JP2009260288A - 薄膜バラン - Google Patents

薄膜バラン Download PDF

Info

Publication number
JP2009260288A
JP2009260288A JP2009057523A JP2009057523A JP2009260288A JP 2009260288 A JP2009260288 A JP 2009260288A JP 2009057523 A JP2009057523 A JP 2009057523A JP 2009057523 A JP2009057523 A JP 2009057523A JP 2009260288 A JP2009260288 A JP 2009260288A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
capacitor
thin film
transmission line
film balun
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009057523A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5240669B2 (ja
Inventor
Makoto Endo
眞 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2009057523A priority Critical patent/JP5240669B2/ja
Publication of JP2009260288A publication Critical patent/JP2009260288A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5240669B2 publication Critical patent/JP5240669B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H7/00Multiple-port networks comprising only passive electrical elements as network components
    • H03H7/42Networks for transforming balanced signals into unbalanced signals and vice versa, e.g. baluns
    • H03H7/422Networks for transforming balanced signals into unbalanced signals and vice versa, e.g. baluns comprising distributed impedance elements together with lumped impedance elements
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P5/00Coupling devices of the waveguide type
    • H01P5/08Coupling devices of the waveguide type for linking dissimilar lines or devices
    • H01P5/10Coupling devices of the waveguide type for linking dissimilar lines or devices for coupling balanced lines or devices with unbalanced lines or devices
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H1/00Constructional details of impedance networks whose electrical mode of operation is not specified or applicable to more than one type of network
    • H03H2001/0021Constructional details
    • H03H2001/0085Multilayer, e.g. LTCC, HTCC, green sheets

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】直流バイアス供給のためのキャパシタを内蔵させつつ、要求される種々の特性を改善し得る薄膜バランを提供する。
【解決手段】本実施形態に係る薄膜バランは、2つのコイルを備える不平衡伝送線路と、2つのコイル21,22を備え、不平衡伝送線路に磁気結合する平衡伝送線路3と、平衡伝送線路3に、一端が接続されたキャパシタ4と、キャパシタ4の他端に接続された接地端子72と、を有し、キャパシタ4は、コイル11,12及びコイル21,22によって画成されるコイル開口C1,C2の一部に重ならない領域をもつよう配置されたものである。
【選択図】図9

