以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるかみそり器として電気かみそり器(シェーバ)を示す斜視図である。この電気かみそり器は、かみそり器本体としてのグリップ部1の先端側に、振動駆動手段としての振動源3を介して刃ブロック5を備えている。また、グリップ部1にはスイッチ7を設けている。
刃ブロック5は、図2に示すように、4つの刃ヘッド9を並列配置している。図2(a)は斜視図、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。なお、この刃ヘッド9の数は4つに限ることはなく、少なくとも2つ、すなわち複数設けてあればよい。
上記した各刃ヘッド9は、多数の小孔を備えた網状の外刃11と、この外刃11の内側に位置してその内面に沿って往復移動することで外刃11と協働して体毛であるヒゲを剃る図示しない内刃とを備えている。
このような刃ヘッド9は、外刃11が、図2(c)に示すように先端の頂面がほぼ半円に近い円弧形状を呈するとともに、図2(b)に示すように、長手方向に沿って緩やかな円弧形状を呈し、これに対応して内刃もその先端面が外刃11の内面にほぼ接触する状態として同形状としている。
また、外刃11は、外刃カセット15によって周囲が保持され、この外刃カセット15の長手方向に対応する側面相互を対向させるようにして複数の刃ヘッド9を並列配置している。さらに、これら複数の外刃カセット15は、上記並列配置した状態で外部ケース17に対し、後述する振動方向に移動可能に保持されており、外部ケース17は、その基端部をグリップ部1に取り付けている。
一方、内刃は、図示しない振動駆動部によって外刃11の内面にほぼ接触した状態でかつ外刃11の内面に沿って長手方向に向けて往復移動するよう振動駆動部に基端部が取り付けられている。
そして、これら外刃11を支持する外刃カセット15と内刃を支持する振動駆動部を、前記した振動源3に取り付けている。すなわち、外刃11及び内刃を備える4つの刃ヘッド9を、振動源3に取り付けていることになる。
図3は、各刃ヘッド9の振動源3に対する取付構造の概念を示す側面断面図で、各刃ヘッド9は、弾性体としてのコイルスプリング19を介してそれぞれ個別にベース部21に取り付けてある。この4つのコイルスプリング19は、ばね定数を互いに異ならせている。
このように4つの刃ヘッド9は、図3中で上下方向に個別に振動するが、4つのコイルスプリング19のばね定数を互いに異ならせることで、外刃11の先端の各頂面の前後方向(図3中で上下方向)位置が互いに異なるように個別に前後方向に進退移動して振動することになる。
なお、上記した外刃11の前後方向とは、外刃11の先端の頂面が皮膚に対向する方向である。
次に、振動源3について説明する。図4は図3の振動源3のA矢視断面図であり、振動源3の駆動手段としてはモータ23を用いている。モータ23はモータハウジング25内に収容固定して、そのモータ軸27を図3中で上方のベース部21に向けて突出させている。モータハウジング25は、図1に示すグリップ部1の本体ハウジング29内に収容されて該本体ハウジング29に対して図3中で上下方向に移動可能としている。なお、この本体ハウジング29は図3では省略している。
また、モータハウジング25は、モータ軸27側の端部にモータ軸27よりも前方に位置する取付ブロック31を有し、この取付ブロック31を介して前記したベース部21に固定している。
モータ軸27にはウォーム33を取り付け、ウォーム33にはウォームホイール35を噛み合わせている。ウォームホイール35は、回転支持軸37を介してモータハウジング25に回転可能に支持されており、ウォームホイール35には回転支持軸37に対してその外周側にずれた位置に連結ピン39を介してクランクアーム41の一端部(図3,4中で上端部)を回転可能に連結している。
クランクアーム41の他端部(図3,4中で下端部)は、回転支持ピン43に回転可能に連結され、回転支持ピン43の軸方向両端(図3中で紙面に直交する方向の両端、図4中で左右方向両端)は本体ハウジング29に回転可能に支持されている。
したがって、モータ23の駆動によりウォーム33及びウォームホイール35が順次回転し、ウォームホイール35の回転に伴って、クランクアーム41の連結ピン39に連結された一端部側が、回転支持軸37の周囲を回転するようにして揺動回転する。この際、クランクアーム41は、他端部が回転支持ピン43を介して本体ハウジング29に支持されているので、モータハウジング25全体が回転支持ピン43を基準として本体ハウジング29に対して図3,図4中で上下方向に進退移動するよう振動する。この際モータハウジング25は、本体ハウジング29の図示しないガイド部に沿って進退移動する。
このようなモータハウジング25全体の振動により、取付ブロック31を介してベース部21も同方向に振動し、その結果4つの各刃ヘッド9は、対応する各コイルスプリング19を介して同方向に振動することになる。
そして、本実施形態では、4つのコイルスプリング19のばね定数を互いに異ならせているので、外刃11先端の各頂面の前記した前後方向位置が互いに異なるように個別に進退移動して振動することになる。
すなわち、本実施形態では、複数の刃ヘッド9を、外刃11先端の各頂面の、該頂面に対して交差する前後方向位置が、互いに異なるようにかみそり器本体に対して個別に振動可能としている。
このように、本実施形態では、外刃11先端の各頂面の前後方向位置が互いに異なるように個別に前後方向に進退移動して振動するので、振動形態としては後で各種説明するが、複数の刃ヘッド9のうち、例えば1つのみを皮膚に押し付けた状態を実現できるので、その部分に押し付け力が集中し、押し付けた刃ヘッド9の外刃11の孔にヒゲをより深く入り込ませることができ、ヒゲ剃り効果をより確実に得ることができる。
また、通常では、外刃11を皮膚に接触させた状態で皮膚表面に沿って移動させ、その際ヒゲは、外刃11の表面に押し付けられて押し倒され、その後起き上がることで外刃11の孔に入り込むことになるが、本実施形態では、このようなヒゲ剃り過程において、皮膚から離れ後退した状態の刃ヘッド9が上記の振動により皮膚に向けて前進することで、ヒゲを押し倒すことなく起立した状態で外刃11の孔に向けて入り込ませることができるので、ヒゲ剃り効果をさらに高めることができる。
また、複数の刃ヘッド9のうち少なくとも1つが前進限に位置するときに、他の1つが後退現に位置する振動形態とすることで、前進している刃ヘッド9による押し付け力がより集中し、押し付け力の最大値が安定化する。
このような本実施形態による電気かみそり器によれば、1つのベース部21を振動させるだけで、4つのコイルスプリング19が互いに異なる振動形態となり、極めて簡単な構成で、複数の刃ヘッド9を個別に前後方向に容易に振動させることができる。
次に、上記した複数(ここでは4つ)の刃ヘッド9の各種振動形態(全部で8パターン)について、図5〜7に基づき説明する。これら8種のパターンは、いずれもt=t0の初期状態から振動を開始して、t=t1,t2というように時間経過に伴う変化を示している。なお、t=t0の初期状態は、外刃11の先端の頂面が同一面S上に位置するものとする。また、ここでは、図中で左側から右側へ刃ヘッド9(0),9(1),9(2),9(3)としている。
