JP2009255221A - マグネットチャック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁性体ワーク20を吸着する電磁コイル40が埋設された本体30と、本体30からプランジャ53が突出入可能に設けられた複数のサポート部材50と、プランジャ53が磁性体ワーク20に当接したとき、磁性体ワーク20を本体30に吸着するよう、電磁コイル40に通電する通電制御部と、を具備し、サポート部材50には、本体30に載置された磁性体ワーク20に、プランジャ53が当接しても、磁性体ワーク20がリフトアップされない力でプランジャ53を本体30から突出させる突出手段と、プランジャ53が磁性体ワーク20の載置面の形状に倣って当接したとき、プランジャ53の突出を固定保持する固定保持手段が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
近年においては、磁性体ワークの吸着固定面がマグネットチャックの本体の一面(載置面)と整合しない不整面を有する場合であっても可及的に磁性体ワークを変形させることなく磁力により吸着保持することが可能なマグネットチャックの提供が望まれている。
特許文献1において開示されているマグネットチャックは、磁性体ワークの不整面に対して載置面(請求の範囲でいうところの本体の一面)から単純に突出入することで、磁性体ワークを保持するためのロッドを有するものであって、ロッドの突出により磁性体ワークが載置面から持ち上げられることにより、電磁コイルによる有効磁界の範囲(吸着固定のための磁界の範囲)から外れてしまわないようにするため、磁性体ワークの不整面をロッドにより支持する前に、磁性体ワークを弱磁力により仮吸着するための弱励磁状態を発生することが可能な構成を具備している。
すなわち、変形した状態でチャックされ、研削加工や切削加工により得られた磁性体ワーク120の平坦面が湾曲した形状(図18(D)の状態)になってしまい、きわめて高い工作精度が要求される研削や切削等の機械加工に対しては、多数回にわたっての繰り返し加工が必要となるため加工コストが高騰するという課題が明らかになった。
また、前記本体の底部には、前記凹部の各底面に開口されたドレン孔どうしを連通する連通部が設けられ、前記連通部が前記本体の側面に開口していることを特徴とする。
これらにより、特に研削加工や切削加工にマグネットチャックを適用した際において、スラッジ等をマグネットチャックの外部へ好適に排出することができる。
本実施形態では、加工前における被吸着面が不整面をなしている磁性体ワーク20を電磁石の作用により吸着保持する電磁式のマグネットチャック10について説明する。本実施形態における不整面とは、載置面表面に対して平行でない面状態のことを意味し、図示したような湾曲面はもちろんのこと、全体形状が載置面と平行であっても、表面に不陸(わずかな凹凸のこと)を有する面についても不整面としている。
本体30には、一面側である載置面34側から鉄心の一部をくり抜き、載置面34に開口する凹部32が形成されている。凹部32は、サポート部材50を収容する収容部32Aと、本体30を載置面34側から板厚方向に貫通する貫通孔に形成されたドレン孔32Bとを含むものとしている。
蓋60はネジ止め等により凹部32の開口側(載置面34側)に着脱自在に取り付けられていて、載置面34と面一となるように配設されている。蓋60の材質は本体30の材質と同様に鉄が用いられている。
図8〜図11のそれぞれに示すように、本実施形態で用いているサポート部材50は、ハウジング51内に所定圧力の流体が供給されるピストン52Bが下端(他端)側に形成されたロッド52が上下方向に移動可能に配設されている。ハウジング51の下方位置には突出手段である流体供給部から供給された流体がピストン52B部分に流入させるための流入孔51Aが形成されている。ロッド52の上端(一端)側はコイルばね52Aに挿通された状態でハウジング51内に配設されている。また、ロッド52の上端部分には、弾性部材である押圧力吸収ばね54を介してプランジャ53が配設されている。プランジャ53は筒状をなすキャップ体に形成されていて、ロッド52の上端部はプランジャ53に挿通されている。プランジャ53の外周部分にはプランジャ53の外周面に外嵌する環状コレット55と、この環状コレット55の外周に遊嵌された環状ピストン56が配設されている。環状ピストン56とハウジング51との間には隙間51Bが設けられている。
以上に説明したとおり、本実施形態におけるサポート部材50には固定保持手段が内蔵されていることが諒解される。
このようにして磁性体ワーク20は、磁性体ワーク20の載置面34側の表面形状に倣った状態で複数のプランジャ53により載置面34から持ち上げられることなく支持される。
