JP2004031924A - エアロゾル洗浄方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被洗浄物の微細構造にダメージを与えることなく、洗浄する。
【解決手段】エアロゾル生成ノズル70を断熱化し、該エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定することで、エアロゾル生成ノズル内部を液リッチの状態からガスリッチの状態にし、エアロゾル生成ノズルから真空の洗浄室42に吹き出す際の断熱膨張時のエアロゾル凝集作用を小さくする。
【選択図】 図4
【解決手段】エアロゾル生成ノズル70を断熱化し、該エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定することで、エアロゾル生成ノズル内部を液リッチの状態からガスリッチの状態にし、エアロゾル生成ノズルから真空の洗浄室42に吹き出す際の断熱膨張時のエアロゾル凝集作用を小さくする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアロゾル洗浄方法及び装置に係り、特に、半導体ウェハ、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、電子線(EB)マスク又はレティクル、イオンビーム(IB)マスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板のような各種基板や、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMS(MicroElectro Mechanical Systems)の表面を洗浄する際に用いるのに好適な、被洗浄物の微細構造等へダメージを与えることなく洗浄することが可能なエアロゾル洗浄方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI等の半導体製造工程における半導体ウェハの表面上や、液晶(LCD)あるいは太陽電池等の表面上の微粒子(パーティクル)や汚れは、最終製品の歩留りを大きく低下させるため、前記ウェハ等の表面洗浄が極めて重要である。特に半導体製造工程でのウェハ洗浄は、素子微細化による高集積化が加速しており、全体工程数に占める洗浄工程が約3割と言われるように、製造歩留りを維持するための重要な製造工程となっている。又、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、EBマスク又はレティクル、IBマスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMSも微細構造であり、被洗浄物にダメージを与えること無く、微粒子を洗浄することが、極めて重要である。
【0003】
洗浄装置としては、純水を使用するウェット洗浄が主流であり、ウェットバス型のバッチ洗浄からブラシ洗浄、ジェットスピン洗浄、超音波洗浄等の枚葉洗浄装置が多用されている。
【0004】
又、近年は、ウェット洗浄に代わるドライ洗浄方式として、レーザ光、UV光、各種プラズマを利用した反応系生成物の洗浄除去装置や、炭酸ガス(CO2)又はアルゴン(Ar)ガスや窒素(N2)ガスを使用する、液体、固体、気体が混合したエアロゾル洗浄方式の洗浄装置が開発されており、半導体デバイス工程に応じて、様々な使い分けが始まっている。
【0005】
このうち、従来のエアロゾル吹付けによる洗浄では、図1(全体図)及び図2(要部詳細図)に示す如く、アルゴン(Ar)ガス又は窒素(N2)ガス又は各ガスの混合ガスを、例えばヘリウム(He)クライオ冷凍機36を用いた熱交換機38で冷却して、エアロゾル生成ノズル(以下、単にエアロゾルノズルとも称する)20のノズル孔20Aから真空の洗浄室42内に噴出し、噴出す際の断熱膨張により更に冷却させて微細エアロゾル22を形成し、ウェハ10等の被洗浄物の表面に該エアロゾル22を衝突させて洗浄する方式を採っている。
【0006】
図1において、マスフローコントローラ30、32によりその流量を制御されたアルゴンガス、窒素ガス又はその混合ガスは、例えばセラミックフィルタ34を通過した後、熱交換器38内で冷却されてから、エアロゾルノズル20に開けられた多数の微細なノズル孔20Aより、エアロゾル22となって、真空ポンプ40で真空引きされているウェハ洗浄用の洗浄室42内に噴出する。図1において、44は排気制御弁である。
【0007】
ウェハ10は、ウェハスキャン機構(図示省略)によりX軸方向及びY軸方向にスキャンされるプロセスハンド(XYスキャンステージとも称する)46上に載っており、ウェハ全面が洗浄可能となっている。
【0008】
又、パーティクルのウェハ面への再付着を防止する目的で、洗浄室42の一端(図の左端)から、マスフローコントローラ62及びセラミックフィルタ64を介して流入されるパージガス(例えば窒素ガス)66を洗浄室42内に供給するようにされている。
【0009】
更に、エアロゾル吹付けのみの洗浄では、強固に付着するパーティクル等への適用では、物理的な吹付力が不足するため、洗浄性能を向上させる方法として、エアロゾルノズル20とは別に設けたエアロゾル加速用の加速ノズル24を採用している(特許文献1乃至3)。そして、マスフローコントローラ52及びセラミックフィルタ54を介して該加速ノズル24に供給され、そのノズル孔24Aから吹き出した高速の加速ガス(例えば窒素ガス)26を、図2に示す如くエアロゾル22に吹付け、エアロゾル22を加速した後にウェハ10の表面に衝突させることで、被洗浄物であるウェハ面に強固に付着するパーティクル等の汚染物に対して除去性能を大幅に向上している。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−252114号公報