Description

本発明は、不平衡―平衡の信号変換を行なうバランであって、特に、小型薄型化に有利な薄膜プロセスにより形成された薄膜バランに関する。
無線通信機器は、アンテナ、フィルタ、RFスイッチ、パワーアンプ、RF−IC、バラン等の各種高周波素子によって構成される。ここで、アンテナやフィルタ等の共振素子は、接地電位を基準とした不平衡型の信号を扱うが、高周波信号の生成や処理を行なうRF−ICは、平衡型の信号を扱うため、両者を接続する場合には、不平衡−平衡変換器として機能するバランが使用される。
ところで、携帯電話などの移動体通信機や無線LANに用いられるバランに対してバイアスを印加して、平衡信号を増幅させることが求められることがある。この場合には、バランの平衡伝送線路とGND端子との間に、目的の周波数の信号がGNDへ流れるような容量をもつキャパシタを直列に挿入して、DC成分と目的の周波数成分とを分ける必要がある。
かかる機能を有するバランとして、特許文献1には、バランの平衡伝送線路とGND端子との間にキャパシタを設けた積層型バランが開示されている。この積層型バランは、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)技術を用いて形成されたものであり、そ
の全面にキャパシタが形成されている。
特許第3780414号公報
ところで、本願発明者が、近時の電子デバイスへの小型化、薄型化の要求に応えるべく、上記従来のようなバイアス供給用のキャパシタを備えるバランの特性について鋭意検討を行ったところ、薄膜プロセスで形成した薄膜バランにおいては、バイアス供給用のキャパシタがバランの特性に影響を与えることを見出した。これは、薄膜バランでは、キャパシタと平衡伝送線路との間の層間距離が積層型バランに比べて短いという、構造的な要因に起因するものと推定されるものの、従来の積層型バランの構成を用いる限りにおいては、場合によっては、薄膜バランに要求される種々の特性をこれまで以上に十分に高めることができないことが判明した。
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、直流バイアス供給のためのキャパシタを内蔵させつつ、要求される種々の特性を改善することができる薄膜バランを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の薄膜バランは、一対の第1のコイル部を備える不平衡伝送線路と、一対の第2のコイル部を備え、不平衡伝送線路に磁気結合する平衡伝送線路と、平衡伝送線路に、一端が接続されたキャパシタと、キャパシタの他端に接続された接地端子と、を有し、キャパシタは、第1のコイル部及び第2のコイル部によって画成されるコイル開口の一部に重ならない領域をもつよう配置されたものである。
このような構成では、目的の周波数での通過特性や、信号の平衡度(位相及び強度)といった、薄膜バランの特性が改善される作用機序の詳細については未だ不明な点があるものの、コイル開口の一部に重ならない領域をもつようにキャパシタが配置されていることにより、コイル開口の全部に重なるようにキャパシタが配置されている場合に比べて、不平衡伝送線路と平衡伝送線路の磁気結合に与える影響が低減され、これにより、薄膜バランの特性が改善されるものと推定される。ここで、キャパシタと、コイル部及びコイル開口との重なりは、第1のコイル部及び第2のコイル部の対向方向から視認した場合に観察される重なりをいう。
好ましくは、キャパシタは、一対のコイル開口の全部に重ならないように配置されている。これにより、コイル開口を通る磁束がキャパシタにより遮られないことから、キャパシタによる磁場への影響が大きく低減されるものと推定される。
キャパシタは、第1のコイル部及び第2のコイル部の上の一部の領域に重なるように配置されている。これにより、コイル開口との重なりを回避すべくコイル状平衡伝送線路の外側にキャパシタを設ける場合に比べて、薄膜バランの小型化が図られる。
例えば、第1のコイル部及び第2のコイル部が角部を有しており、キャパシタは、角部の上の一部の領域に重なるように配置されている。コイル状平衡伝送線路に重なる領域内に配置すれば、薄膜バランの特性上はいずれも良好なものが得られると想定されるが、角部の少なくとも一部に重なるようにキャパシタを設ける方が配線の引き回しが容易となる。
例えば、一対の第1のコイル部は同一面に並んで配置され、一対の第2のコイル部は一対の第1のコイル部に対向して配置されており、第1のコイル部及び第2のコイル部によって平面的に並んだ一対のコイル開口が画成されている。この場合には、キャパシタは、一対のコイル開口のうちの一方のコイル開口に重なる領域と、一対のコイル開口のうちの他方のコイル開口に重なる領域が同じになるように配置されている。このように、コイル開口が平面的に並んで配置される場合には、2つのコイル開口に重なる領域の寸法を等しくした方が、片側のコイル開口のみにキャパシタが重なる場合に比べて、2つのコイル状平衡伝送線路への磁場の影響がより均一になるものと推定される。結果として、各コイル状平衡伝送線路より出力される2つの平衡信号の平衡度が高まるものと思われる。
さらに好ましくは、キャパシタは、一方のコイル開口に重なる領域と、他方のコイル開口に重なる領域が、一対のコイル開口を各コイル開口に分割する仮想線に対して対称となるように配置されている。このように、2つのコイル領域に重なる領域が対称となるようにキャパシタを配置することにより、単に領域を等しくした場合よりも、2つのコイル状平衡伝送線路への磁場の影響が均一になるものと推定される。
