JP5645358B2 - 樹木の栽培方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、一般住宅等の庭のような狭小地で樹木を栽培すると、樹木(中高木)は大きくなりすぎて維持・管理が困難となるか、または大きくなりすぎないように剪定を繰り返さなければならない。
すなわち、本発明は、
(1)以下の工程を含む、樹木の地上部の伸長を抑制する方法に関する:
(a)樹木の地上部を伸長させる最大の高さ(h)を決定する工程、
(b)前記樹木を植える土壌中に設ける、難透水性の資材が設置される空間の最大の深さ(D)を、hに基づいて決定する工程、
(c)前記空間を設け、当該空間に、前記資材の内表面の最深部の深さがDであるように、前記資材の設置を行う工程、および、
(d)前記空間のうち、資材が存在しない部分に土壌を載置し、前記樹木を植える工程。
(2)また、本発明は、資材の仮比重が1.07〜1.80である前記方法に関する。
(3)さらに、本発明は、資材が粘土を含む前記方法に関する。
(4)さらにまた、本発明は、資材が開口部を有し、該開口部全体が地表面に露出している前記方法に関する。
(5)また、本発明は、資材の少なくとも一部が曲面である前記方法に関する。
(7)さらに、本発明は、植えられる樹木が、苗のステージにある前記方法に関する。
(8)そして、本発明は、前記いずれかの方法を用いて樹木の地上部の伸長を抑制することを含む、地上部の伸長が抑制された樹木を製造する方法に関する。
(2)また、本発明のうち、資材の仮比重が1.07〜1.80である方法によれば、樹木の地上部の伸長をより効果的に抑制することができる。
(3)さらに、本発明のうち、資材が粘土を含む方法によれば、樹木の地上部の伸長をより一層効果的に抑制することができる。
(4)さらにまた、本発明のうち、資材が開口部を有し、該開口部全体が地表面に露出している方法によれば、根の伸長をより確実に抑制できるため、樹木の地上部の伸長をより確実に抑制することができる。また、当該方法によれば、樹木の地上部の枝張りをコントロールすることもできる。
(5)また、本発明のうち、資材の少なくとも一部が曲面である方法によれば、根の伸長が全体として均一になるため、樹木の地上部の伸長を均一なものとすることができる。
(7)さらに、本発明のうち、植えられる樹木が、苗のステージにある方法によれば、生育の制御が成木に近い樹木より行いやすいため、樹木の地上部の伸長をより確実かつ効果的に抑制することができる。
(8)そして、本発明の地上部の伸長が抑制された樹木を製造する方法によれば、成木のステージに達する前および後に、地上部の伸長が企図した高さまでに抑制される樹木を製造することができる。
なお、本明細書において「樹木」とは、他の記載がない限り、その一般的な語義による意味を表し、その意味の範囲は限定されない。
本明細書において「伸長を抑制(する)」とは、他の記載がない限り、通常の伸長を抑制することを意味し、その程度は限定されない。また、本発明における「樹木の地上部の伸長の抑制」または「樹木の地上部の伸長を抑制する」には、成木のステージにおける最終的な伸長を抑制することのみならず、苗のステージにおける伸長を抑制することも包含される。
本明細書において「難透水性」とは、他の記載がない限り、水が透過するが透過しづらい性状を意味し、その程度は限定されない。
(工程(a)〜(d))
本発明は、前記のとおり、植樹する前に、土壌中に難透水性の資材の設置を行うことおよび以下の工程を含む、樹木の地上部の伸長を抑制する方法に関するものである
(a)樹木の地上部を伸長させる最大の高さ(h)を決定する工程、
(b)前記樹木を植える土壌中に設ける、難透水性の資材が設置される空間の最大の深さ(D)を、hに基づいて決定する工程、
(c)前記空間を設け、当該空間に、前記資材の内表面の最深部の深さがDであるように、前記資材の設置を行う工程、および、
(d)前記空間のうち、資材が存在しない部分に土壌を載置し、前記樹木を植える工程。
本発明を実施した後の樹木の地上部および地下部の概観は、例えば図1に模式的に示すとおりである。
hの範囲は限定されないところ、樹木を住宅の庭木として植える場合には、hは約1m〜約3mが好適である。
前記のとおり、樹木の地上部の乾燥重量と地下部の乾燥重量とはほぼ同一である。したがって、樹木における地上部の広がり方と地下部の広がり方とが、地表面に対する水平方向と鉛直方向において同様であると想定される場合には、前記資材の内表面と地表面との距離の最大値(Dに同じ)はhとする(図2)。これに対し、地下部の広がり方が地上部の広がり方より大きいことが想定される樹木の場合には、D<hとすることとなるため、適切な係数を0.1〜1(1は含まない)の範囲で設定して、Dを決定する。
あるいは、係数の範囲として1を含むもの、例えば0.8〜1.2の範囲とすることもできる。
資材のより詳細な説明については後述する。
空間の深さは、資材の厚みを考慮し、最深部の深さがDに資材の厚みを加えた深さとなるようにする。また、当該工程においては、資材の幅が、樹木の地下部が伸長し得る幅以上の幅を有するように資材を設置すると好ましい。
さらに、資材の内側(地表面側)に存在する根が、資材を越えて、資材の外側(地表面と反対側)に存在する土壌に達しないように、資材を設置するとより好ましい。このように資材を設置することによって、樹木の地上部の通常の伸長に不可欠な水分や栄養分といった物質の供給が完全に遮断され、同地上部の伸長が、通常の伸長に比較して確実に抑制される。
一方、資材が開口部を有する形状、すなわち容器状の形状のものとする場合は、地上部の伸長・広がりを考慮して、その大きさが決定される。したがって、例えば図2にも示されるとおり、空間の大きさは、該容器状の資材の少なくとも一部を埋め込むことができる大きさにする。