【特許文献2】
特開平6−295895号公報
【特許文献3】
特開平8−298252号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウェット洗浄においては、純水の使用量、薬品(無機、有機)の使用量と、その排水処理、微細パターンの薬品によるオーバーエッチングによる形状変形、新材料に対応する薬品の開発、多様な薬品への対応等の問題や微細パターンへのダメージの問題がある。
【0012】
又、炭酸ガスやアルゴンガスを使用するエアロゾル洗浄においても、同様に、微細パターンへのダメージの問題点がある。
【0013】
特に、今後パターンの微細化が加速する半導体デバイス製作工程において、パターンにダメージを与えない洗浄方式を確立することは非常に重要な課題となっている。又、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、EBマスク又はレティクル、IBマスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板や、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMSに対しても、これらが微細構造であり、ダメージ無く洗浄することは、非常に重要な課題になっている。
【0014】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、被洗浄物の微細構造等へダメージを与えることなく洗浄することが可能な低温(クライオジェニック)エアロゾル洗浄を実現することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物を、微細ノズル穴を有する噴射ノズルより吹き出させて微細エアロゾルを生成し、その微細液滴又は微細固体又は気体又はそれらの2以上の混合物を被洗浄面に吹き付けるエアロゾル洗浄方法において、エアロゾル生成ノズルを断熱化し、該エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定することで、エアロゾル生成ノズル内部をガスリッチの状態にすることにより、前記課題を解決したものである。
【0016】
又、前記洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物を、Ar、N2、He、Ne、O2、CO2、N2O、H2O、Kr、SF6、Xe、H2の各単独ガス又は混合ガスとしたものである。
【0017】
又、前記洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物がAr、N2の各単独ガス又は混合ガスである時に、前記エアロゾル生成ノズル内の圧力を600kPa〜300kPaの範囲に制御して、アルゴン及び窒素が、気体と液体の間の状態となるようにしたものである。アルゴン及び窒素は、温度100Kでは、200kPa以下で液体になり、700kPa以上で完全に気体となる。
【0018】
本発明は、又、ガスリッチの状態であるので、前記洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物が、Ar、N2の各単独ガス又は混合ガスである時に、その流量を40SLM(0℃1気圧の時の体積流量)〜20SLMの範囲として、従来(60SLM)の液リッチの状態より少なくするようにし、冷凍機のエネルギ消費を少なくしたものである。
【0019】
又、前記噴射ノズルから微細液滴又は微細固体又は気体又はそれらの2以上の混合物が吹き出される洗浄室の圧力を10kPa〜50Paに制御するようにしたものである。洗浄室の圧力は、低いほうが、洗浄能力が高く、且つ、パーティクルの再付着も少ないので好ましい。
【0020】
本発明は、更に、前記噴射ノズルから吹き出された微細エアロゾルに加速ガスを吹き付けて、被洗浄面に衝突させるようにしたものである。
【0021】
又、被洗浄物を、半導体ウエハ、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、EBマスク又はレティクル、IBマスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMSのいずれかとしたものである。
【0022】
本発明は、又、洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物を、微細ノズル穴を有する噴射ノズルより吹き出させて微細エアロゾルを生成し、その微細液滴又は微細固体又は気体又はそれらの2以上の混合物を被洗浄面に吹き付けるエアロゾル洗浄装置において、断熱構造のエアロゾル生成ノズルを設け、該エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定することで、エアロゾル生成ノズル内部をガスリッチの状態にすることにより、前記課題を解決したものである。
【0023】
又、前記エアロゾル生成ノズルを二重管としたものである。
【0024】
又、前記二重管の噴射ノズル部を接合したものである。
【0025】
又、前記二重管の噴射ノズル部に、外管と内管を接合するための、ノズル穴が形成された接合部材を設けたものである。
【0026】
又、前記噴射ノズルの穴径を直径0.2mm〜0.05mmの範囲とし、穴数を1〜100個としたものである。ここで穴径を大きくしすぎると、ガス流量が増えて、大きな冷凍能力が必要となる。逆に穴径の下限は加工限界で決まる。一方、穴数は、多いほうが穴の配設ピッチが小さくなり、洗浄時間を短くできるので好ましいが、従来はガス流量が多くなりすぎて、20数個より増やすことができなかった。
