JP2009258096A - キャスク洗浄装置及びキャスク洗浄方法 - Google Patents

キャスク洗浄装置及びキャスク洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャスクに発生する腐食を抑制すること。
【解決手段】キャスク洗浄装置10は、底部が閉塞されていると共に上端開口部を有し、リサイクル燃料120を収納するほぼ筒状の胴本体113と、前記胴本体113内に格納され、前記リサイクル燃料120を格納するバスケットと、前記胴本体113の上端開口部に締結される一次蓋115aと、前記胴本体113の上端開口部と前記一次蓋115aとの間に介装される金属ガスケット117とからなるキャスク110において、前記一次蓋115aに配設され、前記胴本体113中の水を排出する排水用長管15と、前記胴本体113内の前記水の水位を維持する水位調節装置40とを備える。
【選択図】図5

Description

この発明は、キャスク洗浄装置及びキャスク洗浄方法に関し、さらに詳しくは、リサイクル燃料の輸送・貯蔵のためのキャスクに発生する腐食を抑制できるキャスク洗浄装置及びキャスク洗浄方法に関する。
核燃料サイクルの終期に燃焼を終えた核燃料集合体を、リサイクル燃料という。リサイクル燃料は、FP(Fission Products)等の高放射性物質を含み、また、熱的に冷却する必要があるので、原子力発電所内の冷却ピットで所定期間冷却される。その後、密閉容器、かつ、遮蔽容器本体であるキャスクに収納され、トラックや船舶等で再処理施設や中間貯蔵施設に搬送、密閉容器本体であるキャスクに収納された状態で貯蔵される。
このキャスクは、底部が閉塞されていると共に上端開口部を有し、リサイクル燃料を収納するほぼ筒状の容器本体と、リサイクル燃料を格納するバスケットと、リサイクル燃料を出し入れできるように開口された容器本体の上端開口部に密閉するための一次蓋及び二次蓋を備えている。一次蓋及び二次蓋は、それぞれ容器本体の上端開口部外周端に設けられた蓋取付部(台座面)に、それぞれ金属製のシール部材、いわゆるガスケットを挟んでボルトで締結される。
リサイクル燃料をキャスク内に収納するときは、一次蓋と二次蓋を取外して上端開口部を上にした状態のキャスクを、リサイクル燃料が一時保管されている水が張られたプール、いわゆる燃料貯蔵プールに下ろす。このピットには、リサイクル燃料をキャスクに入れるために吊上げてもそのリサイクル燃料が水面より露出しない水深まで水が張られている。燃料集合体を入れた後、プール内で一次蓋を仮取付けしてプール外に搬出する。
キャスクの中には、リサイクル燃料と共に水が封入されるので、その水を一次蓋に設けられた専用の孔から排水装置を挿入して排水する。さらに、キャスク内底部やリサイクル燃料表面などに残留した水分を、例えば真空排気することで、乾燥させる。このようにキャスク内の水を乾燥させて、リサイクル燃料を輸送あるいは貯蔵するキャスクを乾式キャスクと呼ぶ。
特開2006−125905号公報 特開2002−243888号公報 特許第3519694号公報
乾式キャスクの場合、燃料貯蔵プール中でキャスク内に燃料を収納し、除染ピット内に搬出し、キャスク外表面の除染などを実施する。その後、キャスク内部であるキャビティ及びガスケット周辺の水を排水後、真空乾燥操作を実施し、キャスク内の水分を除去する。これは、各部の水による腐食対策と、貯蔵期間中の内圧の上昇を抑えるためである。しかしながら、腐食抑制の観点からは下記の問題点がある。
貯蔵期間中、キャスクの密閉性を維持するためには、ガスケット部の腐食を抑制することが重要であるが、燃料貯蔵プール水には塩素やほう素などの不純物が含まれており、キャスクを除染ピットに搬出してから、キャスク内部を真空乾燥して残留水分量をある規定値以下とするまでの期間において、キャスク内部が高温・多湿状態となるため、腐食しやすい環境にさらされることになる。特に、キャスク内部の水が蒸発することによって、塩素やほう素が濃縮された部分で腐食が発生しやすい。
また、キャスク内の水は大気開放されているため酸素が溶存しており、排水時及び真空乾燥時には溶存酸素が溶け出して、キャスク内の酸素濃度を下げることができないため、孔食や隙間腐食といった腐食が発生するおそれがある。
ここで、エラストマーガスケットを使用した従来の輸送のためのキャスクの場合は、40年〜60年を貯蔵期間とする乾式キャスクの貯蔵期間と比較すると、輸送期間は非常に短時間である。また、従来の輸送のためのキャスクは、燃料が解体されるか、再度プールに於いて保管されるので、前記の腐食が生じるほどの期間が存在せず、問題になることは無かった。
しかし、貯蔵を前提とするキャスクでは、非常に長い期間における腐食に対応できることが求められ、腐食を惹起する恐れを排除する必要がある。本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、腐食の要因となるものを従来よりもさらに確実に排除して、ガスケットのみならず、キャスク内に収納されるバスケットやリサイクル燃料に発生する腐食を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るキャスク洗浄装置は、底部が閉塞されていると共に上端開口部を有し、リサイクル燃料を収納するほぼ筒状の容器本体と、前記容器本体内に格納され、前記リサイクル燃料を格納するバスケットと、前記容器本体の前記上端開口部に締結される一次蓋と、前記容器本体の前記上端開口部と前記一次蓋との間に介装されるシール部材とからなるキャスクにおいて、前記一次蓋に配設され、前記容器本体中の水を排出する排水管と、前記容器本体内の前記水の水位を維持する水位調節手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄装置は、前記空間内の前記水の前記水位を、前記一次蓋の底面よりも前記底部側に維持する。よって、前記キャスク洗浄装置は、前記空間内の前記水の前記水位が、ガスケットが介装される前記台座面の高さまで達して、前記台座面およびガスケットが前記水に浸るおそれを抑制できる。ここで、通常、前記水は、塩素やほう素、酸素(溶存酸素)など腐食の発生及び成長を促す成分を含む。よって、前記キャスク洗浄装置は、前記ガスケットに発生する腐食を抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記水位調節手段は、前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上にでないように、かつ前記容器本体側の前記一次蓋との係合面よりも前記底部側に前記水位を維持することが望ましい。
上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄装置は、前記空間内の前記水の前記水位が前記底部側に下降し、前記リサイクル燃料の有効発熱部が前記水から露出するおそれを抑制できる。ここで、前記水は前記リサイクル燃料から放出されるα線や中性子線など一部の放射線を遮蔽すると共に、前記リサイクル燃料を冷却する。よって、前記キャスク洗浄装置は、前記リサイクル燃料の温度上昇を抑制できる。
また、前記底部側に前記水位を維持するのは、前記水位が一次蓋の底に接触する状態では、水の熱は一次蓋に多く伝達され、蓋部の温度を低く保つことが困難になるため、これを回避するために、一次蓋の底部よりも容器の底側に水位を保つことで、水と一次蓋間に熱伝達を妨げる気体の層を確保し、水と一次蓋間の熱伝達量を小さくして、一次蓋の温度を低く保つことができる。
本発明の好ましい態様としては、前記水位調節手段は、前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上にでないように、かつ前記一次蓋と前記容器本体側の係合面と前記水位の水面との間に空間を維持するように前記容器本体中の水位を調整することが望ましい。
上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄装置は、前記空間により、水面が一次蓋の底に接触しない。水面が一次蓋の底に接触する状態では、水の熱は一次蓋に多く伝達され、蓋部の温度を低く保つことが困難になる。これを回避するために、一次蓋の底部よりも容器の底側に水位を保つことで、水と一次蓋間に熱伝達を妨げる気体の層を確保し、水と一次蓋間の熱伝達量を小さくして、一次蓋の温度を低く保つことができる。
本発明の好ましい態様としては、前記水位調節手段により前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上にでないように、かつ前記一次蓋と前記容器本体側の係合面と前記容器本体中の水面との間に維持される空間を、不活性ガスで満たすことが望ましい。
上記構成により本発明に係るキャスク洗浄装置は、腐食原因となる容器内の酸素を最初から絶てる。これにより、前記キャスク洗浄装置は、空間の酸素を減少させるためのガス置換も不要であり、貯蔵初期の腐食発生を抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記容器本体内に設けられて前記容器本体内の前記水の前記水位を検出する水位検出手段を備え、前記水位調節手段は前記水位検出手段から得た情報に基づいて前記容器本体内の前記水の前記水位を調節することが望ましい。
上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄装置の前記水位調節手段は、前記水位検出手段から前記空間内における前記水の前記水位に関する情報を得て、前記水位を調節できる。これにより、前記キャスク洗浄装置は、前記空間内における前記水の前記水位を任意の高さに維持できる。
つまり、キャスク洗浄装置は、前記空間内の前記水の前記水位を、前記台座面よりも前記底部側に維持できる。これにより、前記キャスク洗浄装置は、前記台座面及び前記ガスケットが水に浸る恐れを抑制できる。また、前記水位調節手段は、前記空間内の前記水の前記水位を前記リサイクル燃料の最も前記一次蓋側の部位よりも前記一次蓋側に維持できる。よって、前記キャスク洗浄装置は、前記リサイクル燃料の温度上昇を抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、端部が前記容器本体内に開口して設けられ、前記容器本体内にキャスクを洗浄する洗浄水を供給する給水管を備え、前記水位調節手段は、前記容器本体内から前記排水管によって排出される前記水の量と、前記給水管によって前記容器本体内に供給される前記水の量との割合を調節して前記容器本体内の前記水の前記水位を調節することが望ましい。
上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄装置の前記水位調節手段は、前記空間内から前記排水管によって排出される前記水の量と、前記給水管によって前記空間内に供給される前記水の量との割合を調節できる。前記水位調節手段は、前記空間内から前記排水管によって排出される前記水の量を前記給水管によって前記空間内に供給される前記水の量よりも多くすることで、前記空間内の前記水の前記水位を下降させる。
また、前記水位調節手段は、前記給水管によって前記空間内に供給される前記水の量を前記空間内から前記排水管によって排出される前記水の量よりも多くすることで、前記空間内の前記水の前記水位を上昇させる。このように、前記水位調節手段は、前記空間内における前記水の前記水位に関する情報を得て、前記水位を調節できる。
つまり、キャスク洗浄装置は、前記空間内の前記水の前記水位を、前記台座面よりも前記底部側に維持できる。これにより、前記キャスク洗浄装置は、前記台座面及び前記ガスケットが水に浸る恐れを抑制できる。また、前記水位調節手段は、前記空間内の前記水の前記水位を前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上にでないように、かつ前記一次蓋の前記容器本体側の面である底面よりも前記底部側に前記水位を維持できる。よって、前記キャスク洗浄装置は、前記リサイクル燃料の温度上昇を抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記排水管は、前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上にでないように、かつ前記一次蓋の前記容器本体との係合面と同じ高さか、前記係合面よりも前記容器本体の前記底部側に前記容器本体内に開口を有することが望ましい。
本発明のさらに好ましい態様としては、前記排水管は、前記一次蓋の前記容器本体側の面である底面よりも前記底部側と前記リサイクル燃料を格納する前記バスケットの上端面との間に開口する部分を有することが望ましい。