本発明によれば、コイル開口の少なくとも一部を露出させるようにキャパシタが配置されていることから、目的の周波数での通過特性や、信号の平衡度(位相及び強度)といった、薄膜バランの特性が改善される。
本実施形態に係る薄膜バラン1の概略構成を示す斜視図である。 薄膜バラン1の第1配線層10を示す平面図である。 薄膜バラン1の第2配線層20を示す平面図である。 薄膜バラン1の第3配線層30を示す平面図である。 薄膜バラン1の第4配線層40を示す平面図である。 薄膜バラン1の第5配線層50を示す平面図である。 薄膜バラン1の配線構造を示す概略断面図である。 薄膜バラン1の等価回路図である。 キャパシタの好適な配置領域を説明するための図である。 実施例2の薄膜バラン1におけるキャパシタの下部電極を示す平面図である。 実施例3の薄膜バラン1におけるキャパシタの下部電極を示す平面図である。 実施例4の薄膜バラン1におけるキャパシタの下部電極を示す平面図である。 比較例の薄膜バラン1におけるキャパシタの下部電極を示す平面図である。 実施例1と比較例1の出力バランスの比較結果を示す図である。 実施例2と実施例4の出力バランスの比較結果を示す図である。 実施例2と実施例3の出力バランスの比較結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
図1は本実施形態に係る薄膜バランの配線構造を示す斜視図である。
薄膜バラン1は、隣接する一対のコイルを備える不平衡伝送線路2と、不平衡伝送線路2の各コイルに対向して配置された一対のコイルを備え、不平衡伝送線路2に磁気結合する平衡伝送線路3と、平衡伝送線路3に一端が接続されたキャパシタ4と、キャパシタ4の他端に接続された接地端子72とを備える。また、薄膜バラン1は、その他の端子として、不平衡信号端子71と、DC供給端子73と、平衡信号端子74,75と、NC(Non-Connection)端子76を備えている。
図2〜図6は、図1に示す薄膜バラン1の各配線層の平面図である。このうち、図2は第1配線層10の平面図であり、図3は第2配線層20の平面図であり、図4は第3配線層30の平面図であり、図5は第4配線層40の平面図であり、図6は第5配線層50の平面図である。第1配線層10が最下層の配線層であり、第5配線層50が最上層の配線層である。図7は、図1に示す薄膜バラン1の配線構造を示す概略断面図である。
図2〜図6に示すように、第1配線層10〜第5配線層50の全ての層に、不平衡信号端子71、接地端子72、DC供給端子73、平衡信号端子74,75、及びNC端子76が形成されている。各端子71〜76はスルーホールPを介して異なる層間において電気的に接続されている。なお、図2〜図6に示す全てのスルーホールPには上下層を電気的に導通させるよう金属めっきが施されている。以下、各配線層の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、第1配線層10には、不平衡伝送線路2を構成する2つのコイル11,12(一対の第1のコイル部)が隣接して形成されている。各コイル11,12は、1/4波長共振器相当を構成する。コイル11の外側の端部11aは不平衡信号端子71に接続されており、コイル11の内側の端部11bはスルーホールPに接続されている。コイル12の内側の端部12aはスルーホールPに接続されており、コイル12の外側の端部12aは開放されている。
図3に示すように、第2配線層20には、平衡伝送線路3を構成する2つのコイル21,22(一対の第2のコイル部)が隣接して形成されている。各コイル21,22は、1/4波長共振器相当を構成する。平衡伝送線路3の各コイル21,22は、キャパシタ4の各コイル11,12に対向配置されており、対向している部分で磁気結合して結合器を構成する。コイル21の外側の端部21aは平衡信号端子74に接続されており、コイル21の内側の端部21bはスルーホールPに接続されている。また、コイル22の外側の端部22aは平衡信号端子75に接続されており、コイル22の内側の端部22bはスルーホールPに接続されている。
図4に示すように、第3配線層30には、接続配線31,32と、下部電極33が形成されている。このうち、接続配線31の一方の端部はスルーホールPを介してコイル11の端部11bに接続され、接続配線31の他方の端部はスルーホールPを介してコイル12の端部12bに接続されている。コイル11,12と、コイル11及びコイル12を接続する接続配線31により、不平衡伝送線路2が構成される。
また、接続配線32の一方の端部はスルーホールPを介してコイル21の端部21bに接続され、接続配線32の他方の端部はスルーホールPを介してコイル22の端部22bに接続されている。下部電極33は、接続配線32に接続されており、かつ、下層のコイル12の領域に重なるように配置されている。このように、下部電極33は、接続配線32を介してコイル21,22を備える平衡伝送線路3に接続されている。また、接続配線32および下部電極33は、DC供給端子73に接続されている。
図5に示すように、第4配線層40には、下部電極33に対向して配置された上部電極41が形成されている。下部電極33と、上部電極41と、下部電極33及び上部電極41の層間の誘電体膜とにより、キャパシタ4が構成される。上部電極41は、下部電極33と同様に、コイル12に重なる領域に配置されている。