【0027】
本発明は、又、前記噴射ノズルから微細液滴又は微細固体又は気体又はそれら2以上の混合物が吹き出される洗浄室の圧力を制御するための排気ポンプと排気制御バルブを設けたものである。
【0028】
更に、前記噴射ノズルから吹き出された微細エアロゾルに加速ガスを吹き付けて、被洗浄物に衝突させるための加速ノズルを設けたものである。
【0029】
図1に示したように、加速ノズル24を採用することで、パーティクル等の除去力は得られるが、加速ノズルから吹き出す加速ガス26のガス速度を大きくすると、パターンサイズ0.13μm以下の微細パターンの洗浄では、図3(簡略のため加速ノズルを省略)に破線で示す如く、パターン10Aの倒壊等のダメージの問題が発生する。これは、エアロゾルノズル20から吹き出されるエアロゾル22中の微細固体粒子の粒径分布によるもので、従来はエアロゾル20内の圧力Pが低かったため、低温の管内でエアロゾルが成長し、核が生成されて、確率的に粒子サイズが大きいエアロゾル粒子が生成され、加速ガス26によって加速されたエアロゾル中の大きなエアロゾル粒子によって被洗浄物(ウェハ10)の微細パターン10Aへのダメージを引き起こすものと推定される。
【0030】
これに対しては、エアロゾルノズル20によって生成される粒子の粒径を微細化し、粒径分布を均一化することで、ダメージ要因を除去することが可能と思われる。
【0031】
微細粒径のエアロゾルノズル生成には、微細穴を有するエアロゾルノズルを製作することも問題解決の1つの方法であるが、穴形状の製作にも限度があり、技術的に困難であった。
【0032】
問題解決のもう1つの方法は、エアロゾル生成プロセスを変更し、エアロゾル生成時点で微細粒径のエアロゾルを形成することである。現在通常しているエアロゾル生成ノズル内の圧力は、アルゴンや窒素の場合、200kPa〜300kPaであり、エアロゾル生成ノズル内部は、アルゴンや窒素又はその混合ガスの圧力等によって多少異なるものの、その物性から液体状態にあり、エアロゾル生成ノズルから真空チャンバに吹き出す際の断熱膨張時のエアロゾル凝集作用が大きく、その結果、比較的粒径の大きいエアロゾル液滴が形成されることになる。そこで、図4(簡略のため加速ノズルを省略)に示す如く、エアロゾル生成ノズル20内の圧力Pを高く設定し、内部状態を液リッチの状態からガスリッチの状態に変えることで、エアロゾル生成ノズル20から真空の洗浄室内に吹き出す際の断熱膨張時のエアロゾル凝集作用を小さくし、その結果として、微細パターン10Aへのダメージを起こさない超微細なエアロゾル22を形成することが可能である。
【0033】
しかしながら、エアロゾル生成ノズル20内の圧力を高く設定する場合には、ノズル内部の洗浄粒体であるアルゴンや窒素の冷却エンタルピーが小さいため、エアロゾル生成ノズルの外周部(洗浄室)のガス流れによる対流熱伝達に起因する熱負荷の影響が大きくなり、外部からの小さな熱で、図5に示す如く、途中からガス化してしまうため、エアロゾル生成ノズル20の多数の微細ノズル穴20Aから均一なエアロゾル22を安定して吹き出すことができなくなる場合がある。
【0034】
そこで、本発明では、エアロゾル生成ノズルを断熱構造化して、内部状態を安定化し、エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定できるようにして、エアロゾル生成ノズル内部を液リッチの状態からガスリッチの状態にすることで、エアロゾル生成ノズルから真空の洗浄室内に吹き出す際の断熱膨張時のエアロゾル凝集作用を小さくし、その結果として、微細構造へのダメージを起こさない超微細なエアロゾルを形成するようにしている。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0036】
本発明の第1実施形態は、図1に示したような、エアロゾル22を被洗浄物であるウェハ10に吹き付けて洗浄するための低温エアロゾル洗浄装置において、図6(斜視図)及び図7(図6のVII−VII線に沿う横断面図)に示す如く、エアロゾルノズル70を二重断熱ノズルとし、エアロゾル生成用の内部ノズル72の外側に断熱用の外部ノズル74を設けて、内部ノズル72と外部ノズル74の間に空隙部76を設け、真空とすることによって、ノズル周辺からの熱侵入を防止している。
【0037】
この第1実施形態では、図7に詳細に示す如く、断熱用の外部ノズル74にエアロゾル内部ノズル72のノズル穴72Aと同じ位置に、内部ノズルの穴よりも大きな穴(直径1〜2mm程度)74Aを設け、ノズル穴部周辺に接するように外部ノズル74を設置する。
【0038】
外部ノズル74の穴部分74Aを溶接又は蝋付け73により内部ノズル72と接合し、内部ノズル72及び外部ノズル74間の空隙部76は真空排気して真空断熱する。
【0039】
溶接又は蝋付けにより接合する場合は、接合後に接合部を研磨し、最後に放電加工や電解研磨等によってエアロゾル吹き出し用のノズル穴を開けることができる。なお、内部ノズル72と外部ノズル74の間を真空に引くことは難しくなるが、溶接等により内部ノズル72と外部ノズル74を接合することなく、外部ノズルを断熱材製のカバーとして、単に内部ノズル72にかぶせるだけでもよい。
【0040】
次に、本発明の第2実施形態を詳細に説明する。
【0041】
本実施形態は、第1実施形態と同様の内部ノズル72と外部ノズル74からなる二重管の噴射ノズル部に、図8(斜視図)及び図9(図8のIX部拡大断面図)に詳細に示す如く、外部ノズル74と内部ノズル72を接合するための、ノズル穴80Aが形成された接合部材80を設けたものである。
