JP2009258412A - コーティング液およびその製造方法、ならびに偏光膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】リオトロピック液晶性色素を含むコーティング液から得られる偏光膜で、従来よりヘイズ値の小さい偏光膜を実現することである。
【解決手段】酸性基を有するリオトロピック液晶性色素に特定量以上のセシウムイオンを作用させることによって、ヘイズ値の小さい偏光膜が得られる。セシウムイオンによりヘイズ値が小さくなる理由は、コーティング液中で半径の大きなセシウムイオンがリオトロピック液晶性色素の酸性基と結合することによってリオトロピック液晶性色素同士の分子間距離が広がり、その結果、乾燥中にリオトロピック液晶性色素の結晶化が抑制されるためであると推定される。
【選択図】図2

Description

本発明はリオトロピック液晶性色素を含むコーティング液とその製造方法、ならびに前記コーティング液を流延し、乾燥させて得られる偏光膜に関する。
液晶パネルでは液晶を通過する光の偏光性を制御するため偏光膜が用いられる。従来これらの偏光膜として、ポリビニルアルコール等のポリマーフィルムをヨウ素や二色性色素で染色し、一方向に延伸した偏光フィルムが広く使用されている。しかし上記の偏光フィルムは色素やポリマーフィルムの種類によっては耐熱性や耐光性が十分でなく、また膜厚が厚いという問題がある。
これに対してガラス板やポリマーフィルムなどの基材上に、スルホン酸基やカルボン酸基などの酸性基を有するリオトロピック液晶性色素を含むコーティング液を流延し、乾燥させて偏光膜を得る方法が知られている。リオトロピック液晶性色素は溶液中で超分子会合体を形成しており、これを含むコーティング液に剪断応力を加えて流延させると、超分子会合体の長軸方向が流延方向に配向する(特許文献1)。このようにして得られた偏光膜は延伸する必要がなく、また膜厚を格段に薄くすることができるので将来性が期待されている。
しかし従来のリオトロピック液晶性色素を含むコーティング液から得られる偏光膜は、乾燥途中で膜中に微細結晶が析出して偏光膜のヘイズ値が大きくなるという問題があった。そのためこの問題を解決した偏光膜が求められていた。
特開2006−323377号公報
本発明の課題は、リオトロピック液晶性色素を含むコーティング液から得られる偏光膜で、従来よりもヘイズ値の小さい偏光膜を実現することである。
本発明者らは、酸性基を有するリオトロピック液晶性色素に特定量以上のセシウムイオンを作用させることによって、ヘイズ値の小さい偏光膜が得られることを見出した。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)本発明のコーティング液は、溶媒と、前記溶媒に溶解した、酸性基を有するリオトロピック液晶性色素、およびセシウムイオンとを含む偏光膜生成用コーティング液であって、前記セシウムイオンが全固形分量に対して、3×10[5]重量ppm〜8×10[5]重量ppm含まれることを特徴とする。(本明細書では指数の見間違いを防ぐため、10を10[n]と表わす。)
(2)本発明のコーティング液は、前記リオトロピック液晶性色素が下記一般式(1)で表わされるアゾ化合物であることを特徴とする。
Figure 2009258412
一般式(1)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表わし、Mは対イオンを表わす。
(3)本発明のコーティング液の製造方法は、溶媒と、前記溶媒に溶解した、酸性基を有するリオトロピック液晶性色素を含む酸性溶液に、水酸化セシウムを含むアルカリ性溶液を加えて、前記酸性溶液を中性あるいはアルカリ性にする工程を含むことを特徴とする。
(4)本発明の偏光膜は、上記のコーティング液を流延し、乾燥させて得られることを特徴とする。
酸性基を有するリオトロピック液晶性色素に特定量以上のセシウムイオンを作用させることによって、ヘイズ値の小さい偏光膜が得ることができた。
本発明者らは、酸性基を有するリオトロピック液晶性色素に特定量以上のセシウムイオンを作用させることによって、ヘイズ値の小さい偏光膜が得られることを見出した。セシウムイオンによりヘイズ値が小さくなる理由は、コーティング液中で半径の大きなセシウムイオンがリオトロピック液晶性色素の酸性基と結合することによってリオトロピック液晶性色素同士の分子間距離が広がり、その結果、乾燥中にリオトロピック液晶性色素の結晶化が抑制されるためであると推定される。
[コーティング液]
本発明のコーティング液は、溶媒と、溶媒に溶解した、酸性基を有するリオトロピック液晶性色素、およびセシウムイオンとを含む。通常、このようなコーティング液はリオトロピック液晶性色素の特定の濃度範囲で液晶性を示す。液晶性を示すコーティング液に剪断応力を加えながら流延すると、リオトロピック液晶性色素が配向して偏光膜を得ることができる。