図6に示すように、第5配線層50には、スルーホールPを介して上部電極41に接続する接続配線51が形成されている。接続配線51は、さらに、接地端子72に接続されている。これにより、接続配線51を介して、キャパシタ4の上部電極41と接地端子72とが接続される。
図7に示すように、上述した第1配線層10〜第5配線層50は、例えばアルミナからなる基板60上に形成されている。各配線層10〜50の材料や製法に限定はないが、例えば、スパッタリング法、CVD法、電気めっき法、又は無電解めっき法により形成されたAg、Cu、Al等の材料からなる。各配線層10〜50間には、誘電体膜61〜65が形成されている。誘電体膜61〜65の材料に特に限定はないが、例えば、誘電体膜62、63、65として、ポリイミド、感光性樹脂等が用いられる。また、不平衡伝送線路2が形成される第1配線層10と、平衡伝送線路3が形成される第2配線層20との間の誘電体膜61には、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、アルミナ等が用いられる。また、キャパシタ4の下部電極33が形成される第3配線層30と、キャパシタ4の上部電極41が形成される第4配線層40との間の誘電体膜64には、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、アルミナ等が用いられる。
図8は、図1〜図7に示す薄膜バラン1の等価回路図である。
図8に示すように、コイル11と、コイル12と、コイル11及びコイル12を接続する接続配線31とにより不平衡伝送線路2が構成されている。不平衡伝送線路2の一端は不平衡信号端子71に接続されており、不平衡伝送線路2の他端は開放されている。また、コイル21と、コイル22と、コイル21及びコイル22を接続する接続配線32とにより平衡伝送線路3が構成される。2つのコイル21,22の一端は、接続配線32及びキャパシタ4を介して接地端子72に接続されている。2つのコイル21,22の他端は、平衡信号端子74,75に接続されている。
図8を参照して薄膜バラン1の動作について説明する。
上記の薄膜バラン1では、不平衡信号端子71に不平衡信号が入力されると、不平衡信号はコイル11、接続配線31、及びコイル21を伝播する。そして、コイル11においてはコイル21と磁気結合し、コイル12においてはコイル22と磁気結合することによって、不平衡信号は位相が180°異なる2つの平衡信号に変換され、この2つ平衡信号が平衡信号端子74,75から出力される。このとき、DC供給端子73にバイアス電圧を印加しておくことにより、平衡信号が増幅されて出力される。なお、平衡信号から不平衡信号の変換動作は、上述した動作を逆にしたものである。
上述したバランの特性の良否は、目的の周波数での通過特性と、信号の平衡度で評価される。信号の平衡度に関しては、2つの平衡信号の位相のずれが180°に近く、また、2つの平衡信号の強度が近いほど信号の平衡度が高いとされる。本願発明者らは、作用機序の詳細については未だ不明な点があるものの、バイアス供給用のキャパシタの配置により、バランの特性が影響を受けることを見出した。
次に、バランの特性を改善するために良好なキャパシタ4の配置について、図9を参照して説明する。なお、図9に示す下部電極33の配置領域は、下部電極33に対向して配置される上部電極41の配置領域、ひいてはキャパシタ4の配置領域を意味する。
上述したように、不平衡伝送線路2のコイル11,12と、平衡伝送線路3のコイル21,22が磁気結合することにより、不平衡信号−平衡信号間の変換が行なわれる。したがって、コイルに電流が流れる際に生じる、コイル11,12及びコイル21,22により画成される一対のコイル開口C1,C2を上下方向に貫く磁場に与える影響をできるだけ低減することが好ましいと考えられる。
このため、最も好ましいキャパシタ4の配置は、コイル開口C1,C2の全部に重ならないようにキャパシタ4を配置することである。これにより、コイル開口C1,C2を通る磁束がキャパシタ4により遮られないことから、キャパシタ4による磁場への影響が大きく低減されるものと推定される。
さらに、好ましいキャパシタ4の配置は、不平衡伝送線路2のコイル11,12に重なる領域Arにキャパシタ4を配置することである。これにより、コイル開口C1,C2との重なりを回避すべく平衡伝送線路3の外側にキャパシタを設ける場合に比べて、薄膜バランの小型化が図られる。
この場合には、特に、不平衡伝送線路2を構成するコイル11,12の角部(図9において8箇所)にキャパシタ4を配置することが好ましい。不平衡伝送線路2に重なる領域Ar内に配置すれば、薄膜バランの特性上はいずれも良好なものが得られると想定されるが、角部にキャパシタを設ける方が配線の引き回しが容易となるからである。この理由は、平衡伝送線路3を構成する2つのコイル21,22の計8つの角部は、6つの端子71〜76に近接して配置されていることから、接地端子の配置が変わっても配線の引き回しが容易なためである。例えば、NC端子76を接地端子とする場合には、素子中央部におけるコイル11又はコイル12の2つの角部にキャパシタを配置すればよい。
一方、コイル開口C1,C2に一部重なるようにキャパシタ4を配置する場合には、2つのコイル開口C1,C2に重なる領域が等しくなるようにキャパシタ4を配置することが好ましい。このように、コイル開口C1,C2にキャパシタ4が重なって配置される場合には、2つのコイル開口C1,C2に重なる領域を等しくした方が、片側のコイル開口のみにキャパシタが重なる場合に比べて、左右のコイル21,22における磁場の影響が均一になるものと思われる。結果として、平衡伝送線路3より出力される2つの平衡信号の平衡度が高まるものと想定される。
