JP2009255066A - ダストの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメントキルン抽気ダストの脱塩素水洗水に含まれるセレンを水質汚濁防止法に係る排水基準値以下の0.1mg/L以下に処理する。
【解決手段】塩素およびセレンを含むダスト中の塩素濃度を測定し、ダストに水を加えてスラリー化した後、固液分離し、固液分離した後の液相に第1鉄塩化合物を供給する際に、前記測定した塩素濃度に応じて第1鉄塩化合物の供給量を制御する。第1鉄塩化合物を供給する際にpH調整剤を供給して液相のpHを8から11に調節することが好ましい。第1鉄塩化合物を供給した後に固液分離し、固液分離した後の液相に第2鉄塩化合物を供給する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ダスト中の塩素やセレンなどの有害物質を除去し、除去した後の固形物を有効利用するダストの処理方法に関する。
塩素、アルカリ、硫黄含有物の多いセメント原料を使用した場合、セメントクリンカ中に含まれる塩素、アルカリ、硫黄の量が多くなり、セメントの品質に悪影響を与えるだけでなく、塩素、アルカリ、硫黄は蒸気圧の高い化合物を形成し、セメント装置内においてガス化して循環する前に、装置内の比較的温度の低い部分に凝縮してコーティングを形成するため、セメント製造上のトラブルの原因ともなっている。
この問題を解決するために、セメントキルンの釜尻部分から焼成ガスの一部を抽気して、セメント製造内を循環する塩素、アルカリの量を低減することが行われている。このような焼成ガスの抽気を行うと、塩素、アルカリ、硫黄の含有量が多い抽気ダストが必然的に同伴し、このダストの処理が必要になる。即ち、抽気ダストには塩素、アルカリ、硫黄以外にも鉛、カドミニウム、クロム、マンガン、鉄、セレンなど、水質汚濁防止法で規制された有害物質が含まれており、抽気ダストを未処理のまま埋め立て、廃棄を行えば環境汚染を引き起こすため、適切な方法で処理する必要がある。また、抽気ダストを廃棄するのではなく、セメント原料として再利用する場合にも、抽気ダスト中に含まれるアルカリ、塩素の量を低減した後に原料系に戻す必要がある。
塩素や有害物質をより多く含まれる廃棄物をセメント製造の原料や燃料として使用する量が増大している現在では、ダストの適切な処理方法がより求められている。
特開2002−273455号公報
本発明は、セメントキルン抽気ダストなどのダストを水洗処理することにより脱塩し、脱塩水に含まれる前記重金属などの有害物質を水質汚濁防止法に係る排水基準以下にまで除去して放流可能にするダストの処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、ダスト中の塩素濃度と有害物質のセレンの除去率との間に因果関係があることを見出し発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)塩素およびセレンを含むダスト中の塩素濃度を測定し、ダストに水を加えてスラリー化した後、固液分離し、固液分離した後の液相に第1鉄塩化合物を供給する際に、前記測定した塩素濃度に応じて第1鉄塩化合物の供給量を制御することを特徴とするダストの処理方法。
(2)第1鉄塩化合物を供給する際にpH調整剤を供給する前記(1)記載のダストの処理方法。
(3)pH調整剤を供給して液相のpHを8から11に調節する前記(2)記載のダストの処理方法。
(4)第1鉄塩化合物を供給した後に固液分離し、固液分離した後の液相に第2鉄塩化合物を供給する前記(3)記載のダストの処理方法。
(5)第2鉄塩化合物を供給した後に固液分離し、固液分離した後の固相をセメント製造装置に供給する前記(4)記載のダストの処理方法。
(6)ダストはセメントキルン抽気ダストである前記(1)から(5)のいずれかに記載のダストの処理方法。
(7)ダストに、前記固液分離した後の液相の塩素濃度が2質量%以下になるように水を加えてスラリー化する(1)から(6)のいずれかに記載のダストの処理方法。
