JP2009255221A - マグネットチャック - Google Patents

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仁 小山
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Abstract

【課題】 磁性体ワークを磁力によりチャックする際に、磁性体ワークの本来の形状を維持させて磁力によりチャックすることが可能なマグネットチャックを提供すること。
【解決手段】磁性体ワーク20を吸着する電磁コイル40が埋設された本体30と、本体30からプランジャ53が突出入可能に設けられた複数のサポート部材50と、プランジャ53が磁性体ワーク20に当接したとき、磁性体ワーク20を本体30に吸着するよう、電磁コイル40に通電する通電制御部と、を具備し、サポート部材50には、本体30に載置された磁性体ワーク20に、プランジャ53が当接しても、磁性体ワーク20がリフトアップされない力でプランジャ53を本体30から突出させる突出手段と、プランジャ53が磁性体ワーク20の載置面の形状に倣って当接したとき、プランジャ53の突出を固定保持する固定保持手段が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネットチャックに関し、より詳細には複数の電磁コイルが設けられた本体の一面側に磁性体ワークを吸着固定するマグネットチャックに関する。
磁性体ワークを磁力により吸着固定するためのマグネットチャックには、従来多種多様なものが提案されている。
近年においては、磁性体ワークの吸着固定面がマグネットチャックの本体の一面(載置面)と整合しない不整面を有する場合であっても可及的に磁性体ワークを変形させることなく磁力により吸着保持することが可能なマグネットチャックの提供が望まれている。
このように磁性体ワークの被吸着面が不整面であっても磁性体ワークの変形を抑えた状態で磁力により吸着保持することができるマグネットチャックとしては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。
特許文献1において開示されているマグネットチャックは、磁性体ワークの不整面に対して載置面(請求の範囲でいうところの本体の一面)から単純に突出入することで、磁性体ワークを保持するためのロッドを有するものであって、ロッドの突出により磁性体ワークが載置面から持ち上げられることにより、電磁コイルによる有効磁界の範囲(吸着固定のための磁界の範囲)から外れてしまわないようにするため、磁性体ワークの不整面をロッドにより支持する前に、磁性体ワークを弱磁力により仮吸着するための弱励磁状態を発生することが可能な構成を具備している。
特許第3075761号公報
特許文献1記載のマグネットチャック110は、本体130の一面である載置面134に載置された磁性体ワーク120(図18(A)の状態)に磁性体ワーク120を保持するためのロッド152を当接させる前に、磁性体ワーク120にマグネットチャック110からの弱磁力を作用させている。これにより磁性体ワーク120を載置面134に軽く吸着固定(以下、チャックということがある)している。このとき磁性体ワーク120は極僅かではあるが載置面134に引き寄せられた状態となり、磁性体ワーク120が弾性変形し、弾性変形した状態の磁性体ワーク120の下面(載置面134側の面)に対してロッド152が当接することになる(図18(B)の状態)。
このように極僅かではあるものの変形した状態でチャックされた磁性体ワーク120を研削加工または切削加工して磁性体ワーク120の他面(図中の上面)側に平坦面を形成した(図18(C)の状態)としても、加工後においてマグネットチャック110からのチャック用の磁力を解除すると、変形状態であった磁性体ワーク120が磁性体ワーク120の復元力により本来の形状に復帰することになる。
すなわち、変形した状態でチャックされ、研削加工や切削加工により得られた磁性体ワーク120の平坦面が湾曲した形状(図18(D)の状態)になってしまい、きわめて高い工作精度が要求される研削や切削等の機械加工に対しては、多数回にわたっての繰り返し加工が必要となるため加工コストが高騰するという課題が明らかになった。
