まで到達させるよう延長され、放音用の孔部124が形成された管状ダクト123とを備える。ここで、筐体部120の内部空間と連通する管状ダクト123の開端123aには、開端123aにおける流速を低下させる中空部材150が設けられる。
【選択図】図7

Description

本発明は、イヤースピーカ装置に関する。
従来、頭部装着型のウェアラブルスピーカ装置のひとつであるヘッドホン装置において、ユーザの頭部に装着された状態でCD(Compact Disk)の再生音等を表すオーディオ信号を音(以下、「再生音」という。)に変換し、ユーザに聴取させるものが広く普及している。
一般的なヘッドホン装置は、再生音を発生させるスピーカユニットがユーザの外耳道入口の正面付近に位置するように形成されている。かかるヘッドホン装置では、スピーカユニットから鼓膜に対して直接的に音を到達させることにより音質を向上し得るものの、音像をユーザの頭内に定位させることとなり、ユーザに不自然な印象を与えていた。
これに対して、スピーカユニットを外耳道入口(耳孔)からやや離隔させて前頭部側に位置させることにより、一般的な据置型のスピーカを用いた場合のように音像を頭外に定位させ、不自然感を払拭させるイヤースピーカ装置が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されたイヤースピーカ装置は、スピーカユニットから出力される中高音をユーザに聴取させるとともに、ユーザの外耳道入口まで延長された管状ダクトから低音だけをユーザに聴取させる。これにより、スピーカユニットから出力される中高音だけに基づいて自然な音像定位を与えることができる。
特開2007−235917号公報
しかし、特許文献1のイヤースピーカ装置には、大音量で低音域を再生するときに管状ダクトの放音部分で風切り音が発生し、十分な音質での音の再生が困難であるという問題があった。かかるイヤースピーカ装置の電気音響変換部は、例えば図11に示すように、略半球形状の筐体部11と、筐体部11の一面に設けられたスピーカユニット12と、略U字形状の管状ダクト13とから構成される。管状ダクト13の略U字形状の先端部13cには低音が放音される孔部14が形成されている。
管状ダクト13は、一端が筐体部11の内部空間と連通する開端13aとして、他端が筐体部11に例えばねじ15により固定された閉端13bとして形成されている。スピーカユニット12から放出された音のうち、低音は筐体部11の内部空間から管状ダクト13の開端13aを通り、孔部14から外部へ放音される。しかし、一部の音は孔部14から放音されずに閉端13b側へ進行してしまう。このとき、管状ダクト13の内部には、閉端13bが節、孔部14が腹となる定常波が形成されて笛のような構造となり、管共振音や風切り音が発生し易いという問題が生じる。
一方、管状ダクト13の開端13a側においては、筐体部11の内部空間に対して開端13aの断面積が狭いため、筐体部11の内部空間から管状ダクト13に音が入り込む際に流速が速くなる。このため、管状ダクト13の開端13aで風切り音が発生するという問題があった。特に、大音量で低音域を再生する際に管状ダクト13の開端13aで風切り音が発生し易いことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、大音量で低音域を再生した場合における音質の低下を防止することが可能な、新規かつ改良されたイヤースピーカ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、オーディオ信号を再生音に変換する電気音響変換部と、電気音響変換部をユーザの頭部に装着させる装着部と、を備えるイヤースピーカ装置が提供される。電気音響変換部は、ユーザの頭部の所定位置に装着される筐体部と、筐体部の内部空間に生じた音をユーザの外耳道入口近傍まで到達させるよう延長され、放音用の孔部が形成された管状ダクトとを備える。ここで、筐体部の内部空間と連通する管状ダクトの開端には、開端における流速を低下させる中空部材が設けられる。
本発明によれば、管状ダクトの開端に筐体部の内部空間と管状ダクトとを連通させ、開端における流速を低下させる中空部材が設けられる。これにより、管状ダクトの開端付近で発生する風切り音を低減させることができる。
ここで、中空部材は、柔軟性のある弾性部材から形成することができる。中空部材は柔軟性を有することにより曲げることができ、限られた筐体内のスペースに配置することができる。このため、中空部材の長さを変更することも可能であり、中空部材の長さを変更して管状ダクトのバスレフダクトの有効長を調整することもできる。
