JP2009256967A - 法面植生保護工 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物の植え付け作業が簡単で、植物の生育が促進され、各植生穴における植物の繁茂の差が少ない法面植生保護工とする。
【解決手段】保護ブロックを並べて敷設した法面保護工の表面に植生穴を形成し、隣り合う植生穴の上部空間が保護工表面に形成した溝により連通するようにすることで、植生した植物の茎や根が溝の上を這って他の植生穴に至り、そこで生育するので、植物の生育が促進され、前記課題が解決される。
【選択図】 図5
【解決手段】保護ブロックを並べて敷設した法面保護工の表面に植生穴を形成し、隣り合う植生穴の上部空間が保護工表面に形成した溝により連通するようにすることで、植生した植物の茎や根が溝の上を這って他の植生穴に至り、そこで生育するので、植物の生育が促進され、前記課題が解決される。
【選択図】 図5
Description
本発明は、法面の崩壊を防ぎ、地山の安定を図ると共に、法面に植生を施し、自然環境を保護する法面植生保護工に関する。
法面植生保護工として、例えば下記特許文献1には、植生穴を有する保護ブロックを並べて敷設し、その植生穴に客土などの植生基材を充填し、その植生基材に植生を施す技術が開示されている。
特開平5−339946号公報
この種の法面植生保護工は、植生穴に植生基材を充填し、その植生基材に芝などの植物を植え付け、繁茂させるのであるが、次のような問題点がある。
(1)全ての植生穴に植物の植え付けをしなければならないので、植え付け作業がきわめて煩雑である。
(2)各植生穴によって植物の繁茂の状態が異なり、美感を損ねるおそれがある。
(3)一部の植生穴において植物が傷んだり枯れてしまうおそれがあり、その場合再び植え付けを行わないと復旧しない。
(1)全ての植生穴に植物の植え付けをしなければならないので、植え付け作業がきわめて煩雑である。
(2)各植生穴によって植物の繁茂の状態が異なり、美感を損ねるおそれがある。
(3)一部の植生穴において植物が傷んだり枯れてしまうおそれがあり、その場合再び植え付けを行わないと復旧しない。
本発明は、上記の問題点を改善し、植物の植え付け作業が簡単で、植物の生長繁茂に適し、各植生穴における植物の繁茂の差が少なく、一部の植生穴において植物が傷んだり枯れてしまうおそれが少ない法面植生保護工を開発することを課題とするものである。
〔請求項1〕
本発明は、保護ブロックを並べて敷設した法面保護工であって、該保護工の表面に植生穴が形成され、隣り合う植生穴の上部空間が保護工表面に形成された溝により連通しており、前記植生穴に植生基材を充填すると共に、該植生基材に植物を繁茂させることを特徴とする法面植生保護工である。
本発明において植生基材とは、通常の土砂、腐葉土など、植物が根を張って生育できる床を形成するもの全てを含む。
本発明は、保護ブロックを並べて敷設した法面保護工であって、該保護工の表面に植生穴が形成され、隣り合う植生穴の上部空間が保護工表面に形成された溝により連通しており、前記植生穴に植生基材を充填すると共に、該植生基材に植物を繁茂させることを特徴とする法面植生保護工である。
本発明において植生基材とは、通常の土砂、腐葉土など、植物が根を張って生育できる床を形成するもの全てを含む。
〔請求項2〕
また本発明は、前記保護ブロックが、植生穴及び/又は保護ブロックを並べて敷設したときに植生穴が形成される外周部の凹部を有するものである請求項1に記載の法面植生保護工である。
また本発明は、前記保護ブロックが、植生穴及び/又は保護ブロックを並べて敷設したときに植生穴が形成される外周部の凹部を有するものである請求項1に記載の法面植生保護工である。
〔請求項3〕
また本発明は、前記植生穴が表裏貫通している請求項1又は2に記載の法面植生保護工である。
また本発明は、前記植生穴が表裏貫通している請求項1又は2に記載の法面植生保護工である。
〔請求項4〕
また本発明は、前記溝の幅が2cm以上、深さが1cm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の法面植生保護工である。
また本発明は、前記溝の幅が2cm以上、深さが1cm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の法面植生保護工である。
〔請求項5〕
また本発明は、前記植物がイワダレソウである請求項1〜4のいずれかに記載の法面植生保護工である。
本発明においてイワダレソウとは、クマツヅラ科イワダレソウ属の植物全てを含む。
また本発明は、前記植物がイワダレソウである請求項1〜4のいずれかに記載の法面植生保護工である。
本発明においてイワダレソウとは、クマツヅラ科イワダレソウ属の植物全てを含む。