図5(a)に示すパターン1は、t=t1で、刃ヘッド9(0)を最も前進させた前進限位置とする一方、刃ヘッド9(3)を最も後退させた後退限位置として、刃ヘッド9(0)と刃ヘッド9(3)との間で前後方向位置を順次変化させている。t=t2では、t=t1とは逆に、刃ヘッド9(0)を最も後退させた後退限位置とする一方、刃ヘッド9(3)を最も前進させた前進限位置とする。
このような振動形態は、t=t0からt=t1までは、左側2つの刃ヘッド9(0),9(1)を前進させるが、その際刃ヘッド9(0)の前進量を刃ヘッド9(1)の前進量より大きくする。また、t=t0からからt=t1までは、右側2つの刃ヘッド9(2),9(3)を後退させるが、その際刃ヘッド9(3)の後退量を刃ヘッド9(2)の後退量より大きくする。刃ヘッド9(0)の前進量と刃ヘッド9(3)の後退量はほぼ同等で、刃ヘッド9(1)の前進量と刃ヘッド9(2)の後退量はほぼ同等である。
t=t1からt=t2までは、左側2つの刃ヘッド9(0),9(1)を後退させるが、その際刃ヘッド9(0)の後退量を刃ヘッド9(1)の後退量より大きくする。また、t=t1からt=t2までは、右側2つの刃ヘッド9(2),9(3)を前進させるが、その際刃ヘッド9(3)の前進量を刃ヘッド9(2)の前進量より大きくする。刃ヘッド9(0)の後退量と刃ヘッド9(3)の前進量はほぼ同等で、刃ヘッド9(1)の後退量と刃ヘッド9(2)の前進量はほぼ同等である。
このような4つの刃ヘッド9の動きが繰り返しなされて前後方向に振動する。
この場合、刃ヘッド9(0)と刃ヘッド9(3)との間で、前記したように1つが前進限に位置するときに、他の1つが後退現に位置する振動形態に相当し、前進限としている例えばt=t1での刃ヘッド9(0)による押し付け力がより集中し、押し付け力の最大値が安定化する。
図8(a)は、上記した図5(a)のパターン1において、刃ヘッド9(0)の先端頂面を基準面Sとして他の刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の先端頂面の基準面Sに対する位置変位ΔH1,ΔH2,ΔH3を示している。t=t1では、前進を正(+)、後退を負(−)とすると、ΔH1,ΔH2,ΔH3はすべて負であり、その絶対値は、ΔH1<ΔH2<ΔH3となる。t=t2では、ΔH1,ΔH2,ΔH3はすべて正であり、その絶対値は、ΔH1<ΔH2<ΔH3となる。
図5(b)に示すパターン2は、t=t0から両側の刃ヘッド9(0),9(3)を同量前進させる一方、中央2つの刃ヘッド9(1),9(2)を同量後退させてt=t1の状態とする。t=t1からは、両側の刃ヘッド9(0),9(3)を同量後退させる一方、中央2つの刃ヘッド9(1),9(2)を同量前進後退させてt=t2の状態とする。
すなわち、この振動形態は、両側2つの刃ヘッド9(0),9(3)と、中央2つの刃ヘッド9(1),9(2)とを、交互に前進と後退を繰り返し行うもので、これら前進量と後退量は基準面Sに対して同等とする。このときの刃ヘッド9(0)の先端頂面を基準面Sとして他の刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の先端頂面の基準面Sに対する位置変位ΔH1,ΔH2,ΔH3を図8(b)に示す。t=t1では、ΔH1,ΔH2が負、ΔH3が±0であり、t=t2では、ΔH1,ΔH2が正、ΔH3が±0である。
この場合は、刃ヘッド9(0),9(3)と刃ヘッド9(1),(2)との間で、少なくとも1つが前進限に位置するときに、他の少なくとも1つが後退現に位置する振動形態に相当し、前進限としている例えばt=t1での刃ヘッド9(0),9(3)による押し付け力がより集中し、押し付け力の最大値が安定化する。
図5(c)に示すパターン3は、上記のパターン2における、2つの刃ヘッド9(0),9(3)と、中央2つの刃ヘッド9(1),9(2)とを、交互に前進と後退を繰り返し行うものに対し、2つの刃ヘッド9(0),9(2)と、2つの刃ヘッド9(1),9(3)とを、交互に前進と後退を繰り返し行うものであり、同方向に移動する刃ヘッドの組み合わせを図5(b)のパターン2に対して変えただけである。
このときの刃ヘッド9(0)の先端頂面を基準面Sとして他の刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の先端面の基準面Sに対する位置変位ΔH1,ΔH2,ΔH3を図8(c)に示す。t=t1では、ΔH1,ΔH3が負、ΔH2が±0であり、t=t2では、ΔH1,ΔH3が正、ΔH2が±0である。
図6(a)に示すパターン4は、上記のパターン3における、2つの刃ヘッド9(0),9(2)と、2つの刃ヘッド9(1),9(3)とを、交互に前進と後退を繰り返し行う点は同等であるが、刃ヘッド9(0)と9(2)の前進後退の各移動量を刃ヘッド9(0)の方が大きくなるよう互いに変化させるとともに、刃ヘッド9(1)と9(3)との前進後退の各移動量を刃ヘッド9(3)の方が大きくなるよう互いに変化させている。
したがって、このときの刃ヘッド9(0)の先端頂面を基準面Sとして他の刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の先端頂面の基準面Sに対する位置変位ΔH1,ΔH2,ΔH3は、図9(a)に示すように、t=t1ですべて負、t=t2ですべて正であり、これらの絶対値は、いずれもΔH2<ΔH1<ΔH3となる。
図6(b)に示すパターン5は、上記のパターン4のように、2つの刃ヘッド9(0),9(2)と、2つの刃ヘッド9(1),9(3)とを、交互に前進と後退を繰り返し行う点は同等であるが、刃ヘッド9(0)と9(2)の前進後退の各移動量を刃ヘッド9(2)の方が大きくなるよう互いに変化させるとともに、刃ヘッド9(1)と9(3)の前進後退の各移動量を刃ヘッド9(1)の方が大きくなるよう互いに変化させている。
したがって、このときの刃ヘッド9(0)の先端頂面を基準面Sとして他の刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の先端面の基準面Sに対する位置変位ΔH1,ΔH2,ΔH3は、図9(b)に示すように、t=t1で、ΔH1,ΔH3が負、ΔH2が正で、これらの絶対値はH2<ΔH3<ΔH1となり、t=t2で、ΔH2,ΔH3が正、ΔH2が負で、これらの絶対値はH2<ΔH3<ΔH1となる。
図6(c)に示すパターン6は、3つの刃ヘッド9(0),9(1),9(3)と1つの刃ヘッド9(2)とで、交互に前進と後退を繰り返し行うもので、刃ヘッド9(0),9(1),9(3)の前進後退の移動量を適宜変化させている。ここでは刃ヘッド9(1),9(3)の移動量を同等として、これらの移動量より刃ヘッド9(0)の移動量を大きくしている。
このときの刃ヘッド9(0)の先端頂面を基準面Sとして他の刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の先端頂面の基準面Sに対する位置変位ΔH1,ΔH2,ΔH3は、図9(c)のようになる。
図7(a)に示すパターン7は、左側3つの刃ヘッド9(0),9(1),9(2)と右側1つの刃ヘッド9(3)とで、交互に前進と後退を繰り返し行うもので、刃ヘッド9(0),9(1),9(2)の前進後退の移動量を適宜変化させている。ここでは、刃ヘッド9(0),9(2)の移動量を同等として、これらの移動量より刃ヘッド9(1)の移動量を大きくしている。