また、中空部材は、筐体部の内面に接触して設けてもよい。弾性を有する中空部材を筐体部の内面に接触させることにより、筐体部やバスレフダクトの振動による異音を吸収することができる。
さらに、中空部材は、筐体部の内部空間と管状ダクトの管内とを連通させる連通部を有する。連通部は、管状ダクト側から筐体部側へ幅広に形成される。筐体部と管状ダクトとを連通させる連通部の断面積を管状ダクトに向かうにつれて徐々に狭めることにより、管状ダクトの開端における流速を低下させる。これにより、開端付近で発生する風切り音を低減することができる。
また、連通部の管状ダクト側の内径は、管状ダクトの内径と略同一である。これにより、中空部材を管状ダクトに装着したときに連通部と管状ダクトの管内とが滑らかに連通される。
さらに、中空部材は、連通部と連続して形成され、中空部分に前記管状ダクトの一端が挿入される取付部をさらに備えてもよい。このとき、中空部材を管状ダクトから外した状態における取付部の内径は、管状ダクトの外径より僅かに小さい。これにより、中空部材を管状ダクトから外れにくくすることができる。
また、中空部材の取付部は、管状ダクトが挿入される開口部が略テーパ形状に形成される。これにより、開口部の管状ダクト挿入側の断面積が広くなり、中空部材を管状ダクトに装着させ易くなる。
さらに、中空部材の取付部の内周面には、管状ダクトの外周面と係合する係合部が設けられる。これにより、中空部材を管状ダクトからより外れにくくすることができる。例えば、管状ダクトの一端側の外周面にねじ溝が形成されている場合、中空部材には係合部として管状ダクトのねじ溝に対応する螺旋に沿った突起部を形成してもよい。
また、筐体部がユーザの頭部に装着された際にユーザの外耳道入口との間に所定距離を有するように筐体部の一面に取り付けられたスピーカユニットをさらに備えてもよい。
以上説明したように本発明によれば、大音量で低音域を再生した場合における音質の低下を防止することが可能なイヤースピーカ装置を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず、図1〜図4に基づいて、本発明の第1の実施形態にかかるイヤースピーカ装置の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかるイヤースピーカ装置100を示す斜視図である。図2は、本実施形態にかかるイヤースピーカ装置100を示す平面図である。図3は、本実施形態にかかるイヤースピーカ装置100をユーザが装着した状態を示す側面図である。図4は、イヤースピーカ装置100をユーザが装着した状態を示す説明図である。
イヤースピーカ装置100は、例えばCDプレーヤーやDMP(Digital Music Player)、DVD(Digital Varsatile Disk)プレーヤーの再生処理等により生成されたオーディオ信号を再生音に変換し、ユーザに聴取させる装置である。イヤースピーカ装置100は、一般的な据置型のスピーカ装置とは異なり、ヘッドホン装置と同様にユーザの頭部に装着させて使用される。
本実施形態にかかるイヤースピーカ装置100は、図1に示すように、オーディオ信号を再生音に変換する電気音響変換部120L、120Rと、電気音響変換部120L、120Rをユーザの頭部に装着して固定させる装着部であるヘッドバンド部110とから構成される。
ヘッドバンド部110は、中央部112と、アジャスト部114L、114Rと、支持部116L、116Rと、筐体保持部118L、118Rとからなる。中央部112は、ユーザの頭部の形状に合わせて略アーチ形状に形成されている。アジャスト部114L、114Rは、一端が中央部112と接続され、中央部112に対して伸縮自在に摺動する。アジャスト部114L、114Rを調整することによりヘッドバンド部110全体の長さを調整することができる。
支持部116L、116Rは、ヘッドバンド部110をユーザの頭部に固定するためにユーザの耳の上方の頭部に当接される。支持部116L、116Rは、例えば外耳の形状に沿った略アーチ形状を有しており、アジャスト部114L、114Rの他端に設けられる。
