JP2009260368A - 対象物処理装置及び対象物処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 処理対象面を有する対象物に対して、剥離/洗浄/加工のいずれかを含む処理を行うための対象物処理装置に、大気圧または減圧雰囲気で前記対象物を載置するステージ部と、純水を所定値に加圧した加圧温水をノズル部に供給する加圧温水供給部と、処理対象面に対し、加圧温水または加圧温水と薬液との混合物を噴出するノズル部とを設ける。
【選択図】 図1
Description
具体的には、半導体ウェハやハードディスク(HD)、液晶ディスプレイ(LCD)、プリント基板又はフラットパネルディスプレイ(FPD)などの対象物表面にリソグラフィ工程で被着したレジスト膜やエッチング工程で被着したポリマ残渣等の不用物を剥離して除去するための装置および方法に関する。
しかしながら、上述のいずれの方法にあっても、レジスト膜等を分解し溶解するための時間やエネルギーおよび化学材料が必要であり、レジスト膜等を分解除去する工程での負担は大きい。
加えて、最先端の半導体デバイスにおいてはプラズマによるプラズマダメージ、紫外線光ダメージがデバイスの性能に悪影響を与えることから代替技術が求められている。
そのため、レジスト膜等の不用物を除去する技術を含んで精密表面を処理する技術分野においては、プラズマ、化学物質や化学的処理を用いる従来の技術から脱却し、地球や環境に優しい技術として、自然界に豊富にある水や水蒸気を用いる方式に大いに注目して、これを利用し発展させたいという期待がある。
特許文献1に記載の発明は、処理対象を高周波で振動させることによってキャビテーションを発生させ、処理対象を洗浄している。
しかしながら、超音波洗浄技術には洗浄むらが生じたり、洗浄対象を損傷させてしまう等の問題があった。また、処理対象物を高周波で振動させることが困難な場合には、特許文献1に記載の発明も有益ではなかった。
上記対象物処理装置において、前記加圧温水供給部は、純水を加熱して水蒸気を発生させ、水蒸気量によって純水に加わる圧力を制御することを特徴とする。
上記対象物処理装置において、加圧温水供給部は、前記水蒸気に常温の純水を加えることにより、前記加圧温水の温度調節を行うことを特徴とする。
上記対象物処理装置において、前記ノズル部は、その側壁に水蒸気供給部からの第1の噴出口と、加圧水供給部からの第2の噴出口とを備え、前記第1及び第2の噴出口は、前記ノズル部の噴出口に対して垂直に配列されることを特徴とする。
上記対象物処理装置において、前記ノズル部は、その側壁に水蒸気供給部からの第1の噴出口を備え、ノズル内に加圧水供給部からの第2の噴出口を導く配管を備えたことを特徴とする。
また、本発明の対象物処理方法は、純水を加熱して水蒸気を発生させる段階と、水蒸気量によって純水に加わる圧力を制御する段階とを具備したことを特徴とする。
また、本発明の対象物処理方法は、前記水蒸気に常温の純水を加え、前記加圧温水の温度調節を行う段階を具備したことを特徴とする。
(1−2)基本原理
常温(約20℃)の純水と、高温(100℃以上)の水蒸気とを一定の容量を持った容器の中で一定の圧力下で連続的に混合すると、純水は水蒸気によって加熱されて膨張する。一方、水蒸気は純水によって冷却されて収縮する。これらの熱交換によって、ある程度の周波数(10KHz〜1MHz)を有する振動が発生する。
純水(約20℃)+水蒸気(100℃以上)→振動
そして、この振動によって、水分子H2Oが水素イオンH+と水酸化物イオンOH−とに分解する。
H2O→H++OH−
水素イオンH+や水酸化物イオンOH−は非常に不安定な状態にあるため、水分子H2Oに戻ろうとする。この際に生じる高エネルギーを機械的衝撃に変換することで処理対象物を洗浄する。
本実施の形態ではこの基本原理(熱効果現象)を利用してキャビテーションを発生させ、これにより処理対象物の表面にあるレジストの除去等を行う。