上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄装置の前記排水管は、前記リサイクル燃料の発熱面が水面に出ない部位と前記台座面よりも底部側との間に開口する部分があるので、前記リサイクル燃料によって暖められて、容器内を上昇し、水面付近に滞留する容器内でも高温の前記水のみを前記空間内から排出できる。これにより、前記キャスク洗浄装置は、前記内の前記水の前記水位が前記底部側に下降し、前記リサイクル燃料の発熱面が前記水から露出するおそれを抑制できる。よって、前記キャスク洗浄装置は、前記リサイクル燃料の温度上昇を抑制できる。
また、前記リサイクル燃料を保持するバスケットの上端面が水面に出ない部位と前記台座面よりも底部側との間に開口する部分を有する、前記排水管は、前記バスケットの上端面が水面に出ない部位と前記台座面よりも底部側との間にあるので、前記リサイクル燃料によって暖められて、容器内を上昇し、バスケットの上端面より一次蓋側に有る水面付近に滞留する容器内でも高温の前記水のみを前記空間内から排出できる。これにより、前記キャスク洗浄装置は、前記内の前記水の前記水位が前記底部側に下降し、前記バスケットの上端面が前記水から露出するおそれを抑制できる。よって、前記キャスク洗浄装置は、前記リサイクル燃料の温度上昇を抑制できる。
また、さらに好ましい上記構成の、本発明に係るキャスク洗浄装置は、前記リサイクル燃料の最も前記一次蓋側の部位と前記台座面との間にあるので、前記リサイクル燃料によって暖められて、容器内を上昇し、前記リサイクル燃料の最も前記一次蓋側の部位より一次蓋側に有る水面付近に滞留する容器内でも高温の前記水のみを前記空間内から排出できる。これにより、前記キャスク洗浄装置は、前記内の前記水の前記水位が前記底部側に下降し、前記リサイクル燃料が前記水から露出するおそれを抑制できる。よって、前記キャスク洗浄装置は、前記リサイクル燃料の温度上昇を抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記排水管は、前記一次蓋の前記容器本体側の面である底面よりも前記底部側と前記リサイクル燃料の燃料棒頭部との間に開口する部分を有することが望ましい。
排水管は、排水管の開口する部分が水に浸かっていないと、容器本体内の水を排出できない。よって、容器本体内の水位は、燃料棒頭部よりも底部側にはならない。これにより、本発明に係るキャスク洗浄装置は、仮に水位検出手段を備えなくても、リサイクル燃料の燃料棒頭部が水から露出するおそれを抑制できる。
ここで、前記排水管が、前記一次蓋の前記容器本体側の面である底面よりも前記底部側と前記リサイクル燃料を格納する前記バスケットの上端面との間に開口する部分を有する場合は、容器本体内の水位は、バスケットの上端面よりも底部側にはならない。これにより、本発明に係るキャスク洗浄装置は、仮に水位検出手段を備えなくても、リサイクル燃料の有効発熱部が水から露出するおそれを抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記水位調節手段は、前記容器本体内に連続して供給される前記水の流量を、前記容器本体内から前記排水管によって排出される前記水の流量未満とすることが望ましい。
これにより、本発明に係るキャスク洗浄装置は、容器本体内の水の水位が現在の水位よりも上昇することがない。よって、本発明に係るキャスク洗浄装置は、台座面と係合面との隙間が、プール水を含んでいるおそれがある水に浸るおそれを抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記水位調節手段は、前記排水管の前記容器本体内に開口する部分と、前記底面との間の前記容器本体内の体積未満の前記水を、前記体積分の前記水を前記排水管が前記容器本体内から排出するために要する時間以上の間隔をあけて前記給水管から前記容器本体内に供給することが望ましい。
これにより、本発明に係るキャスク洗浄装置は、前記開口する部分と底面との間の容器本体内の水を排水管からすべて排出してから、給水管から容器本体内に前記体積未満の洗浄水を供給する。よって、容器本体内の水の水位は、一次蓋の底面に到達しない。これにより、本発明に係るキャスク洗浄装置は、台座面と係合面との隙間が、プール水を含んでいるおそれがある水に浸るおそれを抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記一次蓋に設けられ、前記容器本体の前記上端開口部に形成され前記一次蓋が載せられる台座面と前記一次蓋との間に隙間を生じさせる隙間発生手段を備えることが望ましい。
上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄装置は、前記排水管により前記キャスク内水位を下げた後、あるいは、水位を下げる前に、前記台座面と前記一次蓋との間に隙間を発生させることができる。これにより、前記隙間に純水を供給することによって、前記隙間及び前記台座面と前記一次蓋との間に介装されるガスケットを洗浄できる。よって、前記キャスク洗浄装置は、前記ガスケットに発生する腐食を抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、キャビティ内の塩素やほう素を含んだ水を希釈するため、キャビティ内の塩素やほう素を含んだ水を洗浄水に置換するための手段を有することが望ましい。好ましくは、前記キャスクを洗浄する洗浄水の酸素濃度は、大気開放された純水の酸素濃度よりも低いことが望ましい。
キャスクは前記洗浄水によって置換・洗浄される。通常、酸素は腐食の発生及び腐食の成長を促す。よって、本発明に係るキャスク洗浄装置は、前記洗浄水における酸素濃度を、前記純水よりも低くすることにより、前記キャスク内の前記水や排水した空間内の酸素濃度を低減でき、前記キャスクに発生する腐食を抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記洗浄水は、低圧沸騰させた脱気水であることが望ましい。また、工業用水や水道水に脱酸素剤を加えることで、工業用水や水道水の酸素濃度を低減した洗浄水としてもよい。本発明のさらに好ましい態様としては、前記洗浄水は、前記洗浄水は、低圧沸騰させた脱気水に脱酸素剤が含まれることが望ましい。本発明の理想的な形態としては、脱イオン水に脱酸素剤がふくまれる洗浄水が最も好ましい。
上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄装置は、前記給水管により前記脱気水を前記キャスク内の前記水と置換して、キャスク内の前記水の酸素濃度を低減することにより、前記キャスクに発生する腐食を抑制できる。本発明のさらに好ましい態様の上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄装置は、前記洗浄水における酸素濃度を前記脱酸素剤によって短時間で低減することにより、前記キャスクに発生する腐食を抑制できる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るキャスク洗浄方法は、底部が閉塞されていると共に上端開口部を有し、リサイクル燃料を収納するほぼ筒状の容器本体と、前記容器本体内に格納され、前記リサイクル燃料を格納するバスケットと、前記容器本体の前記上端開口部に締結される一次蓋と、前記容器本体の前記上端開口部と前記一次蓋との間に介装されるシール部材とからなるキャスクにおいて、前記容器本体内にリサイクル燃料を収納、密封する際、前記容器本体内に存在する水の水位を前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上に出ないように、かつ、前記一次蓋との係合面よりも前記底部側に維持するように前記容器本体内に存在する水を前記容器本体内から排出する手順と、前記容器本体の前記上端開口部に形成され前記一次蓋が載せられる台座面と前記一次蓋との間を洗浄する手順と、を備えることを特徴とする。
上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄方法によってキャスクを洗浄すれば、前記キャスクを洗浄する作業員は、前記空間内の前記水の前記水位を、前記一次蓋の底面よりも前記底部側に維持できる。この状態で、前記作業員が、前記台座面と前記一次蓋との間を洗浄することにより、前記キャスク内の不純物を含んだ前記水が、前記台座面と前記一次蓋との間に介装されるガスケットに接触することがなく、確実にガスケットを洗浄できるため、前記キャスク洗浄方法は、前記ガスケットに発生する腐食を抑制できる。
また、前記台座面と前記一次蓋との間の洗浄後も、前記空間内の前記水の前記水位は、前記台座面の高さまで達しない。これにより、前記キャスク洗浄方法は、前記台座面が前記水に浸るおそれを抑制できる。よって、前記キャスク洗浄方法は、前記ガスケットに発生する腐食を抑制できる。
また、前記台座面と前記水位間の前記空間内の気体は、前記洗浄手順に、容器内に不活性ガスを導入できる設備の取付けを含ませることで、容器内に当初から酸素を排除した気体を導入することが好ましい。当初から不活性ガスを導入しておけば、腐食要因の内の酸素を排除できるので少なくとも係合部での腐食を抑制できる。不活性ガスは、一次蓋と容器本体の隙間が有るうちは、少量が容器外に漏れる程度に供給するのが好ましい。当初から不活性ガスを導入することにより、容器内の水を排除した後の真空乾燥期間中の酸素に起因する腐食につながる現象の排除、あるいは低減が容易になる。
本発明の好ましい態様としては、前記台座面と前記一次蓋との間を洗浄する手順後に、前記キャスクを洗浄する洗浄水を前記容器本体内に供給する給水管を前記容器本体内と前記容器本体外とを連通する取り付け部に設置し、前記容器本体内から前記水を排出する排水管を前記排水管の端部が前記容器本体の前記底部側に開口するように設置する手順と、前記容器本体内に存在する水の水位を前記リサイクル燃料の有効発熱部が出ないように、かつ、前記一次蓋との係合面よりも前記底部側に保ちながら、前記給水管を介して前記洗浄水を前記容器本体内に供給し、前記排水管を介して前記容器本体内に存在する水を前記容器本体内から排出する手順と、を備えることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様としては、前記台座面と前記一次蓋との間を洗浄する手順後に、キャスクを洗浄する洗浄水を前記空間内に供給する給水管を前記空間内と前記空間外とを連通する取り付け部に設置し、前記空間内から前記水を排出する排水管を前記排水管の端部が前記空間の前記底部側に開口するように設置する手順と、前記空間内に存在する水の水位を前記リサイクル燃料を格納するバスケットの上端面が水面に出ない部位と前記台座面よりも底部側との間に保ちながら、前記給水管を介して前記洗浄水を前記空間内に供給し、前記排水管を介して前記空間内に存在する水を前記空間内から排出する手順と、を備えることが望ましい。
また、本発明の最も好ましい態様としては、前記台座面と前記一次蓋との間を洗浄する手順後に、キャスクを洗浄する洗浄水を前記空間内に供給する給水管を前記空間内と前記空間外とを連通する取り付け部に設置し、前記空間内から前記水を排出する排水管を前記排水管の端部が前記空間の前記底部側に開口するように設置する手順と、前記空間内に存在する水の水位を、前記リサイクル燃料の最も前記一次蓋側の部位と前記台座面との間に保ちながら、前記給水管を介して前記洗浄水を前記空間内に供給し、前記排水管を介して前記空間内に存在する水を前記空間内から排出する手順と、を備えることが望ましい。
上記構成により、本発明に係るキャスク洗浄方法で前記キャスクを洗浄すれば、前記作業員は、前記空間内の前記水位を一定に保ちながら前記空間内に前記洗浄水を供給できる。これにより、前記キャスク洗浄方法は、前記空間内から前記洗浄水によって薄められた塩素やほう素を含む前記水を前記空間外へ排出できる。
これにより、前記キャスク洗浄方法は、前記水の前記水位が前記一次蓋側に上昇し、前記台座面が前記水に浸るおそれを低減できる。よって、前記キャスク洗浄方法は、前記ガスケットに発生する腐食を抑制できる。また、前記キャスク洗浄方法は、前記リサイクル燃料を冷却する機能を果たす前記空間内の前記水の前記水位が前記底部側に下降し、前記リサイクル燃料の有効発熱部が前記水から露出するおそれを抑制できる。よって、前記キャスク洗浄方法は、前記リサイクル燃料の温度上昇を抑制できる。