そこで本願発明は、磁性体ワークを磁力によりチャックする際に、元来の磁性体ワークの形状を変形させることなく磁力によりチャックすることを可能にしたことにより、加工後において磁力によるチャックを解除しても磁性体ワークに変形が生じることなく、高い工作精度が要求される研削加工や切削加工等においても繰り返し加工することなく(またはきわめて少ない加工回数で)所定の加工精度に仕上げることができるマグネットチャックの提供を目的としている。
本発明は、一面側に載置された磁性体ワークを吸着する複数の電磁コイルが埋設された本体と、前記本体の一面側からプランジャの先端部が突出入可能に設けられた複数のサポート部材と、前記プランジャの各先端が前記磁性体ワークの載置面側に当接したとき、前記磁性体ワークを本体の一面側に吸着するように、前記電磁コイルの各々に通電する通電制御部と、を具備し、前記サポート部材には、前記本体の一面側に載置された前記磁性体ワークの載置面側に、前記プランジャの各先端が当接しても、前記磁性体ワークがリフトアップされることのない力で前記プランジャの先端部を前記本体の一面側から突出させる突出手段と、前記プランジャの各先端が前記磁性体ワークの載置面の形状に倣って当接したとき、前記プランジャの突出量を固定保持する固定保持手段と、が設けられていることを特徴とするマグネットチャックである。
また、前記突出手段には、筒状のプランジャ内に一端部が挿入されているロッドの他端部に、所定圧力の流体が供給されるピストンが装着され、且つ、前記ロッドの一端と前記プランジャの内壁面との間には、前記ピストンに所定圧力の流体を供給して前記ロッドの一端部を前記磁性体ワークの方向に突出させて、前記プランジャの先端が前記磁性体ワークの載置面に当接したとき、前記ロッドの突出力を吸収し、前記プランジャが前記磁性体ワークをリフトアップさせることがないように、前記ロッドの一端と前記プランジャの内壁面との間に、前記プランジャの先端を前記磁性体ワークの方向に弾発する弾性部材が挿入されていることを特徴とする。これにより、突出手段の動作制御を簡略にすることができ、磁性体ワークとプランジャ先端との接触もソフトにすることができ、磁性体ワークを丁寧に扱うことができる。
また、前記固定保持手段は、前記プランジャを把持して固定できるように、前記プランジャの外周面に外嵌され、外周面がテーパ面に形成された環状コレットと、前記プランジャの先端が前記磁性体ワークの載置面に当接した後、前記環状コレットを握り締めて前記プランジャを把持して固定できるよう、前記環状コレットのテーパ面に沿って移動する環状ピストンと、を具備することを特徴とする。これにより、磁性体ワークに当接した状態のロッドの突出状態を固定保持するための固定保持手段のスペースを省くことができ、しかも、磁性体ワークを保持するサポート部材を単一部材にすることができるのでマグネットチャックの小型化が可能になる。
また、前記本体には、その一面側に開口する複数の凹部が形成されており、前記凹部の各々には、前記サポート部材が収容され、前記凹部の底面には、前記磁性体ワークの加工時に使用される液体が排出されるドレン孔が開口されていることを特徴とする。
また、前記本体の底部には、前記凹部の各底面に開口されたドレン孔どうしを連通する連通部が設けられ、前記連通部が前記本体の側面に開口していることを特徴とする。
これらにより、特に研削加工や切削加工にマグネットチャックを適用した際において、スラッジ等をマグネットチャックの外部へ好適に排出することができる。
また、前記本体の他面側には台板が配設され、前記台板には前記サポート部材と前記突出手段とを連通する流体用通路が形成されていることを特徴とする。これにより、マグネットチャックに配設されているサポート部材の動作制御を一元管理することができるため好都合である。
本発明にかかるマグネットチャックによれば、本体の一面である載置面に磁性体ワークを磁力により吸着保持する際において、流体圧により作動するプランジャが本来の形状を維持した状態の磁性体ワークの表面に当接することに加え、プランジャの突出量を固定保持した後に、磁性体を磁力により吸着保持(チャック)しているので、磁性体ワークには磁気吸着前の変形を生じることがない。これにより、磁性体ワークを加工した後に吸着保持用の磁力を解除しても磁性体ワークが変形することがなく、高い加工精度が要求される研削加工や切削加工にマグネットチャックを適用した際に、所定の加工精度に到達するまでの繰り返し加工の回数を大幅に削減でき、加工コストもまた大幅に低減可能になる。