このときの刃ヘッド9(0)の先端頂面を基準面Sとして他の刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の先端頂面の基準面Sに対する位置変位ΔH1,ΔH2,ΔH3は、図10(a)のようになる。
図7(b)に示すパターン8は、4つの刃ヘッド9(0),9(1),9(2),9(3)のすべてについて、前進と後退を同時に繰り返し行うもので、t=t0からt=t1では前進移動量について、刃ヘッド9(0)が最大で、刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の順に段階的に小さくしている。t=t1からt=t2では後退移動量について、刃ヘッド9(0)が最大で、刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の順に段階的に小さくしている。すなわち、本例では、刃ヘッド9の上下振動量について、刃ヘッド9(0)が最大で、刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の順に段階的に小さくしている。
このときの刃ヘッド9(0)の先端頂面を基準面Sとして他の刃ヘッド9(1),9(2),9(3)の先端頂面の基準面Sに対する位置変位ΔH1,ΔH2,ΔH3は、図10(b)のようになる。
なお、上記した複数(ここでは4つ)の刃ヘッド9の各種振動形態は、上記した8つパターンに限定されるものではなく、その他にも各種考えられる。また、各刃ヘッド9を支持するコイルスプリング19に代えて板ばねなど他の弾性体を使用してもよい。
図11(a)は、本発明の第2の実施形態に係わる電気かみそり器の前記図3に対応する簡略化した側面図、図11(b)は同電気かみそり器の正面図である。この電気かみそり器は、前記図1に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド9とほぼ同様な刃ヘッド9Aを2つ備えている。なお、図11(a)では、図11(b)に示しているグリップ部1を省略している。
すなわち、この刃ヘッド9Aも特に図示しないが、網状の外刃と、外刃の内側にてその長手方向(図11(a)中で紙面に直交する方向)に往復移動する内刃とを備えるとともに、外刃を保持する外刃カセット15A及び内刃の振動駆動部を備えている。
この外刃カセット15Aは、内刃の振動駆動部とともに、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図11中で上下方向の前後方向に移動可能に取り付けてある。すなわち、刃ヘッド9Aが、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図11中で上下方向に移動可能である。
なお、この電気かみそり器には、2つの刃ヘッド9A相互間に、これら刃ヘッド9Aで剃ることができるヒゲよりも長いヒゲを効果的に剃るための刃ヘッド45を設けている。この刃ヘッド45についても外刃,内刃及び内刃の振動駆動部などを備え、グリップ部1の本体ハウジング29に図示しない取付具などを介して取り付けられる。
上記した刃ヘッド9Aの外刃カセット15Aには、連結具としての連結ロッド47の一端を、図11(b)中で左右方向を軸心とする連結ピン48を介して回転可能に連結し、連結ロッド47の他端は偏心カム49の一部位に、連結ピン48と平行な連結ピン51を介して回転可能に連結する。
なお、連結ロッド47の外刃カセット15Aへの連結は、図11(b)に示すように、外刃カセット15Aに設けた溝53内に連結ピン48の両端を支持させ、溝53内に連結ロッド47を挿入して連結ピン48bに支持させる。これにより連結ロッド47は、連結ピン48を中心として溝53内にて図11(b)中で紙面に直交する方向に揺動可能となる。
一方、グリップ部1の本体ハウジング29には取付具55を固定し、取付具55上に駆動手段としてのモータ57を取り付ける。モータ57のモータ軸59には、前記した偏心カム49の他部位を連結ピン61を介して連結固定する。
したがって、モータ57の回転により偏心カム49が回転し、これに伴い連結ロッド47が、連結ピン48を中心として揺動しつつグリップ部1に対し図11中で上下の前後方向に進退移動し、刃ヘッド9Aも同方向に往復移動して振動する。
この振動の際、図11(a)中で左右2つの偏心カム49の回転位置を互いに異なるよう設定しておくことで、2つの刃ヘッド9Aの振動形態を変化させることができる。すなわち、複数の刃ヘッドを、その外刃の先端の各頂面に対して交差する前後方向位置が互いに異なるように、本体ハウジング29に対して個別に振動可能としている。
例えば、2つのモータ57を同時に作動開始するとした場合に、一方の連結ロッド47を前進限位置とし、他方の連結ロッド47を後退限位置となるように設定することで、前記した第1の実施形態と同様に、前進している刃ヘッドによる押し付け力がより集中し、押し付け力の最大値が安定化するものとなる。
なお、上記第2の実施形態では、駆動手段となるモータ57を2つの刃ヘッド9Aに対応して2つ設けているが、1つのモータにより歯車などの動力伝達機構を利用して2つの刃ヘッド9Aを同時に振動させるようにしてもよい。
図12(a)は、本発明の第3の実施形態に係わる電気かみそり器の前記図3に対応する簡略化した側面図、図12(b)は同電気かみそり器の正面図である。この電気かみそり器は、前記図1に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド9とほぼ同様な刃ヘッド9Bを2つ備えている。
すなわち、この刃ヘッド9Bも、網状の外刃11Bと、外刃11Bの内側にてその長手方向(図12(a)中で紙面に直交する方向)に往復移動する内刃とを備えるとともに、外刃11Bを保持する外刃カセット15B及び内刃の振動駆動部を備えている。
この外刃カセット15Bは、内刃の振動駆動部とともに、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図12中で上下方向の前後方向に移動可能に取り付けてある。すなわち、刃ヘッド9Bが、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図12中で上下方向に移動可能である。
なお、この電気かみそり器においても、2つの刃ヘッド9B相互間に、前記図11に示した第2の実施形態と同様な刃ヘッド45を設けている。
上記した刃ヘッド9Bの外刃カセット15Bの下部内には取付板63を固定し、取付板63の下面には連結具としての連結ロッド65の一端を連結する。連結ロッド65は刃ヘッド9Bの振動方向(図12中で上下方向)に延びその他端を円板状のカム67の外周面に当接させる。カム67の連結ロッド65が当接するカム面67aは、連結ロッド65に直交する平面に対して傾斜している。
なお、図示していないが、取付板63もしくは外刃カセット15Bと、後述する本体ハウジング29の取付具69との間には、連結ロッド65の先端をカム面67aに押し付ける機能を有するスプリングを設けているものとする。
一方、グリップ部1の本体ハウジング29には取付具69を固定し、取付具69に駆動手段としてのモータ71を取り付ける。モータ71のモータ軸73は前記したカム67の中心に連結固定する。
したがって、モータ71の回転によりカム67が回転し、これに伴い連結ロッド65がカム67によってグリップ部1に対し図12中で上下の前後方向に進退移動し、刃ヘッド9Bも同方向に移動して振動する。