【0042】
接合部分は、まず、接合部材80を内部ノズル72に溶接又は蝋付けし、その後、外部ノズル74を内部ノズル72に通した後に、接合部材80と外部ノズル74の接合部分を、溶接又は蝋付け73により接合する。この場合、外部ノズル74の内径は、内部ノズル72と該内部ノズルと接合した接合部材80を含んで外部ノズル74に挿入できる内径とする。但し、接合部分では、内部ノズル外径と外部ノズル74の内径の間隔Gは、0.1〜0.3mm程度あれば十分である。あるいは、内部ノズル72と外部ノズル74を同心状に配設し、間隔を均一として、断熱性能を高めても良い。
【0043】
本実施形態においては、ノズル穴80Aを接合部材80に開けているため、正確に開けることができ、構造も丈夫である。
【0044】
前記実施形態においては、いずれも、エアロゾルノズルが二重管とされていたが、エアロゾルノズルを断熱化する方法は、これに限定されず、三重以上としたり、あるいは、断熱材製の一重管とすることも可能である。
【0045】
前記実施形態においては、いずれも、加速ノズル24を設けて加速ガス26を噴射しているので、エアロゾル22を加速できると共に、そのウェハ10への衝突速度の制御が容易である。なお、加速ノズル24を省略することも可能である。
【0046】
又、洗浄流体の種類もArやN2に限定されず、He、Ne、O2又はCO2、N2O、H2O等、他の洗浄流体を用いることも可能である。又、その他にもKr、SF6、Xe、H2等を用いることも可能である。
【0047】
又、前記実施形態においては、本発明が、半導体ウェハの洗浄装置に適用されていたが、本発明の適用対象は、これに限定されず、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、EBマスク又はレティクル、IBマスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル用基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMS等の洗浄装置にも同様に適用できることは明らかである。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定して、エアロゾル生成ノズル内部を液リッチの状態からガスリッチの状態にすることができるので、エアロゾル生成ノズルから真空チャンバに吹き出す際の断熱膨張時のエアロゾル凝集作用を小さくし、その結果として、微細構造へのダメージを起こさない超微細なエアロゾルを形成することが可能となる。従って、被洗浄物表面の微細構造等にダメージを与えることなく洗浄することができる。更に、ガス流量を小さくして、冷却エネルギを小さくすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の低温エアロゾル洗浄装置の一例の全体構成を示す管路図
【図2】同じくエアロゾルノズル周辺を示す拡大断面図
【図3】従来のエアロゾル洗浄の問題点を説明するための断面図
【図4】本発明によるエアロゾル洗浄の原理を示す断面図
【図5】従来のエアロゾル洗浄の問題点を説明するための斜視図
【図6】本発明に係る低温エアロゾル洗浄装置で用いられているエアロゾルノズルの第1実施形態の構成を示す斜視図
【図7】図6のVII−VII線に沿う横断面図
【図8】エアロゾルノズルの第2実施形態を示す斜視図
【図9】図8のIX部拡大断面図
【符号の説明】
10…ウェハ(被洗浄物)
10A…パターン
22…エアロゾル
24…加速ノズル
26…加速ガス
40…真空ポンプ
42…洗浄室
44…排気制御弁
70…エアロゾル(生成)ノズル
72…内部ノズル
72A、74A、80A…ノズル穴
74…外部ノズル
76…空隙部
80…接合部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアロゾル洗浄方法及び装置に係り、特に、半導体ウェハ、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、電子線(EB)マスク又はレティクル、イオンビーム(IB)マスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板のような各種基板や、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMS(MicroElectro Mechanical Systems)の表面を洗浄する際に用いるのに好適な、被洗浄物の微細構造等へダメージを与えることなく洗浄することが可能なエアロゾル洗浄方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI等の半導体製造工程における半導体ウェハの表面上や、液晶(LCD)あるいは太陽電池等の表面上の微粒子(パーティクル)や汚れは、最終製品の歩留りを大きく低下させるため、前記ウェハ等の表面洗浄が極めて重要である。特に半導体製造工程でのウェハ洗浄は、素子微細化による高集積化が加速しており、全体工程数に占める洗浄工程が約3割と言われるように、製造歩留りを維持するための重要な製造工程となっている。又、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、EBマスク又はレティクル、IBマスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMSも微細構造であり、被洗浄物にダメージを与えること無く、微粒子を洗浄することが、極めて重要である。