図1は本発明の第1の実施の形態である対象物処理装置の全体図である。
本装置は、ノズル101、操作バルブ103、水流量計105、ストップバルブ107a〜b、水加圧タンク111、水蒸気供給装置113、水供給管115a〜b、窒素供給管117、減圧弁119、耐圧ホース121〜123、ステージ131で構成されている。ステージ131上には処理対象物(ここでは「ウェハー」とする)133がセットされている。ノズル101は、処理対象物133に対向するように配置されており、キャビテーションジェットを発生する。
水流量計105は、水加圧タンク111からノズル101に供給される純水の流量を計測する。作業員は水流量計105で当該流量を確認し、操作バルブ103を用いて所望の値に調整することができる。また、ストップバルブ107aを開閉することにより、純水の供給を停止したり、再開したりすることもできる。
圧力計120は、水蒸気供給装置113からノズル101に供給される水蒸気の圧力を計測する。作業員は圧力計120で当該圧力を確認し、減圧弁119を用いて所望の値に調整することができる。また、ストップバルブ107bを開閉することにより、水蒸気の供給を停止したり、再開したりすることもできる。
このように、他のガスまたは薬液(例えば、CO2,O3,N2,O2,H2,アルカリ,酸,表面活性剤等)が添加された水を用いることにより、洗浄能力や研磨又は研削レートを向上することができる。
なお、本実施の形態では純水に窒素等の混合物を混合したが、純水のみをノズル101に供給してもよいことは明らかである。
▲1▼水加圧タンク111内での具体的数値
純水の圧力A1(MP)=0.2〜0.5(MP)
純水の流量B1(l/min)=0〜1.0(l/min)
▲2▼水蒸気供給装置113内での具体的数値
水蒸気の圧力C1(MP)=0.1〜0.5(MP)
水蒸気の温度D1(℃)=100〜150(℃)
▲3▼処理対象物表面とノズル101の噴出し口とのクリアランスE1(間隔)
間隔E1(mm)=5〜100(mm)
図2(a)に図1の対象物処理装置で用いるのに好ましいノズル101の第1の具体的形状、図2(b)にノズル101の第2の具体的形状を示す。
図2(a)の201は水蒸気供給装置113からの耐圧ホース123の噴出し口であり、203は水加圧タンク111からの耐圧ホース121の噴出し口である。噴出し口201及び203は、ノズル101の噴出し口に対して垂直方向に、当該噴出し口に近い方から203→201の順番でノズル101壁面に設けられている。
図2(a)及び(b)いずれの場合もノズル径=3〜10mmφが好ましい。
(2−1)基本原理
自然法則上、液体の沸騰点は圧力に比例して高くなる。本実施の形態では、この自然法則を利用してキャビテーションを発生させ、これにより処理対象物の表面にあるレジストの除去等を行う。
具体的には、加圧温水供給装置内の圧力を大気圧より高くなるように設定し、加圧温水供給装置内の加圧温水を液体状態に維持しておき、この加圧温水を大気圧又は減圧下に噴出することにより急激な沸騰現象(水蒸気爆発)を起す。その際にキャビテーションが発生するのである。
図3は本発明の第2の実施の形態である対象物処理装置の全体図である。
本装置は、ノズル301、操作バルブ303、水流量計305、圧力計307、ヒーター309、加圧温水供給装置311、水供給管315、耐圧ホース321、ステージ331で構成されている。ステージ331上には処理対象物(ここでは「ウェハー」とする)333がセットされている。ノズル301は処理対象物333に対向するように配置されており、キャビテーションジェットを発生する。
圧力計307は、加圧温水供給装置311内の圧力を計測する。作業員は圧力計307で当該圧力を確認する。水供給管315は加圧温水供給装置311内に発生する水蒸気に常温の純水を補給すると同時に、加圧温水供給装置311内を所望の温度に調整することができる。
▲1▼加圧温水供給装置311内での具体的数値
加圧温水供給装置内圧力A2(MP)=0.2〜0.5(MP)