本発明に係るキャスク洗浄装置及びキャスク洗浄方法は、ガスケットのみならず、キャスク内に収納されるバスケットやリサイクル燃料に発生する腐食を抑制できる。
図1は、実施形態1に係るキャスクの一部断面を示す概略図である。 図2は、実施形態1に係るキャスクの長手方向と直交する断面を示す図である。 図3は、実施形態1に係るキャスク洗浄装置を模式的に示す断面図である。 図4は、実施形態1に係る他のキャスク洗浄装置を模式的に示す断面図である。 図5は、実施形態1に係るキャスク洗浄装置を模式的に示す断面図である。 図6は、実施形態1に係る一次蓋近傍を拡大して模式的に示す断面図である。 図7は、実施形態1に係る給水用長管を模式的に示す断面図である。 図8は、実施形態1に係る水位調節装置が脱酸素剤の注入を停止するまでの手順を説明するフローチャートである。 図9は、実施形態1に係るキャスク洗浄装置を模式的に示す断面図である。 図10は、実施形態1に係る他のキャスク洗浄装置の構成を示す模式図である。 図11は、実施形態1に係る他のキャスク洗浄装置の構成を示す模式図である。 図12は、実施形態1に係るキャスク洗浄方法の作業手順を説明するフローチャートである。 図13は、希釈手順時の実施形態2のキャスク洗浄装置を示す断面図である。 図14は、実施形態2に係るキャスク洗浄方法の作業手順を説明するフローチャートである。
以下に、本発明に係るキャスク洗浄装置及びキャスク洗浄方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施形態)
図1は、実施形態1に係るキャスクの一部断面を示す概略図である。図2は、実施形態1に係るキャスクの長手方向と直交する断面を示す図である。図1及び図2を用いて、実施形態1に係るキャスク110の基本的な構成を説明する。
図1及び図2に示すように、放射性物質収納容器としてのキャスク110は、略円筒形状に形成される。キャスク110は、キャビティ111と、バスケット112と、容器本体としての胴本体113と、底部114と、蓋部115と、中性子遮蔽体116と、金属ガスケット117と、補助遮蔽体118とを備える。ここで、補助遮蔽体118は、収納するリサイクル燃料の仕様によって、装着が必要な場合に補助的に用いられるものである。
キャビティ111は、キャスク110の内部に形成される。キャビティ111は、胴本体113と底部114と蓋部115によって囲まれる空間である。バスケット112は、キャスク110の内部に設けられる。バスケット112は、後述する図3に示すリサイクル燃料120の集合体を収納するセル112aを有する。バスケット112は、例えば、中性子吸収性能をもつ材料の粉末を添加したアルミニウム複合材によって構成される。
キャビティ111の内面は、バスケット112の外周形状に合わせて形成される。胴本体113は、略円筒形状に形成される。胴本体113は、一方の端部に底部114が溶接により結合される。また、胴本体113は、他方の開口端に蓋部115が設けられる。なお、キャビティ111を単純形状の円筒形として、キャビティ111とバスケット112との間のセルとして使えない隙間に伝熱性能に優れたスペーサを配置したものとしてもよい。
蓋部115は、胴本体113の底部114とは反対側の開口端を閉塞する。蓋部115は、一次蓋115aと二次蓋115bとを含んで構成される。一次蓋115aは、γ線を遮蔽する炭素鋼やステンレス鋼を材料として円盤形状に形成される。二次蓋115bも、一次蓋115aと同様に、γ線を遮蔽する炭素鋼やステンレス鋼を材料として円盤形状に形成される。
加えて、一次蓋115aは、内部に中性子遮蔽体116が封入される。中性子遮蔽体116は、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を実現する中性子遮蔽材である。中性子遮蔽材は、中性子吸収剤としてほう素を含むレジンが代表的である。これにより、一次蓋115aは、中性子遮蔽機能が高められる。
一次蓋115a及び二次蓋115bは、炭素鋼やステンレス鋼を材料とするボルトにより胴本体113に取付けられる。この時、一次蓋115aと胴本体113との間には金属ガスケット117が設けられる。また、二次蓋115bと胴本体113との間にも、金属ガスケットが設けられる。
これにより、金属ガスケット117は、一次蓋115aと胴本体113との間の密封性を確保する。また、金属ガスケット117は、二次蓋115bと胴本体113との間の密封性を確保する。上記構成により、キャスク110は構成される。
図3は、実施形態1に係るキャスク洗浄装置を模式的に示す断面図である。キャスク110は、内部にリサイクル燃料120が収納され、一次蓋115aによって密封される際に、キャスク洗浄装置10によって一次蓋115aと胴本体113との隙間やキャビティ111内が洗浄される。
キャスク洗浄装置10によるキャスク110の洗浄手順は、大きく分けて、キャビティ111から所定量をキャビティ111外へ排出する一次排水手順と、キャビティ111内のプール水Wclを洗浄水で薄める希釈手順と、キャビティ111内の水の大部分をキャビティ111外へ排出する二次排水手順とから構成される。図3は、一次排水手順時の、キャスク洗浄装置10の態様を示す。
キャスク洗浄装置10は、図3に示すように、第1貫通孔11aと、第2貫通孔11bと、排水管としての排水用短管12と、逆止弁付管13と、排水用ポンプPoと、水位調節手段としての水位調節装置40とを含んで構成される。第1貫通孔11aは、一次蓋115aの厚み方向に貫通する。ここで、胴本体113には、一次蓋115aが設置される台座面113aが形成される。なお、一次蓋115aのうち台座面113aと対向する部分を係合面115cとする。
キャスク110は、通常、底部114が床と対向するようにして設けられる。この時、台座面113aは、例えば、床と平行に形成される。一次蓋115aが胴本体113に取り付けられる際、係合面115cと台座面113aとは、互いに対向して接触する。つまり、一次蓋115aは、係合面115cが台座面113aに載せられて胴本体113に設置される。なお、係合面115cと台座面113aとの間の隙間には、金属ガスケット117が設けられる。
第1貫通孔11a及び第2貫通孔11bは、キャビティ111内と、キャビティ111外とを連通するように、係合面115c部分を避けて一次蓋115aに形成される。ここで、第1貫通孔11aは、逆止弁付管13が挿入される。第2貫通孔11bは、排水用短管12が挿入される。
排水用短管12は、キャビティ111内のプール水Wclを排水する。排水用短管12は、第2貫通孔11bから取り外しできるように、第2貫通孔11bに挿入されて設けられる。排水用短管12には例えばフランジが設けられており、一次蓋上面にボルトにより締結される。これにより、排水用短管12は、第2貫通孔11bに隙間無く取り付けられる。
排水用短管12は、一方の端部12aがキャビティ111内に開口し、他方の端部12bが排水用ポンプPoへ接続される。なお、排水用ポンプPoは、排水処理装置へ接続される。排水用ポンプPoは、キャビティ内の水を排水処理装置へ送り込む。ここで排水用ポンプPoは、水位調節装置40と電気的に接続される。これにより、排水用ポンプPoは、水位調節装置40によってその駆動をON‐OFF制御される。
ここで、キャビティ111内に収納されているリサイクル燃料120の部位のうち、最も一次蓋115a側の部位をリサイクル燃料120の燃料棒頭部120aとする。なお、崩壊熱を出す部分が発熱部である。発熱部は、燃料棒頭部120aと燃料の先頭部を除く燃料の中央領域にある。また、台座面113aと、制御する水位の下限、つまり燃料の発熱部が水面に出ない水位、あるいは、燃料を格納するバスケットの上端が水面に出ない水位、最も望ましくは燃料棒頭部120aを下限とする水位との間を領域AR01とする。排水用短管12は、一方の端部12aが領域AR01に開口するように配置される。
図4は、実施形態1に係る他のキャスク洗浄装置を模式的に示す断面図である。図4は、一次排水手順時の、キャスク洗浄装置10の他の態様を示す。排水用短管12は、一方の端部12aが領域AR01以外に配置されてもよい。この場合、図4に示すように、排水用長管22は、領域AR01に開口22bを有する。つまり、排水用長管22は、領域AR01の範囲にある前記リサイクル燃料によって暖められて、容器内を上昇し、水面付近に滞留する容器内でも高温のプール水Wclのみを吸い込んで、排水する。
また、排水管としての排水用長管22は、領域AR01に開閉自在の開口22bを有するものでもよい。つまり、一次排水手順時には、排水用長管22は、領域AR01の範囲にあるプール水Wclのみを吸い込んで、排水し、二次排水手順時には開閉自在の開口22bを閉じることで、一方の端部12aからキャビティ111内の前記リサイクル燃料によって暖められて、容器内を上昇し、水面付近に滞留する容器内でも高温の水を吸い込んで、排水する。
さらに、排水管としての排水用長管22は、領域AR01に開閉自在の開口22bと一方の端部12aを選択的に開閉できる機能を実現するものでもよい。つまり、一次排水手順時には、排水用長管22は、開口22bが開いた状態で、一方の端部12aは閉じた状態になる。これにより、排水用長管22は、領域AR01の範囲にあるプール水Wclのみを吸い込んで排水し、二次排水手順時には開閉自在の開口22bを閉じることで、一方の端部12aからキャビティ111内の前記リサイクル燃料によって暖められて、容器内を上昇し、水面付近に滞留する容器内でも高温の水を吸い込んで、排水する。
図3に示すように、排水用短管12は、例えば、領域AR01の範囲に、水位検出手段としての水センサD01を有する。水センサD01は、水に触れているか否かを検出する。ここで、キャビティ111内における水位は、排水用短管12によってキャビティ111内のプール水Wclが排出された後であっても、キャビティ111内に供給される洗浄水や、洗浄水の温度上昇による膨張によって上昇することがある。なお、水位とは、キャスク110は底部114を底面として直立して設置されたときの、キャビティ111内における底部114の表面から水面の高さまでをいう。
なお、水センサD01は、底部114の表面から所定値αの高さに設けられる。上述したように、水センサD01は、領域AR01の範囲内に設けられる。よって、所定値αは、底部114の表面から燃料棒頭部120aまでの高さより大きく、かつ、底部114の表面から台座面113aまでの高さより小さい値である。なお、複数の水センサD01または、所定の範囲内で連続または所定のピッチで水位を検出できるセンサを配置すると、状況に合わせて、所定値αを変更できるので好ましい。
キャスク洗浄装置10は、水センサD01の設置位置にまで水位が達した際に、つまりキャビティ111内の水位が所定値α以上になった際に、水位調節装置40が自動でポンプを駆動してキャビティ111内からプール水Wcl及び洗浄水をキャビティ111外へ排水用短管12を介して排出する。なお、複数の水センサD01または、所定の範囲内で連続または所定のピッチで水位を検出できるセンサを配置すると、状況に合わせて、所定値αを変更できるうえに、排水ポンプの起動と停止をそれぞれの水位で設定できる。よって、キャスク洗浄装置10は、水面が波立つ場合でもより良好にポンプを安定して運転できる。
逆止弁付管13は、キャビティ111内に不活性ガス、例えば窒素(N2)ガスやアルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス等を供給する。排水用短管12からプール水Wclが排水される際、キャビティ111内の圧力は低下する。よって、逆止弁付管13から不活性ガスを供給することにより、キャスク洗浄装置10は、キャビティ111内の圧力低下が低減される。これにより、キャスク洗浄装置10は、排水用短管12を介してプール水Wclを容易にキャビティ111外へ排出できる。
逆止弁付管13は、第1貫通孔11aから取り外しできるように、第1貫通孔11aに挿入されて設けられる。逆止弁付管13には例えばフランジが設けられており、一次蓋上面にボルトにより締結される。これにより、逆止弁付管13は、第1貫通孔11aに隙間無く取り付けられる。
逆止弁付管13は、一方の端部13aがキャビティ111内に開口し、他方の端部13bがキャビティ111外に設けられる不活性ガスのボンベと接続される。なお、逆止弁付管13は、一方の端部13aが必ずしもキャビティ111内に開口しなくてもよい。逆止弁付管13は、例えば、第1貫通孔11aの途中まで挿し込まれて取り付けられてもよい。
また、例えば、一次蓋115aは、第1貫通孔11aのキャビティ111の外側近傍に逆止弁付管13用の取り付け部が形成される。逆止弁付管13は、一次蓋115aの第1貫通孔11aに挿入されることなく、前記取り付け部に取り付けられてもよい。これらの構成でも、逆止弁付管13は、キャビティ111内に不活性ガスを供給できる。