【0003】
洗浄装置としては、純水を使用するウェット洗浄が主流であり、ウェットバス型のバッチ洗浄からブラシ洗浄、ジェットスピン洗浄、超音波洗浄等の枚葉洗浄装置が多用されている。
【0004】
又、近年は、ウェット洗浄に代わるドライ洗浄方式として、レーザ光、UV光、各種プラズマを利用した反応系生成物の洗浄除去装置や、炭酸ガス(CO2)又はアルゴン(Ar)ガスや窒素(N2)ガスを使用する、液体、固体、気体が混合したエアロゾル洗浄方式の洗浄装置が開発されており、半導体デバイス工程に応じて、様々な使い分けが始まっている。
【0005】
このうち、従来のエアロゾル吹付けによる洗浄では、図1(全体図)及び図2(要部詳細図)に示す如く、アルゴン(Ar)ガス又は窒素(N2)ガス又は各ガスの混合ガスを、例えばヘリウム(He)クライオ冷凍機36を用いた熱交換機38で冷却して、エアロゾル生成ノズル(以下、単にエアロゾルノズルとも称する)20のノズル孔20Aから真空の洗浄室42内に噴出し、噴出す際の断熱膨張により更に冷却させて微細エアロゾル22を形成し、ウェハ10等の被洗浄物の表面に該エアロゾル22を衝突させて洗浄する方式を採っている。
【0006】
図1において、マスフローコントローラ30、32によりその流量を制御されたアルゴンガス、窒素ガス又はその混合ガスは、例えばセラミックフィルタ34を通過した後、熱交換器38内で冷却されてから、エアロゾルノズル20に開けられた多数の微細なノズル孔20Aより、エアロゾル22となって、真空ポンプ40で真空引きされているウェハ洗浄用の洗浄室42内に噴出する。図1において、44は排気制御弁である。
【0007】
ウェハ10は、ウェハスキャン機構(図示省略)によりX軸方向及びY軸方向にスキャンされるプロセスハンド(XYスキャンステージとも称する)46上に載っており、ウェハ全面が洗浄可能となっている。
【0008】
又、パーティクルのウェハ面への再付着を防止する目的で、洗浄室42の一端(図の左端)から、マスフローコントローラ62及びセラミックフィルタ64を介して流入されるパージガス(例えば窒素ガス)66を洗浄室42内に供給するようにされている。
【0009】
更に、エアロゾル吹付けのみの洗浄では、強固に付着するパーティクル等への適用では、物理的な吹付力が不足するため、洗浄性能を向上させる方法として、エアロゾルノズル20とは別に設けたエアロゾル加速用の加速ノズル24を採用している(特許文献1乃至3)。そして、マスフローコントローラ52及びセラミックフィルタ54を介して該加速ノズル24に供給され、そのノズル孔24Aから吹き出した高速の加速ガス(例えば窒素ガス)26を、図2に示す如くエアロゾル22に吹付け、エアロゾル22を加速した後にウェハ10の表面に衝突させることで、被洗浄物であるウェハ面に強固に付着するパーティクル等の汚染物に対して除去性能を大幅に向上している。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−252114号公報
【特許文献2】
特開平6−295895号公報
【特許文献3】
特開平8−298252号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウェット洗浄においては、純水の使用量、薬品(無機、有機)の使用量と、その排水処理、微細パターンの薬品によるオーバーエッチングによる形状変形、新材料に対応する薬品の開発、多様な薬品への対応等の問題や微細パターンへのダメージの問題がある。
【0012】
又、炭酸ガスやアルゴンガスを使用するエアロゾル洗浄においても、同様に、微細パターンへのダメージの問題点がある。
【0013】
特に、今後パターンの微細化が加速する半導体デバイス製作工程において、パターンにダメージを与えない洗浄方式を確立することは非常に重要な課題となっている。又、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、EBマスク又はレティクル、IBマスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板や、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMSに対しても、これらが微細構造であり、ダメージ無く洗浄することは、非常に重要な課題になっている。
【0014】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、被洗浄物の微細構造等へダメージを与えることなく洗浄することが可能な低温(クライオジェニック)エアロゾル洗浄を実現することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物を、微細ノズル穴を有する噴射ノズルより吹き出させて微細エアロゾルを生成し、その微細液滴又は微細固体又は気体又はそれらの2以上の混合物を被洗浄面に吹き付けるエアロゾル洗浄方法において、エアロゾル生成ノズルを断熱化し、該エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定することで、エアロゾル生成ノズル内部をガスリッチの状態にすることにより、前記課題を解決したものである。
【0016】
又、前記洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物を、Ar、N2、He、Ne、O2、CO2、N2O、H2O、Kr、SF6、Xe、H2の各単独ガス又は混合ガスとしたものである。
【0017】