この振動の際、図12(a)中で左右2つのカム67の回転位置を互いに異なるよう設定しておくことで、2つの刃ヘッド9Bの振動形態を変化させることができる。すなわち、複数の刃ヘッドを、その外刃の先端の各頂面に対して交差する前後方向位置が互いに異なるように、本体ハウジング29に対して個別に振動可能としている。
例えば、2つのモータ71を同時に作動開始するとした場合に、一方の連結ロッド65を前進限位置とし、他方の連結ロッド65を後退限位置となるように設定することで、前記した第1,第2の各実施形態と同様に、前進している刃ヘッドによる押し付け力がより集中し、押し付け力の最大値が安定化するものとなる。
なお、上記第3の実施形態では、駆動手段となるモータ71を2つの刃ヘッド9Bに対応して2つ設けているが、1つのモータにより歯車などの動力伝達機構を利用して2つの刃ヘッド9Bを同時に振動させるようにしてもよい。
図13(a)は、本発明の第4の実施形態に係わる電気かみそり器の前記図3に対応する簡略化した側面図、図13(b)は同電気かみそり器の正面図である。この電気かみそり器は、前記図1に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド9とほぼ同様な刃ヘッド9Cを2つ備えている。
すなわち、この刃ヘッド9Cも、網状の外刃11Cと、外刃11Cの内側にてその長手方向(図13(a)中で紙面に直交する方向)に往復移動する内刃とを備えるとともに、外刃11Cを保持する外刃カセット15C及び内刃の振動駆動部を備えている。
この外刃カセット15Cは、内刃の振動駆動部とともに、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図13中で上下方向の前後方向に移動可能に取り付けてある。すなわち、刃ヘッド9Cが、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図13中で上下方向に移動可能である。但し、ここでの刃ヘッド9Cは、本体ハウジング29に対する前進限位置と後退限位置をそれぞれ規制するためのストッパ部材を設けてあるものとする。
なお、この電気かみそり器においても、2つの刃ヘッド9C相互間に、前記図11に示した第2の実施形態と同様な刃ヘッド45を設けている。
上記した刃ヘッド9Cの外刃カセット15Cの下部内には、平板状のヘッド側永久磁石75を設け、このヘッド側永久磁石75に対し所定間隔をおいて平板状の駆動側永久磁石77を対向配置する。
駆動側永久磁石77は、前記図12に示した第3の実施形態と同様なモータ71のモータ軸73を中心部に連結固定しており、これら各永久磁石75,77は、互いに対向する面を磁極面として、円周方向に沿ってS極とN極とを交互に着磁させている。
したがって、モータ71の回転により駆動側永久磁石77が回転することで、駆動側永久磁石77とヘッド側永久磁石75との間で引力と斥力とが発生し、これによりヘッド側永久磁石75を、刃ヘッド9Cとともにグリップ部1に対し図12中で上下の前後方向に振動させることができる。
この振動の際、図13(a)中で左右2つのヘッド側永久磁石75のS極とN極の位置を互いに同等とした上で、左右2つの駆動側永久磁石77の回転位置(S極とN極の位置)を互いに異なるよう設定しておくことで、2つの刃ヘッド9Cの振動形態を変化させることができる。すなわち、複数の刃ヘッドを、その外刃の先端の各頂面に対して交差する前後方向位置が互いに異なるように、本体ハウジング29に対して個別に振動可能としている。
この場合、駆動側永久磁石77とヘッド側永久磁石75との間で引力と斥力とのいずれかを発生させるので、一方の刃ヘッドが前進限位置にあるときに、他方の刃ヘッドが後退限位置となり、これにより前進限位置にある刃ヘッドは押し付け力がより集中し、押し付け力の最大値が安定化するものとなる。
なお、上記第4の実施形態では、駆動手段となるモータ71を2つの刃ヘッド9Cに対応して2つ設けているが、1つのモータにより歯車などの動力伝達機構を利用して2つの刃ヘッド9Cを同時に振動させるようにしてもよい。
図14は、本発明の第5の実施形態に係わる電気かみそり器の前記図3に対応する簡略化した側面図である。この電気かみそり器は、前記図1に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド9とほぼ同様な刃ヘッド9Dを2つ備えている。
すなわち、この刃ヘッド9Dも特に図示しないが、網状の外刃と、外刃の内側にてその長手方向(図14中で紙面に直交する方向)に往復移動する内刃とを備えるとともに、外刃を保持する外刃カセット15D及び内刃の振動駆動部を備えている。
この外刃カセット15Dは、内刃の振動駆動部とともに、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図14中で上下方向の前後方向に移動可能に取り付けてある。すなわち、刃ヘッド9Dが、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図14中で上下方向に移動可能である。
なお、この電気かみそり器においても、2つの刃ヘッド9D相互間に、前記図11に示した第2の実施形態と同様な刃ヘッド45を設けている。
第5の実施形態の電気かみそり器は、静電気力を利用した静電アクチュエータ79によって刃ヘッド9Dを振動させている。すなわち、かみそり器本体としてのグリップ部1の本体ハウジング29に設けた取付具69に静電アクチュエータ79の本体部(固定部)79aを設ける一方、各刃ヘッド9Dの外刃カセット15Dに静電アクチュエータ79の可動部79bを取り付ける。この可動部79bは、本体部79aに対し後述する刃ヘッド9Dの振動方向(図14中で上下方向)に移動可能である。
したがって、第5の実施形態では、静電アクチュエータ79を作動させることで、可動部79bが固定部79aに対して図14中で上下方向の前後方向に移動し、これに伴い刃ヘッド9Dも同方向に移動して振動する。
この際、本実施形態では、2つの静電アクチュエータ79の各可動部79bの移動形態に変化をもたせるように、例えば静電アクチュエータ79の動作開始時期をずらせるなどすることで、2つの刃ヘッド9Dの振動形態を変化させることができる。すなわち、複数の刃ヘッドを、その外刃の先端の各頂面に対して交差する前後方向位置が互いに異なるように、本体ハウジング29に対して個別に振動可能としている。
上記した静電アクチュエータ79を使用することで、振動源として小型化を達成できるとともに、消費電力を抑えることができる。
図15は、本発明の第6の実施形態に係わる電気かみそり器の前記図3に対応する簡略化した側面図である。この電気かみそり器は、前記図1に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド9とほぼ同様な刃ヘッド9Eを2つ備えている。
すなわち、この刃ヘッド9Eも特に図示しないが、網状の外刃と、外刃の内側にてその長手方向(図15中で紙面に直交する方向)に往復移動する内刃とを備えるとともに、外刃を保持する外刃カセット15E及び内刃の振動駆動部を備えている。
この外刃カセット15Eは、内刃の振動駆動部とともに、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図15中で上下方向の前後に移動可能に取り付けてある。すなわち、刃ヘッド9Eが、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図15中で上下方向に移動可能である。