本発明のコーティング液はセシウムイオンを全固形分量に対して3×10[5]重量ppm以上含み、好ましくは3.2×10[5]重量ppm〜8×10[5]重量ppm、さらに好ましくは3.4×10[5]重量ppm〜5×10[5]重量ppm含む。セシウムイオンはリオトロピック液晶性色素の分子構造中に有する酸性基の数が多いほど、上記の範囲内で多く配合される。酸性基を有するリオトロピック液晶性色素を含むコーティング液は、従来は酸性のままか、あるいは水酸化リチウムや水酸化ナトリウムでpHを調製して使用されていた。しかしリオトロピック液晶性色素の酸性基に結合する陽イオンのイオン半径が小さいと、リオトロピック液晶性色素同士が接近しすぎて、偏光膜作成のための乾燥中に結晶化することがあった。
一方セシウムイオンはイオン半径が約190pm(ピコメートル)あり、リチウムイオン(イオン半径76pm)やナトリウムイオン(イオン半径102pm)に比べて大きいため、リオトロピック液晶性色素同士の距離を適度に保つことができると考えられ、乾燥中にリオトロピック液晶性色素が結晶化することが抑制され、ヘイズ値の小さい偏光膜を得ることができる。
本発明のコーティング液中のリオトロピック液晶性色素の濃度は、好ましくは0.5重量%〜50重量%である。コーティング液は、リオトロピック液晶性色素の上記濃度範囲の少なくとも一部で液晶相を示すことが好ましい。コーティング液に観察される液晶相に特に制限はなく、ネマチック液晶相、ヘキサゴナル液晶相などが挙げられる。このような液晶相は偏光顕微鏡で観察される光学模様を識別することによって確認することができる。
本発明のコーティング液の水素イオン濃度pHは、好ましくは5〜10である。pHがこの範囲であれば、流延する際に用いられるステンレス等の金属製コータがコーティング液により腐食されにくいため、偏光膜の生産性が高くなる。
[溶媒]
本発明に用いられる溶媒は上記のリオトロピック液晶性色素を溶解するものであり、好ましくは親水性溶媒が用いられる。そのような親水性溶媒は、好ましくは、水、アルコール類、セロソルブ類、およびそれらの混合溶媒である。
[リオトロピック液晶性色素]
本発明に用いられるリオトロピック液晶性色素は、上記の溶媒に溶解し、特定の濃度範囲で液晶相を呈する色素である。このリオトロピック液晶性色素は、好ましくは、可視光領域(波長380nm〜780nm)で吸収を示す。
本発明のリオトロピック液晶性色素は親水性溶媒への溶解性を高めるため、酸性基を有する。上記の酸性基として、好ましくは、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などが挙げられる。リオトロピック液晶性色素の分子構造中に含まれる酸性基の数は、好ましくは1〜4であり、さらに好ましくは2〜3である。
本発明に用いられるリオトロピック液晶性色素に特に制限はなく、アゾ化合物、アントラキノン化合物、ペリレン化合物、キノフタロン化合物、ナフトキノン化合物、メロシアニン化合物などが用いられる。
本発明に用いられるリオトロピック液晶性色素はアゾ化合物が好ましく、下記一般式(1)で表わされるアゾ化合物がさらに好ましい。下記一般式(1)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を表わし、Mは対イオンを表わす。
Figure 2009258412
コーティング液中では、本発明に規定するセシウムイオンの濃度範囲で、Mの一部または全部がセシウムイオンであり、セシウムイオンでないMの残りは水素またはアルカリ金属である。
[コーティング液の製造方法]
本発明のコーティング液の製造方法は、溶媒と、溶媒に溶解した、酸性基を有するリオトロピック液晶性色素を含む酸性溶液に、水酸化セシウムを含むアルカリ性溶液を加えて酸性溶液を中性あるいはアルカリ性にする工程を含む。水酸化セシウムを含むアルカリ性溶液の溶媒は好ましくは親水性溶媒であり、例えば水、アルコール類、セロソルブ類、およびそれらの混合溶媒である。以後水酸化セシウムを含むアルカリ性溶液を水酸化セシウム溶液という。
製造時にリオトロピック液晶性色素が、酸性基の一部または全部が塩型となって得られた場合は、水酸化セシウム溶液を加える前に、リオトロピック液晶性色素を遊離酸の形で酸析させることが好ましい。リオトロピック液晶性色素を遊離酸の形で酸析させる方法としては、例えば塩型で得られたリオトロピック液晶性色素の溶液に塩酸などの強酸を加える方法、あるいは塩型で得られたリオトロピック液晶性色素の溶液を強酸性陽イオン交換樹脂で処理する方法が挙げられる。
水酸化セシウム溶液の濃度は、好ましくは0.1重量%〜20重量%である。水酸化セシウム溶液の混合量は、リオトロピック液晶性色素の分子構造中に有する酸性基の数に応じて適宜設定されるが、コーティング液のpHが、好ましくは5〜10、さらに好ましくは6〜8となるように設定される。
[偏光膜]