筐体保持部118L、118Rは、ユーザがイヤースピーカ装置100を装着したときに電気音響変換部120L、120Rが外耳より前方側に位置するように電気音響変換部120L、120Rを保持する。筐体保持部118L、118Rは、ユーザがイヤースピーカ装置100を装着したときに外耳より前方側へカーブを有するように形成されている。筐体保持部118L、118Rの一端は、アジャスト部114L、114Rに対して摺動可能に固定されるとともに、固定部を軸として所定の角度だけ耳介から離隔・接近する方向に回動可能に設けられる。また、筐体保持部118L、118Rの他端からは、固定された電気音響変換部120L、120Rと接続されたケーブル130が延出される。
また、かかるヘッドバンド部110は弾力性を有して形成される。このため、電気音響変換部120L、120Rが左右に広げられながらイヤースピーカ装置100がユーザの頭部に装着されると、その後弾性力の復元作用によりユーザの頭部に対して支持部116L、116Rが頭部に当接する。これにより、ヘッドバンド部110がユーザの頭部に保持された状態を容易に維持することができる。
電気音響変換部120L、120Rは、筐体部121L、121Rと、スピーカユニット122L、122Rと、管状ダクト123L、123Rとからなる。筐体部121L、121Rは、球体の一部(半球よりも小さい部分)が垂直に切り取られた形状を有しており、その内部は空洞となっている。
スピーカユニット122L、122Rは、オーディオ信号を再生音に変換する機能部であって、バッフル板126L、126Rを介して筐体部121L、121Rの平面部に設けられる。スピーカユニット122L、122Rは、CDプレーヤーやDMP、DVDプレーヤー等と接続されたケーブル130を介して供給されるオーディオ信号に応じて振動板を振動させることにより放音する。
管状ダクト123L、123Rは、所定の太さを有する金属製の中空部材から形成されており、バッフル板126L、126Rにその両端が固定されている。バッフル板126L、126Rから延びる管状ダクト123L、123Rは、イヤースピーカ装置100を装着したユーザの顔の側面に沿って略U字形状に曲げられている。管状ダクト123L、123Rをかかる形状とすることにより、ユーザの外耳道内部に管状ダクト123L、123Rが入り込まないようにすることができ、イヤースピーカ装置100の装着時に誤って管状ダクト123L、123Rにより外耳道を傷つけないようにすることができる。また、管状ダクト123L、123Rの略U字形状の先端部付近は外耳道に向かって曲げられている。
管状ダクト123L、123Rの略U字形状の先端部のほぼ中央には、放音用の孔部124L、124Rが形成される。孔部124L、124Rは、外耳道入口に対して逆方向に向かって開口するように形成されている。イヤースピーカ装置100の管状ダクト123L、123Rから放出される音には、必要な低音だけではなく若干の中高音成分も含まれる。スピーカユニット122L、122Rから放出される中高音に加えて管状ダクト123L、123Rから放出される中高音もユーザが聴取してしまうと、音像定位が頭内に位置しやすくなり、ユーザが音場を狭く感じてしまうという影響がある。かかる影響を低減するため、図4に示すように、孔部124L、124Rは、外耳道入口に対して逆方向に向かって開口している。
このような電気音響変換部120L、120Rは、筐体部121L、121Rにスピーカユニット122L、122Rを取り付けた状態で、管状ダクト123L、123Rを除き、密閉した空間が形成されている。このとき、スピーカユニット122L、122Rに対して筐体部121L、121Rおよび管状ダクト123L、123Rが共振回路を形成するように形成されている。また、管状ダクト123L、123Rは、筐体部121L、121Rの内部からバッフル板126L、126Rを貫通してユーザの外耳道入口近傍まで延びている。すなわち、電気音響変換部120L、120Rは、管状ダクト123L、123Rを実質的にバスレフダクトとして作用させることにより、全体としてバスレフ型のスピーカとして動作する。
このようなイヤースピーカ装置100は、図2に示すように、略左右対称に形成されている。イヤースピーカ装置100をユーザの頭部10に装着させると、図3に示すように、筐体保持部118L、118Rに保持された電気音響変換部120L、120Rをユーザの頭部10における耳介よりもやや前方に位置させることができる。
これにより、電気音響変換部120L、120Rは、スピーカユニット122L、122Rから反射された中高音を直接ユーザの外耳道内部へ到達させるとともに、ユーザの頬や耳介等で反射された反射音も外耳道内部へ到達させることができる。これにより、自然な音像定位を与えることができる。また、バスレフダクトとして作用する管状ダクト123L、123Rの孔部124L、124Rから低音を放射することにより、全体として十分な低音を含む良好な再生音をユーザに聴取させることができる。