以下、本発明にかかるマグネットチャックの実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態におけるマグネットチャックの平面図である。図2は、本実施形態におけるマグネットチャックの正面図である。図3は、本実施形態におけるマグネットチャックの右側面図である。図4は、図1中のA−A線における断面図である。図5は、図1中のB−B線における断面図である。図6は、図1中のC−C線における断面図である。図7は、図1中のD−D線における断面図である。本実施形態における各断面図は、図面の簡略化のためハッチングを省略している。
本実施形態では、加工前における被吸着面が不整面をなしている磁性体ワーク20を電磁石の作用により吸着保持する電磁式のマグネットチャック10について説明する。本実施形態における不整面とは、載置面表面に対して平行でない面状態のことを意味し、図示したような湾曲面はもちろんのこと、全体形状が載置面と平行であっても、表面に不陸(わずかな凹凸のこと)を有する面についても不整面としている。
図1、図4、図5に示すようにマグネットチャック10は、本体30に形成された凹部32に電磁コイル40が埋設され、電磁コイル40の中心には所定圧力の流体が供給されることで作動するサポート部材50が配設されている。本体30は磁性体である鉄により形成されており、本体30の電磁コイル40により囲まれた部分が、電磁石の鉄心として機能する。
本体30には、一面側である載置面34側から鉄心の一部をくり抜き、載置面34に開口する凹部32が形成されている。凹部32は、サポート部材50を収容する収容部32Aと、本体30を載置面34側から板厚方向に貫通する貫通孔に形成されたドレン孔32Bとを含むものとしている。
凹部32には、収容部32Aにサポート部材50を収容した後、サポート部材50のプランジャ53部分に相当する平面位置にプランジャ53が出入り可能な開口部62を有する蓋60が配設されている。本実施の形態におけるサポート部材50は、プランジャ53の中心位置が鉄心の中心位置に一致するようにして配設されていて、図4、図5に示すように、サポート部材50の底部に形成された流体の流路である流体用通路連通孔72を介して後述する台板90の板厚内に形成された流体用通路92にOリング74によりシールされた状態で接続されている。
このようにして配設されたサポート部材50は、突出手段である流体供給部により供給された流体が流体用ホース82と、流体用通路92と、流体用通路連通孔72と、を経由した後、サポート部材50の内部に供給され、プランジャ53が載置面34から突出入するように伸縮駆動する。本実施形態においては、後述する株式会社コスメック社のワークサポートmodelLDをサポート部材50として用いた。
蓋60はネジ止め等により凹部32の開口側(載置面34側)に着脱自在に取り付けられていて、載置面34と面一となるように配設されている。蓋60の材質は本体30の材質と同様に鉄が用いられている。
図4、図5に示すように、本体30に埋設された電磁コイル40の上方位置の載置面34にはセパレータ42が配設されている。セパレータ42は公知の非鉄材料であればよく例えば樹脂材料等を用いることができる。セパレータ42の表面は、載置面34の表面と面一となるように形成されている。また、電磁コイル40が収容されている空間には、電磁コイル40の固定と、防水および放熱を目的として、エポキシ樹脂44が充てんされている。
このようにして本体30に電磁コイル40と、セパレータ42と、サポート部材50と、蓋60と、がそれぞれ配設されることによりワーク保持ユニット70が構成されている。本実施形態におけるワーク保持ユニット70は、図1に示すように、平面形状が長方形をなす本体30に3行5列のマトリクス状をなして配設されている。各ワーク保持ユニット70の電磁コイル40への通電状態やサポート部材50の流体供給は、図示しない通電制御部に接続された電源コード80と、図示しない流体供給部に接続された流体用ホース82と、によりそれぞれ一元管理されている。電源コード80および流体用ホース82は図3に示すように、本体30および台板90にそれぞれ接続されている。
台板90の短手方向における対向する側壁面(図2における台板90の正面側と背面側)には、側壁面どうしを橋渡しする連通部96が形成されている。連通部96は凹溝に形成されていて、本体30に配設された各ワーク保持ユニット70の配列と平行となる配列で配設されている。このように配設された連通部96は、各ワーク保持ユニット70のドレン孔32Bのそれぞれと連通孔98を介して連通している。図1〜図7に示すように、台板90は本体30の平面形状よりも大きく形成されている。本体30と台板90との段差部分はマグネットチャック10を保持する際に係止部として用いることができる。