本発明によれば、ダスト中の塩素と有害物質の濃度の変動が生じてもタイムリーに薬剤の供給量を制御できるため、ダスト中の塩素と有害物質を水質汚濁防止法に係る排水基準以下にまで除去して放流可能にすることができる。また、過剰な薬剤の供給を防止することができ、薬剤の注入に伴い発生するスラッジの発生量も最少とすることができる。ダストの処理設備も過剰なものになることを防止できる。
塩素およびセレンを含むダストしては、セメントキルン抽気ダスト、都市ごみ焼却灰、などが挙げられる。この中で、セメントキルン抽気ダストが好適に用いられる。以下、塩素およびセレンを含むダストとしてセメントキルン抽気ダストを例に本発明を詳細に説明する。
セメントキルン抽気ダストとは、セメントクリンカ原料を予熱、仮焼するプレヒータとクリンカ焼成するキルンとキルンで焼成されたクリンカを急冷するクリンカクーラで構成されているセメントクリンカ製造装置のプレヒータ下部からダストを含む排ガスを抽気して、冷却後、排ガスから分離捕集した固体をいう。
セメントキルン抽気ダストを得る方法としては、プレヒータ下部のライジングダクトと呼ばれる部分の壁面に接続した抽気管から1000〜1200℃のキルン排ガスを排気ファンにより抽気する。次に抽気ガスは冷却室に送られ、ここに吹き込まれる空気により冷却速度が600〜800℃/秒で急冷される。この急冷により排ガスの温度は、300から600℃となり、排ガスに含まれる揮発性アルカリ塩の融点以下に冷され固化する。その後、排気ファンで吸引されて集塵機へ送られガスと分離、捕集される。セメントキルン排ガスから抽出されたダストの化学組成としては、例えばカルシウムが5から40重量%、塩素が10から30重量%、カリウムが15から30重量%、ナトリウムが1から5重量%その他の微量成分である。微量成分としては、鉛が0.1から0.5重量%、カドミウムが0.01から0.3重量%、銅が0.01から0.1重量%、亜鉛が0.01から0.1重量%、セレンが0.005から0.1重量%などである。セメントキルン抽気ダストのメジアン径は、5μm〜50μmである。
次に、集塵機へ送られガスと分離、捕集されたセメントキルン抽気ダストに含まれる塩素濃度を測定する。塩素濃度を測定する方法としては、蛍光X線測定や電位差滴定等が挙げられる。
次に、セメントキルン抽気ダストに水を加えてスラリー化する。セメントキルン抽気ダストは、ダスト受入れタンクに投入する。ダスト受入れタンクの下部から、スクリューコンベアなどのダスト抜き出し装置により、ダストはスラリー槽へ送られる。スラリー槽には、水が供給される。水は工業用水を用いることができる。水の供給量は、ダストの重量に対して3から10倍、好ましくは4から6倍である。水の添加量は、固液分離した液相の塩素濃度が2質量%以下になるように加えることもできる。一般に海水の塩素濃度は0.005〜2質量%であり、液相の塩素濃度が2質量%以下であれば、処理排水をそのまま放流可能である。スラリー槽には、攪拌装置が設置されており、抽気ダストと水を攪拌することによりスラリー化される。これにより、セメントキルン抽気ダストに含まれる塩化カリウム、塩化ナトリウム、及び塩化カルシウム等の塩素を含むアルカリ金属塩を溶出させ脱塩される。スラリー槽における抽気ダストの滞留時間は、1〜3時間が好ましい。
スラリーは、固液分離される。固液分離する方法としては、ろ過法、遠心分離法、沈降分離法等を利用することができる。
固液分離した後の液相に第1鉄塩化合物を供給する。この際に、前記測定した塩素濃度に応じて第1鉄塩化合物の供給量を制御する。測定した塩素濃度が高ければ、第1鉄塩化合物の供給量を増加させ、塩素濃度が低ければ、第1鉄塩化合物の供給量を減少させる。具体的には、塩素濃度に応じて、第1鉄塩化合物の供給ポンプのストローク数を制御することや、第1鉄塩化合物の供給配管に設置した調節弁を制御する。第1鉄塩化合物としては、例えば塩化第1鉄、塩化第1鉄・二水和物、硫酸第1鉄、硫酸第1鉄・七水和物、ポリ硫酸第1鉄等が挙げられる。水溶液で供給することが好ましい。