本実施形態においては、本体30の載置面34に磁性体ワーク20を磁力で吸着保持する際に、磁性体ワーク20の変形を防止するプランジャ53で磁性体ワーク20の載置面34側表面を保持しているので、磁性体ワーク20を研削加工した後に、マグネットチャック10の磁力を解除したとしても、磁性体ワーク20が自らの復元力により変形することがない。このような特性はとりわけ高精度での平坦面形成が要求される研削加工において特に好都合である。
磁性体ワーク20を研削加工した面を載置面34側に載置する場合は、必ずしも本願発明にかかるマグネットチャック10を用いなくてもよく、従来技術にかかるマグネットチャックを用いることもできる。
さらに他の保持ユニット70としては、図17に示すように、1個の電磁コイル40の平面配設位置において、電磁コイル40の内側位置に複数個のサポート部材50を対応させて配設した形態を採用することもできる。
また、本実施形態においては、研削加工についてのみ説明しているが研削加工と同程度の加工精度が要求される切削加工において本願発明にかかるマグネットチャック10を用いても加工コストの低減に貢献するのはもちろんである。
20 磁性体ワーク
30 本体
32 凹部
32A 収容部
32B ドレン孔
34 載置面
40 電磁コイル
42 セパレータ
44 エポキシ樹脂
50 サポート部材
51 ハウジング
51A 流入孔
51B 隙間
52 ロッド
52A コイルばね
52B ピストン
53 プランジャ
54 押圧力吸収ばね
55 環状コレット
56 環状ピストン
56A 支持ばね
57 鋼球
58 肩部
59 流体貯留部
60 蓋
62 開口部
70 保持ユニット
72 流体用通路連通孔
74 Oリング
80 電源コード
82 流体用ホース
90 台板
92 流体用通路
96 連通部
98 連通孔
100 研削加工装置の砥石
Claims (6)
- 一面側に載置された磁性体ワークを吸着する複数の電磁コイルが埋設された本体と、
前記本体の一面側からプランジャの先端部が突出入可能に設けられた複数のサポート部材と、
前記プランジャの各先端が前記磁性体ワークの載置面側に当接したとき、前記磁性体ワークを本体の一面側に吸着するように、前記電磁コイルの各々に通電する通電制御部と、を具備し、
前記サポート部材には、前記本体の一面側に載置された前記磁性体ワークの載置面側に、前記プランジャの各先端が当接しても、前記磁性体ワークがリフトアップされることのない力で前記プランジャの先端部を前記本体の一面側から突出させる突出手段と、
前記プランジャの各先端が前記磁性体ワークの載置面の形状に倣って当接したとき、前記プランジャの突出量を固定保持する固定保持手段と、が設けられていることを特徴とするマグネットチャック。 - 前記突出手段には、筒状のプランジャ内に一端部が挿入されているロッドの他端部に、所定圧力の流体が供給されるピストンが装着され、
且つ、前記ロッドの一端と前記プランジャの内壁面との間には、前記ピストンに所定圧力の流体を供給して前記ロッドの一端部を前記磁性体ワークの方向に突出させて、前記プランジャの先端が前記磁性体ワークの載置面に当接したとき、前記ロッドの突出力を吸収し、前記プランジャが前記磁性体ワークをリフトアップさせることがないように、前記ロッドの一端と前記プランジャの内壁面との間に、前記プランジャの先端を前記磁性体ワークの方向に弾発する弾性部材が挿入されていることを特徴とする請求項1記載のマグネットチャック。 - 前記固定保持手段は、前記プランジャを把持して固定できるように、前記プランジャの外周面に外嵌され、外周面がテーパ面に形成された環状コレットと、前記プランジャの先端が前記磁性体ワークの載置面に当接した後、前記環状コレットを握り締めて前記プランジャを把持して固定できるよう、前記環状コレットのテーパ面に沿って移動する環状ピストンと、を具備することを特徴とする請求項1または2記載のマグネットチャック。
- 前記本体には、その一面側に開口する複数の凹部が形成されており、前記凹部の各々には、前記サポート部材が収容され、前記凹部の底面には、前記磁性体ワークの加工時に使用される液体が排出されるドレン孔が開口されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のマグネットチャック。
- 前記本体の底部には、前記凹部の各底面に開口されたドレン孔どうしを連通する連通部が設けられ、前記連通部が前記本体の側面に開口していることを特徴とする請求項4記載のマグネットチャック。
- 前記本体の他面側には台板が配設され、前記台板には前記サポート部材と前記突出手段とを連通する流体用通路が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のマグネットチャック。
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- 2008-04-16 JP JP2008106533A patent/JP2009255221A/ja active Pending
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