このように連通部96をワーク保持ユニット70の配列方向(本体30)の短手方向に沿って配設したことにより、本実施形態におけるマグネットチャック10を研削加工に適用した場合、研削により生じたスラッジが各ワーク保持ユニット70の蓋60の開口部62から凹部32に進入したとしても、ドレン孔32B−連通孔98−連通部96を経由して台板90(マグネットチャック10)の外部に容易に排出させることができるため好都合である。
サポート部材50について詳細に説明する。図8〜図11は、本実施形態において用いられているサポート部材50の作動状態を示す断面図である。
図8〜図11のそれぞれに示すように、本実施形態で用いているサポート部材50は、ハウジング51内に所定圧力の流体が供給されるピストン52Bが下端(他端)側に形成されたロッド52が上下方向に移動可能に配設されている。ハウジング51の下方位置には突出手段である流体供給部から供給された流体がピストン52B部分に流入させるための流入孔51Aが形成されている。ロッド52の上端(一端)側はコイルばね52Aに挿通された状態でハウジング51内に配設されている。また、ロッド52の上端部分には、弾性部材である押圧力吸収ばね54を介してプランジャ53が配設されている。プランジャ53は筒状をなすキャップ体に形成されていて、ロッド52の上端部はプランジャ53に挿通されている。プランジャ53の外周部分にはプランジャ53の外周面に外嵌する環状コレット55と、この環状コレット55の外周に遊嵌された環状ピストン56が配設されている。環状ピストン56とハウジング51との間には隙間51Bが設けられている。
環状コレット55の外表面は下方に進むに連れてわずかに拡径するテーパ面に形成されている。環状コレット55の外周面(外表面)と環状ピストン56の内周面(内表面)との間には鋼球57が介在している。環状コレット55はハウジング51の内部において所定の位置に配設されているが、環状ピストン56は、ハウジング51内で支持ばね56Aにより支持されており、ハウジング51内に供給された流体圧によりロッド52と同様に上下方向に移動可能である。環状ピストン56の上側外周面には肩部58が形成されている。ハウジング51にはハウジング51内に供給された所定圧力の流体を肩部58の近傍位置に貯留するための空間である流体貯留部59が形成されている。
図8に示すように、初期状態におけるサポート部材50は、コイルばね52Aの弾発力によりハウジング51の下部に位置している。突出手段である流体供給部がハウジング51に所定圧力の流体を供給すると、図9に示すように、ピストン52Bが流体圧を受けることによりコイルばね52Aを圧縮しながらロッド52全体が上昇する。ロッド52の上昇に伴いロッド52の上方位置に配設されているプランジャ53が押圧力吸収ばね54を介して上昇し、ハウジング51からプランジャ53が突出する。流体供給部から供給された所定圧力の流体はロッド52を上昇させると共に、ハウジング51の内壁面と環状ピストン56との隙間51Bにも充てんされることになる。
ロッド52の突出が進み、図10に示すようにプランジャ53が磁性体ワーク20に当接してもなお、ロッド52はロッド52の上昇端位置JTまで突出を続ける。プランジャ30が磁性体ワーク20に当接してからロッド52が上昇端位置JTまで上昇するまでの間は、押圧力吸収ばね54が収縮することにより、プランジャ53が磁性体ワーク20をリフトアップさせる押圧力を吸収する。押圧力吸収ばね54の弾発力は、磁性体ワーク20の質量、磁性体ワーク20を支持するサポート部材50の配設数、流体供給部により供給される流体圧力の値のそれぞれに基づけば、磁性体ワーク20をリフトアップすることのない弾発力を算出することができる。
ロッド52が上昇端位置JTに到達すると、ハウジング51に供給される流体はハウジング51の内壁面と環状ピストン56との隙間51Bに連通する流体貯留部59に充てんされる。なおも流体がハウジング51に供給されると、図11に示すように、環状ピストン56の肩部58が流体貯留部59に貯留された流体からの圧力を受けることにより、環状ピストン56が支持ばね56Aの弾発力に抗して下方に駆動する。環状ピストン56が下方に駆動すると、環状ピストン56の内周面が鋼球57を介して環状コレット55の外周面に嵌合する。なおも環状ピストン56が下方に駆動される状態になると、環状コレット55が縮径方向に弾性変形し、環状コレット55がプランジャ53と、プランジャ53を介してロッド52を把持する(握り締める)状態になり、プランジャ53の突出量が固定保持されることになる。