本発明は上記の構成であるので、植生穴に植生した植物の茎や根が、溝の上を這って他の植生穴に至り、そこで生育するので、植物の生育が促進されると共に、各植生穴における植物の繁茂の差が少なくなくなり、万一、何らかの理由で一部の植生穴の植物が傷んだり枯れてしまった場合に自然再生される可能性がある。
また、全ての植生穴に植生を施す必要がなく(例えば5つの植生穴につき1つの植生穴に植生する)、植生作業がきわめて容易になる。
また、全ての植生穴に植生を施す必要がなく(例えば5つの植生穴につき1つの植生穴に植生する)、植生作業がきわめて容易になる。
溝の幅は2cm以上が適当で、幅が2cmに満たないと隣の植生穴から茎や根が這ってくる効果が少なくなる。
溝の深さは1cm以上が適当で、1cmに満たないと隣の植生穴から茎や根が這ってくる効果が少なくなる。
溝の幅及び深さの上限は、保護ブロックの強度に支障をきたさない範囲であればよい。
溝の深さは1cm以上が適当で、1cmに満たないと隣の植生穴から茎や根が這ってくる効果が少なくなる。
溝の幅及び深さの上限は、保護ブロックの強度に支障をきたさない範囲であればよい。
本発明で植生する植物は、イワダレソウや芝生など、茎や根が地表又は地表近くを這って増殖するものが好ましいが、特にイワダレソウは好適である。イワダレソウは茎が細長く、基部で枝分かれして地表を這い、節々から根を下ろして盛んに増殖し、地表を密に被覆するので雑草の繁殖も抑制され、植生基材の流出も防止される。さらに芝生のような刈り込み作業もほとんど不要で、耐踏圧性にも優れ、酸性土壌からアルカリ土壌まで適応する。
イワダレソウなど、根が深く地中に達する植物を植生する場合は、植生穴を表裏貫通したものとするのがよい。また、植生穴を表裏貫通したものとすることで、適度の雨水を地山に浸透させることができる。
図1は本発明の法面植生保護工に使用される保護ブロック1の平面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図、図4は保護ブロック1を並べて敷設した状態の平面説明図である。
保護ブロック1はコンクリート製で、塊状をなし、中央に表裏貫通する1つの植生穴10を有し、外周に凹部11、12がそれぞれ4個ずつ形成されている。図4に示されるように、保護ブロック1を並べて敷設すると、隣り合う4個の保護ブロックの凹部11により植生穴15が形成され、隣り合う2個の保護ブロックの凹部12により植生穴16が形成される。
保護ブロック1の上面には、植生穴10から凹部11に至る溝13と、植生穴10から凹部12に至る溝14が形成されている。図4に示されるように、溝13によって隣り合う植生穴10、15の上部空間が連通し、溝14によって隣り合う植生穴10、16の上部空間が連通している。
したがって、本実施例では、全ての植生穴が、他の全ての植生穴と、溝13、14によって直接又は間接に、上部空間が連通している。
保護ブロック1の上面には、植生穴10から凹部11に至る溝13と、植生穴10から凹部12に至る溝14が形成されている。図4に示されるように、溝13によって隣り合う植生穴10、15の上部空間が連通し、溝14によって隣り合う植生穴10、16の上部空間が連通している。
したがって、本実施例では、全ての植生穴が、他の全ての植生穴と、溝13、14によって直接又は間接に、上部空間が連通している。
図5は、図4に示すパターンで基礎ブロック1並べて敷設した保護工に植生が完了した状態を表している。この場合は、地山2の上にブロックの敷設高さを調整するための調整砂3を敷き、その上に保護ブロック1を図4のパターンで敷設している。保護工の植生穴10、15、16の中には植生基材4を充填し、その植生基材4に植物5(イワダレソウなど)を植生している。植物5は茎5aが溝13、14を越えて複数の植生穴10、15、16に這い込み、節々から根5bを植生基材4の中に下ろし、増殖する。
図6は本発明の法面植生保護工に使用される保護ブロック1’の平面図、図7は図6のA−A線断面図、図8は保護ブロック1’を並べて敷設した状態の平面説明図である。
保護ブロック1’は、凹部13、14を除く周辺の上部に切欠部17を形成していることを除き、前記の保護ブロック1と同じである。
図8に示されるように、本実施例では、溝13、14によって隣り合う植生穴の上部空間が連通するのに加え、切欠部17によって隣り合う植生穴15、16の上部空間が連通している。隣り合う保護ブロック1’、1’の切欠部17、17が合わさることにより、法面保護工の上面に断面がV字状の溝が形成される。
したがって、本実施例では、全ての植生穴が、他の全ての植生穴と、溝13、14、切欠部17によって直接又は間接に、上部空間が連通しており、さらに、全ての植生穴の上部空間が、隣り合う植生穴全部の上部空間と直接に連通している。
保護ブロック1’は、凹部13、14を除く周辺の上部に切欠部17を形成していることを除き、前記の保護ブロック1と同じである。