逆止弁付管13は、例えばボール弁機構を有する。これにより、逆止弁付管13は、キャビティ111側へ向かう方向へのみ不活性ガスを流し、キャビティ111内からキャビティ111外へ向かう方向へは流体を流さない。これにより、キャスク洗浄装置10は、リサイクル燃料120が収納されるキャビティ111内の流体が、第1貫通孔11aを介してキャビティ111外に漏出するおそれを低減する。
さらに、キャビティ111内の水位の変動にともなうキャビティ111内のガス圧の変動を吸収できる、容積が可変する容器、例えばゴム製の袋や、気室の大きいアキュムレータを逆止弁付管13のキャビティ111と逆止弁との間に配置すると、キャビティ111内のガス圧の変動を小さくできるので、給水用ポンプPi及び排水用ポンプPoの使用を簡素化できる。また給水用ポンプPi及び排水用ポンプPoの運転の制御も容易にできる。あるいは、キャビティ111内の水位の変動に伴うキャビティ111内のガス圧の変動を生じさせないように、キャビティ111内の排水管に所定の圧力以上になるとガスを逃がす弁であるリリース弁を設けてもよい。
図5は、実施形態1に係るキャスク洗浄装置を模式的に示す断面図である。図5は、希釈手順時の、キャスク洗浄装置10の態様を示す。キャスク洗浄装置10は、図5に示すように、上述の構成に加えて、給水管としての給水用短管14と、排水管としての排水用長管15とを備える。給水用短管14は、キャビティ111内に、洗浄水を供給する。給水用短管14は、第1貫通孔11aから取り外しできるように、第1貫通孔11aに挿入されて設けられる。
なお、給水用短管14と排水用長管15を入れ替えて、給水管として排水用長管15を、排水管として給水用短管14を使用してもよい。この場合、排水用長管15から、キャビティ111内に、洗浄水を供給し、給水用短管14から、キャビティ111内の水を排水する。
給水用短管14は、例えば、一次蓋115aに取り付けられるためのフランジを有する。これにより、給水用短管14は、一次蓋115aに形成された第1貫通孔11aに前記フランジによって隙間無く取り付けられる。
給水用短管14は、一方の端部14aがキャビティ111内に開口し、他方の端部14bが給水用ポンプPiに接続される。なお、給水用ポンプPiは、洗浄水供給源30へ接続される。給水用ポンプPiは、洗浄水をキャビティ111側へ送り込む。
洗浄水供給源30は、例えば、工業用水や水道水に脱酸素剤を加えることで、工業用水や水道水の酸素濃度を低減してなお、有効な脱酸素剤が残存する洗浄水としてもよいし、好ましくは、純水に脱酸素剤を添加して洗浄水を生成し、給水用短管14に前記洗浄水を供給する。または、洗浄水供給源30は、例えば、脱気塔によって、純水に含まれる酸素量を低減して前記純水を洗浄水として給水用短管14に供給する。より好ましくは、前記脱気塔によって、純水に含まれる酸素量を低減して前記純水に脱酸素剤を添加して洗浄水を生成すれば、脱酸素剤の添加量を最少にできるので、脱酸素剤の使用量を低減できると共に、洗浄に使用した洗浄水の後処理も容易になる。
これにより、前記洗浄水は、通常の純水よりも、含まれる酸素量が低減される。これにより、キャスク洗浄装置10は、前記洗浄水をキャスク110のキャビティ111内の洗浄に用いることにより、キャスク110のキャビティ111内に洗浄水を供給してプール水Wclを薄めて洗い流す。
これにより、キャスク洗浄装置10は、プール水Wclに含まれる塩素やほう素をキャビティ111内から除去できる。よって、キャスク洗浄装置10は、キャスク110に発生する腐食を抑制できる。
また、キャスク洗浄装置10は、前記洗浄水をキャスク110の各部の洗浄に用いることにより、特に腐食が発生及び成長しやすいキャビティ111内や台座面113aの各部に存在する酸素量を低減する。これにより、キャスク洗浄装置10は、キャスク110に発生する腐食をさらに抑制できる。また、前記台座面と前記水位間の前記空間内の気体として、当初から不活性ガスを導入することにより、容器内の水を排除した後の真空乾燥期間中の酸素に起因する腐食につながる現象の排除、あるいは低減がより容易になる。
また、前記洗浄水は、クーラーによってあらかじめ冷却された状態で、キャビティ111内に供給されると好ましい。これにより、前記洗浄水は、プール水Wclを洗い流す機能に加えて、リサイクル燃料120やリサイクル燃料120から熱を受けたキャスク110の部材を冷却する冷却水としての機能を実現できると共に、台座面113a周辺と、金属ガスケット117が腐食する条件のうちの温度条件を腐食反応が抑制できるか、または安全性を十分に確保した上で腐食反応を無視できる温度に容易に維持できる。
ここで、リサイクル燃料120の温度が上昇すると、リサイクル燃料120の熱が一次蓋115aに伝わって一次蓋115aの温度が上昇する。キャスク洗浄装置10は、上述のように、前記洗浄水が冷却水として機能して、一次蓋115aの温度を低減できる。
なお、一次蓋115aを胴本体113に取り付ける際、作業員は、一次蓋115a上で作業をする。よって、作業員は、キャスク洗浄装置10によって一次蓋115aの温度上昇が低減されて、より安全に一次蓋115aを胴本体113に取り付けられる。
なお、キャスク洗浄装置10は、脱酸素剤を添加した純水や脱酸素装置によって含まれる酸素量が低減された純水以外にも、洗浄水として通常の純水を用いてもよい。プール水Wclは、上述のように塩素やほう素が含まれる。塩素やほう素は、腐食の発生及び成長を促す。よって、キャスク洗浄装置10は、洗浄水によって、プール水Wclを薄めてキャスク110から排出することにより、キャスク110に発生する腐食を抑制できる。
ここで、給水用短管14の一方の端部14aは、例えば、領域AR01に開口する。また、給水用短管14の一方の端部14aには、散水ノズル16が設けられる。以下に散水ノズル16の構成を説明する。
図6は、実施形態1に係る一次蓋近傍を拡大して模式的に示す断面図である。図6は、希釈手順時の、キャスク洗浄装置10の態様を示す。散水ノズル16は、例えば、図6に示すように邪魔部16aを有する。給水用短管14を介して散水ノズル16に供給された洗浄水は、邪魔部16aに衝突し、邪魔部16aの表面に沿って流れる。これによって、洗浄水は、散水ノズル16を介さずにキャビティ111内に供給されるよりも、キャビティ111内において広範囲により均等に飛散して供給される。
好ましくは、飛散する水は、一次蓋115aの下面、つまり一次蓋115aのキャビティ111側の面(一次蓋底面)と、一次蓋115aの周囲の胴本体113とにより多く供給できるようにする。これにより、キャスク洗浄装置10は、台座面113a周辺と、金属ガスケット117が腐食する条件のうちの温度条件を腐食反応が抑制できるか、または安全性を十分に確保した上で腐食反応を無視できる温度に冷却できる。
なお、散水ノズル16は、上述の構成に限定されず、例えば、散水ノズル16に供給される洗浄水の圧力によってノズルが旋回して、洗浄水をキャビティ111内に飛散させて供給するものでもよい。また、散水ノズル16は、散水ノズル16に供給される洗浄水の圧力に代えて、バネの力によって飛散板がバタフライする方式でもよい。
また、散水ノズル16は、キャビティ111内に洗浄水を霧状や雨滴状に吹き込んで供給するものでもよい。散水ノズル16がこのように構成されると、洗浄水は、キャビティ111内のプール水Wclの水面と、一次蓋115aとの間の不活性ガスを冷却できる。また、散水ノズル16は、キャビティ111内に洗浄水を霧状や雨滴状に吹き込むことで、洗浄水をキャビティ111内においてより広範囲かつ、より均等に供給できる。
キャスク洗浄装置10は、図6に示すように、上述の構成に加えて、ジャッキボルト用貫通孔11cと、ジャッキボルト17とを備える。ジャッキボルト用貫通孔11cは、一次蓋115aの係合面115c部分に設けられる。つまり、ジャッキボルト用貫通孔11cは、台座面113aが胴本体113に設置された際、台座面113aと対向する位置に開口するように一次蓋115aに形成される。また、ジャッキボルト用貫通孔11cは、内周面に雌ネジ部分を有する。
ジャッキボルト17は、ジャッキボルト用貫通孔11cの内周面に形成される雌ネジ部分にねじ込まれる雄ネジ部分を有する。ジャッキボルト17は、係合面115c部分における一次蓋115aの厚みよりも、長手方向の長さが長い。つまり、ジャッキボルト17は、雄ネジ部分が形成される円柱部分の軸方向の長さが、係合面115c部分における一次蓋115aの厚みよりも長い。
さらに、ジャッキボルト17の表面は少なくとも一次蓋及び係合面115c部分に接する部分が、一次蓋及び係合面115c部分に接しても焼きつきを生じない素材か表面処理が施されていることが望ましい。さらに望ましくは、一次蓋及び係合面115c部分に接する部分に腐食成分を排除した焼きつき防止剤が塗布等の手段で覆われているか、一次蓋及び係合面115cがジャッキボルト17に接する面に腐食成分を排除した焼きつき防止剤が塗布等の手段で覆われているとジャッキボルト17の焼きつきを回避できる。これにより、キャスク洗浄装置10は、ジャッキボルト17の焼きつきに起因する問題を解決できる。
これにより、一次蓋115aが台座面113aに載せられている状態で、ジャッキボルト17をジャッキボルト用貫通孔11cにねじ込むと、ジャッキボルト17の先端部が、ジャッキボルト用貫通孔11cの台座面113a側の開口から突出する。さらにジャッキボルト17は、ジャッキボルト用貫通孔11cにねじ込まれると、ジャッキボルト17の先端部は、台座面113aに対して係合面115cが台座面113aから離れる方向の力を与える。あるいは、一次蓋をキャスクに載せる前に、一次蓋が係合面115cに対して、所定の隙間が生じるようにあらかじめジャッキボルト17の台座面113aからの突出量をセットすれば、蓋の自重を押し上げることなく隙間量を設定できるので、焼きつきの懸念される機会をより確実に排除できる。
これにより、ジャッキボルト17は、係合面115cと台座面113aとの間に隙間を発生させる。なお、係合面115cと台座面113aとの間の隙間は、例えば、2〜3mm程度である。
図7は、実施形態1に係る給水用長管を模式的に示す断面図である。図7は、希釈手順時の、キャスク洗浄装置10の態様を示す。給水用短管14は、一方の端部が領域AR01に開口しなくてもよい。キャスク洗浄装置10は、例えば、図7に示すように、一方の端部24aが領域AR01以外、例えば、底部114近傍に開口する給水用長管24を備えてもよい。なお、領域AR01以外の領域には、プール水Wclが存在する。給水管としての給水用長管24は、例えば、大径の外側管24bと、外側管24bよりも小径の内側管24cとを有する。内側管24cは、外側管24bの内部に含まれて構成される。
外側管24b及び内側管24cは、図3に示す底部114近傍に開口する。外側管24bの内周面と、内側管24cの外周面との間には、洗浄水が流れる。また、内側管24cの内側には、例えば、不活性ガスが流れる。つまり、給水用長管24の一方の端部24aからは、洗浄水と不活性ガスとがキャビティ111内に流れ出る。
これにより、一方の端部24aから噴出される不活性ガスは、気泡となる。この気泡が、一方の端部24aからキャビティ111内に供給される洗浄水を撹拌する。これにより、給水用長管24は、洗浄水をキャビティ111内において広範囲かつ、均等に供給できる。
なお、給水用長管24は、二重管に限定されず、例えば、洗浄水を撹拌する不活性ガス専用の配管を、洗浄水専用の配管の近傍に設けてもよい。但し、この場合、不活性ガス用の配管が増えた分、一次蓋115aに設ける貫通孔が増加する。
また、キャビティ111内に供給する洗浄水を撹拌するためにキャビティ111内に不活性ガスを供給する場合、キャスク洗浄装置10は、キャビティ111内における不活性ガスの圧力を適正に保つドレン孔を備えると好ましい。あるいは、キャビティ111内の水位の変動に伴うキャビティ111内のガス圧の変動を生じさせないように、キャビティ111内の排水管に所定の圧力以上になるとガスを逃がす弁であるリリース弁等を設けてガス量に対応できるのであれば、これを利用するのも有効である。
前記ドレン孔は、例えば、後述する排水用長管15が給水用短管14と同様に二重管に構成される。キャビティ111内の余剰な不活性ガスは、二重に構成された管のうち、内側管と外側管との間を介してキャビティ111内からキャビティ111外に排出される。この場合、内側管と外側管との間は、キャビティ111内で水が存在しない領域、例えば領域AR01に開口する。