第1鉄塩化合物の添加量は、第1工程で固液分離した液相(以下「原水」という)中の6価セレンに対し、鉄イオン換算で200から5000倍モル量、好ましくは300から4000倍モル量、より好ましくは500から4000倍モル量である。第1鉄塩化合物を供給することにより、溶存する重金属が処理される。特に、処理が困難な6価セレン(セレン酸)を4価セレン(亜セレン酸)に還元し、後述する第2鉄塩化合物を使用して除去することを主な目的としている。本発明における塩素濃度とセレンの除去率との因果関係は必ずしも明確ではないが、セメントキルン抽気ダスト中に含まれる塩素が6価セレン(セレン酸)の4価セレン(亜セレン酸)への還元を阻害すると推定している。
第1鉄塩化合物を供給する際にpH調整剤を同時に供給することができる。これにより、重金属の除去やセレンの還元を効果的に達成することができる。pH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸が挙げられる。セメントキルン抽気ダストの処理においては、pH調整剤を使用することにより液相のpHを8から11、好ましくは9から10に調節される。
第1鉄塩化合物の添加した後、または第1鉄塩化合物の添加しpH調整を行った後に高分子凝集剤を添加することもできる。これにより、固相を効果的に凝集させ除去することができる。添加する高分子凝集剤は、水酸化鉄を主成分とする沈殿物の凝集を促進して固液分離を容易にする効果を示す。高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド又はポリアクリル酸ソーダを含む高分子凝集剤であれば良く、ノニオン系、カチオン系、アニオン系を問わずに使用できる。また、高分子凝集剤の添加量は、0.2から4mg/L、好ましくは0.5から2mg/Lである。
第1鉄塩化合物を供給した後に固液分離し、固液分離した後の液相に第2鉄塩化合物を供給する。固液分離する方法としては、ろ過法、遠心分離法、沈降分離法等を利用することができる。第2鉄塩化合物としては、塩化第2鉄、塩化第2鉄・六水和物、硫酸第2鉄、ポリ硫酸第2鉄等が挙げられる。第2鉄塩化合物の添加量は、原水中の全セレン量に対し、鉄イオン換算で30から300倍モル量、好ましくは50から300倍モル量、より好ましくは100から250倍モル量である。これにより、重金属などの有害物質を除去することができる。
第2鉄塩化合物を供給する際にpH調整剤を同時に供給することができる。これにより、重金属の除去やセレンの還元を効果的に達成することができる。pH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸が挙げられる。セメントキルン抽気ダストの処理においては、pH調整剤を使用することにより液相のpHを8から11、好ましくは9から10に調節される。
第2鉄塩化合物の添加した後、または第2鉄塩化合物の添加しpH調整を行った後に高分子凝集剤を添加することもできる。これにより、固相を効果的に凝集させ除去することができる。添加する高分子凝集剤は、水酸化鉄を主成分とする沈殿物の凝集を促進して固液分離を容易にする効果を示す。高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド又はポリアクリル酸ソーダを含む高分子凝集剤であれば良く、ノニオン系、カチオン系、アニオン系を問わずに使用できる。また、高分子凝集剤の添加量は、0.2から4mg/L、好ましくは0.5から2mg/Lである。
第2鉄塩化合物を供給した後に固液分離し、固液分離する方法としては、ろ過法、遠心分離法、沈降分離法等を利用することができる。固液分離した後の固相は鉄を含むため、セメント製造装置に供給して鉄源としてセメント原料に再利用可能である。固液分離した後の液相は、pHを調製した後、放流することができる。
尚、第1鉄塩化合物を添加した後の固液分離後の固相と第2鉄塩化合物を供給し固液分離した後の固相は、それぞれ単独でまたは2つの固相を合わせて、セメント製造装置に供給して鉄源としてセメント原料に再利用可能である。セメント製造装置としては、石灰石等の原料供給部、仮焼炉、ライジングダクトなどが挙げられる。
[セメントキルン抽気ダストの取得]
[抽気ダストAの取得]