以上に説明したとおり、本実施形態におけるサポート部材50には固定保持手段が内蔵されていることが諒解される。
本実施形態におけるマグネットチャック10は以上に説明したような構成を具備している。次に、本実施形態にかかるマグネットチャック10を用いた磁性体ワーク20の加工方法について説明する。本実施形態においては磁性体ワーク20の研削加工について説明を行うが、磁性体ワーク20の加工内容は研削加工に限定されるものではないのはもちろんである。図12〜図16は本実施形態における各工程における状態を示す正面図である。
まず、図12に示すように、本体30の一面である載置面34に磁性体ワーク20を載置する。オペレータが図示しない流体供給部を操作すると、各サポート部材50が作動し、本体30の載置面34からプランジャ53が突出する。プランジャ53が載置面34から突出し、蓋60の開口部(載置面34)62から僅かにプランジャ53が突出すると、磁性体ワーク20の載置面34側の表面にプランジャ53が当接する。
図13に示すように、プランジャ53が磁性体ワーク20の載置面側の表面に当接すると、ロッド52の先端部とプランジャ53との間に位置する弾発材54が圧縮され、プランジャ53による磁性体ワーク20の押圧力が吸収される。この作用により磁性体ワーク20はリフトアップされることがないのである。プランジャ53の突出が停止すると、図8〜図11で説明した流体圧により作動する固定保持手段によりプランジャ53の突出状態が固定保持される。
このようにして磁性体ワーク20は、磁性体ワーク20の載置面34側の表面形状に倣った状態で複数のプランジャ53により載置面34から持ち上げられることなく支持される。
磁性体ワーク20が本来の形状を維持した状態でプランジャ53により保持されると、通電制御部が電磁コイル40への通電を開始し、図14に示すように磁性体ワーク20に磁力を作用させて載置面34に吸着保持させる。ここで、プランジャ53は載置面34からごくわずかしか突出していないため、載置面34からの磁力は磁性体ワーク20に十分な磁力で作用させることができる。磁性体ワーク20は、磁性体ワーク20の平面投影面において複数のプランジャ53により均等間隔に保持されているので、磁性体ワーク20に吸着保持用の強力な磁力が作用したとしても、磁性体ワーク20は変形することなく確実に載置面34に吸着保持されることになる。
磁性体ワーク20が磁力により載置面34に吸着保持されたら、図15に示すように研削加工装置の砥石100により磁性体ワーク20の上面(プランジャ53が当接していない側の面)を研削加工する。研削加工装置の砥石100により磁性体ワーク20を研削加工する際には、研削液(請求の範囲でいう加工時に使用される液体に該当する)等を用いるとよい。研削加工装置の砥石100により磁性体ワーク20を研削加工すると、研削粉と研削油とからなるスラッジが発生するが、スラッジは、載置面34表面の蓋60に形成された開口部62−ドレン孔32B−連通孔98−連通部96を介して徐々にではあるが確実にマグネットチャック10の側面(台板90の側面)部分から外部に排出することができる。
研削加工装置の砥石100により磁性体ワーク20の上面が所定の平坦度を有するようになったら、研削加工装置の砥石100を磁性体ワーク20から一旦離反させ、電力供給部が電磁コイル40への電力供給を停止し、載置面34から付与していた磁性体ワーク20への磁力を解除する。ひきつづき、流体供給部がサポート部材50への流体圧力の供給を解除し、プランジャ53を載置面34の高さ位置よりも低位となるように収縮させて、磁性体ワーク20の保持を解除する。
本実施形態においては、本体30の載置面34に磁性体ワーク20を磁力で吸着保持する際に、磁性体ワーク20の変形を防止するプランジャ53で磁性体ワーク20の載置面34側表面を保持しているので、磁性体ワーク20を研削加工した後に、マグネットチャック10の磁力を解除したとしても、磁性体ワーク20が自らの復元力により変形することがない。このような特性はとりわけ高精度での平坦面形成が要求される研削加工において特に好都合である。
このように、磁性体ワーク20の片側面(プランジャ53が当接していない側の面)を研削加工で要求されている平面度となるように形成することができれば、加工された平坦面に対向する側の面(当初プランジャ53が当接していた側の面)については、図16に示すように、研削加工した平坦面を載置面34に吸着保持させた後に研削加工装置の砥石100を用いて上述の研削加工をすれば良好な平面度および平行度を有する研削加工品を得ることができる。