キャビティ111内の余剰な不活性ガスは、二重に構成された管のうち、内側管の内部を介してキャビティ111内からキャビティ111外に排出されてもよい。この場合、内側管は、外側管の外周部に開口を有する。ここで、前記開口は、キャビティ111内で水が存在しない領域、例えば領域AR01に開口する。
または、キャスク洗浄装置10は、一方の端部24aが三重管に構成され、3つの配管によって形成される3つの空間のうち、1つの空間を介して、キャビティ111内の余剰な不活性ガスがキャビティ111内からキャビティ111外に排出されてもよい。
なお、キャスク洗浄装置10は、不活性ガスによって洗浄水を攪拌すると好ましいが、本実施形態はこれに限定されない。キャスク洗浄装置10は、少なくとも、キャビティ111内に洗浄水を供給して、キャビティ111内のプール水Wclと洗浄水とを置換できればよい。
排水用長管15は、図5に示すように、第2貫通孔11bから取り外しできるように、第2貫通孔11bに挿入されて設けられる。排水用長管15には例えばフランジが設けられており、一次蓋上面にボルトにより締結される。これにより、排水用長管15は、第2貫通孔11bに隙間無く取り付けられる。
排水用長管15は、一方の端部15aが底部114近傍に開口し、他方の端部15bが排水処理系に接続される。排水用長管15は、キャビティ111内のプール水Wcl及び洗浄水をキャビティ111外である排水処理系へ排出する。よって、排水用長管15は、キャビティ111内で、最も鉛直方向下側の位置に設けられると好ましい。これにより、キャビティ111内のプール水Wcl及び洗浄水をより多くキャビティ111内からキャビティ111外の排水処理系へ排出できる。
また、図4に示す領域AR01に設けた開閉自在の開口22bを有する排水用長管22でも排水用長管15の機能を実現できる。つまり、領域AR01の範囲にある開閉自在の開口22bを閉じて、一方の端部12aからキャビティ111内の水を吸い込んで、排水処理系へ排水する。さらに、領域AR01に開閉自在の開口22bと一方の端部12aを選択的に開閉できる機能を実現するものでもよい。
つまり、開口22bが閉で、一方の端部12aは開となるので、プール水Wclを吸い込んで排水し、排水処理系へ排水する。このように排水用長管22を使用する場合は、一方の端部12aの近辺の水位で制御する必要があるので、一方の端部12aの近くに水センサD02を設ける。
排水用長管15は、例えば、領域AR01の範囲に、水位検出手段としての水センサD02を有する。水センサD02は、水センサD02が水に触れているか否かを検出する。水センサD02は、例えば、第1検出素子D02aと、第2検出素子D02bとを含んで構成される。
第1検出素子D02aは、第2検出素子D02bよりも底部114側に設けられる。第2検出素子D02bは、領域AR01のうち、第1検出素子D02aよりも一次蓋115a側に設けられる。なお、第2検出素子D02bは、底部114から所定値βの高さに設けられる。
また、第1検出素子D02aの設置位置は、領域AR01内に限定されず、キャビティ111内であって、後述する第2検出素子D03bよりも底部114側であればどこに設けられてもよい。より好ましくは、第1検出素子D02aは、底部114近傍に設けられる。
これにより、キャスク洗浄装置10は、キャビティ111内の水位が、第1検出素子D02aよりも低下し、第1検出素子D02aが水中から露出するおそれを抑制できる。よって、キャスク洗浄装置10は、リサイクル燃料120の温度上昇を抑制できる。なお、第2検出素子D02bは、領域AR01内に必ず設けられる。
水センサD02は、第2検出素子D02bから第1検出素子D02aへ電気を流し、第2検出素子D02bと第1検出素子D02aとの間に流れる電流の量により、キャビティ111内のプール水Wcl及び洗浄水の水位が所定値β以上であるか否かを検出する。なお、水センサD02は、水位調節装置40と電気的に接続される。これにより、水位調節装置40は、キャビティ111内の水位の情報を水センサD02から取得する。
また、排水用長管15は、例えば、領域AR01の範囲に、水位検出手段としての水センサD03を有する。水センサD03は、水センサD03が水に触れているか否かを検出する。水センサD03は、例えば、第1検出素子D03aと、第2検出素子D03bとを含んで構成される。
第1検出素子D03aは、第2検出素子D03bよりも底部114側に設けられる。第2検出素子D03bは、領域AR01のうち、第1検出素子D03aよりも一次蓋115a側であって、第2検出素子D02bよりも底部114側に設けられる。なお、第2検出素子D03bは、底部114から所定値γの高さに設けられる。
また、第1検出素子D03aは、領域AR01内に限定されず、キャビティ111内であって、第2検出素子D03bよりも底部114側であればどこに設けられてもよい。但し、第2検出素子D03bは、領域AR01内に必ず設けられる。また、第1検出素子D03aと第1検出素子D02aとは、1つの部品として構成されてもよい。
水センサD03は、第2検出素子D03bから第1検出素子D03aへ電気を流し、第2検出素子D03bと第1検出素子D03aとの間に流れる電流の量より、キャビティ111内のプール水Wcl及び洗浄水の水位が所定値γ以上であるか否かを検出する。なお、水センサD03は、水位調節装置40と電気的に接続される。これにより、水位調節装置40は、キャビティ111内の水位の情報を水センサD03から取得する。
なお、水センサD02及び水センサD03は、電気の導通によりキャビティ111内の水位を検出するものとして説明したが、本実施形態はこれに限定されない。水センサD02及び水センサD03は、例えば、水に浮く浮きを用いてキャビティ111内の水位を水に浮く浮きの位置として検出してもよい。つまり、水センサD02及び水センサD03は、キャビティ111内の水位を検出して電気的な信号に変換できる装置であればよい。
図5に示す排水用長管15は、例えば、酸素量センサD04を有する。酸素量センサD04は、排水用長管15内を流れる単位量あたりの水に含まれる酸素量、つまり酸素濃度を検出する。酸素量センサD04は、水位調節装置40と電気的に接続される。これにより、水位調節装置40は、酸素量センサD04から排水用長管15内を流れる水、つまり、キャビティ111内の水における酸素濃度を取得する。
図8は、実施形態1に係る水位調節装置が脱酸素剤の注入を停止するまでの手順を説明するフローチャートである。図8に示すステップST301で、水位調節装置40は、洗浄水に脱酸素材の注入を開始する。次に、ステップST302で水位調節装置40は、酸素量センサD04からキャビティ111内の水における酸素濃度を取得する。次に、ステップST303で、水位調節装置40は、キャビティ111内の水における酸素濃度が所定値x以下であるか否かを判定する。
なお、所定値xは、例えば、0.5ppm以下の間の値である。これにより、キャスク洗浄装置10は、キャスク110における腐食の発生及び腐食の成長のおそれを抑制できる。なお、水の溶存酸素濃度は、常温で約8ppm、90度で0.5ppm程度である。キャスク洗浄装置10は、キャスク内の水が90度程度まで上昇する場合であっても、通常の溶存酸素濃度よりも低くすることにより、水中の溶存酸素だけでなく、キャビティ内のガス空間の酸素濃度も低減できる。さらに、キャスク洗浄装置10は、ガスケット部の酸素濃度を低減できる。これにより、キャスク洗浄装置10は、ガスケット部の腐食の発生を抑えることができる。
ステップST303で、水位調節装置40によってキャビティ111内の水における酸素濃度が所定値xより大きいと判定されると(ステップST303、No)、水位調節装置40によってキャビティ111内の水における酸素濃度が所定値x以下であると判定されるまでステップST302、及びステップST303を繰り返す。
なお、この間、図5に示す給水用短管14からは洗浄水がキャビティ111内に供給され、排水用長管15からはプール水Wclを含む水が排出されている。ここで、本実施形態では洗浄水に含まれる酸素量が通常の純水よりも低減されている。これにより、キャビティ111内の水における酸素濃度は次第に低下する。
ステップST303で、水位調節装置40によってキャビティ111内の水における酸素濃度が所定値x以下であると判定されると(ステップST303、Yes)、水位調節装置40は、キャビティ111内の洗浄が完了したものとみなす。よって、ステップST304で、図5に示す水位調節装置40は、脱酸素剤の注入を停止する。
なお、水位調節装置40は、例えば表示部を備え、キャビティ111内の水における酸素濃度が所定値x以下になった場合に、作業員に対して、脱酸素剤の注入を停止する指示を出してもよい。
図9は、実施形態1に係るキャスク洗浄装置を模式的に示す断面図である。図9は、二次排水手順時の、キャスク洗浄装置10の態様を示す。キャスク洗浄装置10は、図9に示すように、上述の構成に加えて、不活性ガス供給管18と、酸素濃度センサ用貫通孔11dと、酸素濃度計D06とを備える。不活性ガス供給管18は、図3、図4に示す逆止弁付管13が、ガスにも対応できるものであれば、不活性ガス供給管18として用いてもよい。
不活性ガス供給管18は、キャビティ111内に、不活性ガスを供給する。不活性ガス供給管18は、第1貫通孔11aから取り外しできるように、第1貫通孔11aに挿入されて設けられる。不活性ガス供給管18は、例えばフランジを有する。不活性ガス供給管18は、一次蓋115aに形成される第1貫通孔11aに前記フランジによって隙間無く取り付けられる。
また、不活性ガス供給管18が、図3、図4に示す逆止弁付管13としても対応できるものであれば、逆止弁付管13として用いてもよい。この場合、洗浄作業の初期に容器内に形成される空間に不活性ガスを導入できるので、不活性ガス供給管18と、逆止弁付管13は兼用できることが一次蓋に開口を増やすことを回避できるので望ましい。
不活性ガス供給管18は、一方の端部18aがキャビティ111内に開口し、他方の端部18bが不活性ガスの供給源であるボンベへ接続される。なお、不活性ガス供給管18は、一方の端部18aが必ずしもキャビティ111内に開口しなくてもよい。不活性ガス供給管18は、例えば、第1貫通孔11aの途中まで挿し込まれて取り付けられてもよい。
また、例えば、一次蓋115aは、第1貫通孔11aのキャビティ111の外側に不活性ガス供給管18用の取り付け部が形成される。不活性ガス供給管18は、一次蓋115aの第1貫通孔11aに挿入されることなく、前記取り付け部に取り付けられてもよい。これらの構成でも、不活性ガス供給管18は、キャビティ111内に不活性ガスを供給できる。
酸素濃度センサ用貫通孔11dは、一次蓋115aの厚み方向に貫通する。酸素濃度センサ用貫通孔11dは、キャビティ111内と、キャビティ111外とを連通するように、係合面115c部分を避けて一次蓋115aに形成される。ここで、酸素濃度センサ用貫通孔11dは、酸素濃度計D06が取り外しできるように挿入されて設けられる。酸素濃度計D06は、キャビティ111内の気体中における酸素濃度を計測し表示する。酸素濃度計D06は、例えば円柱状に形成される。
この時、キャビティ111内にはリサイクル燃料120が収納されているため、酸素濃度計D06は、酸素濃度センサ用貫通孔11dに隙間無く取り付けられると好ましい。よって、酸素濃度センサ用貫通孔11dの内周面には、例えば、雌ネジ部分が形成される。
また、酸素濃度計D06は、酸素濃度センサ用貫通孔11dの内周面に形成された雌ネジに嵌め合わされる雄ネジ部分を外周面に有する。これにより、酸素濃度計D06は、酸素濃度センサ用貫通孔11dの内周面に形成された雌ネジ部分に酸素濃度計D06の外周面に形成された雄ネジ部分がねじ込まれて、酸素濃度センサ用貫通孔11dに隙間無く取り付けられる。
なお、酸素濃度計D06は、一次蓋115aに取り付けられるためのフランジを備えてもよい。酸素濃度計D06は、一次蓋115aに形成される酸素濃度センサ用貫通孔11dに前記フランジによって隙間なく取り付けられる。
なお、キャスク洗浄装置10は、例えば、不活性ガス供給管18の外周部に検出部が露出するように不活性ガス供給管18に酸素濃度計D06が設けられてもよい。検出部の露出位置は不活性ガス供給管18の開口部18aより一次蓋よりで、一次蓋115aの底面よりも容器の底部よりの領域AR01内に露出させることで、一次蓋115aの酸素濃度センサ用貫通孔11dが設けられる必要がない。これにより、開口部の増加を回避できるので、キャスク洗浄装置10は、キャビティ111内の流体がキャビティ111外に漏出するおそれを抑制でき、長期間の貯蔵を前提とするキャスクでは、好ましいことである。