又、前記洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物がAr、N2の各単独ガス又は混合ガスである時に、前記エアロゾル生成ノズル内の圧力を600kPa〜300kPaの範囲に制御して、アルゴン及び窒素が、気体と液体の間の状態となるようにしたものである。アルゴン及び窒素は、温度100Kでは、200kPa以下で液体になり、700kPa以上で完全に気体となる。
【0018】
本発明は、又、ガスリッチの状態であるので、前記洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物が、Ar、N2の各単独ガス又は混合ガスである時に、その流量を40SLM(0℃1気圧の時の体積流量)〜20SLMの範囲として、従来(60SLM)の液リッチの状態より少なくするようにし、冷凍機のエネルギ消費を少なくしたものである。
【0019】
又、前記噴射ノズルから微細液滴又は微細固体又は気体又はそれらの2以上の混合物が吹き出される洗浄室の圧力を10kPa〜50Paに制御するようにしたものである。洗浄室の圧力は、低いほうが、洗浄能力が高く、且つ、パーティクルの再付着も少ないので好ましい。
【0020】
本発明は、更に、前記噴射ノズルから吹き出された微細エアロゾルに加速ガスを吹き付けて、被洗浄面に衝突させるようにしたものである。
【0021】
又、被洗浄物を、半導体ウエハ、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、EBマスク又はレティクル、IBマスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMSのいずれかとしたものである。
【0022】
本発明は、又、洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物を、微細ノズル穴を有する噴射ノズルより吹き出させて微細エアロゾルを生成し、その微細液滴又は微細固体又は気体又はそれらの2以上の混合物を被洗浄面に吹き付けるエアロゾル洗浄装置において、断熱構造のエアロゾル生成ノズルを設け、該エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定することで、エアロゾル生成ノズル内部をガスリッチの状態にすることにより、前記課題を解決したものである。
【0023】
又、前記エアロゾル生成ノズルを二重管としたものである。
【0024】
又、前記二重管の噴射ノズル部を接合したものである。
【0025】
又、前記二重管の噴射ノズル部に、外管と内管を接合するための、ノズル穴が形成された接合部材を設けたものである。
【0026】
又、前記噴射ノズルの穴径を直径0.2mm〜0.05mmの範囲とし、穴数を1〜100個としたものである。ここで穴径を大きくしすぎると、ガス流量が増えて、大きな冷凍能力が必要となる。逆に穴径の下限は加工限界で決まる。一方、穴数は、多いほうが穴の配設ピッチが小さくなり、洗浄時間を短くできるので好ましいが、従来はガス流量が多くなりすぎて、20数個より増やすことができなかった。
【0027】
本発明は、又、前記噴射ノズルから微細液滴又は微細固体又は気体又はそれら2以上の混合物が吹き出される洗浄室の圧力を制御するための排気ポンプと排気制御バルブを設けたものである。
【0028】
更に、前記噴射ノズルから吹き出された微細エアロゾルに加速ガスを吹き付けて、被洗浄物に衝突させるための加速ノズルを設けたものである。
【0029】
図1に示したように、加速ノズル24を採用することで、パーティクル等の除去力は得られるが、加速ノズルから吹き出す加速ガス26のガス速度を大きくすると、パターンサイズ0.13μm以下の微細パターンの洗浄では、図3(簡略のため加速ノズルを省略)に破線で示す如く、パターン10Aの倒壊等のダメージの問題が発生する。これは、エアロゾルノズル20から吹き出されるエアロゾル22中の微細固体粒子の粒径分布によるもので、従来はエアロゾル20内の圧力Pが低かったため、低温の管内でエアロゾルが成長し、核が生成されて、確率的に粒子サイズが大きいエアロゾル粒子が生成され、加速ガス26によって加速されたエアロゾル中の大きなエアロゾル粒子によって被洗浄物(ウェハ10)の微細パターン10Aへのダメージを引き起こすものと推定される。
【0030】
これに対しては、エアロゾルノズル20によって生成される粒子の粒径を微細化し、粒径分布を均一化することで、ダメージ要因を除去することが可能と思われる。
【0031】
微細粒径のエアロゾルノズル生成には、微細穴を有するエアロゾルノズルを製作することも問題解決の1つの方法であるが、穴形状の製作にも限度があり、技術的に困難であった。
【0032】
問題解決のもう1つの方法は、エアロゾル生成プロセスを変更し、エアロゾル生成時点で微細粒径のエアロゾルを形成することである。現在通常しているエアロゾル生成ノズル内の圧力は、アルゴンや窒素の場合、200kPa〜300kPaであり、エアロゾル生成ノズル内部は、アルゴンや窒素又はその混合ガスの圧力等によって多少異なるものの、その物性から液体状態にあり、エアロゾル生成ノズルから真空チャンバに吹き出す際の断熱膨張時のエアロゾル凝集作用が大きく、その結果、比較的粒径の大きいエアロゾル液滴が形成されることになる。そこで、図4(簡略のため加速ノズルを省略)に示す如く、エアロゾル生成ノズル20内の圧力Pを高く設定し、内部状態を液リッチの状態からガスリッチの状態に変えることで、エアロゾル生成ノズル20から真空の洗浄室内に吹き出す際の断熱膨張時のエアロゾル凝集作用を小さくし、その結果として、微細パターン10Aへのダメージを起こさない超微細なエアロゾル22を形成することが可能である。