以上、本実施形態にかかるイヤースピーカ装置100の構成について説明した。本実施形態にかかるイヤースピーカ装置100は、大音量で低音域を再生するときに管状ダクト123の閉端側に音波が進行することにより発生する管共振音や風切り音を削減するため、管状ダクト123の内部に抵抗部材を設けることを特徴とする。そこで、以下、図5および図6に基づいて、管状ダクト123の閉端側に進行した音波により発生する管共振音および風切り音を削減させた電気音響変換部120の構成およびその作用について詳細に説明する。なお、図5は、本実施形態にかかる電気音響変換部120を示す断面図である。図6は、抵抗部材140を示す斜視図である。
本実施形態にかかるイヤースピーカ装置100の電気音響変換部120には、管状ダクト123の閉端側に進行した音波により発生する管共振音および風切り音を削減させるため、管状ダクト123の内部に抵抗部材140が設けられている。管状ダクト123は、図5に示すように、筐体部121の内部空間からユーザの外耳道入口近傍まで延長されるとともに筐体部121に戻る略U字形状に形成されている。これにより、スピーカユニット122から放音された音のうち低音をユーザの外耳道入口近傍まで到達させることができる。管状ダクト123の一端は開端123aに形成され、筐体部121の内部空間と連通可能である。一方、管状ダクト123の他端は閉端123bに形成されており、例えばねじ127により筐体部121に固定されている。
スピーカユニット122から放出されて管状ダクト123の開端123aへ流入した音は、管状ダクト123の内部を通過して、略U字形状の先端部123cに形成された孔部124から放出される。電気音響変換部120は、スピーカユニット122後面(筐体部121内部側)に放出された音波が筐体部121の容積と管状ダクト123との等価質量により所定の周波数で共振するように設定されている。このとき、音波の一部が孔部124側ではなく管状ダクト123の閉端123b側に進行すると、孔部124より閉端123b側で閉端123bが節、孔部124側が腹となる定常波が形成されて笛のような構造となり、管共振音や風切り音が発生し易いという問題が生じる。そこで、管共振音や風切り音の発生を防止するため、管状ダクト123の孔部124より閉端123b側に抵抗部材140が設けられる。
抵抗部材140は、通気性のある材質、例えば発泡ウレタンからなる。この他にも、抵抗部材140として、例えば不織布やグラスウール、カーボン繊維、羊毛等を用いることもできる。抵抗部材140は、例えば図6に示すように略直方体形状に形成されて、管状ダクト123の断面積の少なくとも一部を塞ぐように内部に挿入される。このため、管状ダクト123内の孔部124より閉端123b側へ進行した音は、抵抗部材140を通過することにより流速が低下する。これにより、管状ダクト123の閉端123b側で共振が発生しにくくなり、管共振音の発生を低減させることができる。また、抵抗部材140は、管状ダクト123の内周面に接するように設けられる。このため抵抗部材140自体が音響抵抗となり、管共振が抑制される。
本実施形態において、抵抗部材140は、少なくとも管状ダクト123の孔部124付近から閉端123bへ向かって折り曲げられた折曲部123dまで設けられる。これにより、抵抗部材140を通過する音波の流速を十分に低下させることができる。このとき、管状ダクト123の孔部124付近で風切り音が発生するのを防止するため、抵抗部材140は、管状ダクト123の内部空間から孔部124へ向かって空間が緩やかに狭まるように設けるのがよい。例えば、空間が略ホーン形状となるように抵抗部材140を設けることにより孔部124付近での流速を低下させることができ、風切り音の発生が低減される。
また、管状ダクト123の閉端123b側を通気性のない部材により完全に塞ぐと、管状ダクト123の孔部124より閉端123b側内部で管共振音は発生しなくなる。しかし、かかる部材によって反射された音によって孔部124付近で風切り音が発生してしまう。これに対して、抵抗部材140は通気性のある材質から形成されているため、開端123aから入った音は抵抗部材140によって完全に反射されず、一部は抵抗部材140を通過して流速が低下した状態で閉端123b側へ進行する。これにより、抵抗部材140による反射波が管状ダクト123の孔部124付近へ反射されるのを低減できるので、孔部124付近で発生する風切り音が低減される。このように、風切り音の発生を抑えることにより、音質の低下を防止することができる。