また、第1貫通孔11a、第2貫通孔11b、酸素濃度センサ用貫通孔11dは、蓋部115が胴本体113に完全に取り付けられる際に全て開口が封止プラグ等で封じられる。上述のように、不活性ガス供給管18の外周部に検出部が突出するように不活性ガス供給管18に酸素濃度計D06が設けられると、一次蓋115aは酸素濃度センサ用貫通孔11dが形成されない。よって、キャスク洗浄装置10は、作業員による一次蓋115aに形成される孔は、封止プラグ等で封じる作業量を低減できる。
あるいは、この、不活性ガス供給管18と、酸素濃度計D06は、前記給水用短管14の内部を通過して、前記給水用短管14の端部14aより一次蓋よりで、一次蓋115aの底面よりも容器の底部よりの領域AR01内に、不活性ガス供給管18の開口と、酸素濃度計D06の検出部を互いに逆向きに露出させることで、一次蓋115aに開口部の増加をさらに回避できるので、長期間の貯蔵を前提とするキャスクでは、より好ましいことである。
この他にも、逆止弁付管13と給水用短管14を共用したりして、本キャスク洗浄装置10は、兼用できるものを共用することで、一次蓋の開口部が増加するのを回避して、キャビティ111内の流体がキャビティ111外に漏出するおそれを抑制することで、長期間の貯蔵を前提とするキャスクの信頼性を確保できる。
上記構成により、キャスク洗浄装置10は、プール水Wclを含む水が一次蓋115a側に上昇し、台座面113aと係合面115cとの隙間と、金属ガスケット117とが、プール水Wclを含む水に浸るおそれを抑制する。また、キャスク洗浄装置10は、キャビティ111内の酸素濃度及び塩素の濃度またはほう素の濃度を低減できる。これにより、キャスク洗浄装置10は、台座面113a、係合面115c、金属ガスケット117、キャビティ111内に発生する腐食を抑制できる。
また、キャスク洗浄装置10は、キャビティ111内の水位を所定値γ以上に維持する。これにより、キャスク洗浄装置10は、リサイクル燃料120がプール水Wclから露出するおそれを抑制できる。よって、キャスク洗浄装置10は、リサイクル燃料120の温度上昇を抑制できる。
あるいは、排水用長管22として、図4に示す開閉自在の開口22bを有する排水用長管15を用いる場合は、端部12aを閉じて、領域AR01の範囲にある開閉自在の開口22bを開いて、前記リサイクル燃料によって暖められて、容器内を上昇し、水面付近に滞留する容器内でも高温の水を吸い込んで、効率よく高温の水を排水することで、キャスク洗浄装置10は、リサイクル燃料120の温度上昇を抑制できる。
また、キャスク洗浄装置10は、洗浄水が冷却水として機能する。ここで、上述のように、リサイクル燃料120の温度が上昇すると、リサイクル燃料120の熱が一次蓋115aに伝わって一次蓋115aの温度が上昇する。キャスク洗浄装置10は、前記洗浄水が冷却水として機能して、一次蓋115aの温度を低減できる。
なお、一次蓋115aを胴本体113に取り付ける際、作業員は、一次蓋115a上で作業をする。よって、作業員は、キャスク洗浄装置10によって一次蓋115aの温度上昇が低減されて、より安全に一次蓋115aを胴本体113に取り付けられる。
図10は、実施形態1に係る他のキャスク洗浄装置の構成を示す模式図である。図11は、実施形態1に係る他のキャスク洗浄装置の構成を示す模式図である。キャスク洗浄装置10は、キャビティ111内に洗浄水を供給し、キャビティ111内の水は排水処理装置へと排出するが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、図10に示すように、キャスク洗浄装置10Aは、キャビティ111から排出された水に所定の処理を加えて再度キャビティ111内に供給する。
キャスク洗浄装置10Aは、不純物除去装置31と、循環ポンプPcと、クーラー32と、配管33と、配管34とを含んで構成される。不純物除去装置31は、排水用長管15内を流れる水に含まれる不純物(クラッド等の固形物や特に塩素及びほう素)を除去する。
また、キャスク洗浄装置10は、給水管として排水用長管15を、排水管として給水用短管14を配置してもよい。この場合、前記リサイクル燃料によって暖められて、容器内を上昇し、水面付近に滞留する容器内でも高温の水を吸い込んで、効率よく高温の水を排水することで、キャスク洗浄装置10は、キャビティ111内の水温上昇を抑制できる。
循環ポンプPcは、配管内の水を循環させる。クーラー32は、前記水を冷却する。排水用長管15の他方の端部15bは、不純物除去装置31に接続される。これにより、不純物除去装置31にはキャビティ111内の水が供給される。
配管33は、不純物除去装置31と循環ポンプPcとを接続する。また、配管34は、循環ポンプPcとクーラー32とを接続する。これにより、不純物除去装置31に供給された水は、循環ポンプPcによってクーラー32へ導かれる。また、給水用短管14の他方の端部14bはクーラー32に接続される。これにより、クーラー32によって、冷却された水は、給水用短管14を介してキャビティ111内に供給される。この時、クーラー32からキャビティ111に導かれる水には、脱酸素剤が加えられる。
なお、脱酸素剤は、不純物除去装置31よりも水の流れの下流側で前記水に加えられればよい。また、循環ポンプPcは、例えば、不純物除去装置31とクーラー32との間に設けられるが、不純物除去装置31よりも水の流れの上流側に設けられてもよいし、クーラー32よりも水の流れの下流側に設けられてもよい。
さらに、不純物除去装置31には、脱酸素剤を除去できる機能回路を前記不純物(クラッド等の固形物や特に塩素及びほう素)を除去する回路と平行に配置することが、望ましい。キャビティ内の酸素濃度が規定以下になった段階で、脱酸素剤の供給はとめられるが、キャビティ内に過剰な脱酸素剤が残る恐れを排除するために、前記脱酸素剤を除去できる機能を備えた回路を設け、前記脱酸素剤を除去できる機能を備えた回路には、脱酸素剤の濃度を計測できるセンサを配置して、キャビティ内からの水に残存する過剰な脱酸素剤が除去されたことを確認できるようにして、キャビティ内に余分な成分が含まれないようにすることで、腐食に対して、より信頼できる環境を提供できる。
上記構成により、キャスク洗浄装置10Aは、排水処理装置に送られる水の量を低減しつつ、キャビティ111内に供給する洗浄水における酸素濃度と塩素の濃度及び、ほう素の濃度とを低減して、キャスク洗浄装置10と同等の効果を奏する。
なお、キャスク洗浄装置10Aは、図11に示すように、例えば、不純物除去装置31と循環ポンプPcとの間に脱気塔35を備える構成のキャスク洗浄装置10Bであってもよい。この場合、キャスク洗浄装置10Bは、脱酸素剤を水に加える必要がない。
キャスク洗浄装置10Bは、脱気塔35と、真空ポンプPaと、配管36とを備える。脱気塔35は、水中に含まれる酸素を除去する。真空ポンプPaは、配管36によって脱気塔35と接続される。また、脱気塔35は、排気浄化系に接続される。これにより、脱気塔35によって水中から除去された酸素は、真空ポンプPaによって配管36を介して排気浄化系に導かれる。また、脱気塔35によって、酸素を除去された水は、循環ポンプPcによってクーラー32に導かれる。
上記構成により、キャスク洗浄装置10Bは、排水処理装置に送られる水の量を低減しつつ、キャビティ111内に供給する洗浄水における酸素濃度と塩素の濃度及び、ほう素の濃度とを低減して、キャスク洗浄装置10と同等の効果を奏する。
図12は、実施形態1に係るキャスク洗浄方法の作業手順を説明するフローチャートである。以下で説明するキャスク洗浄方法は、上述のキャスク洗浄装置10を用いて実行される。
図12に示すように、ステップST401で、作業員は、キャスク110をプール内に沈める。このときキャスク110は、蓋部115が取り付けられていない。次に、ステップST402で、作業員は、プール内でキャスク110のキャビティ111内にリサイクル燃料120を収納する。
次に、ステップST403で、作業員は、プール水Wcl中で胴本体113に一次蓋115aを仮に設置する。次に、ステップST404で、作業員は、キャスク110をピット内の中間床に設置する。なお、ピット内の中間床とは、キャスク110を作業用フロアに移動させる前に、一次蓋115a周辺のプール水Wclを排除するためにキャスク110が仮に設置される床である。
なお、プールに入れる前に、ジャッキボルトをセットしても良く、この場合は、ステップST409での作業量を軽減できる。また、プールに入れる前に、ジャッキボルトを係合部に隙間が生じるようにセットしても良く、この場合は、ステップST409での作業をほぼ省ける。
次に、ステップST405で、作業員は、一次蓋115a周辺のプール水Wclを排除する。次に、ステップST406で、作業員は、キャスク110をクレーンによって吊り上げ、作業フロアへ移動する。次に、ステップST407で、作業員は、図3に示す様に、排水用短管12を第2貫通孔11bに取り付け、逆止弁付管13を第1貫通孔11aに取り付ける。
次に、ステップST408で、作業員は、キャビティ111内のプール水Wclをキャビティ111内から100〜200リットル程度を排出する。この時、排水用短管12は、上述のように一方の端部12aが領域AR01に開口する。よって、キャビティ111内の水位は、燃料棒頭部120aより底部114側へ下降しない。これにより、リサイクル燃料120は、プール水Wclから露出するおそれが低減される。結果として、前記キャスク洗浄方法は、リサイクル燃料120の温度上昇を抑制できる。
但し、一次蓋にジャッキボルトをあらかじめ係合部に所定の隙間(2〜3mm)が生じるようにセットして、プールで胴本体に一次蓋を仮接地している場合は、ステップST408で、一次蓋と容器の係合部の隙間も洗浄する。
また、前記排水作業により生じる、前記領域AR01の前記空間内の気体として、当初から不活性ガスを導入することにより、容器内の気中の酸素を排除して酸素に起因する腐食につながる現象の排除、あるいは低減がより容易になるので、この段階での不活性ガスの供給が好ましい。
より好ましいのは、前記排水作業の開始に伴い、排水量を僅かにでも上回る不活性ガスを供給し、係合面が気中にさらされた段階では不活性ガスに包まれるのが、腐食防止の点で最も望ましい。但し、この段階での不活性ガスの供給は蓋間からキャビティ外に漏れる不活性ガスを特定の領域に閉じ込め処理・処分できる設備を備えることが前提となる。
また、図4に示すように、第2貫通孔11bは、排水用短管12に代えて排水用長管22が取り付けられてもよい。排水用長管22は、上述のように、領域AR01のみに開口22bを有する。よって、キャビティ111内の水位は、燃料棒頭部120aより底部114側へ下降しない。これにより、リサイクル燃料120は、プール水Wclから露出するおそれが低減される。結果として、前記キャスク洗浄方法は、リサイクル燃料120の温度上昇を抑制できる。
次に、ステップST409で、作業員は、図6に示すように、ジャッキボルト用貫通孔11cにジャッキボルト17を取り付けて、係合面115cと台座面113aとの間に例えば2〜3mmほど隙間を発生させる。次に、ステップST410で、作業員は、洗浄水で一次蓋115a周辺を洗浄する。また、作業員は、金属ガスケット117が配置される溝と連通する金属ガスケット洗浄用リーク孔や前記隙間から洗浄水を供給して、係合面115c、台座面113a、金属ガスケット117を洗浄する。但し、一次蓋にジャッキボルトをあらかじめ係合部に所定の隙間(2〜3mm)が生じるようにセットして、プールで胴本体に一次蓋を仮接地している場合は、ジャッキボルトをセットする作業を省ける。
この時、係合面115c、台座面113a、金属ガスケット117を洗浄後の洗浄水が、キャビティ111内に流入する。これにより、キャビティ111内における水の水位が上昇するおそれがある。しかしながら、図3に示す水位調節装置40が、キャビティ111内の水位を所定値αよりも小さい範囲に維持する。これにより、前記キャスク洗浄方法は、キャビティ111内の水位が台座面113aの高さまで上昇するおそれを抑制できる。
次に、ステップST411で、作業員は、ジャッキボルト17を緩め、一次蓋115aをジャッキダウンする。そして、作業員は、一次蓋115aを胴本体113に取り付けるボルトを仮締めする。次に、ステップST412で、作業員は、図3及び図4に示す第1貫通孔11aから逆止弁付管13を取り外し、図5に示すように給水用短管14を第1貫通孔11aに取り付ける。