加圧温水の流量B2(l/min)=0.5〜2.0
加圧温水の温度C2(℃)=110〜150(℃)
▲2▼処理対象物表面とノズル301の噴出し口との距離D2=0〜100(mm)
なお、本実施の形態では加圧温水のみをノズル部301に供給するときの説明をしたが、ボイラー311に薬液を供給する供給管を設け、加圧温水と薬液とを混合してノズル部301に供給することも可能である。
このように、他のガスまたは薬液(例えば、CO2,O3,N2,O2,H2,アルカリ,酸,表面活性剤等)が添加された加圧温水を用いることにより、洗浄能力や研磨又は研削レートを向上することができる。
(3−1)処理対象物が「矩形」の場合
本実施の形態では、剥離・洗浄等の処理が行われる処理対象物(図1の133,図3の333)はX軸方向−Y軸方向に広がる矩形状の形状をなしていて、面全域が処理対象面であるものとする。
そして、図4(a)に示すとおり、処理対象物133(333)をX軸方向にM分割(同図では5分割になっている)Y軸方向にN分割して、各ゾーン(sn:nは整数)の面積S3(mm2)が等しくなるようにしている。
本実施の形態では、各ゾーンの上方でノズル101(301)を一定時間t3(秒)停止させ、停止させた状態でノズル101(301)の噴出し口から噴霧体(図1の場合「純水+水蒸気」、図2の場合「加圧温水」)を噴出する。そして、一定時間t3(秒)経過後、ノズル101(301)を隣のゾーンの上方に移動させ、処理対象物133(333)に噴霧体を噴出する。
本実施の形態では、剥離・洗浄等の処理が行われる処理対象物(図1の133,図3の333)は、円形薄厚平板状の形状をなしていて、面全域が処理対象面であり、中心位置(中心点C)とその半径rを有するものとする。
そして、図4(b)に示すとおり、処理対象物133(333)を中心点Cから半径rを等分して、中心点Cを含む中心円部(中心円形状部)と複数の円環形状部(ドーナツ状形状部)とに等分し、さらに、面積S3(mm2)が等しくなるよう、各円環形状部(ドーナツ状形状部)を各ゾーン(sn:nは整数)に分割する。
各円環形状部でのノズル101(301)の移動方向は、「時計回り」「反時計回り(矢印412)」のいずれでもよい。また、各円環形状部を1周した後、半径r方向(矢印410)のいずれ(外周側→中心C、中心C→外周側)に移動するのかも適宜選択可能である。
ノズルの本数や動作を設定するにあたっては種々なケースが想定できる。例えば、それらのノズルは複数本を設定してもよく、相互に同期がとれるような設計にすれば1又は2本以上のノズルを用いて行うことも可能である。
また、ゾーン毎に停止時間t3(秒)を変えたり、ゾーン間移動速度V3(mm/sec)を変えることにより、処理対象物133(333)の表面にレジスト等が均一に存してない場合にも、効果的な洗浄・剥離を行うことを可能とする。
さらに、ノズル101(301)とステージ131(331)とを相互に同期をさせることにより、両者を同時に移動させることも可能である。
ゾーン面積S3(mm2)=20〜1200(mm2)
停止時間t3(秒)=1.0〜10.0(秒)
ゾーン間移動速度V3(mm/sec)=4RPM〜100RPM(変換要)
(4−1)ステージ断面図
図5は本発明の実施の形態であるステージの断面図である。同ステージは図1のステージ131または図3のステージ331として適用することが可能である。図5に示すとおり、本発明の実施の形態であるステージは「純水」又は「純水と不活性ガス(気体)との混合液」を供給する供給管501、不活性ガス供給管503、3方向弁505、噴出口507、チャック509、ガイドバー510とで構成されている。
噴出口507はチャック中央部から外周方向へ向いており、表面の処理中に不活性ガス(気体)、純水、又は純水と気体の混合液を噴射することにより、処理対象物の温度制御、キャビテーションの共振・強度制御、裏面洗浄を可能にする。