本発明の偏光膜は、上記のコーティング液を流延し、乾燥させて得られるものである。偏光膜は、好ましくは可視光領域(波長380nm〜780nm)で吸収二色性を示す。流延方法に特に制限はなく、例えばコータにより基材に塗布する方法や、金属ドラムの上に展開する方法等が挙げられる。
上記のリオトロピック液晶性色素は、液晶状態で剪断応力を加えると、流動により配向させることができる。リオトロピック液晶性色素はコーティング液中で超分子会合体を形成しており、これを含むコーティング液に剪断応力を加えて流動させると、超分子会合体の長軸方向が流動方向に配向する。リオトロピック液晶性色素の配向手段としては剪断応力だけに限られず、剪断応力と、ラビング処理や光配向などの配向処理、磁場または電場による配向などを組み合わせてもよい。
偏光膜の乾燥手段は、自然乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥などの任意の手段が用いられる。偏光膜は残存溶媒量が、膜の総重量に対して5重量%以下になるように乾燥されることが好ましい。
本発明の偏光膜の厚みは、好ましくは0.1μm〜3μmである。また偏光膜の視感度補正したY値の二色比は、好ましくは5以上である。
本発明によれば、偏光膜のヘイズ値を、好ましくは5%以下とすることができ、さらに好ましくは3%以下とすることができる。
[用途]
本発明の偏光膜は、偏光素子として好適に用いられる。偏光素子は、例えばコンピュータディスプレイ、コピー機、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末、携帯ゲーム機、ビデオカメラ、液晶テレビ、電子レンジ、カーナビゲーション、カーオーディオ、各種モニターなどの液晶パネルに用いられる。本発明の偏光膜は、基材と積層したまま用いることも、基材から剥離して用いることもできる。基材と積層したまま光学用途に用いる場合、基材は可視光に透明なものが好ましい。基材から剥離した場合は、好ましくは他の支持体や光学素子に積層して用いられる。
[実施例1]
p−アニシジンと8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸とを、常法(細田豊著「理論製造 染料化学 第5版」昭和43年7月15日技法堂発行、135ページ〜152ページ)に従って、ジアゾ化およびカップリング反応させてモノアゾ化合物を得た。得られたモノアゾ化合物を、同様に常法によりジアゾ化し、さらに1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸リチウム塩とカップリング反応させて下記構造式(2)のアゾ化合物を含む粗生成物を得、これを塩化リチウムで塩析することにより下記構造式(2)のアゾ化合物を得た。
Figure 2009258412
上記構造式(2)のアゾ化合物をイオン交換水に溶解させ、5重量%の水溶液を調製した。この水溶液を、イオン交換樹脂(オルガノ社製 商品名「アンバーライトIR120B HAG」)を用いて、アゾ化合物を遊離酸とし、この遊離酸水溶液を5重量%水酸化セシウム溶液を用いて、pH7.0となるように調製した。最後に、ロータリーエバポレーターを用いて、この水溶液から水を除去し、上記構造式(2)のアゾ化合物の濃度が20重量%であるコーティング液を調製した。
このコーティング液をポリスポイトで採取し、二枚のスライドガラスの間に挟んで室温(23℃)で偏光顕微鏡により観察したところ、ネマチック液晶相が観察された。
またコーティング液中のセシウムイオンの量を、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)により分析したところ、セシウムイオンの量は全固形分量に対して3.8×10[5]重量ppmであった。上記のコーティング液をイオン交換水を用いてさらに希釈し、10重量%となるように調製した。このコーティング液をラビング処理およびコロナ処理の施されたノルボルネン系ポリマーフィルム(日本ゼオン社製 商品名「ゼオノア」)の表面にバーコータ(BUSCHMAN社製 商品名「Mayer rot HS4」)を用いて塗布し、23℃の恒温室内で自然乾燥させて、偏光膜(厚み0.4μm)とノルボルネン系ポリマーフィルムの積層体を作製した。得られた偏光膜の光学特性を表1に示す。基材のノルボルネン系ポリマーフィルムは二色比、ヘイズ値に実質的に影響しないため、表1の二色比、ヘイズ値は偏光膜の特性と考えられる。
[実施例2]
実施例1の水酸化セシウム溶液を、水酸化セシウム溶液と水酸化リチウム水溶液の混合液(水酸化セシウムと水酸化リチウムの重量比が99:1)に代えた以外は、実施例1と同様にしてコーティング液を調製した。さらに実施例1と同様にして、厚み0.4μmの偏光膜を作製した。得られた偏光膜の光学特性を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の水酸化セシウム溶液を、水酸化セシウム溶液と水酸化リチウム水溶液の混合液(水酸化セシウムと水酸化リチウムの重量比が9:1)に代えた以外は、実施例1と同様にしてコーティング液を調製した。さらに実施例1と同様にして、厚み0.4μmの偏光膜を作製した。得られた偏光膜の光学特性を表1に示す。