また、作業員は、図3に示す第2貫通孔11bから排水用短管12を取り外し、または図4に示す第2貫通孔11bから排水用長管22を取り外し、図5に示すように排水用長管15を第2貫通孔11bに取り付ける。なお、作業員は、図7に示すように、第1貫通孔11aに給水用長管24を取り付けてもよい。
次に、ステップST413で、作業員は、図5に示すように、給水用短管14を介して洗浄水をキャビティ111内に供給する。また作業員は、排水用長管15を介してキャビティ111内からキャビティ111外へプール水Wclを含む水を排出する。これにより、作業員は、キャビティ111内のプール水Wclを洗浄水によって薄めて、キャビティ111内からキャビティ111外へ排出する。なお、作業員は、図7に示すように、給水用長管24を介して洗浄水をキャビティ111内に供給してもよい。
この時、図5に示す水位調節装置40は、キャビティ111内のプール水Wclを含む水の水位が一次蓋115a側に上昇することによる台座面113aと係合面115cとの隙間と、金属ガスケット117とが、プール水Wclを含む水に浸るおそれを低減する。結果として、前記キャスク洗浄方法は、台座面113aと係合面115cとの隙間と、金属ガスケット117とに発生する腐食を抑制できる。
また、水位調節装置40は、リサイクル燃料120を冷却する機能を実現するキャビティ111内の水の水位が底部114側に下降し、リサイクル燃料120が水から露出するおそれを抑制する。結果として、前記キャスク洗浄方法は、リサイクル燃料120の温度上昇を抑制できる。
この時、キャビティ111内の水位は、上述したように、水位調節装置40によって、所定値γ以上、所定値β以下の範囲に維持される。よって、キャスク洗浄装置10は、プール水Wclを含む水が一次蓋115a側に上昇し、台座面113aと係合面115cとの隙間と、金属ガスケット117とが、プール水Wclを含む水に浸るおそれを抑制する。
これにより、キャスク洗浄装置10は、台座面113a、係合面115c、金属ガスケット117に発生する腐食を抑制できる。また、リサイクル燃料120は、プール水Wclから露出するおそれが低減される。よって、前記キャスク洗浄方法は、リサイクル燃料120の温度上昇を抑制できる。
次に、ステップST414で、作業員は、一次蓋115aを胴本体113にボルトによって完全に固定して取り付ける。この時、作業員は、一次蓋115aと胴本体113とを溶接してもよい。
次に、排水用長管15内を流れる水における酸素濃度が所定値x以下、かつ、塩素の濃度またはほう素の濃度が所定値y以下になり、キャビティ111内の洗浄が完了したと水位調節装置40によりみなされた後、ステップST415で、作業員は、図5に示す第1貫通孔11aから給水用短管14を取り外し、図9に示すように、第1貫通孔11aに不活性ガス供給管18を取り付ける。また、酸素濃度センサ用貫通孔11dに酸素濃度計D06を取り付ける。
この状態で、作業員は、不活性ガス供給管18を介してキャビティ111内へ不活性ガスを供給する。加えて作業員は、キャビティ111内の水を、排水用長管15を介して全てキャビティ111内からキャビティ111外へ排出する。なお、本実施形態では、キャビティ111内の洗浄が完了したとみなされると、水位調節装置40は図8に示す手順を実行する。
この段階での不活性ガスの供給は蓋間からキャビティ外に漏れる不活性ガスは存在しないので、不活性ガスを特定の領域に閉じ込め処理・処分できる設備を備える必要がないので、経済的に不活性ガスを供給できる利点がある。
次に、ステップST416で、作業員は、図9に示す排水用長管15を第2貫通孔11bから取り外し、例えば、第2貫通孔11bに真空乾燥用工具を取り付けする。次に、ステップST417で、作業員は、キャビティ111内を真空乾燥させる。
次に、ステップST418で、作業員は、図9に示す不活性ガス供給管18から、不活性ガスとして例えばヘリウムガスをキャビティ111内に供給する。この時、作業員は、酸素濃度計D06が検出したキャビティ111内の酸素濃度を確認しつつキャビティ111内にヘリウムガスを供給する。作業員は、キャビティ111内の酸素濃度が、例えば0.1%以下になったら、ヘリウムガスのキャビティ111内への供給を停止する。
次に、ステップST419で、作業員は、真空乾燥用工具を第2貫通孔11bから取り外し、不活性ガス供給管18を第1貫通孔11aから取り外す。また、作業員は、酸素濃度計D06を酸素濃度センサ用貫通孔11dから取り外す。また、作業員は、第1貫通孔11a、第2貫通孔11b、酸素濃度センサ用貫通孔11dを封止プラグ等で封ずる。
上記手順により、本実施形態に係るキャスク洗浄方法は、プール水Wclを含む水が一次蓋115a側に上昇し、台座面113aと係合面115cとの隙間と、金属ガスケット117とが、プール水Wclを含む水に浸るおそれを抑制する。また、前記キャスク洗浄方法は、キャビティ111内の酸素濃度及び塩素の濃度またはほう素の濃度を低減できる。結果として、前記キャスク洗浄方法は、台座面113a、係合面115c、金属ガスケット117、キャビティ111内における腐食の発生及び腐食の成長を抑制できる。
また、前記キャスク洗浄方法は、キャビティ111内の水位を所定値γ以上に維持する。これにより、前記キャスク洗浄方法は、リサイクル燃料120がプール水Wclから露出するおそれを抑制できる。よって、前記キャスク洗浄方法は、リサイクル燃料120の温度上昇を抑制できる。
また、前記キャスク洗浄方法は、洗浄水が冷却水として機能する。よって、前記キャスク洗浄方法は、一次蓋115aの温度を低減できる。よって、一次蓋115aを胴本体113に取り付ける際に、作業員は、温度が低減された一次蓋115aの上で安全に取り付け作業を行える。
このように、キャスク洗浄装置10及び前記キャスク洗浄方法は、従来よりもさらに良好に、金属ガスケット117のみならず、キャスク110内に収納されるバスケット112やリサイクル燃料120に発生する腐食を抑制できる。
(実施形態2)
上述したように、図5に示すキャスク洗浄装置10は、排水用長管15が給水管として用いられ、給水用短管14が排水管として用いられてもよい。以下に、この場合の具体的な実施形態を説明する。
図13は、希釈手順時の実施形態2のキャスク洗浄装置を示す断面図である。実施形態2のキャスク洗浄装置50は、給水管51と、排水用短管52とを備える。給水管51は、例えば、第2貫通孔11bに着脱できるように挿入される。なお、給水管51は、第1貫通孔11aに挿入されてもよい。本実施形態では、給水管51は、第2貫通孔11bに挿入されるものとして説明する。
給水管51は、一方の端部51aがキャビティ111内に開口し、他方の端部51bが給水用ポンプPiに接続される。給水用ポンプPiは、洗浄水供給源30に接続される。給水用ポンプPiは、洗浄水供給源30から給水管51を介してキャビティ111内に洗浄水を供給する。
排水用短管52は、第1貫通孔11aに取り付けられる。排水用短管52は、一方の端部52aがキャビティ111内に開口し、他方の端部52bが排水用ポンプPoに接続される。排水用短管52は、端部52aが領域AR01に開口する。具体的には、端部52aは、底部114から所定値γの高さに設けられる。
端部52aは、最も望ましくは一次蓋115aの底部114側の底面115dと、燃料棒頭部120aとの間に開口する。ここで、排水用ポンプPoは、排水用短管52の端部51aがキャビティ111内の水に浸かっていないと、キャビティ111内の水を排出できない。
よって、キャビティ111内の水位は、燃料棒頭部120aよりも底部114側にはならない。これにより、キャスク洗浄装置50は、リサイクル燃料120の燃料棒頭部120aが水から露出するおそれを抑制できる。
ここで、端部52aは、底面115dと、リサイクル燃料120を格納するバスケットの上端との間に開口してもよい。また、端部52aは、底面115dと、リサイクル燃料120の発熱部との間に開口してもよい。これにより、キャスク洗浄装置50は、リサイクル燃料120の発熱部が水から露出するおそれを抑制できる。
このように、キャスク洗浄装置50は、図5に示す水センサD03を備えなくても、キャビティ111内の水位が所定値γ未満になるおそれを抑制できる。よって、キャスク洗浄装置50は、水センサD03を省略できる分、製造されるためのコストを削減できる。また、水センサD03と水位調節装置40とを接続する配線が不要となるため、キャスク洗浄装置50は、自身の構成をシンプルにできる。
ここで、排水用短管52は、図4に示す排水用長管22のように、領域AR01に開閉自在の開口を備える構造でもよい。この場合、排水用短管は、底部114から所定値γの高さに前記開口が形成される。キャスク洗浄装置50は、前記開口が開いた状態で排水用ポンプPoが稼動されてキャビティ111内から水を排出する。
この場合でも、キャスク洗浄装置50は、前記開口と底部114との間の水を排水用ポンプPoが吸い込めない。よって、キャスク洗浄装置50は、図5に示す水センサD03を備えなくても、リサイクル燃料120の発熱部が水から露出するおそれを抑制できる。
ここで、図13に示す水位調節装置40は、連続してキャビティ111内に洗浄水を供給するように給水用ポンプPiを制御してもよいし、断続してキャビティ111内に洗浄水を供給するように給水用ポンプPiを制御してもよい。
給水用ポンプPiが連続してキャビティ111に洗浄水を供給する場合、給水用ポンプPiがキャビティ111内に供給する洗浄水の流量は、排水用短管52の端部52aが水に浸かっている際に排水用ポンプPoがキャビティ111内から排出する水の流量よりも少ない。なお、前記流量は、単位時間に管内のある断面を通過する水の体積である。
これにより、キャスク洗浄装置50は、キャビティ111内の水の水位が現在の水位よりも上昇することがない。よって、キャスク洗浄装置50は、台座面113aと係合面115cとの隙間と、金属ガスケット117とが、プール水Wclを含んでいるおそれがある水に浸るおそれを抑制できる。
給水用ポンプPiが断続して洗浄水をキャビティ111に供給する場合、給水用ポンプPiは、例えば、所定体積未満の洗浄水を所定時間以上の間隔をあけてキャビティ111内に供給する。ここで、所定体積とは、端部52aと底面115dとの間のキャビティ111の体積である。また、所定時間は、所定体積分の水を排水用ポンプPoがキャビティ111内から排出するために要する時間である。
これにより、キャスク洗浄装置50は、排水用ポンプPoが端部52aと底面115dとの間のキャビティ111内の水をすべて排出してから、給水用ポンプPiがキャビティ111内に所定体積未満の洗浄水を供給する。よって、キャビティ111内の水の水位は、一次蓋115aに到達しない。
これにより、キャスク洗浄装置50は、台座面113aと係合面115cとの隙間と、金属ガスケット117とが、プール水Wclを含んでいるおそれがある水に浸るおそれを抑制できる。
このように、キャスク洗浄装置50は、図5に示す水センサD02を備えなくても、キャビティ111内の水位が蓋部115の底面115dに到達するおそれを抑制できる。よって、キャスク洗浄装置50は、水センサD02を省略できる分、製造されるためのコストを削減できる。また、水センサD02と水位調節装置40とを接続する配線が不要となるため、キャスク洗浄装置50は、自身の構成をシンプルにできる。
但し、より確実にキャビティ111内の水位が蓋部115の底面115dに到達するおそれを抑制するのであれば、キャスク洗浄装置50は、水センサD02を備えると好ましい。この場合、水位調節装置40は、水センサD02がキャビティ111内の水に接触すると給水用ポンプPiによるキャビティ111内への洗浄水の供給を停止する。これにより、キャスク洗浄装置50は、キャビティ111内の水位が蓋部115の底面115dに到達するおそれをより確実に抑制できる。
ここで、給水管51は、図3に示す排水用短管12でもよい。この場合、図6に示す散水ノズル16が、給水管51の端部51aに設けられると好ましい。これにより、キャスク洗浄装置50は、より広範囲に、より均等に洗浄水を供給できる。
但し、キャスク洗浄装置50は、希釈手順の後に、二次排水手順が実行される。よって、キャスク洗浄装置50は、給水管51の端部51aが底部114側に開口すると、二次排水手順時に給水管51が図5に示す排水用長管15としての機能を実現できる。
この場合、キャスク洗浄装置50は、希釈手順の後に、給水管51の端部51bが排水用ポンプPoに接続される。よって、キャスク洗浄装置50は、給水管51を排水用長管として機能させて、キャビティ111内から水を排出できる。これにより、キャスク洗浄装置50は、給水管51を第2貫通孔11bから取り外して新たな給水用短管を第2貫通孔11bに取り付ける作業を省略できる。以下の説明では、給水管51は、長管であるものとして説明する。