さらに好ましいキャパシタ4の配置としては一方のコイル開口C1に重なる領域と、他方のコイル開口C2に重なる領域が、2つのコイル開口C1,C2を分割する仮想線に対して対称となるようにキャパシタ4を配置することである。このように、2つのコイル領域に重なる領域が対称となるようにキャパシタを配置することにより、単に領域の寸法を等しくした場合よりも、左右のコイル21,22における磁場の影響が均一になるものと思われる。
また、以下に示す実施例の評価結果により、2つのコイル開口C1,C2に均等に重ならなくても、コイル開口の一部を露出させるようにキャパシタを配置することにより、キャパシタを全面に形成する場合に比べて、薄膜バランの特性は改善されることがわかった。
本実施例では、コイル開口C1,C2との重なりの観点から、キャパシタ4の配置を変えた実施例1〜4と、比較例1を用意した。図10〜12は実施例2〜4の薄膜バラン1のキャパシタの下部電極を示す平面図であり、図13は比較例の薄膜バラン1のキャパシタの下部電極を示す平面図である。なお、図10〜13に示す下部電極の配置領域は、下部電極に対向して配置される上部電極の配置領域、ひいてはキャパシタの配置領域を意味する。以下、各実施例及び比較例のキャパシタの配置について説明する。
(実施例1)
実施例1の薄膜バラン1は、図9に示すように、不平衡伝送線路2の各コイル11,12に重なる領域Ar内において、逆L字形にキャパシタ4の下部電極33を配置したものである。
(実施例2)
実施例2の薄膜バラン1は、図10に示すように、一方のコイル開口C2にのみ、当該コイル開口の面積の1/4だけ重なるように、キャパシタ4の下部電極34を配置したものである。
(実施例3)
実施例3の薄膜バラン1は、図11に示すように、2つのコイル開口C1,C2に重なる領域が等しくなるように、キャパシタ4の下部電極35を配置したものである。なお、キャパシタ4は、各コイル開口C1,C2に、当該コイル開口の面積の1/4だけ重なっている。また、キャパシタ4は、2つのコイル開口を分割する仮想線に対して対称となるように配置した。
(実施例4)
実施例4の薄膜バラン1は、図12に示すように、コイル12の角部にキャパシタ4の下部電極36を配置したものである。
(比較例1)
比較例1の薄膜バラン1は、図13に示すように、2つのコイル開口C1,C2に完全に重なるようにキャパシタ4の下部電極37を配置したものである。
(評価結果)
上記の実施例1〜4及び比較例の構造について、2つの平衡信号の出力バランスをシミュレーションにより求めた。目的の周波数は、2400−2500MHzとした。以下の評価では、出力バランスが−1.2dB以上1.2dB以下を合格基準とした。
図14は、実施例1(図中、E1で示す)と、比較例1(図中、D1で示す)の出力バランスの比較結果を示す図である。図14に示すように、全面にキャパシタ4を配置した比較例は基準に満たないが、コイル11,12の領域Ar内にキャパシタ4を配置した実施例1は基準を上回っていることがわかる。
図15は、実施例2(図中、E2で示す)と、実施例4(図中、E4で示す)の出力バランスの比較結果を示す図である。図15に示すように、片側のコイル開口に1/4だけ重ねて配置した実施例2は、基準を上回っており、比較例1に比べて特性が改善できていることがわかる。特に、コイルの角部にキャパシタ4を配置した実施例4は、基準を大きく上回っており、バランの特性を大きく改善していることがわかる。
図16は、実施例2(図中、E2で示す)と、実施例3(図中、E3で示す)の出力バランスの比較結果を示す図である。図16に示すように、片側のコイル開口に1/4だけ重ねて配置した実施例2に比べて、両側のコイル開口に1/4ずつ重ねて配置した実施例3の方が、出力バランスが優れていることがわかる。
以上の評価結果により、本実施形態で述べたキャパシタの配置が薄膜バラン1の特性を改善していることが示された。
なお、上述したとおり、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、各端子71〜76の配置に限定はなく、例えばNC端子76を接地端子として用いることも可能である。また、薄膜バラン1を構成する配線構造は、5層未満又は6層以上であってよい。また、キャパシタを最下層に形成し、不平衡電極を最上層に形成するよう、層構成が全く逆の構造でも同じ効果が得られる。さらに、コイル配置に限定はなく、例えば、不平衡伝送線路2及び平衡伝送線路3の4つのコイル11,12,21,22が全て積層され、1つのコイル開口のみが画成されているような構造の薄膜バランであってもよい。
本発明の薄膜バランは、バイアス供給用のキャパシタを備える薄膜バランの特性の改善を図ることができるため、特に小型化が要求される無線通信機器への適用が可能である。
1…薄膜バラン、2…不平衡伝送線路、3…平衡伝送線路、4…キャパシタ、10…第1配線層、11…コイル、11a,11b…端部、12…コイル、12a,12b…端部、20…第2配線層、21…コイル、21a,21b…端部、22…コイル、22a,22b…端部、30…第3配線層、31、32…接続配線、33〜37…下部電極、40…第4配線層、41…上部電極、50…第5配線層、51…接続配線、60…基板60、61〜65…誘電体膜、71…不平衡信号端子、72…接地端子、73…DC供給端子、74…平衡信号端子、75…平衡信号端子、76…NC端子、P…スルーホール、C…コイル開口。