ステージ表面には突起物601(対象物とはボール状の点接触が望ましい)を配置することにより、処理対象物を擬似的に浮かし(0.2〜1.0mmが望ましい)共振しやすい構造になっている。
図6は本発明の実施の形態であるステージの上面図である。図6に示すとおり、ステージ中央部には噴出口507a、外周部には噴出口507b〜i、計9つの噴出口が設けられている。噴出口507a〜iの口径としては「0.5mmφ〜1.0mmφ」が望ましいが、これに限定されないことは明らかである。また、本実施の形態では噴出口を9つとしたが、これに限定されないことは明らかである。
図7は本発明の実施の形態であるチャンバーの断面図である。本発明の実施の形態である対象物処理装置での噴射によりレジスト、ポリマー等の不要物が剥離された際、その一部が粉塵として蒸気と一緒にプロセスチャンバー内に舞い上がり、対象物に再付着する可能性がある。
その防御策として、チャンバー側壁に純水をスプレーノズルで照射することにより、チャンバーウォールの温度を低温に保つと同時に、粉塵を水蒸気を一緒にトラップし排気口へ流しだす構造を採用した。
本発明の実施の形態であるチャンバーによれば、チャンバーウォールの内壁を常にクリーンに保ち、ウェハ上の異物(パーティクル)低減とプロセスチャンバー内の保守頻度を低減することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記説明に限定されず、半導体、液晶、磁気ヘッド、ディスク、プリント基板等の製造工程において、洗浄、異物処理、感光剤除去等に適用可能である。
111 水加圧タンク
113 水蒸気供給装置
115a 水供給管
115b 水供給管
301 ノズル
309 ヒーター
311 加圧温水供給装置
702 純水スプレーノズル
Claims (8)
- 処理対象面を有する対象物に対して、剥離/洗浄/加工のいずれかを含む処理を行うための対象物処理装置であって、
対象物を載置するステージ部と、
純水を所定値に加圧して下流に供給する加圧水供給部と、
純水を加熱して水蒸気を発生させ下流に供給する水蒸気供給部と、
加圧水供給部からの純水と水蒸気供給部からの水蒸気とを混合して対象処理面に噴出するノズル部と
を具備しており、
ノズル部は、水蒸気供給部からの第1の噴出口と加圧水供給部からの第2の噴出口とを備え、
第1の噴出口は、ノズル部の噴出口に対して第2の噴出口よりも上流側に設けられており、
第2の噴出口は、ノズル部の側壁に設けられている
ことを特徴とする対象物処理装置。 - 第2の噴出口は、ノズル部の噴出口に対して垂直に配置されている、請求項1記載の対象物処理装置。
- 第1の噴出口は、ノズル部の噴出口に対して垂直に配置されている、請求項1又は2記載の対象物処理装置。
- 加圧水供給部は、ガス又は薬液が更に添加された純水をノズルに供給する、請求項1〜3のいずれか一項記載の対象物処理装置。
- 処理対象面を有する対象物に対して、剥離/洗浄/加工のいずれかを含む処理を行うための対象物処理方法において、
純水を所定値に加圧して下流に供給する段階と、
純水を加熱して水蒸気を発生させ下流に供給する段階と、
純水と水蒸気とを混合してノズル部から対象物の処理対象面に噴出する段階と
を有し、ここで、
ノズル部は、水蒸気供給部からの第1の噴出口と加圧水供給部からの第2の噴出口とを備え、
第1の噴出口は、ノズル部の噴出口に対して第2の噴出口よりも上流側に設けられており、
第2の噴出口は、ノズル部の側壁に設けられている
ことを特徴とする対象物処理方法。 - 第2の噴出口は、ノズル部の噴出口に対して垂直に配置されている、請求項5記載の対象物処理方法。
- 第1の噴出口は、ノズル部の噴出口に対して垂直に配置されている、請求項5又は6記載の対象物処理方法。
- ガス又は薬液が更に添加された純水をノズルに供給する、請求項5〜7のいずれか一項記載の対象物処理方法。
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