なお、この電気かみそり器においても、2つの刃ヘッド9E相互間に、前記図11に示した第2の実施形態と同様な刃ヘッド45を設けている。
第6の実施形態の電気かみそり器は、前記図14に示した静電アクチュエータ79に変えてソレノイドコイル81によって刃ヘッド9Eを振動させている。すなわち、グリップ部1の本体ハウジング29に設けた取付具69にソレノイドコイル81の本体部(固定鉄心)81aを設ける一方、各刃ヘッド9Eの外刃カセット15Eにソレノイドコイル81の可動部(可動鉄心)81bを取り付ける。この可動部81bは、本体部81aに対し後述する刃ヘッド9Eの振動方向(図15中で上下方向)に移動可能である。
したがって、第6の実施形態では、ソレノイドコイル81を作動させることで、可動部81bが固定部81aに対して図15中で上下方向の前後方向に移動し、これに伴い刃ヘッド9Eも同方向に移動して振動する。
この際、本実施形態では、2つのソレノイドコイル81の各可動部81bの移動形態に変化をもたせるように、例えばソレノイドコイル81の動作開始時期をずらせることで、2つの刃ヘッド9Eの振動形態を変化させることができる。すなわち、複数の刃ヘッドを、その外刃の先端の各頂面に対して交差する前後方向位置が互いに異なるように、本体ハウジング29に対して個別に振動可能としている。
図16(a)は、本発明の第7の実施形態に係わる電気かみそり器の前記図3に対応する簡略化した側面図、図16(b)は同正面図である。この電気かみそり器は、前記図1に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド9とほぼ同様な刃ヘッド9Fを2つ備えている。
すなわち、この刃ヘッド9Fも、網状の外刃11Fと、外刃11Fの内側にてその長手方向(図16中で紙面に直交する方向)に往復移動する内刃とを備えるとともに、外刃11Fを保持する外刃カセット15F及び内刃の振動駆動部を備えている。
この外刃カセット15Fは、内刃の駆動源とともに、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図16中で上下方向に移動可能に取り付けてある。すなわち、刃ヘッド9Fが、グリップ部1の本体ハウジング29に対し図16中で上下方向に移動可能である。
なお、この電気かみそり器においても、2つの刃ヘッド9F相互間に、前記図11に示した第2の実施形態と同様な刃ヘッド45を設けている。
第7の実施形態の電気かみそり器は、外刃カセット15Fに、携帯電話などに使用している超小型のバイブレータ83を取り付けることによって刃ヘッド9Fを振動させている。
すなわち、バイブレータ83の回転駆動モータ83aを、そのモータ軸83bが後述する刃ヘッド9Fの振動方向と直交する図16中で左右方向となるようにして外刃カセット15Fの内面もしくは外面に固定し、モータ軸83bに偏心錘83cを取り付ける。偏心錘83cは、モータ軸83bに対して直交する方向に重心が偏っている。なお、回転駆動モータ83a及び偏心錘83cを外刃カセット15Fの外面に固定する場合には、これらを覆うカバーを設ける。
したがって、第7の実施形態では、回転駆動モータ83aの駆動により偏心錘83cが偏心回転することで、刃ヘッド9Fが図16中で上下方向に振動する。
この際、本実施形態では、2つの偏心錘83cの回転位置(偏心位置)を互いに異なるよう設定しておくことで、2つの刃ヘッド9Fの振動形態を変化させることができる。すなわち、複数の刃ヘッドを、その外刃の先端の各頂面に対して交差する前後方向位置が互いに異なるように、本体ハウジング29に対して個別に振動可能としている。
上記図16に示した第7の実施形態では、携帯電話などに使用している超小型のモータを使用したバイブレータを振動源とすることで、振動源の小型化を達成することができる。
図17(a)は、本発明の第8の実施形態に係わる電気かみそり器の1つの刃ヘッド9Gの正面図、図17(b)は図17(a)の外刃11Gを省略した平面図である。この電気かみそり器も、前記図1に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド9と同様な刃ヘッド9Gを複数例えば2つ備えている。
第8の実施形態は、内刃85の振動駆動部86を利用して外刃11Gを図17(a)中で上下方向の前後方向に振動させている。内刃85はその振動駆動部86によって図17(a)中で左右方向に外刃11Gに対して往復振動する。
この往復振動する内刃85の長手方向一方の端部の刃面と反対側の基部側に、連結片87を介して連結ロッド89の一端を連結固定する。連結ロッド89は、図17(a)中で左右方向、すなわち内刃85の往復振動方向に延設しており、その他端は、リンク91の一端に連結ピン93を介して回転可能に連結する。リンク91の他端は遊星歯車95の中心軸95aに回転可能に連結固定する。
遊星歯車95は、環状の歯車97の内歯97aに噛み合っており、歯車97の外歯97bには平歯車99が噛み合っている。ここで、歯車97の中心は、前記した連結ピン93の中心に一致しており、内刃85の往復振動に伴う連結ロッド89の往復移動は歯車97の直径方向(図17(a)中で左右方向)に一致していて、これらの構造によってリニアクランク機構を構成している。
すなわち、連結ロッド89の往復移動によって遊星歯車95が歯車97の内周に沿って自転しながら公転し、これに伴い歯車97が回転し、さらに平歯車99も回転する。
ここで本実施形態では、外刃11Gを図17(b)に示す外刃内カセット101に固定し、該外刃内カセット101を外刃外カセット103に対して図17(a)中で上下方向に移動可能としており、この外刃外カセット103に前記した遊星歯車95と内歯車97と平歯車99とをそれぞれ回転可能に取り付けている。外刃外カセット103は、本体ハウジング29側の取付具104に固定する。また、内刃85を振動させる前記した振動駆動部86もこの取付具104に取り付けている。
そして、平歯車99の外周側の側部には作動ピン105を取り付け、この作動ピン105を外刃内カセット101に設けてある図示しない環状のガイド溝に挿入している。つまり、平歯車99の回転によって作動ピン105が外刃内カセット101のガイド溝に沿って相対移動し、これにより外刃内カセット101が外刃11Gとともに、外刃外カセット103に対し図17(a)中で上下方向の前後方向に往復振動する。
このような機構を他の図示していない他の刃ヘッド9Gについても採用し、これら各刃ヘッド9G相互間で、作動ピン105の位置を変化させるなどによって、複数の刃ヘッド9G間での外刃11Gの振動形態を異ならせることができる。
本実施形態では、外刃11Gの振動源を内刃85の振動駆動部と共用しているので、ヘッド部をより小型化できるとともに、消費電力を低減することができる。
なお、本実施形態では、刃ヘッド9G全体を振動させずに、外刃11Gを内刃85に対して前後方向に振動させているが、前記した各実施形態においても、本実施形態のように、外刃カセット15,15Aなどを、外刃を保持する外刃内カセットと、その外側に位置する外刃外カセットとから構成して外刃11,11Aなどのみを外刃内カセットとともに内刃に対して振動させるようにしてもよい。
図18(a)は、本発明の第9の実施形態に係わるか電気かみそり器の1つの刃ヘッド9Hの正面図、図18(b)は図18(a)の外刃11Hを省略した平面図である。この電気かみそり器も、前記図1に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド9と同様な刃ヘッド9Hを複数例えば2つ備えている。