Claims (7)

  1. 一対の第1のコイル部を備える不平衡伝送線路と、
    一対の第2のコイル部を備え、前記不平衡伝送線路に磁気結合する平衡伝送線路と、
    前記平衡伝送線路に、一端が接続されたキャパシタと、
    前記キャパシタの他端に接続された接地端子と、
    を有し、
    前記キャパシタは、前記第1のコイル部及び前記第2のコイル部によって画成されるコイル開口の一部に重ならない領域をもつよう配置された、
    薄膜バラン。
  2. 前記キャパシタは、前記コイル開口の全部に重ならないように配置された、
    請求項1記載の薄膜バラン。
  3. 前記キャパシタは、前記第1のコイル部及び前記第2のコイル部の上の一部の領域に重なるように配置された、
    請求項2記載の薄膜バラン。
  4. 前記第1のコイル部及び前記第2のコイル部が角部を有しており、
    前記キャパシタは、前記角部の上の一部の領域に重なるように配置された、
    請求項3記載の薄膜バラン。
  5. 前記一対の第1のコイル部は同一面に並んで配置され、前記一対の第2のコイル部は前記一対の第1のコイル部に対向して配置されており、前記第1のコイル部及び前記第2のコイル部によって平面的に並んだ一対のコイル開口が画成されている、
    請求項1記載の薄膜バラン。
  6. 前記キャパシタは、前記一対のコイル開口のうちの一方のコイル開口に重なる領域と、前記一対のコイル開口のうちの他方のコイル開口に重なる領域が同じになるように配置された、
    請求項5記載の薄膜バラン。
  7. 前記キャパシタは、前記一方のコイル開口に重なる領域と、前記他方のコイル開口に重なる領域が、前記一対のコイル開口を各コイル開口に分割する仮想線に対して対称となるように配置された、
    請求項5記載の薄膜バラン。
JP2009057523A 2008-03-18 2009-03-11 薄膜バラン Active JP5240669B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009057523A JP5240669B2 (ja) 2008-03-18 2009-03-11 薄膜バラン