磁性体ワーク20を研削加工した面を載置面34側に載置する場合は、必ずしも本願発明にかかるマグネットチャック10を用いなくてもよく、従来技術にかかるマグネットチャックを用いることもできる。
本実施形態を採用することにより、磁力による吸着保持(チャック)されている磁性体ワーク20に弾性変形が生じていないので、吸着保持用の磁力を解除したとしても、磁性体ワーク20に弾性変形を復元しようとする力が作用せず、研削加工等により形成された平坦面が湾曲してしまうといった不都合をなくすことができるため好都合である。このように、磁性体ワーク20の片側面に精度の高い平坦面を形成することができれば、形成した平坦面を基準にすることができるので、対向側の面にも同等の加工精度を有する平坦面を容易に形成することができるといったきわめて優れた効果を得ることができる。
以上の実施形態においては、サポート部材50に株式会社コスメック社のワークサポートmodelLDを用いた形態について説明しているが、この形態以外のサポート部材の構成を採用することができるのはもちろんである。例えば、ハウジング51内でロッド52が上昇することによりプランジャ53が突出入し、ロッド52の上端部とプランジャ53の内壁面との間に弾性部材である押圧力吸収ばね54を介在させ、プランジャ53が、磁性体ワーク20をリフトアップさせることなく当接および支持した後に、サポート部材50とは別体に配設した図示しない固定保持手段(例えばクランプ)によりロッド52またはプランジャ53を把持することにより、プランジャ53の突出状態を固定保持する形態としてもよい。
また、プランジャ53や弾性部材である押圧力吸収ばね54を配設しなくても、プランジャ53を載置面34から突出させる際に、低圧力の流体を供給することにより、プランジャ53が磁性体ワーク20に当接しても磁性体ワーク20をリフトアップさせることなく、磁性体ワーク20の載置面側の表面形状に倣ってプランジャ53を当接させて支持する形態を採用することも可能である。これは磁性体ワーク20の不整面の凹凸量がわずかである場合においては十分に実現可能である。
以上に、本願発明にかかるマグネットチャック10について実施形態に基づいて詳細に説明してきたが、本願発明は、以上に示した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で各種の変更を施したとしても本願発明の技術的範囲に属することはもちろんである。例えば、本実施形態においては、本体30に保持ユニット70を3行5列のマトリクス状の配列に配設しているが、本体30へ配設する保持ユニット70の数は、使用する磁性体ワーク20の厚さ寸法と平面寸法とのアスペクト比等、磁性体ワーク20の変形のし易さに応じて適宜配設数を調整できる。
また、本実施形態においては、1個の電磁コイル40の中心位置に1個のサポート部材50を対応させることにより保持ユニット70を構成しているが、サポート部材50の配設位置は、電磁コイル40の外側位置にすることもできる。
さらに他の保持ユニット70としては、図17に示すように、1個の電磁コイル40の平面配設位置において、電磁コイル40の内側位置に複数個のサポート部材50を対応させて配設した形態を採用することもできる。
また、本実施形態においては、本体30と台板90の平面形状を長方形状としているが、本体30および台板90の平面形状は正方形や円形などの他の形状にすることもできる。この際、台板90に形成する連通部96は、配設延長が可及的に短くなるように配設することが好ましい。
また、本実施形態においては、研削加工についてのみ説明しているが研削加工と同程度の加工精度が要求される切削加工において本願発明にかかるマグネットチャック10を用いても加工コストの低減に貢献するのはもちろんである。