本実施形態では、管状ダクト123の内部に抵抗部材140を設け、管状ダクト123の内部で発生する管共振音を低減させることにより、不要な中高域の付帯音を低減させることができる。これにより、すっきりとした中高音をユーザに聴取させることができ、音質を著しく向上させることができる。また、抵抗部材140により音の流速を低下させることにより、大音量で低音を再生する際に生じる風切り音も低減される。
以上、本発明の第1の実施形態にかかるイヤースピーカ装置100について説明した。かかるイヤースピーカ装置100は、一端が筐体部121の内部空間と連通する開端123aに形成され、他端が閉端123bに形成された管状ダクト123を備える。管状ダクト123の孔部124より閉端123b側には、通気性を有する抵抗部材140が設けられる。これにより、管状ダクト123の孔部124より閉端123b側に進行する音波の流速を低下させることができ、管共振音を低減させることができる。抵抗部材140により音の流速を低下させることにより、大音量で低音を再生する際に生じる風切り音も低減される。
(第2の実施形態)
次に、図7〜図9に基づいて、本発明の第2の実施形態にかかるイヤースピーカ装置について説明する。本実施形態にかかるイヤースピーカ装置は、全体構成は第1の実施形態のイヤースピーカ装置100とほぼ同一であり、管状ダクト123の開端123a側で発生する風切り音を低減させるためにホーン部材150を備えることを特徴とする。以下、本実施形態にかかるイヤースピーカ装置の特徴的部分の構成およびその作用について詳細に説明し、第1の実施形態と同様の構成およびその作用については詳細な説明を省略する。
なお、図7は、本実施形態にかかる電気音響変換部120を示す断面図である。図8Aは、ホーン部材150を示す断面図であって、図8CにおけるI−I切断線において切断した状態を示す。図8Bは、ホーン部材150を示す平面図である。図8Cは、ホーン部材150を示す底面図である。図8Dは、図8CにおけるII−II切断線において切断した状態を示すホーン部材150の断面図である。図9は、本実施形態にかかるホーン部材を設けた電気音響変換部の一変形例を示す断面図である。
まず、電気音響変換部120の構成について説明すると、電気音響変換部120は、図7に示すように、スピーカユニット122が設けられた略半球形状の筐体部121と、筐体部121から延びる管状ダクト123とを備える。管状ダクト123は、図7に示すように、スピーカユニット122から放音された音のうち低音をユーザの外耳道入口近傍まで到達させるために、筐体部121の内部空間からユーザの外耳道入口近傍まで延長されるとともに筐体部121に戻る略U字形状に形成されている。管状ダクト123の一端は開端123aに形成され、筐体部121の内部空間と連通可能である。一方、管状ダクト123の他端は閉端123bに形成されており、例えばねじ127により筐体部121に固定されている。
スピーカユニット122から放出されて開端123aに流入した音は、管状ダクト123の内部を通過して、管状ダクト123の略U字形状の先端部123cに形成された孔部124から放出される。ここで、筐体部121の内部空間から管状ダクト123の管内へはその断面積が大きく変化する。このような箇所では管状ダクト123に音波が流入するときの流速がほとんど低下しないため風切り音が発生し易く、イヤースピーカ装置の音質を低下させる要因となる。そこで、本実施形態にかかるイヤースピーカ装置は、管状ダクト123の開端123a側で発生する風切り音を低減させるために、管状ダクト123の開端123aにホーン部材150を備える。
ホーン部材150は、図8A〜図8Dに示すように、略円柱形状の中空部材であって、例えばゴムやエラストマー等の柔軟性を有する材質から形成される。ホーン部材150は、図8Aに示すように、ホーン形状に形成された連通部151と、管状ダクト123に装着される取付部153とからなる。
連通部151は、管状ダクト123の開端123aから筐体部121の内部空間へ向かって幅広となるように形成されている。本実施形態の連通部151は、図8Aに示すように、例えばカーブしながら幅広となるホーン形状(符号152)に形成される。例えば、連通部151の筐体部121の内部空間側の開口径d3(図8B参照)は、少なくともd1よりは大きく、例えばd1の約2〜3倍の大きさに形成される。また、連通部151の管状ダクト123側の開口径d1は、管状ダクト123の内径と略同一に形成される。これにより、ホーン部材150を管状ダクト123に装着したときに連通部151と管状ダクト123の管内とが滑らかに連通される。