【0033】
しかしながら、エアロゾル生成ノズル20内の圧力を高く設定する場合には、ノズル内部の洗浄粒体であるアルゴンや窒素の冷却エンタルピーが小さいため、エアロゾル生成ノズルの外周部(洗浄室)のガス流れによる対流熱伝達に起因する熱負荷の影響が大きくなり、外部からの小さな熱で、図5に示す如く、途中からガス化してしまうため、エアロゾル生成ノズル20の多数の微細ノズル穴20Aから均一なエアロゾル22を安定して吹き出すことができなくなる場合がある。
【0034】
そこで、本発明では、エアロゾル生成ノズルを断熱構造化して、内部状態を安定化し、エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定できるようにして、エアロゾル生成ノズル内部を液リッチの状態からガスリッチの状態にすることで、エアロゾル生成ノズルから真空の洗浄室内に吹き出す際の断熱膨張時のエアロゾル凝集作用を小さくし、その結果として、微細構造へのダメージを起こさない超微細なエアロゾルを形成するようにしている。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0036】
本発明の第1実施形態は、図1に示したような、エアロゾル22を被洗浄物であるウェハ10に吹き付けて洗浄するための低温エアロゾル洗浄装置において、図6(斜視図)及び図7(図6のVII−VII線に沿う横断面図)に示す如く、エアロゾルノズル70を二重断熱ノズルとし、エアロゾル生成用の内部ノズル72の外側に断熱用の外部ノズル74を設けて、内部ノズル72と外部ノズル74の間に空隙部76を設け、真空とすることによって、ノズル周辺からの熱侵入を防止している。
【0037】
この第1実施形態では、図7に詳細に示す如く、断熱用の外部ノズル74にエアロゾル内部ノズル72のノズル穴72Aと同じ位置に、内部ノズルの穴よりも大きな穴(直径1〜2mm程度)74Aを設け、ノズル穴部周辺に接するように外部ノズル74を設置する。
【0038】
外部ノズル74の穴部分74Aを溶接又は蝋付け73により内部ノズル72と接合し、内部ノズル72及び外部ノズル74間の空隙部76は真空排気して真空断熱する。
【0039】
溶接又は蝋付けにより接合する場合は、接合後に接合部を研磨し、最後に放電加工や電解研磨等によってエアロゾル吹き出し用のノズル穴を開けることができる。なお、内部ノズル72と外部ノズル74の間を真空に引くことは難しくなるが、溶接等により内部ノズル72と外部ノズル74を接合することなく、外部ノズルを断熱材製のカバーとして、単に内部ノズル72にかぶせるだけでもよい。
【0040】
次に、本発明の第2実施形態を詳細に説明する。
【0041】
本実施形態は、第1実施形態と同様の内部ノズル72と外部ノズル74からなる二重管の噴射ノズル部に、図8(斜視図)及び図9(図8のIX部拡大断面図)に詳細に示す如く、外部ノズル74と内部ノズル72を接合するための、ノズル穴80Aが形成された接合部材80を設けたものである。
【0042】
接合部分は、まず、接合部材80を内部ノズル72に溶接又は蝋付けし、その後、外部ノズル74を内部ノズル72に通した後に、接合部材80と外部ノズル74の接合部分を、溶接又は蝋付け73により接合する。この場合、外部ノズル74の内径は、内部ノズル72と該内部ノズルと接合した接合部材80を含んで外部ノズル74に挿入できる内径とする。但し、接合部分では、内部ノズル外径と外部ノズル74の内径の間隔Gは、0.1〜0.3mm程度あれば十分である。あるいは、内部ノズル72と外部ノズル74を同心状に配設し、間隔を均一として、断熱性能を高めても良い。
【0043】
本実施形態においては、ノズル穴80Aを接合部材80に開けているため、正確に開けることができ、構造も丈夫である。
【0044】
前記実施形態においては、いずれも、エアロゾルノズルが二重管とされていたが、エアロゾルノズルを断熱化する方法は、これに限定されず、三重以上としたり、あるいは、断熱材製の一重管とすることも可能である。
【0045】
前記実施形態においては、いずれも、加速ノズル24を設けて加速ガス26を噴射しているので、エアロゾル22を加速できると共に、そのウェハ10への衝突速度の制御が容易である。なお、加速ノズル24を省略することも可能である。
【0046】
又、洗浄流体の種類もArやN2に限定されず、He、Ne、O2又はCO2、N2O、H2O等、他の洗浄流体を用いることも可能である。又、その他にもKr、SF6、Xe、H2等を用いることも可能である。
【0047】
又、前記実施形態においては、本発明が、半導体ウェハの洗浄装置に適用されていたが、本発明の適用対象は、これに限定されず、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、EBマスク又はレティクル、IBマスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル用基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMS等の洗浄装置にも同様に適用できることは明らかである。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定して、エアロゾル生成ノズル内部を液リッチの状態からガスリッチの状態にすることができるので、エアロゾル生成ノズルから真空チャンバに吹き出す際の断熱膨張時のエアロゾル凝集作用を小さくし、その結果として、微細構造へのダメージを起こさない超微細なエアロゾルを形成することが可能となる。従って、被洗浄物表面の微細構造等にダメージを与えることなく洗浄することができる。更に、ガス流量を小さくして、冷却エネルギを小さくすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の低温エアロゾル洗浄装置の一例の全体構成を示す管路図