図8に示されるように、本実施例では、溝13、14によって隣り合う植生穴の上部空間が連通するのに加え、切欠部17によって隣り合う植生穴15、16の上部空間が連通している。隣り合う保護ブロック1’、1’の切欠部17、17が合わさることにより、法面保護工の上面に断面がV字状の溝が形成される。
したがって、本実施例では、全ての植生穴が、他の全ての植生穴と、溝13、14、切欠部17によって直接又は間接に、上部空間が連通しており、さらに、全ての植生穴の上部空間が、隣り合う植生穴全部の上部空間と直接に連通している。
本発明において、各植生穴は隣り合う少なくとも1つの植生穴と上部空間が連通していればよいが、全ての植生穴が、他の全ての植生穴と、溝によって直接又は間接に、上部空間が連通していることが望ましく、さらには、全ての植生穴が、隣り合う全ての植生穴と上部空間が直接に連通していることが望ましい。
保護ブロックの材質は、本実施例の場合コンクリート製としたが、陶磁製とするなど、他の種々の材質を用いることができる。
1 保護ブロック
1’ 保護ブロック
10 植生穴
11 凹部
12 凹部
13 溝
14 溝
15 植生穴
16 植生穴
17 切欠部
2 地山
3 調整砂
4 植生基材
5 植物
1’ 保護ブロック
10 植生穴
11 凹部
12 凹部
13 溝
14 溝
15 植生穴
16 植生穴
17 切欠部
2 地山
3 調整砂
4 植生基材
5 植物
Claims (5)
- 保護ブロックを並べて敷設した法面保護工であって、該保護工の表面に植生穴が形成され、隣り合う植生穴の上部空間が該保護工表面に形成された溝により連通しており、前記植生穴に植生基材を充填すると共に、該植生基材に植物を繁茂させることを特徴とする法面植生保護工。
- 前記保護ブロックが、植生穴及び/又は保護ブロックを並べて敷設したときに植生穴が形成される外周部の凹部を有するものである請求項1に記載の法面植生保護工。
- 前記植生穴が表裏貫通している請求項1又は2に記載の法面植生保護工。
- 前記溝の幅が2cm以上、深さが1cm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の法面植生保護工。
- 前記植物がイワダレソウである請求項1〜4のいずれかに記載の法面植生保護工。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008107452A JP2009256967A (ja) | 2008-04-17 | 2008-04-17 | 法面植生保護工 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008107452A JP2009256967A (ja) | 2008-04-17 | 2008-04-17 | 法面植生保護工 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009256967A true JP2009256967A (ja) | 2009-11-05 |
Family
ID=41384721
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008107452A Pending JP2009256967A (ja) | 2008-04-17 | 2008-04-17 | 法面植生保護工 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009256967A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102953387A (zh) * | 2011-08-17 | 2013-03-06 | 临沂大学 | 一种适合土石山区的生态护坡方法 |
CN105951850A (zh) * | 2016-05-10 | 2016-09-21 | 中铁第勘察设计院集团有限公司 | 基于土工网和沙生植物的粉细砂坡面防护方法 |
-
2008
- 2008-04-17 JP JP2008107452A patent/JP2009256967A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102953387B (zh) * | 2011-08-17 | 2015-05-13 | 临沂大学 | 一种适合土石山区的生态护坡方法 |
CN105951850A (zh) * | 2016-05-10 | 2016-09-21 | 中铁第勘察设计院集团有限公司 | 基于土工网和沙生植物的粉细砂坡面防护方法 |
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