第9の実施形態も、前記図17に示した第8の実施形態と同様に、内刃85の振動駆動部86を利用して外刃11Hを図18(a)中で上下方向の前後方向に振動させている。内刃85はその振動駆動部86によって図18(a)中で左右方向に外刃11Hに対して往復振動する。
なお、本実施形態においても、前記した第8の実施形態と同様に、外刃11Hを図18(b)に示す外刃内カセット101に固定し、該外刃内カセット101を外刃外カセット103に対して図18(a)中で上下方向の前後方向に移動可能としている。
ここで、上記往復振動する内刃85の外刃内カセット101側にラチェット爪107を突出して設け、このラチェット爪107を、外刃外カセット103に回転支持軸108を介して回転可能に取り付けてあるラチェット歯車109に係合させる。ラチェット歯車109の外刃内カセット101側の側部には、前記図17(a)の平歯車99と同様に作動ピン105を取り付け、この作動ピン105を外刃内カセット101に設けてある図示しない環状のガイド溝に挿入する。
すなわち、本実施形態では、内刃85の往復振動によってラチェット爪107も一体化して往復振動することで、ラチェット歯車109を一方向に回転させ、このラチェット歯車109の回転によって作動ピン105が外刃内カセット101のガイド溝に沿って相対移動し、これにより外刃内カセット101が、外刃11Hとともに外刃外カセット103に対し図18(a)中で上下方向の前後方向に振動する。
このような機構を他の図示していない他の刃ヘッド9Hについても採用し、これら各刃ヘッド9H相互間で、作動ピン105の位置を変化させるなどによって、複数の刃ヘッド9H間での外刃11Hの振動形態を異ならせることができる。
本実施形態では、前記した第8の実施形態と同様に、外刃11HGの振動源を内刃85の振動駆動部86と共用しているので、ヘッド部をより小型化できるとともに、消費電力を低減することができる。
図19(a)は、本発明の第10の実施形態に係わる電気かみそり器の1つの刃ヘッド9Jの正面図、図19(b)は図19(a)の外刃11Jを省略した平面図である。この電気かみそり器も、前記図1に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド9とほぼ同様な刃ヘッド9Jを複数の例えば2つ備えている。
第10の実施形態も、前記図17に示した第8の実施形態と同様に、内刃85の振動駆動部86を利用して外刃11Jを図19(a)中で上下方向の前後方向に振動させている。内刃85はその振動駆動部86によって図19(a)中で左右方向に外刃11Jに対して往復振動する。
内刃85は、内刃カセット113を介して振動駆動部86に取り付けられ、内刃カセット113の長手方向両端下部に連結ロッド115の一端を連結固定し、連結ロッド115の他端には回転体となるころ117を回転可能に取り付ける。
一方、前記図1と同様のグリップ部1の本体ハウジング29には取付具104を設け、この取付具104上に前記した振動駆動部86を、図19(a)中で上下方向に移動可能に取り付けるとともに、振動駆動部86の両側方には、前記したころ117が接触しながら転動する波状カム121を設置する。
波状カム121は、ころ117の転動面が内刃85の振動方向(図19中で左右方向)に剃って波型に形成してあり、この波状カム121のさらに外側の端部にスプリング123を介して、外刃11Jを保持する外刃カセット15Jの基端部を弾性的に連結している。スプリング123は、外刃11Jを内刃85に押し付けるように作用する。
したがって、本実施形態では、内刃85が、外刃11Jに対する往復振動に伴ってころ117が波状カム121の上を転動することで、図19(a)中で上下方向に振動し、この内刃85に内面を押し付けている外刃11Jも内刃85と一体となって同方向に振動することになる。
なお、振動駆動部86は取付具104上に固定してあるので、取付具104に対して図19(a)中で上下動する内刃カセット113は、振動駆動部86に対して上下動可能に連結してあるものとする。あるいは振動駆動部86を内刃カセット113に対して上下動可能に連結する。
このような機構を他の図示していない他の刃ヘッド9Jについても採用し、これら各刃ヘッド9J相互間で、波状カム121に対するころ117の接触位置を変化させるなどによって、複数の刃ヘッド9J相互間での外刃11Jの振動形態を異ならせることができる。
本実施形態では、前記した第8,第9の各実施形態と同様に、外刃11Jの振動駆動部86を内刃85の振動源と共用しているので、ヘッド部をより小型化できるとともに、消費電力を低減することができる。
図20(a)は、本発明の第11の実施形態に係わる電気かみそり器の1つの刃ヘッド9Kの正面図である。この電気かみそり器も、前記図1に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド9と同様な刃ヘッド9Kを複数例えば2つ備えている。
第11の実施形態は、前記図17に示した第8の実施形態と同様に、内刃85の振動駆動部86を利用して外刃11Kを図20(a)中で上下方向の前後方向に振動させている。内刃85はその振動駆動部86によって図20(a)中で左右方向に外刃11Kに対して往復振動する。
なお、本実施形態においても、前記図17に示した第8の実施形態と同様に、外刃11Kを図示しない外刃内カセットに固定し、該外刃内カセットを、外刃外カセット103に対して図20(a)中で上下方向に移動可能としている。また、内刃85はその基端部を内刃カセット113に固定している。内刃カセット113は振動駆動部86に装着し、振動駆動部86は取付具104に取り付けている。
そして、図示しない外刃内カセットの内面に設けた閉ループのガイド溝127に、内刃カセット113の側面に突出して設けたガイドピン129を移動可能に挿入する。このガイド溝127は、ジグザグ状の溝131と半円弧形状の溝133とから構成されている。
ジグザグ状の溝131は、図20(b)に拡大して示すように、刃ヘッド9Kの長手方向(図20中で左右方向)一方の端部から他方の端部に向けて該他方の端部が刃ヘッド9Kの先端側に位置するよう傾斜する第1傾斜部131aと、第1傾斜部131aの他方の端部から前記一方の端部に向けて第1傾斜部131aとは逆方向に傾斜する第2傾斜部131bと、第2傾斜部131bに連続する、前記第1傾斜部131aと同方向に傾斜する第3傾斜部131cと、第3傾斜部131cに連続する、前記第2傾斜部131bと同方向に傾斜する第4傾斜部131dとでジグザグ状に形成している。
そして、第1傾斜部131aの一方の端部と、第4傾斜部131dの端部とを半円弧形状の溝133の両端に接続して閉ループとなるガイド溝127を構成している。
また、ジグザグ状の溝131の第1〜第4の各傾斜部131a〜131dの相互の鋭角的に屈曲して連続する部位には、逆止弁135を設けている。逆止弁135は、実線で示す閉位置と、二点鎖線で示す開位置との間を移動変位可能であり、常時はばね作用によって閉位置となっている。
このような構成による第11の実施形態では、内刃85が、その往復振動に伴ってガイドピン129が図示しない外刃内カセットのガイド溝127内を移動することで、外刃11Kを支持する外刃内カセットが、外刃外カセット103及び内刃85に対して図20(a)中で上下方向の前後方向に振動することになる。