セメントキルン窯尻部からダストを含む1100℃の排ガスを抽気率0.8%で抽気した後、抽気排ガスと冷却用空気2000m3/分を直接接触させることにより280℃に冷却し、バッグフィルタ式集塵器で抽気ダストとガスを分離した。セメントキルン排ガスから抽出された抽気ダストの化学組成は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(エスエスアイアイ・テクノロジー製、型式SPS5100型)の方法によって測定され、カルシウムが5.2重量%、カリウムが30重量%、ナトリウムが1.8重量%その他の微量成分である。微量成分としては、鉛が20000ppm、カドミウムが3400ppm、セレンが780ppmであった。また、塩素濃度は、JIS K 0102 35.1に従い硝酸銀滴定装置(平沼産業製、型式COM−2000)によって27重量%と求めた。さらに、メジアン径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、型式LA−910)によって11μmであった。
[抽気ダストBの取得]
抽気ダストAの抽気率を変えた別の条件下で、抽気ダストBの取得した。抽気ダストBの化学組成は、カルシウムが25重量%、カリウムが16重量%、ナトリウムが1.1重量%、鉛が3400ppm、カドミウムが880ppm、セレンが890ppmであった。また、塩素が10重量%であった。さらに、メジアン径が41μmであった。尚、各成分の測定方法は、抽気ダストAと同じである。尚、抽気ダストの組成は、セメント原料や仮焼炉およびキルン釜前に供給される微粉炭の組成、セメントクリンカの生産量、抽気率などによって異なる。従って、適宜抽気ダストをサンプリングして所望の化学組成を有する抽気ダストを得ることができる。
[実施例1]
上記で得られた抽気ダストA250gに水5000gを加え、3時間撹拌しスラリー化した。このスラリーは1μmのメンブランフィルターで固液分離を行い、得られたろ液(原水Aと称す)のpHは12.8で、塩化物イオン量は1.4重量%であった。
この原水Aに含まれる全セレンは、JIS K 0102に準拠し、以下の方法で定量した。
即ち、原水Aに硫酸を添加し、加熱し、硫酸白煙発生後、室温まで放冷し、塩酸を加え、90から100℃で10分間加熱し、放冷し、試料液とした。この試料液を水素化合物発生原子吸光分析装置に全セレンの定量を行った。この結果、全セレンの含有量は15mg/Lであった。
また、4価セレンは原水Aを前処理せず、水素化合物発生原子吸光分析装置(ジャーレルアッシュ製、型式SOLAAR 969S/E)にて定量を行った。4価セレンの含有量は12mg/Lであった。6価セレンは全セレンから4価セレンを差し引いた値とした。6価セレンの含有量は3mg/Lであった。
次に、原水Aに硫酸第1鉄・七水和物(和光純薬工業製)を3.8g/L(原水A中の6価セレンに対し、鉄イオン換算で360倍モル量)加え、更に硫酸を添加してpHが10になるように調整し、その後30分間撹拌混合した。次いで上記高分子凝集剤(種類:ダイヤフロックNP800ダイヤトリニック製)を2mg/L添加して10分間撹拌混合し、静置10分後にこの処理液を5種Aのろ紙でろ過した。
上記ろ液に1mol/Lの塩化第2鉄・六水和物(塩化第2鉄・六水和物換算2.4g/L)(和光純薬工業製)を添加し(原水A中の全セレンに対し、鉄イオン換算で47倍モル量)、水酸化ナトリウムを添加することによりpHを10に調節し、その後30分間撹拌混合した。次いで上記高分子凝集剤(種類:ダイヤフロックNP800 ダイヤトリニック製)を2mg/L添加して10分間撹拌混合し、静置10分後にこの処理液を5種Aのろ紙でろ過した。ろ液を原水Aの分析方法と同様な方法で定量を行った、6価セレンは0.13mg/Lであった。
[実施例2]
10%の塩素を含んだ抽気ダストB250gに水5000gを加え、3時間撹拌しスラリー化した。スラリーは1μmのメンブランフィルターで固液分離を行い、得られたろ液(原水Bと称す)のpHは12.8で、塩化物イオン量は0.43重量%であった。
この原水Bに含まれる6価セレンは、原水Aの分析方法と同じ方法で求めた。6価セレンの含有量は3mg/Lであった。