[比較例2]
実施例1の水酸化セシウム溶液を、水酸化セシウム溶液と水酸化リチウム水溶液の混合液(水酸化セシウムと水酸化リチウムの重量比が4:1)に代えた以外は、実施例1と同様にしてコーティング液を調製した。さらに実施例1と同様にして、厚み0.4μmの偏光膜を作製した。得られた偏光膜の光学特性を表1に示す。
[比較例3]
実施例1の水酸化セシウム溶液を、水酸化セシウム溶液と水酸化リチウム水溶液の混合液(水酸化セシウムと水酸化リチウムの重量比が2:3)に代えた以外は、実施例1と同様にしてコーティング液を調製した。さらに実施例1と同様にして、厚み0.4μmの偏光膜を作製した。得られた偏光膜の光学特性を表1に示す。
Figure 2009258412
[評価]
図1にセシウムイオン濃度に対する二色比のグラフを、図2にセシウムイオン濃度に対するヘイズ値のグラフを示す。図1に示すように、二色比はセシウムイオン濃度が3×10[5]重量ppm付近を境にして急激に上昇する。また図2に示すように、ヘイズ値はセシウムイオン濃度が3×10[5]重量ppm付近を境にして急激に減少する。これらからセシウムイオン濃度が3×10[5]重量ppm付近を境として、リオトロピック液晶性色素分子の挙動(例えば結晶化など)が大きく変化していることが推定される。
[測定方法]
[厚みの測定]
偏光膜の一部を剥離し、三次元非接触表面形状計測システム(菱化システム社製 製品名「Micromap MM5200」)を用いて段差を測定し、偏光膜の厚みを求めた。
[液晶相の観察]
コーティング液を少量ポリスポイトで採取し、二枚のスライドガラス(松浪ガラス社製 商品名「MATSUNAMI SLIDE GLASS」)に挟み、顕微鏡用大型試料加熱冷却ステージ(ジャパンハイテック社製 製品名「10013L」)を備えた偏光顕微鏡(オリンパス社製 製品名「OPTIPHOT−POL」)を用いて室温(23℃)で観察した。
[コーティング液のpH]
pHメーター(DENVER INSTRUMENT社製 製品名「Ultra BASIC」)を用いて測定した。
[二色比の測定]
グラントムソン偏光子を備えた分光光度計(日本分光社製 製品名「U−4100」)を用いて、直線偏光の測定光を入射させ、視感度補正したY値のkおよびkを求め、下式により算出した。
二色比=log(1/k)/log(1/k
ここで、kは最大透過率方向の直線偏光の透過率を表わし、kは最大透過率方向に直交する方向の直線偏光の透過率を表わす。
[ヘイズ値の測定]
ヘイズ値は、ヘイズ測定装置(村上色彩研究所製 製品名「HR−100」)を用いて、室温(23℃)にて測定した。繰り返し回数3回の平均値をヘイズ値の測定値とした。
[セシウム濃度の測定]
偏光膜5mg、またはコーティング液を110℃で1時間加熱し、溶媒を蒸発させた後に残った固形分5mgを加圧酸分解し、分解物に超純水を加えて25mlに定容して作製した試料溶液を用い、誘導結合プラズマ質量分析装置(パーキンエルマー社製 製品名「ELAN DRC2」)にて、元素濃度を算出した。
セシウムイオン濃度対二色比のグラフ セシウムイオン濃度対ヘイズ値のグラフ

Claims (4)

  1. 溶媒と、前記溶媒に溶解した、酸性基を有するリオトロピック液晶性色素、およびセシウムイオンとを含む偏光膜生成用コーティング液であって、前記セシウムイオンが全固形分量に対して、3×10[5]重量ppm〜8×10[5]重量ppm含まれることを特徴とするコーティング液。
  2. 前記リオトロピック液晶性色素が下記一般式(1)で表わされるアゾ化合物であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング液。
    Figure 2009258412
    (一般式(1)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表わし、Mは対イオンを表わす。)
  3. 請求項1または2に記載のコーティング液の製造方法であって、溶媒と、前記溶媒に溶解した、酸性基を有するリオトロピック液晶性色素を含む酸性溶液に、水酸化セシウムを含むアルカリ性溶液を加えて、前記酸性溶液を中性あるいはアルカリ性にする工程を含むことを特徴とするコーティング液の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載のコーティング液を流延し、乾燥させて得られることを特徴とする偏光膜。
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