取付部153は、中空部分に管状ダクト123が挿入されることにより管状ダクト123に装着される。管状ダクト123から外した状態における取付部153の内径d2は、管状ダクト123に装着させたときに外れないように、管状ダクト123の外径よりも僅かに小さく形成される。また、取付部153の管状ダクト123が挿入される側の開口部154は、管状ダクト123を中空部分へ挿入し易くするために、開口部の内周面側を略テーパ形状に形成してもよい。
取付部153の内周面には、突起状の係合部155が形成される。係合部155は、ホーン部材150を管状ダクト123に装着させたときに管状ダクト123に形成されている被係合部(図示せず。)と係合する。これにより、ホーン部材150をより管状ダクト123から外れにくくすることができる。例えば、管状ダクト123の開端123aの外周面に、例えばねじ溝を被係合部として形成する。このとき、ホーン部材150の取付部153の内周面には、図8Cに示すように、管状ダクト123のねじ溝と係合する位置に、ねじ溝に対応する螺旋に沿った突起状の一対の係合部155を形成すればよい。なお、ホーン部材150に形成される係合部155の形状および管状ダクト123に形成される被係合部の形状は、かかる例に限定されない。
ホーン部材150は、管状ダクト123の開端123a側の端面が連通部151の挿通方向に対して略垂直な面153aと対向するように、管状ダクト123に設けられる。このとき、管状ダクト123の開端123a側の端面とホーン部材150の面153aとは必ずしも接してなくともよい。ホーン部材150を管状ダクト123の開端123aに設けることにより、筐体部121の内部空間から管状ダクト123に流入する音波の流速を低下させることができる。これにより、大音量で低音を再生する際に生じる風切り音を低減することができる。
さらに、弾性部材からなるホーン部材150は、管状ダクト123に対して容易に着脱することができる。そこで、ホーン部材150の長さを変更することにより、管状ダクト123の有効長の調整を容易に行うことができる。これにより、設計の自由度が向上される。
また、本実施形態にかかる電気音響変換部120の変形例として、例えば図9に示すように、筐体部121の内壁面に接触するように設けてもよい。ホーン部材250は、上述したように、弾力を有する材質から形成される。このため、ホーン部材250を図9に示すように筐体部121の内壁面に沿って接触させることにより、筐体部121やバスレフダクトの振動による異音(ビリ音)を吸収することができる。
さらに、ホーン部材250は、上述したように、柔軟性を有する材質から形成されるため、所望の方向に折り曲げることができる。このため、筐体部121の限られた内部空間においてバスレフダクトとして機能する管状ダクト123の有効長を長くすることができる。これにより、バスレフダクトの共振周波数を下げることができ、より低音域を再生することが可能となる。
以上、本発明の第2の実施形態にかかるイヤースピーカ装置について説明した。かかるイヤースピーカ装置は、一端が筐体部121の内部空間と連通する開端123aに形成され、他端が閉端123bに形成された管状ダクト123を備える。管状ダクト123の開端123aにはホーン部材150が設けられる。これにより、筐体部121の内部空間から管状ダクト123へ流入する音波の流速を低下させることができ、大音量で低音を再生する際に生じる風切り音を低減することができる。
(第3の実施形態)
次に、図10に基づいて、本発明の第3の実施形態にかかるイヤースピーカ装置について説明する。本実施形態にかかるイヤースピーカ装置は、管状ダクト123に第1の実施形態にて説明した抵抗部材140と第2の実施形態にて説明したホーン部材150とを備えることを特徴とする。以下、本実施形態にかかるイヤースピーカ装置の特徴的部分の構成およびその作用について詳細に説明し、上記実施形態と同様の構成およびその作用については詳細な説明を省略する。なお、図10は、本実施形態にかかる電気音響変換部120を示す断面図である。
本実施形態にかかる電気音響変換部120は、図10に示すように、管状ダクト123の開端123aにホーン部材150が設けられ、管状ダクト123の孔部124より閉端123b側に抵抗部材140が設けられる。抵抗部材140およびホーン部材150は、第1および第2の実施形態に示したものを用いることができる。