ガイドピン129は、上記した往復振動時に図20(a)に位置する状態、すなわち第1傾斜部131aの半円弧形状の溝133側の一方の端部に位置する状態から図中で左方向に移動すると、逆止弁135を開放して図20(b)の二点鎖線で示すように、第1傾斜部131aと第2傾斜部131bとの間に入り込み、この状態で逆止弁135は復元して閉となる。これによりガイドピン129は第1傾斜部131aには戻れず、第2傾斜部131bを半円弧溝133側に向けて移動し、次の逆止弁135を開放して第2傾斜部131bと第3傾斜部131cとの間に入り込み、この状態で逆止弁135は閉となる。これによりガイドピン129は第2傾斜部131bに戻れず、第3傾斜部131cを半円弧溝133と反対側に向けて移動し、同様にして次の逆止弁135を開放して第3傾斜部131cと第4傾斜部131dとの間に入り込み、この状態で逆止弁135は閉となる。
第4傾斜部131dに間に入り込んだガイドピン129は、半円弧溝133に向けて移動して半円弧溝133に沿って移動し、第1傾斜部131aに戻り、以後同様の動作を繰り返す。
このような機構を他の図示していない他の刃ヘッド11Kについても採用し、これら各刃ヘッド11K相互間で、例えば各傾斜部131a〜131dの傾斜を変化させるなどによって、複数の刃ヘッド11K間での外刃11Kの振動形態を異ならせることができる。
本実施形態では、前記した第8〜第10の各実施形態と同様に、外刃11Kの振動源を内刃85の振動駆動部86と共用しているので、ヘッド部をより小型化できるとともに、消費電力を低減することができる。
図21(a)は、本発明の第12の実施形態に係わる電気かみそり器の1つの刃ヘッド9Lの簡略化した正面図である。この電気かみそり器は、前記図20に示した第11の実施形態におけるガイド溝127に代えて、2枚の板ばね137,139の相互間に形成したガイド隙間141を設けている。
このガイド隙間141の隙間寸法は、前記図20に示したものと同様なガイドピン129が挿入できる程度にガイドピン129の直径とほぼ同等とし、このガイド隙間141を形成する2枚の板ばね137及び139のそれぞれの両端部137a,137b及び139a,139bを、図示しない外刃内カセットに固定する。したがって、各板ばね137及び139は、上記両端部137a,137b及び139a,139bを固定点としてそれより上部の部位が図中で上下方向に弾性変形可能である。
このような各板ばね137及び139の形状、換言すればガイド隙間141の形状は、ジグザグ状の溝143とほぼ半円弧形状の溝145とから構成されており、前記図20に示した溝127と基本的には同等である。
但し、ここでのジグザグ状の溝143は、図21(b)に拡大して示すように、第1傾斜部141a,第2傾斜部141b,第3傾斜部141c,第4傾斜部141dに加え、第5傾斜部141e及び第6傾斜部141fを備え、また、半円弧形状の溝145は、実際には円弧形状ではなく、多角形(6角形)の半分に相当する形状としているが、図20に示したガイド溝127と同様な構造としても構わない。
そして、この実施形態においても、第1傾斜部141a〜第6傾斜部141fの互いの接続部には図20と同様に逆止弁135を設けている。したがって、内刃85の図21(a)中で左右方向の往復振動に伴ってガイドピン129が板ばね137,139相互間のガイド隙間141内を、逆止弁135を開放しながら移動することで、外刃11Lが図示しない外刃内カセットとともに、図21(a)中で上下方向に振動することになる。
また、この実施形態では、2枚の板ばね137,139は、ガイド隙間141の隙間寸法がガイドピン129の直径より小さい場合であっても弾性により拡がることなどから、板ばね137,139を単にガイドピン129の直径程度となるように配置すればよく、ガイドピン129の直径に溝幅を整合させる必要のあるガイド溝127を形成する場合に比較して製造が容易である。
なお、上記した図20及び図21の各実施形態では、外刃11K,11Lを、外刃外カセット103に対して図示しない外刃内カセットとともに振動させているが、ガイド溝を外刃外カセット103に設けるとともに、外刃内カセットを内刃85に対してスプリングにより押圧した状態として内刃85に一体化させ、内刃カセット113に設けたガイドピン129を、外刃外カセット103のガイド溝内を移動させることで、内刃85と外刃内カセットを外刃外カセット103に対して振動させるようにしてもよい。この際、内刃カセット113を振動駆動部86に対して上記振動方向に移動可能とするか、あるいは振動駆動部86を取付具104に対して上記振動方向に移動可能とする。
図22は、本発明の第13の実施形態に係わる電気かみそり器を示す斜視図である。なお、この電気かみそり器は、3つの刃ヘッド9Mと、これら刃ヘッド9Mで剃ることができるヒゲよりも長いヒゲを効果的に剃るための前記図11に示したものと同様の刃ヘッド45を備えている。
上記した4つの刃ヘッド9M,45は、前記図1〜図4に示した第1の実施形態における4つの刃ヘッド11と同様に、4つのコイルスプリング19によって図1とほぼ同様のベース部21に個別に取り付けてあるものとする。すなわち、ベース部21が図23中で上下方向に往復振動すれば、これに伴い、前記した刃ヘッド9M,45が、互いにばね定数の異なるコイルスプリング19の振動作用によって、第1の実施形態と同様に、外刃11M及び刃ヘッド45の先端の各頂面の前後方向(図23中で上下方向)位置が互いに異なるように個別に前後方向に進退移動して振動することになる。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、内刃146を外刃11Mの長手方向(図23中で紙面に直交する方向)に向けて往復振動させる図示しない振動駆動部を、内刃146の下部の外刃カセット15M内に設けている。図22中の符号5Mは、4つの刃ヘッド9M,45を並列配置した刃ブロックである。
上記した第13の実施形態における電気かみそり器は、グリップ部1の本体ハウジング29の先端から、図22の外部ケース17Mを省略した要部の側面図である図23に示すように、スイッチ7を設けた側と反対側にてグリップ部1に対して傾斜するようにして向けて延びる傾斜連結部147を備えている。
この傾斜連結部147の上端に形成した凹部147aに、凹形状の揺動回転ベース149を図23中で上下動可能に収容し、揺動回転ベース149内に矩形状のブロック151を固定している。
矩形状のブロック151の図23中で紙面表側及び裏側には、それぞれ支持部材としての支持アーム153の下端を連結固定している。この各支持アーム153は、ブロック151から上方に延びる鉛直部153aを有し、鉛直部153aの上端にほぼC字形状の湾曲部153bを連続して備えている。
一方、支持アーム153の図23中で左右両側には一対のリンク155,157を配置してあり、この各リンク155,157の下端を、ピン159,161を介してベース部21に回転可能に連結している。上記一対のリンク155,157は、上方の先端側が互い接近するように湾曲形成してあり、この先端付近を、ピン163,165を介して支持アーム153の湾曲部153bに回転可能に連結している。
すなわち、本実施形態では、刃ヘッド9M,45を備えるベース部21側の図22に示すヘッド部167全体が、かみそり器本体側に相当する傾斜連結部147及びグリップ部1側に対し、図23及び図24(a),(b)に示すように、内刃146の外刃11Mに対する相対移動方向に沿って延びる軸169(仮想の軸)周りに、矢印B方向に揺動回転可能となっている。