本実施形態におけるマグネットチャックの平面図である。 本実施形態におけるマグネットチャックの正面図である。 本実施形態におけるマグネットチャックの右側面図である。 図1中のA−A線における断面図である。 図1中のB−B線における断面図である。 図1中のC−C線における断面図である。 図1中のD−D線における断面図である。 サポート部材の初期状態を示す断面図である。 サポート部材のロッドを突出させている状態を示す断面図である。 サポート部材のロッド先端のプランジャが磁性体ワークに当接した状態を示す断面図である。 サポート部材のロッドの突出状態が固定保持された状態を示す断面図である。 マグネットチャックに加工前の磁性体ワークを載置した状態を示す正面図である。 磁性体ワークをロッドにより保持した状態を示す正面図である。 ロッドで支持された磁性体ワークを磁力によりチャックした状態を示す正面図である。 研削加工装置により磁性体ワークを研削加工している状態を示す正面図である。 片側面を研削加工した後に磁性体ワークを取り出した状態を示す正面図である。 他の実施形態の一例を示すマグネットチャックの平面図である。 従来技術におけるマグネットチャックを用いて研削加工を行った際の各工程における磁性体ワークの状態を示す正面図である。
符号の説明
10 マグネットチャック
20 磁性体ワーク
30 本体
32 凹部
32A 収容部
32B ドレン孔
34 載置面
40 電磁コイル
42 セパレータ
44 エポキシ樹脂
50 サポート部材
51 ハウジング
51A 流入孔
51B 隙間
52 ロッド
52A コイルばね
52B ピストン
53 プランジャ
54 押圧力吸収ばね
55 環状コレット
56 環状ピストン
56A 支持ばね
57 鋼球
58 肩部
59 流体貯留部
60 蓋
62 開口部
70 保持ユニット
72 流体用通路連通孔
74 Oリング
80 電源コード
82 流体用ホース
90 台板
92 流体用通路
96 連通部
98 連通孔
100 研削加工装置の砥石

Claims (6)

  1. 一面側に載置された磁性体ワークを吸着する複数の電磁コイルが埋設された本体と、
    前記本体の一面側からプランジャの先端部が突出入可能に設けられた複数のサポート部材と、
    前記プランジャの各先端が前記磁性体ワークの載置面側に当接したとき、前記磁性体ワークを本体の一面側に吸着するように、前記電磁コイルの各々に通電する通電制御部と、を具備し、
    前記サポート部材には、前記本体の一面側に載置された前記磁性体ワークの載置面側に、前記プランジャの各先端が当接しても、前記磁性体ワークがリフトアップされることのない力で前記プランジャの先端部を前記本体の一面側から突出させる突出手段と、
    前記プランジャの各先端が前記磁性体ワークの載置面の形状に倣って当接したとき、前記プランジャの突出量を固定保持する固定保持手段と、が設けられていることを特徴とするマグネットチャック。
  2. 前記突出手段には、筒状のプランジャ内に一端部が挿入されているロッドの他端部に、所定圧力の流体が供給されるピストンが装着され、
    且つ、前記ロッドの一端と前記プランジャの内壁面との間には、前記ピストンに所定圧力の流体を供給して前記ロッドの一端部を前記磁性体ワークの方向に突出させて、前記プランジャの先端が前記磁性体ワークの載置面に当接したとき、前記ロッドの突出力を吸収し、前記プランジャが前記磁性体ワークをリフトアップさせることがないように、前記ロッドの一端と前記プランジャの内壁面との間に、前記プランジャの先端を前記磁性体ワークの方向に弾発する弾性部材が挿入されていることを特徴とする請求項1記載のマグネットチャック。
  3. 前記固定保持手段は、前記プランジャを把持して固定できるように、前記プランジャの外周面に外嵌され、外周面がテーパ面に形成された環状コレットと、前記プランジャの先端が前記磁性体ワークの載置面に当接した後、前記環状コレットを握り締めて前記プランジャを把持して固定できるよう、前記環状コレットのテーパ面に沿って移動する環状ピストンと、を具備することを特徴とする請求項1または2記載のマグネットチャック。
  4. 前記本体には、その一面側に開口する複数の凹部が形成されており、前記凹部の各々には、前記サポート部材が収容され、前記凹部の底面には、前記磁性体ワークの加工時に使用される液体が排出されるドレン孔が開口されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のマグネットチャック。
  5. 前記本体の底部には、前記凹部の各底面に開口されたドレン孔どうしを連通する連通部が設けられ、前記連通部が前記本体の側面に開口していることを特徴とする請求項4記載のマグネットチャック。
  6. 前記本体の他面側には台板が配設され、前記台板には前記サポート部材と前記突出手段とを連通する流体用通路が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のマグネットチャック。
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