管状ダクト123の開端123aにホーン部材150を設けることにより、筐体部121の内部空間から管状ダクト123へ流入する音波の流速を低下させることができ、大音量で低音を再生する際に生じる風切り音を低減することができる。また、管状ダクト123の孔部124より閉端123b側に、通気性を有する抵抗部材140を設けることにより、管状ダクト123の孔部124より閉端123b側に進行する音波の流速を低下させることができ、管共振音を低減させることができる。さらに、抵抗部材140により音の流速を低下させることにより、大音量で低音を再生する際に生じる風切り音も低減される。すなわち、ホーン部材150および抵抗部材140を管状ダクト123に設けることによって、イヤースピーカ装置から提供される音の音質をより向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、抵抗部材140の形状は略直方体としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、略円柱形状でもよく、例えば羊毛などのように所定の形状に形成されていないものでもよい。
本発明の第1の実施形態にかかるイヤースピーカ装置を示す斜視図である。 同実施形態にかかるイヤースピーカ装置を示す平面図である。 同実施形態にかかるイヤースピーカ装置をユーザが装着した状態を示す側面図である。 同実施形態にかかるイヤースピーカ装置をユーザが装着した状態を示す説明図である。 同実施形態にかかる電気音響変換部を示す断面図である。 抵抗部材を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態にかかる電気音響変換部を示す断面図である。 ホーン部材を示す断面図であって、図8CにおけるI−I切断線において切断した状態を示す。 ホーン部材を示す平面図である。 ホーン部材を示す底面図である。 図8CにおけるII−II切断線において切断した状態を示すホーン部材の断面図である。 同実施形態にかかるホーン部材を設けた電気音響変換部の一変形例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる電気音響変換部を示す断面図である。 従来の電気音響変換部を示す断面図である。
符号の説明
100 イヤースピーカ装置
110 ヘッドバンド部
112 中央部
114L、114R アジャスト部
116L、116R 支持部
118L、118R 筐体保持部
120、120L、120R 電気音響変換部
121、121L、121R 筐体部
122、122L、122R スピーカユニット
123、123L、123R 管状ダクト
124、124L、124R 孔部
126L、126R バッフル板
130 ケーブル
140 抵抗部材
150、250 ホーン部材
151 連通部
153 取付部
155 係合部

Claims (10)

  1. オーディオ信号を再生音に変換する電気音響変換部と、
    前記電気音響変換部をユーザの頭部に装着させる装着部と、
    を備え、
    前記電気音響変換部は、
    ユーザの頭部の所定位置に装着される筐体部と、
    前記筐体部の内部空間に生じた音をユーザの外耳道入口近傍まで到達させるよう延長され、放音用の孔部が形成された管状ダクトと、
    を備え、
    前記筐体部の内部空間と連通する前記管状ダクトの開端には、前記開端における流速を低下させる中空部材が設けられる、イヤースピーカ装置。
  2. 前記中空部材は、柔軟性のある弾性部材である、請求項1に記載のイヤースピーカ装置。
  3. 前記中空部材は、前記筐体部の内面に接触して設けられる、請求項2に記載のイヤースピーカ装置。
  4. 前記中空部材は、前記筐体部の内部空間と前記管状ダクトの管内とを連通させる連通部を有し、
    前記連通部は、前記管状ダクト側から前記筐体部側へ幅広となる、請求項2に記載のイヤースピーカ装置。
  5. 前記連通部の前記管状ダクト側の内径は、前記管状ダクトの内径と略同一である、請求項4に記載のイヤースピーカ装置。
  6. 前記中空部材は、前記連通部と連続して形成され、中空部分に前記管状ダクトの一端が挿入される取付部をさらに備え、
    前記中空部材を前記管状ダクトから外した状態における前記取付部の内径は、前記管状ダクトの外径より僅かに小さい、請求項5に記載のイヤースピーカ装置。
  7. 前記中空部材の前記取付部は、前記管状ダクトが挿入される開口部が略テーパ形状に形成される、請求項6に記載のイヤースピーカ装置。