このような揺動回転機構は、広く一般に知られている、リンク機構としてのてこクランク機構を利用している。
また、本実施形態では、図23のC矢視図である図25に示すように、ベース部21側にソレノイド171を取り付けてあり、このソレノイド171の下方に延びる可動部である可動鉄芯171aの先端を傾斜連結部147の上面147bに近接配置している。
したがって、ソレノイド171を繰り返しオン・オフ駆動することで、可動鉄芯171aが繰り返し進退移動し、その先端が傾斜連結部147の上面147bに対して当接する状態と当接しない状態とを連続的に繰り返す。この結果、傾斜連結部147の凹部147a内に収容してある揺動回転ベース149が、矩形状のブロック151とともに図23中で上下方向に往復移動して振動するとともに、ベース部21側が、複数の刃ヘッド9M,45とともに、図23に示す仮想の揺動中心となる軸169を中心として図23の矢印D方向に揺動回転して振動する。
そして、これら上下方向の往復振動や揺動回転振動の影響を受けて、刃ヘッド9M,45が、互いにばね定数の異なるコイルスプリング19の振動作用によって、第1の実施形態と同様に、外刃11M及び刃ヘッド45の先端の各頂面の前後方向(図23中で上下方向)位置が互いに異なるように個別に前後方向に進退移動して振動することになる。
したがって、ここではソレノイド171がベース部21を前記前後方向に振動させる振動駆動手段を構成していることになる。
以上より本実施形態では、ソレノイド171の駆動によって、第1の実施形態と同様に、複数の刃ヘッド9Mの各外刃11M及び刃ヘッド45の先端の各頂面の前後方向位置が互いに異なるように個別に前後方向に進退移動して振動するので、押し付けた刃ヘッド9Mの外刃11Mの孔及び刃ヘッド45の刃の隙間にヒゲをより深く入り込ませることができ、ヒゲ剃り効果をより確実に得ることができる。
また、複数の刃ヘッド9M,45が、図23に示す仮想の揺動中心となる軸169を中心として矢印D方向に揺動回転して振動するので、回転方向前方側に位置する刃ヘッド9Mと回転方向後方に位置する刃ヘッド9Mの各外刃11Mが交互に皮膚に対して押圧力を作用させることができ、刃ヘッド9Mを前後方向に往復振動させるだけの前記第1の実施形態に比較して、それぞれの外刃11Mの皮膚に対する押圧力を高めることができる。
すなわち、本実施形態では、外刃11Mの多数の小孔及び刃ヘッド45の刃の隙間に入り込ませた体毛の周囲の皮膚に対し、刃ヘッド9Mの揺動回転によって繰り返し押圧力を作用させて押し下げることになるので、外刃11Mの小孔及び刃ヘッド45の刃の隙間からの体毛の突出量を増加させることができ、体毛をより一層効果的に剃ることができる。
この際、本実施形態では、複数の刃ヘッド9Mを上記の揺動回転によって、回転方向前方側に位置する刃ヘッド9Mと回転方向後方側に位置する刃ヘッド9Mの各外刃11Mが交互に皮膚に押し付けることになるので、皮膚に対する押し付け力としては、局所的に高まるものの、揺動回転させずに全体を押し付ける場合に対し平均の押圧力はほぼ同等であり、強く押し付けすぎることによる皮膚当たりの不快感を抑えることができる。
図26は、本発明の第14の実施形態に係わる電気かみそり器を示す、前記図23に対応する側面図である。この実施形態の電気かみそり器は、前記図22に示したヘッド部167を、上記第13の実施形態の図23に示す矢印B方向の揺動回転方向に対し、図26のE矢視図である図27に示す矢印D方向に揺動回転させるように構成している。
なお、本実施形態では、ヘッド部167を上記図27の矢印D方向に揺動回転させるために、ソレノイド171を、図27中で左右方向中央位置に対し左右のいずれかの方向に若干ずらすか、あるいは、左右方向中央に配置したままで可動鉄芯171aが当接する傾斜連結部147の上面147bを図27中で左右方向に沿って傾斜させる必要がある。
第14の実施形態は、図26に示すように、傾斜連結部147の上端に形成した凹部147aに、凹形状の揺動回転ベース149を図26中で上下方向に移動可能に収容し、この揺動回転ベース149内に、前記ベース部21側と一体となる矩形状のブロック部173を移動可能に収容している。
そして、このブロック部173の図26中で左右両側部と揺動回転ベース149との間に、前記第13の実施形態で利用したものと同様の、支持部材としての支持アームと一対のリンクとを備えるリンク機構としてのてこクランク機構175を設けている。
なお、ここでのてこクランク機構175は、その支持アームの下端を揺動回転ベース149に固定し、支持アーム上部の湾曲部の上端を一対のリンクの先端側に回転可能に連結している。一対のリンクの下端はブロック部173に回転可能に連結する。
したがって、第14の実施形態では、第13の実施形態と同様にベース部21側に設けたソレノイド171を繰り返しオン・オフ駆動することで、可動鉄芯171aが繰り返し進退移動し、その先端が傾斜連結部147の上面147bに対して当接する状態と当接しない状態とを連続的に繰り返す。この結果、傾斜連結部147の凹部147a内に収容してある揺動回転ベース149が図26中で上下方向に往復移動して振動するとともに、ブロック部173を含むベース部21側が、複数の刃ヘッド9M,45とともに、図27の矢印D方向に揺動回転して振動する。
そして、これら上下方向の往復振動や揺動回転振動の影響を受けて、刃ヘッド9M,45が、互いにばね定数の異なるコイルスプリング19の作用によって、第1の実施形態と同様に、外刃11M及び刃ヘッド45の先端の各頂面の前後方向(図26中で上下方向)位置が互いに異なるように個別に前後方向に進退移動して振動することになる。
以上より本実施形態では、ソレノイド171の駆動によって、第13の実施形態と同様に、複数の刃ヘッド9Mの各外刃11M及び刃ヘッド45先端の各頂面の前後方向位置が互いに異なるように個別に前後方向に進退移動して振動するので、押し付けた刃ヘッド9Mの外刃11Mの孔及び刃ヘッド45の刃の隙間にヒゲをより深く入り込ませることができ、ヒゲ剃り効果をより確実に得ることができる。
また、複数の刃ヘッド9M,45が、図27中で矢印D方向に揺動回転振動するので、刃ヘッド9Mにおける各外刃11M及び刃ヘッド45の刃の長手方向(図27中で左右方向)一方の端部側と同他方の端部側とが交互に皮膚に対して押圧力を作用させることができ、刃ヘッド9M,45を前後方向に往復振動させるだけの前記第1の実施形態に比較して、それぞれの外刃11M及び刃ヘッド45の皮膚に対する押圧力を高めることができる。
すなわち、本実施形態では、外刃11Mの多数の小孔及び刃ヘッド45の刃の隙間に入り込ませた体毛の周囲の皮膚に対し、刃ヘッド9Mの揺動回転によって繰り返し押圧力を作用させて押し下げることになるので、外刃11Mの小孔及び刃ヘッド45の刃の隙間からの体毛の突出量を増加させることができ、体毛をより一層効果的に剃ることができる。
この際、本実施形態では、複数の刃ヘッド9Mを上記の揺動回転によって、各外刃11Mの長手方向(図27中で左右方向)一方の端部側と同他方の端部側とが交互に皮膚に押し付けることになるので、皮膚に対する押し付け力としては、局所的に高まるものの、揺動回転させずに全体を押し付ける場合に対して平均の押圧力はほぼ同等であり、強く押し付けすぎることによる皮膚当たりの不快感を抑えることができる。