図14は、実施形態2に係るキャスク洗浄方法の作業手順を説明するフローチャートである。以下に、上述のキャスク洗浄装置50を用いたキャスク洗浄方法の作業手順を説明する。なお、以下に説明するキャスク洗浄方法は、図12に示すキャスク洗浄方法と同一の手順が含まれる。
よって、以下では、図12に示す実施形態1のキャスク洗浄方法と異なる手順のみ説明する。本実施形態のキャスク洗浄方法は、実施形態1のステップST412に代えてステップST512を含み、実施形態1のステップST413に代えてステップST513を含み、実施形態1のステップST415に代えてステップST515を含み、実施形態1のステップST416に代えてステップST516を含む。
図14に示すように、ステップST512で、作業員は、図3及び図4に示す第1貫通孔11aから逆止弁付管13を取り外し、図13に示すように排水用短管52(短管)を第1貫通孔11aに取り付ける。
また、作業員は、図3に示す第2貫通孔11bから排水用短管12を取り外し、または図4に示す第2貫通孔11bから排水用長管22を取り外し、図13に示すように給水管51(長管)を第2貫通孔11bに取り付ける。なお、図3に示す排水用短管12を第2貫通孔11bから取り外しせずに、排水用短管12を図13に示す排水用短管52として用いてもよい。この場合、作業員は、第1貫通孔11aに図13に示す給水管51を取り付ける。
次に、ステップST513で、作業員は、図13に示すように、給水管51を介して洗浄水をキャビティ111内に供給する。また、作業員は、排水用短管52を介してキャビティ111内からキャビティ111外へプール水Wclを含む水を排出する。これにより、作業員は、キャビティ111内のプール水Wclを洗浄水によって薄めて、キャビティ111内からキャビティ111外へ排出する。
ステップST515で、作業員は、図13に示す第1貫通孔11aから排水用短管52を取り外し、図9に示すように、第1貫通孔11aに不活性ガス供給管18を取り付ける。また、酸素濃度センサ用貫通孔11dに酸素濃度計D06を取り付ける。
この状態で、作業員は、不活性ガス供給管18を介してキャビティ111内へ不活性ガスを供給する。加えて作業員は、給水管51を排水用長管として用いて、給水管51を介してキャビティ111内からキャビティ111内の水を排出する。
次に、ステップST516で、作業員は、図13に示す給水管51を第2貫通孔11bから取り外し、例えば、第2貫通孔11bに真空乾燥用工具を取り付けする。
上記手順により、本実施形態に係るキャスク洗浄方法は、プール水Wclを含む水が一次蓋115a側に上昇し、台座面113aと係合面115cとの隙間と、金属ガスケット117とが、プール水Wclを含む水に浸るおそれを抑制する。また、前記キャスク洗浄方法は、キャビティ111内の酸素濃度及び塩素の濃度またはほう素の濃度を低減できる。結果として、前記キャスク洗浄方法は、台座面113a、係合面115c、金属ガスケット117、キャビティ111内における腐食の発生及び腐食の成長を抑制できる。
また、前記キャスク洗浄方法は、キャビティ111内の水位を所定値γ以上に維持する。これにより、前記キャスク洗浄方法は、リサイクル燃料120がプール水Wclから露出するおそれを抑制できる。よって、前記キャスク洗浄方法は、リサイクル燃料120の温度上昇を抑制できる。
また、前記キャスク洗浄方法は、洗浄水が冷却水として機能する。よって、前記キャスク洗浄方法は、一次蓋115aの温度を低減できる。よって、一次蓋115aを胴本体113に取り付ける際に、作業員は、温度が低減された一次蓋115aの上で安全に取り付け作業を行える。
このように、キャスク洗浄装置10及び前記キャスク洗浄方法は、従来よりもさらに良好に、金属ガスケット117のみならず、キャスク110内に収納されるバスケット112やリサイクル燃料120に発生する腐食を抑制できる。
以上のように、本発明に係るキャスク洗浄装置及びキャスク洗浄方法は、キャスクの洗浄に有用であり、特に、キャスクを洗浄してキャスクに発生する腐食を抑制することに適している。
10、10A、10B、50 キャスク洗浄装置
11a 第1貫通孔
11b 第2貫通孔
11c ジャッキボルト用貫通孔
11d 酸素濃度センサ用貫通孔
12 排水用短管
12a 一方の端部
12b 他方の端部
13 逆止弁付管
13a 一方の端部
13b 他方の端部
14 給水用短管
14a 一方の端部
14b 他方の端部
15 排水用長管
15a 一方の端部
15b 他方の端部
16 散水ノズル
16a 邪魔部
17 ジャッキボルト
18 不活性ガス供給管
18a 一方の端部
18b 他方の端部
22 排水用長管
22b 開口
24 給水用長管
24a 一方の端部
24b 外側管
24c 内側管
30 洗浄水供給源
31 不純物除去装置
32 クーラー
33 配管
34 配管
35 脱気塔
36 配管
40 水位調節装置
51 給水管
51a 一方の端部
51b 他方の端部
52 排水用短管
52a 一方の端部
52b 他方の端部
110 キャスク
111 キャビティ
112 バスケット
112a セル
113 胴本体
113a 台座面
114 底部
115 蓋部
115a 一次蓋
115b 二次蓋
115c 係合面
115d 底面
116 中性子遮蔽体
117 金属ガスケット
118 補助遮蔽体
120 リサイクル燃料
120a 燃料棒頭部
AR01 領域
D01、D02、D03 水センサ
D02a、D03a 第1検出素子
D02b、D03b 第2検出素子
D04 酸素量センサ
D06 酸素濃度計
Pa 真空ポンプ
Pc 循環ポンプ
Pi 給水用ポンプ
Po 排水用ポンプ

Claims (17)

  1. 底部が閉塞されていると共に上端開口部を有し、リサイクル燃料を収納するほぼ筒状の容器本体と、
    前記容器本体内に格納され、前記リサイクル燃料を格納するバスケットと、
    前記容器本体の前記上端開口部に締結される一次蓋と、
    前記容器本体の前記上端開口部と前記一次蓋との間に介装されるシール部材とからなるキャスクにおいて、
    前記一次蓋に配設され、前記容器本体中の水を排出する排水管と、
    前記容器本体内の前記水の水位を維持する水位調節手段と、
    を備えることを特徴とするキャスク洗浄装置。
  2. 前記水位調節手段は、前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上にでないように、かつ前記容器本体側の前記一次蓋との係合面よりも前記底部側に前記水位を維持することを特徴とする請求項1に記載のキャスク洗浄装置。
  3. 前記水位調節手段は、前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上にでないように、かつ前記一次蓋と前記容器本体側の係合面と前記水位の水面との間に空間を維持するように前記容器本体中の水位を調整することを特徴とする請求項1または2に記載のキャスク洗浄装置。
  4. 前記水位調節手段により前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上にでないように、かつ前記一次蓋と前記容器本体側の係合面と前記容器本体中の水面との間に維持される空間を、不活性ガスで満たすことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  5. 前記容器本体内に設けられて前記容器本体内の前記水の前記水位を検出する水位検出手段を備え、前記水位調節手段は前記水位検出手段から得た情報に基づいて前記容器本体内の前記水の前記水位を調節することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  6. 端部が前記容器本体内に開口して設けられ、前記容器本体内にキャスクを洗浄する洗浄水を供給する給水管を備え、前記水位調節手段は、前記容器本体内から前記排水管によって排出される前記水の量と、前記給水管によって前記容器本体内に供給される前記水の量との割合を調節して前記容器本体内の前記水の前記水位を調節することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  7. 前記排水管は、前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上にでないように、かつ前記一次蓋の前記容器本体との係合面と同じ高さか、前記係合面よりも前記容器本体の前記底部側に前記容器本体内に開口する部分を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  8. 前記排水管は、前記一次蓋の前記容器本体側の面である底面よりも前記底部側と前記リサイクル燃料を格納する前記バスケットの上端面との間に開口する部分を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  9. 前記排水管は、前記一次蓋の前記容器本体側の面である底面よりも前記底部側と前記リサイクル燃料の燃料棒頭部との間に開口する部分を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  10. 前記水位調節手段は、前記容器本体内に連続して供給される前記水の流量を、前記容器本体内から前記排水管によって排出される前記水の流量未満とすることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  11. 前記水位調節手段は、前記排水管の前記容器本体内に開口する部分と、前記底面との間の前記容器本体内の体積未満の前記水を、前記体積分の前記水を前記排水管が前記容器本体内から排出するために要する時間以上の間隔をあけて前記給水管から前記容器本体内に供給することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  12. 前記一次蓋に設けられ、前記容器本体の前記上端開口部に形成され前記一次蓋が載せられる台座面と前記一次蓋との間に隙間を生じさせる隙間発生手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  13. 前記キャスクを洗浄する洗浄水の酸素濃度は、大気開放された純水の酸素濃度よりも低いことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  14. 前記キャスクを洗浄する洗浄水は、脱酸素剤が含まれることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  15. 前記キャスクを洗浄する洗浄水が、脱気水であることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のキャスク洗浄装置。
  16. 底部が閉塞されていると共に上端開口部を有し、リサイクル燃料を収納するほぼ筒状の容器本体と、
    前記容器本体内に格納され、前記リサイクル燃料を格納するバスケットと、
    前記容器本体の前記上端開口部に締結される一次蓋と、
    前記容器本体の前記上端開口部と前記一次蓋との間に介装されるシール部材とからなるキャスクにおいて、前記容器本体内にリサイクル燃料を収納、密封する際、
    前記容器本体内に存在する水の水位を前記リサイクル燃料の有効発熱部が水面上に出ないように、かつ、前記一次蓋との係合面よりも前記底部側に維持するように前記容器本体内に存在する水を前記容器本体内から排出する手順と、前記容器本体の前記上端開口部に形成され前記一次蓋が載せられる台座面と前記一次蓋との間を洗浄する手順と、
    を備えることを特徴とするキャスク洗浄方法。
  17. 前記台座面と前記一次蓋との間を洗浄する手順後に、
    前記キャスクを洗浄する洗浄水を前記容器本体内に供給する給水管を前記容器本体内と前記容器本体外とを連通する取り付け部に設置し、前記容器本体内から前記水を排出する排水管を前記排水管の端部が前記容器本体の前記底部側に開口するように設置する手順と、
    前記容器本体内に存在する水の水位を前記リサイクル燃料の有効発熱部が出ないように、かつ、前記一次蓋との係合面よりも前記底部側に保ちながら、前記給水管を介して前記洗浄水を前記容器本体内に供給し、前記排水管を介して前記容器本体内に存在する水を前記容器本体内から排出する手順と、
    を備えることを特徴とする請求項16に記載のキャスク洗浄方法。
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