次に、原水Bに硫酸第1鉄・七水和物を加えて処理する以降の工程は実施例1と同様な方法で処理した。その結果、6価セレンは0.06mg/Lであった。この結果、抽気ダスト中の塩素バイパス濃度と6価セレンの除去率に因果関係があることが明らかとなった。
[実施例3]
硫酸第1鉄・七水和物の供給量を5.07g/L(原水A中の6価セレンに対し、鉄イオン換算で480倍モル量)に変更した以外は、実施例1と同様な方法で抽気ダストを処理した。その結果、6価セレンは0.06mg/Lであった。
[実施例4]
硫酸第1鉄・七水和物の供給量を5.07g/L(原水A中の6価セレンに対し、鉄イオン換算で480倍モル量)に変更した以外は、実施例2と同様な方法で抽気ダストを処理した。その結果、6価セレンは0.04mg/Lであった。
抽気ダスト中の塩素濃度と6価セレンの除去率との相関関係をより明確にするために、模擬液で以下に示す検証を行った。
[実施例5]
6価セレンが3.2mg/L及び塩化物イオン量が2重量%に調整した塩化カリウム(和光純薬工業社製)を含有したセレン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)水溶液を作製した。これを原水Cと称す。
上記原水Cに硫酸第1鉄・七水和物を3.4g/L(原水A中の6価セレンに対し、鉄イオン換算で302倍モル量)加え、更に水酸化ナトリウムを添加してpHが10になるように調整し、その後30分間撹拌混合した。
次いで上記高分子凝集剤(種類:ダイヤフロックNP800ダイヤトリニック製)を2mg/L添加して10分間撹拌混合し、静置10分後にこの処理液を5種Aのろ紙でろ過した。
上記ろ液を原水Aと同様な分析方法により定量を行った、6価セレンは、1.19mg/Lであった。
[実施例6]
塩化物イオン量を1重量%に変更した以外は、実施例5と同様な方法により、水溶液を処理した。その結果、6価セレンは0.35mg/Lであった。
[実施例7]
塩化物イオン量を0.5重量%に変更した以外は、実施例5と同様な方法により、水溶液を処理した。その結果、6価セレンは0.11mg/Lであった。
[実施例8]
塩化カリウムを使用せず(塩化物イオン量を0重量%)、セレン酸ナトリウム水溶液を作製した以外は、実施例5と同様な方法により、水溶液を処理した。その結果、6価セレンは0.02mg/Lであった。
実施例5から8から、抽気ダスト中の塩素バイパス濃度と6価セレンの除去率に因果関係があることが明らかとなった。この結果、ダスト中の塩素濃度を測定し、ダストに水を加えてスラリー化した後、固液分離し、固液分離した後の液相に第1鉄塩化合物を供給する際に、前記測定した塩素濃度に応じて第1鉄塩化合物の供給量を制御することにより、ダスト中の塩素と有害物質の濃度の変動が生じてもタイムリーに薬剤の供給量を制御できるため、ダスト中の塩素と有害物質を水質汚濁防止法に係る排水基準以下にまで除去して放流可能にすることができ、過剰な薬剤の供給を防止することができ、薬剤の注入に伴い発生するスラッジの発生量も最少とすることができる。

Claims (7)

  1. 塩素およびセレンを含むダスト中の塩素濃度を測定し、ダストに水を加えてスラリー化した後、固液分離し、固液分離した後の液相に第1鉄塩化合物を供給する際に、前記測定した塩素濃度に応じて第1鉄塩化合物の供給量を制御することを特徴とするダストの処理方法。
  2. 第1鉄塩化合物を供給する際にpH調整剤を供給する請求項1記載のダストの処理方法。
  3. pH調整剤を供給して液相のpHを8から11に調節する請求項2記載のダストの処理方法。
  4. 第1鉄塩化合物を供給した後に固液分離し、固液分離した後の液相に第2鉄塩化合物を供給する請求項1記載のダストの処理方法。
  5. 第2鉄塩化合物を供給した後に固液分離し、固液分離した後の固相をセメント製造装置に供給する請求項4記載のダストの処理方法。
  6. ダストはセメントキルン抽気ダストである請求項1から5のいずれか1項に記載のダストの処理方法。
  7. ダストに、前記固液分離した後の液相の塩素濃度が2質量%以下になるように水を加えてスラリー化する請求項1から6のいずれか1項に記載のダストの処理方法。
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