  8. 前記中空部材の前記取付部の内周面には、前記管状ダクトの外周面と係合する係合部が設けられる、請求項2に記載のイヤースピーカ装置。
  9. 前記管状ダクトの一端側の外周面にはねじ溝が形成されており、
    前記中空部材の係合部は、前記管状ダクトの前記ねじ溝に対応する螺旋に沿った突起部である、請求項8に記載のイヤースピーカ装置。
  10. 前記筐体部がユーザの頭部に装着された際にユーザの外耳道入口との間に所定距離を有するように前記筐体部の一面に取り付けられたスピーカユニットをさらに備える、請求項1に記載のイヤースピーカ装置。

JP2008105982A 2008-04-15 2008-04-15 イヤースピーカ装置 Withdrawn JP2009260555A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008105982A JP2009260555A (ja) 2008-04-15 2008-04-15 イヤースピーカ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008105982A JP2009260555A (ja) 2008-04-15 2008-04-15 イヤースピーカ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009260555A true JP2009260555A (ja) 2009-11-05

Family

ID=41387431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008105982A Withdrawn JP2009260555A (ja) 2008-04-15 2008-04-15 イヤースピーカ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009260555A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015027900A1 (zh) * 2013-08-26 2015-03-05 歌尔声学股份有限公司 一种耳机

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015027900A1 (zh) * 2013-08-26 2015-03-05 歌尔声学股份有限公司 一种耳机
US9654865B2 (en) 2013-08-26 2017-05-16 Goertek, Inc. Earphone

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6652164B2 (ja) 音響出力装置
US9924261B2 (en) Ear defender with concha simulator
JP3057731B2 (ja) 電気音響変換器及び音響再生システム
JP4953490B1 (ja) ツィンドライバーイヤホン
JPH1066181A (ja) イヤホン
JP2006287674A (ja) バスレフ型ヘッドホン
WO2007089033A1 (ja) 電気音響変換器及びイヤースピーカ装置
JP2012244350A (ja) カナル型イヤホン
JP5498515B2 (ja) イヤホン
BR112019012894A2 (pt) dispositivo de emissão de som.
JP3161011U (ja) イヤーピース及びそれを用いたヘッドホン
JP4952223B2 (ja) イヤースピーカ装置
JP7047773B2 (ja) 収音装置
JP6421360B2 (ja) インナーイヤホン
JP2009260555A (ja) イヤースピーカ装置
JP2009260556A (ja) イヤースピーカ装置
JP2017147533A (ja) イヤホン
JP2016213787A (ja) 連通部付き密閉イヤホン
JP6024340B2 (ja) ヘッドホン
KR100673621B1 (ko) 이어폰 보조기구 및 그를 구비한 이어폰
JP6931753B1 (ja) 電気音響アクチュエータ
JP2009239736A (ja) イヤースピーカ装置およびイヤーパッド
JP2010130034A (ja) イヤホン装置
JP2009164942A (ja) ヘッドフォン
JPH0619272Y2 (ja) ヘツドホン

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110705