【図2】同じくエアロゾルノズル周辺を示す拡大断面図
【図3】従来のエアロゾル洗浄の問題点を説明するための断面図
【図4】本発明によるエアロゾル洗浄の原理を示す断面図
【図5】従来のエアロゾル洗浄の問題点を説明するための斜視図
【図6】本発明に係る低温エアロゾル洗浄装置で用いられているエアロゾルノズルの第1実施形態の構成を示す斜視図
【図7】図6のVII−VII線に沿う横断面図
【図8】エアロゾルノズルの第2実施形態を示す斜視図
【図9】図8のIX部拡大断面図
【符号の説明】
10…ウェハ(被洗浄物)
10A…パターン
22…エアロゾル
24…加速ノズル
26…加速ガス
40…真空ポンプ
42…洗浄室
44…排気制御弁
70…エアロゾル(生成)ノズル
72…内部ノズル
72A、74A、80A…ノズル穴
74…外部ノズル
76…空隙部
80…接合部材
Claims (14)
- 洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物を、微細ノズル穴を有する噴射ノズルより吹き出させて微細エアロゾルを生成し、その微細液滴又は微細固体又は気体又はそれらの2以上の混合物を被洗浄面に吹き付けるエアロゾル洗浄方法において、
エアロゾル生成ノズルを断熱化し、
該エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定することで、エアロゾル生成ノズル内部をガスリッチの状態にすることを特徴とするエアロゾル洗浄方法。 - 前記洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物が、Ar、N2、He、Ne、O2、CO2、N2O、H2O、Kr、SF6、Xe、H2の各単独ガス又は混合ガスであることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル洗浄方法。
- 前記洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物がAr、N2の各単独ガス又は混合ガスである時に、前記エアロゾル生成ノズル内の圧力を600kPa〜300kPaの範囲に制御することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル洗浄方法。
- 前記洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物がAr、N2の各単独ガス又は混合ガスである時に、その流量を40SLM〜20SLMの範囲とすることを特徴とする請求項1又は3に記載のエアロゾル洗浄方法。
- 前記噴射ノズルから微細液滴又は微細固体又は気体又はそれら2以上の混合物が吹き出される洗浄室の圧力を10kPa〜50Paに制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエアロゾル洗浄方法。
- 前記噴射ノズルから吹き出された微細エアロゾルに加速ガスを吹き付けて、被洗浄面に衝突させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエアロゾル洗浄方法。
- 被洗浄物が、半導体ウエハ、光露光マスク又はレティクル、X線マスク又はレティクル、電子線マスク又はレティクル、イオンビームマスク又はレティクル、リソグラフィ用マスク又はレティクル、フラットパネル基板、磁気ディスク基板、フライングヘッド用基板、磁気ヘッド、マイクロマシン及びMEMSのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエアロゾル洗浄方法。
- 洗浄ガス又は液体又はガスと液体の混合物を、微細ノズル穴を有する噴射ノズルより吹き出させて微細エアロゾルを生成し、その微細液滴又は微細固体又は気体又はそれらの2以上の混合物を被洗浄面に吹き付けるエアロゾル洗浄装置において、
断熱構造のエアロゾル生成ノズルを設け、
該エアロゾル生成ノズル内の圧力を高く設定することで、エアロゾル生成ノズル内部をガスリッチの状態にしたことを特徴とするエアロゾル洗浄装置。 - 前記エアロゾル生成ノズルが、二重管とされていることを特徴とする請求項8に記載のエアロゾル洗浄装置。
- 前記二重管の噴射ノズル部が、接合されていることを特徴とする請求項9に記載のエアロゾル洗浄装置。
- 前記二重管の噴射ノズル部に、外管と内管を接合するための、ノズル穴が形成された接合部材が設けられていることを特徴とする請求項9に記載のエアロゾル洗浄装置。
- 前記噴射ノズルの穴径が直径0.2mm〜0.05mmの範囲とされ、穴数が1〜100個とされている請求項8乃至11のいずれかに記載のエアロゾル洗浄装置。
- 前記噴射ノズルから微細液滴又は微細固体又は気体又はそれら2以上の混合物が吹き出される洗浄室の圧力を制御するための排気ポンプと排気制御バルブを設けたことを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載のエアロゾル洗浄装置。
- 前記噴射ノズルから吹き出された微細エアロゾルに加速ガスを吹き付けて、被洗浄面に衝突させるための加速ノズルを更に設けたことを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載のエアロゾル洗浄装置。
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