当該充填された土壌は、樹木の生育に必要な成分を含む土壌である。同土壌中から水分、栄養分等を摂取することによって、樹木は地上部および地下部の伸長が抑制される以外には、生理的に通常のものと変わらない成長を行うことができる。
土壌の種類はとくに限定されないが、黒土、鹿沼土、赤玉土等が例示される。元の土壌が植物の生育に適した土壌である場合には、工程(c)等において除去した元の土壌を用いることができる。
各工程において用いられる資材は上記のとおり難透水性であるところ、かかる資材の難透水性は、例えば仮比重によって規定することができる。すなわち、一般に、仮比重が1.1であれば、当該資材(土壌)は難透水性である。したがって、本発明の資材の仮比重は、1.07〜1.80であり、好ましくは1.08〜1.70であり、より好ましくは1.10〜1.60である。
なお、仮比重は、土壌が密になっている程度を示す値である。一般に、植物の成育に適している仮比重は0.96〜1.06で、1.1を超えると粘土である。
資材の厚さを10cm以上とすることによって、十分な難透水性を付与するとともに根の伸長を遮断することができ、100cm以下とすることによって十分な排水性が付与され、根腐れを回避することができる。
なお、資材は、予め成形したものを用いてもよく、現場にて工程(d)において成形したものを用いてもよい。後者の場合、例えば、材料を工程(c)において設けられた空間に、適切に入れ込むことによって成形される資材を用いてもよい。
植物の生育に好適な三相分布は、一般に、固相40〜50%、気相25〜30%、液相25〜30%であるところ、本発明の資材においては、固相が35%〜60%であると好ましい。また、固相の割合が、少なくとも部分的に50%を超えるとより好ましい。比較的気相が少なく、水相が多い三相分布を有する資材も好ましい。例えば、気相率が20%以下であると好ましい。
板状である場合、資材は、完全な平板である必要はなく、部分的な、または全体的な、たわみ、突出部、屈曲部、凹凸、傾斜等の不均一な形状・設置後の方向を有する部分があってもよい。例えば、資材として粘土を含む土壌を用いた場合に、工程(c)において設けられた空間の底部が平面状であり、工程(d)において同平面に前記粘土を含む土壌をほぼ均一な厚みで設置すると、該資材の全体の形状はほぼ平板状となるが、微細な視点からは多数の凹凸が生じることとなるところ、かかる凹凸を有するものも、本発明の資材として用い得る。
ボーリングによる地質調査
1.材料と方法
(1)材料
真言宗御室派総本山仁和寺境内中門のサクラが植えられている土壌を用いた。
(2)サクラの樹高
約180cm〜約300cmであった。
(3)サンプリング箇所
計6ヵ所にて実施。すなわち、当該サクラが植えられている場所は、参道から見て左に向かって下がっており、土壌中の水分状態や地層の連続性を解明するため、斜面最上部、上部、中部、下部、最下部の5ヵ所およびとくに枝枯れが目立つサクラが集中している部分1ヵ所であった。
(4)調査項目・方法
三相分布、仮比重および化学性につき、通常の機器を用い、常法にて分析を行った。
(1)三相分布
表層〜2.5mまでは、通常の三相バランスであったが、それより深い層では、固相率に変化はなく、気相率が20%以下となり、液相率が高くなっていて(図4)、非常に空気が少ない状態になっていると推測された。
(2)仮比重
全地点、全深さで仮比重が1.1を超えていた(図4)。すなわち、これらの土壌は粘土がベースとなっているものであった。また、当該年度中には、礫が含まれていた。
(3)化学性
炭素、窒素、リン等の植物の成育に必要な栄養素はほとんど含まれておらず、炭素と窒素のバランスを示す値であるC/N比は10前後と低い値であった(図5)。
また、土壌のpHは、4.8前後であった(図6)。
1 従来技術により植樹・栽培された樹木
2 本発明により植樹された樹木
3 土壌
4 資材
5 樹木
6 本発明を用いて植樹・栽培して伸長させる樹木の地上部の高さが最大となったときの、該樹木の予想される形態の例
7 本発明が適用され、植樹された樹木
Claims (8)
- 以下の工程を含む、樹木の地上部の伸長を抑制する方法:
(a)樹木の地上部を伸長させる最大の高さ(h)を決定する工程、
(b)前記樹木を植える土壌中に設ける、難透水性の資材として粘土又は素焼きの難透水性の資材が設置される空間の最大の深さ(D’)を、hに基づいて決定する工程、
(c)前記空間を設け、当該空間に、前記資材の内表面の最深部の深さがD(D=D’−前記資材の厚み)であるように、前記資材の設置を行う工程(ただし資材の設置は、資材の内側(地表面側)に存在する根が、資材を越えて、資材の外側(地表面と反対側)に存在する土壌に達しないように行う)、および、
(d)前記空間のうち、資材が存在しない部分に土壌を載置し、前記樹木を植える工程。 - 資材の仮比重が1.07〜1.80である、請求項1に記載の方法。
- 資材が粘土である、請求項2に記載の方法。
- 資材が開口部を有し、該開口部全体が地表面に露出している、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 資材の少なくとも一部が曲面である、請求項4に記載の方法。
- 資材が半球状である、請求項5に記載の方法。
- 植えられる樹木が、苗のステージにある、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の方法を用いて樹木の地上部の伸長を抑制することを含む、地上部の伸長が抑制された樹木を製造する方法。
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