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008069119 2008-03-18
JP2008069119 2008-03-18
JP2009057523A JP5240669B2 (ja) 2008-03-18 2009-03-11 薄膜バラン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009260288A true JP2009260288A (ja) 2009-11-05
JP5240669B2 JP5240669B2 (ja) 2013-07-17

Family

ID=41088291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009057523A Active JP5240669B2 (ja) 2008-03-18 2009-03-11 薄膜バラン

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7948331B2 (ja)
JP (1) JP5240669B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010154473A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Tdk Corp 薄膜バラン
JP2010154474A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Tdk Corp 薄膜バラン
WO2011102187A1 (ja) * 2010-02-19 2011-08-25 株式会社村田製作所 方向性結合器
JP2012010157A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Tdk Corp 薄膜バラン
JP2012034084A (ja) * 2010-07-29 2012-02-16 Tdk Corp 薄膜バラン
US8653904B2 (en) 2010-06-25 2014-02-18 Tdk Corporation Thin film balun

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5051063B2 (ja) * 2008-08-20 2012-10-17 Tdk株式会社 薄膜バラン
JP5051062B2 (ja) * 2008-08-20 2012-10-17 Tdk株式会社 薄膜バラン
US8648667B2 (en) * 2009-06-30 2014-02-11 Tdk Corporation Thin film balun

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003007537A (ja) * 2001-04-19 2003-01-10 Murata Mfg Co Ltd 積層型バラントランス
JP2005333012A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 Hitachi Metals Ltd 積層型バラントランス及びそれを用いた高周波スイッチモジュール
JP2006025237A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Sony Corp バランフィルタ

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6396362B1 (en) * 2000-01-10 2002-05-28 International Business Machines Corporation Compact multilayer BALUN for RF integrated circuits
US7629860B2 (en) * 2007-06-08 2009-12-08 Stats Chippac, Ltd. Miniaturized wide-band baluns for RF applications
JP5051063B2 (ja) * 2008-08-20 2012-10-17 Tdk株式会社 薄膜バラン
JP5051062B2 (ja) * 2008-08-20 2012-10-17 Tdk株式会社 薄膜バラン
JP5142089B2 (ja) * 2008-12-26 2013-02-13 Tdk株式会社 薄膜バラン
JP5142088B2 (ja) * 2008-12-26 2013-02-13 Tdk株式会社 薄膜バラン
US8648667B2 (en) * 2009-06-30 2014-02-11 Tdk Corporation Thin film balun

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003007537A (ja) * 2001-04-19 2003-01-10 Murata Mfg Co Ltd 積層型バラントランス
JP2005333012A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 Hitachi Metals Ltd 積層型バラントランス及びそれを用いた高周波スイッチモジュール
JP2006025237A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Sony Corp バランフィルタ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010154473A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Tdk Corp 薄膜バラン
JP2010154474A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Tdk Corp 薄膜バラン
WO2011102187A1 (ja) * 2010-02-19 2011-08-25 株式会社村田製作所 方向性結合器
US8421553B2 (en) 2010-02-19 2013-04-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Directional coupler
JP2012010157A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Tdk Corp 薄膜バラン
US8653904B2 (en) 2010-06-25 2014-02-18 Tdk Corporation Thin film balun
JP2012034084A (ja) * 2010-07-29 2012-02-16 Tdk Corp 薄膜バラン

Also Published As

Publication number Publication date
US7948331B2 (en) 2011-05-24
US20090237176A1 (en) 2009-09-24
JP5240669B2 (ja) 2013-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5240669B2 (ja) 薄膜バラン
JP5051063B2 (ja) 薄膜バラン
KR101070077B1 (ko) 소형 복합 트랜스포머
JP5051062B2 (ja) 薄膜バラン
JP2007243208A (ja) バラン変成器
US8212630B2 (en) Thin film balun
US8203396B2 (en) Thin film balun
US8653904B2 (en) Thin film balun
US6903628B2 (en) Lowpass filter formed in multi-layer ceramic
JP2006050543A (ja) 非可逆回路素子
JP5326931B2 (ja) 薄膜バラン
JP2010087830A (ja) 積層型バンドパスフィルタ及び高周波モジュール
JP2002050910A (ja) バラン素子
JP5246427B2 (ja) 薄膜バラン
JP2011015082A (ja) 薄膜バラン
JP5754201B2 (ja) 積層構造型バラン
JP5131495B2 (ja) 薄膜バラン
JP5326880B2 (ja) 薄膜バラン
JP5045965B2 (ja) 薄膜バラン
JP5326932B2 (ja) 薄膜バラン
JP2006262239A (ja) フィルタ
CN118073064A (zh) 射频叠层变压器、输出匹配网络及射频功率放大器
JP2019050460A (ja) 積層型電子部品
JP2006086452A (ja) 回路基板、及び携帯電話
JP2009077303A (ja) 積層型誘電体バンドパスフィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130311

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5240669

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130324